JPH0892711A - 溶融金属めっき浴装置の運転方法 - Google Patents
溶融金属めっき浴装置の運転方法Info
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- JPH0892711A JPH0892711A JP23313094A JP23313094A JPH0892711A JP H0892711 A JPH0892711 A JP H0892711A JP 23313094 A JP23313094 A JP 23313094A JP 23313094 A JP23313094 A JP 23313094A JP H0892711 A JPH0892711 A JP H0892711A
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Abstract
軸受13、13の耐久性を向上させる。 【構成】 運転開始直後を除き、回転駆動用のシャフト
20と軸15の端部との係合を外す。この状態でサポー
トロール9は、表面にめっき処理を施す帯状金属板の表
面との摩擦によってのみ回転する。
Description
等、芯材となる長尺な帯状金属板の表面に、亜鉛、アル
ミニウム、これらの合金等の溶融金属を付着させる事
で、上記表面にめっき処理を施す溶融金属めっき浴装置
の運転方法の改良に関する。
る場合、電気化学的処理によるめっきの他、芯材となる
金属を上記他の金属を溶融させためっき浴中に浸漬す
る、所謂溶融金属めっき浴によるめっき処理が、広く行
なわれている。この様な溶融金属めっき浴に使用される
溶融金属めっき浴装置は従来から、例えば実開昭61−
90852号公報、特開平5−187445号公報に記
載されている様に、広く知られている。
浴装置を示している。アンコイラ1から送り出された、
鋼板、アルミニウム板等の帯状金属板2は、適宜の搬送
ロール3により案内されつつ、この帯状金属板2を予熱
する為の連続炉4からスナウト5を通り、亜鉛、アルミ
ニウム等の溶融金属6を貯溜しためっき槽7に導き入れ
られる。そして上記帯状金属板2は、このめっき槽7の
底部に水平方向に亙って設けられたシンクロール8によ
り折り返されて上方に方向転換されつつ、このめっき槽
7内を送られる事で、表面に溶融金属6を付着させる。
次いで上記帯状金属板2は、サポートロール9、9によ
って反りの矯正及び通板の安定化を図りつつ、めっき処
理済の帯状金属板2aとして、上記めっき槽7外に取り
出される。めっき槽7外に出る際に上記帯状金属板2a
は、ノズル10、10の間を通過する事で、溶融金属6
の付着量を規制される。上記ノズル10、10を通過し
た、めっき処理済の帯状金属板2aは、表面に付着した
金属を冷却固化させてから、リコイラ11に巻き取る。
れた状態で、表面に溶融金属6を付着させた帯状金属板
2aと当接するサポートロール9、9は、例えば図5に
示す様に、1対の支持腕12、12の先端部(下端部)
に転がり軸受13、13を介して、回転自在に支持され
る。即ち、上記各支持腕12、12の先端部に形成した
円孔14、14の内周面と、サポートロール9の両端面
中心部から突出した軸15、15の外周面との間にそれ
ぞれ転がり軸受13、13を設ける事により、上記サポ
ートロール9が軽い力で回転する様にしている。
熱性を要求される事から、例えばセラミック製のものを
使用する。即ち、各転がり軸受13、13を、それぞれ
窒化珪素等のセラミックにより造られた、外輪16と内
輪17と複数の転動体18、18とから構成している。
尚、これら複数の転動体18、18は、図示しない保持
器により、隣り合う転動体18、18同士の間に所定の
間隔をあけた状態で、転動自在に保持している。
の両端部を支持されたサポートロール9、9は、溶融金
属めっき浴装置の操業時に、図6に示す様な回転駆動装
置19とシャフト20とにより、前記帯状金属板2a
(図4)の送り速度と同期して回転駆動される。この回
転駆動装置19は、それぞれが前記めっき槽7外に設け
られた電動モータ21と減速機22とから構成される。
電動モータ21の回転は、減速機22及び自在継手23
を介してシャフト20に伝達され、更にこのシャフト2
0から上記サポートロール9に伝達され、このサポート
ロール9を駆動する。上述の様な回転駆動装置19を従
来は、溶融金属めっき浴装置によるめっき作業の間中、
回転駆動していた。
従来の溶融金属めっき浴装置により帯状金属板2の表面
にめっき処理を施す場合、サポートロール9、9を回転
駆動する事に起因して、次のの様な問題を生じる。
ロール9、9の回転速度とを同期させる事が難しく、制
御装置に高精度が要求される為、設備費が嵩む。即ち、
上記両速度が正確に同期しない場合には、帯状金属板2
aの表面とサポートロール9、9の外周面とが摩擦し合
い、この帯状金属何2a表面のめっき層の品質が悪くな
る。従って、上記両速度を正確に同期させるべく、高精
度の制御装置が必要になり、設備費が嵩んでしまう。
振動がサポートロール9、9に伝わる事で、帯状金属板
2a表面のめっき層の品質が悪くなるだけでなく、この
サポートロール9、9を支承している転がり軸受13、
13の摩耗が促進される。
ポートロール9、9を回転駆動する事なく、単に転がり
軸受13、13により回転自在に支承する事が考えられ
る。しかしながら、上記サポートロール9、9を全く回
転駆動しない場合には、アンコイラ1(図4)から引き
出してめっき槽7を通過させた帯状金属板2、2aをリ
コイラ11(図4)に巻き付ける、所謂通板作業を行な
う事が困難になる。本発明の溶融金属めっき浴装置の運
転方法は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
装置の運転方法により運転される溶融金属めっき浴装置
は、前述の従来から知られた溶融金属めっき浴装置と同
様に、互いに間隔をあけて配置され、それぞれの下端部
を溶融金属を貯溜しためっき槽中に挿入された1対の支
持腕と、両支持腕の間に水平方向に亙って設けられたロ
ールと、このロールの両端面中心部から突出した軸と、
この軸を上記各支持腕に対し回転自在に支持する転がり
軸受と、上記めっき槽外に設けられた回転駆動装置と、
この回転駆動装置の駆動軸にその基端部を結合すると共
にその先端部を上記軸の端部に係脱自在としたシャフト
と、表面にめっき処理を施していない帯状金属板を上記
めっき槽に向けて送り出すアンコイラと、このめっき槽
を通過する事で表面にめっき処理を施された帯状金属板
を巻き取るリコイラを備えている。
の運転方法である、本発明の溶融金属めっき浴装置の運
転方法は、溶融金属めっき浴装置の運転開始直後で、上
記帯状金属板を上記アンコイラから引き出して上記リコ
イラに巻き取るまでの間は、上記シャフトの先端部と上
記軸の端部とを係合させて、上記ロールを上記帯状金属
板の送り速度と同期して回転させる事により、この帯状
金属板が安定して送られる定常運転に移行させる。そし
て、定常運転時には、上記シャフトの先端部と上記軸の
端部との係合を外して上記ロールを、その外周面と帯状
金属板の片面との摩擦のみによって回転させる。
き浴装置の運転方法の場合には、溶融金属めっき浴装置
の運転開始直後には回転駆動装置によりロールを、帯状
金属板の送り速度と同期して回転させる為、アンコイラ
から引き出してめっき槽を通過させた帯状金属板をリコ
イラに巻き付ける通板作業を容易に行える。
トの先端部と軸の端部との係合を外して上記ロールを、
その外周面と帯状金属板の片面との摩擦のみによって回
転させる為、回転駆動装置やシャフトの振動がこのロー
ルに伝わる事がない。この為、振動に基づくめっき層の
品質悪化や転がり軸受の耐久性低下を防止できる。
験に就いて説明する。尚、本発明の方法により運転する
溶融金属めっき浴装置の構造自体は、従来から知られた
溶融金属めっき浴装置の構造と変わる点はない。又、シ
ャフト20の先端部と軸15の端部とを係脱させる構造
も、溶融金属めっき浴装置には従来から組み込まれてい
る。これは、例えばサポートロール9を支持する転がり
軸受13、13の交換作業を行う際に、上記シャフト2
0が交換作業の妨げとならない様にする為である。
の端部とを係脱させる構造を実現する為に、図1に示す
様に、上記シャフト20の先端部には係合ピン24を、
このシャフト20の直径方向に亙って固定し、この係合
ピン24の両端部を上記シャフト20の外周面よりも突
出させている。一方、上記軸15の端部には、先端側
(図1の右側)が開口した円筒状の受具25を固定して
いる。この受具25の直径方向反対位置には切り欠き
(図示省略)を形成している。
を上記軸14に伝達する場合には、上記係合ピン24の
両端部を上記切り欠きに係合させつつ、上記シャフト2
0の先端部を上記受具25内に挿入する。又、シャフト
20と軸15との係合を外す場合には、シャフト20を
(図示しない台車に載った回転駆動装置19ごと図1の
右方に)後退させ、このシャフト20の先端部を上記受
具25から抜き出すと共に、上記係合ピン24の両端部
を上記切り欠きから抜き出す。この結果上記シャフト2
0は、上記受具25による支持力を喪失する為、チェン
26により吊り上げたり、或は図示しない支持ローラに
より支持する。
は、溶融金属めっき浴装置の運転開始時(めっき操業立
ち上げ時)には、前述した図6の状態で、サポートロー
ル9、9を回転駆動しつつ、帯状金属板2、2aをアン
コイラ1から引き出してリコイラ11に巻き取る。そし
て、上記サポートロール9、9を回転駆動した状態のま
ま、溶融金属6の液面に浮遊する不純物(ドロス)の掻
き落とすと同時に、各サポートロール9、9の温度分布
の均一化を図る。尚、この間、上記サポートロール9、
9部分を通過する帯状金属板は、製品とはならない、所
謂ダミーコイルである為、各サポートロール9、9が振
動したり、或はサポートロール9、9の回転速度と帯状
金属板2、2aの送り速度とが正確に同期しなくても、
特に問題とはならない。
ートロール9、9の温度分布が均一化され、上記帯状金
属板2、2aの送り速度が安定する定常運転に移行した
ならば、上記図1に示す様に、シャフト20の先端部と
軸15の端部との係合を外す。そして、上記サポートロ
ール9を、その外周面と帯状金属板2の片面との摩擦の
みによって回転させる。
の運転方法の効果を確認する為に、本発明者は、次の条
件で連続運転試験を行ない、サポートロール9、9に生
じる振動、転がり軸受13、13の寿命、溶融めっきを
施された帯状金属板2aの表面品質に就いて検証した。
尚、表面品質に就いては、めっき厚さの均一性、チャタ
ーマーク欠陥、さざなみ模様欠陥の3種類に就いて検証
した。
20の先端と軸15の端部とを係合させて、電動モータ
21によりサポートロール9を回転駆動する状態と、図
1に示す様にシャフト20の先端と軸15の端部との係
合を外して、サポートロール9を帯状金属板2、2aの
摩擦により回転させる状態、即ち非駆動状態とでの振
動、寿命、表面品質に就いて検証した。その結果、表面
品質に関しては、次の表1に示す様な結果が得られた。
尚、上記した試験条件は、帯状金属板2の厚さが小さく
(薄く)、幅が狭いと言った、サポートロール9の非駆
動化にとって不利な条件である。
件が厳しいにも拘らず、サポートロール9を非駆動状態
とする本発明の運転方法によれば、サポートロール9を
駆動状態としたままとする従来の運転方法に比べて、サ
ポートロール9に生じる振動、転がり軸受13、13の
寿命、溶融めっきを施された帯状金属板2aの表面品質
の何れに就いても、良好な結果を得られた。帯状金属板
2として、より厚さが大きく、幅が広いものを使用した
場合には、本発明の効果はより顕著になるものと考えら
れる。尚、上記表1中、振動は、試験開始直後、転がり
軸受13、13が殆ど摩耗していない状態での数値を示
している。又、転がり軸受13、13の寿命は、この転
がり軸受13、13の摩耗量の総和(外輪、玉、内輪の
摩耗量の合計)が1mmに達した時点とした。ちなみに、
使用した転がり軸受13、13は、摩耗量の総和が3mm
に達した時点で、玉を保持する保持器が内輪の外周面と
外輪の内周面との間で挟持され、円滑な回転支持を行な
えなくなる(転がり軸受として機能しなくなる)。又、
表面品質を表わす上記表1の符号中、◎はきわめて良好
なレベルを、○は良好なレベルを、△は改善を要するレ
ベルを、それぞれ表わしている。
摩耗に伴う振動の変化に就いて測定した。この結果を図
2に示す。この図2で、実線aは本発明の運転方法によ
る場合の振動の変化を、破線bは従来の運転方法による
場合の振動の変化を、それぞれ表わしている。又、各線
a、bの途中に記載した白丸及び黒丸は、各時点での振
動の平均値を、これら各丸から上下方向に伸びた線分の
下端は各時点での振動の下限値を、上端は同じく上限値
を、それぞれ表わしている。前記表1及びこの図2の記
載から明らかな通り、従来の運転方法の場合には、運転
開始直後から振動が大きく(強く)、しかも時間の経過
と共に振動が大きくなる程度が著しい。これに対して、
本発明の運転方法によれば、サポートロール9、9の振
動を運転開始初期から小さく(弱く)抑える事が可能
で、しかも長期間運転後に於いても振動が大きくなる程
度が少ない。
の摩耗に伴うこの転がり軸受13、13の全隙間量に就
いて測定した。この結果を図3に示す。この図3で、実
線aは本発明の運転方法による場合の全隙間量(=摩耗
量の総和)の変化を、破線bは従来の運転方法による場
合の全隙間量の変化を、それぞれ表わしている。又、各
線a、bの途中に記載した白丸及び黒丸は、各時点での
全隙間量を表わしている。この図3の記載から明らかな
通り、従来の運転方法の場合には、運転開始直後から全
隙間量が比較的急に増大し、30日経過した時点で転が
り軸受13、13の寿命として規定した1mmに達し、6
8日経過した時点で全隙間量が3mmに達して、上記サポ
ートロール9、9の回転が損なわれる状態となった。こ
れに対して、本発明の運転方法によれば、全隙間量の増
大が緩徐である。そして、88日間経過した時点でも上
記全隙間量が、転がり軸受13、13の寿命として規定
した1mmよりも遥かに少なかった。尚、試験は88日経
過した時点で終了した。
法によれば、次のの様な効果を得られる。 定常運転時には、帯状金属板の送り速度とロールの
回転速度とが自動的に同期する為、制御装置は特にこれ
ら両速度を同期させる制御を行う必要がなく、制御装置
の簡略化により、設備費の低減を図れる。 定常運転時に於けるロールの振動が少なくなり、帯
状金属板表面のめっき層の品質向上を図ると同時に、こ
のロールを支承している転がり軸受の摩耗低減を図れ
る。この結果、転がり軸受の交換周期を長くして、溶融
金属めっき浴装置のメンテナンスに要する費用の低減を
図れる。
態を示す、図6と同様の図。
ロールの振動の経時的変化を示す線図。
間の経時的変化を示す線図。
同方向から見た図。
Claims (1)
- 【請求項1】 互いに間隔をあけて配置され、それぞれ
の下端部を溶融金属を貯溜しためっき槽中に挿入された
1対の支持腕と、両支持腕の間に水平方向に亙って設け
られたロールと、このロールの両端面中心部から突出し
た軸と、この軸を上記各支持腕に対し回転自在に支持す
る転がり軸受と、上記めっき槽外に設けられた回転駆動
装置と、この回転駆動装置の駆動軸にその基端部を結合
すると共にその先端部を上記軸の端部に係脱自在とした
シャフトと、表面にめっき処理を施していない帯状金属
板を上記めっき槽に向けて送り出すアンコイラと、この
めっき槽を通過する事で表面にめっき処理を施された帯
状金属板を巻き取るリコイラとを備えた溶融金属めっき
浴装置の運転方法であって、溶融金属めっき浴装置の運
転開始直後で、上記帯状金属板を上記アンコイラから引
き出して上記リコイラに巻き取るまでの間は、上記シャ
フトの先端部と上記軸の端部とを係合させて、上記ロー
ルを上記帯状金属板の送り速度と同期して回転させる事
により、この帯状金属板が安定して送られる定常運転に
移行させ、定常運転時には、上記シャフトの先端部と上
記軸の端部との係合を外して上記ロールを、その外周面
と帯状金属板の片面との摩擦のみによって回転させる溶
融金属めっき浴装置の運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6233130A JP3007274B2 (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 溶融金属めっき浴装置の運転方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6233130A JP3007274B2 (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 溶融金属めっき浴装置の運転方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0892711A true JPH0892711A (ja) | 1996-04-09 |
JP3007274B2 JP3007274B2 (ja) | 2000-02-07 |
Family
ID=16950220
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6233130A Expired - Lifetime JP3007274B2 (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | 溶融金属めっき浴装置の運転方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3007274B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-28 JP JP6233130A patent/JP3007274B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3007274B2 (ja) | 2000-02-07 |
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