JPH0892152A - 2−メチル−1,4−ナフトキノンの製造方法 - Google Patents

2−メチル−1,4−ナフトキノンの製造方法

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JPH0892152A
JPH0892152A JP6257545A JP25754594A JPH0892152A JP H0892152 A JPH0892152 A JP H0892152A JP 6257545 A JP6257545 A JP 6257545A JP 25754594 A JP25754594 A JP 25754594A JP H0892152 A JPH0892152 A JP H0892152A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2−メチルナフタレンにカルボン酸を含む溶
媒中、パラジウム化合物及び硫酸の存在下に過酸化水素
及び/又は有機過酸を作用させることを特徴とする2−
メチル−1,4−ナフトキノンの製造方法。 【効果】 クロム化合物などの環境上問題のある物質を
使用することなく、過酸化水素の利用効率が大幅に向上
するうえに、反応原料である2−メチルナフタレンの転
化率を高くしても高選択率で2−メチル−1,4−ナフ
トキノンを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2−メチルナフタレン
を液相で酸化して2−メチル−1,4−ナフトキノンを
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−メチル−1,4−ナフトキノンは、
メナジオンあるいはビタミンK3 と言われ、動物体の出
血時に止血作用を有する。また、ビタミンK3 のみなら
ず、その誘導体であるビタミンK1 、K2 、K4 、ビタ
ミンK3 重亜硫酸ナトリウム付加物、ビタミンK3 重亜
硫酸ジメチルピリミジノール塩付加物なども人体用医薬
品、飼料用添加剤などとして使用されており、有用な化
合物である。
【0003】従来、2−メチル−1,4−ナフトキノン
の工業的製造方法としては、2−メチルナフタレンを無
水クロム酸、重クロム酸ナトリウムなどの重クロム酸塩
などを使用して酸化する方法が行なわれてきた。しか
し、近年のクロム化合物による公害問題により、この方
法での製造は困難になってきた。
【0004】これに対し、クロム化合物を使用しない酸
化方法についても、これまでに種々提案されてきた。そ
の方法の1つに、2−メチルナフタレンをバナジウム系
触媒を使用して気相で酸素酸化する方法がある(特開平
6−9485号公報など)が、この方法では、高い選択
率を得るために、転化率を非常に低く抑えざるを得な
い。また、液相での酸化方法として、セリウム化合物を
使用する方法が知られている(特開昭63−26442
8号公報など)。この方法によると、比較的高収率で目
的化合物を得ることができるが、化学量論量のセリウム
化合物を使用するため、電解などでセリウム化合物を再
生する必要がある。
【0005】他の方法として、2−メチルナフタレンを
液相で、過酸化水素又は有機過酸を用いて酸化する方法
が知られている。この方法における反応例として、酢酸
等の溶媒中、触媒を用いないで酸化する方法(特公昭5
9−53252号公報など)、酸を触媒として用いる方
法(特開昭53−50147号公報)などが知られてい
るが、いずれも収率が40%に満たない低収率である。
パラジウムを添着させたイオン交換樹脂を触媒として用
いる試みもあり(特開昭61−227548号公報)、
この方法では50%を超える収率が得られているが、反
応物質に対して大量のイオン交換樹脂を使用するので、
イオン交換樹脂のコストとイオン交換樹脂からの溶出物
による汚染防止の観点から、イオン交換樹脂に非常に高
度の耐久性を付与する必要がある。Chem. Phe
rm. Bull., 34(2) 445−449
(1986)は、2−メチルナフタレンの酢酸溶媒中、
過酸化水素による酸化反応をパラジウム−イオン交換樹
脂触媒を用いて繰り返し行った場合の実験結果を報告し
ている。それによると、1回目の収率60.2%が4回
目には50.5%と約16%も低下しており、本発明者
等が追試した結果でも、触媒の繰り返し使用は5〜6回
が限度であった。このことは触媒コストが非常に大きく
なることを意味し、経済的観点から工業的な採用は困難
である。また、イオン交換樹脂を回分式反応装置で使用
する場合、反応液とともにイオン交換樹脂が撹拌される
ため、イオン交換樹脂に物理的強度が要求される。一
方、連続流通式反応装置を用いる場合、この反応は非常
に大きな発熱を伴なうため、除熱が極めて困難である。
また、この方法においては、2−メチルナフタレンの十
分な転化率を得るためには、2−メチルナフタレンに対
して6倍モル以上、すなわち、理論的必要量の2倍以上
という大量の過酸化水素を使用しなければならない。こ
のことは、原料薬品費に占める過酸化水素のコストが高
くなるのみならず、過剰な過酸化水素に起因する酸素ガ
スの発生、及び/又は過酸化物の反応系中への蓄積をも
たらし、操業運転時の発火や爆発の危険性を増大させる
可能性が高い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、2−メチル
ナフタレンを過酸化水素などの酸化剤で酸化して2−メ
チル−1,4−ナフトキノンを製造する方法において、
2−メチルナフタレンからの収率を向上させるのみでな
く、過酸化水素などの酸化剤の効率を高めること、反応
系を均一系にして除熱を容易にすること、ならびに触媒
コストを低減することにより、従来技術に比べ経済的か
つ工業的に有利に2−メチル−1,4−ナフトキノンを
製造することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、パラジウ
ム及びイオン交換樹脂を用いて過酸化水素により2−メ
チルナフタレンを酸化する従来技術に対して、意外に
も、イオン交換樹脂に代えて、比較的大量の硫酸を用い
ることにより、過酸化水素の利用効率が大幅に向上する
うえに、転化率を高くしても高選択率で2−メチル−
1,4−ナフトキノンが得られることを見出し、本発明
に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、2−メチルナフタレ
ンに、カルボン酸を含む溶媒中、パラジウム化合物及び
カルボン酸溶媒1リットルに対する重量で5g〜100
gの硫酸の存在下に過酸化水素及び/又は有機過酸を作
用させることを特徴とする2−メチル−1,4−ナフト
キノンの製造方法を提供する。
【0009】従来公知の方法において、本発明と類似の
条件を採用したものとして、前述のChem. Phe
rm. Bull., 34(2) 445−449
に、PdSO4 を触媒として用い過酸化水素により酸化
を行なった例が記載されている。この例では、Pd(O
Ac)2 をこれと対応する鉱酸、すなわち硫酸と酢酸中
で混合することでPdSO4 を合成し、そのまま使用し
ているが、記述から推定すると、硫酸の使用量はPd
(OAc)2 と等モル程度と考えられ、本発明で規定し
た量に比して大幅に低濃度である。また、この文献に
は、反応速度が比較的速いことは記載されているが、収
率に関する記載はない。また、Chem. Pher
m. Bull., 34(11) 4467−447
3には、パラジウム−イオン交換樹脂触媒存在下での過
酸化水素によるナフタレン及びメチルベンゼンの酸化反
応について速度式を決定するための実験方法が記載され
ており、酢酸5mlに対して4.6mg(すなわち酢酸
1リットルに対して0.92g)と、やはり本発明で規
定した量に比べ低濃度の硫酸を用いて酸化反応を行なっ
ているが、初速度の測定を行うに止まり、収率に関する
記述はない。本発明者等は、この文献に記載されている
方法がどの程度の反応成績を示すか確認するために、比
較実験を行ってみた。その結果を比較例7に示すが、本
発明で得られる結果に比して転化率、選択率共に満足す
べきものではなかった。以上のごとく、反応に使用する
硫酸の量を増やすことで、反応速度のみならず、転化率
と選択率が向上することは予想外のことであり、特に過
酸化水素の利用効率が向上することは、まったく意外な
ことである。
【0010】このような過酸化水素の効率の向上が認め
られる原因については今のところ明らかではない。
【0011】本発明において溶媒として使用されるカル
ボン酸は、反応原料および硫酸と混和し、反応条件下で
液体のカルボン酸であればよい。具体的には、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプロン酸、カプリン
酸などが挙げられるが、通常は、反応原料、生成物、副
生物、硫酸、過酸化水素、生成水などとの相溶性が良
く、安価な酢酸が好ましく用いられる。
【0012】カルボン酸は単独で用いてもよいし、ある
いは反応に不活性な溶媒との混合物として用いることも
できる。
【0013】本発明で使用されるパラジウム化合物とし
ては、反応系に加えた場合に均一系を形成するものが望
ましい。具体的には酢酸パラジウム、カプリル酸パラジ
ウムなどのカルボン酸塩、塩化パラジウム、臭化パラジ
ウムなどのハロゲン化物、硫酸パラジウム、硝酸パラジ
ウムなどの酸の塩、パラジウムアセチルアセトナト錯
体、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム、トリス(ジベンジリデンアセトン)クロロホルムジ
パラジウム等の錯体化合物などが挙げられ、とりわけ酢
酸パラジウム及び硫酸パラジウムの使用が好ましい。
【0014】パラジウム化合物は、その使用量が少な過
ぎると収率及び過酸化水素の効率の点で十分な効果を得
ることができず、多過ぎると経済的観点から好ましくな
い。したがって、その使用量は一般に反応終了時の溶媒
に対するPdの量として25〜500mg/リットルで
あり、好ましくは45〜200mg/リットルである。
反応時に使用される硫酸は、濃硫酸でも硫酸水溶液でも
よく、あるいはカルボン酸溶液として添加して用いても
良い。
【0015】硫酸はカルボン酸1リットルに対する重量
で5〜100gの範囲で用いられ、さらに好ましくは1
5〜50gの範囲で用いられる。この量が少な過ぎると
十分な収率が達成されず、多い場合は、コストや装置腐
食などの点で望ましくない。
【0016】酸化剤として使用される過酸化水素は、通
常30〜60重量%の水溶液で用いられるが、100%
の過酸化水素を使用しても差し支えはない。また、酸化
剤としては、過酢酸、m−クロロ過安息香酸のような有
機過酸を用いることもできる。これらは、純粋な有機過
酸として、あるいは適当な溶媒の溶液として用いること
ができる。また、過酸化水素を予めカルボン酸と反応さ
せて有機過酸を形成し、これをそのまま用いて酸化を行
なっても良い。その使用量は、少な過ぎると十分な原料
の転化率を得ることができず、多過ぎると経済的に不利
であるのみならず、過剰な過酸化水素が生成物をさらに
酸化するため、かえって収率が下がることがある。その
ため、過酸化水素の好ましい使用量は2−メチルナフタ
レン1モルに対して0.5〜10モルであり、さらに好
ましくは1〜4モルである。過酸化水素の添加方法は、
所定量を反応系内に一度に添加しても、あるいは一定の
割合で経時的に添加しても良い。また、過酸化水素を溶
媒であるカルボン酸、あるいはカルボン酸及び硫酸と混
合して添加しても差し支えない。
【0017】反応原料である2−メチルナフタレンの溶
液中の濃度は、高過ぎると2−メチル−1,4−ナフト
キノンの収率が低くなるし、低過ぎると容積効率が悪く
なり、実用的ではない。通常、2−メチルナフタレンの
濃度は最終溶液量に対する仕込み量として0.1〜20
0g/リットルであり、好ましくは1.0〜100g/
リットルである。
【0018】反応温度は、25℃から100℃の範囲が
好適であるが、40〜90℃の範囲が特に望ましい。反
応温度が25℃未満では収率が低下し、100℃を超え
ると酸化剤の分解が始まり、その効率が悪くなる。反応
時間は通常5分から8時間程度であるが、過酸化水素の
添加速度、反応条件等により任意に調節することができ
る。
【0019】本発明において反応原料として用いられる
2−メチルナフタレンは、タールの留分より分離する等
の方法により工業的に生産されており、容易に入手する
ことができる。
【0020】本反応方法により得られた2−メチル−
1,4−ナフトキノンは、通常知られている方法で反応
混合物中より取り出すことができる。例えば、反応液を
濃縮し、これに水を加えて、2−メチル−1,4−ナフ
トキノンを固体として析出させて得る方法などがある。
【0021】また、本反応で使用された触媒のPdも、
適切な後処理を加えることで回収することができる。後
処理方法としては、還元剤を加えて金属パラジウムを沈
降させる方法、適切な溶媒の溶液にしたのち吸着捕集す
る方法などが挙げられる。
【0022】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、以下の実施例において、2−メチルナ
フタレンをMN、2−メチル−1,4−ナフトキノンを
VK3と略記する。また、転化率、選択率および収率は
下記式にしたがって求めた。
【0023】
【数1】
【0024】実施例1 2−メチルナフタレン(MN)0.7g(4.92 m
mol)および硫酸800mg(反応終了時の酢酸1リ
ットルに対して20g)を酢酸13ml中に溶解させ、
酢酸パラジウムの0.2%酢酸溶液4.0mlを加え、
撹拌下に70℃に昇温し、次いで60%過酸化水素水
0.7ml(15.32mmol)と酢酸3.0mlの
混合物を15分かけて滴下した。滴下終了後そのまま1
5分間70℃で撹拌したのち、反応液を冷却し、HPL
C内部標準法で原料及び生成物の定量を行なった。結
果、2−メチルナフタレンの転化率は96.2%、2−
メチル−1,4−ナフトキノン(VK3)の選択率は6
7.3%、収率は64.7%であった。
【0025】実施例2〜6 硫酸量を表1で示される量にし、反応時間を滴下終了後
1時間とした以外は実施例1と同様に反応を行なった。
硫酸量及び反応成績を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例7〜8 表2で示される量のMNを用い、硫酸400mgを酢酸
16ml中に溶解させ、酢酸パラジウムの0.2%酢酸
溶液1.0mlを加え、撹拌下に70℃に昇温し、次い
で表2中に記載の量の60%過酸化水素水と酢酸3.0
mlの混合物を15分かけて滴下した。滴下終了後その
まま1時間70℃で撹拌したのち、反応液を冷却し、H
PLC内部標準法で原料及び生成物の定量を行なった。
添加量および反応成績を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】実施例9〜11 MN 0.7gおよび硫酸400mgを酢酸16ml中
に溶解させ、酢酸パラジウムの0.2%酢酸溶液1.0
mlを加え、撹拌下に表3中に記載の所定の温度に昇温
し、次いで60%過酸化水素水0.7mlと酢酸3.0
mlの混合物を15分かけて滴下した。滴下終了後その
ままの温度で1時間(実施例11については2.5時
間)撹拌したのち、反応液を冷却、HPLC内部標準法
で原料及び生成物の定量を行なった。反応温度および反
応成績を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】実施例12〜15 MN 0.7gおよび硫酸400mgを酢酸13ml中
に溶解させ、酢酸パラジウムの0.2%酢酸溶液所定量
を加え、さらに酢酸を加えて溶液中の酢酸量を17ml
とした後、撹拌下に70℃に昇温し、次いで60%過酸
化水素水0.7mlと酢酸3.0mlの混合物を15分
かけて滴下した。滴下終了後そのままの温度で1時間撹
拌したのち、反応液を冷却、HPLC内部標準法で原料
及び生成物の定量を行なった。加えた酢酸パラジウム量
および反応成績を表4に示す。
【0032】
【表4】
【0033】実施例16 酢酸パラジウムの酢酸溶液に代えて12%硫酸パラジウ
ム水溶液15μl(8.9μmol)を用いた以外は実
施例14と同様に反応を行なった。反応成績は、MN転
化率 89.2%、VK3選択率 60.3%であっ
た。
【0034】実施例17 酢酸パラジウム溶液に代えてトリス(ジベンジリデンア
セトン)クロロホルムジパラジウム(0) 9.5mg
を用いた以外は実施例14と同様に反応を行なった。反
応成績はMN転化率92.5%、VK3選択率 64.
1%であった。
【0035】実施例18 酢酸パラジウム溶液に代えてジクロロビス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム 6.2mgを用いた以外は
実施例14と同様に反応を行なった。反応成績はMN転
化率92.5%、VK3選択率 62.5%であった。
【0036】実施例19 60%過酸化水素水1.4ml、酢酸19.6ml、硫
酸400mgの混合物を、撹拌下に70℃、30分反応
させた。反応後に溶液中の過酢酸、過酸化水素を滴定に
て定量したところ、それぞれ1.24mol/リット
ル、0.08mol/リットルであった。この過酢酸溶
液のうち10mlを反応に用いた。反応は、MN 0.
7gおよび硫酸400mgを酢酸20ml中に溶解さ
せ、酢酸パラジウムの0.2%酢酸溶液1.0mlを加
え、撹拌下に70℃に昇温し、次いで上記過酢酸溶液1
0mlを15分かけて滴下した。滴下終了後そのままの
温度で1時間撹拌したのち、反応液を冷却、HPLC内
部標準法で原料及び生成物の定量を行なった。反応成績
はMN転化率 79.6%、VK3選択率60.8%で
あった。
【0037】実施例20 酢酸をすべてプロピオン酸に代えて、実施例4と同様に
反応を行なった。反応成績は、MN転化率 88.0
%、VK3選択率60.3%であった。
【0038】比較例1 比較のため、硫酸のみを触媒として反応を行なった。酢
酸パラジウムを添加しなかったこと、および反応時間を
3時間とした以外は実施例14と同じ方法で反応を行な
った。反応後分析の結果、MNの転化率は80.0%、
VK3の選択率は45.6%、収率は36.5%であっ
た。
【0039】比較例2 比較のため、硫酸を添加せず、酢酸パラジウムのみを触
媒として反応を行なった。硫酸を加えなかったこと、お
よび反応時間を4時間とした以外は実施例1と同様に反
応を行なった。反応後分析の結果、MNの転化率は5
7.7%、VK3の選択率は39.6%、収率は22.
8%であった。
【0040】比較例3 触媒調製:スルホン酸型イオン交換樹脂(DOWEX
50W−X8,200〜400mesh)1gを酢酸1
0mlに浸漬し、上澄みの酢酸をデカンテーションで取
り除いた後、酢酸 10mlを加え、次いで撹拌下に酢
酸パラジウム2mgを加え、そのまま5時間撹拌した。
一夜静置後、余分の酢酸を取り除いて使用した。
【0041】反応:上記触媒に酢酸10ml、MN
0.35gを加えて撹拌下に50℃まで昇温し、60%
過酸化水素水 0.35mlを加えて反応を開始した。
4時間後にさらに60%過酸化水素水 0.35mlを
追加、さらに4時間反応を継続した。冷却後、反応液を
HPLC内部標準法で分析して反応成績を算出した。そ
の結果、MN転化率は75.4%、VK3選択率は4
9.0%、収率は36.9%であった。
【0042】なお、先行文献(特開昭61−22754
8号公報)では、このような条件で反応を行なうことに
より、転化率88.8%、選択率59.0%が得られる
としているが、本発明者等が種々追試を行なってもこの
成績を再現することはできなかった。
【0043】比較例4 比較例3で調製したのと同じ触媒を用い、過酸化水素の
使用量を最初の0.35mlだけとし、4時間後に過酸
化水素を追加しなかった以外は比較例3と同様にして反
応を行なった。その結果、MN転化率 42.0%、V
K3選択率 44.2%、VK3収率 18.5%と、
満足な反応成績を得ることはできなかった。これは過酸
化水素の約80%が、酸素に分解し、あるいは生成物を
酸化する等の副反応に消費されたことを意味する。
【0044】比較例5および6 硫酸に代えて他の酸を用いた以外は実施例4と同様に反
応を行なった。使用した酸の種類、量および反応成績を
以下に示す。
【0045】 比較例5: リン酸 800mg (2時間反応) …MN転化率 64.2%、VK3選択率 42.8% 比較例6:トリフルオロメタンスルホン酸 800mg …MN転化率 86.4%、VK3選択率 38.9%
【0046】比較例7 硫酸の量を20mgとした以外は実施例2と同様に反応
を行なった。反応成績は、MN転化率 80.9%、V
K3選択率 48.1%、VK3収率 38.9%であ
った。十分なMN転化率を上げることができず、VK3
選択率も50%を超えていない。
【0047】
【発明の効果】本発明に従えば、以下の効果が得られ
る。 (1)一段階の反応で、原料の転化率を犠牲にすること
なく高い選択率で2−メチル−1,4−ナフトキノンを
得ることができる。 (2)理論的必要量程度の量の過酸化水素で、高い転化
率が得られ、従来の方法に比べて過酸化水素の効率を飛
躍的に高めることができ、経済上および安全上有利に2
−メチル−1,4−ナフトキノンを製造することができ
る。 (3)均一系、温和な条件で反応が行なえるので除熱が
容易である。 (4)反応系で劣化する高価なイオン交換樹脂を用いな
いので、経済上有利である。
【0048】上述のように、本発明によれば、クロム化
合物などの環境上問題のある物質を使用することなく、
工業上有利に2−メチル−1,4−ナフトキノンを製造
する方法を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−メチルナフタレンに、カルボン酸を
    含む溶媒中、パラジウム化合物及びカルボン酸溶媒1リ
    ットルに対する重量で5g〜100gの硫酸の存在下に
    過酸化水素及び/又は有機過酸を作用させることを特徴
    とする2−メチル−1,4−ナフトキノンの製造方法。
  2. 【請求項2】 カルボン酸が炭素数8以下の飽和脂肪族
    カルボン酸である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 パラジウム化合物が反応系に可溶性のパ
    ラジウム化合物である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 2−メチルナフタレン1モルに対して過
    酸化水素を1〜4モルの割合で用いることを特徴とする
    請求項1、2又は3記載の製造方法。
JP25754594A 1994-09-27 1994-09-27 2−メチル−1,4−ナフトキノンの製造方法 Expired - Fee Related JP3449800B2 (ja)

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