JPH0891960A - 回路基板用基材 - Google Patents

回路基板用基材

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JPH0891960A
JPH0891960A JP6246812A JP24681294A JPH0891960A JP H0891960 A JPH0891960 A JP H0891960A JP 6246812 A JP6246812 A JP 6246812A JP 24681294 A JP24681294 A JP 24681294A JP H0891960 A JPH0891960 A JP H0891960A
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JP
Japan
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aln
sintered body
powder
base material
carbon
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Application number
JP6246812A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Kasori
光男 加曽利
Akihiro Horiguchi
昭宏 堀口
Katsuyoshi Oishi
克嘉 大石
Hiroyasu Sumino
裕康 角野
Fumio Ueno
文雄 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高熱伝導性、低誘電率および高強度の回路基
板用基材を提供しようとするものである。 【構成】 主たる熱拡散の経路が熱拡散係数率0.3c
2 /sec以上、見掛け密度2.10g/cm3
下、平均一次粒子径2.0μm以上、粒子間に平均直径
1.0μm以上のネックが形成された多孔質窒化アルミ
ニウム焼結体と前記焼結体の気孔に充填された有機物と
からなることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回路基板に用いられる
基材に関する。
【0002】
【従来の技術】電子回路は、主にICなどの素子、基
板、配線などで構成されている。近年、電子回路の高速
化、小型化、さらに大出力化が進み、素子の発熱量が無
視できない大きな値になっている。これに対応して、低
誘電率のガラスセラミックスや高熱伝導性の窒化アルミ
ニウム(AlN)からなる基材を備えた回路基板が開発
されている。
【0003】回路基板に用いられる基材として要求され
る性能は多岐に亘っているが、特に重要ものは信号伝搬
速度を小さくするための低誘電率で、素子から発生する
熱を効率よく放散するための高熱伝導性、低電気抵抗の
配線材料を使用するための低温焼結性である。しかしな
がら、AlN焼結体からなる基材は高熱伝導性ながらガ
ラスセラミックス製のものに比べて比誘電率が高く、焼
結温度が高くなる等の問題がある。
【0004】AlN焼結体からなる基材の低誘電率化の
手段としては、樹脂またはガラスなどの低誘電率材料に
AlN粒子を分散させて高熱伝導性でかつ低誘電性を実
現することが試みられている。例えば、特開昭61−2
81088号公報や特開平3−30392号公報には、
ポーラスなAlN焼結体と前記焼結体の気孔に充填され
た樹脂またはガラスとからなる低誘電率、高熱伝導率の
基材を備えた回路基板が開示されている。しかしなが
ら、前記基材は比誘電率を低減できるものの、AlN粒
子間の接触だけでは熱の伝搬が不十分で熱伝導率が著し
く低下する。また、AlN粒子の接触を十分にすると、
気孔率が小さくなるため、低誘電率化が実現できなくな
る。その結果、誘電率も熱伝導率も不十分で、特徴のな
い基材になってしまう。
【0005】一方、S.F.Horvathらの“Ad
vanced In Ceramics,Vol.2
6,Oct,18−21,1987”においては1wt
%の酸素を含むAlN粉末を1wt%のカーボンを添加
することによりAlNの緻密化が起こらずに粒成長でき
ることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多孔
質で高熱伝導率のAlN焼結体を熱拡散経路とし、かつ
有機物を前記AlN焼結体の少なくとも表面の気孔に充
填した構造を有し、高熱伝導性、低誘電率および高強度
の回路基板用基材を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる回路基板
用基材は、主たる熱拡散の経路が熱拡散係数率0.3c
2 /sec以上、見掛け密度2.10g/cm3
下、平均一次粒子径2.0μm以上、粒子間に平均直径
1.0μm以上のネックが形成された多孔質窒化アルミ
ニウム焼結体であり、前記焼結体の少なくとも表面の気
孔が有機物で充填されていることを特徴とするものであ
る。
【0008】前記多孔質焼結体の熱拡散係数を限定した
理由は、その値を0.3cm2 /sec未満にすると高
熱伝導性の基材が得られなくなるからである。より好ま
しい前記多孔質焼結体の熱拡散係数は、0.35cm2
/sec以上である。
【0009】前記多孔質焼結体の見掛け密度を限定した
理由は、その値が2.10g/cm3 を越えると、気孔
率か低下して前記有機物の充填量が相対的に低下して低
誘電率で高強度の基材を得ることができなくなる。より
好ましい前記多孔質焼結体の見掛け密度は2.00g/
cm3 以下である。
【0010】前記多孔質焼結体の平均一次粒子径、粒子
間のネックの平均直径をそれぞれ2.0μm以上、1.
0μm以上に規定した理由は、これらの値未満にする
と、熱拡散率の高い基材が得られなくなるからである。
より好ましい前記多孔質焼結体の平均一次粒子径、粒子
間のネックの平均直径は、それぞれ2.5μm以上、
1.2μm以上である。
【0011】前記有機物としては、特に制限されない
が、エポキシ系、ポリイミド系、ポリアミド系、アクリ
ル系、メタクリル系の樹脂等が適している。
【0012】本発明に係わる回路基板用基材は、以下に
示す方法により製造される。
【0013】よく知られているようにAlN焼結体の代
表的な製造方法としてはAl2 3粉末と炭素粉末とを
混合し、窒素雰囲気中で焼成することによってAl2
3 を還元窒化する方法がある。同様に本発明では、成形
体中に含まれる炭素が窒素雰囲気中での焼結途中にAl
N原料中に不可避的に含まれる酸化アルミニウム不純物
を還元窒化してAlNに変化させる。酸化アルミニウム
不純物が還元窒化されて消失すると、AlNは実質的に
緻密化しなくなる。この機構は明らかではないが、本発
明者らは焼結途中でのAlN中へのAl2 3 の固溶が
なくなることで、AlN結晶粒中のAl空孔濃度の増加
がなくなり、空孔を介しての拡散が起こり難くなり、そ
の結果として緻密化が進行しなくなるものと考えてい
る。このような条件では緻密化は起こらないものの、A
lN結晶粒は粒子間の結合(ネック)が形成され、粒成
長が起こる。
【0014】近年、得られるようになった微粉かつ低濃
度酸素のAlN粉末では、焼結助剤を添加せずに180
0℃以上の焼結でかなり緻密化し、理論密度の3.26
g/cm3 に対して3.0g/cm3 以上に達する。本
発明者らの研究によれば、酸素不純物を含んだまま緻密
化させた焼結体は、緻密化しているものの、炭素添加し
て緻密化させずに焼結した場合よりも熱拡散率が低いこ
とを見出した。一般に、多孔質体の熱拡散率は見掛け密
度に比例して高くなる。すなわち、AlNの純度と形
状、さらにAlN粒間の結合が同じであれば、熱拡散率
は見掛け密度に比例して高くなる。本発明では、結晶途
中で熱拡散率に有害な酸素不純物を除去することにより
AlN格子中への酸素固溶が起こらず、高純度なAlN
からなる焼結体を得ることができる。さらに焼結により
AlN結晶粒間の結合(ネック)の形成が起こり、熱拡
散を容易にしていると考えられる。
【0015】AlN中への酸素固溶を図る手段の一つと
しては、AlNの格子定数の測定が挙げられる。発明者
らの研究によれば、酸素を例えば1.0wt%前後含有
しているAlN粉末を添加物なしで緻密化させると、A
lNの格子定数がC軸長が短くなり、A軸長が僅かに長
くなった。これは、AlN格子の窒素サイトに酸素が固
溶し、電荷のバランスを補償するためのAl空孔が生成
するために、格子定数が変化するためであると考えられ
る。AlNの熱キャリアは、格子振動であり、AlN空
孔は格子振動を散乱させ、熱拡散を妨げる。一方、炭素
を適量添加して焼結した場合は、格子定数の変化はな
く、AlN格子中への酸素の固溶が殆ど起こっていない
と考えられる。したがって、本発明によれば酸素固溶量
の少ない、高熱拡散率の多孔質AlN焼結体が得られ
る。
【0016】上述した方法において、AlNを主成分と
し、炭素を含む成形体を収縮させることなく焼結し、一
方でAlN結晶粒の成長と結晶粒間の結合、つまりネッ
クの形成とを行うことにより熱伝導率の高い多孔質Al
N焼結体が得られる。このような多孔質AlN焼結体の
少なくとも表面の気孔中に前述した樹脂のような有機物
を含浸(充填)させることで低誘電率化、機密性の付与
および強度の向上がなされたAlN−樹脂複合体(基
材)が製造される。この後、必要に応じて例えばドリル
などの穴あけ加工のような機械的、電気的および化学的
の各種後加工を行うことを許容する。
【0017】前記AlN粉末は、実質的にあらゆる入手
可能な粉末を用いることができるが、焼結性の観点から
不純物酸素量が0.2〜1.8重量%、平均一次粒子径
が3.5μm以下、より好ましくは0.1〜2.5μm
であることが望ましい。
【0018】前記炭素は、炭素粉末を加えるか、または
有機物を添加し、非酸化性雰囲気中での焼成により炭化
させる方法で加えることができる。前記炭素粉末として
は、例えばカーボンブラック、グラファイト、無定形炭
素等を用いることができる。前記有機物としては、例え
ばアクリル系樹脂、パラフィン、セルロース、蔗糖、澱
粉などの粉体および/または液体を用いることができ
る。
【0019】前記酸化アルミニウム不純物を還元窒化さ
せるに十分な炭素量とは、下記数1に示す反応式から計
算される炭素量の0.75〜1.02倍である。
【0020】
【数1】 前記反応式において、Al2 3 はAlN粉末に含まれ
る酸素量をガス分析法により測定し、これをAl2 3
に換算したものである。この範囲以下では、還元窒化が
十分に起こり得ず、AlNへの酸素の固溶やAlNの緻
密化が起こる場合がある。一方、前記範囲を越えると、
炭素が焼結体に残存し、十分な電気絶縁性が得られない
場合が生じる。
【0021】AlNと炭素を含む焼結体は、窒素雰囲気
中で1700℃以上で焼結されるが、1700℃では1
0時間以上、2000℃では10分間以上保持されるこ
とが好ましい。焼結工程は、単調に最高温度まで昇温す
ることができるが、Al2 3 成分を効率よく還元窒化
するために、1550℃前後で1時間以上保持した後、
最高温度まで昇温することもできる。
【0022】前記基材の製造において、通常のAlN焼
結助剤として使用されるY2 3 などの希土類化合物、
CaOなどのアルカリ土類化合物または遷移金属が添加
されることを許容する。ただし、これらの焼結助剤や遷
移金属を添加する場合には添加物自体が還元窒化されて
炭素を消費する場合があるため、それに応じて炭素量を
調節することが必要である。例えばY2 3 を添加する
と、下記数2の反応式によりY2 3 が還元窒化されて
YNが生成される。
【0023】
【数2】 前記希土類化合物、アルカリ土類化合物または遷移金属
は、粉体または液体の形態で添加される。前記希土類化
合物としては、例えばY、La、Ceなどの酸化物、炭
化物、フッ化物、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、アルコ
キシド等が挙げられ、前記アルカリ土類化合物としては
例えばCa、Ba、Srなどの酸化物、炭化物、フッ化
物、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、アルコキシド等が挙
げられる。また、希土類化合物、アルカリ土類化合物を
添加した後、希土類の硝酸塩をアルコールに溶解して添
加する等の種々の組み合わせが可能である。
【0024】前記希土類化合物および/またはアルカリ
土類化合物は、AlN粉末に対して0.5〜10重量%
添加することが好ましい。
【0025】
【作用】本発明によれば、AlNを主成分とし、緻密化
もしくは収縮させることなく焼結され、一方でAlN結
晶粒の成長と結晶粒間の結合であるネックの形成がなさ
れた、つまり主たる熱拡散の経路が熱拡散係数率0.3
cm2 /sec以上、見掛け密度2.10g/cm3
下、平均一次粒子径2.0μm以上、粒子間に平均直径
1.0μm以上のネックが形成された多孔質窒化アルミ
ニウム焼結体と前記焼結体の少なくとも表面の気孔に充
填された有機物とからなるため、熱拡散率が高く、かつ
低比誘電率(例えば7.0以下)で高強度(例えば10
0MPa以上)である回路基板用基材を得ることができ
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0027】(実施例1)まず、不純物酸素量0.98
重量%、平均一次粒子径0.6μmで格子定数がc軸4
98.05nm、a軸が311.34nmのAlN粉末
100重量部に平均粒子径0.1μm、純度99.9%
の炭素粉粉末0.70重量部を加え、ボールミルを用い
て解砕、混合して原料粉末を調製した、つづいて、この
原料粉末にアクリル系バインダ5重量%を添加して造粒
した後、この造粒粉を50MPaの一軸加圧下で成形し
て圧粉体とした。この圧粉体を窒素ガス雰囲気中、70
0℃まで加熱してアクリル系バインダを除去した。脱バ
インダ圧粉体はグリーン密度が1.88g/cm3 であ
った。また、前記脱バインダ圧粉体の炭素量をガス分析
装置で測定した。その結果、0.81重量%と増加して
いた。これは、バインダの一部が炭素として残留したた
めであると考えられる。
【0028】次いで、前記脱バインダ圧粉体をh−BN
製の容器中にセットし、この容器をグラファイト炉内に
入れ、1気圧の窒素雰囲気中、1900℃、16時間焼
成することによりAlN焼結体を製造した。
【0029】得られたAlN焼結体は白色を呈し、収縮
率が2.3%であった。
【0030】前記焼結体の密度をアルキメデス法により
測定した。その結果、2.02g/cm3 であり、焼結
前に比べて殆ど緻密化されていなかった。
【0031】前記焼結体から直径10mm、厚さ3mm
の円板を切り出し、21±2℃の室温下でJIS−R1
611に従ってレーザフラッシュ法により熱拡散率を測
定した。その結果、0.44cm2 /secであった。
【0032】前記焼結体の一片を粉砕した後、X線回折
により構成相を調べた。その結果、AlN以外の回折ピ
ークは見られなかった。また、焼結体のAlN格子定数
はc軸498.06nm、a軸が311.15nmで原
料AlN粉末と比べて殆ど変化していなかった。
【0033】さらに、得られた焼結体の微細構造写真を
図1に示す。この図1から焼結体はAlN結晶粒が平均
約2〜5μmまで成長しており、AlN粒子間でネック
が形成され、ネックの直径は平均で約1.2μm以上で
あると見積もられた。
【0034】次いで、前記AlN焼結体を2液性エポキ
シ樹脂を減圧したで含浸させ、約100℃、1時間硬化
させた。得られた複合材(回路基板用基材)をJIS−
R1601に従って4点曲げ強度を測定した。その結
果、平均強度は230MPaであった。また、前記複合
材をJIS−C2141に従って10MHz、室温下で
の誘電率を測定した。その結果、5.6と通常のAlN
焼結体が8.5であるのに比べて十分に低い誘電率を有
することが確認された。
【0035】(比較例1)実施例1と同様なAlN粉末
のみを用いた以外、同様な方法によりAlN焼結体を製
造した。なお、脱バインダ圧粉体はグリーン密度が1.
88g/cm3 、残留炭素量が0.12重量%であっ
た。
【0036】得られたAlN焼結体は白色を呈し、収縮
率が18.7%、密度が3.01g/cm3 であった。
【0037】前記焼結体から直径10mm、厚さ3mm
の円板を切り出し、21±2℃の室温下でJIS−R1
611に従ってレーザフラッシュ法により熱拡散率を測
定した。その結果、0.40cm2 /secであった。
【0038】前記焼結体の一片を粉砕した後、X線回折
により構成相を調べた。その結果、AlNとグラファイ
トの回折ピークは見られた。また、焼結体のAlN格子
定数はc軸497.87nm、a軸が311.15nm
で原料AlN粉末と比べてc軸長の変化が大きくかっ
た。これは、AlN格子中への酸素固溶が原因であると
考えられる。
【0039】(実施例2)実施例1と同様なAlN粉末
のみを用い、かつ焼結を2000℃、10分間行った以
外、同様な方法によりAlN焼結体を製造した。なお、
脱バインダ圧粉体はグリーン密度が1.88g/c
3 、残留炭素量が0.81重量%であった。
【0040】得られたAlN焼結体は白色を呈し、収縮
率が2.0%、密度が2.00g/cm3 であった。ま
た、レーザフラッシュ法による熱拡散率は0.42cm
2 /secであった。前記焼結体の一片を粉砕した後、
X線回折により構成相を調べところ、AlN以外の回折
ピークは見られなかった。
【0041】また、得られたAlN焼結体に実施例1と
同様な方法により2液性エポキシ樹脂を含浸し、硬化さ
せて複合材(回路基板用基材)を作製し、この複合材を
JIS−R1601に従う4点曲げ強度およびJIS−
C2141に従う誘電率をそれぞれ測定した。その結
果、平均強度は190MPa、誘電率は5.6であるこ
とが確認された。
【0042】(実施例3)実施例1と同様なAlN粉末
のみを用い、かつ焼結を1900℃、100時間間行っ
た以外、同様な方法によりAlN焼結体を製造した。な
お、脱バインダ圧粉体はグリーン密度が1.88g/c
3 、残留炭素量が0.81重量%であった。
【0043】得られたAlN焼結体は白色を呈し、収縮
率が2.8%、密度が2.05g/cm3 であった。ま
た、レーザフラッシュ法による熱拡散率は0.56cm
2 /secであった。前記焼結体の一片を粉砕した後、
X線回折により構成相を調べところ、AlN以外の回折
ピークは見られなかった。
【0044】また、得られたAlN焼結体に実施例1と
同様な方法により2液性エポキシ樹脂を含浸し、硬化さ
せて複合材(回路基板用基材)を作製し、この複合材を
JIS−R1601に従う4点曲げ強度およびJIS−
C2141に従う誘電率をそれぞれ測定した。その結
果、平均強度は220MPa、誘電率は5.3であるこ
とが確認された。
【0045】(実施例4)実施例1と同様なAlN粉末
100重量部に実施例1と同様な炭素粉末を1.10重
量部および平均粒径0.1μmで純度99.9%のY2
3 を3重量部添加して原料粉末を調製した。この原料
粉末を実施例1と同様な方法により焼結することにより
AlN焼結体を製造した。なお、脱バインダ圧粉体はグ
リーン密度が1.89g/cm3 、残留炭素量が1.2
2重量%であった。
【0046】得られたAlN焼結体は白色を呈し、収縮
率が2.2%、密度が2.01g/cm3 であった。ま
た、レーザフラッシュ法による熱拡散率は0.40cm
2 /secであった。前記焼結体の一片を粉砕した後、
X線回折により構成相を調べところ、AlN以外に窒化
イッリウム(YN)の回折ピークは見られた。
【0047】また、得られたAlN焼結体に実施例1と
同様な方法により2液性エポキシ樹脂を含浸し、硬化さ
せて複合材(回路基板用基材)を作製し、この複合材を
JIS−R1601に従う4点曲げ強度およびJIS−
C2141に従う誘電率をそれぞれ測定した。その結
果、平均強度は205MPa、誘電率は5.5であるこ
とが確認された。
【0048】(実施例5)不純物酸素量0.43重量
%、平均一次粒子径0.8μmのAlN粉末100重量
部に平均粒子径0.1μm、純度99.9%の炭素粉粉
末0.20重量部を加え、ボールミルを用いて解砕、混
合して原料粉末を調製した、つづいて、この原料粉末に
アクリル系バインダ5重量%を添加して造粒した後、こ
の造粒粉を50MPaの一軸加圧下で成形して圧粉体と
した。この圧粉体を窒素ガス雰囲気中、700℃まで加
熱してアクリル系バインダを除去した。脱バインダ圧粉
体はグリーン密度が1.85g/cm3 であった。ま
た、前記脱バインダ圧粉体の炭素量をガス分析装置で測
定したところ、0.29重量%と増加していた。これ
は、バインダの一部が炭素として残留したためであると
考えられる。次いで、前記脱バインダ圧粉体を実施例1
と同様に1気圧の窒素雰囲気中、1900℃、16時間
焼結することによりAlN焼結体を製造した。
【0049】得られたAlN焼結体は白色を呈し、収縮
率が3.0%、密度が2.03g/cm3 であった。ま
た、レーザフラッシュ法による熱拡散率は0.46cm
2 /secであった。前記焼結体の一片を粉砕した後、
X線回折により構成相を調べところ、AlNとクラファ
イトの回折ピークは見られた。
【0050】また、得られたAlN焼結体に実施例1と
同様な方法により2液性エポキシ樹脂を含浸し、硬化さ
せて複合材(回路基板用基材)を作製し、この複合材を
JIS−R1601に従う4点曲げ強度およびJIS−
C2141に従う誘電率をそれぞれ測定した。その結
果、平均強度は195MPa、誘電率は5.4であるこ
とが確認された。
【0051】(実施例6)不純物酸素量1.80重量
%、平均一次粒子径0.6μmのAlN粉末100重量
部に平均粒子径0.1μm、純度99.9%の炭素粉粉
末1.25重量部を加え、ボールミルを用いて解砕、混
合して原料粉末を調製した、つづいて、この原料粉末に
パラフィン(バインダ)5重量%を添加して造粒した
後、この造粒粉を50MPaの一軸加圧下で成形して圧
粉体とした。この圧粉体を窒素ガス雰囲気中、700℃
まで加熱してバインダを除去した。脱バインダ圧粉体は
グリーン密度が1.90g/cm3 であった。また、前
記脱バインダ圧粉体の炭素量をガス分析装置で測定した
ところ、1.35重量%と増加していた。次いで、前記
脱バインダ圧粉体を1気圧の窒素雰囲気中、1800
℃、16時間焼結することによりAlN焼結体を製造し
た。
【0052】得られたAlN焼結体は白色を呈し、収縮
率が1.8%、密度が2.01g/cm3 であった。ま
た、レーザフラッシュ法による熱拡散率は0.33cm
2 /secであった。前記焼結体の一片を粉砕した後、
X線回折により構成相を調べところ、AlN以外の回折
ピークは見られなかった。
【0053】また、得られたAlN焼結体に実施例1と
同様な方法により2液性エポキシ樹脂を含浸し、硬化さ
せて複合材(回路基板用基材)を作製し、この複合材を
JIS−R1601に従う4点曲げ強度およびJIS−
C2141に従う誘電率をそれぞれ測定した。その結
果、平均強度は210MPa、誘電率は5.5であるこ
とが確認された。
【0054】(実施例7)不純物酸素量1.20重量
%、平均一次粒子径0.7μmのAlN粉末100重量
部に平均粒子径0.1μm、純度99.9%のグラファ
イト炭素粉粉末0.8重量部を加え、ボールミルを用い
て解砕、混合して原料粉末を調製した、つづいて、この
原料粉末にパラフィン(バインダ)5重量%を添加して
造粒した後、この造粒粉を50MPaの一軸加圧下で成
形して圧粉体とした。この圧粉体を窒素ガス雰囲気中、
700℃まで加熱してバインダを除去した。脱バインダ
圧粉体はグリーン密度が1.88g/cm3 であった。
また、前記脱バインダ圧粉体の炭素量をガス分析装置で
測定したところ、0.9重量%と増加していた。次い
で、前記脱バインダ圧粉体を1気圧の窒素雰囲気中、1
900℃、24時間焼結することによりAlN焼結体を
製造した。
【0055】得られたAlN焼結体は白色を呈し、収縮
率が2.5%、密度が2.03g/cm3 であった。ま
た、レーザフラッシュ法による熱拡散率は0.49cm
2 /secであった。前記焼結体の一片を粉砕した後、
X線回折により構成相を調べところ、AlN以外の回折
ピークは見られなかった。
【0056】また、得られたAlN焼結体に実施例1と
同様な方法により2液性エポキシ樹脂を含浸し、硬化さ
せて複合材(回路基板用基材)を作製し、この複合材を
JIS−R1601に従う4点曲げ強度およびJIS−
C2141に従う誘電率をそれぞれ測定した。その結
果、平均強度は235MPa、誘電率は5.7であるこ
とが確認された。
【0057】(実施例8)実施例7と同様なAlN粉末
のみを用い、かつ焼結を1700℃、100時間行った
以外、同様な方法によりAlN焼結体を製造した。な
お、脱バインダ圧粉体はグリーン密度が1.88g/c
3 、残留炭素量が0.81重量%であった。
【0058】得られたAlN焼結体は白色を呈し、収縮
率が1.2%、密度が1.95g/cm3 であった。ま
た、レーザフラッシュ法による熱拡散率は0.56cm
2 /secであった。前記焼結体の一片を粉砕した後、
X線回折により構成相を調べところ、AlN以外の回折
ピークは見られなかった。
【0059】また、得られたAlN焼結体に実施例1と
同様な方法により2液性エポキシ樹脂を含浸し、硬化さ
せて複合材(回路基板用基材)を作製し、この複合材を
JIS−R1601に従う4点曲げ強度およびJIS−
C2141に従う誘電率をそれぞれ測定した。その結
果、平均強度は210MPa、誘電率は5.4であるこ
とが確認された。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば多
孔質で高熱伝導率のAlN焼結体を熱拡散経路とし、か
つ有機物を前記AlN焼結体の気孔に充填した構造を有
し、高熱伝導性、低誘電率および高強度で高速、大出力
の回路基板に有用な基材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で製造されたAlN焼結体の
微細粒子構造を示すSEM写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 1/03 610 E 7511−4E (72)発明者 角野 裕康 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 上野 文雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる熱拡散の経路が熱拡散係数率0.
    3cm2 /sec以上、見掛け密度2.10g/cm3
    以下、平均一次粒子径2.0μm以上、粒子間に平均直
    径1.0μm以上のネックが形成された多孔質窒化アル
    ミニウム焼結体であり、前記焼結体の少なくとも表面の
    気孔が有機物で充填されていることを特徴とする回路基
    板用基材。
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