JPH0891838A - 酸化インジウムの製造法 - Google Patents

酸化インジウムの製造法

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JPH0891838A
JPH0891838A JP26433994A JP26433994A JPH0891838A JP H0891838 A JPH0891838 A JP H0891838A JP 26433994 A JP26433994 A JP 26433994A JP 26433994 A JP26433994 A JP 26433994A JP H0891838 A JPH0891838 A JP H0891838A
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Ichiro Nishimoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インジウム含有物例えばITOスクラップ材
等から高純度な無機酸インジウム溶液を製造し、該溶液
から高純度な酸化インジウムを高収率かつ低コストで製
造する方法を提案する。 【構成】 インジウム含有物を硝酸で浸出し硝酸インジ
ウム溶液を得る第1工程と、第1工程で得られた溶液を
アルキルリン酸エステル系抽出剤によりインジウムイオ
ンを溶媒抽出し、得られた抽出液を無機酸により逆抽出
してインジウム溶液を得る第2工程と、第2工程で得ら
れた溶液をカルボン酸系抽出剤によりインジウムイオン
を溶媒抽出し、得られた抽出液を無機酸により逆抽出し
てインジウム溶液を得る第3工程と、第3工程で得られ
た溶液をアルカリと反応させ、得られた水酸化インジウ
ムを焙焼して酸化インジウムを得る第4工程とからなる
酸化インジウムの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化インジウムの製造
法に関し、詳しくはインジウム含有物、例えば酸化イン
ジウム錫(以下、ITOという)スクラップ材等から高
純度な無機酸インジウム溶液を製造し、この溶液から高
純度な酸化インジウムを高収率で製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、透明導電膜に用いられるIT
Oは、スパッタ法や蒸着法により形成されており、この
とき用いられるターゲット材としては、ITO焼結体が
広く用いられている。これらのITO焼結体ターゲット
の使用率は30%程度と低く、大部分はスクラップとし
て回収されている。
【0003】回収されたITOスクラップは、ターゲッ
ト製造時の不純物混入やバッキングプレートと接合する
ためのろう材付着,成膜時の不純物付着,スクラップ粉
砕時の不純物の混入などにより汚染されており、これら
不純物は透明導電膜として使用する場合、光透過性や導
電性を阻害するため、該スクラップをそのままITOと
して再生することはできない。
【0004】一方、ITO焼結体の製造においては、一
般に金属インジウムを無機酸で溶解し、得られたインジ
ウム溶液にアルカリ剤を添加して水酸化インジウムを生
成させ、これを焙焼して酸化インジウムとするか、又は
インジウム溶液をそのまま直接焙焼して酸化インジウム
としたものを所定量のSnO粉と混合してITO原料
粉とする。
【0005】また、インジウム溶液にSnCl等の錫
溶液の所定量を添加して共沈させ、その共沈物を焙焼す
ることにより、ITO原料粉とする方法もある。このよ
うにして得られたITO原料粉を成形焼成して、ITO
焼結体を製造する。
【0006】金属インジウムは、通常亜鉛鉱中に微量含
まれているインジウムを亜鉛製錬の副産物として回収
し、電解法等により精製し金属化しているが、その生産
量は亜鉛の生産高により大きく左右され、またその生産
高にもおのずと限界がある。
【0007】かかる背景からして、ITOスクラップか
ら高純度インジウムを高収率で回収することは、希少資
源の有効活用の関点から重要な意味を持つものである。
【0008】従来のITOスクラップの回収精製法とし
ては、各種法が提案されているが、一般的には前処理し
た後電解精製して金属インジウムを製造し、ITO製造
工程で溶解等各種処理を行なってITO原料粉とした
後、再利用する方法が行なわれている。
【0009】その精製法には、大別して湿式法と乾式法
とがあり、 (1)湿式法には、酸化還元反応を利用した前処理(例
えば、特開昭55−158125号公報や特開昭55−
158126号公報を参照)を行なって、回収したイン
ジウムを電解採取する方法。 (2)一方乾式法としては、インジウム含有物に塩化剤
を添加し、加熱処理することにより、インジウム塩化物
を生成させた後、揮発回収する方法が提案されている。
【0010】しかし、上記のような従来技術には、次の
ような問題点がある。 (1)湿式前処理−電解採取方法 この方法では、前処理工程で多数回の▲ろ▼過分離工程
が必要であり、この際の他金属との完全分離が非常に困
難であり、また電解時の電力消費量が大きく、工程が複
雑であるのでランニングコスト高となる。また、この方
法で金属インジウムとして回収した場合には、ITOを
製造するに際し、更に無機酸に溶解する必要があり、工
程が極めて複雑となる等の欠点がある。
【0011】(2)乾式法 塩化物回収法の場合、砒素,リン等の他元素の塩化物も
インジウムと共に揮発するため、分離精度が極めて悪
い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の諸問
題点を解決し、インジウム含有物、例えばITOスクラ
ップ材等から高純度な無機酸インジウム溶液を製造し、
該溶液から高純度な酸化インジウムを高収率かつ低コス
トで製造する方法を提案するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、インジウ
ム含有物例えばITOスクラップを硝酸で浸出し、酸化
反応により錫を不熔性の錫酸として沈殿分離させた後、
有機溶媒例えばアルキルリン酸エステル系とカルボン酸
系を抽出剤として溶媒抽出を各単独であるいは組合せて
2段階で行なうことにより、不純物を含む高濃度インジ
ウム溶液から不純物を除去し、高純度な無機酸インジウ
ム溶液が得られるとの知見を得て、本発明をなすに至っ
たのである。
【0014】即ち、第1発明は、インジウム含有物を硝
酸で浸出し硝酸インジウム溶液を得る第1工程と、第1
工程で得られた溶液を有機溶媒によりインジウムイオン
を抽出し、得られた抽出液を逆抽出してインジウム溶液
を得る第2工程と、第2工程で得られた溶液を加水分解
し、得られた水酸化インジウムを焙焼して酸化インジウ
ムを得る第3工程と、からなることを特徴とする酸化イ
ンジウムの製造法であり、
【0015】第2発明は、インジウム含有物を硝酸で浸
出し硝酸インジウム溶液を得る第1工程と、第1工程で
得られた溶液からアルキルリン酸エステル系抽出剤によ
りインジウムイオンを溶媒抽出し、得られた抽出液を無
機酸により逆抽出してインジウム溶液を得る第2工程
と、第2工程で得られた溶液からカルボン酸系抽出剤に
よりインジウムイオンを溶媒抽出し、得られた抽出液を
無機酸により逆抽出してインジウム熔液を得る第3工程
と、第3工程で得られた溶液をアルカリと反応させ、得
られた水酸化インジウムを焙焼して酸化インジウムを得
る第4工程と、からなることを特徴とする酸化インジウ
ムの製造法であり、
【0016】第3発明は、インジウム含有物を硝酸で浸
出し硝酸インジウム溶液を得る第1工程と、第1工程で
得られた溶液からカルボン酸系抽出剤によりインジウム
イオンを溶媒抽出し、得られた抽出液を無機酸により逆
抽出してインジウム溶液を得る第2工程と、第2工程で
得られた溶液からアルキルリン酸エステル系抽出剤によ
りインジウムイオンを溶媒抽出し、得られた抽出液を無
機酸により逆抽出してインジウム溶液を得る第3工程
と、第3工程で得られた溶液をアルカリと反応させ、得
られた水酸化インジウムを焙焼して酔化インジウムを得
る第4工程と、からなることを特徴とする酸化インジウ
ムの製造法を提供するものである。
【0017】上記発明において、インジウム含有物が酸
化インジウム錫であり、アルキルリン酸エステル系抽出
剤がジアルキルリン酸エステルであり、無機酸が塩酸,
硫酸,硝酸のうちから選ばれる1種であることが好まし
いのである。
【0018】上記本発明によれば、インジウム含有物例
えばITOスクラップを沈殿分離法と溶媒抽出法をたく
みに組合せて、それらの分離条件を所定条件に設定して
処理することにより高濃度で高純度のインジウム溶液を
高収率で製造することができ、該溶液から低コストかつ
高収率でITO原料粉である高純度の酸化インジウム粉
を製造することができるのである。
【0019】次に、本発明を詳細に説明する。 ・成膜に使用されたスパッタリングターゲット等のIT
Oスクラップ材を硝酸で浸出することにより不溶性の錫
酸を生成させ、錫を分離し、硝酸インジウム溶液を得る
第1工程と
【0020】・第1工程で得られた金属不純物を含む硝
酸インジウム溶液をアルキルリン酸エステル好ましくは
ジアルキルリン酸エステルを含む有機溶媒によりインジ
ウムイオンを溶媒抽出し、残液中に金属不純物イオンを
分離した後、塩酸又は硫酸等の無機酸で有機溶媒中のイ
ンジウムイオンを逆抽出して無機酸インジウム溶液を得
る第2工程と、
【0021】・第2工程で得られた溶液からカルボン酸
好ましくは第3級カルボン酸を抽出剤としてインジウム
イオンを溶媒抽出し、残液中に金属不純物イオンを分離
した後、硫酸,硝酸,塩酸のうち少なくとも1種の無機
酸を逆抽出剤として有機溶媒中のインジウムイオンを逆
抽出して高純度でかつ高濃度な無機酸インジウム溶液を
得る第3工程と、
【0022】・第3工程で得られた高純度かつ高濃度な
インジウム溶液にアルカリ剤を添加して水酸化インジウ
ムを生成させ、得られた水酸化インジウムを焙焼するこ
とにより高純度酸化インジウムを得る第4工程と、から
なるITOスクラップから高純度酸化インジウムを高収
率,低コストで製造する方法が第2発明である。
【0023】上記第2発明の第2工程と第3工程を逆に
した処理法が第3発明であり、上記第1〜3の発明法
は、ITOスクラップのみならず、他のインジウム含有
物にも充分適用可能なことは勿論である。
【0024】本発明でいうITOスクラップは、例えば
錫をSnO換算で0〜30wt%含む焼結体であり、
ITOターゲットとして膜形成に用いられた後のターゲ
ット材で、バッキングプレートから取りはずしたもので
ある。このスクラップはろう材やバッキングプレート、
焼結体製造工程や成膜工程からの金属不純物を含有して
いる。
【0025】ITOスクラップの成分分析値の一例を表
1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】なお、本発明法はスクラップとして成膜に
用いられたものだけでなく、ターゲット製造工程中で発
生する加工屑や不良品など焼結体に眼らず、成形体,粉
体等についても適用でき、またITOスクラップのみに
限定されるものではなく、その他のインジウム含有物に
ついても充分適用できる。
【0028】以下、本発明について、さらに詳細にイン
ジウム含有物の代表例としてITOスクラップの場合に
つき説明する。
【0029】まず、第1工程のITOスクラップの硝酸
浸出及び錫分離工程につき説明する。ITOスクラップ
は溶解速度を促進させるため、粉砕して硝酸溶液中で攪
拌しながら加熱浸出する。このときのITOスクラップ
粒径は1mm以下が好ましく、硝酸濃度は40%以上、
加熱温度は90℃以上が好ましい。
【0030】その他浸出時間や硝酸量はITOスクラッ
プの投入量,インジウム含有量,錫含有量等により適宜
調整するが、ITOスクラップが充分に浸出され溶解し
錫酸として錫が完全に析出するような条件に設定する。
【0031】このようにして得られた溶液を沈殿分離や
▲ろ▼過分離等の操作を施して、錫成分をほぼ完全に除
去した硝酸インジウム溶液(微量の金属不純物を含有す
る)を得る。この溶液中のインジウム濃度は適宜設定で
きるが、次工程である溶媒抽出工程での投入・抜出し量
とのバランスがとれるように調整する。
【0032】次に、第2,3工程である溶媒抽出精製工
程について説明する。第1工程で得られたインジウム溶
液は、硝酸酸性溶液となっており、含まれるインジウム
量は当然のことながら亜鉛精錬等で得られる溶解液に比
べて高濃度になっている。
【0033】本発明者等は、これらのことを考慮し、硝
酸系において高濃度インジウムを選択的に抽出する抽出
剤について種々検討した結果、アルキルリン酸エステル
系及びカルボン酸系の抽出剤がこれらの条件を満たすこ
とを見出した。
【0034】アルキルリン酸エステルは、一般式とし
て、 で示されるジアルキルリン酸エステルであり、
【0035】カルボン酸は一般式 で示される第3級カルボン酸である。なお、ここでRは
CnH2n+1で表わされるアルキル基である。
【0036】これらの抽出剤は金属不純物を含むインジ
ウム溶液と接触することで、カチオン交換反応により陽
イオンを抽出する。各陽イオンの抽出率は設定されたp
Hに依存する固有の抽出率を持っており、この特性を利
用して公知の溶媒抽出法により、最終的に高濃度インジ
ウム溶液を精製する。
【0037】それぞれのpH−抽出率曲線例として、図
1にジアルキルリン酸エステル系でのpH−抽出率曲線
を、また図2に第3級カルボン酸系でのpH−抽出率曲
線を示した。これらの図から分るように、水溶液のpH
が0.3〜4.0程度の領域でインジウムイオンがこれ
らの抽出剤により抽出される。
【0038】実際の溶媒抽出工程は、公知の連続多段接
触法や、連続バッチ法,向流式多段抽出法により行なわ
れ、例えばミキサーセトラーなどの装置を用いて連続的
に行なうことにより、インジウムが選択的に精製抽出さ
れる。
【0039】このようにしてインジウムのみが高濃度に
抽出された溶媒に対して無機酸を逆抽出剤として接触さ
せることにより、溶媒中のインジウムを水溜液中に逆抽
出し、高純度かつ高濃度な無機酸インジウム溶液が得ら
れる。
【0040】ここで抽出剤に対して希釈剤や相分離促進
剤を添加使用してもよく、また抽出溶媒と金属塩水溶液
との容積比(O/A比)や接触方法,抽出段数などは、
インジウム溶液中のインジウム濃度や含有される不純物
金属量等により、抽出溶媒中にインジウムイオンが高濃
度で抽出され、不純物金属とより分離されるように条件
設定する。
【0041】また、逆抽出剤として溶いる無機酸は、上
記第2工程のアルキルリン酸エステル系抽出剤では、塩
酸又は硫酸が好ましく、第3工程のカルボン酸系抽出剤
の場合では、塩酸,硫酸又は硝酸が好ましいのである。
【0042】この際の無機酸濃度は、逆抽出したいイン
ジウムイオンと当量になるように調整すればよく、逆に
この濃度を変えることにより、任意の濃度の無機酸イン
ジウム溶液を得ることができる。
【0043】また、アルキルリン酸エステル系抽出剤を
用いる精製工程とカルボン酸系抽出剤を用いる精製工程
を2段階で行なう理由は、各々の金属不純物の抽出能が
異なるため、一方でインジウムと分離し難い金属不純物
について、他方で補完するためである。
【0044】従って、含まれる金属不純物が一つの抽出
系で精製されうるものであれば、どちらか一方の抽出工
程は省略することができる。また、アルキルリン酸エス
テル系抽出剤による抽出工程とカルボン酸系抽出剤によ
る抽出工程との順序は、第2工程でカルボン酸系抽出剤
による抽出処理、第3工程でアルキルリン酸エステル系
抽出剤による抽出処理を行なってもよい。ただし、上記
したようにアルキルリン酸エステル系抽出剤で抽出処理
した後の逆抽出に用いることができる無機酸は塩酸か硫
酸のいずれかであり、従って得られる精製液の液性の自
由度が少ない。
【0045】次に、第4工程である酸化インジウム粉製
造工程であるが、上記第2〜3工程を経て得られた高純
度無機酸インジウム溶液にアルカリ溶液を加えて水酸化
インジウムを生成し、これを固液分離後、水酸化インジ
ウムが分解する温度で焙焼することにより、高純度酸化
インジウムを製造する。
【0046】第4工程で使用するアルカリ剤としては、
NHOH,NaOH等通常のアルカリ剤でよいが、生
成した水酸化インジウムの分離性の良いものがよく、最
終的に製造する酸化インジウム中に不純残留物のより少
ないものがよい。
【0047】上記したように、水酸化インジウムとの分
離性がよいか、又は焙焼時に揮発してしまって酸化イン
ジウム中に残留しないアルカリ剤が適しているのであ
る。
【0048】このようにして、比較的簡単な工程で得ら
れた本発明法による酸化インジウム粉は、従来の高純度
インジウムメタルから製造したものと純度的には同等又
はそれ以上である。
【0049】また、上記高純度無機酸インジウム溶液に
適量の錫溶液を加えて共沈させ、固液分離後に焙焼する
ことで、目的とするITO粉を製造することもできる。
【0050】上記のように、本発明によれば、従来法に
比較して工程が非常に簡単であるので、低コスト化がで
き、また第1工程の沈殿分離工程,第2〜3の溶媒抽出
工程は公知の連続製造装置が適用できることから、工業
的に低コストでインジウム溶液を生成することができ
る。次に、本発明の実施例を説明する。
【0051】
【実施例】
実施例1 表1のサンプルNo.1に示す成分組成のITOスクラ
ップ200gを採取して粉砕した後、試験用反応器中へ
工業用硝酸約500mlと共に装入し、95℃で24時
間攪拌しながら加熱浸出した後、ろ過し固液分離した。
(第1工程)
【0052】
【表1】
【0053】得られた溶液の成分組成は表2のNo.1
に示す通りであり、錫イオンは全く検出されなかった。
【0054】
【表2】
【0055】次に、この硝酸インジウム溶液とジアルキ
ルリン酸エステル抽出剤を60%含む溶媒とをO/A比
=3/1で接触させた後、抽出溶媒層を分離して、イン
ジウムイオンとほぼ当量の塩酸で逆抽出した。(第2工
程)
【0056】この塩化インジウム溶液と第3級カルボン
酸抽出剤を60%含む溶媒とをO/A比=3/1で接触
させ相分離させる抽出工程を10回繰返して行ない、イ
ンジウムを選択抽出した溶媒層を分離してインジウムイ
オンとほぼ当量の硝酸を加え逆抽出して、表3のNo.
1に示す組成の高純度硝酸インジウム溶液を得た。(第
3工程)
【0057】
【表3】
【0058】この溶液にアンモニア水(NHOH)を
pH8になるまで攪拌しながら添加し、水酸化インジウ
ムを生成させ固液分離した後、得られた水酸化インジウ
ムを約800℃で焙焼して酸化インジウムを得た。(第
4工程)
【0059】得られた酸化インジウムの純度は99.9
9%以上で、不純物金属量は10ppm以下であった。
【0060】実施例2 前記表1のサンプルNo.2に示す成分組成のITOス
クラップ200gを採取し、粉砕した後、試験用反応器
中へ工業用硝酸約500mlと共に装入し、95℃で2
4時間攬拌しながら加熱浸出した後、▲ろ▼過し固液分
離した。(第1工程)
【0061】得られた溶液の成分組成は前記表2のN
o.2に示す通りであり、錫イオンは全く検出されなか
った。
【0062】この硝酸インジウム溶液とジアルキルリン
酸エステル抽出剤を60%含む溶媒とをO/A比=3/
1で接触させ相分離させる抽出操作を3回繰返した後、
抽出溶媒層を分離してインジウムイオンとほぼ当量の塩
酸で逆抽出した。(第2工程)
【0063】得られた塩化インジウム溶液と第3級カル
ボン酸抽出剤を60%含む溶媒とをO/A比=3/1で
接触させ相分離させる工程を7回繰返した後、インジウ
ムを選択抽出した溶媒層を分離しインジウムイオンとほ
ぼ当量の塩酸で逆抽出して、前記表3のNo.2に示す
組成の高純度塩化インジウム溶液を得た。(第3工程)
【0064】この溶液にアンモニア水(NHOH)を
pH8になるまで攪拌しながら添加し、水酸化インジウ
ムを生成させ固液分離した後、得られた水酸化インジウ
ムを1000℃で焙焼して酸化インジウムを得た。(第
4工程)
【0065】得られた酸化インジウムの純度は99.9
9%以上で、不純物金属量は10ppm以下であった。
【0066】
【発明の効果】本発明は、インジウム含有物例えばIT
Oスクラップ材等から比較的単純な工程で高純度でかつ
高濃度な無機酸インジウム溶液を製造でき、この溶液か
ら高純度の酸化インジウムを高収率かつ低コストで製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジアルキルリン酸エステル系溶媒抽出剤でのp
H−抽出率曲線図である。
【図2】第3級カルボン酸系溶媒抽出剤でのpH−抽出
率曲線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江島 光一郎 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 (72)発明者 戸石 光輝 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 (72)発明者 西本 一郎 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インジウム含有物を硝酸で浸出し硝酸イ
    ンジウム溶液を得る第1工程と、 第1工程で得られた溶液を有機溶媒によりインジウムイ
    オンを抽出し、得られた抽出液を逆抽出してインジウム
    溶液を得る第2工程と、 第2工程で得られた溶液を加水分解し、得られた水酸化
    インジウムを焙焼して酸化インジウムを得る第3工程
    と、 からなることを特徴とする酸化インジウムの製造法。
  2. 【請求項2】 インジウム含有物を硝酸で浸出し硝酸イ
    ンジウム溶液を得る第1工程と、 第1工程で得られた溶液からアルキルリン酸エステル系
    抽出剤によりインジウムイオンを溶媒抽出し、得られた
    抽出液を無機酸により逆抽出してインジウム溶液を得る
    第2工程と、 第2工程で得られた溶液からカルボン酸系抽出剤により
    インジウムイオンを溶媒抽出し、得られた抽出液を無機
    酸により逆抽出してインジウム溶液を得る第3工程と、 第3工程で得られた溶液をアルカリと反応させ、得られ
    た水酸化インジウムを焙焼して酸化インジウムを得る第
    4工程と、 からなることを特徴とする酸化インジウムの製造法。
  3. 【請求項3】 インジウム含有物を硝酸で浸出し硝酸イ
    ンジウム溶液を得る第1工程と、 第1工程で得られた溶液からカルボン酸系抽出剤により
    インジウムイオンを溶媒抽出し、得られた抽出液を無機
    酸により逆抽出してインジウム溶液を得る第2工程と、 第2工程で得られた溶液からアルキルリン酸エステル系
    抽出剤によりインジウムイオンを溶媒抽出し、得られた
    抽出液を無機酸により逆抽出してインジウム溶液を得る
    第3工程と、 第3工程で得られた溶液をアルカリと反応させ、得られ
    た水酸化インジウムを焙焼して酸化インジウムを得る第
    4工程と、 からなることを特徴とする酸化インジウムの製造法。
  4. 【請求項4】 前記インジウム含有物が酸化インジウム
    錫であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の酸
    化インジウムの製造法。
  5. 【請求項5】 前記アルキルリン酸エステル系抽出剤が
    ジアルキルリン酸エステルであり、前記カルボン酸系抽
    出剤が第3級カルボン酸であることを特徴とする請求項
    2又は3記載の酸化インジウムの製造法。
  6. 【請求頂6】 前記無機酸が塩酸,硫酸,硝酸のうちか
    ら選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求
    項2,3,4又は5記載の酸化インジウムの製造法。
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