JPH089182A - 突入電流制限回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ＣＲＴ管を用いたカラーディスプレイモニタ
ー等で電源投入時の一定時間作動する突入電流制限回路
と消磁回路が作動後消費する無駄な電力を無くし、消費
電力を低減し、発熱を抑え、信頼性を上げ、寿命を延ば
す。 【構成】 突入電流制限回路と消磁回路を切り換える切
換回路と、切換回路を制御するタイマーを設け、電源投
入時は突入電流制限回路の抵抗器は交流整流回路の一次
側に直列に接続され、消磁コイルは交流整流回路の一次
側に並列に接続され、一定時間後に抵抗器は短絡され、
消磁コイルは解放されるように切り換えて作動するよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えばＣＲＴ管を用い
たカラーディスプレイモニターで無駄な消費電力を無く
した、発熱の少ない突入電流制限回路とＣＲＴ管の消磁
回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】スイッチング電源等を用いたカラーディ
スプレイモニター等の突入電流制限回路では、通電初期
には抵抗が高く、通電後は抵抗が小さくなるパワーサー
ミスタ素子等の抵抗器を交流ラインに直列に挿入してい
る。またＣＲＴ管を用いたカラーディスプレイモニター
（ＣＲＴディスプレイ）等では、ＣＲＴ管のシャドウマ
スク等が帯磁して色ずれが生じる事を防ぐための消磁コ
イルが用いられており、これには、電源投入時の一定期
間に作動するように、通電初期は抵抗が低く、通電後の
発熱により高抵抗となる例えばポジスタなどと呼ばれる
抵抗器がコイルと直列に挿入されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】突入電流制限回路の抵
抗器（パワーサーミスタ等）は、通電後抵抗が低下する
とはいえ、零となることはなく一定の電力を消費し且つ
発熱する。また消磁回路の抵抗器（ポジスタ等）は、高
抵抗となるとはいえ、無限大となることはなく、一定の
電流が流れ続ける。これらは無駄な電力を消費するばか
りでなく、発熱による装置の信頼性低下、ひいては寿命
の短縮に繋がる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は以上の問題点に
鑑みなされたもので、突入電流制限回路の抵抗器は、電
源投入時には消磁コイルと直列に交流整流回路の一次側
に接続され、一定時間（約５秒）後に抵抗器は短絡さ
れ、消磁コイルは解放されるようにタイマー付き制御の
切換回路を用いて切り換える。この切換は、１回路２接
点の切換器１ケで同時に行うことができる。

【０００５】

【作用】突入電流制限回路と消磁回路は、作動が必要と
される電源投入後の一定時間例えば５秒間作動した後、
切換回路によりは突入電流制限抵抗は短絡され、消磁コ
イルは解放されるため、突入電流制限抵抗及び、消磁コ
イル等に流れる電流による無駄な電力の消費が無く、発
熱による温度上昇も無くなる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明による突入電流制限回路につい
て、図を用いて詳細に説明する。図１は、本発明の１実
施例である。ここでＴ１とＴ２は１組で交流入力端子、
Ｒ１は突入電流制限抵抗器（パワーサーミスタ等）、Ｌ
１は消磁コイル、Ｒ２は消磁回路用抵抗器（ポジスタ
等）、ＲＬ１は電磁切換器、ＴＭ１は電磁切換器ＲＬ１
を切換制御するタイマー回路、ＰＳ１は交流整流回路、
Ｔ３は直流出力端子である。ＳＷ１は電磁切換回路ＲＬ
１内の１回路２接点の切換器で、その中点０には突入電
流制限抵抗器Ｒ１の一端と交流入力端子の一端Ｔ１に接
続され、切換器ＳＷ１の接点１には消磁コイルＬ１と消
磁回路用抵抗器Ｒ２とが直列接続され、その他端は交流
入力端子Ｔ２と交流整流回路ＰＳ１の入力端子の一端に
接続されている。切換器ＳＷ１の他の接点２には突入電
流制限抵抗器Ｒ１の他端と交流整流器ＰＳ１の入力端子
の他端に接続されている。切換器ＳＷ１の中点０はタイ
マー回路ＴＭ１の制御により、電源投入時から一定時間
例えば５秒間後までは接点１に接続され、該一定期間経
過後接点２に接続される。

【０００７】電源投入時には切換器ＳＷ１の接点は１に
接続されているので、突入電流制限抵抗器Ｒ１は交流入
力端子Ｔ１と交流整流回路ＰＳ１の入力端子の１端の間
に挿入されることになり、突入電流制限抵抗器の抵抗に
より突入電流が制限される。他方消磁コイルＬ１と消磁
回路用抵抗器Ｒ２は、交流入力端子Ｔ１とＴ２の間に直
列に挿入されることになり、コイルには交流電流が流
れ、コイルから生じる交流磁界によりＣＲＴ管が消磁さ
れる。

【０００８】電源投入後一定時間例えば５秒経過後に
は、切換器ＳＷ１の接点は２に接続されるため、突入電
流制限抵抗器Ｒ１は短絡され交流入力端子Ｔ１は交流整
流回路ＰＳ１の入力端子の１端に直接接続される。他方
消磁コイルＬ１と消磁回路用抵抗器Ｒ２は電気的に解放
される。

【０００９】前期実施例では、切換器として電磁切換器
を使用して説明したが、切換器としては、電磁切換器に
限るものではなく、例えば半導体を用いたスイッチング
素子で構成した切換器を使用することもできる。

【００１０】電源投入時から一定時間（約５秒）を計測
するタイマーとしては、例えばコンデンサと抵抗による
時定数を用いて構成することもできる。

【００１１】また、タイマーとしては、マイクロコンピ
ュータを用いてプログラムでクロック信号を計測する
か、またはマイクロコンピュータに内蔵されたタイマー
を用いて、切換器の制御信号を出力しても良い。なお最
近のＣＲＴディルプレイには各種制御のためタイマー付
マイクロコンピュータを搭載するのが一般的であり、こ
れを共用することができる。

【００１２】

【発明の効果】ＣＲＴディスプレイ等で、一つの１回路
２接点のタイマー付き切換器を用いて電源投入後一定期
間経過後に突入電流制限抵抗器を短絡し、消磁コイルと
消磁回路用抵抗器を解放するので、簡単な構成で、従来
作動後も突入電流制限抵抗器及び消磁コイルと消磁回路
用抵抗器で消費していた無駄な電力が無くなり、省電力
となるばかりでなく、発熱が減少し温度上昇が抑えられ
るため信頼性が向上し、ひいては寿命が延長する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例の概略図である。

【符号の説明】

Ｒ１ 突入電流制限抵抗器 Ｌ１ 消磁コイル Ｒ２ 消磁回路用抵抗器 ＲＬ１ 電磁切換器 ＰＳ１ 交流整流回路 Ｔ１ 交流入力端子の一端 Ｔ２ 交流入力端子の一端 ＴＭ１ タイマー回路 Ｔ３ 直流出力端子

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 交流整流回路の突入電流制限回路と、Ｃ
   ＲＴ管の消磁回路を有するＣＲＴ管を用いた表示装置に
   おいて、前記突入電流制限回路と消磁回路を切り換える
   切換回路と、該切換回路を制御するタイマーを設け、前
   記切換回路と制御タイマーにより電源投入時は前記突入
   電流制限回路の抵抗器は交流整流回路の一次側に直列に
   接続され、前記消磁回路の消磁コイルは交流整流回路の
   一次側に並列に接続され、一定時間後に前記抵抗器は短
   絡され、前記消磁コイルは解放されるように切り換えて
   作動するようにした事を特徴とする突入電流制限回路。
2. 【請求項２】 切換回路は、１回路２接点の電磁切換器
   からなる請求項１記載の突入電流制限回路。
3. 【請求項３】 切換回路は、半導体スイッチからなる請
   求項１記載の突入電流制限回路。
4. 【請求項４】 タイマーは、コンデンサと抵抗器を時定
   数として構成する請求項１記載の突入電流制限回路。
5. 【請求項５】 タイマーはマイクロコンピュータからな
   る請求項１記載の突入電流制限回路。