JPH0891354A - 掃除機用梱包装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃却処理に伴う環境汚染度が低く、しかも、
積み付け強度が高いにもかかわらず安価にできる掃除機
用梱包装置の提供を目的とする。 【構成】 それぞれ段ボール紙で作られたの箱体１１
と、箱体１１の下面の全長及び前後両面の全高にわたる
コ字形で箱体１１の左右幅よりも細幅に形成された前後
緩衝パレット１２と、箱体の下面の全幅及び左右両面の
全高にわたるコ字形で箱体１１の前後長よりも短く形成
された左右緩衝パレット１３と、掃除機本体１５の上下
動を防止するコ字形に折り曲げられた上緩衝パレット１
４とを備え、箱体１１内で前記左右緩衝パレット１３の
底壁部分から上向きに折り曲げられた嵌合片１３ｆ〜１
３ｈと、前後緩衝パレット１２に透設された嵌合溝１２
ｆ〜１２ｈとを嵌合させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、掃除機用梱包装置に係
り、特に廃却処理に伴う環境汚染度が低く、しかも、積
み付け強度が高いにもかかわらず安価にできる掃除機用
梱包装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電気掃除機の本体及び付属部品は外部の
他物との衝突を防止するため、段ボール製の箱体の中に
発泡スチロールなどの発泡合成樹脂からなる緩衝材で固
定するように梱包されていたが、近年、この発泡合成樹
脂からなる緩衝材の廃却時に環境汚染が生じることが問
題とされるようになった。

【０００３】この問題を避けるため、例えば図１の分解
斜視図及び図２の縦断側面図に示すように、段ボール紙
製の箱体１と、箱体１の左右両側内面の全高と下内面全
体とを覆うコ字形に折り曲げた段ボール紙製の緩衝材２
と、掃除機本体３の上側に配置され、掃除機本体３の上
下動を防止するコ字形に折り曲げた段ボール紙製の上側
緩衝材４とを備える梱包装置（以下、第１従来例とい
う。）が提案されている（特願平３−１５１９６９号参
照）。

【０００４】この第１従来例では、緩衝材２の箱体下面
を覆う部分の前後両端部を上側に折り曲げて掃除機本体
３の前後動が防止される。

【０００５】そして、この第１従来例では、箱体１内に
緩衝材２を入れた後、掃除機本体３を入れ、更に緩衝材
４を入れてから、この緩衝材４及び掃除機本体３の上側
にホース５ａ、吸い口５ｂ、連結パイプ５ｃ等の付属品
５を入れ、最後に箱体１の上側のフラップ１ａ〜１ｄを
閉じることにより掃除機本体３が梱包される。

【０００６】又、図３の分解斜視図及び図４の縦断側面
図に示すように、段ボール紙製の箱体１と、箱体１の下
内面全体を覆う段ボール紙製の底緩衝材６と、箱体１の
前後左右の四方の側内面を全高にわたって覆う角筒形段
ボール紙製の側面緩衝材７と、掃除機本体３の上側に配
置され、掃除機本体３の上下動を防止するコ字形の段ボ
ール紙製の緩衝材４とを備える梱包装置（以下、第２従
来例という。）が提案されている。

【０００７】この第２従来例では、底緩衝材６の前後両
端部を上側に折り曲げて掃除機本体３の前後動が防止さ
れる。

【０００８】そして、この第２従来例では、箱体１内に
底緩衝材６と側面緩衝材７とを入れた後、掃除機本体３
を入れ、更に緩衝材４を入れてから、この緩衝材４及び
掃除機本体３の上側にホース５ａ、吸い口５ｂ、連結パ
イプ５ｃ等の付属品５を入れ、最後に箱体１の上側のフ
ラップ１ａ〜１ｄを閉じることにより掃除機本体３が梱
包される。

【０００９】これら第１従来例及び第２従来例は、箱体
１及び緩衝材２・４・６・７が段ボール紙からなるの
で、発泡合成樹脂のように産業廃棄物として特殊な高温
焼却炉による処理をする必要がなく、簡単に焼却処理が
でき、焼却処理に伴う大気汚染が少なく、環境汚染を無
視できる程度に減少させることができる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記第１従
来例では、掃除機本体２及び付属品５を入れた箱体１を
積み重ねた時に、掃除機本体２の前後両側では箱体１に
上から掛かる重量に対して補強となる緩衝材がなく、積
み付け強度が不足する。

【００１１】そして、この第１従来例において積付け強
度の不足を補うためには、箱体１の紙質を高めなければ
ならず、コスト高になるという問題がある。

【００１２】又、第２従来例では、この掃除機用梱包装
置では、掃除機本体２及び付属品５を入れた箱体１を積
み重ねた時に、掃除機本体２の前後左右の各側壁に対し
て角筒型の緩衝材７が補強となるため、十分な積み付け
強度が得られるが、使用する緩衝材の使用量が多いた
め、コスト高になるという問題がある。

【００１３】本発明は、上記の事情を鑑みてなされたも
のであり、廃却処理に伴う環境汚染度が低く、しかも、
積み付け強度が高いにもかかわらず安価にできる掃除機
用梱包装置を提供することを目的とするものである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明に係る掃除機用梱
包装置は、上記の目的を達成するため、掃除機本体及び
その付属品を梱包する段ボール紙製の箱体と、側面視に
おいて箱体の下面の全長及び前後両面の全高にわたるコ
字形に折り曲げられ、箱体の左右幅よりも細幅に形成さ
れた段ボール紙製の前後緩衝体と、正面視において箱体
の下面の全幅及び左右両面の全高にわたるコ字形に折り
曲げられ、箱体の前後長よりも短く形成された段ボール
紙製の左右緩衝体と、掃除機本体の上下動を防止する段
ボール紙製の上緩衝体と、前記左右緩衝体の底壁部分か
ら上向きに折り曲げられた嵌合片と、この嵌合片に対応
して前記前後緩衝体の底壁部分に透設した嵌合溝とを備
えることを特徴とするものである。

【００１５】

【作用】箱体１内に左右緩衝体と前後緩衝体とを順に入
れ、左右緩衝体から折り上げた嵌合片を前後緩衝体の嵌
合溝に嵌め込むことにより、左右緩衝体と前後緩衝体と
が箱体内で互いに他方を位置決めすることになる。この
後、掃除機本体、上緩衝体、付属品の順に箱詰めし、箱
体の上側のフラップを閉じることにより掃除機本体と付
属品とが箱体内に梱包される。

【００１６】箱体の前後左右の側面に掛かる積み付け荷
重に対しては左右緩衝体の左右の各壁及び前後緩衝体の
前後の各壁が補強となるので、十分な積み付け強度が得
られる。

【００１７】又、左右緩衝体が箱体の前後長よりも短く
形成され、又、前後緩衝体が箱体の左右幅よりも細幅に
形成されているので、箱体の底部で上下に重なる部分を
見込んでも全体として段ボールの使用量を必要最小限に
削減することができる。

【００１８】

【実施例】本発明の一実施例に係る掃除機用梱包装置を
図面に基づいて具体的に説明すれば、以下の通りであ
る。

【００１９】図５の分解斜視図及び図６の断面図に示す
ように、この梱包装置はそれぞれ段ボール紙で作られた
箱体１１と、前後緩衝体１２と、左右緩衝体１３と、上
緩衝体１４とからなる。尚、前後方向とは、図５におけ
る矢印Ａ方向、左右方向とは、図５における矢印Ｂ方向
である。

【００２０】上記箱体１１は、前後左右の側壁部１１ａ
〜１１ｄと、短手の前後側壁部１１ａ・１１ｂの上縁に
連設された上内フラップ１１ｅ・１１ｆと、長手の左右
側壁部１１ｃ・１１ｄの上縁に連設された上外フラップ
１１ｇ・１１ｈと、短手の前後側壁部１１ａ・１１ｂの
下縁に連設された下内フラップ１１ｉ・１１ｊと、長手
の左右側壁部１１ｃ・１１ｄの下縁に連設された下外フ
ラップ１１ｋ・１１ｍとからなる。

【００２１】この箱体１１の下内フラップ１１ｉ・１１
ｊと下外フラップ１１ｋ・１１ｍとを順に折り込んで底
を作ってから、箱体１１の中に左右緩衝体１３と前後緩
衝体１２とが順に入れられる。

【００２２】上記前後緩衝体１２は、箱体１１の左右幅
よりも細幅に形成され、図７の展開図に示すように、前
後に適当な間隔を置いた設けた２本の折罫１２ａ・１２
ｂの間の底壁部１２ｃと各折罫１２ａ・１２ｂの外側の
前後各立壁部１２ｄ・１２ｅからなり、底壁部１２ｃの
中央部には前後方向（図中、矢印Ａ）及び左右方向（図
中、矢印Ｂ）に適当な間隔を置いて３つの嵌合溝１２ｆ
・１２ｇ・１２ｈが形成される。

【００２３】又、この前後緩衝体１２には、各折罫１２
ａ・１２ｂを中断するように内向きに開くコ字形の切罫
１２ｉ・１２ｊと、各切罫１２ｉ・１２ｊの両端を結ぶ
折罫１２ｋ・１２ｍとで区画される折曲片１２ｐ・１２
ｑが形成される。

【００２４】この前後緩衝体１２は各折罫１２ａ・１２
ｂで折り曲げることにより、図５及び図６に示すよう
に、側面視において箱体１１の下内面の全長及び前後両
側内面の全高にわたるコ字形に折り曲げられ、左右緩衝
体１３を箱体１１の中に入れた後に箱体１１の中に入れ
られる。

【００２５】上記左右緩衝体１３は、箱体１１の前後長
よりも細幅に、例えば図６に示すように折り込まれた前
後の下内フラップ１１ｉ・１１ｊの間隔以下の細幅に形
成され、図８の展開図に示すように、左右に適当な間隔
を置いた折罫１３ａ・１３ｂの間の底壁部１３ｃと、各
折罫１３ａ・１３ｂの外側の左右各立壁部１３ｄ・１３
ｅとからなり、低壁部１３ｃには前後緩衝体１２の嵌合
溝１２ｆ・１２ｇ・１２ｈに対応させて前後方向（図
中、矢印Ａ）及び左右方向（図中、矢印Ｂ）に適当な間
隔を置いて３つの嵌合片１３ｆ・１３ｇ・１３ｈが設け
られる。

【００２６】各嵌合片１３ｆ・１３ｇ・１３ｈはコ字形
の切罫１３ｉ・１３ｊ・１３ｋと各切罫１３ｉ・１３ｊ
・１３ｋの両端を結ぶ折罫１３ｍ・１３ｐ・１３ｑとで
囲まれ、図５及び図６に示すように、折罫１３ｍ・１３
ｐ・１３ｑで上向きに折り曲げられる。

【００２７】この左右緩衝体１３を折罫１３ａ・１３ｂ
で折り曲げて、図５及び図６に示すように、正面視にお
いて箱体１１の下内面面の左右全幅及び左右両側内面の
全高にわたるコ字形に折り曲げられて箱体１１の中に挿
入される。

【００２８】各嵌合片１３ｆ・１３ｇ・１３ｈはこの前
に、又は、後に上向きに折り曲げられ、左右緩衝体１３
の上から箱体１１内に挿入された前後緩衝体１２の各嵌
合溝１２ｆ・１２ｇ・１２ｈに対応する嵌合片１３ｆ・
１３ｇ・１３ｈを看護させることにより、箱体１１内で
左右緩衝体１３と前後緩衝体１２とが互いに他方を位置
決めすることになる。

【００２９】前後緩衝体１２の折曲片１２ｐ・１２ｑは
前後緩衝体１２を箱体１１内に挿入する前に折り曲げて
も、挿入する時に箱体１１の前後の側壁部１１ａ・１１
ｂに当てて折り曲げてもよい。

【００３０】この後、掃除機本体１５、上緩衝体１４、
付属品１６、即ち、ホース１６ａ、吸込口１６ｂ、連結
ホース１６ｃの順に箱詰めし、箱体１の上内フラップ１
１ｅ・１１ｆと上外フラップ１１ｇ・１１ｈを順に閉じ
ることにより掃除機本体１５と付属品１６とが箱体内に
梱包される。

【００３１】なお、上記上緩衝体１４は掃除機本体１５
の上下動を防止できるように形成してあればよく、ここ
では、付属部品１６の収納が容易になるように、正面か
ら見て上が開かれたコ字形に形成されている。

【００３２】この梱包装置によれば、箱体１１、前後緩
衝体１２、左右緩衝体１３及び上緩衝体１４が段ボール
紙からなるので、発泡合成樹脂のように産業廃棄物とし
て特殊な高温焼却炉による処理をする必要がなく、簡単
に焼却処理ができ、焼却処理に伴う大気汚染が少なく、
環境汚染を無視できる程度に減少させることができるの
みならず、再生紙原料として活用することも可能にな
り、資源を節約できるようになる。

【００３３】又、箱体１１の前後左右の側壁部１１ａ〜
１１ｄに掛かる積み付け荷重に対して左右緩衝体１３の
左右の各壁部１３ｄ・１３ｅ及び前後緩衝体１２の前後
の各壁部１２ｄ・１２ｅが補強となるので、十分な積み
付け強度が得られる。

【００３４】更に、左右緩衝体１３が箱体１１の前後長
よりも短く形成され、又、前後緩衝体１２が箱体１１の
左右幅よりも細幅に形成されているので、箱体１１の底
部で上下に重なる部分を見込んでも全体として段ボール
の使用量を必要最小限に削減することができ、例えば第
２従来例に比べて全体としての段ボールの使用量を約３
０％削減することができ、これにより、大幅なコストダ
ウンを図ることができた。

【００３５】なお、上記の一実施例では嵌合溝１２ｆ・
１２ｇ・１２ｈ及び嵌合片１３ｆ・１３ｇ・１３ｈを３
つずつ設けているが、嵌合溝及び嵌合片の数はこれに限
定されず、１つずつまたは２つずつの嵌合溝及び嵌合片
を設けたり、４つずつ以上の嵌合溝及び嵌合片を設けて
もよい。

【００３６】又、掃除機本体１を箱体１１の短手方向で
ある左右方向（図中、矢印Ｂ）の位置を固定する左右緩
衝体１３を複数個設け、積み付け荷重に対して箱体１１
の左右の側壁部１３ｄ・１３ｅを複数箇所で補強するよ
うにしてもよい。

【００３７】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の掃除機
用梱包装置は、これを構成する箱体、前後緩衝体、左右
緩衝体及び上緩衝体が段ボール紙からなるので、発泡合
成樹脂のように産業廃棄物として特殊な高温焼却炉によ
る処理をする必要がなく、簡単に焼却処理ができ、焼却
処理に伴う大気汚染が少なく、環境汚染を無視できる程
度に減少させることができるのみならず、再生紙原料と
して活用することも可能になり、資源を節約できるよう
になる。

【００３８】又、左右緩衝体が正面視において掃除機本
体の下面の全幅及び左右両面の全高にわたるコ字形に折
り曲げられ、前後緩衝体が側面視において箱体の下面の
全長及び前後両面の全高にわたるコ字形に折り曲げられ
ているので、箱体の前後左右の側面に掛かる積み付け荷
重に対して左右緩衝体及び前後緩衝体が補強となるの
で、十分な積み付け強度が得られる。

【００３９】しかも、左右緩衝体が箱体の前後長よりも
短く形成され、又、前後緩衝体が箱体の左右幅よりも細
幅に形成されているので、左右緩衝体と前後緩衝体とが
箱体内の底部で上下に重なる部分を見込んでも全体とし
て段ボールの使用量を必要最小限に削減することがで
き、これにより、大幅なコストダウンを図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１従来例の分解斜視図である。

【図２】第１従来例の縦断側面図である。

【図３】第２従来例の分解斜視図である。

【図４】第２従来例の縦断側面図である。

【図５】本発明の一実施例の分解斜視図である。

【図６】本発明の一実施例の縦断側面図である。

【図７】本発明の一実施例の前後緩衝体の展開図であ
る。

【図８】本発明の一実施例の左右緩衝体の展開図であ
る。

【符号の説明】

１１ 箱体 １２ 前後緩衝体 １２ｆ・１２ｇ・１２ｇ 嵌合溝 １３ 左右緩衝体 １３ｆ・１３ｇ・１３ｈ 嵌合片 １４ 上緩衝体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 掃除機本体及びその付属品を梱包する段
   ボール紙製の箱体と、側面視において箱体の下面の全長
   及び前後両面の全高にわたるコ字形に折り曲げられ、箱
   体の左右幅よりも細幅に形成された段ボール紙製の前後
   緩衝体と、正面視において箱体の下面の全幅及び左右両
   面の全高にわたるコ字形に折り曲げられ、箱体の前後長
   よりも短く形成された段ボール紙製の左右緩衝体と、掃
   除機本体の上下動を防止する段ボール紙製の上緩衝体
   と、上緩衝体とを備え、前記左右緩衝体及び前後緩衝体
   には、各々、互いに係合する係合部を備えたことを特徴
   とする掃除機用梱包装置。