JPH0891241A - 後輪操舵装置 - Google Patents

後輪操舵装置

Info

Publication number
JPH0891241A
JPH0891241A JP22830294A JP22830294A JPH0891241A JP H0891241 A JPH0891241 A JP H0891241A JP 22830294 A JP22830294 A JP 22830294A JP 22830294 A JP22830294 A JP 22830294A JP H0891241 A JPH0891241 A JP H0891241A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rear wheel
wheel steering
trapezoidal
circular
steering shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22830294A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuichi Komine
龍一 小峯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Seiko Co Ltd filed Critical Koyo Seiko Co Ltd
Priority to JP22830294A priority Critical patent/JPH0891241A/ja
Publication of JPH0891241A publication Critical patent/JPH0891241A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】台形ねじ機構のガタに起因した騒音がより低減
された後輪操舵装置を提供する。 【構成】モータM により、減速機構R並びに台形雄ねじ
部材2 及び台形雌ねじ部材3 を含む台形ねじ機構D を介
して、後輪操舵軸5 が軸線方向に移動され後輪が操舵さ
れる。台形雌ねじ部材3 はハウジングH によって回転自
在に支持され、台形雄ねじ部材2 は後輪操舵軸5 に軸線
方向に一体移動可能に固定されている。バックラッシ調
整機構E は軸受予圧用部材E1の円形内面E11 からなる円
形支持面と、これに回転自在に支持された円形外面E21
及び円形外面E21 に対して偏心した円形内面E26 を有す
る調整部材E2と、調整部材E2を軸受予圧用部材E1に止定
するロックナットE4とを備える。円形内面E26 によって
後輪操舵軸5 が支持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、四輪操舵車両における
後輪操舵装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記の後輪操舵装置として、モータの回
転力により後輪操舵軸を軸線方向に移動させて後輪を操
舵するものが提供されている。そして、モータやセンサ
類等を含めた電気系統に故障が起こった場合、従来は、
センタリングばねの働きにより、後輪操舵軸を同位相
(後輪の操舵方向が前輪の操舵方向と同じ)でも逆位相
(後輪の操舵方向が前輪の操舵方向と逆)でもない中立
位置に復帰させるようにしていた。
【0003】ところが、中立位置への十分な復帰力を得
るためには、センタリングばねの荷重を高くすることが
必要であるが、この場合、モータの出力も大きくしなけ
ればならず、無駄な面があった。そこで、上記の問題を
解決するために、本件出願人は、モータから後輪操舵軸
への駆動伝達経路中に、伝達機構として、台形ねじ機構
を用い、モータは後輪操舵軸を駆動可能であるが、後輪
操舵軸はモータを駆動できないようにすることを既に提
案した(特開平6−156306号公報参照)。
【0004】しかし、台形ねじ機構では、軸方向のガタ
(バックラッシ)が大きく、このため、ガタによって騒
音が発生したりする等の新たな問題が発生した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、かかる問題を
解決するために、本件出願人は、台形ねじ機構が有する
台形ねじ部材のねじ嵌合部どうしを押圧接触することに
より、バックラッシを調整するバックラッシ調整機構を
後輪操舵装置に備えることを提案している(特願平5−
227442号)。
【0006】しかしながら、この先行技術のものでも、
まだ、軸方向にガタが生じる場合があり、このため、上
述と同様の問題が生じる場合があった。というのは、モ
ータと、台形ねじ機構を含む駆動伝達機構とを、一方の
タイロッド側に近づけて配設しているため、バックラッ
シ調整機構は、取付スペースの関係上、台形ねじ機構よ
り車両の内方側(上記一方のタイロッドの反対側)に設
けられている。そのため、後輪操舵軸に、後輪から上記
一方のタイロッド側に径方向の外力が作用した場合、こ
の外力を、上記バックラッシ調整機構によって受けるこ
とができず、当該外力が、台形ねじ部材のねじ嵌合部ど
うしの押圧を解除する力として作用するからである。
【0007】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、台形ねじ機構のガタに起因した騒音がより低減さ
れた後輪操舵装置を提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ハウジングと、台形雄ねじ部材および台形雌ねじ部材を
含み、上記ハウジング内に収容されてモータによって駆
動される台形ねじ機構と、回転不能であってハウジング
のタイロッド近傍側貫通孔を貫通した状態で軸線方向に
移動自在に設けられ、上記台形ねじ機構によって軸線方
向に移動させて後輪を操舵する後輪操舵軸とを備え、上
記台形雄ねじ部材および台形雌ねじ部材の一方がアンギ
ュラ玉軸受を介してハウジングによって回転自在に支持
されると共に、他方が後輪操舵軸に軸線方向に一体移動
可能に固定された後輪操舵装置であって、環状の部材か
らなり、上記ハウジングのタイロッド近傍側貫通孔にね
じ嵌合された円形外面、及びこれに対して偏心した円形
内面を有し、上記アンギュラ玉軸受の外輪を押圧する軸
受予圧用部材と、後輪操舵軸を径方向に押圧することに
より、台形雄ねじ部材と台形雌ねじ部材とのバックラッ
シを調整するバックラッシ調整機構とを備え、上記バッ
クラッシ調整機構は、上記軸受予圧用部材の上記円形内
面により構成される円形支持面と、環状の部材からな
り、上記円形支持面に回転自在に嵌め合わされた円形外
面、及びこれに対して上記円形内面の偏心を相殺するよ
うに偏心し且つ後輪操舵軸を支持した円形内面を有する
調整部材と、上記調整部材を軸受予圧用部材に回転方向
に固定可能なロック手段とを含んでいることを特徴とす
る後輪操舵装置である。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の後
輪操舵装置において、上記調整部材は、上記後輪操舵軸
とタイロッドとを連結するボールジョイントを被覆する
ベローズの一端を係止する係止部を含んでいることを特
徴とするものである。
【0010】
【作用】請求項1記載の発明によれば、台形雄ねじ部材
および台形雌ねじ部材どうしのバックラッシは、次のよ
うにして調整される。すなわち、あらかじめ、軸受予圧
用部材と調整部材の各々を組み合わせ、タイロッド近傍
側貫通孔に対する調整部材の円形内面の偏心を零とした
組立品にてアンギュラ玉軸受の予圧調整をした後、ロッ
ク手段をゆるめてハウジングのタイロッド近傍側貫通孔
にねじ嵌合されて固定される軸受予圧用部材に対して調
整部材を回転させた後、ロック手段によってこの調整部
材を軸受予圧用部材に固定する。上記のように調整部材
を回転させると、調整部材が有する円形内面は、調整部
材が有する円形外面に対して偏心しているので、調整部
材の回転量に応じて、その位置が径方向に変位する。円
形内面によって、後輪操舵軸が支持されていることか
ら、後輪操舵軸は、円形内面の変位と同時に、調整部材
の回転量に応じて径方向に移動して、径方向に押圧され
る。これにより、後輪操舵軸に固定される台形雄ねじ部
材および台形雌ねじ部材の一方の部材が、他方の部材に
押圧接触することができる結果、バックラッシが調整さ
れる。
【0011】また、軸受予圧用部材は、ハウジングのタ
イロッド近傍側貫通孔に固定されていることから、軸受
予圧用部材に内挿される部材によって構成されるバック
ラッシ調整機構は、一方のタイロッドに近づけて配設さ
れていることとなる。そのため、後輪操舵軸に、後輪か
ら上記一方のタイロッド側に径方向の外力が作用して
も、この外力は、上記バックラッシ調整機構によって受
けられ、台形ねじ部材のねじ嵌合部どうしの押圧を解く
力として作用することはない。
【0012】また、上記軸受予圧用部材が、バックラッ
シ調整機構の調整部材を支持する部材を兼ねており、両
者によってハウジングのタイロッド近傍側貫通孔を塞ぐ
蓋を構成することになる結果、非常に狭いスペースに、
軸受予圧およびバックラッシ調整の機能を果たす部材を
配置することができる。さらに、本発明のバックラッシ
調整機構によれば、調整部材を回転させるだけで、バッ
クラッシを調整することが可能であり、その調整が容易
である。特に、調整部材が蓋の一部を構成するので、後
輪操舵装置の組み立て後に、外部から非常に容易に調整
が行える。
【0013】請求項2記載の発明によれば、上記調整部
材は、ボールジョイントを被覆するベローズの一端を係
止する係止部を有していることから、ベローズを係止す
るための係止部材を、調整部材と別に設ける必要がない
ので、構造を簡素化できる。
【0014】
【実施例】以下では、本発明の実施例を、添付図面を参
照して詳細に説明する。図2は、本発明の一実施例とし
ての後輪操舵装置の一部破断側面図であり、図1はその
要部の一部破断拡大側面図である。また、図3は図1の
I−I線に沿う断面図であり、図4は図2のA−A線に
沿う断面図である。。
【0015】図1ないし4を参照して、本後輪操舵装置
は、車両に固定されたハウジングHと、ハウジング
Hに連設されたモータMと、モータMによって駆動さ
れる、ウォーム11およびウォームホイール12を含む
減速機構Rと、減速機構Rによって駆動される、台形
雄ねじ部材2および台形雌ねじ部材3を含む台形ねじ機
構Dと、台形ねじ機構Dによって駆動されて軸線方向
に移動され、タイロッドTを介して後輪(図示せず)を
操舵する後輪操舵軸5と、上記台形ねじ機構Dのバッ
クラッシを調整するバックラッシ調整機構Eとを備えて
いる。
【0016】本後輪操舵装置では、モータMの回転運動
が、減速機構Rを介して台形ねじ機構Dに与えられ、こ
の台形ねじ機構Dによって後輪操舵軸5の軸線方向に沿
う直線運動に変換され、これにより、後輪が操舵され
る。図3を参照して、上記減速機構Rのウォーム11
は、モータMの出力軸1によって連結されている。図1
を参照して、上記ウォームホイール12は中抜き円板状
をしている。ウォームホイール12の内周には、嵌合部
材4が一体回転可能に嵌め合わされている。この嵌合部
材4の内周には、上記台形雌ねじ部材3の外周部が一体
回転可能に嵌め合わされている。尚、ウォームホイール
12と嵌合部材4とは一体成形しても良い。
【0017】図1を参照して、上記台形ねじ機構Dの台
形雄ねじ部材2および台形雌ねじ部材3は、ともに後輪
操舵軸5の回りに同心に設けられている。上記台形雌ね
じ部材3は、後輪操舵軸5の周囲に配置された筒状の部
材からなり、その両端外周部は、アンギュラ玉軸受6を
介してハウジングHによって回転自在に支持されてい
る。また、台形雌ねじ部材3の内周面の全周には、台形
ねじの雌ねじ部3aが形成されている。
【0018】上記台形雄ねじ部材2は、台形雌ねじ部材
3の内周部と後輪操舵軸5の外周部との間に介在した筒
状の部材からなる。台形雄ねじ部材2の外周部には、上
記雌ねじ部3aと合致する台形雄ねじ部2aが形成され
ている。台形雄ねじ部材2は、半月キー9によって後輪
操舵軸5にキー結合され、これにより、台形雄ねじ部材
2と後輪操舵軸5との相対回転が阻止されている。ま
た、後輪操舵軸5の外周部に固定され、且つ台形雄ねじ
部材2の両端部に配置されたスナップリング10Aおよ
びかしめ部材10Bによって、台形雄ねじ部材2の後輪
操舵軸5に対する軸線方向の移動が阻止されている。
【0019】上記雄ねじ部2aおよび雌ねじ部3aを構
成する台形ねじとしては、リード6mmのJIS30°
台形ねじを例示することができる。図4を参照して、後
輪操舵軸5の端部とハウジングHとの間に両者の軸線方
向相対移動は許容するが、両者の相対回転は規制する回
り止め部材9が嵌合されている。回り止め部材9が嵌合
される後輪操舵軸5の端部には、切欠部5aが軸線方向
に所定長さにわたって形成されている。回り止め部材9
は円筒状の部材であり、その内周は上記後輪操舵軸5の
端部外周と略同形状であり、その外周には、軸線方向に
所定長さにわたって凸条9aが形成されている。そし
て、この凸条9aがハウジングHに軸線方向に所定長さ
にわたって形成された溝10に嵌合されている。
【0020】図1を参照して、ハウジングHのタイロッ
ドT近傍側の貫通孔Haの周縁部には、蓋(トップカバ
ー)の一部として機能する、円形外面E10およびこれ
に対し所定量Xだけ偏心した円形内面E11を具備する
環状の軸受予圧用部材E1が固定されている。上記円形
外面E10の外周部には、上記貫通孔Haの内周部に形
成された雌ねじ部に対応させた雄ねじ部が形成されてい
る。この雄ねじ部の軸線方向の長さは前記雌ねじ部のそ
れよりも長く設定されている。したがって、円形外面E
10の雄ねじ部を、上記雌ねじ部に螺合すると、前記雄
ねじ部の一部分がハウジングHの貫通孔Haから突出
し、この突出した部分にロックナットE3を締め付ける
ことによって、軸受予圧用部材E1をハウジングHに固
定することができる。
【0021】図1を参照して、上記バックラッシ調整機
構Eは、貫通孔Haに対し所定量Xだけ偏心させた上記
円形内面E11により構成される円形支持面と、この円
形支持面によって回転自在に支持され、円形内面E11
に対し所定量Xだけ偏心した円形内面E26を具備する
環状の調整部材E2と、調整部材E2を軸受予圧用部材
E1に回転方向に固定可能なロック手段とを含んでい
る。そして、アンギュラ玉軸受6の予圧調整時には、円
形内面E11及び円形内面E26各々の偏心量Xを相殺
し、貫通孔Haと円形内面E26とが同心になる位置
で、軸受予圧用部材E1と調整部材E2とをロックナッ
トE4で仮締めし、この状態でハウジングHに螺合させ
てアンギュラ玉軸受6の予圧調整を行い、ロックナット
E3でハウジングHに固定する。
【0022】調整部材E2は、円形外面E21を有して
おり、この円形外面E21の外径は上記円形支持面の直
径に略合致させている。これにより、調整部材E2を軸
受予圧用部材E1に内挿し、円形外面E21を上記円形
支持面に合致させると、軸受予圧用部材E1に対して調
整部材E2が回転自在となる。なお、軸受予圧用部材E
1には、円形内面E11より小径の小径円形内面E12
が円形内面E11の同心上に備えられており、調整部材
E2には、上記小径円形内面E12よりも若干小さな直
径を有する小径円形外面E22が上記円形外面E21の
同心上に備えられている。これにより、調整部材E2を
軸受予圧用部材E1に内挿し、円形外面E21を上記円
形支持面に合致させると共に小径円形外面E22を小径
円形内面E12に対向させると、調整部材E2が軸受予
圧用部材E1に対して抜け止め状態となる。
【0023】図5は、図1のII−II線に沿う断面図
である。図5に示すように、調整部材E2には、貫通孔
Haに対し所定量X偏心した円形外面E21の中心から
所定量X(例えば、0.5mm)ずらした位置に中心を
有する円形内面E26が設けられている。図1に戻っ
て、本実施例では、調整部材E2の円形内面E26と同
心に低摩擦部材からなるブッシュFが圧入されている。
このブッシュFには、後輪操舵軸5が挿通されており、
これにより、円形内面E26は、ブッシュFを介して、
後輪操舵軸5を軸線方向に移動自在に支持している。
【0024】上記ロック手段は、ロックナットE4で構
成されている。そのため、調整部材E2が有する小径円
形外面E22は、その軸線方向の長さが小径円形内面E
12のそれよりも長く設定されており、軸受予圧用部材
E1に調整部材E2を内挿すると、調整部材E2の先端
部が軸受予圧用部材E1から突出する。そして、調整部
材E2には、この突出した部分の中程から基端部にかけ
て雄ねじ部E2aが形成されている。これにより、軸受
予圧用部材E1に内挿した調整部材E2の雄ねじ部E2
aにロックナットE4を螺合することが可能となってお
り、ロックナットE4を雄ねじ部E2aに締め付けるこ
とによって、調整部材E2が軸受予圧用部材E1に回転
方向に固定できるようになっている。
【0025】また、本実施例では、小径円形外面E22
の先端部の外周部に、周方向に沿う環状凹溝E23が形
成されている。この環状凹溝E23は、後輪操舵軸5と
タイロッドTとを連結するボールジョイントJを被覆す
るベローズBの一端を係止する係止部として機能する。
すなわち、ベローズBの一端部分を環状凹溝E23に外
嵌して、前記一端部分を外嵌リングB1で固定すること
によって、ベローズBが環状凹溝E23に係止されるの
である。
【0026】さらに、上記軸受予圧用部材E1は、アン
ギュラ玉軸受6の外輪を押圧可能となっている。そのた
め、軸受予圧用部材E1には、アンギュラ玉軸受6の外
輪のみに接触可能な環状の突出部E13が設けられてい
る。軸受予圧用部材E1はハウジングHにねじ嵌合して
いるので、そのねじ込み量を調整することにより、突出
部E13がアンギュラ玉軸受6の外輪を押圧する力を調
整することが可能であり、これにより、アンギュラ玉軸
受6に所定の予圧力を付与するようにしている。
【0027】本実施例によれば、モータMによって、ウ
ォーム11およびウォームホイール12を介して、台形
雌ねじ部材3が回転駆動され、この台形雌ねじ部材3に
螺合した台形雄ねじ部材2が後輪操舵軸5と一体に軸線
方向に移動されて後輪が操舵される。また、台形雄ねじ
部材2および台形雌ねじ部材3どうしのバックラッシ
は、次のようにして調整される。すなわち、ハウジング
Hに固定されている軸受予圧用部材E1に対して調整部
材E2を回転させた後、ロックナットE4によってこの
調整部材E2を軸受予圧用部材E1に固定する。上記の
ように調整部材E2を回転させると、調整部材E2の回
転量に応じて、調整部材E2が有する円形内面E26の
位置が径方向に変位する。円形内面E26によって、後
輪操舵軸5が支持されていることから、後輪操舵軸5
は、円形内面E26の変位と同時に、調整部材E2の回
転量に応じて径方向に移動して、径方向に押圧される。
これにより、後輪操舵軸5に固定される台形雄ねじ部材
2が、台形雌ねじ部材3に押圧接触することができる。
【0028】具体的には、バックラッシ調整前は図5に
示すように、円形内面E26の中心を、貫通孔Haに対
し所定量X偏心させた円形外面E21の中心から、所定
量X(例えば0.5mm)ずらした場合であって、円形
外面E21の貫通孔Haに対する偏心量Xと、円形内面
E26の円形外面E21に対する変形量Xとは相殺さ
れ、貫通孔Haに対する円形内面E26の偏心量は零で
同心である。次に、円形内面E26の中心が円形外面E
21の中心の直上にある状態から調整部材E2を45°
反時計回りに回転させると、円形内面E26を備えてい
ない、すなわち、円形外面E21と同心の後輪操舵軸を
支持する円形内面を具備するものと比べて、後輪操舵軸
5に固定される台形雄ねじ部材2は、図6に示すような
状態になる。すなわち、台形雄ねじ部材2は、台形雌ね
じ部材3とのねじ嵌合部に近づく方向(図6において、
垂直上向き)に、X1=0.354mm移動した状態に
なると共に、上記方向と90°直交する向き(図6にお
いて、左向き)に、Y=0.354mm移動した状態に
なる。
【0029】調整部材E2は、軸受予圧用部材E1に対
して回転自在であるので、軸受予圧用部材E1に対する
回転量に応じて、台形雄ねじ部材2の移動量を所望の値
に設定することが可能であり、台形雄ねじ部材2は、台
形雌ねじ部材3とのねじ嵌合部に近づく方向に、摺動抵
抗、ガタの関係から0.10mm〜0.15mm程度移
動させた状態にするのが好ましい。以上のようにして、
後輪操舵軸5を径方向に押圧することができ、台形雄ね
じ部材2と台形雌ねじ部材3どうしのバックラッシを調
整することができる。
【0030】軸受予圧用部材E1は、ハウジングHのタ
イロッドT近傍側貫通孔Haに固定されていることか
ら、軸受予圧用部材E1に内挿される部材によって構成
されるバックラッシ調整機構Eは、一方のタイロッドT
に近づけて配設されていることとなる。そのため、後輪
操舵軸5に、後輪から上記一方のタイロッドT側に径方
向の外力が作用しても、この外力は、上記バックラッシ
調整機構Eによって受けられ、台形ねじ部材のねじ嵌合
部どうしの押圧を解く力として作用することはない。し
たがって、本実施例によれば、台形ねじ機構Dのガタに
起因した騒音がより低減された後輪操舵装置を提供する
ことができる。
【0031】また、上記軸受予圧用部材E1が、バック
ラッシ調整機構Eの調整部材E2を支持する部材を兼ね
ており、両者によってハウジングHのタイロッド近傍側
貫通孔Haを塞ぐ蓋を構成することになる結果、非常に
狭いスペースに、軸受予圧およびバックラッシ調整の機
能を果たす部材を配置することができる。さらに、本実
施例のバックラッシ調整機構Eによれば、調整部材E2
を回転させるだけで、バックラッシを調整することが可
能であり、その調整が容易である。特に、調整部材E2
が蓋の一部を構成するので、後輪操舵装置の組み立て後
に、外部から非常に容易に調整が行える。
【0032】加えて、本実施例によれば、調整部材E2
を軸受予圧用部材E1に既述のように内挿した状態で、
調整部材E2の雄ねじ部E2aにロックナットE4を螺
合させておけば、調整部材E2が軸受予圧用部材E1に
対して抜け止め状態に固定されるので、軸受予圧用部材
E1および調整部材E2の両者を一体的に取り扱うこと
ができ、後輪操舵装置の分解・組立等が容易となる。
【0033】さらに加えて、本実施例では、上記調整部
材E2は、ボールジョイントJを被覆するベローズBの
一端を係止する係止部としての環状凹溝E23を有して
いることから、ベローズBを係止するための係止部材
を、調整部材E2と別に設ける必要がないので、構造を
簡素化することができる。なお、本発明は上述の実施例
に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない
範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【0034】例えば、調整部材E2が低摩擦部材から構
成されている場合等では、後輪操舵軸5を、ブッシュF
を介することなく、円形内面E26によって直接支持す
ることが可能である。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、バックラ
ッシ調整機構は、一方のタイロッドに近づけて配設され
ている。そのため、後輪操舵軸に、後輪から上記一方の
タイロッド側に径方向の外力が作用しても、この外力
は、上記バックラッシ調整機構によって受けられ、台形
ねじ部材のねじ嵌合部どうしの押圧を解く力として作用
することはない。したがって、台形ねじ機構のガタに起
因した騒音をより低減することができる。
【0036】また、軸受予圧用部材および調整部材の両
者によってハウジングのタイロッド近傍側貫通孔を塞ぐ
蓋を構成することになる結果、非常に狭いスペースに、
軸受予圧およびバックラッシ調整の機能を果たす部材を
配置することができる。さらに、調整部材を回転させる
だけで、バックラッシを調整することが可能であり、そ
の調整が容易である。特に、調整部材が蓋の一部を構成
するので、後輪操舵装置の組み立て後に、外部から非常
に容易に調整が行える。
【0037】請求項2記載の発明によれば、調整部材
は、ベローズの一端を係止する係止部を有していること
から、ベローズを係止するための係止部材を、調整部材
と別に設ける必要がないので、構造を簡素化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての後輪操舵装置の要部
の一部破断側面図である。
【図2】本発明の一実施例としての後輪操舵装置の一部
破断側面図である。
【図3】図1のI−I線に沿う断面図である。
【図4】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図5】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図6】円形内面の中心が円形外面の中心の真上にある
状態から、調整部材を軸受予圧用部材に対して45°反
時計方向に回転させた場合における、後輪操舵軸に固定
される台形雄ねじ部材の径方向の変位状態を示す説明図
である。
【符号の説明】
H ハウジング Ha タイロッド近傍側貫通孔 M モータ D 台形ねじ機構 2 台形雄ねじ部材 3 台形雌ねじ部材 5 後輪操舵軸 6 アンギュラ玉軸受 E バックラッシ調整機構 E1 軸受予圧用部材 E10 円形外面 E11 円形内面 E2 調整部材 E21 円形外面 E26 円形内面 E4 ロックナット(ロック手段) T タイロッド J ボールジョイント B ベローズ E23 環状凹溝(係止部)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングと、 台形雄ねじ部材および台形雌ねじ部材を含み、上記ハウ
    ジング内に収容されてモータによって駆動される台形ね
    じ機構と、 回転不能であってハウジングのタイロッド近傍側貫通孔
    を貫通した状態で軸線方向に移動自在に設けられ、上記
    台形ねじ機構によって軸線方向に移動させて後輪を操舵
    する後輪操舵軸とを備え、 上記台形雄ねじ部材および台形雌ねじ部材の一方がアン
    ギュラ玉軸受を介してハウジングによって回転自在に支
    持されると共に、他方が後輪操舵軸に軸線方向に一体移
    動可能に固定された後輪操舵装置であって、 環状の部材からなり、上記ハウジングのタイロッド近傍
    側貫通孔にねじ嵌合された円形外面、及びこれに対して
    偏心した円形内面を有し、上記アンギュラ玉軸受の外輪
    を押圧する軸受予圧用部材と、 後輪操舵軸を径方向に押圧することにより、台形雄ねじ
    部材と台形雌ねじ部材とのバックラッシを調整するバッ
    クラッシ調整機構とを備え、 上記バックラッシ調整機構は、 上記軸受予圧用部材の上記円形内面により構成される円
    形支持面と、 環状の部材からなり、上記円形支持面に回転自在に嵌め
    合わされた円形外面、及びこれに対して上記円形内面の
    偏心を相殺するように偏心し且つ後輪操舵軸を支持した
    円形内面を有する調整部材と、 上記調整部材を軸受予圧用部材に回転方向に固定可能な
    ロック手段とを含んでいることを特徴とする後輪操舵装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の後輪操舵装置において、 上記調整部材は、上記後輪操舵軸とタイロッドとを連結
    するボールジョイントを被覆するベローズの一端を係止
    する係止部を含んでいることを特徴とするものである。
JP22830294A 1994-09-22 1994-09-22 後輪操舵装置 Pending JPH0891241A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22830294A JPH0891241A (ja) 1994-09-22 1994-09-22 後輪操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22830294A JPH0891241A (ja) 1994-09-22 1994-09-22 後輪操舵装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0891241A true JPH0891241A (ja) 1996-04-09

Family

ID=16874325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22830294A Pending JPH0891241A (ja) 1994-09-22 1994-09-22 後輪操舵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0891241A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009292433A (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 Aisin Seiki Co Ltd 車両の後輪操舵装置
KR200450522Y1 (ko) * 2009-05-27 2010-10-07 이경우 능동적 스티어링 휠
JP2014019265A (ja) * 2012-07-17 2014-02-03 Hitachi Automotive Systems Steering Ltd 電動パワーステアリング装置
CN106697042A (zh) * 2015-11-17 2017-05-24 比亚迪股份有限公司 车辆、车辆的转向传动机构和车辆的转向系统

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009292433A (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 Aisin Seiki Co Ltd 車両の後輪操舵装置
KR200450522Y1 (ko) * 2009-05-27 2010-10-07 이경우 능동적 스티어링 휠
JP2014019265A (ja) * 2012-07-17 2014-02-03 Hitachi Automotive Systems Steering Ltd 電動パワーステアリング装置
CN106697042A (zh) * 2015-11-17 2017-05-24 比亚迪股份有限公司 车辆、车辆的转向传动机构和车辆的转向系统
CN106697042B (zh) * 2015-11-17 2019-04-19 比亚迪股份有限公司 车辆、车辆的转向传动机构和车辆的转向系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6763738B1 (en) Electric power steering apparatus
US6705176B2 (en) Electric power steering apparatus
KR101031627B1 (ko) 스티어링 칼럼 장치
US10259488B2 (en) Steering system
EP1939020B1 (en) Telescopic actuator
JP5626342B2 (ja) ステアリング装置
US10894558B2 (en) Steering system
JP2002145082A (ja) 電動式動力舵取装置
JPS6283246A (ja) テレスコピツクステアリング装置
JPH0891241A (ja) 後輪操舵装置
JP5016237B2 (ja) 電動モータおよび電動パワーステアリング装置
JP4622638B2 (ja) ラックピニオン式ステアリングギヤ
US8336412B1 (en) Electric power steering apparatus
JP2549994Y2 (ja) ラックピニオン式ステアリング装置
JP2019209935A (ja) 転舵軸支持構造
EP1304504B1 (en) Worm speed change apparatus and electric power steering apparatus
CN110450847B (zh) 转向装置
JP3266315B2 (ja) カセット式ヘッドセット
EP1195313B1 (en) Tilt steering apparatus
JP5015751B2 (ja) シャフトの結合構造
JP2519747Y2 (ja) 車両のステアリング装置
WO2012086338A1 (ja) 車両用操舵装置
JP2020172170A (ja) 電動パワーステアリング装置
US20230406403A1 (en) Steering actuator and initial free play adjustment method between reducer gears of steering actuator
JPH10329732A (ja) ラックピニオン式ステアリング装置