JPH0890402A - 研磨方法及び研磨装置 - Google Patents

研磨方法及び研磨装置

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JPH0890402A
JPH0890402A JP23474094A JP23474094A JPH0890402A JP H0890402 A JPH0890402 A JP H0890402A JP 23474094 A JP23474094 A JP 23474094A JP 23474094 A JP23474094 A JP 23474094A JP H0890402 A JPH0890402 A JP H0890402A
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JP
Japan
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ratio
rotating
shaft
lens
removal amount
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JP23474094A
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Inventor
Masafumi Takimoto
雅文 瀧本
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】レンズ研磨加工における加工中の除去量分布を
一定になるような加工状態を実現してレンズ加工面の形
状安定性を向上させる研磨装置を提供する。 【構成】被加工物Lを固定した状態で回転させるための
第1の回転軸ALと、被加工物を所定形状に加工する工
具Tを固定した状態で回転させるための第2の回転軸A
Tと、所定の傾きαを有して設けられた第1と第2の回
転軸とが交差する点Oを中心として一方の回転軸を他方
の回転軸に対して揺動させるための揺動手段と、第1と
第2の回転軸AL、ATの少なくとも一方を第1の回転軸
の中心軸線と第2の回転軸の中心軸線との交差する揺動
角に対応する第1の回転軸の回転数と第2の回転軸の回
転数との比に基づいて回転制御するための制御手段とを
具備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レンズやミラー等に用
いられる光学素子を研磨して加工する研磨方法及び研磨
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、レンズやミラー等に用いられる光
学素子の加工では、プレス成形や研磨工具による加工が
一般的に行われている。この研磨加工においては、レン
ズ側を回転させたり、工具側を回転させた状態で工具に
より研磨する。また、従来のレンズ側を回転させる研磨
加工においては、レンズ軸は回転自在な状態で加工に供
されるために、加工されるレンズの被加工面の性状(粗
さ、形状)や工具加工面の状態によって、レンズ軸の回
転数は変化する特性があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来例では、以下に記載のような欠点があった。
即ち、加工の進行と共にレンズ軸の回転数は逐次変化し
て行き、それに伴って加工工具とレンズとの相対速度の
分布で決定されるレンズ被加工面における除去量分布も
逐次変化して行くため、最終的に創成されるレンズ形状
の予測がつかないものであった。
【0004】更に、レンズ軸を強制的に回転させるよう
にした加工装置の場合、加工に使用する揺動開角(レン
ズ軸と工具軸とが交差する角度)に関係なくレンズ軸の
回転数と工具軸の回転数とは、加工開始から終了に至る
まで一定値に設定されるために、一定の除去量分布を得
られないものであった。また、レンズ軸回転数、工具軸
回転数及び揺動開角等の運動条件は、作業者の試行錯誤
によって決定されるもので、多大な時間、手間を必要と
するため、熟練した作業者の勘や経験がなければ、更に
多くの時間が必要となることが従来のレンズ加工におけ
る欠点であった。
【0005】従って、本発明は、上述した課題に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、レンズ
研磨加工における加工中の除去量分布を明確にし、一定
の除去量分布となるような加工状態を実現してレンズ加
工面の形状安定性を向上させると共に、加工条件の決定
作業を容易に行えるようにして、作業者の熟練度が低い
場合においても高精度なレンズを短時間で製造できるよ
うな研磨方法及び研磨装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明の研磨装置及び研磨方法は
以下の構成を備える。即ち、被加工物を固定した状態で
回転させるための第1の回転軸と、前記被加工物を所定
形状に加工する工具を固定した状態で回転させるための
第2の回転軸と、所定の傾きを有して設けられた前記第
1と第2の回転軸とを該第1と第2の回転軸が交差する
点を中心として一方の回転軸を他方の回転軸に対して揺
動させるための揺動手段と、前記第1と第2の回転軸の
少なくとも一方を該第1の回転軸の中心軸線と第2の回
転軸の中心軸線との交差する揺動角に対応する第1の回
転軸の回転数と第2の回転軸の回転数との比に基づいて
回転制御するための制御手段とを具備することを特徴と
する。
【0007】また、好ましくは、被加工物を固定した状
態で回転させるための第1の回転軸と、前記被加工物を
所定形状に加工する工具を固定した状態で回転させるた
めの第2の回転軸と、所定の傾きを有して設けられた前
記第1と第2の回転軸とを該第1と第2の回転軸が交差
する点を中心として一方の回転軸を他方の回転軸に対し
て揺動させるための揺動手段と、前記第1の回転軸の中
心軸線と第2の回転軸の中心軸線との交差する揺動角を
検出する手段と、前記被加工物の加工条件とその中心部
の研磨による除去量に対する周辺部の研磨による除去量
の比とから前記揺動角に対応する第1の回転軸の回転数
と第2の回転軸の回転数との比を算出する手段と、前記
算出された揺動角と回転数の比との関係を記憶する手段
と、前記第1と第2の回転軸の少なくとも一方を前記揺
動角に対応する回転数の比に基づいて回転制御するため
の制御手段とを具備することを特徴とする。
【0008】また、好ましくは、被加工物を固定した状
態で回転させるための第1の回転軸と、該被加工物を所
定形状に加工する工具を固定した状態で回転させるため
の第2の回転軸とを所定の傾きを有して設け、前記第1
と第2の回転軸の中心軸線が交差する点を中心として一
方の回転軸を他方の回転軸に対して揺動させることによ
り加工する研磨方法であって、前記第1の回転軸の中心
軸線と第2の回転軸の中心軸線との交差する揺動角を検
出する工程と、前記検出された揺動角に基づいて第1の
回転軸の回転数と第2の回転軸の回転数との比を算出
し、該比に基づいて前記第1と第2の回転軸の少なくと
も一方を制御する工程とを備えることを特徴とする。
【0009】
【作用】以上のように、この発明は構成されており、レ
ンズ軸の回転数、工具軸の回転数、レンズ軸に対する工
具軸の傾き(揺動開角)を検出する手段を有し、この検
出結果によるレンズと工具との接触面(被加工面)にお
ける速度分布から、任意の揺動開角の場合のレンズ軸の
回転数と工具軸の回転数との比率のデータを算出し、こ
のデータに基づいてレンズ軸の回転数と工具軸の回転数
との比率を単位時間毎に変化させていくことによって、
あらゆる時間や揺動開角位置であってもレンズ中心部の
除去量に対するレンズ周辺部の除去量の比率を常に一定
に保ち、レンズ研磨加工における加工中の除去量分布を
明確にし、一定の除去量分布となるような加工状態を実
現してレンズ加工面の形状安定性を向上させると共に、
加工条件の決定作業を容易に行えるようにして、作業者
の熟練度が低い場合においても高精度なレンズを短時間
で製造できる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について添付図
面を参照して詳細に説明する。図2は、本発明に基づく
実施例の凸球面レンズの研磨装置の概略図である。図2
に示すように、本実施例で用いられる光学素子は、凸球
面レンズLである。レンズLの回転軸ALと研磨工具T
の回転軸ATとは、目標とするレンズの曲率半径の中心
点Oで交差しており、それらの軸のなす交差の角度は、
レンズの回転軸A Lを基準とした場合の工具のレンズ軸
に対する揺動角を表すため揺動開角αと称する。また、
回転軸AL、ATとは、夫々回転数NL、NT(角速度
ωL、ωT)で回転すると共に、工具回転軸ATは、レン
ズ回転軸ALに対して、中心点Oを中心として揺動開角
αがξ−εからξ+εの範囲(ξ−ε≦α≦ξ+ε)で
連続的に運動する。尚、ξは揺動中心角、εは揺動角度
幅とし、この運動を揺動運動と呼ぶ。この揺動運動は、
例えば、図5に示すように揺動開角αが変化し、揺動開
角αの揺動時の角速度ωRは絶対値一定で揺動運動の端
点(折り返し位置)で正負が反転するものである。
【0011】このような研磨加工においては、レンズ表
面の研磨除去量は、レンズLと研磨工具Tの接触面(レ
ンズLの被加工面)における相対速度の分布状態により
決定され、この除去量により製作されるレンズの形状が
決定される。以下に図3を参照してレンズLと研磨工具
Tとの相対速度の分布について説明する。図3はレンズ
の曲率中心点Oを原点とした3次元座標系(X−Y−Z
座標系)において、Z軸とレンズ回転軸ALとを一致さ
せた場合を示している。図3において、工具回転軸AT
はX−Z平面内にあり、レンズ回転軸AL(Z軸)とは
X−Z平面内で角度αで交差している。
【0012】このような座標系において、先ず、レンズ
Lと研磨工具Tとの接触面(被加工面)のある一点Pに
ついて考える。点PからX−Y平面へ垂線PQを引き、
線分OPとX軸とのなす角をψ、線分OPとZ軸とのな
す角をθとすると点Pの位置ベクトルPは、曲率半径を
Rとして下記の式(1)で表される。
【0013】
【数3】
【0014】更に、レンズ回転軸AL、工具回転軸AT
回転角速度ωL、ωT及び揺動軸ARの揺動角速度ωRは夫
々下記の式(2)で表される。
【0015】
【数4】
【0016】ここで、点Pにおけるレンズと工具との相
対速度νを求める。各軸の運動における相対速度の成分
ベクトル表示は下記の式(3)で示される。
【0017】
【数5】
【0018】更に、相対速度νは、下記の式(4)で表
される。
【0019】
【数6】
【0020】レンズLが1回転する間の相対速度の二乗
平均値ν2は、角度ψを0〜2πまで積分することによ
り求められ、下記の式(5)と求められる。
【0021】
【数7】
【0022】次に、レンズ中心部Oと周辺部との除去量
の比に基づいて製作されるレンズの形状を検討する。例
えば、中心部Oの除去量に比べて周辺部の除去量が多い
場合では中高のレンズとなる(製作されたレンズは原器
の中心部でより強く当たる)。ここで、レンズ中心部O
の除去量に対する周辺部の除去量の比を除去量比γと呼
ぶこととし、前述の式(5)において、レンズ半開角θ
が0°及びθ°の位置での除去量を考えると、除去量比
γは下記の式(6)で表される。
【0023】
【数8】
【0024】更にレンズ回転数に対する研磨工具回転数
の比ρ1、レンズ回転周波数に対する揺動周波数の比ρ2
とすると、夫々の比は式(7)で表される。
【0025】
【数9】
【0026】上記式(7)を式(6)に代入すると、下
記の式(8)と表示される。
【0027】
【数10】
【0028】この式(8)を用いて、後述する表1に示
す条件で揺動開角αをパラメータとして除去量比γを求
めると、図4に示すような除去量比と回転数比との関係
を得ることができる。尚、回転数比ρ2は一定(ρ2
0.04)であり、また、レンズLに対して研磨工具T
は十分大きいものとし、加工中にレンズLが研磨工具T
からはみ出てしまうことはないものとする。
【0029】図4において、目標の除去量比が例えば
1.0、即ち中心部と周辺部とで均等な除去量分布の場
合、破線(揺動開角35°の場合)では回転数比ρ1
0.8396(図4中の点S1)もしくは2.3495
7(図4中の点S4)に設定すればよいことが分かる。
また、実線(揺動開角25°の場合)で均等な除去量分
布を実現するには、回転数比ρ1を0.853246
(図4中の点S2)もしくは1.59961(図4中の
点S3)に設定すればよい。即ち、揺動開角αに基づい
て回転数比ρ1を変化させることにより、除去量分布を
均等にする等の所望の除去量比γを得ることができる。
【0030】次に、加工能率について考えると、加工能
率(単位時間毎の除去量)は工具回転数NTが大きい程
良好な状態にできるから除去量比γを1以上に選定する
と、レンズ軸回転数NLを表1に示すように600rp
mに固定した場合には、夫々の揺動開角で工具軸の回転
数NLは、約960(600*1.5996)rpm、
1410(600*2.34957)rpmに設定すれ
ばよいことになる。即ち、一定の除去量比を実現するた
めには、図4中の点p1〜p3の間において回転数比ρ
1を設定することが必要となる。
【0031】ここで、回転数比ρ1を算出する式を求め
ると前述の式(8)を変形し、下記の式(9)となる。
【0032】
【数11】
【0033】例えば、表2は表1に示す加工条件で均等
に除去する場合の式(9)から導出された揺動開角αと
回転数比ρ1との関係を示すもので、各データは後述す
るメモリに格納されている。 <装置の動作及び構成>次に、図1、図2を参照して本
実施例の研磨装置の構成を説明する。図1は、本実施例
に基づく実施例の研磨装置を示す概略図である。図2
は、図1に示す研磨装置の側面図である。
【0034】図1、図2において、研磨装置本体10
は、レンズ軸ブロック16を支持するアーム11、コラ
ム12、揺動プレート13、工具支持ブロック14、モ
ータ15a、エンコーダ15b、レンズを支持するレン
ズ軸ブロック16とを備える。レンズ軸ブロック16は
アーム11に摺動自在に設けられている。アーム11に
は、その上部にシリンダ等の圧力発生機構18aが設け
られ、更に、圧力発生機構18aの先端部にはレンズ軸
ブロック16が当接するように固定されている。圧力発
生機構18aは、図6に示すコントローラ41の指令に
基づいて、不図示のバルブ18bにより圧力発生機構1
8aに供給される圧力が制御され、所定の研磨圧力をレ
ンズに付与できるようにレンズチャック22を介してレ
ンズLを研磨工具Tに押し付ける働きを有する。
【0035】レンズ軸系20において、レンズ軸21は
軸受け24を介してレンズ軸ブロック16に回転自在に
設けられる。レンズ軸21の先端部には、レンズチャッ
ク22が設けられレンズLを保持する。また、加工され
るレンズは一般的に用いられているガラスレンズであ
る。研磨工具Tは、その一端をレンズ軸ブロック16の
上部に設けられた駆動モータ23aに接続されており、
矢視A方向に回転駆動される。工具Tの回転角度は、駆
動モータ23aに近接して設けられたエンコーダ23b
により検出され、単位時間毎にコントローラ41に送ら
れる。モータ23aは、コントローラ41の指令に基づ
いてドライバ23c(図6参照)で駆動制御され、所定
角速度で回転駆動される。
【0036】コラム12のレンズを加工する側の側面に
は揺動プレート13が曲率中心Oの回りに回転自在に設
けられている。更に、揺動プレート13には工具支持ブ
ロック14が揺動自在に設けれている。揺動プレート1
3は、コラム12のレンズを加工する側とは反対の側面
に固定されレンズ加工側にその回転軸が挿通された揺動
モータ15aに接続され、矢視C方向に揺動するように
駆動される。工具Tの揺動角度は、揺動モータ15aに
近接して設けられたエンコーダ15bにより検出され、
単位時間毎にコントローラ41に送られる。モータ15
aは、コントローラ41の指令に基づいてドライバ15
c(図6参照)で駆動制御され、所定角速度で揺動する
ように駆動される。
【0037】工具軸系30において、工具軸31は軸受
け35を介して工具軸ブロック14に回転自在に設けら
れる。この工具軸ブロック14はレンズ加工中の場合、
ビス等で揺動プレート13に固定されている。工具軸3
1の先端部には、工具チャック32が設けられ研磨工具
Tを保持する。研磨工具Tは、その一端を工具軸ブロッ
ク14に設けられた駆動モータ33aに接続されてお
り、矢視B方向に回転駆動される。工具Tの回転角度
は、駆動モータ33aに近接して設けられたエンコーダ
33bにより検出され、単位時間毎にコントローラ41
に送られる。モータ33aは、コントローラ41の指令
に基づいてドライバ33c(図6参照)で駆動制御さ
れ、所定角速度で回転駆動される。
【0038】レンズ軸21に対する工具軸31の角度
は、工具軸ブロック14に設けられた角度検出センサ3
4aにより検出され、アンプ34b(図6参照)を介し
てコントローラ41に送られる。下記に示す表1はレン
ズの加工条件の一例を示す。
【0039】
【表1】
【0040】レンズの研磨加工に際し、図6に示す演算
部51は、既に確定された加工条件(本実施例では、表
1に示す除去量の比、レンズ回転数、工具揺動周波数、
揺動中心角、揺動角度幅)と式(9)から回転数比ρ1
を算出し、例えば、角度検出センサ34aの検出角度の
分解能毎に揺動開角αに対する回転数比ρ1の値をメモ
リ52にデータとして格納する。
【0041】下記に示す表2はその一例であって、表1
の加工条件で且つ除去量比γが1の場合、揺動開角αに
対する回転数比ρ1の値を示す。表1、表2及び図4か
ら分かるように、レンズ回転数600rpm、工具揺動
周波数0.4Hzとしたときに均等な除去加工を実現する
場合には、揺動開角25°から35°の範囲で回転数比
ρ1を1.59961から2.34957に、即ち、工
具軸回転数を約960rpmから1410rpmの範囲
で変化させる必要がある。
【0042】
【表2】
【0043】<制御部の構成>次に、図6を参照して除
去量が均等な場合のレンズ軸及び工具軸の駆動制御につ
いて説明する。尚、図6は本実施例の研磨装置の制御部
の構成を示す図であり、矢印はデータ、検出信号等のや
り取りの方向を示している。図6において、コントロー
ラ41は、任意の時刻毎に角度検出センサ34aからの
検出信号に基づいて揺動開角αを検知し、この検出角に
見合う回転数比ρ1の値をメモリ52に格納されたデー
タ53から読み取って、所定の回転数比でレンズ軸21
及び工具軸31を回転駆動するようにドライバ23c、
33cに制御指令を送る。コントローラ41からの指令
を受けたドライバ23c、33cにより、レンズ軸21
は矢視A方向、工具軸31は矢視B方向に回転駆動され
ると同時に、工具軸31はレンズの曲率中心Oを中心と
して矢視C方向に揺動される(図2を参照)。
【0044】例えば、検出した揺動開角αが25°の場
合、コントローラ41はメモリ52に格納されたデータ
53(表2参照)から回転数比1.59961を読み取
る。レンズ軸回転数は表1により600rpmで固定さ
れているから、600*1.59961の値を工具回転
数としてドライバ23c、33cに各モータ制御信号を
送る。
【0045】その後、次の時刻に揺動開角αが、例えば
26°になった場合、コントローラ41はメモリ52に
格納されたデータ53(表2参照)から回転数比1.6
5028を読み取り、600*1.65028の値を工
具回転数としてドライバ23c、33cに各モータ制御
信号を送る。このような手順を単位時間毎に繰り返し、
研磨加工中における回転数比を順次変化させ、加工終了
時刻になるまで繰り返される。
【0046】以上のように制御することにより、レンズ
の研磨加工中の任意の時刻において、常に除去量が均等
に分布するように加工状態が保持され、研磨工具Tのレ
ンズ形状Rの転写状態が安定する。また、加工するレン
ズ、加工条件、所望の除去量比に変更が生じた場合に
は、その都度演算器51によりデータ53が更新され、
上述の手順と同様に回転数比が任意時刻毎に変更され研
磨加工が進行していく。
【0047】(実施例の効果)以上説明した本実施例の
研磨装置を用いてレンズ等の研磨加工を行うことによ
り、レンズ軸と工具軸とが交差する角度に対応したレン
ズ回転数と工具回転数との比率で加工できるようにな
り、除去量の分布を任意に設定でき、任意のレンズ形状
の研磨加工が可能となる。
【0048】また、レンズ回転数と工具回転数との比率
がレンズ中心部の除去量に対するレンズ周辺部の除去量
の比率により決定されるので、一意的に加工条件を決定
することができ、作業者による試行錯誤の時間を省き、
更に熟練作業が必要なくなるので作業時間の短縮するこ
とができる。また、任意の揺動開角の場合のレンズ軸の
回転数と工具軸の回転数との比率のデータを算出し、こ
のデータに基づいてレンズ軸の回転数と工具軸の回転数
との比率を単位時間毎に変化させていく研磨方法を採用
することによって、あらゆる時間や揺動開角位置であっ
てもレンズ中心部の除去量に対するレンズ周辺部の除去
量の比率を常に一定に保ち、レンズ形状を安定させるこ
とができる。
【0049】尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲
で上記実施例を修正又は変形したものに適用可能であ
る。例えば、本実施例ではレンズ軸の回転数を一定にし
た状態で工具軸の回転数を変化させる場合を説明した
が、工具軸の回転数を一定にしてレンズ軸の回転数を変
化させたり、レンズ軸及び工具軸の両方の回転数を変化
させるように回転制御してもよい。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、レンズ
を保持し強制的に回転させるレンズ軸と、工具を保持し
強制的に回転させる工具軸とを有し、レンズ軸と工具軸
とは任意の角度で傾きを有して設置され、且つそれらの
軸の交差点を中心に一方の軸が他方の軸に対して揺動
し、レンズ面を研磨加工することによって、レンズ軸と
工具軸とが交差する角度に対応したレンズ回転数と工具
回転数との比率で加工できるようになり、除去量の分布
を任意に設定でき、任意のレンズ形状の研磨加工が可能
となる。
【0051】また、レンズ回転数と工具回転数との比率
がレンズ中心部の除去量に対するレンズ周辺部の除去量
の比率により決定されるので、一意的に加工条件を決定
することができ、作業者による試行錯誤の時間を省き、
更に熟練作業が必要なくなるので作業時間の短縮するこ
とができる。また、レンズ軸の回転数、工具軸の回転
数、レンズ軸に対する工具軸の傾き(揺動開角)を検出
する手段を有し、この検出結果によるレンズと工具との
接触面(被加工面)における速度分布から、任意の揺動
開角の場合のレンズ軸の回転数と工具軸の回転数との比
率のデータを算出し、このデータに基づいてレンズ軸の
回転数と工具軸の回転数との比率を単位時間毎に変化さ
せていくことによって、あらゆる時間や揺動開角位置で
あってもレンズ中心部の除去量に対するレンズ周辺部の
除去量の比率を常に一定に保ち、レンズ形状を安定させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に基づく実施例の研磨装置を示す概略
図である。
【図2】図1に示す研磨装置の側面図である。
【図3】レンズの曲率中心点を原点とした3次元座標系
(X−Y−Z座標系)において、Z軸とレンズ回転軸A
Lとを一致させた場合を示す図である。
【図4】除去量比と回転数比との関係を示す図である。
【図5】揺動運動時における揺動開角の時間的変化を示
す図である。
【図6】図1に示す研磨装置の制御部の構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
10…研磨装置、11…アーム、12…コラム、13…
揺動プレート、14…工具ブロック、15a…モータ、
15b…エンコーダ、15c…ドライバ、16…レンズ
ブロック、18a…圧力発生器、18b…バルブ、20
…レンズ軸系、21…レンズ軸、22…レンズチャッ
ク、23a…モータ、23b…エンコーダ、23c…ド
ライバ、30…工具軸系、31…工具軸、32…工具チ
ャック、33a…モータ、33b…エンコーダ、33c
…ドライバ、34a…角度検出器、34b…アンプ、4
1…コントローラ、51…演算器、52…メモリ、53
…データ、L…レンズ、T…研磨工具。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物を固定した状態で回転させるた
    めの第1の回転軸と、 前記被加工物を所定形状に加工する工具を固定した状態
    で回転させるための第2の回転軸と、 所定の傾きを有して設けられた前記第1と第2の回転軸
    とを該第1と第2の回転軸が交差する点を中心として一
    方の回転軸を他方の回転軸に対して揺動させるための揺
    動手段と、 前記第1と第2の回転軸の少なくとも一方を該第1の回
    転軸の中心軸線と第2の回転軸の中心軸線との交差する
    揺動角に対応する第1の回転軸の回転数と第2の回転軸
    の回転数との比に基づいて回転制御するための制御手段
    とを具備することを特徴とする研磨装置。
  2. 【請求項2】 前記被加工物はレンズ等の光学素子であ
    って、前記第1の回転軸の回転数と第2の回転軸の回転
    数との比は、前記光学素子の中心部の研磨による除去量
    に対する周辺部の研磨による除去量の比に基づいて決定
    されることを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
  3. 【請求項3】 前記第1と第2の回転軸の回転数の比
    は、前記光学素子の回転周波数に対する工具の揺動周波
    数の比をρ2、前記第1と第2の回転軸とが交差する角
    度をα、前記光学素子の中心部の除去量に対する周辺部
    の除去量の比をγ、前記光学素子の工具との接触面にお
    ける任意の1点と前記光学素子の曲率中心とを結ぶ線分
    と前記第1の回転軸とのなす角度をθとすると、 【数1】 なる関係を満足することを特徴とする請求項2に記載の
    研磨装置。
  4. 【請求項4】 前記揺動角を検出する手段と、前記光学
    素子の加工条件と所望の除去量の比とから前記揺動角に
    対する前記第1と第2の回転軸の回転数の比を算出する
    手段と、前記算出された揺動角と回転数の比との関係を
    記憶する手段とを更に備えることを特徴とする請求項1
    に記載の研磨装置。
  5. 【請求項5】 前記第1と第2の回転軸の少なくとも一
    方は、前記算出された揺動角と回転数の比に基づいて前
    記第1と第2の回転軸の回転数の比を所定時間毎に変化
    させることにより、前記除去量の比を一定に保持するよ
    うに制御されることを特徴とする請求項4に記載の研磨
    装置。
  6. 【請求項6】 被加工物を固定した状態で回転させるた
    めの第1の回転軸と、 前記被加工物を所定形状に加工する工具を固定した状態
    で回転させるための第2の回転軸と、 所定の傾きを有して設けられた前記第1と第2の回転軸
    とを該第1と第2の回転軸が交差する点を中心として一
    方の回転軸を他方の回転軸に対して揺動させるための揺
    動手段と、 前記第1の回転軸の中心軸線と第2の回転軸の中心軸線
    との交差する揺動角を検出する手段と、 前記被加工物の加工条件とその中心部の研磨による除去
    量に対する周辺部の研磨による除去量の比とから前記揺
    動角に対応する第1の回転軸の回転数と第2の回転軸の
    回転数との比を算出する手段と、 前記算出された揺動角と回転数の比との関係を記憶する
    手段と、 前記第1と第2の回転軸の少なくとも一方を前記揺動角
    に対応する回転数の比に基づいて回転制御するための制
    御手段とを具備することを特徴とする研磨装置。
  7. 【請求項7】 前記第1と第2の回転軸の少なくとも一
    方は、前記算出された揺動角と回転数の比に基づいて該
    第1と第2の回転軸の回転数の比を所定時間毎に変化さ
    せることにより、前記除去量の比を一定に保持するよう
    に制御されることを特徴とする請求項6に記載の研磨装
    置。
  8. 【請求項8】 被加工物を固定した状態で回転させるた
    めの第1の回転軸と、該被加工物を所定形状に加工する
    工具を固定した状態で回転させるための第2の回転軸と
    を所定の傾きを有して設け、前記第1と第2の回転軸の
    中心軸線が交差する点を中心として一方の回転軸を他方
    の回転軸に対して揺動させることにより加工する研磨方
    法であって、 前記第1の回転軸の中心軸線と第2の回転軸の中心軸線
    との交差する揺動角を検出する工程と、 前記検出された揺動角に基づいて第1の回転軸の回転数
    と第2の回転軸の回転数との比を算出し、該比に基づい
    て前記第1と第2の回転軸の少なくとも一方を制御する
    工程とを備えることを特徴とする研磨方法。
  9. 【請求項9】 前記被加工物はレンズ等の光学素子であ
    って、前記第1の回転軸の回転数と第2の回転軸の回転
    数との比は、前記光学素子の中心部の研磨による除去量
    に対する周辺部の研磨による除去量の比に基づいて算出
    されることを特徴とする請求項8に記載の研磨方法。
  10. 【請求項10】 前記第1と第2の回転軸の回転数の比
    は、前記光学素子の回転周波数に対する工具の揺動周波
    数の比をρ2、前記第1と第2の回転軸とが交差する角
    度をα、前記光学素子の中心部の除去量に対する周辺部
    の除去量の比をγ、前記光学素子の工具との接触面にお
    ける任意の1点と前記光学素子の曲率中心とを結ぶ線分
    と前記第1の回転軸とのなす角度をθとすると、 【数2】 なる関係を満足することを特徴とする請求項9に記載の
    研磨方法。
  11. 【請求項11】 前記揺動角を検出する工程と、前記光
    学素子の加工条件と所望の除去量の比とから前記揺動角
    に対する前記第1と第2の回転軸の回転数の比を算出す
    る工程と、前記算出された揺動角と回転数の比との関係
    を記憶する工程とを更に備えることを特徴とする請求項
    8に記載の研磨方法。
  12. 【請求項12】 前記第1と第2の回転軸の少なくとも
    一方は、前記算出された揺動角と回転数の比に基づいて
    前記第1と第2の回転軸の回転数の比を所定時間毎に変
    化させることにより、前記除去量の比を一定に保持する
    ように制御されることを特徴とする請求項11に記載の
    研磨方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1293990C (zh) * 2003-05-29 2007-01-10 中国科学院光电技术研究所 计算机控制大型非球面修带机械手
CN105328556A (zh) * 2015-11-23 2016-02-17 厦门理工学院 一种可调倾角的射流抛光小磨头

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CN1293990C (zh) * 2003-05-29 2007-01-10 中国科学院光电技术研究所 计算机控制大型非球面修带机械手
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