JP2008062304A - 研磨方法及び研磨機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長年の経験を必要とする偏心量、揺動角度及び揺動位置の決定を容易にでき、研磨の再現性精度を高めることができ、高精度の平面研磨を容易に持続可能にできる研磨方法及び研磨機を提供する。
【解決手段】 回転駆動モータにより回転駆動される下研磨定盤3に対し、ワークを貼り付けた上定盤7を揺動アーム12の一端部側に設けられたエアシリンダ11で加圧圧力を加え、かつ研磨液を供給しつつ研磨するオスカー式の研磨機において、揺動アーム12には、下研磨定盤3に対する上定盤7の所定の研磨位置を調整する揺動駆動モータ34を設け、研磨位置におけるエアシリンダ11の加圧圧力に基づく揺動駆動モータ34の駆動電力値として予め実測した値を記録した研磨パターンデータ記憶部を有し、研磨するときにエアシリンダ11の加圧圧力を制御することで駆動電力値を再現するよう揺動駆動モータ34を制御する制御装置を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、板状、矩形ワークの平面研磨において、研磨の再現性精度を高め未経験者においても容易に目的とする研磨が実現できる研磨方式および研磨機に関するものである。
近年、液晶用基板ガラス、カラーフィルターガラス、フォトマスク用ガラス基板等あらゆるガラス系基板の大型化が押し進められている。これと同時に、これら大型ガラス基板を効率良く研磨する加工機が要求され、また上市されつつある。
現状の大型大寸法ワーク用研磨機は、マイクロチップやハードディスク基板を高精度に平面研磨するのに適した研磨機として提供されているものをスケールアップしたものである。例えば、ワークの片面ずつを研磨するオスカー方式やラツプマスター方式がある。またホップマン方式で知られる研磨機では遊星キャリアテーブルでワークを挟んで両面同時に研磨する機構となっている。
市場に提供されている研磨機は、小型小寸法に適した研磨方式を大型大寸法に拡大利用する方式であるため、平面を出す基準となる研磨定盤は、ワークサイズ以上で非常に大きくなってきている。このため機械の規模は極めて大きくなり、取り扱いも難しくなってきている。
従来のオスカー方式の研磨について説明する。図8〜図10は従来のオスカー方式の研磨機を説明する図であり、図8は研磨機の側面図、図9は研磨機の平面図、図10は下研磨定盤と上定盤の位置関係を説明する図である。
従来のオスカー式の研磨機10は、上面に研磨布2を貼り付けた下研磨定盤3が、その下部側中心に設けられた駆動軸4を介してプーリとベルト等により駆動モータ5により回転駆動され、下研磨定盤3の上面側には、回転中心から所定量だけ偏心した位置に上定盤7が配置され、この上定盤7の下面にゴムシート6を介して研磨対象となるガラス板等のワーク1が貼り付けられている。この上定盤7は、上部側に設けられた遥動アーム12に取付けられたエアシリンダ11の押圧力が加えられる連結軸9に、フローティング機構8を介して取付けられ、ワーク1が下研磨定盤3の研磨布2の表面に押し当てられて研磨されるようになっている。揺動アーム12は、そのほぼ中間部が下研磨定盤3から離れた位置に設けられた固定支持軸15に水平に揺動可能に取付けられている。この揺動アーム12の一方の端部側は、下研磨定盤3の上部側に位置するとともに、その上部にエアシリンダ11が揺動アーム12の長手方向に沿って位置調整可能に取付けられている。すなわち、揺動アーム11の端部側には、エアシリンダ11の押圧力が加えられる連結軸9が挿通される長孔13が形成され、この連結軸9が挿通された長孔13に沿ってエアシリンダ11がボルト14で移動可能に揺動アーム11に固定されるようになっている。エアシリンダ11の固定位置により下研磨定盤3に対する上定盤7の偏心量が決められるようになっている。揺動アーム12の他方の端部側は、ピン16に回動可能に連結軸17が取付けられ、この連結軸17に長さ調整可能にボールスクリュー18の一端部側が取付けられ、さらにボールスクリュー18の他端部側に連結軸21が取付けられている。この連結軸21の端部にクランク機構20が取付けられている。このクランク機構20は、定位置に設けられた回動用モータ24の回動によりアーム22が揺動され、このアーム22の端部にピン23を介して連結軸21に取付けられている。すなわち、ボールスクリュー18の両端部側の連結軸17,21の取付け位置、及びクランク機構20による回動用モータ24の回動により揺動アーム12の固定支持軸15を中心とした回動が揺動角度あるいは揺動位置を決めるようになっている。
この種のオスカー式の研磨機10において、研磨時の状況を見ると、基本的にはワーク1を下研磨定盤3のどの位置にどの程度とどめるかによってワーク1各部の研磨量を調整することになる。
すなわち、図10に示すように、下研磨定盤3のY軸と上定盤7のY軸を揃え、下研磨定盤3のX1軸と上定盤7のX2軸との間の距離が偏心量となり、揺動アーム12の固定支持軸15を揺動中心とした角度が揺動角度や揺動位置となる。実際の研磨が行われる状態においては、下研磨定盤3と上定盤7との間の偏心量、揺動角度及び揺動位置によりワーク1各部における研磨量に違いが生じる。
上記のような偏心量、揺動角度及び揺動位置の調整方法に関しては、図8〜図10に示すように、エアシリンダ11の揺動アーム12に対する取付け位置を調整することで、偏心量が調整され、ボールスクリュー18に対する連結軸17,21の取付け位置やクランク機構20によるアーム22の角度等により揺動角度及び揺動位置が調整される。
すなわち、従来のオスカー式の研磨機10における研磨に影響する調整箇所は、偏心量、揺動角度及び揺動位置の3箇所であり、この調整で研磨状態の選択を行うことになる。これら3箇所の位置決定は、実研磨を行い結果を測定し、始めて決定されるもので、長年の経験を積まなければ位置調整が出来ないことが容易に推測される。
研磨状態の決定は、前述の偏心量、揺動角度及び揺動位置となり、研磨量自体は、下研磨定盤3に対しワーク1をどの程度の力で押し付けるかで決まる。これを決定するのが揺動アーム12に取り付けられているエアシリンダ11に与えられている研磨圧力の調整機能になる。
研磨時の動作を述べると、図8において、下研磨定盤3は、所定の一定角速度で回転され、この下研磨定盤3に対しワーク1を押し当て、揺動させることによりフローティング機構8で保持されている上定盤7は共回りし、ワーク1は下研磨定盤3上で回転と揺動が与えられワーク1各部は、下研磨定盤3と上定盤7との間の速度差により研磨が行われる。フローティング機構8は、ワーク1を下研磨定盤3に常に押し当て面直なる力が働く作用を行っている。
ワーク1は、この下研磨定盤3上をある軌跡で揺動移動させることになる。このときワーク1に対する下研磨定盤3の相対移動速度は上定盤7の外側ほど大きく、半径に比例した研磨量となる。
半径に比例した研磨量に対し、ワーク1を揺動移動させ、回転させることにより、下研磨定盤3上の研磨量を重畳させワーク1では、均一な研磨量となるよう位置と揺動軌跡を設定することが普通行われている。このオスカー式の研磨機10では、偏心量がこの回転数に作用し、偏心量0mmでは、下研磨定盤3とワーク1は同一回転数となり研磨が行われなくなる。
ワーク1が小寸法である場合、ワーク1の揺動範囲、偏心量は比較的広範囲に選択されるが、ワーク寸法が大きくなるに従い移動範囲、偏心量は制限されてくる。制限されると下研磨定盤3上の研磨量の重畳が制限され、結果としてワーク1は均一な研磨量が得られなくなる。
そのため、オスカー方式の研磨機では、ワーク寸法□850mmに対し、下研磨定盤は、φ1700mmと大きな寸法が設定されている。ワーク寸法に対し下研磨定盤は、それなりの大きさがなければ均一な研磨が行えないことから選択される結果でもある。
ワーク寸法が大きくなればなる程、均一な研磨は難しくなることがこれらのことから推測されるのが現状であり、例えば、液晶用ガラス基板G6では、1500mm×1800mm、G7では1870mm×2200mm、G8では2200mm×2400mm、さらにG9,G10と大きくなると言われている。今後ますます大型化での難しさと長年の経験を必要とする難しさとが重ね合わさり研磨は、ますます難しくなることが見て取れる。
経験と長年培われた熟練度合いで決定した研磨条件もある面、不安定要素を持っており一度選択した研磨条件を維持管理しているつもりでも研磨液の供給量、温度やpH、研磨定盤の目詰まり状態により研磨量が変わり再現性がなかなか図れていないのが実情でもある。
研磨の再現性を向上させるために、一般に研磨液では、供給量管理、供給温度の管理、pH管理、濃度管理等が行われる必要がある。下研磨定盤を出来るだけ初期状態を維持するために、ある一定サイクル毎に定盤表面にブラシを当て、更に高圧水洗浄を行ったりする必要がある。
研磨量は一般的に、研磨圧、研磨時間、研磨定盤とワークの相対速度に比例すると言われている。これら因子を個別制御し結果として、研磨終了後に研磨量不足や研磨量過多が分かったとしても次のワークに対しては有効なる情報をもたらすがそのもの自体には役に立たない。
有効な情報の処理もまた長年の経験と勘により調整することになる。研磨圧、研磨時間、研磨定盤とワークの相対速度が再現されている限り手の打ちようがないのが実情である。詳細に見ると、机上では研磨条件の微細な違いにより研磨の仕事量が変わり研磨定盤の駆動電流値が変化として把握されることが期待できる。
しかし、研磨定盤径が2メートルや3メートルになるとその慣性能率が大きくなり刻々と変わる研磨条件を把握することができないのが実情であり、結果として研磨は生き物と言われる所以で終わっている。
なお、従来のオスカー式の研磨機に関連して、被研磨部材の保持盤が左右方向に揺動するとともに、前後方向にスライドする機構を有する研磨機に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録第3015454号公報(第5〜7ページ、図1及び図2)
本発明の課題は、長年の経験を必要とする偏心量、揺動角度及び揺動位置の決定、及びワークの大型大寸法化に伴いますます難しくなって来ている研磨の再現性精度を高め、この実現に対し長年の経験を不要とし、高精度の平面研磨を容易に持続可能とする研磨方法及びその方法を実現する研磨機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明にあっては、回転駆動モータにより回転駆動される下研磨定盤に対し、ワークを貼り付けた上定盤をエアシリンダで加圧圧力を加えつつ研磨するオスカー式の研磨機による研磨方法において、下研磨定盤に対する上定盤の所定の研磨位置である偏心量、揺動角度及び揺動位置におけるワークの研磨パターンに対する研磨量と揺動駆動モータによる駆動電流値との関係を予め複数実測し、研磨するときに前記エアシリンダの加圧圧力を制御することで前記揺動駆動モータによる駆動電流値を予め実測された値を再現するよう制御することを特徴とするものである。研磨量が駆動電流値により影響されることから、必要な研磨量の再現性を向上させることが可能になる。
請求項2記載の発明にあっては、前記複数の実測された研磨パターンを組合わせて研磨を行うことを特徴とするものである。複数の実測された研磨パターンを組合わせて研磨を行うようにすることで、予め実測した研磨パターンの再現性を向上でき、ワーク各部における研磨量を均一にすることが可能になる。
請求項3記載の発明にあっては、回転駆動モータにより回転駆動される下研磨定盤に対し、ワークを貼り付けた上定盤を揺動アームの一端部側に設けられたエアシリンダで加圧圧力を加え、かつ前記下研磨定盤へ研磨液をスラリー制御部から供給して研磨するオスカー式の研磨機において、前記揺動アームには、前記下研磨定盤に対する上定盤の所定の研磨位置を調整する駆動モータが設けられ、かつ前記研磨位置における前記エアシリンダの加圧圧力に基づく前記駆動モータの駆動電力値として予め実測した値を記録した研磨パターンデータ記憶部を有し、研磨するときに前記エアシリンダの加圧圧力を制御することで前記研磨パターンデータ記憶部に記憶した駆動電力値を再現するよう前記駆動モータの駆動電力値を制御する制御装置を有することを特徴とするものである。長年の経験を必要とする偏心量、揺動角度及び揺動位置の決定、及びワークの大型大寸法化に伴いますます難しくなって来ている研磨の再現性精度を高め、この実現に対し長年の経験を不要とし、高精度の平面研磨を容易に持続可能となる。
請求項4記載の発明にあっては、前記駆動モータは、前記揺動アームの揺動角度及び揺動位置を調整する揺動駆動モータを有することを特徴とするものである。また、揺動アームの揺動角度及び揺動位置を調整する揺動駆動モータは、ワークに掛かる抵抗が全て駆動トルクの負荷として生じるため、制御を容易にすることができる。
請求項5記載の発明にあっては、前記下研磨定盤の近傍には、該下研磨定盤の研磨面を洗浄する洗浄装置が設けられ設けられていることを特徴とするものである。下研磨定盤の近傍に洗浄装置を設けることで、所定の研磨間隔で下研磨定盤の研磨面を洗浄しながら研磨することで精度の良い研磨を継続することができる。
請求項6記載の発明にあっては、前記スラリー制御部は、研磨液の濃度、ペーハー、供給量あるいは温度を一定の値に維持する部分を有することを特徴とするものである。スラリー制御部により研磨液の濃度、ペーハー、供給量あるいは温度を一定の値に維持することで、研磨液の状態が管理されるため研磨の再現性を高めることができる。
回転駆動モータにより回転駆動される下研磨定盤に対し、ワークを貼り付けた上定盤をエアシリンダで加圧圧力を加えつつ研磨するオスカー式の研磨機による研磨方法において、下研磨定盤に対する上定盤の所定の研磨位置である偏心量、揺動角度及び揺動位置におけるワークの研磨パターンに対する研磨量と揺動駆動モータによる駆動電流値との関係を予め複数実測し、研磨するときにエアシリンダの加圧圧力を制御することで、長年の経験を必要とする偏心量、揺動角度及び揺動位置の決定、及びワークの大型大寸法化に伴いますます難しくなって来ている研磨の再現性精度を高め、この実現に対し長年の経験を不要とし、高精度の平面研磨を容易に持続可能とする研磨方法を実現することができる。
回転駆動モータにより回転駆動される下研磨定盤に対し、ワークを貼り付けた上定盤を揺動アームの一端部側に設けられたエアシリンダで加圧圧力を加え、かつ下研磨定盤へ研磨液をスラリー制御部から供給して研磨するオスカー式の研磨機において、揺動アームには、下研磨定盤に対する上定盤の所定の研磨位置を調整する駆動モータが設けられ、かつ研磨位置におけるエアシリンダの加圧圧力に基づく駆動モータの駆動電力値として予め実測した値を記録した研磨パターンデータ記憶部を有し、研磨するときにエアシリンダの加圧圧力を制御することで研磨パターンデータ記憶部に記憶した駆動電力値を再現するよう駆動モータの駆動電力値を制御する制御装置を有することで、長年の経験を必要とする偏心量、揺動角度及び揺動位置の決定、及びワークの大型大寸法化に伴いますます難しくなって来ている研磨の再現性精度を高め、この実現に対し長年の経験を不要とし、高精度の平面研磨を容易に持続可能となる。
本発明の研磨方法について具体的に説明する。本発明は、まず、回転駆動モータにより回転駆動される下研磨定盤に対し、ワークを貼り付けた上定盤をエアシリンダで加圧圧力を加えつつ研磨するオスカー式の研磨機による研磨方法において、下研磨定盤に対する上定盤の所定の研磨位置である偏心量、揺動角度及び揺動位置におけるワークの研磨パターンに対する研磨量と揺動駆動モータによる駆動電流値との関係を予め複数実測し、研磨するときに前記エアシリンダの加圧圧力を制御することで前記揺動駆動モータによる駆動電流値を予め実測された値を再現するよう制御するものである。予め実測した所定の研磨パターンに対する研磨量と揺動駆動モータによる駆動電流値との関係を、実際の研磨時に再現する制御を行うことで、研磨量が駆動電流値により影響されることから、必要な研磨量の再現性を向上させることが可能になる。
また、本発明の研磨方法は、回転駆動モータにより回転駆動される下研磨定盤に対し、ワークを貼り付けた上定盤をエアシリンダで加圧圧力を加えつつ研磨するオスカー式の研磨機による研磨方法において、下研磨定盤に対する上定盤の所定の研磨位置におけるワークの研磨パターンに対する研磨量と揺動駆動モータによる駆動電流値との関係を予め複数実測し、研磨するときに前記エアシリンダの加圧圧力を制御することで前記揺動駆動モータによる駆動電流値を予め実測された値を再現するとともに、前記複数の実測された研磨パターンを組合わせて研磨を行うものである。予め実測した研磨パターンの再現性を向上でき、かつ複数の実測した研磨パターンを組合わせることで、ワーク各部における研磨量を均一にすることが可能になる。
次に、上記の研磨方法を実現する研磨機について具体的に説明する。図1〜図7は本発明実施形態の研磨方法を実現する研磨機を説明する図であり、図1は研磨機の平面図、図2は研磨機に使用する洗浄装置の側面図、図3は洗浄部の底面図、図4は研磨機の駆動制御を説明するブロック図、図5は研磨機のスラリー制御を説明するブロック図、図6は研磨位置を説明する図、図7は図6の研磨位置による研磨状態を説明する図である。なお、図8〜図10で説明した従来の研磨機に対応する部分は、同一の符号を記し詳細の説明を省略する。
従来のオスカー式の研磨機は、研磨時における下研磨定盤3に対する上定盤7の偏心量、揺動角度及び揺動位置が固定されたものであるが、本実施形態の研磨機30は、研磨中においても偏心量、揺動角度及び揺動位置を自由に調整できるようにしたものである。すなわち、揺動アーム12に取り付けられているエアシリンダ11は、固定支持軸15の近傍の揺動アーム12上に取付けられた偏心駆動モータ31により回転駆動されるボールスクリュ32により偏心量が調整されるようになっている。また、従来のクランク機構に代わり、固定された位置に設けられたピン35に揺動駆動モータ34が水平に揺動可能に取付けられ、この揺動駆動モータ34により回転駆動されるボールスクリュ33の端部側が連結軸17に長さ調整可能に取付けられている。すなわち、揺動駆動モータ34によるボールスクリュ33の回転駆動により連結軸17を介して揺動アーム12が水平に揺動され、その揺動位置と揺動角度が制御されるようになっている。また、研磨機30は、後に詳細に説明するように、所定の研磨工程後に下研磨定盤3の表面を洗浄する洗浄装置40が設けられ、また研磨制御部60により駆動が所定の制御が行われ、スラリー制御部70により研磨中に供給される研磨液の管理を行うようになっている。
洗浄装置40は、研磨途中において下研磨定盤3の表面を洗浄するためのものである。すなわち、下研磨定盤3の近傍に取付けられた固定ピン48に洗浄揺動アーム47のほぼ中間部が水平に揺動可能に取付けられ、この洗浄揺動アーム47の一方の端部側にエアシリンダ46が取付けられ、このエアシリンダ46の駆動軸の下端部にフローティング機構45を介して洗浄部41が取付けられている。また、洗浄揺動アーム47の他方の端部側は、ピン52に一端部側が回動可能に取付けられた揺動シリンダ51の駆動軸50の端部にピン49を介して取付けられている。洗浄部41は、例えば、円盤状に形成された洗浄板42の下面にブラシ部43と洗浄液突出部44が設けられている。ブラシ部43は、洗浄板42の下面に円盤の中心部から放射状に沿って取付けられ、洗浄液突出部44は、円盤の直径方向に沿って下方へ高圧の洗浄液が突出されるように取付けられている。この洗浄装置40では、所定の研磨が終了した後に、上定盤7を下研磨定盤3の上部から図示しない待避位置に移動させた後、揺動シリンダ51により駆動軸50を動作させることで、固定ピン48を中心として洗浄揺動アーム47の洗浄部41側を下研磨定盤3の上部に移動させ、エアシリンダ46により洗浄部41のブラシ部43を下研磨定盤3の上面に当接させ、回転駆動モータ5を駆動し、同時に洗浄液突出部44から洗浄液を突出させる。これにより回転する下研磨定盤3の表面は、エアシリンダ46により押当て力を加えられたブラシ部43と、洗浄液突出部44から突出される洗浄液により洗浄される。洗浄終了後には、揺動シリンダ51により洗浄部41側を元の位置に移動させ、再び研磨できるように、上定盤7を待避位置から下研磨定盤3の上部に移動させる。
研磨制御部60は、本発明の研磨方法を実現する部分であり、偏心駆動モータ31による偏心量及び揺動駆動モータ34による揺動角度及び揺動位置を設定する揺動カム軌跡設定部61と、上定盤7を下研磨定盤3へ押し圧力を与えるエアシリンダ11の空気圧を設定する空気圧設定部62と、揺動駆動モータ34の駆動電流値を設定するための電流値設定部63と、揺動駆動モータ34の駆動を制御するモータ駆動部66と、エアシリンダ11へ供給するエア圧を制御する圧力制御部67と、モータ駆動部66から検出される電流値及び電流値設定部63において設定される電流値を比較し偏差値を検出する比較部64と、揺動カム軌跡設定部61で設定された値、空気圧設定部62で設定された空気圧、及び比較部64で比較された偏差値に基づいてモータ駆動部66及び圧力制御部67へ制御信号を出力する制御装置65等とから構成されている。また、この制御装置65は、過去に測定してある揺動駆動モータ34とエア圧との関係データが研磨パターンデータ記憶部68に記憶されており、この研磨パターン記憶部68のデータに基づいて、駆動電力が過去に計測された値になるよう空気圧を制御するクローズドループ制御を行うことを選択できようになっている。すなわち、この制御装置65では、モータ駆動部66から検出される電流値と電流値設定部63で設定される設定値とを比較部64で比較した偏差値に基づいて、研磨パターン記憶部68に記憶したデータを再現できるよう、エアシリンダ11に供給するエア圧を制御することで、揺動駆動モータ34の駆動電力が所定の電流径行になるよう制御する。
スラリー制御部70は、研磨液の濃度、ペーハー、供給量あるいは温度を一定の値に維持するための部分であり、貯留タンク74に貯められた研磨液は、ポンプ71により一定量が供給され、供給側フィルタ72を介して研磨機30の下研磨定盤3へ供給され、さらに研磨に使用された後の研磨液は、排出側フィルタ73から貯留タンク74へ戻され、この貯留タンク74の研磨液は、摩擦により昇温傾向にあるため温度制御部75において、例えば、32℃程度の一定温度に制御されるようになっている。
以上説明したように、本発明の研磨方法では、オスカー式の研磨機による研磨方法において、所定の研磨位置である偏心量、揺動角度及び揺動位置におけるワークの研磨パターンに対する研磨量と揺動駆動モータによる駆動電流値との関係を予め複数実測し、揺動駆動モータによる駆動電流値を予め実測された値を再現するよう制御するようにしていることで、研磨量が駆動電流値により影響されることから、必要な研磨量の再現性を向上させることが可能になる。また、上記の方法に加え、複数の実測された研磨パターンを組合わせて研磨を行うようにすることで、予め実測した研磨パターンの再現性を向上でき、かつワーク各部における研磨量を均一にすることが可能になる。
本発明の研磨機30では、揺動アーム12に設けられた偏心駆動モータ31により偏心量が調整され、揺動駆動モータ34により揺動位置と揺動角度が制御され、研磨パターンデータ記憶部68に予め実測した駆動電力値を再現するよう揺動駆動モータ34の駆動電力値を制御装置65により制御することで、長年の経験を必要とする偏心量、揺動角度及び揺動位置の決定、及びワークの大型大寸法化に伴いますます難しくなって来ている研磨の再現性精度を高め、この実現に対し長年の経験を不要とし、高精度の平面研磨を容易に持続可能となる。また、揺動アーム12の揺動角度及び揺動位置を調整する揺動駆動モータ34は、ワーク1に掛かる抵抗が全て駆動トルクの負荷として生じるため、制御を容易にすることができる。下研磨定盤3の近傍に洗浄装置40を設けることで、所定の研磨間隔で下研磨定盤3の研磨面を洗浄しながら研磨することで精度の良い研磨を継続することができる。さらに、スラリー制御部70により研磨液の濃度、ペーハー、供給量あるいは温度を一定の値に維持することで、研磨液の状態が管理されるため研磨の再現性を高めることができる。
以上の通り、オスカー式の研磨機の延長上にある研磨機では、下研磨定盤3が大きくなり、研磨抵抗負荷変動が発生していたとしても下研磨定盤3の慣性能率が大きく回転駆動モータ5の負荷変動としては現れにくい。一方、上定盤3の揺動では、ワーク1に掛かる抵抗が全て揺動駆動モータ34の駆動トルクの負荷として生じるため、下研磨定盤3の駆動に対するよりはるかに敏感に作用することになる。従って予め研磨パターンデータとして実測して過去履歴として持っている揺動駆動モータ34の揺動電流値を、再現するようエアシリンダ67のエア圧を制御することで、下研磨定盤3の表面状態の違いによる研磨量の違いを無くせることになる。研磨抵抗が大きくなり揺動負荷増えると、揺動負荷を抑えるべく研磨加圧力を下げ、研磨抵抗を同じとする。結果として研磨の再現性が図れることになる。
また、緒条件がこうであろうと言う仮説の中で制御するオープループ制御では、より細かな条件の違いによる結果の違いに関して無力である。本発明のように、研磨抵抗の違いを捉え、エアシリンダ11による研磨加圧力を調整することにより研磨抵抗を再現し、揺動抵抗、さらには揺動駆動モータ34の電流値制御を行うクローズドループ制御を導入することにより研磨の再現性を図ることが可能になる。
さらに、研磨の重畳に関しては、図6に示すように、揺動アーム8が2つの位置、すなわち揺動角度がα位置とβ位置とした場合に、ワーク1が平行な円盤として、例えば、5分程度の時間だけ研磨したときには、図7に示すように、α位置での研磨は凹型断面になり、一方β位置での同じ時間の研磨は凸状断面になる。したがって、これら2位置の滞在時間と2位置の研磨パターンの組合せで平坦な研磨面を得ることが可能になる。すなわち、例えば、2分研磨するときと4分研磨するときでは、4分研磨した場合2分に対し倍量の研磨が期待されることと同じであり、独立で起こる諸現象は重ね合わせることが出来ることからきている。
従って、このパターンを数多く持ち、研磨量のパターンと研磨後の平面状態を過去データとして持っておくことにより、種々の組合せが可能となり、算術計算のみで目的とする研磨量状態が達成されることになる。
この種の研磨方法により必要とすることは、正確な過去データの組合せ等は計算であるため経験を必要とせず、容易に研磨を行うことが可能になる。
板状、矩形ワークの研磨において、研磨の再現性精度を高め未経験者においても容易に目的とする研磨が実現できる研磨方式および研磨機に利用することができる。
本発明実施形態の研磨機の平面図である。 本発明実施形態の研磨機に使用する洗浄装置の側面図である。 本発明実施形態の洗浄部の底面図である。 本発明実施形態の研磨機の駆動制御を説明するブロック図である。 本発明実施形態の研磨機のスラリー制御を説明するブロック図である。 本発明実施形態の研磨位置を説明する図である。 本発明実施形態の図6の研磨位置による研磨状態を説明する図である。 従来のオスカー方式の研磨機の側面図である。 従来のオスカー方式の研磨機の平面図である。 従来のオスカー方式の研磨機の下研磨定盤と上定盤の位置関係を説明する図である。
1 ワーク
2 研磨布
3 下研磨定盤
4 駆動軸
5 駆動モータ
6 ゴムシート
7 上定盤
8 フローティング機構
9 連結軸
11 エアシリンダ
12 揺動アーム
13 長孔
14 ボルト
15 固定支持
16 ピン
17 連結軸
30 研磨機
31 偏心駆動モータ
32,33 ボールスクリュ
34 揺動駆動モータ
35 ピン
40 洗浄装置
41 洗浄部
42 洗浄板
43 ブラシ部
44 洗浄液突出部
45 フローティング機構
46 エアシリンダ
47 洗浄揺動アーム
48 固定ピン
49 ピン
50 駆動軸
51 揺動シリンダ
52 ピン
60 研磨制御部
61 揺動カム軌跡設定部
62 空気圧設定部
63 電流値設定部
64 比較部
65 制御装置
66 モータ駆動部
67 圧力制御部
68 研磨パターンデータ記憶部
70 スラリー制御部
71 ポンプ
72 供給側フィルタ
73 排出側フィルタ
74 貯留タンク
75 温度制御部

Claims (6)

  1. 回転駆動モータにより回転駆動される下研磨定盤に対し、ワークを貼り付けた上定盤をエアシリンダで加圧圧力を加えつつ研磨するオスカー式の研磨機による研磨方法において、下研磨定盤に対する上定盤の所定の研磨位置である偏心量、揺動角度及び揺動位置におけるワークの研磨パターンに対する研磨量と揺動駆動モータによる駆動電流値との関係を予め複数実測し、研磨するときに前記エアシリンダの加圧圧力を制御することで前記揺動駆動モータによる駆動電流値を予め実測された値を再現するよう制御することを特徴とする研磨方法。
  2. 前記複数の実測された研磨パターンを組合わせて研磨を行うことを特徴とする請求項1記載の研磨方法。
  3. 回転駆動モータにより回転駆動される下研磨定盤に対し、ワークを貼り付けた上定盤を揺動アームの一端部側に設けられたエアシリンダで加圧圧力を加え、かつ前記下研磨定盤へ研磨液をスラリー制御部から供給して研磨するオスカー式の研磨機において、前記揺動アームには、前記下研磨定盤に対する上定盤の所定の研磨位置を調整する駆動モータが設けられ、かつ前記研磨位置における前記エアシリンダの加圧圧力に基づく前記駆動モータの駆動電力値として予め実測した値を記録した研磨パターンデータ記憶部を有し、研磨するときに前記エアシリンダの加圧圧力を制御することで前記研磨パターンデータ記憶部に記憶した駆動電力値を再現するよう前記駆動モータの駆動電力値を制御する制御装置を有することを特徴とする研磨機。
  4. 前記駆動モータは、前記揺動アームの揺動角度及び揺動位置を調整する揺動駆動モータを有することを特徴とする請求項3記載の研磨機。
  5. 前記下研磨定盤の近傍には、該下研磨定盤の研磨面を洗浄する洗浄装置が設けられ設けられていることを特徴とする請求項3記載の研磨機
  6. 前記スラリー制御部は、研磨液の濃度、ペーハー、供給量あるいは温度を一定の値に維持する部分を有することを特徴とする請求項3記載の研磨機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011062776A (ja) * 2009-09-17 2011-03-31 Asahi Glass Co Ltd ガラス基板の製造方法、研磨方法及び研磨装置、並びにガラス基板
CN102390697A (zh) * 2011-05-24 2012-03-28 张家港市恒久玻璃机械有限公司 玻璃定位装置
CN104889891A (zh) * 2015-06-17 2015-09-09 沈阳大学 金相抛光液自动供给机的可变行程机构

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