JPH0889829A - 竪型粉砕機 - Google Patents

竪型粉砕機

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JPH0889829A
JPH0889829A JP22821594A JP22821594A JPH0889829A JP H0889829 A JPH0889829 A JP H0889829A JP 22821594 A JP22821594 A JP 22821594A JP 22821594 A JP22821594 A JP 22821594A JP H0889829 A JPH0889829 A JP H0889829A
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speed reducer
vertical
crushing
bearing
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Teruo Fujii
輝夫 藤井
Shinsuke Tanaka
信介 田中
Hajime Asakawa
肇 浅川
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 減速機の振動トラブルや静圧軸受の熱影響に
よる損傷を防止し、省スペース化と機器の長寿命化とメ
ンテナンス性の向上を図った竪型粉砕機を提供するもの
である。 【構成】 回転テーブル3Aに負荷される鉛直荷重を支
承するセンタピボットタイプの静圧軸受30aを回転テ
ーブル3A外周部下端に配設するとともに、回転テーブ
ル3Aを回転駆動する減速機2を中心部直下に配設し、
回転テーブル3Aは粉砕ローラ4が載置される平板部3
Xと平板部3Xの外周下方へ延在し静圧軸受30aに下
端が支承される外周円筒部3Yと平板部3Xの中心部下
方へ延在し減速機2の出力軸2aと下端が係合される内
周円筒部3Zを有する形状としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転テーブルと粉砕ロ
ーラとの協働により、セメント原料、スラグ、クリンカ
やセラミックス、化学品などの原料を粉砕する竪型粉砕
機に係り、特に回転テーブルに負荷される鉛直荷重は回
転テーブルに回転力を付与する減速機でなく別個に回転
テーブル外周部下方に設置した静圧軸受に支承させ、減
速機の小型化を図り減速機の振動トラブルを防止し、か
つ、静圧軸受部の熱変形を配慮した竪型粉砕機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】石灰石やスラグ、セメント原料などの原
料を細かく粉砕し粉体とする粉砕機の一種として、図1
0に示すように、回転テーブルと粉砕ローラとを備えた
竪型粉砕機1が広く用いられている。この種の粉砕機
は、円筒状ケーシング15の下部において電動機2Bに
より減速機2を介して駆動されて低速回転する円盤状の
回転テーブル3Aと、その上面外周部を円周方向へ等分
する箇所に油圧などで圧接されて従動回転する複数個の
粉砕ローラ4とを備えている。
【0003】粉砕ローラ4はケーシング15に軸6によ
って揺動自在に軸支されたアーム5とアーム7A、7B
を介して油圧シリンダ9のピストンロッド10に連結さ
れており、油圧シリンダ9を作動させることにより、粉
砕ローラ4を回転テーブル3A上に押圧して原料への粉
砕圧力を与えている。3Sは回転テーブル3Aの外周縁
に設けられ原料層厚を調整するダムリング、14は回転
テーブル3Aをオーバフローした粉砕産物の環状空間通
路、17は原料投入シュート、18は環状空間通路14
に落下した粉砕産物を掻き寄せるスクレーパである。ス
クレーパ18で掻き寄せられた粉砕産物は、図10に示
すように、排出シュート19を介して機外へ排出され
る。
【0004】このような竪型粉砕機において、回転テー
ブルの中央部へ原料投入シュート17で供給された原料
は、回転テーブル3Aの回転によりテーブル半径方向の
遠心力を受けて回転テーブル3A上を滑る時に回転テー
ブル3Aにより回転方向の力を受け、回転テーブル3A
との間で滑って回転テーブル3Aの回転数よりいくらか
遅い回転を行う。以上2つの力、すなわち、半径方向と
回転方向の力とが合成され、原料は回転テーブル3A上
を渦巻状の軌跡を描いて回転テーブル3Aの外周部へ移
動する。この外周部には、ローラが圧接されて回転して
いるので、渦巻線を描いた原料は粉砕ローラ4と回転テ
ーブル3Aとの間へローラ軸方向とある角度をなす方向
から進入して噛込まれて粉砕される。
【0005】一方、回転テーブル3Aの直下に配設され
た減速機2では、頂部に突出した出力軸に取り付けた水
平円板に回転テーブル3Aが載置され連結されており、
減速機は回転テーブル3Aを介して伝達される全荷重を
負荷させながら回転テーブル3Aに横型の電動機2Bに
より付与された回転力を与えるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上に述べたように、従
来の竪型粉砕機1は、回転テーブル3Aが回転テーブル
3Aの直下に同芯状に配設した減速機2の出力軸に直結
され、回転テーブル3Aや粉砕ローラ4の自重ばかりで
なく、油圧シリンダ9に付勢された粉砕力をも常時減速
機2が支承することになり、このため、減速機2は非常
に大きな剛性を保持する必要があり、サイズの大型化に
よるコストアップの要因となっていた。そのうえ、粉砕
時の変動荷重に起因する振動が常時伝達され、減速機内
部の歯車を始めとする動力伝達部に損傷を与える原因と
なり、減速機トラブルの発生による寿命の低下やメンテ
ナンスに多大の費用と労力の消費を余儀なくさせられて
いた。また、減速機2そのものも電動機2Bの水平な出
力軸を竪軸に変換するベベル減速機構を下部に内蔵する
ため、減速機2の高さや占有面積(設置スペース)が大
きくなり、コスト高を招くとともに、大きな建屋面積を
必要としていた。また、例えば、高温クリンカ(常温8
0℃〜150℃、最大200℃)などの高温原料に粉砕
熱が加わって、回転テーブルは温度上昇し、そのため回
転テーブルはお碗を伏せたような熱変形をするために、
静圧軸受30aは摺動面が片当りして偏心荷重を受け損
傷を受けたり寿命を短くするなどの問題が生じていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
して、トラブルフリーな動力伝達機構を備えた竪型粉砕
機とし、かつ、省スペースと設備費を低減するため、本
発明では、回転テーブルの外周部上面に複数個の回転自
在な粉砕ローラを配設し、回転テーブル上に供給された
原料を粉砕ローラに所定の圧力を与えて回転テーブル上
面と粉砕ローラ周面との間で粉砕する竪型粉砕機におい
て、該回転テーブルに回転力を付与する減速機を該回転
テーブル直下の中央部に配設するとともに、該回転テー
ブルに負荷される自重ならびに粉砕力などの鉛直荷重を
支承する静圧軸受を該回転テーブル外周部の粉砕ローラ
押圧領域の直下に配設し、該静圧軸受を支承する柱脚を
該減速機とは別体に設け、該静圧軸受は前記柱脚の上面
との間に球状ピボットを介して押圧されるセンタピボッ
トタイプの軸受とするとともに、該静圧軸受の側面には
水平方向の移動を抑止する側面押えを配設し、かつ、該
回転テーブルは粉砕ローラが載置される平板部と該平板
部の外周下方へ延在し前記静圧軸受に下端が支承される
外周円筒部と該平板部の中心部下方へ延在し前記減速機
の出力軸と下端が係合される内周円筒部を有する形状と
した。また、第2の発明では、減速機を竪型二段遊星減
速機とし、第3の発明では、さらに減速機の直下にピッ
トを形成して該減速機を回転駆動する竪型電動機を該ピ
ット内に配設した。
【0008】
【作用】本発明においては、回転テーブルに負荷される
鉛直荷重を支承する静圧軸受を回転テーブルの外周部下
端に配設し、回転テーブルの自重や回転テーブル外周で
粉砕テーブルによって押圧された粉砕力などの鉛直荷重
は外周円筒部をほぼ垂直に伝わって静圧軸受で支承さ
れ、一方回転力は減速機の出力軸に係合された内周円筒
部によって回転テーブルへ伝達される。したがって、回
転テーブルの鉛直荷重による変形が少なく、かつ、平板
部に与えられる高温原料や粉砕熱による熱伝達による内
周円筒部下端や外周円筒部下端の熱歪も従来構造の竪型
粉砕機などに採用される略平板状の回転テーブルに比べ
て極めて小さいので、静圧軸受や減速機に負荷変形なら
びに熱歪による悪影響が少なく、機器の損傷の低減と長
寿命化が図られる。また、静圧軸受は上下方向と水平方
向の移動は拘束されるが、傾動は拘束されずに自由とさ
れるので、運転中の回転テーブルの微小傾動に追従し、
静圧軸受に無理な力がかからず損傷が防止される。さら
に、第2の発明では、従来構造のベベル減速機に代えて
遊星二段減速機を採用するので減速機の小型化が図ら
れ、第3の発明では、減速機の直下にピットを設けて竪
型電動機を収納し、減速機と直結することで、ミル自体
が小型となり、工場の省スペース化を実現するばかりで
なく、竪型粉砕機全体の設備費の低減が達成される。
【0009】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図6は本発明の実施例に係り、
図1は竪型粉砕機の全体縦断面図、図2は図1のA−A
視の断面平面図、図3は竪型粉砕機の要部拡大縦断面
図、図4は静圧軸受部の要部拡大縦断面図、図5は減速
機(竪型二段遊星減速機)の縦断面図、図6は減速機
(遊星減速機)の説明図である。また、図7〜図9は回
転テーブルの熱変形解析図である。図1〜図3に示すよ
うに、本発明の竪型粉砕機1においては、竪型粉砕機1
を設置する中心軸直下にピット100を穿設するととも
に、下方より上方に向かって順次竪型電動機からなる電
動機2B、竪型二段遊星減速機からなる減速機2および
竪型粉砕機1が配設される。竪型粉砕機1は、直立円筒
状のケーシング15の内部にケーシング15と同軸状に
回転テーブル3Aが竪軸回りに回転自在に配設され、回
転テーブル3Aの外周部直上には複数個(図1〜図3の
実施例では4個)の粉砕ローラ4が載置され、二重円筒
で形成される柱脚30の頂上に設置される軸受6Aの回
転軸6回りに揺動自在なアーム5およびアーム7A、7
Bを介して油圧シリンダ9により回転テーブル3A上に
押圧され、従動される。回転テーブル3Aの形状は、図
に示すように、縦断面が上部の水平な平板部3Xと平板
部3Xの外周下方へ接続する略円筒形状の外周円筒部3
Yと平板部3Xの中心部透孔の周りの下方へ接続する円
筒形状の内周円筒部3Zとが一体となった構造とされ
る。回転テーブル3Aの形状を上述のような形状にした
理由について述べる。本出願人は、高温原料、例えば、
常用80℃〜150℃、最大200℃のクリンカを粉砕
する場合における回転テーブルの熱変形について、実操
業状態の負荷条件と温度条件を考慮して有限要素法(N
ASTRAN)による解析を試みた。回転テーブル3A
について、10数種類のタイプについて、それぞれ同じ
境界条件を与えてその熱変形状態を観察すると、形状に
よって熱変形に大きな差異があることが判明した。ここ
では、従来タイプのシンプルな平板状の回転テーブル3
A(TYPE A)と最も熱変形の少ない回転テーブル
3A(TYPE B)および熱変形が中間程度の回転テ
ーブル3A(TYPE C)の解析結果を示す。図7〜
図9は、各々TYPE A、TYPE B、TYPE
Cの回転テーブル3Aの解析結果を示したもので、その
結果は、静圧軸受30a近傍の熱歪がTYPE Aでは
1100μmもあったものが、TYPE Bでは300
μmに激減した(TYPE Cでは約600μm)。以
上の結果より判断すると、従来構造の平板状のTYPE
Aでなく、平板部3Xにそれぞれ外周円筒部3Yと内
周円筒部3Zが接続し、ある程度の高さを保有した形状
の回転テーブル3A(本発明)が熱影響を排除する観点
から望ましいことがわかった。また、TYPE Bにお
いては外周円筒部3Yの肉厚を剛性の許す範囲でかなり
薄くしても熱歪を小さく保つことができることがわかっ
たので、重量軽減によるコストダウンを図ることができ
る。このように、本発明における竪型粉砕機1において
は、従来構造のように減速機2に鉛直荷重を与えること
なく、遊星減速機2とは別途に回転テーブル3Aの自重
や油圧シリンダ9によって付与される粉砕力などの鉛直
荷重を支持する機構としている。したがって、遊星減速
機2は回転駆動のための回転トルクの伝達だけの機能が
あればよく、それだけ小型化できるとともに、粉砕仕事
中の負荷変動に伴う振動現象の影響を受けることが少な
く、振動トラブルによる損傷が軽減され長寿命が達成さ
れる。また、回転テーブルの形状を熱変形の小さいもの
に形成したので、後述する静圧軸受や減速機の熱影響に
よるトラブルが防止される。
【0010】回転テーブル3Aの外周部下側にはドーナ
ツ円板状のフランジシュー3Bが固設されるとともに、
図4に示すように、スタンド40の下方内側に配設され
た柱脚30の頂部の支持板30P上に載置された静圧軸
受(スラストパッド)30a上に積載され、回転テーブ
ル3Aに負荷される自重ならびに粉砕力などの鉛直荷重
を支承する。スラストパッド30aは静圧軸受の一種で
あり、図4に示すように、フランジシュー3Bと上面が
当接し、上面に軸受メタル32を貼設したベースメタル
31の下方中央に、下面が球状の球状ピボット35を嵌
装したものであり、ベースメタル31の側方には、支持
板30Pに立設され頂部に湾曲面を有するこけし状の左
右一対の側面押え30Cで押圧され、水平横移動を拘束
されるようになっている。支持板30Pの中央上部に
は、球状ピボット35の球面と当接する高硬度の支持柱
30Qが嵌め込まれている。フランジシュー3Bの下面
とスラストパッド30aの軸受メタル32上面は回転テ
ーブル3A回転時の摺動面となり、ベースメタル31に
穿設した潤滑給油口33および給油路33aを介して潤
滑給油される。以上のように構成された静圧軸受(スラ
ストパッド)30aは、回転テーブル3Aより負荷され
る自重ならびに粉砕力(粉砕ローラ押圧力)などの鉛直
荷重を支承し、柱脚30を通じて基礎に伝達するととも
に、各粉砕ローラ4に働く刻々変化する押圧力に起因し
て生じる回転テーブル3Aの微小傾動に、球状ピボット
35ならびに支持柱30Qの当接位置が変化追従して摺
動面(軸受メタル32下面および軸受メタル32上面)
に無理な力が負荷されるのを防止する。スラストパッド
30aは、回転テーブル3A上に積載される複数個(図
1〜図4の実施例では4個)の粉砕ローラ4の直下に、
粉砕ローラ1個当り3つが配置される。また、図2に示
すように、回転テーブル3Aの内周下側には頂部にフラ
ンジを有する円筒状の回転筒3Cが回転テーブル3Aと
一体的に突設され、柱脚30より斜め上方内側に延在す
る円周複数本のステー30Aによって支持された円筒状
の固定リング30Bの中に固設された支持環30bに嵌
装され、回転筒3Cと支持環30bの間の摺動面には、
スラストパッド30a上面と同様に潤滑給油される。こ
れら2つの摺動面を形成するスラストパッド30a上面
と支持環30b内面の役割は、スラストパッド30a上
面が主として鉛直荷重を支持するのに対して、支持環3
0b内面は回転テーブル3Aに負荷される偏心荷重によ
り回転テーブル3Aが傾斜したり、あるいは水平移動す
るのを防止し、鉛直荷重を円周均等化することである。
なお、スラストパッド30aはドーナツ円板状に形成し
てもよいが、通常は前述したように各粉砕ローラ4の直
下に局部的に配設するようにしている。スラストパッド
30aは、静圧軸受とも呼ばれ、軸受メタル32は支持
環30b内面と同様にその材質はホワイトメタル(WJ
2)やりん青銅、鉛青銅、カドミウム合金などを採用し
得る。なお、上述の球状ピボット35や支持柱30Qを
有するタイプの静圧軸受30aの代りに、図4に二点鎖
線(仮想線)したように、回転テーブル3Aの下端外周
部に楔形状のスリット50を形成しておくこともでき、
静圧軸受(スラストパッド)30aは、回転テーブル3
Aより負荷される自重ならびに粉砕力(粉砕ローラ押圧
力)などの鉛直荷重を支承し、柱脚30を通じて基礎に
伝達するとともに、高温原料の粉砕時や大きな粉砕熱を
受けて回転テーブル3Aが碗状変形しても、回転テーブ
ル3Aの外周部下端に設けた楔形状のスリット50がこ
の変形を吸収して熱変形に起因する片当りを防止し、静
圧軸受を保護する。スリット50は回転テーブル3Aで
なく、フランジシュー3Bの上面外周部に設けても同一
の作用効果を果たすことができる。スリット50を設け
る場合の、スリット50の寸法はスリット長さ200m
m(水平距離)に対してスリット最大高さを0.6mm
とする。
【0011】また、図3に示すように、回転テーブル3
Aの内周部下側には頂部にフランジを有する円筒状の回
転筒3Cが回転テーブル3Aと一体的に突設され、柱脚
30より水平内側に延在する円周複数本のステー30A
によって支持された円筒状の固定リング30Bの中に固
設された支持環30bに嵌装され、回転筒3Cと支持環
30bの間の摺動面には、静圧軸受(スラストパッド)
30a上面と同様に潤滑給油される。これら2つの摺動
面を形成する静圧軸受(スラストパッド)30a上面と
支持環30b内面の役割は、静圧軸受(スラストパッ
ド)30a上面が主として鉛直荷重を支持するのに対し
て、支持環30b内面は回転テーブル3Aに負荷される
偏心荷重により回転テーブル3Aが傾斜したり、あるい
は水平移動するのを防止し、鉛直荷重を円周均等化する
ことである。
【0012】一方、回転テーブル3Aの回転駆動は、回
転テーブル3Aの中心直下に配設した減速機(本実施例
では竪型二段遊星減速機)2の出力軸2aの頂部外周に
螺設した平歯車と回転筒3Cの内周面に取り付けた内歯
歯車との噛合により実施され、減速機2には回転テーブ
ル3Aに負荷される鉛直荷重が伝達されることはない。
以上のように構成された本発明の竪型粉砕機1では、回
転テーブル3Aは電動機2B、減速機2を介して回転駆
動され、原料は原料投入シュート17および分岐管17
Aを経由して各粉砕ローラ4の直前に落下され、回転テ
ーブル3Aと粉砕ローラ4との間で粉砕され、回転テー
ブル3Aをオーバフローして環状空間通路14へ落下
し、スクレーパ18によって掻き寄せられ原料排出口よ
り機外へ排出される。なお、分岐管17Aはクリンカな
ど摩耗性の強い原料に対する摩耗防止のため、下半分に
堰板17Bを複数個配設して原料を貯め、マテリアル・
クッションを形成する。
【0013】次に、減速機2の詳細について、図5〜図
6に基づいて説明する。本発明で採用される減速機2は
竪型二段遊星減速機であり、減速機2内に上下2段の遊
星部が配設される。下段の遊星部は第1段遊星部と呼ば
れ、第1段太陽歯車S1 と第1段内歯歯車(リングギ
ア)R1 との間に3個の第1段遊星歯車P1 が噛合さ
れ、上段の遊星部は第2段遊星部と呼ばれ、第2段太陽
歯車S2 と第2段内歯歯車(リングギア)R2 との間に
5個の第2段遊星歯車P2 が噛合される。遊星歯車にお
ける減速比iと遊星歯車の個数との間には相関関係があ
り、図6に示すように、減速比iは、内歯歯車(リング
ギア)Rのピッチ円直径dRと太陽歯車Sのピッチ円直
径dSとの比に1を加えた数となるから、一般にピッチ
円直径dRがピッチ円直径dSより大きくなると減速比
iは増大するが、逆に太陽歯車Sと内歯歯車Rとの間に
収納できる遊星歯車Pの個数は減少する。一方、遊星歯
車の個数が多いほど、各々の遊星歯車への動力伝達力の
分担が小さくなり、かつ、太陽歯車Sの直径dSに比べ
て内歯歯車(リングギア)Rの直径dRを相対的に小さ
くできるから減速機2はコンパクトなものになる。
【0014】本発明の場合には、従来のベベル部を有す
る減速機(図10に示すもの)に比べてベベル部のない
分高さを低くできるから、上下2段の遊星減速機とする
ことができる。そして、上述の従来型ベベル型遊星減速
機(例えば、ベベル減速比iB=4、遊星部減速比iP=1
0)と同様に、減速比40の竪型二段遊星減速機を設け
るには、1段(下段)減速比i=8.9(遊星個数3
個)、2段(上段)減速比i=4.5(遊星個数5個)
とし、減速機全体の大きさ(直径)は、5個の遊星歯車
を保有する本発明の場合の二段遊星減速機が従来型に比
べて小さくなり、コンパクト化される。
【0015】このように、本発明における竪型粉砕機1
においては、従来構造のように減速機2に鉛直荷重を与
えることなく、熱変形から保護された静圧軸受によって
減速機2とは別途に回転テーブル3Aの自重や油圧シリ
ンダ9によって付与される粉砕力などの鉛直荷重を支持
する機構としている。したがって、減速機2は回転駆動
のための回転トルクの伝達だけの機能があればよく、そ
れだけ小型化できるとともに、粉砕仕事中の負荷変動に
伴う振動現象の影響を受けることが少なく、振動トラブ
ルによる損傷が軽減され長寿命が達成される。また、減
速機は従来タイプに比べて小径化されるので、減速機の
分解作業に際してあらかじめ粉砕機部分(ケーシング1
5や回転テーブル3Aなど)を吊り上げ除去した後に、
上方へ吊り上げ移動が可能となり作業時間の短縮と作業
効率の向上が図られる。また、ピット100を形成し電
動機2Bを竪型電動機として減速機2の直下に配設して
直結としたため、減速機2はベベル部のない竪型二段遊
星減速機を採用できるので、減速機2が小型コンパクト
化し、それに応じて竪型粉砕機足回りもコンパクト化
し、省スペースを実現できる。また、従来地上部分にあ
った電動機2Bがピット100内に収納されるから省ス
ペースは一層達成される。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば減
速機には鉛直荷重が負荷されず減速機の小型軽量化が実
現され、それに応じて竪型粉砕機の足回りも省スペース
化し、設備費が低減されるとともに、粉砕中の異常振動
に伴う減速機トラブルが回避され、メンテナンス性が向
上する。また、回転テーブルの熱変形が小さく、熱変形
による悪影響が静圧軸受に及ばないように配慮されてい
るので、静圧軸受が損傷されることなく長寿命を達成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る竪型粉砕機の全体縦断面
図である。
【図2】図1のA−A視の断面平面図である。
【図3】本発明の実施例に係る竪型粉砕機の要部縦断面
図である。
【図4】本発明の実施例に係る静圧軸受部の要部拡大縦
断面図である。
【図5】本発明の実施例に係る減速機(竪型二段遊星減
速機)の縦断面図である。
【図6】本発明の実施例に係る遊星減速機の説明図であ
る。
【図7】本発明の実施例に係る回転テーブルの熱歪解析
状態図である。
【図8】本発明の実施例に係る回転テーブルの熱歪解析
状態図である。
【図9】本発明の実施例に係る回転テーブルの熱歪解析
状態図である。
【図10】従来の竪型粉砕機の全体縦断面図である。
【符号の説明】
1 竪型粉砕機 2 減速機(遊星減速機) 2A 寸動電動機 2B 電動機 2a 出力軸 3A 回転テーブル 3B フランジシュー 3C 回転筒 3S ダムリング 3X 平板部 3Y 外周円筒部 3Z 内周円筒部 4 粉砕ローラ 5 アーム 6 軸(回転軸) 7 アーム 7A アーム 7B アーム 9 油圧シリンダ 14 環状空間通路 15 ケーシング 16 排出口 17 原料投入シュート 17A 分岐管 17B 堰板 18 スクレーパ 19 排出シュート 30 柱脚 30A ステー 30B 固定リング 30P 支持板 30Q 支持柱 30a 静圧軸受(スラストパッド) 30b 支持環 31 ベースメタル 32 軸受メタル 33 潤滑給油口 34 給油路 35 球状ピボット 40 スタンド 50 スリット 100 ピット P 遊星歯車 P1 第1段遊星歯車 P2 第2段遊星歯車 R 内歯歯車(リングギア) R1 第1段内歯歯車(リングギア) R2 第2段内歯歯車(リングギア) S 太陽歯車 S1 第1段太陽歯車 S2 第2段太陽歯車 dR 内歯歯車のピッチ円直径 dS 太陽歯車のピッチ円直径 i 減速比 iB ベベル減速比 iP 遊星部減速比

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転テーブルの外周部上面に複数個の回
    転自在な粉砕ローラを配設し、回転テーブル上に供給さ
    れた原料を粉砕ローラに所定の圧力を与えて回転テーブ
    ル上面と粉砕ローラ周面との間で粉砕する竪型粉砕機に
    おいて、該回転テーブルに回転力を付与する減速機を該
    回転テーブル直下の中央部に配設するとともに、該回転
    テーブルに負荷される自重ならびに粉砕力などの鉛直荷
    重を支承する静圧軸受を該回転テーブル外周部の粉砕ロ
    ーラ押圧領域の直下に配設し、該静圧軸受を支承する柱
    脚を該減速機とは別体に設け、該静圧軸受は前記柱脚の
    上面との間に球状ピボットを介して押圧されるセンタピ
    ボットタイプの軸受とするとともに、該静圧軸受の側面
    には水平方向の移動を抑止する側面押えを配設し、か
    つ、該回転テーブルは粉砕ローラが載置される平板部と
    該平板部の外周下方へ延在し前記静圧軸受に下端が支承
    される外周円筒部と該平板部の中心部下方へ延在し前記
    減速機の出力軸と下端が係合される内周円筒部を有する
    形状とした竪型粉砕機。
  2. 【請求項2】 減速機を竪型二段遊星減速機とした請求
    項1記載の竪型粉砕機。
  3. 【請求項3】 減速機の直下にピットを形成して該減速
    機を回転駆動する竪型電動機を該ピット内に配設した請
    求項1または請求項2記載の竪型粉砕機。
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