JPH0889368A - 防ダニふとん - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表裏側生地の合わせ縁を縫製するときに生じ
る針孔から、ダニの侵入を阻止する防ダニふとんを提供
すること。 【構成】 表裏側生地５、７の合わせ縁１３を弾力性を
有した発泡性素材のヘム生地１５で覆い、その後縫製糸
２１で縫製する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ダニを通さない防ダニ
ふとんに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ふとんの防ダニ対策としては、大
きく分けて薬剤（忌避剤によりダニの寄りつきを防止し
たり、人体に悪影響を与えない程度の殺虫剤でダニを弱
らせ殺したり、更には、繊維に含ませた遠赤外線放射能
力を有したセラミック微粒子による放射エネルギー効果
を併用するものもある。）によるものと、ダニが物理的
に侵入できないようにするものの二通りがある。

【０００３】薬剤によるものは、ふとんの表裏側生地に
忌避剤や殺虫剤の薬剤で処理したものを使用するか、ま
たは、ふとん綿に薬剤処理を施した防ダニ効果のある防
ダニ繊維の綿を使用するかしていたが、人の肌に直接触
れる方のふとん側生地には薬剤処理をしていない普通の
生地を使用して、中綿として防ダニ綿を使用するものが
圧倒的に多い。

【０００４】その一例として、実開平３ー１６８７４号
公報に記載されている害虫駆除用袋体がある。これは、
袋体の片面が遠赤外線放射能力を有するセラミック微粒
子を含有する繊維よりなる生地で構成され、他面が殺虫
剤、忌避剤型防虫剤またはこれらの両者を含有している
生地で構成されており、袋体を日干した時に忌避剤型防
虫剤で片面側への逃避が阻止されたダニを他面側からの
遠赤外線の熱エネルギーで殺したり、反対に他面側から
の熱エネルギーから逃げてきたダニを片面側において殺
虫剤で殺したりして駆除するようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、ダニを駆除し
てもその死骸は新たにアレルギー性ぜんそくや鼻炎の原
因になるチリとなり、ダニがふとんに物理的に侵入でき
ないようにするのが肝要である。従って、ダニの体長が
普通４００μｍから５００μｍであるので、これよりも
大きな隙間を作らないように表裏側生地の目を詰めたふ
とんが望ましい。そのような表裏側生地を使えばダニは
表裏側生地を通ってふとんの中に侵入できないが、ふと
んの表裏側生地の合わせ縁を針と糸を使用して結合した
縫製部分の針孔と糸の隙間からダニが侵入してしまうと
いう別の問題が生じる。

【０００６】例えば、図４に示すように、ふとん５０は
表側生地５２と、裏側生地５４の間に中綿５６を充填
し、縫製加工したものである。前記表裏側生地５２、５
４と前記中綿５６は、キルティング６４によって固定さ
れる。そのキルティング６４は、一般にキルト用ミシン
を使って糸と縫い針で縫製加工される。ふとん５０の表
裏側生地の合わせ縁は、表側生地５２とテープ状の布６
０と、裏側生地５４の順に重ねて縫製糸６２により縫製
するヘム加工を全周について行う。ヘムとは英語で、
（ハンカチ等の）「へり」、「縁」といった意味で、ふ
とんの場合も周囲の縁どりを示す。このヘム加工では、
縫製のために孔６６があいている。この孔６６からダニ
がふとんの内部へ容易に侵入できる。

【０００７】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、表裏側生地の合わせ縁を縫製す
るときに生じる針孔から、ダニの侵入を阻止する防ダニ
ふとんを提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の防ダニふとんは、ダニを通さないきめ細かな
表裏側生地の間に中綿を挟み、かつそれらの合わせ縁を
縫製糸で縫製してなる防ダニふとんであり、前記表裏側
生地の合わせ縁は、弾力性を有した生地で覆い、かつ縫
製糸で縫製している。

【０００９】また、前記弾力性を有した生地は、独立気
泡組織の発泡性素材で構成してもよい。

【００１０】

【作用】上記の構成を有する本発明の防ダニふとんは、
表裏側生地の合わせ縁を弾力性を有した生地で覆い、そ
の後縫製糸で縫製する。

【００１１】また、前記弾力性を有した生地を独立気泡
組織の発泡性素材で構成するとふとんの重量を軽減する
ことができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の防ダニふとんを具体化した一
実施例を図面を参照して詳細に説明する。

【００１３】まず始めに、図１と図２を用いて本実施例
の防ダニふとんの構成の概略を説明する。図１は、防ダ
ニふとんの構成図であり、図２は、図１におけるＡ−Ａ
線断面図である。

【００１４】防ダニふとん１は、その表裏側生地５、７
として超高密度繊維で生成された生地が使用されてお
り、表裏側生地５、７の間には中綿３を挟んで合わせた
縁１３を縫製糸２１で縫製結合して構成されている。

【００１５】生地としては、綿や麻、ウール、絹等の植
物や動物の天然繊維紡糸や、ナイロンやポリエステル、
アクリル、ビニロン等の合成繊維紡糸、レーヨンやアセ
テート等の再生繊維紡糸等から織られたものが使用され
ている。

【００１６】また、前記中綿３としては、天然繊維や合
成繊維を忌避型防虫剤や殺虫剤で処理した防ダニ綿が使
用されている。

【００１７】前記中綿３を前記表裏側生地５、７に固定
するために、キルティング加工として、縫製糸１２によ
り升目状に縫製されている。

【００１８】前記縁１３では、表裏側生地５、７と中綿
３とを覆うように帯状に形成されたヘム生地１５が縫製
糸２１によって縫製されている。そのヘム生地１５は、
弾力性を有した独立気泡組織１８のある発泡性素材とし
ての発泡ウレタンゴムにより形成されている。

【００１９】前記忌避型防虫剤としては、トルアミド系
化合物やニコチン系化合物等が使用され、また殺虫剤と
しては、ピレスロイド系化合物や有機燐系化合物が使用
されるが、これらを併用することもできる。

【００２０】次に、本実施例の防ダニふとんを製造する
方法について図３を用いて説明する。

【００２１】第一系統で表裏側生地５、７の原反を選定
し、シングル用またはダブル用に裁断し、合わせ縁をヘ
ム生地１５と縫製糸２１を使用して側縫製し、また、以
上の第一系統と並行した第二系統で中綿３の防ダニ原綿
を選定し、製綿して上述の並行した両系統の合流系統で
前記側縫製の終わった袋体に中綿３を挿入して挿入口を
ヘム生地１５を使用して縫製し、キルティング加工して
製造される。

【００２２】以上説明したことから明かなように、本実
施例の防ダニふとんによれば、表裏側生地の合わせ縁を
弾力性を有した生地で覆い、その後縫製糸で縫製するた
め、縫製糸の隙間を弾力性を有した生地で圧することに
より、ダニの侵入を防ぐことができる。

【００２３】尚、本発明は以上詳述した実施例に限定さ
れるものではなくその要旨を逸脱しない範囲において、
種々の変更を加えることができる。

【００２４】本実施例において、弾力性を有した生地と
して、発泡ウレタンゴムを使用しているが、弾力性を有
したものであれば何れでもよく、例えば、合成ゴムや、
ポリエチルを使用してもよい。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の防ダニふとんによれば、表裏側生地の合わせ縁を
弾力性を有した生地で覆い、その後縫製糸で縫製するた
め、縫製糸の隙間を弾力性を有した生地で圧することに
より、ダニの侵入を防ぐことができる。

【００２６】また、前記弾力性を有した生地を独立気泡
組織の発泡性素材で構成すると、ふとんの重量を軽減で
き、かつ加工しやい等の効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の防ダニふとんの構成図である。

【図２】図１においてヘム加工部の詳細をしめすＡ−Ａ
線断面図である。

【図３】本実施例の防ダニふとんを製造する場合の製造
工程のフローチャートである。

【図４】従来の防ダニふとんのヘム加工部の部分断面図
である。

【符号の説明】

１ 防ダニふとん ３ 中綿 ５ 表側生地 ７ 裏側生地 １２ キルティング １５ ヘム生地 １８ 独立気泡組織 ２１ 縫製糸

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダニを通さないきめ細かな表裏側生地の
   間に中綿を挟み、かつそれらの合わせ縁を縫製糸で縫製
   してなる防ダニふとんにおいて、 前記表裏側生地の合わせ縁は、弾力性を有した生地で覆
   い、かつ縫製糸で縫製したことを特徴とする防ダニふと
   ん。
2. 【請求項２】 前記弾力性を有した生地は、独立気泡組
   織の発泡性素材で構成したことを特徴とする請求項１に
   記載の防ダニふとん。