JPH0888459A - プリント配線板の仕上げ処理方法、ソフトエッチング液及びプリント配線板 - Google Patents

プリント配線板の仕上げ処理方法、ソフトエッチング液及びプリント配線板

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JPH0888459A
JPH0888459A JP7182410A JP18241095A JPH0888459A JP H0888459 A JPH0888459 A JP H0888459A JP 7182410 A JP7182410 A JP 7182410A JP 18241095 A JP18241095 A JP 18241095A JP H0888459 A JPH0888459 A JP H0888459A
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printed wiring
chloride
soft etching
finishing
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JP7182410A
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Shiro Kobayashi
史朗 小林
Masami Kawaguchi
雅己 川口
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】バイアホール断線を防止することができるプリ
ント配線板の仕上げ処理方法を提供すること。 【解決手段】バイアホール3内に、銅箔2が露出したプ
リント配線板を、NaClなどの可溶性塩化物を含むエ
ッチング液5を用いてソフトエッチングし、保護膜6を
形成するようにしたプリント配線板の仕上げ処理方法。
バイアホール3内の銅箔2の断線が防止できる。エッチ
ング液は、非酸化性酸と過酸化水素水と可溶性塩化物か
らなるものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の属する技術分野】本発明は、電子部品等を搭載
するプリント配線板、その仕上げ処理方法及びそれに用
いるソフトエッチング液に係り、特に、銅スルーホール
型のプリント配線板、その仕上げ処理方法及びそれに用
いるソフトエッチング液に関する。
【0002】
【従来の技術】銅スルーホール型のプリント配線板製造
の最終工程には、防錆処理と半田レベリング処理の2系
統がある。防錆処理は、部品実装面であるプリント配線
板上に露出している銅箔表面に保護皮膜を形成し、部品
実装されるまでの保管期間中、実装面の酸化、腐食、異
物付着を防ぎ、部品実装時のはんだ付け性を確保する処
理である。防錆処理剤としては、ロジン系、合成樹脂
系、吸着剤系の3種類がある。しかしながら、この内、
ロジン系と合成樹脂系の防錆処理剤は、処理後の洗浄や
処理剤の溶媒としてフロン系有機溶剤を使用するために
使用が制限されるようになってきた。それに対し、吸着
剤系防錆処理剤は水溶性であり、有機溶剤を使用しない
ので、地球環境や作業環境対策上、前者に比べ優れた特
徴を有している。また、ロジン系や合成樹脂系に比べ耐
熱性が低いものが多かったが、最近耐熱性に優れた水溶
性防錆処理剤も市販されている。主成分としては、ベン
ゾトリアゾール又はアルキルイミダゾール等の窒素を含
んだ吸着官能基を有する水溶性複素環化合物を用いてい
る。
【0003】従来の防錆処理の手順としては、次のよう
な工程が一般的である。 (1)脱脂→(2)水洗→(3)ソフトエッチング→
(4)水洗→(5)酸洗→(6)水洗→(7)防錆剤塗
布→(8)水洗→(9)乾燥 上記(5)酸洗と(6)水洗の工程は省略する場合もあ
る。また、防錆処理に先立ち、すなわち上記(1)の工
程の前に、部品実装面以外の銅箔表面についてはソルダ
レジストを形成するのが通常である。ソルダレジストに
は、例えば、エポキシ系樹脂等が用いられる。
【0004】また、半田レベリング処理は、部品実装面
であるプリント配線板上に露出している銅箔表面及び部
品穴内壁に半田をコーティングする処理である。この処
理は、部品実装されるまでの保管期間中、実装面の変質
劣化を防ぎ、部品実装時の半田付け性を確保するため
と、予め半田を被覆しておくためである。半田レベリン
グ処理は、前述のように、部品実装面以外の基板表面に
ソルダレジストを形成した後、前処理、レベリング、後
処理という工程で処理されている。このうち、レベリン
グ工程はホットエアーレベリングと呼ばれている。
【0005】前処理として次のような手順で銅表面を清
浄化した後、レベリング処理している。
【0006】(1)脱脂→(2)水洗→(3)ソフトエ
ッチング→(4)水洗→(5)酸洗→(6)水洗→
(7)乾燥 ホットエアーレベリングは、縦型又は水平型半田レベリ
ング装置により、次のような手順で部品面に溶融半田を
均一にコーティングする。 (1)フラックス塗布→(2)半田浸漬→(3)ホット
エアーレベリング この工程では、半田ぬれ性を高めるためにフラックスを
塗布した後、溶融半田槽に基板を浸漬し、半田槽から基
板を引上げる際にエアーを基板に吹き付け、表面及び部
品穴内に余分に付着している半田を除去し、半田コーテ
ィング層の厚さを均一化する。後処理としては、フラッ
クスを洗浄除去し、水洗、乾燥を行う。
【0007】なお、この種の技術に関連するものとし
て、例えば、(社)日本プリント回路工業会編、プリン
ト配線板の製造方法、第109頁〜第111頁、(社)
日本プリント回路工業会発行(平成元年12月1日)が
挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、防錆
処理の過程や半田レベリング処理の前処理で、バイアホ
ール内壁に残留しているソフトエッチング液等の処理液
により、銅バイアホール内がエッチングされることにつ
いては、十分な配慮がなされていなかった。特に、最近
のバイアホールを小径化したプリント配線板は、バイア
ホール内に処理液が残留しやすい。ソフトエッチング液
等の銅に対しエッチング作用を有する処理液がバイアホ
ール内に残留すると、オーバーエッチングによりバイア
ホール断線が発生するという問題があった。
【0009】バイアホール内への処理液の侵入を防ぐに
は、ソルダレジスト形成工程で、バイアホールの両方の
入口をソルダレジストにより塞ぐ方法があるが、完全に
処理液の侵入を防ぐことは実際上困難であり、また侵入
した処理液を洗浄により完全に除去することも非常に難
しい。
【0010】この現象を半田レベリング処理の前処理の
場合について、図1を用いて説明する。図1(a)に示
すように、銅箔2が形成された基板1の片面(図では下
面)に、バイアホール3の入口を塞ぐように液状のソル
ダレジスト4を塗布し、これを硬化させる。次に、他方
の面のバイアホール3の入口を同様に塞ぐように液状の
ソルダレジスト4を塗布しても、乾燥時の加熱によりバ
イアホール3内の空気が膨張し、入口が開く。この状態
でソフトエッチングを行なうと、バイアホール3内にエ
ッチング液5が残留する(図1(b))。水洗、酸洗を
行なっても一部のバイアホール内にはエッチング液が残
留したままである(図1(c))。乾燥過程でこのエッ
チング液が局部的に濃縮し、断線部7が生じる(図1
(d))。なお、防錆処理を行なう場合も、図1(c)
に示した状態で、防錆膜が形成されるが、濃縮したエッ
チング液によって、同様に断線部が生じる。
【0011】本発明の第1の目的は、バイアホール断線
を防止することができるプリント配線板の仕上げ処理方
法を提供することにある。
【0012】本発明の第2の目的は、そのような仕上げ
処理に用いるソフトエッチング液を提供することにあ
る。
【0013】本発明の第3の目的は、バイアホール断線
が防止されたプリント配線板を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明のプリント配線板の仕上げ処理方法
は、露出した銅膜の少なくとも所望の部分の表面に、C
uClを含有した保護膜を形成するようにしたものであ
る。
【0015】また、上記第1の目的を達成するために、
本発明のプリント配線板の仕上げ処理方法は、所望の部
分に銅膜が露出したプリント配線板を、可溶性塩化物を
含む溶液を用いてソフトエッチング処理するようにした
ものである。
【0016】また、上記第2の目的を達成するために、
ソフトエッチング液として、硫酸、リン酸及び酢酸から
なる群から選ばれた少なくとも一種の非酸化性酸と、過
酸化水素水と、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カ
リウム、塩化ルビジウム及び塩化セシウムからなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の可溶性塩化物とを含むよう
にしたものである。
【0017】また、上記第3の目的を達成するために、
本発明のプリント配線板は、バイアホール内に露出した
銅表面に、CuClを含有する保護膜を設けるようにし
たものである。CuClを含有した保護膜とは、CuC
lのみからなる膜でもよく、CuClと他の防錆物質と
の複合膜でもよい。
【0018】本発明によれば、上記のソフトエッチング
処理の後に、プリント配線板を防錆処理することができ
る。この防錆処理は、アルキルベンゾイミダゾール、ベ
ンゾトリアゾール及びそれらの誘導体からなる群から選
ばれた少なくとも一種の化合物の溶液を用いて行なうこ
とが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】本実施例の開示において、「ホー
ル」と言う語は、一般に、ソフトエッチングにより浸食
される対象となる銅メッキのされた穴をいう。このよう
に、この語は、積層された基板の両面を電気的に接続す
る部品のリード挿入用に設けられるやや大きな穴(直
径、約0.6−0.7 mm、一般にスルーホールと称され
る。)と、積層される個々の基板の両面を電気的に接続
することを主の目的としたやや小さな穴(約0.3 m
m、)バイアホールと称される。)を表わすのに使用さ
れる。発明の技術的範囲の解釈において、このような使
い方はなんら限定的に解釈されない。
【0020】図2において、(a)−(d)は、プリン
ト配線板の連続的な工程における断面図が示される。こ
こにおいて、ホール3(例えば、バイアホール)は、プ
リント配線板1に形成される。一般的に、配線パターン
は、銅メッキ、フォトレジストの現像、エッチングの工
程を経るサブトラクティブ法により基板上に形成され
る。銅箔2は、プリント配線板に残っている。
【0021】その後、最終工程として、半田レジスト4
が基板1の両面に形成される。半田レジスト4は、例え
ばフォトレジスト法または、スクリーン印刷法により形
成される。ホールの径が非常に小さい高密度配線基板で
は、細かいパターンを得るために、フォトレジスト法を
使用するのが好ましい。
【0022】フォトレジスト法では、知られているよう
に、光感光性液体レジストを基板にコートした後又はド
ライフィルムを基板にラミネートした後、その基板を感
光して現像する。
【0023】この内、ドライフィルムを用いる形成方法
では、部品穴以外のバイアホールはフィルムにより完全
に塞ぐことができるので、ソルダレジスト形成後の防錆
処理工程でバイアホール内に処理液が侵入し残留するこ
とはない。しかしながら、ドライフィルム方式は上記の
利点があるが、ファインパターン周辺の密着性が低い欠
点があり、最近は液状レジスト方式に切り替わっている
のが現状である。
【0024】好ましい実施例によれば、液体半田レジス
トは、基板1の両面にコートされ、固化されて、基板1
の両面に半田レジスト4を形成する。この半田レジスト
4により、バイアホール3をカバーする。
【0025】液体レジスト法を使う場合、液体レジスト
はまず片面をコートして感光・現像され、その後他の面
も同じ様に処理して、半田レジスト4を形成する。上記
したように、この方法によると、基板を貫通するホール
の両側を完全にカバーすることは実際には難しい。一般
的には、ホールの一方の入り口をカバーできるのみであ
る。このときに、防錆処理や半田レベリング処理がレジ
スト形成後に行われると、処理液がホールの中に入って
残ることになる。この残留物を処理しないと、処理液に
よりオーバエッチングが起こされ断線してしまう。しか
しながら、本発明では、この断線を実質的に防ぐことが
できる。
【0026】半田レジストが形成されると、防錆処理を
行う。防錆処理の手順は次の通りである。 (1)脱脂→(2)水洗→(3)ソフトエッチング→
(4)水洗→(5)酸洗→(6)水洗→(7)防錆剤塗
布→(8)水洗→(9)乾燥 脱脂剤としてはアルカリ溶液又は界面活性剤を用いる。
ソフトエッチング液中の非酸化性酸の濃度は、0.1
〜5mol/lの範囲であることが好ましい。ソフトエ
ッチング液中の過酸化水素の濃度は、0.1〜10mo
l/lの範囲であることが好ましい。酸洗液は希硫酸で
あり、防錆剤としてはベンゾトリアゾール又はアルキル
ベンゾイミダゾールを用いる。この防錆剤の濃度は、
0.01〜10wt%の範囲であることが好ましい。特
に重要なのは、ソフトエッチング液中に塩化物イオンが
添加されることである。
【0027】ソフトエッチング及び酸洗によって清浄化
した処理面に防錆剤を塗布すると、銅表面に防錆膜が形
成され、この膜が部品実装時の半田ぬれ性を確保する効
果を示す。 しかしながら、上記したように、バイアホ
ール内にソフトエッチング液が残留すると、防錆剤塗布
後の乾燥工程時にソフトエッチング液が濃縮する(図2
(b))。
【0028】断線を避けるために、本発明においては、
ソフトエッチング液中に塩化物イオンが添加されてい
る。塩化物イオンは銅メッキと結合して、防錆剤塗布後
にCuCl複合防錆膜からなる保護膜6を形成する(図
2(c))。この保護膜6は乾燥工程時のソフトエッチ
ング液が濃縮する際の銅のエッチングを抑制するので、
バイアホールの断線を防止することができる(図2
(d))。保護膜6は酸洗処理等の際に一部が形成され
ていてもよい。
【0029】好ましくは、塩素物イオンは、水溶性でか
つ副作用のない、例えば、アルカリ金属の塩素化合物の
一又は複数の塩化物から供給される。好ましい例とし
て、既に示したように塩化リチウム、塩化ナトリウム、
塩化カリウム、塩化ルビジウム及び塩化セシウムからな
る群から選ばれた少なくとも一種の可溶性塩化物が上げ
られる。塩化ナトリウム、塩化カリウムが、入手容易
性、価格、安全性、環境の点から望ましい。塩化イオン
を供給できる塩化物の他の例が存在するが、エッチング
速度が早かったり、沈殿物を発生させたりしてしまう。
【0030】可溶性塩化物の濃度は、可溶性塩化物の濃
度は、0.001m mol/lから10m mol/l
の範囲であることが好ましく、0.01m mol/l
から10m mol/lの範囲であることがより好まし
い。濃度が0.001m mol/l未満では、銅のエ
ッチング速度が大きく、0.001m mol/lから
0.01m mol/l未満では銅のエッチング速度が
十分に小さくはならない。また、10m mol/lを
越えると、またエッチング速度が大きくなる。
【0031】上記の処理を具体的に説明する。0.3m
m径の銅スルーホールが形成された銅張り積層板(1.
6mm厚)に、上記のようにソルダレジストを形成し、
ソフトエッチング液にNaClを0.001m mol
/l添加し、防錆処理を施した。ソフトエッチング液は
酸化剤を含んでいる。それ故、ソフトエッチング液で処
理すれば、ソフトエッチング液中の酸化剤と添加したN
aClとにより、CuCl複合防錆膜が形成される。
【0032】ソフトエッチング液には硫酸−過酸化水素
系溶液(硫酸1mol/l、過酸化水素1mol/
l)、酸洗液には希硫酸、防錆剤には1wt%のアルキ
ルベンゾイミダゾール溶液を用いた。その後、スルーホ
ール抵抗を測定することにより断線したスルーホール数
を計測し、断線率を求めた。断線率は0.01%以下で
あった。
【0033】また、比較例として、従来技術である塩化
物イオンを添加しない処理液で処理した結果について、
同様に断線率を求めた。断線率は0.05%〜1.5%
であった。本実施例は比較例に比べ断線発生率が著しく
低く、本発明の効果が大きいことを示している。なお、
本発明の場合の半田のぬれ性は、比較例の場合と同様に
良好であった。
【0034】さらに、塩化物として、NaClに変え
て、LiCl、KCl、RbCl又はCsClを上記と
同じ濃度で加えたときも、それぞれ、同様の結果を示し
た。これらの塩化物の複数を同時に用いても、合計の濃
度が同じなら同様の結果を示した。また、防錆剤にはア
ルキルベンゾイミダゾールを用いたが、これに変えて、
ベンゾトリアゾールやこれらの誘導体を用いても同様の
結果を示した。
【0035】〈実施例2〉実施例1と同様に配線パター
ンを形成した銅張り積層板の片面ずつソルダレジストを
形成し、図3(a)に示した状態とする。このような状
態で半田レベリングの前処理を施した。半田レベリング
の前処理手順は次の通りである。 (1)脱脂→(2)水洗→(3)ソフトエッチング→
(4)水洗→(5)酸洗→(6)水洗→(7)乾燥 薬液処理は、基板を搬送しながら基板の両面にスプレー
により薬液及び水洗水は吹き付けて処理する。脱脂剤と
してはアルカリ溶液又は界面活性剤を用いる。ソフトエ
ッチング液には過硫酸塩溶液又は硫酸−過酸化水素系溶
液を、酸洗液には希硫酸を用いる。本発明は、ソフトエ
ッチング液に塩化物イオンを添加して処理する。
【0036】このように、バイアホール内の残留液中に
塩化物イオンが共存しているために、酸洗処理又は乾燥
工程時にCuClからなる保護膜6が形成され、ソフト
エッチング液が濃縮する際の銅のエッチングを抑制する
ので、バイアホール断線を防止できる。なお、半田付け
処理の際に、CuClは除去されてしまうが、ホールの
中にはCuClは残っている。
【0037】上記の処理を具体的に説明する。0.3m
m径の銅スルーホールが形成された銅張り積層板(1.
6mm厚)に、実施例1のようにソルダレジストを形成
し、本発明による半田レベリング前処理を施した。ソフ
トエッチング液は、硫酸−過酸化水素系溶液(硫酸1m
ol/l、過酸化水素1mol/l)にNaClを0.
001m mol/l添加した。酸洗液は希硫酸を用い
た。その後、半田レベリング処理を行ない、プリント配
線板の仕上げ処理を終了し、スルーホール抵抗を測定す
ることにより、断線したスルーホール数を計測し、断線
率を求めた。断線率は0.01%以下であった。
【0038】また、比較例として、従来技術である塩化
物イオンを添加しない処理液で処理した結果について、
同様に断線率を求めた。断線率は0.05%〜1.5%
であった。本実施例は比較例に比べ断線発生率が著しく
低く、本発明の効果が大きいことを示している。
【0039】さらに、塩化物として、NaClに変え
て、LiCl、KCl、RbCl又はCsClを上記と
同じ濃度で加えたときも、それぞれ、同様の結果を示し
た。これらの塩化物の複数を同時に用いても、合計の濃
度が同じなら同様の結果を示した。
【0040】図3および図4は、銅のエッチング速度と
塩素イオンの関係を図示したものである。図3では、線
形的に図がプロットされ、図4では指数的に示してあ
る。図3においては、ソフトエッチング液に含まれる塩
素イオン濃度が低ければ、銅と塩素イオンとの反応によ
りCuClの保護層が形成されるため、不必要な銅のエ
ッチングが抑制されることが示される。 特に、可溶性
塩化物の濃度は、0.001m mol/lから10m
mol/lの範囲であることが好ましく、0.01m
mol/lから10m mol/lの範囲であることが
より好ましい。濃度が0.001m mol/l未満で
は、銅のエッチング速度が大きくなり、0.001m
mol/lから0.01m mol/l未満では銅のエ
ッチング速度が十分に小さくはならない。また、10m
mol/lを越えると、またエッチング速度が大きく
なる。
【0041】添加濃度を管理しないと防錆処理に必要な
ソフトエッチング量が制御できない問題があることに注
意しなくてはならない。塩化物イオンは酸性条件におい
て銅と安定な保護膜を形成するので、ソフトエッチング
液の主成分としては硫酸等の非酸化性酸と過酸化水素水
との混合溶液が望ましい。
【0042】図4は、塩素イオン濃度のエッチング速度
との関係を指数的に示しており、特に図3における0.
01mmol/lのさらに上の塩素イオン濃度の効果を
示している。エッチング速度は、10mmol/lまで
はほぼ変化はないが、100mmol/lまでの間でや
や上昇する。そして、急激に上昇する。0.001mm
ol/lから10m mol/lの範囲については上記
したが、10m mol/lを超えて100mmol/
lまでは速度上昇はほとんどなく平坦である。しかしな
がら、エッチング速度はややではあるが上昇しており、
断線の可能性がある。また、残留したエッチング液は、
防錆処理の過程や半田リベリング処理の前処理の際に濃
縮することを考慮すると、0.01m mol/lから
10m mol/lの範囲と比べて好ましくはない。
【0043】この発明の鍵となる特徴は、ソフトエッチ
ング液に塩素イオン源を添加することであるが、CuC
l2のようなハードエッチング液がイオンでは銅に対し
て本発明のような保護膜を形成することはできない。
「ハードエッチング」と「ソフトエッチング」は、エッ
チング速度により区別することができる。例えば、5μ
m/minよりも高い、特に5乃至10μm/minの
エッチング速度はハードエッチングであり、1μm/m
inあるいはそれ以下の速度はソフトエッチングである
と考えることができる。
【0044】1μm/min乃至5μm/minの間に
おいては、エッチングはハードとソフトの分岐点を有す
る。1μm/min乃至5μm/minの速度のエッチ
ング液でソフトエッチングを行おうとすると、より多く
エッチングをしてしまったり、逆にハードエッチングを
行おうとすると、十分なエッチングを得られなくて生産
プロセスを妨害することになる。通常、プリント配線板
をラインに乗せて搬送してエッチング液に漬けてエッチ
ングを行っている。このようなプリント配線板の製造設
備において、高いまたは低いエッチング速度の利点を得
るために搬送速度が設定されるが、中間のエッチング速
度では、必要な配線部分の金属を残してプリント配線板
を製造するのに利用できる利点は得られない。参照の為
に、ソフトエッチングでは、凡そ10乃至30μmの銅
を約1μmの厚さでエッチングする。一方、ハードエッ
チングでは、一般に、銅をすべて取り去る。
【0045】上記開示をもとに当業者であれば、様々な
変更が明らかであろう。例えば、可溶性塩化物を含むソ
フトエッチング液は、複数種の金属層(例えば、銅と
鉄)が存在する場合に、銅の層のみを残して、エッチン
グしたい層のみを選択的にエッチングするのに利用でき
ることが考えられる。これは、本ソフトエッチング液に
より形成される保護膜が銅と塩素の化合物であることに
由縁する。すなわなち、他の金属では、塩素イオンと化
合して保護膜を作ることができないのである。あらゆる
公知の技術に対して相違ある本発明の開示に基づいて得
られる変更の全ては、本発明の範囲に含まれると考えら
れる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
銅スルーホールプリント配線板の仕上げ処理に際して、
銅回路、特にバイアホールの断線不良を防止することが
できることから、部品実装性と品質信頼性に優れたプリ
ント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の銅スルーホールプリント配線板の仕上げ
処理を説明するためのバイアホールの状態を示す断面
図。
【図2】本発明の一実施例の銅スルーホールプリント配
線板の仕上げ処理を説明するためのバイアホールの状態
を示す断面図。
【図3】本発明のソフトエッチング液の特性に及ぼす塩
化物イオンの影響について横軸を線形的に示す図。
【図4】本発明のソフトエッチング液の特性に及ぼす塩
化物イオンの影響について横軸を指数的に示す図。
【符号の説明】
1…基材 2…銅箔 3…バイアホール 4…ソルダレジスト 5…エッチング液 6…保護膜 7…断線部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】露出した銅膜の少なくとも所望の部分の表
    面に、CuClを含有した保護膜を形成することを特徴
    とするプリント配線板の仕上げ処理方法。
  2. 【請求項2】所望の部分に銅膜が露出したプリント配線
    板を、ソフトエッチング処理するプリント配線板の仕上
    げ処理方法において、ソフトエッチング処理を可溶性塩
    化物を含む溶液を用いて行なうことを特徴とするプリン
    ト配線板の仕上げ処理方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載のプリント配線板の仕上げ処
    理方法において、上記可溶性塩化物は、塩化リチウム、
    塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム及び塩
    化セシウムからなる群から選ばれた少なくとも一種の塩
    化物であることを特徴とするプリント配線板の仕上げ処
    理方法。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載のプリント配線板の仕
    上げ処理方法において、上記ソフトエッチング処理の後
    に、上記プリント配線板を防錆処理することを特徴とす
    るプリント配線板の仕上げ処理方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載のプリント配線板の仕上げ処
    理方法において、上記防錆処理は、アルキルベンゾイミ
    ダゾール、ベンゾトリアゾール及びそれらの誘導体から
    なる群から選ばれた少なくとも一種の化合物の溶液を用
    いて行なうことを特徴とするプリント配線板の仕上げ処
    理方法。
  6. 【請求項6】請求項2又は3記載のプリント配線板の仕
    上げ処理方法において、上記ソフトエッチング処理の後
    に、上記プリント配線板に半田レベリングを行なうこと
    を特徴とするプリント配線板の仕上げ処理方法。
  7. 【請求項7】硫酸、リン酸及び酢酸からなる群から選ば
    れた少なくとも一種の非酸化性酸と、過酸化水素水と、
    塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ル
    ビジウム及び塩化セシウムからなる群から選ばれた少な
    くとも一種の可溶性塩化物とを含む溶液からなることを
    特徴とするソフトエッチング液。
  8. 【請求項8】バイアホール内に露出した銅表面に、Cu
    Clを含有する保護膜が設けられたことを特徴とするプ
    リント配線板。
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