JPH0888005A - 一酸化コバルト粉末の製造方法 - Google Patents
一酸化コバルト粉末の製造方法Info
- Publication number
- JPH0888005A JPH0888005A JP6224646A JP22464694A JPH0888005A JP H0888005 A JPH0888005 A JP H0888005A JP 6224646 A JP6224646 A JP 6224646A JP 22464694 A JP22464694 A JP 22464694A JP H0888005 A JPH0888005 A JP H0888005A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- cobalt
- fluidized bed
- bed furnace
- heat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 粒子径や粉体特性のばらつきを防止でき、ニ
ッケル正極に活物質と共に使用した際に活物質利用率を
十分に向上できる一酸化コバルト粉末を得ることができ
る製造方法を提供することである。 【構成】 アルカリ二次電池のニッケル正極に添加する
一酸化コバルト粉末を製造する方法において、コバルト
塩の粉末を、流動層炉又は振動流動層炉を用いて熱処理
することを特徴としている。
ッケル正極に活物質と共に使用した際に活物質利用率を
十分に向上できる一酸化コバルト粉末を得ることができ
る製造方法を提供することである。 【構成】 アルカリ二次電池のニッケル正極に添加する
一酸化コバルト粉末を製造する方法において、コバルト
塩の粉末を、流動層炉又は振動流動層炉を用いて熱処理
することを特徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ二次電池のニ
ッケル正極に添加する一酸化コバルト粉末を製造する方
法に関するものである。
ッケル正極に添加する一酸化コバルト粉末を製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカリ二次電池においては、ペースト
式のニッケル正極が多用されている。このニッケル正極
は、活物質である水酸化ニッケルの粉末をペースト状に
して発泡ニッケル等の基体に充填してなるものである。
式のニッケル正極が多用されている。このニッケル正極
は、活物質である水酸化ニッケルの粉末をペースト状に
して発泡ニッケル等の基体に充填してなるものである。
【0003】ところで、ニッケル正極における活物質利
用率を高めるため、水酸化ニッケル粉末に一酸化コバル
ト粉末を添加することがよく行なわれている。一酸化コ
バルト粉末を添加しておくと、得られたニッケル正極を
電解液中で使用する際に、一酸化コバルトが溶解析出
し、水酸化ニッケル粉末表面にオキシ水酸化コバルトか
らなる薄膜が形成され、この薄膜が導電性ネットワーク
として機能するため、活物質の利用率が向上する。
用率を高めるため、水酸化ニッケル粉末に一酸化コバル
ト粉末を添加することがよく行なわれている。一酸化コ
バルト粉末を添加しておくと、得られたニッケル正極を
電解液中で使用する際に、一酸化コバルトが溶解析出
し、水酸化ニッケル粉末表面にオキシ水酸化コバルトか
らなる薄膜が形成され、この薄膜が導電性ネットワーク
として機能するため、活物質の利用率が向上する。
【0004】そして、従来では、水酸化コバルト等のコ
バルト塩の粉末を、固定層炉を用い、不活性雰囲気下で
高温にて熱処理することにより、一酸化コバルト粉末を
得ていた。
バルト塩の粉末を、固定層炉を用い、不活性雰囲気下で
高温にて熱処理することにより、一酸化コバルト粉末を
得ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、固定層炉を用
いた従来の製造方法では、得られる一酸化コバルト粉末
に次のような不具合があった。即ち、部分的に粒子間
の凝集が生じ、粒子径にばらつきが生じる、高温で熱
処理するため、粉体特性にばらつきが生じる。このよう
な一酸化コバルト粉末を用いると、導電性ネットワーク
の形成が不十分となり、活物質利用率が十分には向上さ
れない。
いた従来の製造方法では、得られる一酸化コバルト粉末
に次のような不具合があった。即ち、部分的に粒子間
の凝集が生じ、粒子径にばらつきが生じる、高温で熱
処理するため、粉体特性にばらつきが生じる。このよう
な一酸化コバルト粉末を用いると、導電性ネットワーク
の形成が不十分となり、活物質利用率が十分には向上さ
れない。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、凝集による粒子径のばらつきや粉体特性
のばらつきを防止でき、ニッケル正極に活物質と共に使
用した際に活物質利用率を十分に向上できる一酸化コバ
ルト粉末を得ることができる製造方法を提供することを
目的とする。
たものであり、凝集による粒子径のばらつきや粉体特性
のばらつきを防止でき、ニッケル正極に活物質と共に使
用した際に活物質利用率を十分に向上できる一酸化コバ
ルト粉末を得ることができる製造方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、ア
ルカリ二次電池のニッケル正極に添加する一酸化コバル
ト粉末を製造する方法において、コバルト塩の粉末を、
流動層炉又は振動流動層炉を用いて熱処理することを特
徴としている。
ルカリ二次電池のニッケル正極に添加する一酸化コバル
ト粉末を製造する方法において、コバルト塩の粉末を、
流動層炉又は振動流動層炉を用いて熱処理することを特
徴としている。
【0008】本願の第2の発明は、アルカリ二次電池の
ニッケル正極に添加する一酸化コバルト粉末を製造する
方法において、酸化防止剤の粉末が添加されたコバルト
塩の粉末を、流動層炉又は振動流動層炉を用いて熱処理
することを特徴としている。
ニッケル正極に添加する一酸化コバルト粉末を製造する
方法において、酸化防止剤の粉末が添加されたコバルト
塩の粉末を、流動層炉又は振動流動層炉を用いて熱処理
することを特徴としている。
【0009】図1は振動流動層炉を示す概略構成図であ
る。1は鋼製の反応容器、2は支持台である。反応容器
1は外周に熱風空気の通路11を備えている。反応容器
1の下部には分散板12が設けられている。支持台2に
は、2台のモータ21が対角の位置に設けられており、
その作動によって反応容器1を振動させるようになって
いる。反応容器1と支持台2との接触部には弾性体22
が介設されている。反応容器1の下部の入口1aには、
不活性ガスの導入通路3が接続されている。導入通路3
には、入口1a側から、フレキシブル部分31、温度計
32、ヒーター33が介設されている。反応容器1の上
部の出口1bには、不活性ガスの排出通路4が接続され
ており、排出通路4は回収サイクロン5に接続されてい
る。通路11の下部の入口11aには、ブロワ61から
の空気の導入通路6が接続されている。導入通路6に
は、入口11a側から、フレキシブル部分62、温度計
63、ヒーター64が介設されている。72、73、7
4は、それぞれ、反応容器1内の、分散板12の下部空
間、被処理物の存在する空間、被処理物の存在しない空
間に、設置された温度計である。
る。1は鋼製の反応容器、2は支持台である。反応容器
1は外周に熱風空気の通路11を備えている。反応容器
1の下部には分散板12が設けられている。支持台2に
は、2台のモータ21が対角の位置に設けられており、
その作動によって反応容器1を振動させるようになって
いる。反応容器1と支持台2との接触部には弾性体22
が介設されている。反応容器1の下部の入口1aには、
不活性ガスの導入通路3が接続されている。導入通路3
には、入口1a側から、フレキシブル部分31、温度計
32、ヒーター33が介設されている。反応容器1の上
部の出口1bには、不活性ガスの排出通路4が接続され
ており、排出通路4は回収サイクロン5に接続されてい
る。通路11の下部の入口11aには、ブロワ61から
の空気の導入通路6が接続されている。導入通路6に
は、入口11a側から、フレキシブル部分62、温度計
63、ヒーター64が介設されている。72、73、7
4は、それぞれ、反応容器1内の、分散板12の下部空
間、被処理物の存在する空間、被処理物の存在しない空
間に、設置された温度計である。
【0010】流動層炉は、上記構成の振動流動層炉から
モータ21を除いた構成のものである。
モータ21を除いた構成のものである。
【0011】上記構成の振動流動層炉を用いた熱処理
は、次のように行なう。即ち、反応容器1内の分散板1
2上に被処理物であるコバルト塩の粉末を載せ、不活性
ガスを導入して反応容器1内を上方に向けて流すととも
に通路11に熱風空気を通し、更にモータ21を作動さ
せて反応容器1に振動を加える。なお、不活性ガスとし
ては、窒素、二酸化炭素、窒素・水素混合等のガスを用
いることができる。
は、次のように行なう。即ち、反応容器1内の分散板1
2上に被処理物であるコバルト塩の粉末を載せ、不活性
ガスを導入して反応容器1内を上方に向けて流すととも
に通路11に熱風空気を通し、更にモータ21を作動さ
せて反応容器1に振動を加える。なお、不活性ガスとし
ては、窒素、二酸化炭素、窒素・水素混合等のガスを用
いることができる。
【0012】なお、流動層炉を用いた熱処理は、振動流
動層炉を用いた熱処理に比してモータ21の作動がない
点のみが異なるだけである。
動層炉を用いた熱処理に比してモータ21の作動がない
点のみが異なるだけである。
【0013】振動流動層炉を用いた熱処理は、所定の温
度条件、所定の風速、所定の振動条件で行なう。また、
流動層炉の場合は、所定の温度条件、所定の風速で行な
う。上記所定の温度条件としては、保持温度350〜6
00℃、保持時間30分〜5時間が好適である。上記所
定の風速としては、0.01〜0.2m/sec が好適で
ある。上記所定の振動条件としては、加振角度30〜6
0°、振幅2〜5mm、振動数500〜2000rpm が好
適である。
度条件、所定の風速、所定の振動条件で行なう。また、
流動層炉の場合は、所定の温度条件、所定の風速で行な
う。上記所定の温度条件としては、保持温度350〜6
00℃、保持時間30分〜5時間が好適である。上記所
定の風速としては、0.01〜0.2m/sec が好適で
ある。上記所定の振動条件としては、加振角度30〜6
0°、振幅2〜5mm、振動数500〜2000rpm が好
適である。
【0014】コバルト塩としては、水酸化コバルト、炭
酸コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト等が用いられ
るが、特に水酸化コバルトが好ましい。
酸コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト等が用いられ
るが、特に水酸化コバルトが好ましい。
【0015】本発明においては、所定機構の酸化防止剤
を用いる。酸化防止剤とは、種々の自動酸化性物質に対
して、光、熱等の条件下における酸素の作用を防止又は
抑制する性質を有する有機化合物のことであり、芳香族
アミン類、キノン類、フェノール類等があり、機構上、
遊離基連鎖防止作用のもの、過酸化物分解作用のも
の、金属不活性化作用のもの、に分類されるが、本発
明において、コバルト塩に対して用いられる酸化防止剤
は、上記及びのものである。即ち、官能基が遊離
するのを防止する作用を有するもの、反応容器等に金
属を用いている場合において、酸化触媒として働く金属
を不活性化する作用を有するものである。具体的には、
L−アスコルビン酸、β−ナフトール、共役型1,2−
位置換ベンゼンの還元性化合物が挙げられる。その還元
性化合物としては、カテコール、没食子酸、タンニン
酸、o−アミノフェノール、o−フェニレンジアミン、
o−アミノチオール、o−フェニレンジスルフィドが挙
げられる。また、亜硫酸ナトリウム等の無機化合物も有
効である。酸化防止剤の添加量は、通常10ppm 〜10
%が好適である。
を用いる。酸化防止剤とは、種々の自動酸化性物質に対
して、光、熱等の条件下における酸素の作用を防止又は
抑制する性質を有する有機化合物のことであり、芳香族
アミン類、キノン類、フェノール類等があり、機構上、
遊離基連鎖防止作用のもの、過酸化物分解作用のも
の、金属不活性化作用のもの、に分類されるが、本発
明において、コバルト塩に対して用いられる酸化防止剤
は、上記及びのものである。即ち、官能基が遊離
するのを防止する作用を有するもの、反応容器等に金
属を用いている場合において、酸化触媒として働く金属
を不活性化する作用を有するものである。具体的には、
L−アスコルビン酸、β−ナフトール、共役型1,2−
位置換ベンゼンの還元性化合物が挙げられる。その還元
性化合物としては、カテコール、没食子酸、タンニン
酸、o−アミノフェノール、o−フェニレンジアミン、
o−アミノチオール、o−フェニレンジスルフィドが挙
げられる。また、亜硫酸ナトリウム等の無機化合物も有
効である。酸化防止剤の添加量は、通常10ppm 〜10
%が好適である。
【0016】更に、本発明では、徐酸化を行なう。流動
層炉又は振動流動層炉を用いた熱処理は、固定層炉の場
合に比して低温で行なわれるので、得られた一酸化コバ
ルトは、非常に活性が高く、そのまま取出すと、発火し
て黒色の四酸化三コバルトとなる。徐酸化はこれを防止
するために行なわれる。即ち、徐酸化を行なって、一酸
化コバルト粉末表面に薄い酸化皮膜を形成させ、粉末表
面を安定化させ、長期間の保存安定性を向上させる。徐
酸化は、具体的には、冷却時50〜200℃の時点にお
いて、0.1〜10%酸素混合不活性ガスを10〜60
分間流して行なう。
層炉又は振動流動層炉を用いた熱処理は、固定層炉の場
合に比して低温で行なわれるので、得られた一酸化コバ
ルトは、非常に活性が高く、そのまま取出すと、発火し
て黒色の四酸化三コバルトとなる。徐酸化はこれを防止
するために行なわれる。即ち、徐酸化を行なって、一酸
化コバルト粉末表面に薄い酸化皮膜を形成させ、粉末表
面を安定化させ、長期間の保存安定性を向上させる。徐
酸化は、具体的には、冷却時50〜200℃の時点にお
いて、0.1〜10%酸素混合不活性ガスを10〜60
分間流して行なう。
【0017】
【作用】振動流動層炉の反応容器1内において、コバル
ト塩粉末は、不活性ガスの流れに乗って液体のような挙
動を示し、更にモータ21による振動を受けて分散さ
れ、その状態で熱風不活性ガスの熱を受けて熱処理され
る。即ち、反応容器1内においてコバルト塩粉末が加熱
される領域は広くなり、しかも全てのコバルト塩粉末に
均等に熱が行き渡ることとなり、従って、均熱帯が長く
なる。そのため、粉体特性の揃った一酸化コバルト粉末
が得られることとなる。しかも、振動が加わっているの
で、要する熱エネルギーは少なくなり、低温で熱処理が
進行することとなる。そのため、経費も軽減される。ま
た、粒子の凝集も防止される。
ト塩粉末は、不活性ガスの流れに乗って液体のような挙
動を示し、更にモータ21による振動を受けて分散さ
れ、その状態で熱風不活性ガスの熱を受けて熱処理され
る。即ち、反応容器1内においてコバルト塩粉末が加熱
される領域は広くなり、しかも全てのコバルト塩粉末に
均等に熱が行き渡ることとなり、従って、均熱帯が長く
なる。そのため、粉体特性の揃った一酸化コバルト粉末
が得られることとなる。しかも、振動が加わっているの
で、要する熱エネルギーは少なくなり、低温で熱処理が
進行することとなる。そのため、経費も軽減される。ま
た、粒子の凝集も防止される。
【0018】流動層炉の反応容器1内においても、コバ
ルト塩粉末は、不活性ガスの流れに乗って液体のような
挙動を示し、その状態で熱風不活性ガスの熱を受けて熱
処理される。
ルト塩粉末は、不活性ガスの流れに乗って液体のような
挙動を示し、その状態で熱風不活性ガスの熱を受けて熱
処理される。
【0019】酸化防止剤が添加されていると、後述する
ような酸化防止剤の作用により、コバルト塩粉末のばら
つきは良好となって全てのコバルト塩粉末に均等に熱が
行き渡ることとなり、粒子の凝集も防止され、そのた
め、粉体特性の揃った一酸化コバルト粉末が得られるこ
ととなり、また、低温で熱処理が進行することとなり、
そのため、経費も軽減される。また、保持時間も短縮さ
れる。
ような酸化防止剤の作用により、コバルト塩粉末のばら
つきは良好となって全てのコバルト塩粉末に均等に熱が
行き渡ることとなり、粒子の凝集も防止され、そのた
め、粉体特性の揃った一酸化コバルト粉末が得られるこ
ととなり、また、低温で熱処理が進行することとなり、
そのため、経費も軽減される。また、保持時間も短縮さ
れる。
【0020】熱処理に際しての上記所定の温度条件、上
記所定の風速、及び上記所定の振動条件の各々の好適範
囲は、次の理由に基づいている。
記所定の風速、及び上記所定の振動条件の各々の好適範
囲は、次の理由に基づいている。
【0021】(1) 保持温度に関して;350℃より低い
と、一酸化コバルトが不安定となり、更に酸化を受けや
すくなる。600℃より高いと、焼結が進みすぎて、活
性度が低下し、電解液に溶出しにくくなる。
と、一酸化コバルトが不安定となり、更に酸化を受けや
すくなる。600℃より高いと、焼結が進みすぎて、活
性度が低下し、電解液に溶出しにくくなる。
【0022】(2) 保持時間に関して;30分より短い
と、全体的に反応が進行せず、粉体特性のばらつきが大
きくなる。5時間より長いと、1回の作業時間が長くな
り、処理量が低減し、運転費等のコストが増大する。
と、全体的に反応が進行せず、粉体特性のばらつきが大
きくなる。5時間より長いと、1回の作業時間が長くな
り、処理量が低減し、運転費等のコストが増大する。
【0023】(3) 風速に関して;0.01m/sec より
小さいと、ガスがショートカットし、全体の対流が生じ
ない。0.2m/sec より大きいと、コバルト塩粉末が
外部に持ち出され、損失となり、収率が悪くなる。
小さいと、ガスがショートカットし、全体の対流が生じ
ない。0.2m/sec より大きいと、コバルト塩粉末が
外部に持ち出され、損失となり、収率が悪くなる。
【0024】(4) 加振角度に関して;30°より小さい
と、上下方向の対流が少なく、振動の効果が発揮されな
い。60°より大きいと、振動が大きすぎて、装置が不
安定となる。
と、上下方向の対流が少なく、振動の効果が発揮されな
い。60°より大きいと、振動が大きすぎて、装置が不
安定となる。
【0025】(5) 振幅に関して;2mmより小さいと、上
下方向の対流が少なく、振動の効果が発揮されない。5
mmより大きいと、振動が大きすぎて、装置が不安定とな
る。
下方向の対流が少なく、振動の効果が発揮されない。5
mmより大きいと、振動が大きすぎて、装置が不安定とな
る。
【0026】(6) 振動数に関して;500rpm より小さ
いと、上下方向の対流が少なく、振動の効果が発揮され
ない。2000rpm より大きいと、振動が大きすぎて、
装置が不安定となる。
いと、上下方向の対流が少なく、振動の効果が発揮され
ない。2000rpm より大きいと、振動が大きすぎて、
装置が不安定となる。
【0027】酸化防止剤は、次のように作用すると考え
られる。 (1) 不活性雰囲気がより醸し出され、脱水時の酸化防止
と脱水後の焼結促進が高められる。そのため、熱処理の
温度が、同じ結晶度の一酸化コバルトを得るとした場合
において、酸化防止剤を加えない場合に比して50〜8
0℃程度低くてよいこととなる。
られる。 (1) 不活性雰囲気がより醸し出され、脱水時の酸化防止
と脱水後の焼結促進が高められる。そのため、熱処理の
温度が、同じ結晶度の一酸化コバルトを得るとした場合
において、酸化防止剤を加えない場合に比して50〜8
0℃程度低くてよいこととなる。
【0028】(2) コバルト塩粉末の保存安定度が高くな
り、そのため、得られる一酸化コバルトの粉体特性のば
らつきが小さくなる。
り、そのため、得られる一酸化コバルトの粉体特性のば
らつきが小さくなる。
【0029】(3) コバルト塩粉末のばらつきが良好とな
り、凝集が防止される。
り、凝集が防止される。
【0030】図2はコバルト塩として水酸化コバルトを
用いた場合の温度パターンを示す。一酸化コバルトへの
変化は、次式の反応に従って200℃付近で起こり、そ
れ以上の温度で熱処理することにより、安定な一酸化コ
バルトが得られる。 Co(OH)2 → CoO + H2O
用いた場合の温度パターンを示す。一酸化コバルトへの
変化は、次式の反応に従って200℃付近で起こり、そ
れ以上の温度で熱処理することにより、安定な一酸化コ
バルトが得られる。 Co(OH)2 → CoO + H2O
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、コバルト塩粉末を、均
等に、低温で、更に凝集を生じさせることなく、熱処理
することができ、粒子径や粉体特性にばらつきのない一
酸化コバルトを得ることができる。
等に、低温で、更に凝集を生じさせることなく、熱処理
することができ、粒子径や粉体特性にばらつきのない一
酸化コバルトを得ることができる。
【0032】
【実施例】以下に、本発明の実施例1〜4及び比較例を
示す。
示す。
【0033】なお、実施例1〜4及び比較例で得られた
一酸化コバルト粉末の粉体特性は、次のようにして測定
した。 ・Co含有量(%)…EDTA滴定法で測定した。 ・比表面積(m2/g)…装置として商品名「MONO-SORB
(モノ−ソルブ)」(QUANTA-CHROME(クアンタ−クロ
ム)社製)を用い、窒素ガスの吸着量より算出した。 ・タッピング密度(g/cc)…装置として商品名「TAPD
ENSER KYT3000(タップデンサー ケーワイティー300
0)」(セイシン企業株式会社製)を用いて測定した。
まず、20ccセルの重量を測定する(A値)。次に、得
られた一酸化コバルト粉末を480メッシュ篩いで自然
落下させて、上記セルに充填させる。次に、200回タ
ッピングした後、セルの重量(B値)と充填容積(C
値)を測定し、(B−A)/Cを算出した。 ・半値幅(°)…商品名「XD−D1(エックスディー
ディーワン)」(株式会社島津製作所製)のX線回折
装置を用いて、(200)面を測定した。
一酸化コバルト粉末の粉体特性は、次のようにして測定
した。 ・Co含有量(%)…EDTA滴定法で測定した。 ・比表面積(m2/g)…装置として商品名「MONO-SORB
(モノ−ソルブ)」(QUANTA-CHROME(クアンタ−クロ
ム)社製)を用い、窒素ガスの吸着量より算出した。 ・タッピング密度(g/cc)…装置として商品名「TAPD
ENSER KYT3000(タップデンサー ケーワイティー300
0)」(セイシン企業株式会社製)を用いて測定した。
まず、20ccセルの重量を測定する(A値)。次に、得
られた一酸化コバルト粉末を480メッシュ篩いで自然
落下させて、上記セルに充填させる。次に、200回タ
ッピングした後、セルの重量(B値)と充填容積(C
値)を測定し、(B−A)/Cを算出した。 ・半値幅(°)…商品名「XD−D1(エックスディー
ディーワン)」(株式会社島津製作所製)のX線回折
装置を用いて、(200)面を測定した。
【0034】(実施例1)水酸化コバルト粉末を、流動
層炉を用いて、次の条件下で、熱処理し、徐酸化した。
なお、用いた不活性ガスは、窒素ガスである。 ・温度条件…100℃/時間で昇温、保持温度:450
℃、保持時間:5時間 ・風速…0.1m/sec
層炉を用いて、次の条件下で、熱処理し、徐酸化した。
なお、用いた不活性ガスは、窒素ガスである。 ・温度条件…100℃/時間で昇温、保持温度:450
℃、保持時間:5時間 ・風速…0.1m/sec
【0035】(実施例2)水酸化コバルト粉末を、図1
に示す振動流動層炉を用いて、次の条件下で、熱処理し
た。なお、用いた不活性ガスは、窒素ガスである。 ・温度条件…100℃/時間で昇温、保持温度:450
℃、保持時間:5時間 ・風速…0.1m/sec ・振動条件…加振角度:45°、振幅:3mm、振動数:
1000rpm なお、100℃で、1%酸素混合窒素ガスを10分間流
すことによ、徐酸化を行なった。
に示す振動流動層炉を用いて、次の条件下で、熱処理し
た。なお、用いた不活性ガスは、窒素ガスである。 ・温度条件…100℃/時間で昇温、保持温度:450
℃、保持時間:5時間 ・風速…0.1m/sec ・振動条件…加振角度:45°、振幅:3mm、振動数:
1000rpm なお、100℃で、1%酸素混合窒素ガスを10分間流
すことによ、徐酸化を行なった。
【0036】(実施例3)水酸化コバルト粉末にアスコ
ルビン酸粉末を0.1%添加し、これを流動層炉を用い
て、次の条件下で、熱処理し、徐酸化した。なお、用い
た不活性ガスは、窒素ガスである。 ・温度条件…100℃/時間で昇温、保持温度:450
℃、保持時間:5時間 ・風速…0.1m/sec
ルビン酸粉末を0.1%添加し、これを流動層炉を用い
て、次の条件下で、熱処理し、徐酸化した。なお、用い
た不活性ガスは、窒素ガスである。 ・温度条件…100℃/時間で昇温、保持温度:450
℃、保持時間:5時間 ・風速…0.1m/sec
【0037】(実施例4)水酸化コバルト粉末にアスコ
ルビン酸粉末を0.1%添加し、これを図1に示す振動
流動層炉を用いて、実施例1と同じ条件下で、熱処理
し、徐酸化した。
ルビン酸粉末を0.1%添加し、これを図1に示す振動
流動層炉を用いて、実施例1と同じ条件下で、熱処理
し、徐酸化した。
【0038】(比較例)水酸化コバルト粉末を、一般の
固定層炉である管状電気炉を用いて、熱処理した。温度
条件は、実施例1と同じとした。
固定層炉である管状電気炉を用いて、熱処理した。温度
条件は、実施例1と同じとした。
【0039】実施例1〜4及び比較例で得られた一酸化
コバルト粉末の粉体特性は、表1に示すようであった。
コバルト粉末の粉体特性は、表1に示すようであった。
【0040】
【表1】
【0041】表1からわかるように、実施例1〜4で得
られた一酸化コバルト粉末は、比較例のものよりも焼結
が進んでおり、結晶度が高くなっている。即ち、粒子径
のばらつきや粉体特性のばらつきが殆んどない。
られた一酸化コバルト粉末は、比較例のものよりも焼結
が進んでおり、結晶度が高くなっている。即ち、粒子径
のばらつきや粉体特性のばらつきが殆んどない。
【0042】次に、実施例1〜4及び比較例で得られた
一酸化コバルト粉末をそれぞれ用いてニッケル正極を作
製し、活物質利用率を測定した。即ち、一酸化コバルト
粉末10重量部を高密度水酸化ニッケル粉末100重量
部に加えて混合し、これにCMC水溶液を加えてペース
ト状とし、これを発泡ニッケル基体に充填し、乾燥、加
圧してニッケル正極を作製した。このニッケル正極を、
公知のペースト式カドミウム負極を相手極とし、ナイロ
ン不織布からなるセパレータを用い、水酸化カリウム水
溶液中で充放電し、活物質である水酸化ニッケルの利用
率を測定した。その結果を表2に示す。なお、活物質利
用率は、次のようにして求めた。即ち、0.5Cの充電
電流で理論容量の150%まで充電を行なった後、1C
の放電電流で1.0Vまで放電を行なうという充放電サ
イクルを10サイクル繰返し、10サイクル目における
実測放電容量を理論容量に対する百分率で表わした。 活物質利用率(%)=(10サイクル目の実測放電容量
/理論容量)×100
一酸化コバルト粉末をそれぞれ用いてニッケル正極を作
製し、活物質利用率を測定した。即ち、一酸化コバルト
粉末10重量部を高密度水酸化ニッケル粉末100重量
部に加えて混合し、これにCMC水溶液を加えてペース
ト状とし、これを発泡ニッケル基体に充填し、乾燥、加
圧してニッケル正極を作製した。このニッケル正極を、
公知のペースト式カドミウム負極を相手極とし、ナイロ
ン不織布からなるセパレータを用い、水酸化カリウム水
溶液中で充放電し、活物質である水酸化ニッケルの利用
率を測定した。その結果を表2に示す。なお、活物質利
用率は、次のようにして求めた。即ち、0.5Cの充電
電流で理論容量の150%まで充電を行なった後、1C
の放電電流で1.0Vまで放電を行なうという充放電サ
イクルを10サイクル繰返し、10サイクル目における
実測放電容量を理論容量に対する百分率で表わした。 活物質利用率(%)=(10サイクル目の実測放電容量
/理論容量)×100
【0043】
【表2】
【0044】表2からわかるように、実施例1〜4の一
酸化コバルト粉末を用いた場合には、比較例に比して、
活物質利用率が向上している。
酸化コバルト粉末を用いた場合には、比較例に比して、
活物質利用率が向上している。
【図1】 本発明で用いる振動流動層炉を示す概略構成
図である。
図である。
【図2】 水酸化コバルトを熱処理した際の温度パター
ンを示す。
ンを示す。
1 反応容器 2 支持台 21 モータ
Claims (2)
- 【請求項1】 アルカリ二次電池のニッケル正極に添加
する一酸化コバルト粉末を製造する方法において、 コバルト塩の粉末を、流動層炉又は振動流動層炉を用い
て熱処理することを特徴とする一酸化コバルト粉末の製
造方法。 - 【請求項2】 アルカリ二次電池のニッケル正極に添加
する一酸化コバルト粉末を製造する方法において、 酸化防止剤の粉末が添加されたコバルト塩の粉末を、流
動層炉又は振動流動層炉を用いて熱処理することを特徴
とする一酸化コバルト粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6224646A JPH0888005A (ja) | 1994-09-20 | 1994-09-20 | 一酸化コバルト粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6224646A JPH0888005A (ja) | 1994-09-20 | 1994-09-20 | 一酸化コバルト粉末の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0888005A true JPH0888005A (ja) | 1996-04-02 |
Family
ID=16816987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6224646A Pending JPH0888005A (ja) | 1994-09-20 | 1994-09-20 | 一酸化コバルト粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0888005A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112547083A (zh) * | 2019-09-25 | 2021-03-26 | 湘潭大学 | 一种通过不同相一氧化钴负载提高金属氧化物半导体电极材料光电性能的方法 |
CN117019155A (zh) * | 2023-10-10 | 2023-11-10 | 江苏省农业科学院 | 兼具多酶催化活性的单原子缺陷碳量子点纳米酶及其制备方法和应用 |
-
1994
- 1994-09-20 JP JP6224646A patent/JPH0888005A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112547083A (zh) * | 2019-09-25 | 2021-03-26 | 湘潭大学 | 一种通过不同相一氧化钴负载提高金属氧化物半导体电极材料光电性能的方法 |
CN112547083B (zh) * | 2019-09-25 | 2023-09-15 | 湘潭大学 | 一种通过不同相一氧化钴负载提高三氧化钨光阳极光电性能的方法 |
CN117019155A (zh) * | 2023-10-10 | 2023-11-10 | 江苏省农业科学院 | 兼具多酶催化活性的单原子缺陷碳量子点纳米酶及其制备方法和应用 |
CN117019155B (zh) * | 2023-10-10 | 2023-12-29 | 江苏省农业科学院 | 兼具多酶催化活性的单原子缺陷碳量子点纳米酶及其制备方法和应用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN1246920C (zh) | 碱性二次电池用电极及碱性二次电池 | |
JPH0973900A (ja) | アルカリ蓄電池用ニッケル電極活物質の製造方法 | |
CN112551594B (zh) | 一种片层状纳米羟基氧化钴及其制备方法、应用 | |
JPH0773878A (ja) | 金属水素化物電極の製造方法 | |
JPH0888005A (ja) | 一酸化コバルト粉末の製造方法 | |
EP0942481B1 (en) | Production method of active material for positive electrode of alkaline secondary battery | |
JP3433008B2 (ja) | アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造方法 | |
CN1095207C (zh) | 用于碱性蓄电池的储氢合金电极及其制造方法 | |
JP3066021B2 (ja) | アルカリ二次電池の正極用活物質の製造方法、その活物質を含む正極を用いたアルカリ二次電池の製造方法 | |
JPH03245460A (ja) | 水素吸蔵合金電極、その製造法およびその電極を用いた密閉形アルカリ蓄電池 | |
JP3040760B2 (ja) | アルカリ二次電池の正極用活物質の製造方法、その活物質を含む正極を用いたアルカリ二次電池の製造方法 | |
JP3387314B2 (ja) | 水素吸蔵合金電極の製造方法 | |
JP3543601B2 (ja) | アルカリ蓄電池 | |
JPH10172562A (ja) | 陽極用活物質、その製造方法および陽極製造方法 | |
JP3454606B2 (ja) | アルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法 | |
JP4212129B2 (ja) | アルカリ蓄電池用ニッケル電極およびその製造方法 | |
JP2002093425A (ja) | 空気電池用触媒及びその製造方法 | |
JP3876115B2 (ja) | 金属酸化物の製造方法 | |
JP2568624B2 (ja) | アルカリ蓄電池用カドミウム負極およびその製造法 | |
JP3432971B2 (ja) | 金属−水素化物アルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金電極 | |
CN118089410A (zh) | 一种降低匣钵吸锂的方法及其应用 | |
JP2001357844A (ja) | アルカリ蓄電池用正極活物質及びニッケル正極並びにアルカリ蓄電池 | |
JPH10188970A (ja) | アルカリ蓄電池用非焼結式ニッケル極の製造方法 | |
JP2792913B2 (ja) | アルカリ蓄電池用非焼結式カドミウム負極板 | |
JPH0765828A (ja) | 金属水素化物電極の製造方法 |