JPH0886778A - 濃縮分析方法及び装置 - Google Patents

濃縮分析方法及び装置

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JPH0886778A
JPH0886778A JP22204294A JP22204294A JPH0886778A JP H0886778 A JPH0886778 A JP H0886778A JP 22204294 A JP22204294 A JP 22204294A JP 22204294 A JP22204294 A JP 22204294A JP H0886778 A JPH0886778 A JP H0886778A
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秀俊 吉田
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哲也 君島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレカラムにおける被分析成分と主成分との
分離操作に要する時間を短縮し、高精度の分析を迅速に
行うことができる濃縮分析方法及び装置を提供する。 【構成】 計量管31〜34で計量した試料ガスを、第
1キャリヤーガス供給源71〜74からのキャリヤーガ
スに同伴させて複数個を並列に設けたプレカラム21〜
24に順次導入して被分析成分を分離し、各プレカラム
から導出した被分析成分を順次濃縮管62に導入して濃
縮した後、該濃縮管内の被分析成分を脱着し、第3キャ
リヤーガス供給源65からのキャリヤーガスに同伴させ
てメインカラム63に導入し、該メインカラムで被分析
成分を単成分に分離して定量装置64で定量する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、濃縮分析方法及び装置
に関し、詳しくは、シラン,アルシン,ホスフィン等の
主として半導体分野で使用されるガスに含まれるメタ
ン,炭酸ガス等の不純物ガス、あるいは、不純物として
のシラン,アルシン,ホスフィン等を高感度かつ迅速に
分析する濃縮分析方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記半導体分野で使用されるガス(半導
体材料ガス)中には、上記不純物が少なくとも1種類は
含まれており、通常、ガスクロマトグラフやガスクロマ
トグラフ質量分析計により分析されている。しかし、近
年の半導体素子の高集積化に伴い、上記半導体材料ガス
の高純度化の要求も厳しく、上記不純物濃度が数ppt
〜数ppb程度の極微量の検出感度が要求される。
【0003】一般に、試料ガス中の不純物の濃度が低
く、そのままでは通常の分析方法で検出できない場合、
試料ガス中の不純物を濃縮することが行われている。濃
縮方法としては、試料ガスを、吸着剤を充填したカラム
に流通して、試料ガス中の不純物を一旦吸着させて捕集
した後、捕集された該不純物を脱着してキャリヤーガス
中に濃縮・同伴して分析系へ送る方法が多く採用されて
いる。
【0004】上記濃縮方法において用いる吸着剤は、対
象とする不純物成分に対する選択的吸着性の良いものを
使用するが、試料ガス中の主成分が上記半導体材料ガス
の場合には、通常、主成分である半導体材料ガスも吸着
剤に吸脱着されるので、不純物成分と主成分との分離が
不十分となり、分析系へ送られるガス中に、不純物成分
のみでなく、主成分ガスも含まれる。この結果、検出感
度の向上が制約されたり、主成分ガスがガスクロマトグ
ラフ分析操作等の妨害要因になったりするなどの不都合
がある。したがって、半導体材料ガス中の微量不純物を
分析するにあたっては、不純物成分のみを単離するため
に種々の工夫が成されてきている。
【0005】例えば、特開平4ー278458号公報に
は、上記半導体材料ガス中の上記不純物を濃縮して分析
するための方法及び装置が記載されている。その概要
は、まず、試料ガスを前処理用のプレカラムで、試料ガ
ス中の被分析成分である不純物ガスと主成分である半導
体材料ガスとを大まかに分離して主成分のみを外部に排
出し、被分析成分が富化されたガスを濃縮管に導入して
濃縮する操作を繰返した後、濃縮管に濃縮されたガスを
メインカラムに導入し、ここで被分析成分を単成分に分
離して定量装置に送るものである。
【0006】上記公報記載の濃縮分析方法を、図2に示
す濃縮分析装置に基づいて説明する。なお、以下の説明
では、プレカラムでの分離において、主成分の方が被分
析成分よりもプレカラムからの流出時間が遅く、かつ、
両ピークの重なりがない場合を例にとって説明する。
【0007】まず、第1切換弁1,第2切換弁2及び第
3切換弁3を、図2において実線で示した流路にそれぞ
れ切換え、試料ガス源Sからの試料ガスを、第1切換弁
1,計量管4及び流路5を通して排気し、キャリヤーガ
ス源Cからの第1キャリヤーガスを、第1切換弁1,プ
レカラム6,第2切換弁2,第3切換弁3,濃縮管7,
第3切換弁3及びメインカラム8を通して定量装置Aに
導入した後、流路9を介して排気するとともに、キャリ
ヤーガス源Cから第1切換弁1の手前で流路10に分岐
した第2キャリヤーガスを、ダミーカラム11,第2切
換弁2,チョークカラム12を通して系外に排出する。
【0008】次に、第1切換弁1を破線側流路に切換
え、計量管4内の試料ガスを第1キャリヤーガスに同伴
させてプレカラム6に導入し、主成分と被分析成分とを
分離する。このとき、プレカラム6からは、先に被分析
成分が第1キャリヤーガスに同伴されて導出し、被分析
成分が完全に導出した後に主成分が第1キャリヤーガス
に同伴されて導出する。プレカラム6からの導出ガスが
主成分のみとなり、第1キャリヤーガスに同伴された被
分析成分が第2切換弁2以降に導かれた後、第2切換弁
2を破線側流路に切換える。これにより、主成分は、第
2切換弁2からチョークカラム12を経て系外に排出さ
れ、主成分と被分析成分との大まかな分離が行われる。
また、被分析成分が第2切換弁2から第3切換弁3を通
って濃縮管7に導入された後、第3切換弁3を破線側流
路に切換える。
【0009】そして、主成分がチョークカラム12を経
て流路13から排出された後に、第1切換弁1、第2切
換弁2及び第3切換弁3を実線側流路に戻して1回目の
分離操作を終了する。
【0010】以上の分離操作を繰返して試料ガス中の被
分析成分を濃縮管7に蓄積した後、第3切換弁3を破線
側流路の状態として濃縮管7を加熱し、該濃縮管7内の
吸着剤に吸着して蓄積されている被分析成分を脱着させ
る。続いて、第3切換弁3を実線側流路に切換えて脱着
ガスをメインカラム8に導入し、該メインカラム9内で
被分析成分を単成分に分離した後、定量装置Aに導入し
て被分析成分ガスを個々に定量する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法により濃縮分析を実施した場合、試料ガスの組成によ
っては、前記分離操作の繰り返し回数に対応して分析感
度の向上が得られないことがあった。その原因について
鋭意考究した結果、試料ガス中の主成分と被分析成分と
をプレカラム6で分離し、被分析成分を濃縮管7へ送る
分離操作を繰り返す際には、プレカラム6で捕集した試
料ガスを完全に流出させてから次の分離操作に入る必要
があることを突き止めた。例えば、前回捕集した試料ガ
ス中の主成分がプレカラム6内に残っていると、次の分
離操作で余分な主成分ガスが濃縮管7へ送られることに
なり、分離効率が低下したり、精密な分析が困難になっ
たりすることが判明した。しかし、前回捕集したガスを
完全にプレカラム6から流出(パージ)させるには、分
析対象ガスの種類や濃度によっても異なるが、通常、1
0〜15分を必要とし、その時間は次回の分離操作を実
施できず、待ち時間となる。
【0012】したがって、上記分離操作を1回行うのに
10分要するとして、感度を100倍に上げるために上
記操作を100回繰り返すとすると、1000分の時間
がかかることになり、1回の分析操作に極めて長時間を
要することになる。
【0013】さらに、半導体材料ガスを主成分とするも
のでは、不純物として微量に存在する被分析成分が定量
装置に導入されるのはやむを得ないとしても、反応性の
高い半導体材料ガスを大量に定量装置に導入すると、装
置内に残留する含酸素化合物と反応を起こして酸化物を
形成し、装置内に酸化皮膜を形成するといったことも考
えられ、定量装置に悪影響を及ぼすおそれがある。この
ため、定量装置内には、できるだけ半導体材料ガスのよ
うな反応性の高いガスを導入しないことが望ましく、し
たがって、半導体材料ガスを主成分とするガスの不純物
を分析する際には、前記プレカラム内のパージを十分に
行うことが好ましい。
【0014】そこで本発明は、プレカラムにより被分析
成分と主成分とを分離し、被分析成分を濃縮して分析を
行う濃縮分析方法及び装置において、分離操作に要する
時間の短縮を図れ、高精度の分析を迅速に行うことがで
きる濃縮分析方法及び装置を提供することを目的として
いる。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の濃縮分析方法は、主成分中に微量の被分
析成分を含む試料ガス中の被分析成分を濃縮して分析す
る方法において、キャリヤーガスに同伴された所定量の
試料ガスを複数個が並列に設けられたプレカラムに導入
して主成分と被分析成分とを分離し、各プレカラムから
キャリヤーガスに同伴されて導出した被分析成分を濃縮
管に導入して被分析成分を濃縮した後、該濃縮管内に濃
縮した被分析成分を脱着し、キャリヤーガスに同伴させ
てメインカラムに導入し、該メインカラムで被分析成分
を単成分に分離して定量することを特徴としている。
【0016】また、本発明の濃縮分析装置は、主成分中
に微量の被分析成分を含む試料ガス中の被分析成分を濃
縮して分析する装置において、キャリヤーガスに同伴さ
れた所定量の試料ガスの主成分と被分析成分とを分離す
る並列に設置された複数のプレカラムと、各プレカラム
からキャリヤーガスに同伴されて導出した被分析成分を
順次導入して濃縮する濃縮管と、該濃縮管からキャリヤ
ーガスに同伴されて導出した被分析成分を単成分に分離
するメインカラムと、該メインカラムで単成分に分離し
てキャリヤーガスに同伴されて導出した被分析成分を定
量する定量装置とを備えたことを特徴としている。
【0017】さらに、本発明装置は、前記複数のプレカ
ラムと前記濃縮管とを六方弁を介して接続したこと、前
記複数のプレカラムに供給するキャリヤーガスは、各プ
レカラム毎に独立して流量を調節可能な流量調節手段を
介して供給されることを特徴としている。
【0018】
【作 用】上記構成によれば、複数個を並列に設置した
各プレカラムでそれぞれ分離操作を行えるので、被分析
成分と主成分との分離操作及び濃縮操作を短時間で行う
ことができる。例えば、2個のプレカラムを並列に設置
した場合、1番目のプレカラムに試料ガスを導入して分
離操作を行い、該1番目のプレカラムから導出した被分
析成分を濃縮管に導入するとともに、2番目のプレカラ
ムに同様に試料ガスを導入して分離操作を行うことによ
り、2回分の分離濃縮操作を1回で行うことができる。
このとき、複数のプレカラムにおける分離操作を所定の
タイミングで順次開始するように設定することにより、
ガスの流れが急激に変化することを防止できる。プレカ
ラムの設置数は、被分析成分の濃縮率や、各プレカラム
での分離操作に要する時間、プレカラム内に残存してい
る主成分を完全に流出させるために要する時間等により
適宜に設定すればよい。なお、プレカラムから先に主成
分が流出する場合も同様である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を、図1に示す一実施例に基づ
いてさらに詳細に説明する。図1に示す濃縮分析装置
は、主成分と微量の被分析成分とを分離する分離手段で
あるプレカラムを4個並列に設置した実施例を示すもの
で、各プレカラム21,22,23,24には、上流側
にそれぞれ計量管31,32,33,34を備えた第1
切換弁41,42,43,44が、下流側に第2切換弁
51,52,53,54が接続されている。さらに、第
2切換弁51,52,53,54の下流には、第3切換
弁61が接続されており、第3切換弁61には、濃縮管
62が設けられるとともに、メインカラム63を介して
定量装置64が接続されている。
【0020】また、第1切換弁41,42,43,44
には、試料ガス(S)を導入する試料ガス源45及び試
料ガスの流量を測定する流量計46が設けられるととも
に、前記計量管31,32,33,34で計量した試料
ガスをプレカラム21,22,23,24側に搬送する
ためのキャリヤーガス(C)を供給する第1キャリヤー
ガス供給源71,72,73,74が、それぞれ流量調
節器71a,72a,73a,74aを介して接続され
ている。
【0021】さらに、第2切換弁51,52,53,5
4には、該第2切換弁51,52,53,54の下流側
配管内の被分析ガスを濃縮管62に向けて搬送するため
のキャリヤーガス(C)を供給する第2キャリヤーガス
供給源81,82,83,84が、それぞれダミーカラ
ム81a,82a,83a,84aを介して接続されて
おり、第3切換弁61には、濃縮管62内に濃縮された
被分析ガスをメインカラム63を経て定量装置64に搬
送するためのキャリヤーガス(C)を供給する第3キャ
リヤーガス供給源65が流量調節器65aを介して接続
されている。
【0022】なお、プレカラム21,22,23,24
で分離した主成分は、第2切換弁51,52,53,5
4からチョークカラム55を経て排出するように形成さ
れている。また、各キャリヤーガス供給源からのキャリ
ヤーガスの供給量は、略同一になるように設定されてい
る。
【0023】次に、上記実施例装置を用いて試料ガス中
の微量成分を分析する手順を説明する。なお、ここで
も、前記同様に、プレカラムでの分離において、主成分
の方が被分析成分よりもプレカラムからの流出時間が遅
く、かつ、両ピークの重なりがない場合を例にとって説
明する。
【0024】まず、全ての切換弁を図に示す実線側の流
路に切換えて試料ガス及びキャリヤーガスの導入を開始
する。試料ガス源45からの試料ガスは、1番目の第1
切換弁41を経て1番目の計量管31を流れた後、再び
1番目の第1切換弁41を通って2番目の第1切換弁4
2に至り、同様に2番目の計量管32を流れる。以下、
同様に3番目の第1切換弁43,3番目の計量管33,
4番目の第1切換弁44,4番目の計量管34を流れた
後、流量計46を通って排出される。
【0025】また、第1キャリヤーガス供給源71,7
2,73,74から供給されるキャリヤーガスは、それ
ぞれ第1切換弁41,42,43,44からプレカラム
21,22,23,24を通過した後に合流して第3切
換弁61を通り、濃縮管62を流れて再度第3切換弁6
1を通過して排出される。第2キャリヤーガス供給源8
1,82,83,84からのキャリヤーガスは、それぞ
れ第2切換弁51,52,53,54からチョークカラ
ム55を通って排出され、第3キャリヤーガス供給源6
5からのキャリヤーガスは、第3切換弁61からメイン
カラム63を通過して定量装置64に流れている。
【0026】この状態で1番目の第1切換弁41を図の
破線側の流路に切換えると、計量管31部分(前後の配
管内も含む)にて計量された所定量の試料ガスが、1番
目の第1キャリヤーガス供給源71から供給されるキャ
リヤーガスに同伴されて1番目のプレカラム21に導入
され、被分析成分と主成分との分離が行われる。キャリ
ヤーガスに同伴されてプレカラム21から先に導出した
被分析成分は、1番目の第2切換弁51,第3切換弁6
1を経て濃縮管62に導入され、該濃縮管62内の充填
剤に捕集される。
【0027】プレカラム21から導出されるガス中に被
分析成分がなくなり、主成分のみとなったら、1番目の
第2切換弁51を破線側の流路に切換えて主成分をチョ
ークカラム55から排出する。このとき、第2切換弁5
1から先の配管内の被分析成分は、第2キャリヤーガス
供給源81から供給されるキャリヤーガスに同伴され、
第3切換弁61を経て濃縮管62に導入される。
【0028】上記1番目のプレカラム21での分離操作
中でも、試料ガスは、2番目以下の第1切換弁42,4
3,44及び計量管32,33,34を流れているの
で、適当な時間後に2番目の第1切換弁42を破線側流
路に切換えると、2番目の計量管32部分で計量された
試料ガスが2番目の第1キャリヤーガス供給源72から
供給されるキャリヤーガスに同伴されて2番目のプレカ
ラム22に導入され、前記同様に被分析成分と主成分と
の分離が行われ、被分析成分が濃縮管62に捕集されて
濃縮される。
【0029】以下、適当なタイミングで3番目以後の第
1切換弁43,44を破線側流路に切換えることによ
り、それぞれのプレカラム23,24での被分析成分と
主成分との分離操作及び被分析成分の濃縮管62への導
入濃縮を行うことができる。
【0030】なお、全ての第1切換弁を同時に切換えて
各プレカラムで同時に分離操作を開始することもできる
が、弁の切換えにより生じるガス流れの乱れが大きくな
るので、所定のタイミングで順次分離操作を開始するこ
とが好ましい。
【0031】一方、上記2番目以下のプレカラム22,
23,24で分離操作を行っている間、1番目のプレカ
ラム21には、1番目の第1キャリヤーガス供給源71
からのキャリヤーガスが1番目の第1切換弁41を介し
て供給されており、該プレカラム21内に残留している
主成分がキャリヤーガスによりパージされる。このと
き、1番目の第1切換弁41は、実線側流路,破線側流
路のいずれの状態でもよいが、試料ガスの計量を繰り返
して行う場合には、実線側流路に切換えておく。
【0032】上述の分離・濃縮操作を更に繰り返す場合
は、1番目のプレカラム21内の主成分の流出が完全に
終了した時点で1番目の第1切換弁41を実線側から破
線側の流路に切換えるとともに、1番目の第2切換弁5
1を破線側から実線側の流路に切換える。これにより、
1番目の計量管31で計量された試料ガスが1番目のプ
レカラム21に導入され、前記同様の分離操作及び濃縮
操作が行われる。
【0033】このように4個のプレカラム21,22,
23,24を使用して順次分離操作を行い、被分析成分
を濃縮管62内に濃縮した後、第3切換弁61を破線側
流路に切換えて第3キャリヤーガス供給源65からのキ
ャリヤーガスを濃縮管62に導入するとともに、濃縮管
62内に捕集されている被分析成分を脱着させ、メイン
カラム63で被分析成分を単成分に分離して定量装置6
4で定量分析を行う。
【0034】上記のように4個のプレカラムを設置する
ことにより、4回分の分離・濃縮操作を並行して略同時
に行うことができるので、従来に比べて分離濃縮に要す
る時間を約1/4にすることが可能となる。したがっ
て、濃縮率や被分析成分及び主成分の流出速度に応じて
プレカラムの設置数を決定すれば、短時間で分離・濃縮
操作を終えることができ、微量成分の分析を迅速に行う
ことができる。但し、プレカラムの設置数を無闇に多く
すると配管が複雑になり、弁の数も多くなって装置コス
トが増大するので、時間短縮効果や装置構成等を勘案し
て適当な数のプレカラムを設置することが好ましい。
【0035】ここで、プレカラムの数をn、一つのプレ
カラムにおける分離操作開始から主成分のパージ操作が
終了するまでの時間(分離操作時間)をTr、第2切換
え弁の切換え時間、すなわちプレカラムから被分析成分
が完全に流出するまでの時間をTaとし、第1切換え弁
の切換えタイミング、すなわちi番目の計量管で試料ガ
スを計量してプレカラムに導入してからΔT時間後に次
の(i+1)番目の計量管で試料ガスを計量してプレカ
ラムに導入するとした場合についての時間短縮効果を説
明する。
【0036】まず、1番目のプレカラムに注目すると、
第1切換え弁を切換えて分離操作を開始し、被分析成分
と主成分とを分離した後、主成分のパージ操作が終了す
るまでにTr時間かかるから、2回目の分離操作の開始
時間はTr時間後、3回目の分離操作の開始時間は(T
r×2)時間後になり、分離操作をm回繰り返すとすれ
ば、m回目の分離操作の開始時間は(Tr×(m−
1))時間後になる。そして、m回目の分離操作で被分
析成分がプレカラムから流出し終える時間は(Tr×
(m−1)+Ta)となる。
【0037】一方、2番目のプレカラムでは、1番目の
プレカラムからΔT時間後に分離操作を開始するので、
2番目のプレカラムの1回目の分離操作の開始は、分析
開始からΔT時間後になり、2回目の分離操作の開始時
間は(Tr+ΔT)時間後になる。したがって、m回目
の分離操作の開始時間は(Tr×(m−1)+ΔT)時
間後になる。また、3番目のプレカラムにおけるm回目
の分離操作の開始時間は(Tr×(m−1)+ΔT×
2)時間後になり、n番目のプレカラムにおけるm回目
の分離操作の開始時間は(Tr×(m−1)+ΔT×
(n−1))時間後になる。そして、n番目のプレカラ
ムにおいて、m回目の分離操作で被分析成分がプレカラ
ムから流出し終える時間、すなわち分離操作の終了時間
は、(Tr×(m−1)+ΔT×(n−1)+Ta)時
間後となる。
【0038】例えば、前記分離操作時間Trを10分、
プレカラムから被分析成分が完全に流出するまでの時間
Taを2分、第1切換弁の切換えタイミングΔTを12
秒(0.2分)とし、感度を200倍に上げるために分
離・濃縮操作を200回行うとした場合、プレカラムを
50個有する装置(n=50)では、各プレカラムでの
繰り返し回数mが4となるので、(Tr×(m−1)+
ΔT×(n−1)+Ta)=(10×(4−1)+0.
2×(50−1)+2)=41.8となり、41.8分
で200回の分離・濃縮操作を終了できることになる。
【0039】また、プレカラムが10個の装置(n=1
0)では、各プレカラムでの繰り返し回数mが20とな
るので、(Tr×(m−1)+ΔT×(n−1)+T
a)=(10×(20−1)+0.2×(10−1)+
2)=193.8となり、193.8分で200回の分
離・濃縮操作を終了できることになる。
【0040】一方、従来のプレカラムが1個の装置の場
合は、単純に分離操作時間Trに分離濃縮操作の回数を
掛けた時間になるから、この場合は、10×200=2
000となり、分離・濃縮操作に2000分の時間を要
することになる。
【0041】このように、プレカラムを並列にn個設け
て各プレカラムで濃縮操作を行うことにより、分離・濃
縮操作に要する時間を従来に比べて約1/nにすること
が可能となる。これにより、プレカラムのパージに十分
な時間をとれるので、定量装置に悪影響を及ぼすような
ガスを主成分とする場合、例えば、半導体材料ガスを主
成分とするガス中に含まれる微量の不純物を定量する場
合でも、定量装置に悪影響を及ぼす主成分が定量装置内
に導入されることを確実に防止できる。
【0042】また、本実施例装置では、第2切換弁5
1,52,53,54から導出したガスが合流して第3
切換弁61を通るため、第3切換弁61や濃縮管62に
は、他の流路に比べて4倍の流量でガスが流れることに
なる。したがって、このままの状態で濃縮管62内に捕
集した被分析成分を脱着し、メインカラム63を通して
定量装置64にガスを流すと、ガス量が多すぎることに
なる。すなわち、通常のこの種の分析機器では、ガスの
流量を毎分20〜30mlに設定しているので、各プレ
カラム21,22,23,24におけるガスの流量を毎
分20〜30mlとすると、メインカラム63から定量
装置64に流れるガス量が毎分80〜120mlにな
り、定量装置64の設定流量を大幅に超えてしまう。
【0043】このようなことから、本実施例では、第3
切換弁61に六方弁を使用し、該六方弁に、第2切換弁
からの合流流路61a,濃縮管62の両端の流路62
a,62b、メインカラム63への流路63a、第3キ
ャリヤーガス供給源65からの流路61b、及び排気流
路61cを、それぞれ切換え可能に接続し、濃縮操作時
には、第2切換弁からの合流流路61aからの被分析成
分を同伴したキャリヤーガスを流路62a,濃縮管6
2,流路62b,排気流路61cの順に流し、分析操作
時には、六方弁を切換えることにより、第3キャリヤー
ガス供給源65から流路61bにより供給される所定流
量、例えば毎分30mlのキャリヤーガスを流路62
a,濃縮管62,流路62b,流路63aの順に流し、
濃縮管62からの脱着ガスを所定流量のキャリヤーガス
でメインカラム63から定量装置64に送るようにして
いる。これにより、定量装置64における所定流量のキ
ャリヤーガスを1個の弁の切換えだけで得ることがで
き、操作性の向上や分析精度の向上が図れる。
【0044】さらに、上記実施例装置では、第1キャリ
ヤーガス供給源71,72,73,74に、それぞれ独
立して流量を調節することができる流量調節器71a,
72a,73a,74aを設けているので、各プレカラ
ム21,22,23,24を流れるガスの流量を各プレ
カラムで略同一にすることができる。これにより、分離
操作における切換タイミングを各プレカラム21,2
2,23,24で略同一にすることができ、切換タイミ
ングの設定を容易に行うことができる。なお、各プレカ
ラム21,22,23,24を流れるガスの流量は、そ
れぞれの流路の抵抗を等しくすることによっても略同一
にすることができるが、各カラムに充填する充填剤の密
度を全て同一にする必要があり、極めて困難である。ま
た、流量調節器としては各種のものを用いることができ
るが、精密な調節が可能なニードルバルブが好適であ
る。
【0045】
【実験例】主成分としてのアルシンを約10%含む水素
ベースの試料ガス中に含まれる微量のホスフィンの分析
を行った。なお、定量装置64には質量分析計を使用
し、試料ガスの流量は毎分100mlとし、キャリヤー
ガスにはヘリウムを使用して毎分25mlの流量で用い
た。また、各カラム内にはガスクロ充填剤ポーラスポリ
マービーズ(Waters社製ポラパックN)を充填し
た。このカラムにおけるホスフィンの通過速度は約70
秒であり、アルシンの通過速度は約10分である。さら
に、濃縮管62には、上記ポーラスポリマービーズを充
填し、濃縮操作時には、該濃縮管62を液体窒素で−1
96℃に冷却し、分析操作時にはヒーターで約100℃
に加熱して被分析成分を脱着させた。
【0046】そして、図1に示す4個のプレカラムを有
する構成の実施例装置と、前記図2に示すプレカラムが
1個の従来例装置において、前記分離操作時間を10
分、第1切換弁の切換え時間を6秒として分離・濃縮操
作を12回行った後、ホスフィンを分析した。この分析
操作をそれぞれ3回ずつ行った結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1に示す結果から、ホスフィンの分析結
果は両者共略同じでありながら、本実施例装置では、全
測定時間が従来例装置の約1/3に短縮されていること
が判る。なお、分離・濃縮操作のみに要した時間は、濃
縮管62の冷却や加熱に要する時間、分析時間等を差し
引くと、約1/4であった。また、従来例装置において
分離操作時間を短くすると、プレカラム内に残留してい
たアルシンが次回の濃縮操作時にホスフィンと共に濃縮
管に流入して吸着濃縮され、定量時にアルシンの大きな
ピークがチャート上に生じ、このアルシンの大きなピー
クの影響でベースラインが乱れて高感度な分析を行うこ
とができなかった。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の濃縮分析
方法及び装置は、主成分と微量の被分析成分とを分離す
る分離手段であるプレカラムを並列に複数個設け、各プ
レカラムでそれぞれ被分析成分の分離を行うようにした
ので、分離・濃縮操作に要する時間を大幅に短縮するこ
とが可能となり、微量成分の分析効率を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の濃縮分析装置の一実施例を示す系統
図である。
【図2】 従来の濃縮分析装置の一例を示す系統図であ
る。
【符号の説明】
21,22,23,24…プレカラム 31,32,33,34…計量管 41,42,43,44…第1切換弁、45…試料ガス
源、46…流量計 51,52,53,54…第2切換弁 61…第3切換弁、62…濃縮管、63…メインカラ
ム、64…定量装置、65…第3キャリヤーガス供給源 71,72,73,74…第1キャリヤーガス供給源 71a,72a,73a,74a…流量調節器 81,82,83,84…第2キャリヤーガス供給源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分中に微量の被分析成分を含む試料
    ガス中の被分析成分を濃縮して分析する方法において、
    キャリヤーガスに同伴された所定量の試料ガスを複数個
    が並列に設けられたプレカラムに導入して主成分と被分
    析成分とを分離し、各プレカラムからキャリヤーガスに
    同伴されて導出した被分析成分を濃縮管に導入して被分
    析成分を濃縮した後、該濃縮管内に濃縮した被分析成分
    を脱着し、キャリヤーガスに同伴させてメインカラムに
    導入し、該メインカラムで被分析成分を単成分に分離し
    て定量することを特徴とする濃縮分析方法。
  2. 【請求項2】 主成分中に微量の被分析成分を含む試料
    ガス中の被分析成分を濃縮して分析する装置において、
    キャリヤーガスに同伴された所定量の試料ガスの主成分
    と被分析成分とを分離する並列に設置された複数のプレ
    カラムと、各プレカラムからキャリヤーガスに同伴され
    て導出した被分析成分を順次導入して濃縮する濃縮管
    と、該濃縮管からキャリヤーガスに同伴されて導出した
    被分析成分を単成分に分離するメインカラムと、該メイ
    ンカラムで単成分に分離してキャリヤーガスに同伴され
    て導出した被分析成分を定量する定量装置とを備えたこ
    とを特徴とする濃縮分析装置。
  3. 【請求項3】 前記濃縮管は、前記複数のプレカラムか
    らの合流流路と、前記メインカラムへの流路と、該濃縮
    管に濃縮された被分析成分をメインカラム方向に搬送す
    るキャリヤーガスの流路と、排気流路とを切換え可能な
    六方弁に接続されていることを特徴とする請求項2記載
    の濃縮分析装置。
  4. 【請求項4】 前記複数のプレカラムに供給するキャリ
    ヤーガスは、各プレカラム毎に独立して流量を調節可能
    な流量調節手段を介して供給されることを特徴とする請
    求項2記載の濃縮分析装置。
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