JP3103943B2 - 一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の分析方法 - Google Patents

一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の分析方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料ガス中の微量の一
酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO)を定量分析す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体の製造分野では、使用する
高純度ガス中に一酸化炭素や二酸化炭素が存在すると悪
影響があるとされている。そこで、従来はメタン化ガス
クロ法により、微量の一酸化炭素や二酸化炭素を分析し
ていた。これは、前記高純度ガスを試料ガスとして計量
管に流しておき、計量管内の試料ガスをキャリヤーガス
に同伴させて分離カラムに導入して一酸化炭素と二酸化
炭素を含む単成分に分離し、分離カラムから導出するガ
スに水素ガスを添加した後、ニッケル触媒筒に導入して
一酸化炭素,二酸化炭素をメタン化し、次いで水素炎イ
オン化検出器(FID)でメタン量を測定して一酸化炭
素及び二酸化炭素を定量するものである。なお、FID
による分析法では、感度の向上、安定性等の点で、キャ
リヤーガスとして窒素ガスが最適に用いられている。ま
た、計量管は通常1〜5ccの容量のものが用いられ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の分析方法では、試料ガス中の一酸化炭素,二酸化
炭素の濃度は、0.1ppm程度が測定限界である。一
方、最近では、半導体デバイスの高集積化に伴って、p
pb,pptレベルの極めて微量な一酸化炭素,二酸化
炭素であっても測定できることが望まれている。
【0004】この点で、試料ガス中の被分析成分を濃縮
して分析する方法が求められるが、一酸化炭素,二酸化
炭素については、行われていないのが実情である。即
ち、このような濃縮分析法を行うには、少なくとも、濃
縮時に、試料ガス中の被分析成分が濃縮管内の吸着剤に
確実かつ迅速に吸着されること、そして濃縮後の脱着時
に、被分析成分が吸着剤から確実かつ迅速に脱着される
ことが必要であるが、一酸化炭素,二酸化炭素について
は、従来はこれらの条件を満たすことができなかった。
【0005】そこで、本発明者らは前記実情に鑑み、一
酸化炭素及び二酸化炭素の濃縮分析法につき種々考究し
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】この結果、活性アルミナ
を用いることにより一酸化炭素を、また、ポーラスポリ
マービーズ、例えばポラパックQ(商品名;米国WAT
ERS社製)を用いることにより二酸化炭素を、それぞ
れ高精度に測定できること、更にこれらの吸着剤を組み
合わせ、かつ、試料ガスとキャリヤーガスの流し方を工
夫することにより、一酸化炭素と二酸化炭素を一度に精
度良く測定できることを見出した。本発明はかかる知見
に基づいてなされたものである。
【0007】即ち、本発明の一酸化炭素及び/又は二酸
化炭素の分析方法は、被分析成分として一酸化炭素及び
/又は二酸化炭素を含む試料ガスを、低温のポーラスポ
リマービーズ、低温の活性アルミナの順に接触させて該
試料ガス中の被分析成分をこれらに低温吸着させて濃縮
し、次いで該ポーラスポリマービーズ及び活性アルミナ
を加熱して被分析成分を脱着させるとともに、脱着した
被分析成分を活性アルミナ側から導入したキャリヤーガ
スに同伴させて分離カラムに導入して単成分に分離し、
次いでメタン化して定量することを特徴とする。
【0008】また、上記発明は、前記キャリヤーガスと
して、該キャリヤーガスに水素ガスを添加し、該キャリ
ヤーガスに微量含まれる一酸化炭素,二酸化炭素をメタ
ン化したものを用いること、あるいは、窒素ガスと水素
ガスとの混合ガスを用いることができる。
【0009】
【実施例】 以下、本発明方法を図面に示す実施例に基づ
いてさらに詳述する。
【0010】図1は、本発明方法を実施するのに適した
濃縮分析装置の一例を示すもので、第1検出器D1と第
2検出器D2を備えた周知のデュアルカラム方式を採用
したものである。これらの検出器D1,D2はともにF
IDであり、第1検出器D1は第2検出器D2の参照用
として利用される。
【0011】キャリヤーガス源Cのキャリヤーガスは、
第1減圧弁G1で所定の圧力に減圧された後分岐し、一
方は、第2減圧弁G2で更に減圧され、以下に説明する
操作に関係なく、常に第1分離カラム1を介して第1検
出器D1に供給され、他方は、第3減圧弁G3で減圧
後、第1切換コック2を介して最終的には第2検出器D
2に供給される。なお、キャリヤーガスとしては、通
常、高純窒素ガスが用いら れる。
【0012】また、この濃縮分析装置は、ガス流路を切
換える切換コックとして第1切換コック2と第2切換コ
ック3を備えており、両コック2,3は共にシール付き
コックとして大気の透過に対する気密性を高めている。
【0013】図に示すように、前記両コック2,3は連
絡管2a,2bで連絡され、第1切換コック2には、前
記第3減圧弁G3,第1減圧弁G1を介してキャリヤー
ガス源Cが,流量調節弁4を介して試料ガス源Sが,積
算流量計Mを介して排気管5が,第2分離カラム6及び
ニッケル触媒筒7を介して第2検出器D2が、それぞれ
接続され、前記第2分離カラム6とニッケル触媒筒7の
間には、流量調節弁8a,流量計8bを介して水素ガス
源Hが設けられている。なお、前記第2分離カラム6に
は、一酸化炭素と二酸化炭素を分離可能な吸着剤、例え
ば前記ポーラスポリマービーズが充填されており、第1
分離カラム1にも同様のものが充填されている。
【0014】第2切換コック3には、濃縮管21の両端
の管9a,9bが接続されており、濃縮管21は、内部
に被分析成分の吸着に適した吸着剤が充填されると共
に、該吸着剤を冷却するための冷却器11と加熱するた
めの加熱器12とが備えられている。
【0015】前記濃縮管21内には、通気性の区画壁2
2が設けられ、試料ガス導入時に上流側となる区画23
内にポーラスポリマービーズを充填し、下流側となる区
画24内に活性アルミナを充填している。なお、両吸着
剤が混合するおそれが無ければ、区画壁22は設けなく
ても良い。
【0016】また、冷却器11による濃縮管21の冷却
温度は、通常、キャリヤーガスとして窒素ガスを用いる
ことから、窒素ガスの液化温度以上とする。一般に、吸
着剤は低温になるほど吸着性能が高まるが、一方、寒冷
に要する動力が増加するので 、実用的な見地から冷却時
の温度はマイナス175℃〜マイナス130℃、特にマ
イナス165℃〜マイナス140℃が望ましい。加熱器
12による濃縮管21の加熱温度は、周知のこの種の濃
縮分析装置と同様に80℃〜200℃とし、過熱による
吸着剤の劣化、設備や運転コストの上昇を抑えるため最
高でも200℃以下とすべきである。
【0017】上記構成において、まず、両切換コック
2,3を図の実線側に切換え、試料ガス源Sからの試料
ガスを積算流量計Mを介して排気し、キャリヤーガス
を、管2a,9b,濃縮管21の区画24,23,管9
a,2b,第2分離カラム6,ニッケル触媒筒7を介し
て第2検出器D2に導入して排気する。この状態では何
も検出されないので、第2検出器D2の出力を第1検出
器D1の出力に一致させる(パージ工程)。
【0018】次に、第2切換コック3を実線側とし、濃
縮管21を冷却した状態で、第1切換コック2を破線側
に切り換えて、所定量の試料ガスを、管2b,9aを介
して区画23内のポーラスポリマービーズ側から区画2
4内の活性アルミナに向けて流すと、試料ガス中の二酸
化炭素は、ポーラスポリマービーズに全量が吸着し、一
酸化炭素はポーラスポリマービーズにほとんど吸着され
ずに通過して活性アルミナに全量が吸着し、両者の濃縮
が行われる。このとき、キャリヤーガスは、直接第2分
離カラム6に流れ、前記同様に第2検出器D2に導入さ
れた後、排気される(濃縮工程)。
【0019】濃縮工程終了後、第1切換コック2を実線
側に切り換えて、キャリヤーガスを管2a,管9bを介
して区画24内の活性アルミナ側から区画23内のポー
ラスポリマービーズに向けて流しつつ濃縮管21を加熱
する。これにより、活性アルミナから一酸化炭素が、ポ
ーラスポリマービーズから二酸化炭素が脱着する(脱着
工程)。
【0020】脱着された一酸化炭素及び二酸化炭素は、
キャリヤーガスに同伴されて第2分 離カラム6に導入
し、一酸化炭素と二酸化炭素及びその他の不純物に分離
した後、所定量の水素ガスを添加し、ニッケル触媒筒7
内で一酸化炭素,二酸化炭素をメタンガスに変換し、第
2検出器D2に導入して定量される。この検出値と、前
記濃縮工程での試料ガス量(積算流量計Mで算出)とか
ら一酸化炭素,二酸化炭素の濃度を定量することができ
る(定量工程)。
【0021】このように、この方法によれば、試料ガス
中の被分析成分が一酸化炭素又は二酸化炭素のみであっ
ても勿論、一酸化炭素と二酸化炭素の両者であっても同
時に測定することが可能となる。
【0022】なお、上記操作において、濃縮管21から
の加熱脱着は、キャリヤーガスを流しながら行うことが
重要である。もし、濃縮管21に閉回路を形成して脱着
を行うと、ポーラスポリマービーズから脱着した二酸化
炭素が活性アルミナに再吸着し、二酸化炭素は正確に測
定できなくなる。したがって、この点で、本実施例で
は、第2切換コック3の実線部に相当する管を濃縮管2
1に接続し、第2切換コック3自体を省略することがで
きる。
【0023】また、前記ポーラスポリマービーズと活性
アルミナとを混合して濃縮管21内に充填すると、活性
アルミナに対する吸着能の強い二酸化炭素が活性アルミ
ナに吸着した後脱着不十分となり、二酸化炭素は定量で
きない。また、濃縮管21へのキャリヤーガスと試料ガ
スの流し方を同一方向にしても測定できない。例えば、
脱着時にキャリヤーガスを試料ガスと同方向、即ち、ポ
ーラスポリマービーズ側から流すと、ポーラスポリマー
ビーズから脱着した二酸化炭素が、濃縮管21が加熱状
態であっても、活性アルミナに吸着してその後脱着せ
ず、また、濃縮時に、試料ガスをキャリヤーガス側、即
ち、活性アルミナ側から導入すると、二酸化炭素が活性
アルミナに吸着した後脱着されず分析できない。従っ
て、上記のように濃縮時と脱着時でガスの流れ方向を逆
にすることにより、一酸化炭素と二酸化炭素を同時に濃
縮して分析することが可能となる。
【0024】ここで、上記図1に示す装置を用いて本発
明の濃縮分析法の有効性を確認する実験を行った結果を
説明する。なお、濃縮管21には内径3mm、長さ15
0mmの管を使用し、管内の区画23にポラパックQ,
区画24に活性アルミナをそれぞれ0.2g充填した。
ポラパックQ,活性アルミナの充填層の長さは共に40
mmである。また、濃縮時の濃縮管21の冷却温度はマ
イナス150℃、脱着時は3分間で150℃になるよう
に調整した。
【0025】窒素ガス中に一酸化炭素を150ppb
(0.15ppm),二酸化炭素を410ppb含む標
準ガスを、それぞれ1リットル,2リットル,4リット
ル流して濃縮工程を行い分析したときの結果を図3に示
す。なお、前記一酸化炭素,二酸化炭素の濃度は従来法
による測定値、即ち容量5ccの計量管内の標準ガスを
キャリヤーガスに同伴させて分析したものである。図2
は、1リットルの濃縮を基準とし、1リットル濃縮した
ときの一酸化炭素,二酸化炭素の濃度を150ppb,
410ppbとして表示したものであるが、実際には、
従来の5ccに対し、1リットルの量で測定しているの
で、200倍の濃度での分析結果を示している。4リッ
トルの濃縮では、800倍の高濃度での分析結果を示し
ている。
【0026】図2から明らかなように、濃縮量と濃度の
関係は原点を通る直線上に乗っており、濃縮管での捕集
効率が一定であることを示す。このことから、前記濃度
の標準ガスの場合は、4リットルの高濃縮まで正確に定
量できることが判る。
【0027】次に図3は、従来法では定量不能な微量の
二酸化炭素を含む高純水素ガスを用い、該高純水素ガス
を10リットル,30リットル,50リットル濃縮して
分析した結果を示す。なお、濃度は、図3の1リットル
濃縮を行ったときの値をもとに検量線を作成して算出し
たものである。
【0028】図3から明らかなように、濃縮量と濃度の
関係は原点を通る直線になり、50リットルの濃縮まで
定量できることが判る。従って、前記5ccの計量管を
用いる従来法に比べ10000倍高感度に分析できるこ
とが判る。
【0029】上記濃縮分析により、試料ガス中の極微量
の一酸化炭素及び/又は二酸化炭素を高感度に測定でき
るが、この程度になると、キャリヤーガス中に極微量に
含まれる一酸化炭素,二酸化炭素等の炭素化合物の存在
が無視できなくなる。即ち、濃縮分析法においては、濃
縮時以外のパージ工程等では、キャリヤーガスを濃縮管
に流すので、キャリヤーガス中に極微量の一酸化炭素,
二酸化炭素が含まれていても、これらが濃縮され定量さ
れてしまう。また、配管途中から侵入する空気中の二酸
化炭素も無視できない。
【0030】従って、一酸化炭素や二酸化炭素を極微量
まで測定する場合には、キャリヤーガス中の一酸化炭素
や二酸化炭素、あるいは配管途中から侵入する大気中の
二酸化炭素が濃縮管に至らないようにする配慮が必要で
ある。
【0031】このようなことから、配管等のシールを十
分に行い、切換コックに周知のシール付きのコックを用
いて大気の侵入を確実に防止するとともに、キャリヤー
ガス供給系統にモレキュラシーブスを充填した吸着筒を
設けて、一酸化炭素や二酸化炭素を吸着除去することが
好ましい。
【0032】上記モレキュラシーブスは、活性アルミナ
よりも一酸化炭素,二酸化炭素に対する吸着性が強く、
確実にこれらを捕集できるが、モレキュラシーブスは一
酸化炭素に対する吸収量が小さく、短時間で破過してし
まう。このため、吸着筒を頻繁に交換して分析精度を維
持する必要があるが、頻繁に交換するのはメンテナンス
が面倒なだけでなく、連続分析を行う際の障害となる。
なお、上記吸着筒をパラレルに複数設けて適宜切り換え
るとも考えられるが装置構成が複雑になるため好ましく
ない。
【0033】そこで、キャリヤーガスに水素ガスを添加
し、該キャリヤーガスに微量含まれる一酸化炭素と二酸
化炭素をメタン化してから用いることにより、キャリヤ
ーガス中の微量の一酸化炭素と二酸化炭素による影響を
排除してより高精度に測定す ることが可能となる。図4
は、この実施例を、前記図1に示した濃縮分析装置に適
用した一実施例を示すものである。
【0034】即ち、第3減圧弁G3の下流側のキャリヤ
ーガス供給管31に、流量調節弁32aと流量計32b
とを介して水素ガス源Haを設けるとともに、該水素ガ
ス供給部より下流側に、Ni触媒筒33とモレキュラシ
ーブス(例えば、MS−5A等)を充填した吸着筒34
を直列に配設したものである。このように、構成したこ
とにより、キャリヤーガス中に一酸化炭素,二酸化炭素
が含まれていても、該一酸化炭素と二酸化炭素をニッケ
ル触媒筒32内でメタン化することができ、生成したメ
タンガスは、濃縮管9内の充填剤にはほとんど吸着され
ず、また、僅かに吸着されても、第2分離カラム6を通
過する際に、一酸化炭素及び二酸化炭素と分離して導出
されるので計測ミスが発生することはない。
【0035】また、吸着筒34は、必要に応じて設ける
もので、大気から侵入した水分や二酸化炭素を吸着除去
して、これらによる測定誤差の発生を防止するととも
に、前段のメタン化装置(Ni触媒筒33)で水分が発
生する場合には、該水分の除去を行う。このとき、キャ
リヤーガス中の一酸化炭素を前段でメタン化させている
ので、一酸化炭素によるモレキュラシーブスの劣化がな
く、長時間にわたって安定して分析することができる。
【0036】ここで、微量の一酸化炭素、二酸化炭素を
含む高純度窒素ガスをキャリヤーガス源Cとして用い、
ニッケル触媒筒33を設けた場合と、設けなかった場合
とで測定を行い、効果の確認を行った。この結果、ニッ
ケル触媒筒33を設けなかった場合には、0.2ppm
の一酸化炭素と0.1ppmの二酸化炭素が検出された
が、ニッケル触媒筒33を設けた場合には両方とも検出
されなかった。従って、キャリヤーガスのメタン化処理
を行うことにより、キャリヤーガス中の一酸化炭素と二
酸化炭素による測定誤差を排除できることが確認でき
た。
【0037】また、図5は、キャリヤーガスとして、窒
素ガスと水素ガスとの混合ガスを用 いることを、前記図
1に示した濃縮分析装置に適用した一実施例を示すもの
で、キャリヤーガス源Cmのキャリヤーガスとして窒素
ガスと水素ガスの混合ガスを用いたものである。キャリ
ヤーガス中の水素ガスの量は、特に限定されるものでは
なく、例えば10%等の適宜な量でよい。
【0038】このように、キャリヤーガスとして窒素ガ
スと水素ガスの混合ガスを用いることにより、第2分離
カラム6の後段の水素ガス添加系統(H)が不要にな
り、さらにキャリヤーガス供給管31にNi触媒筒33
を設けたときは、この部分の水素ガス添加系統(Ha)
も不要になる。さらに、これらの水素添加用の配管を省
略できるので空気の侵入を低減できる。加えて、第2分
離カラム6導出後に水素ガスを添加する系統では、濃縮
時と脱着時とで圧力変動があり、添加水素ガス量が変動
するが、キャリヤーガスとして窒素ガスと水素ガスの混
合ガスを用いることにより、このような問題も解決する
ことができる。
【0039】以上のように、本発明方法によれば、試料
ガス中の一酸化炭素及び/又は二酸化炭素を高感度に測
定することができる。ここで、本発明の対象となる試料
ガスは、その主成分が吸着能力において一酸化炭素,二
酸化炭素より小さく、濃縮時の低温でも液化しないもの
ならば、各種ガスを試料ガスとして分析することが可能
である。但し、主成分が酸素ガスの場合は、水素ガス添
加によるメタン化の際に、水素と反応して大量の水が生
成するので好ましくない。通常、試料ガスとして適して
いるのは、窒素,アルゴン,ヘリウム等の不活性ガス、
及び水素を主成分とするものである。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一酸化炭素及び二酸化炭素を濃縮分析法によって同時に
測定することが可能となり、従来困難だったppb,p
ptレベルの一酸化炭素や二酸化炭素でも高精度に同時
に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法を説明するための濃縮分析装置の
一実施例を示す系統 図である。
【図2】 標準ガスの濃縮量と分析値の関係を示す図で
ある。
【図3】 高純水素ガスの濃縮量と分析値の関係を示す
図である。
【図4】 本発明方法を説明するための濃縮分析装置の
他の実施例を示す系統図である。
【図5】 本発明方法を説明するための濃縮分析装置の
更に別の実施例を示す系統図である。
【符号の説明】
1…第2分離カラム、2…第1切換コック、3…第2切
換コック、6…第2分離カラム、7…Ni触媒筒、21
…濃縮管、23,24…区画、c,Cm…キャリヤーガ
ス供給源、D1,D2…FID検出器、H,Ha…水素
ガス供給源、S…試料ガス供給源、M…積算流量計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−215209(JP,A) 特開 昭61−283324(JP,A) 特開 昭60−71950(JP,A) 特開 平2−203268(JP,A) 特開 昭47−38097(JP,A) 特開 昭52−92588(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/00 - 30/96 G01N 1/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被分析成分として一酸化炭素及び/又は
    二酸化炭素を含む試料ガスを、低温のポーラスポリマー
    ビーズ、低温の活性アルミナの順に接触させて該試料ガ
    ス中の被分析成分をこれらに低温吸着させて濃縮し、次
    いで該ポーラスポリマービーズ及び活性アルミナを加熱
    して被分析成分を脱着させるとともに、脱着した被分析
    成分を活性アルミナ側から導入したキャリヤーガスに同
    伴させて分離カラムに導入して単成分に分離し、次いで
    メタン化して定量することを特徴とする一酸化炭素及び
    /又は二酸化炭素の分析方法。
  2. 【請求項2】 前記キャリヤーガスとして、該キャリヤ
    ーガスに水素ガスを添加し、該キャリヤーガスに微量含
    まれる一酸化炭素及び/又は二酸化炭素をメタン化した
    ものを用いることを特徴とする請求項1に記載の一酸化
    炭素及び/又は二酸化炭素の分析方法。
  3. 【請求項3】 前記キャリヤーガスとして、窒素ガスと
    水素ガスとの混合ガスを用いることを特徴とする請求項
    1に記載の一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の分析方
    法。
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