JPH08865A - 針棒の駆動・停止制御装置 - Google Patents

針棒の駆動・停止制御装置

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Publication number
JPH08865A
JPH08865A JP6138597A JP13859794A JPH08865A JP H08865 A JPH08865 A JP H08865A JP 6138597 A JP6138597 A JP 6138597A JP 13859794 A JP13859794 A JP 13859794A JP H08865 A JPH08865 A JP H08865A
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JP
Japan
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needle bar
piezoelectric element
needle
engaging
sewing machine
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JP6138597A
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English (en)
Inventor
Masanobu Yamaguchi
雅信 山口
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Juki Corp
Original Assignee
Juki Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、ミシン主軸の高速回転時にも針
棒の駆動、停止を正確に制御することができると共に、
発熱や騒音の発生を伴うことのない針棒の駆動・停止制
御装置の提供を目的とする。 【構成】 この発明は、ミシン主軸の回転運動に伴って
昇降運動を行う昇降部材4に対し、針棒1を係合・離脱
させる連結機構5を備え、この連結機構を、針棒に対し
係脱可能に進退するよう前記昇降部材に保持された係合
部材6aと、電圧の供給、遮断を行うことにより両端の
間隔が伸縮する圧電素子8と、この圧電素子における伸
縮量を増幅して前記係合部材の往復動に変換する増幅機
構9と、により構成すると共に、前記係合部材に対して
非係合状態にある針棒を縫い針が針板上方に位置するよ
う保持させる針棒保持機構を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、縫い針の昇降運動を
ミシン主軸を回転させながら停止させ得るようにした針
棒の駆動・停止制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、ミシンにおける針棒は、
クランクロッドなどを始めとする所定の部材を介してミ
シン主軸に連結されており、通常は、ミシン主軸の回転
に同期して昇降動作を行い、搬送される布に順次一定の
ピッチの縫目を形成するようになっている。
【0003】但し、刺繍縫いや仮縫い等のような特殊な
縫いを行う場合には、一縫製工程内で図15に示すよう
に通常のピッチを有する縫目S1と共に、数針分のピッ
チを有する縫目S2を形成する場合もある。
【0004】このような数針分のピッチを有する縫目S
2を形成する場合には、縫い針とミシン主軸との連動関
係を遮断し、縫い針を針板上方に保持させた状態で数針
分の布送りを行うようにする必要があり、これを従来
は、実開(実公)昭56−49573号公報に示すよう
に電磁石を用いて行ったり、特開平3−222990号
公報に示すようにソレノイドを用いて行ったりしてい
た。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような電磁石やソレノイドを用いて針棒の駆動・停止を
制御するようにした従来のミシンにあっては、電磁石や
ソレノイドの応答速度が低い故に高速縫製動作に十分に
対応し得ないという問題があった。
【0006】つまり、電磁石やソレノイドの応答速度
は、通常のミシンによって行われる高速縫製動作におけ
る針棒の昇降速度より遅いため、図15に示すような縫
目S2を形成する場合には、まず、縫目の前端部でミシ
ン主軸の回転を一旦停止させ、その後に電磁石あるいは
ソレノイドを作動させて針棒を上昇位置に保持し、その
状態を保ちながらミシン主軸を回転させて数針分の布搬
送動作を行った後、再びミシン主軸を停止させ、ソレノ
イドあるいは電磁石による針棒停止状態を解除し、再度
ミシン主軸を回転させて通常のピッチで縫製動作を行
う、という煩雑な手順をとらなければならない。従っ
て、このような縫目形成動作を要する製品は一般に生産
性が低く、コスト高になるという傾向があった。
【0007】また、ソレノイドや電磁石は、その作動に
よってかなり大きな音と発熱を伴うため、これによって
作業環境が著しく悪化し、作業者の疲労を増大させると
いう問題もあった。
【0008】この発明は上記従来技術の問題点に着目し
てなされたもので、ミシン主軸を高速回転させながら針
棒の駆動、停止を制御することができると共に、発熱や
騒音の発生を伴うことのない針棒の駆動・停止制御装置
の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、ミシン主軸
の回転運動に伴って昇降運動を行う昇降部材に対し、縫
い針を保持する針棒を係合・離脱させる連結機構を備
え、昇降部材との係合によって針棒をミシン主軸の回転
に同期して昇降駆動させると共に、針棒と昇降部材との
係合を解除することにより針棒の昇降運動をミシン主軸
に対して独立に停止させるようにした針棒の駆動・停止
制御装置において、前記増幅機構を、針棒に対し係脱可
能に進退するよう前記昇降部材に保持された係合部材
と、電圧の供給、遮断を行うことにより両端の間隔が伸
縮する圧電素子と、この圧電素子における伸縮量を増幅
して前記係合部材の往復動に変換する増幅機構と、によ
り構成すると共に、前記係合部材に対して非係合状態に
ある針棒を縫い針が針板上方に位置するよう保持させる
針棒保持機構を設けたものである。
【0010】そして、前記針棒保持機構としては、針棒
の上端に設けた磁性体と、この磁性体を吸引する磁力発
生手段とによって構成することができ、さらにこの磁力
発生手段としては、例えば、針棒が上死点にある時、針
棒の上端部に設けた磁性体を吸着させる永久磁石によっ
て構成することができる。
【0011】また、前記増幅機構としては、圧電素子を
その両端に接するよう接合させる接合部と、この接合部
の幅を変化させることによって支点部を中心に移動する
作用部とを有し、前記作用部から支点部に至る距離間隔
を前記嵌合部から支点部に至る距離間隔より大なる間隔
に形成してなるものとし、この作用部の移動によって昇
降部材を針棒に対して進退させるようにすることが考え
られる。
【0012】さらに、一縫製動作工程における縫い針の
昇降動作開始タイミングと昇降動作停止タイミングを入
力手段によって設定し、その設定したタイミングに応じ
て、圧電素子に対する電圧の供給、遮断を制御手段によ
って自動的に制御するようにしても良い。
【0013】
【作用】この発明において、ミシン主軸が回転すると、
それに伴って昇降部材とこれに保持された係合部材とが
共に昇降するようになっており、係合部材と針棒とが係
合状態にある時には係合部材と共に針棒が昇降し、ま
た、係合部材と針棒とが非係合状態にある時には針棒は
昇降動作を停止する。この針棒に対する係合部材の係脱
は、係合部材を針棒に対して進退させることによって行
うが、その動作は増幅機構を介して増幅される圧電素子
の伸縮によって行われる。従って、係合部材の進退は圧
電素子によって高速に行うことが可能となり、ミシン主
軸を高速回転させながら縫製動作を行う場合にも、適正
なタイミングで係合部材と針棒との係脱、すなわち針棒
の駆動・停止を制御することができる。しかも圧電素子
の駆動時には音や熱が発生しないため、作業環境が悪化
することもない。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず、この発明の第1実施例を図1ないし図8に基
づき説明する。図1はこの実施例に適用する本縫いミシ
ンのミシンアームMの面板を取り外した状態を示す外観
斜視図、図2は図1に示したものの要部拡大斜視図、図
3は図2に示した連結機構の正面図、図4は側面図であ
る。
【0015】各図において、1はミシンアームMに固定
された円筒状の針棒メタルMaによって昇降自在に支持
された針棒であり、その先端部には縫い針2が着脱可能
に固定されている。また、3は図外のミシン主軸の回転
に伴って昇降するクランクロッドであり、このクランク
ロッド3の下端部には昇降部材としての針棒抱き4が回
動自在に連結されている。この針棒抱き4は環状をな
し、図2(a)に示すようにその中心部に形成された挿
通孔4aには、前記針棒1が遊挿されている。また、こ
の針棒抱き4の周面には、前記挿通孔4aに連通する貫
通孔4b,4cが左右に相対向して形成されている。
【0016】また、5は前記針棒1と針棒抱き4との連
結・遮断を行う連結機構である。この連結機構5は、前
記針棒抱き4の一対の貫通孔4b,4cにそれぞれ挿通
される一対の係止ピン(係合部材)6a,6aと、この
係止ピン6a,6aを針棒1の周面に対して圧接、離間
させる圧電アクチュエータ7とからなる。
【0017】このうち、圧電アクチュエータ7は、所定
の電圧を加えることによって両端部8a,8bの間隔が
伸長する圧電素子8と、この圧電素子8の両端部8a,
8bの間隔の伸長量を増幅する増幅機構9とによって構
成されており、増幅機構9は図3及び図4に示すような
形状をなしている。すなわち、ここに示す増幅機構9
は、上下に延出する左辺部9aと右辺部9b、及びこれ
らを所定の対向間隔を介して接続する接続部9cとから
なり、各部9a,9b,9cは可撓性部材によって一体
に形成されている。そして、両片部9a,9bの上端部
(接合部)9a1,9b1には、前記圧電素子8の両端
部8a,8bが接合されている。
【0018】また、左右両辺部9a,9bの中間部に
は、軸9dが抜脱不能に遊挿されており、その中間部に
は、前記針棒1を昇降可能に挿通させる挿通孔9d1が
形成されている。そして、左右両辺部9a,9bの下端
部(作用部)9a2,9b2には前記係合ピン6a,6
aが固定されており、各係合ピン6a,6aは、前記針
棒抱き4に形成された一対の挿通孔4b,4cに遊挿さ
れている。なお、各係合ピン6a,6aは、前記左辺部
9a及び右辺部9bが定常位置にある時、前記各係合ピ
ン6a,6aの一端部が針棒1の周面から僅かに離間す
るような長さに設定されている。
【0019】また、前記両辺部における下端部9a2,
9b2から接続部9cの屈曲点Pa,Pbに至る距離間
隔は、前記上端部9a1,9a2から屈曲点Pa,Pb
に至る距離間隔の数倍の距離間隔に設定されており、屈
曲点Pa.Pbを支点に上端部9a1,9b1の間隔を
伸縮させることにより、その伸縮量の数倍の変化量をも
って下端部9a2,9b2の間隔が伸縮するようになっ
ている。
【0020】なお、図1において、10はミシンアーム
Mに昇降自在に支持された押え棒であり、その下端に
は、布を押える押え脚11が軸着され、ばね12によっ
てよって常時下方へ付勢されている。また、13はこの
押え棒を上昇状態あるいは下降状態に保つための押え上
げレバーである。
【0021】また、図5は前記針棒が前記針棒抱き4に
対して解除された状態にある時、針棒を上死点に保持す
るようにした針棒保持機構20を示す図である。この針
棒保持機構20は、前記針棒メタルMa内にカバー21
を介して永久磁石22を固定すると共に、針棒1の上端
部に鉄製のねじ23を設けたものとなっており、前記永
久磁石22によって前記鉄製のねじ23を吸着させるこ
とにより上死点に保持させるものとなっている。
【0022】一方、図6は本実施例における電気的接続
状態を示す図である。図において、30は制御装置(制
御手段)であり、この制御装置には入力装置(入力手
段)31、回転位置検出器32、及び前記圧電素子8等
が接続されている。このうち入力装置31は、縫製動作
に関する種々のデータ及び指令を入力するものとなって
おり、31aは一縫製工程内において針棒の昇降動作の
停止を開始させるための針数(駆動停止針数)を入力す
るための停止設定ダイヤル、31bは停止させていた針
棒の昇降動作を再開させるための針数(駆動開始針数)
を入力する駆動設定ダイヤルである。
【0023】また、前記回転位置検出器32は、ミシン
主軸に設けられた反射板32aと、この反射板32aの
回転経路に向けて光りを発する投光器32bと、反射板
32aからの反射光を受光する受光器32cとからな
り、受光器32cの出力は前記制御装置に入力されるよ
うになっている。
【0024】そしてまた、図7は前記制御装置30の構
成を示すブロック図である。図において、30aは図外
の電源スイッチを投入することによって所定の電源電圧
を供給する電源部、30bは電源スイッチの投入と同時
に前記投光器32bに電流を供給すると共に受光器32
cからの検出信号を受けてカウント部30cへ計数信号
を出力する回転位置読み取り部、30dは前記入力装置
31によって設定された各針数値(駆動停止針数及び駆
動開始針数)等を読み取り、メモり部30bに記憶させ
る設定値読み取り部、30eは前記設定値読み取り部3
0dから出力された各針数値を一旦記憶するメモり部、
30fはこのメモり部30eに記憶された各針数値と前
記カウント部30cから出力されるカウント値とが一致
した時点で一致信号を出力する比較部、30gは前記比
較回路からの一致信号に基づき圧電素子用電源部の電源
電圧を圧電素子に供給するスイッチ部、30iは前記比
較部30fからの一致信号を受けて前記カウント部にリ
セット信号を出力するリセット部である。
【0025】上記のように構成されたこの第1実施例に
おいて、図15に示すように通常のピッチを有する縫目
と複数新分のピッチを有する縫目とを形成しようとする
場合には、縫製動作の開始から縫目S2の始端を形成す
るまでの針数を停止設定ダイヤル31aによって入力す
ると共に、縫目S2の終端までの針数(布搬送動作回
数)を入力する。
【0026】ここで、縫製動作開始が指示され、ミシン
主軸M1が回転動作を開始すると、カウント部30cの
カウント値は一針毎に増加して行く。この時、前記カウ
ント値が駆動停止針数に達するまでの間は、電源部30
hの電源電圧は圧電素子8に対して常時供給された状態
となっており、圧電素子8の両端部8a,8bの幅は伸
長状態となっている。
【0027】そして、圧電素子が伸長状態にある時に
は、増幅機構9における上端部9a1,9b1は、接続
部9cの屈曲点Pa,Pbを支点として外方へと押し広
げられるため、両辺部の下端部における幅は逆に縮小状
態となり、両辺部9a,9bの下端部に設けられた係合
ピン6a,6aは、針棒1の周面に圧接して針棒に係合
する(図5(a)参照))。従ってこの状態では、針棒
1は、係合ピン6a,6aを介して針棒抱き4と一体化
しており、ミシン主軸M1の回転に同期して昇降動作を
行う。このため、ここでは通常のピッチの縫目S1(図
15参照)が形成される。
【0028】この後、カウント部30cのカウント値が
停止設定ダイヤル31aによって予め設定された停止針
数に達すると、比較部30fからは一致信号が出力され
る。この一致信号が出力されると、リセット部30iは
カウント部30cにリセット信号を送ってカウント部3
0cにおけるカウント値をリセットさせ、また圧電素子
用のスイッチ部30gは圧電素子8に対する電圧の供給
を遮断する。
【0029】その結果、圧電素子8の両端部8a,8b
の幅は定常値に復帰し、増幅機構9の両辺部9a,9b
の対向間隔も接続部9cの可撓性によって定常値に復帰
する。この両辺部9a,9bの復帰動作に伴って、両係
合ピン6a,6aは針棒1の周面から離間し、針棒1と
針棒抱き4とは非係合状態となる(図8参照)。従っ
て、針棒1の昇降運動は停止し、この停止期間中はミシ
ン主軸M1の回転に同期して布の搬送動作のみが実行さ
れる。なお、このときの布搬送動作において、針棒1は
針棒保持機構における永久磁石22に吸着されて上死点
に保持され続けるため、搬送されている布に縫い針2が
干渉することはない。
【0030】この後、カウント部30cのカウント値が
駆動設定ダイヤル31bにて設定された駆動針数に達す
ると、比較部30fからは再び一致信号が出力され、そ
の一致信号に基づいてカウント部30cのカウント値が
リセットされると共に、圧電素子用スイッチ部30gが
圧電素子用電源部30hからの電圧を圧電素子8へ供給
する。これにより、圧電素子8の両端部8a,8bの幅
は再び拡大し、前述の縫製動作開始当初と同様に、係合
ピン6a,6aが針棒1の周面に圧接して係合し、針棒
抱き4と共に昇降運動を行って通常のピッチで縫目を形
成する。
【0031】以上のように、針棒1と針棒抱き4との係
脱の切換えを圧電素子8を用いて行うこの実施例におい
ては、その切換え動作は極めて高速に行われる。すなわ
ち、この切換え時の動作速度は、ミシン主軸M1の最高
回転動作速度等に比べてもはるかに高速であり、従っ
て、針棒1と針棒抱き4との係脱の切換えは、ミシン主
軸M1の回転速度に拘りなく、常に所望のタイミングで
確実に行うことができ、必要とする位置に所定の縫目を
形成することができる。
【0032】次に、この発明の第2実施例を説明する。
この第2実施例は、図9に示すような圧電アクチュエー
タ70を有する連結機構50を設けたものである。この
圧電アクチュエータ70において、圧電素子8の伸縮量
を増幅する増幅機構90は、左右対称に設けられた左辺
部90aと右辺部90b、及び両片部90a,90bの
上端部(接続部)90a1,90b1を連結する接続部
90cとを可撓性部材によって一体に形成したものとな
っており、下端部(作用部)90b2,90b2には、
係止部材としての一対の係合ピン6a,6aが相対向し
て突設されている。
【0033】また、圧電素子8は、左辺部90aと右辺
部90bとの間に固定されており、前記接続部90cよ
り下方に位置している。そして、圧電素子8の伸縮時に
は、接続部が屈曲点Pc,Pdを支点として屈曲し、一
対の係合ピン6a,6aの対向間隔が拡大・縮小するよ
うになっている。すなわち、この実施例における圧電ア
クチュエータでは、圧電素8が伸長することによって、
係合ピン6a,6aの対向間隔も拡大し、圧電素子8が
定常状態へと縮小することによって、係合ピン6a,6
bの対向間隔も縮小する。
【0034】そして、電圧を加えずに圧電アクチュエー
タ70を定常状態に保っている時には、増幅機構9の可
撓性によって両係合ピン6a,6aは針棒の周面に圧接
して係合するため、針棒10は上記実施例と同様に針棒
抱き4と共にミシン主軸M1の回転に同期して回転す
る。また、圧電素子8に電圧を加えてその両端部の間隔
を伸長させた場合には、係合ピン6a,6aは共に針棒
1から離間して非係合状態となるため、ミシン主軸M1
の回転に拘りなく針棒1の昇降動作は停止する。
【0035】従って、縫目S2より通常ピッチを有する
縫目S1の方が高頻度に形成される一般の縫製現場にお
いては、この第2実施例を用いることにより上記第1実
施例を用いた場合よりも消費電力を低減させることがで
きる。
【0036】なお、上記圧電アクチュエータ70を用い
る場合にも上記第1実施例とほぼ同様の制御装置を用い
ることができるが、この場合の圧電素子用スイッチは、
圧電素子への電圧の供給・遮断を、上記第1実施例とは
逆のタイミングで行うものである必要がある。
【0037】次に、この発明の第3実施例及び第4実施
例を説明する。この第3実施例及び第4実施例は、圧電
素子8の伸縮量を、上記第1実施例及び第2実施例に比
べ、さらに高倍率で増幅し得るようにしたものである。
すなわち、図10に示す第3実施例における増幅機構9
1は、第1の左辺部91aと第1の右辺部91b及び両
辺部91a,91bを連結する接続部91cとを有する
第1の増幅部A1と、第2の左辺部91dと第2の右辺
部91e及び軸部91fを有する第2の増幅部A2とに
よって構成されており、圧電素子8の伸縮量を第1の増
幅部A1で増幅した後、この第1の増幅部A1で増幅さ
れた伸縮量をさらに第2の増幅部A2によって増幅する
という、言わば2段増幅構造をとっている。
【0038】例えば、圧電素子8が左右方向へと伸長す
ると、第1の左辺部91a及び第1の右辺部91bの上
端部(接合部)91a1,91b1は圧電素子8の伸縮
動作によって第1の屈曲点P1,P1を支点として移動
し、下端部91a2,91b2の対向間隔が圧電素子8
の数倍の変化量をもって縮小する。この下端部91a
2,91b2の移動によって、第2の左辺部91d及び
第2の右辺部91eは第2の屈曲点P2,P2を支点と
してそれより下方が内方へ向けて押圧された状態とな
り、下端部91d2,91e2に突設された係合ピン6
a,6aの対向間隔が前記下端部の変化量のさらに数倍
の変化量をもって縮小する。なお、この第3実施例にお
ける上下方向の長さは、前述の第1実施例と同一に設定
してあるが、ここで得られる係合ピンの移動量は、前記
第1実施例よりも大幅に拡大される。
【0039】従って、この第3実施例によれば、圧電素
子8や増幅機構9に大型なものを用いなくとも、係合ピ
ン6a,6bに十分なストロークを得ることができるた
め、全体を小型に形成することが可能となりミシンへの
組み込みがより容易になる。
【0040】一方、この発明の第4実施例は、前記第3
実施例と同様に、第1の増幅部A10と第2の増幅部A
20によって圧電素子8の伸縮量を2段階に増幅するよ
うになっており、第2の増幅部A2は前記第3実施例と
同様の構成をなしているが、第1の増幅部A10が次の
点で異なる。すなわち、この実施例における第1の増幅
部A10では、第1の左辺部91aと第1の右辺部91
bとを連結する接続部91cが両辺部の上端部を連結し
ており、その接続部91cの下方に圧電素子が嵌合固定
されている。つまり、上記第3実施例とは、圧電素子と
接続部91cの位置関係が上下に入れ替わったものとな
っている。
【0041】これにより、この実施例では、圧電素子8
の伸縮動作に伴って第1の左辺部91a及び右辺部91
bが接続部91cに位置する第1の屈曲点P10,P1
0を支点として移動するようになっており、その下端部
91a2,91b2の移動方向が圧電素子8の伸縮方向
と一致する。このため、この第4実施例においては、前
述の第2実施例と同様に、圧電素子8の伸長時に係合ピ
ン6a,6aと針棒1との係合が解除されるものとな
る。但し、増幅機構91における増幅率は、前記第2実
施例に比べて大幅に増大するため、圧電アクチュエータ
全体の小型化が可能となる。
【0042】次にこの発明の第5実施例を図12に基づ
き説明する。この第5実施例は、圧電素子8の上下方向
への伸縮動作を増幅機構92によって係合ピン6a,6
aの左右方向への伸縮動作に変換するようにしたもので
ある。すなわち、この実施例における増幅機構92に
は、上下に屈曲点P11,P12が設定されており、こ
れらを支点に左辺部92a及び右辺部92bを屈曲させ
ることにより、係合ピン6a,6bを左右方向へと移動
させ、両係合ピン6a,6bの対向間隔を変化させるよ
うにしたものである。
【0043】これによれば、伸縮方向に長尺な圧電素子
8を用いる場合にも、増幅機構92の横幅を増大させず
に済み、圧電アクチュエータ全体をコンパクトに構成す
ることができる。なお、図12において92cは針棒1
を挿通させるための軸である。
【0044】ところで、上記各実施例においては、針棒
1の周面に対して係合ピン6a,6aを圧接させること
により針棒1と係合ピン6a,6aとを係合させるよう
にしたが、図13に示すように、針棒1の周面に凹所1
dを形成し、ここに係合ピン6a,6aの先端部を嵌合
させるようにすれば、針棒1と係合ピン6a,6aとを
より確固に係合させることができる。
【0045】また、上記実施例では永久磁石22とねじ
23等を用いて針棒保持手段を構成したが、永久磁石2
2に替えて電磁石を用いても良く、さらには、針棒1と
針棒メタルMaとの間に摩擦抵抗を発生させて針棒を保
持させるようにしても良く、さらには、針棒をばね等に
よって常時上方へと付勢しておくようにしても良い。図
14は針棒と針棒メタルとの間に摩擦力を発生させるよ
うにした針棒保持機構の一例を示したものであり、この
針保持機構50は、針棒メタルMaに切り込みMa1を
形成し、その切り込みMa1に線状ばねLを嵌入させ、
このばねRを針棒1に圧接させて擦力を発生させ、その
摩擦力によって針棒1を保持させるようになっている。
【0046】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明に係る針
棒の駆動・停止制御装置にあっては、針棒に対して係合
部材を係脱させることにより針棒とミシン主軸M1との
連動、遮断を行うようにすると共に、係合部材と針棒と
の係脱を圧電素子の駆動力を用いて行うようにしたた
め、ミシン主軸M1を高速回転させた場合にも、針棒を
適正な位置で確実に停止及び駆動させることができ、適
正な品質を確保することができる。このため、布の搬送
動作を継続させながら縫い針を一時的に停止させるよう
な縫製形態をとる場合にも、高生産性を期待できるとい
う効果があり、また、圧電素子の駆動には発熱や騒音の
発生を伴わないため、作業環境が悪化することもなく、
作業者に係る負担が軽減されるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に適用する本縫いミシンの
ミシンアームの面板を取り外した状態を示す外観斜視図
である。
【図2】(a)は同上実施例の要部を示す拡大斜視図、
(b)は同図(a)に示した針棒抱きを示す縦断側面図
である。
【図3】同上実施例における圧電アクチュエータを示す
正面図である。
【図4】図3に示した圧電アクチュエータ及び針棒など
を示す側面図である。
【図5】同上実施例における針棒保持手段を示す縦断側
面図である。
【図6】同上実施例における制御装置に対する各部の電
気的接続状態を示す説明図である。
【図7】図 に示した制御装置の構成を示すブロック図
である。
【図8】同上実施例において係合ピンと針棒との関係を
示す縦断側面図であり、(a)は係合ピンが針棒から離
間した状態を、(b)は係合ピンが針棒に係合した状態
をそれぞれ示している。
【図9】この発明の第2実施例における圧電アクチュエ
ータの構造を示す正面図である。
【図10】この発明の第3実施例における圧電アクチュ
エータの構造を示す正面図である。
【図11】この発明の第4実施例における圧電アクチュ
エータの構造を示す正面図である。
【図12】この発明の第5実施例における圧電アクチュ
エータの構造を示す正面図である。
【図13】上記各実施例における係合ピンと針棒との他
の係合構造を示す縦断側面図である。
【図14】図14は針棒と針棒メタルとの間の摩擦力で
針棒を保持させるようにした針棒保持機構の一例を示す
縦断側面図である。
【図15】縫目の形成状態を示す拡大説明平面図であ
る。
【符号の説明】
M1 ミシン主軸M1 1 針棒 4 針棒抱き(昇降部材) 5 連結機構 6a,6a 係合ピン(係合部材) 8 圧電素子 9,90,91,92 増幅機構 20,50 針棒保持機構 23 ねじ(磁性体) 22 永久磁石(磁力発生手段) 9a1,9b1 上端部(接続部) 9a2,9b2 下端部(作用部) 90a1,90b1 上端部(接続部) 90a2,90b2 下端部(作用部) Pa,Pb 支点 P1 第1の支点 P2 第2の支点 31 入力装置(入力手段) 30 制御装置(制御手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシン主軸の回転運動に伴って上下運動
    を行う昇降部材と、 縫い針を保持する針棒を前記昇降部材に対して係合・離
    脱させる連結機構と、を備え、 前記連結機構によって針棒と昇降部材とを係合させるこ
    とにより針棒をミシン主軸の回転に同期して昇降駆動さ
    せると共に、昇降部材に対する針棒の係合を解除するこ
    とによって針棒をミシン主軸に対して独立に昇降させる
    ようにした針棒の駆動・停止制御装置において、 前記連結機構を、 前記昇降部材に保持されると共に、前記針棒に対し係脱
    可能に進退する係合部材と、 電圧の供給、遮断を行うことにより両端の間隔が伸縮す
    る圧電素子と、 この圧電素子における伸縮量を増幅して前記係合部材の
    往復動に変換する増幅機構と、により構成すると共に、 前記係合部材に対して非係合状態にある針棒を針板上方
    へ抜脱した状態で保持させる針棒保持機構を設けたこと
    を特徴とする針棒の駆動・停止制御装置。
  2. 【請求項2】 針棒保持機構は、針棒の上端に設けた磁
    性体と、この磁性体を吸引する磁力発生手段によって形
    成したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の針
    棒の駆動・停止制御装置。
  3. 【請求項3】 磁力発生手段は、針棒が上死点にある
    時、針棒の上端部に設けた磁性体を吸着させる永久磁石
    によって形成したことを特徴とする請求項2記載の針棒
    の駆動・停止制御装置。
  4. 【請求項4】 増幅機構は、圧電素子の両端に接合させ
    る接合部と、接合部の幅を変化させることによって所定
    の箇所を支点として移動する作用部とを有すると共に、
    前記作用部から支点に至る距離間隔を前記接合部から支
    点に至る距離間隔より大なる間隔に形成してなり、この
    作用部の移動によって係合部材を針棒に対して進退させ
    るようにしたことを特徴とする請求項1ないし3いずれ
    か記載の針棒の駆動・停止制御装置。
  5. 【請求項5】 一縫製動作工程における縫い針の昇降動
    作開始タイミングと昇降動作停止タイミングを入力する
    入力手段と、電歪素子に対する電圧の供給・遮断を前記
    入力手段によって設定したタイミングに応じて制御する
    制御手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし5い
    ずれか記載の昇降動作制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140058157A (ko) * 2012-11-06 2014-05-14 이형규 누비기
KR20200045747A (ko) * 2018-10-23 2020-05-06 아리인포테크 주식회사 바늘대를 이용한 작업 정보 수집 장치 및 방법
KR102130413B1 (ko) * 2019-08-23 2020-07-07 아리인포테크 주식회사 바늘대 운동 감지용 센서 어셈블리 및 이를 포함하는 재봉틀

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