JPH0886236A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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Publication number
JPH0886236A
JPH0886236A JP6223319A JP22331994A JPH0886236A JP H0886236 A JPH0886236 A JP H0886236A JP 6223319 A JP6223319 A JP 6223319A JP 22331994 A JP22331994 A JP 22331994A JP H0886236 A JPH0886236 A JP H0886236A
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JP
Japan
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ignition timing
air
fuel
amount
fuel ratio
Prior art date
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Pending
Application number
JP6223319A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Miyashita
茂樹 宮下
Tadashi Fukuyama
正 福山
Hiroaki Nihei
裕昭 仁平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP6223319A priority Critical patent/JPH0886236A/ja
Publication of JPH0886236A publication Critical patent/JPH0886236A/ja
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遅角作用時および進角作用時における空燃比
の変動を防止する。 【構成】 機関始動後、ただちに点火時期を大巾に遅角
し(時刻t1 とt2 間)、次いで点火時期を大巾に遅角
した状態に保持し(時刻t2 とt3 間)、次いで点火時
期を進角して(時刻t3 とt4 間)通常の点火時期に戻
す。遅角作用時には破線で示すように燃料噴射量を増量
補正し、進角作用時には破線で示すように燃料噴射量を
減量補正し、それによって空燃比が変動するのを阻止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の空燃比制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】機関の暖機運転中に吸入空気量を増大さ
せると共に点火時期を遅角させるようにした内燃機関が
公知である(特開平2−64253号公報参照)。この
ように点火時期を遅角させると排気ガス温が上昇し、従
って機関排気通路内に排気ガス浄化用触媒を配置してい
る場合には点火時期を遅角することによって触媒を早期
に暖機することができることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで内燃機関では
燃焼室内壁面の表面積Sと燃焼室容積Vとの比であるS
/V比は圧縮上死点において最も大きくなり、このS/
V比が大きくなると燃焼室内に浮遊している燃料液滴は
燃焼室内周面上に付着しやすくなる。ことろが通常はS
/V比が大きくなる圧縮上死点よりもかなり前に点火が
行われ、従ってS/V比が大きくなる圧縮上死点付近で
はほぼ燃焼が完了しているのでS/V比が大きくなった
からといって燃料液滴が燃焼室内周面に付着することは
ない。
【0004】これに対して排気ガス温を上昇させるため
に点火時期を大巾に遅角し、例えば点火時期を圧縮上死
点付近或いは圧縮上死点後まで遅角するとS/V比が大
きくなる圧縮上死点付近において多量の燃料液滴が燃焼
室内周面上に付着してしまう。この場合、点火時期が一
定角度遅角されるとそれだけ点火が行われるまでの時間
が長くなるために燃焼室内周面上の付着燃料量が増大
し、従って点火時期の遅角作用が行われている間、燃焼
室内周面上の付着燃料量が増大し続けることになる。こ
の付着燃料の一部は蒸発、燃焼し、或いは排出されるが
一部の付着燃料は燃焼室内に付着滞留するので燃焼室内
周面への付着燃料量が増大している間は混合気の空燃比
は目標空燃比に対してリーン側になる。
【0005】一方、点火時期の遅角作用が完了して暫く
すると燃焼室内周面上への付着燃料量と燃焼室内周面上
から脱離する燃料量とがバランスするので燃焼室内周面
上の付着燃料量は一定に維持され、斯くしてこのときに
は混合気の空燃比は目標空燃比に維持される。従って点
火時期の遅角作用を行った場合には遅角作用を行ってい
る間、空燃比が目標空燃比に対してリーン側となってし
まう。
【0006】また、このような状態から点火時期を進角
すると進角作用が行われている間、燃焼室内周面上への
付着燃料量が減少するために燃焼室内周面上への付着燃
料量に比べて燃焼室内周面から離脱する燃料量が多くな
る。従って進角作用が行われている間は混合気の空燃比
は目標空燃比に対してリッチ側になる。このように点火
時期を圧縮上死点付近或いは圧縮上死点後まで遅角する
と遅角作用を行っている間、混合気の空燃比が目標空燃
比に対してリーン側となり、また圧縮上死点付近或いは
圧縮上死点後から点火時期を進角すると進角作用の行わ
れている間、混合気の空燃比が目標空燃比に対してリッ
チ側となる。上述の特開平2−64253号公報に記載
された内燃機関では遅角作用を行っているときの空燃比
の変動、および進角作用を行っているときの空燃比の変
動について何ら考慮を払っておらず、従ってこの内燃機
関では遅角作用を行っているときに混合気の空燃比が目
標空燃比に対してリーン側になり、進角作用を行ってい
るときに混合気の空燃比が目標空燃比に対してリッチ側
になるという問題を生ずることになる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに1番目の発明では、空燃比を予め定められた目標空
燃比とするのに必要な基本燃料噴射量を算出し、この基
本燃料噴射量に基づいて燃料噴射量を定めるようにした
内燃機関において、点火時期が圧縮上死点付近又は圧縮
上死点後まで遅角されたときには遅角作用が行われてい
るときに一時的に燃料噴射量を基本燃料噴射量に対して
増量補正し、圧縮上死点付近よりも遅い点火時期から点
火時期が進角されたときには進角作用が行われていると
きに一時的に燃料噴射量を基本燃料噴射量に対して減量
補正する燃料噴射量補正手段を具備している。
【0008】また、2番目の発明では上記問題点を解決
するために1番目の発明において、基本燃料噴射量に対
する燃料噴射量の補正率を点火が行われるまでの時間の
変化量が大きくなるほど増大せしめるようにしている。
また、3番目の発明では上記問題点を解決するために2
番目の発明において、燃料噴射量の補正率を点火時期の
遅角絶対値が大きくなるほど増大せしめるようにしてい
る。
【0009】また、4番目の発明では上記問題点を解決
するために2番目の発明において、点火が行われるまで
の時間は遅角量に正比例し、進角量に反比例し、機関回
転数に反比例している。また、5番目の発明では上記問
題点を解決するために4番目の発明において、遅角作用
中又は進角作用中に機関回転数が変化したときに燃料噴
射量の補正率が変動しないように点火時期を進角補正又
は遅角補正する点火時期補正手段を具備している。
【0010】また、6番目の発明では上記問題点を解決
するために4番目の発明において、遅角作用完了後、進
角作用が開始されるまでの点火時期遅角中において機関
回転数が増大したときには燃料噴射量の補正率を減少せ
しめ、機関回転数が減少したときには燃料噴射量の補正
率を増大せしめる補正率制御手段を具備している。ま
た、7番目の発明では上記問題点を解決するために4番
目の発明において、遅角作用完了後、進角作用が開始さ
れるまでの点火時期遅角中において機関回転数が増大し
たときには点火時期を遅角させ、機関回転数が減少した
ときには点火時期を進角させる点火時期制御手段を具備
している。
【0011】また、8番目の発明では上記問題点を解決
するために6番目又は7番目の発明において、機関回転
数が予め定められた目標回転数よりも低いときには点火
時期を除々に進角させ、機関回転数が目標回転数よりも
高いときには点火時期を除々に遅角させる点火時期制御
手段を具備している。また、9番目の発明では上記問題
点を解決するために4番目の発明において、燃料噴射量
の補正率が予め定められた一定値に達したときにはこの
補正率を予め定められた一定値に維持する補正率制御手
段と、この補正率が予め定められた一定値に維持された
ときには点火時期の変化量を小さくする点火時期補正手
段とを具備している。
【0012】また、10番目の発明では上記問題点を解
決するために1番目の発明において、遅角作用中には機
関回転数を一時的に増大させ、進角作用中には機関回転
数を一時的に減少させる回転数制御手段を具備してい
る。また、11番目の発明では上記問題点を解決するた
めに1番目の発明において、点火時期が基準点火時期よ
りも遅角したときには機関の圧縮比を低下させる圧縮比
低下手段を具備している。
【0013】
【作用】1番目の発明では、遅角作用が行われていると
きには燃料噴射量を一時的に増量することにより空燃比
が目標空燃比に維持され、進角作用が行われているとき
には燃料噴射量を一時的に減量することにより空燃比が
目標空燃比に維持される。
【0014】2番目の発明では、基本燃料噴射量に対す
る燃料噴射量の補正率は点火が行われるまでの時間の変
化量が大きくなるほど増大せしめられる。即ち、点火が
行われるまでの時間が変化し、点火が行われるまでの時
間が長くなると燃焼室内周面上への付着燃料量が増大す
る。燃焼室内周面上への付着燃料量が増大すればするほ
ど空燃比が目標空燃比からずれるので点火が行われるま
での時間の変化量が大きくなるほど燃料噴射量の補正率
が増大せしめられる。
【0015】3番目の発明では、燃料噴射量の補正率は
点火時期の遅角絶対値が大きくなるほど増大せしめられ
る。即ち、点火時期の遅角絶対値が大きくなるほど燃焼
速度が遅くなるので燃焼せしめられる前に燃焼室内周面
上に付着する燃料量が増大する。従って点火時期の遅角
絶対値が大きくなるほど燃料噴射量の補正率が増大せし
められる。
【0016】4番目の発明では、点火が行われるまでの
時間は遅角量に正比例し、進角量に反比例し、機関回転
数に反比例する。即ち、遅角量が大きくなるほど点火が
行われるまでの時間が長くなり、進角量が大きくなるほ
ど点火が行われまでの時間が短くなり、機関回転数が高
くなるほど点火が行われるまでの時間が短くなる。5番
目の発明では、遅角作用中又は進角作用中に機関回転数
が変化したときには燃料噴射量の補正率が変動しないよ
うに機関回転数の変化に応じて点火時期が制御される。
【0017】6番目の発明では、遅角作用完了後、進角
作用が開始されるまでの点火時期遅角中において機関回
転数が増大したときには空燃比を目標空燃比に維持する
ために燃料噴射量の補正率が減少せしめられ、機関回転
数が減少したときには空燃比を目標空燃比に維持するた
めに燃料噴射量の補正率が増大せしめられる。7番目の
発明では、遅角作用完了後、進角作用が開始されるまで
の点火時期遅角中において機関回転数か増大したときに
は空燃比を目標空燃比に維持するために点火時期が遅角
され、機関回転数が減少したときには空燃比が目標空燃
比に維持するために点火時期が進角される。
【0018】8番目の発明では、点火時期を制御するこ
とによって機関回転数が目標回転数に制御される。9番
目の発明では、燃料噴射量の補正率が一定値を越えて変
化しないように制御される。燃料噴射量の補正率が一定
値に達したときには燃料噴射量の補正率は一定値に維持
され、空燃比が目標空燃比に維持されるように点火時期
の変化量が小さくされる。
【0019】10番目の発明では、遅角作用中には機関
回転数を一時的に増大させ、進角作用中には機関回転数
を一時的に減少させることによって空燃比を目標空燃比
に維持する際の燃料噴射量の補正率の制御巾が小さくさ
れる。11番目の発明では、点火時期の遅角時に機関の
圧縮比を低下させることによって空燃比を目標空燃比に
維持する際の燃料噴射量の補正率の制御巾が小さくされ
る。
【0020】
【実施例】図1を参照すると、1はシリンダブロック、
2はピストン、3はシリンダヘッド、4は燃焼室、5は
吸気弁、6は吸気ポート、7は排気弁、8は排気ポー
ト、9は燃焼室4の頂面中央部に配置された点火栓、1
0は燃焼室4内に燃料を噴射するための燃料噴射弁を夫
々示す。各気筒の吸気ポート6はサージタンク11に接
続され、サージタンク11は吸気ダクト12およびエア
フローメータ13を介してエアクリーナ14に連結され
る。吸気ダクト12内にはスロットル弁15が配置され
る。スロットル弁15上流の吸気ダクト12はバイパス
通路16を介してサージタンク11に連結され、このバ
イパス通路16内にはバイパス通路16内を流れるバイ
パス空気の流量を制御するためのバイパス弁17が配置
される。一方、各気筒の排気ポート8は排気マニホルド
18を介して三元触媒19を内蔵した触媒コンバータ2
0に接続される。
【0021】電子制御ユニット30はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス31によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセ
ッサ)34、常時電源に接続されたバックアップRAM
35、入力ポート36および出力ポート37を具備す
る。エアフローメータ13は吸入空気量に比例した出力
電圧を発生し、この出力電圧は対応するAD変換器38
を介して入力ポート36に入力される。スロットル弁1
5にはスロットル間度に比例した出力電圧を発生するス
ロットルセンサ21が取付けられ、このスロットルセン
サ21の出力電圧は対応するAD変換器38を介して入
力ポート36に入力される。
【0022】また、シリンダブロック1には機関冷却水
温に比例した出力電圧を発生する水温センサ22が取付
けられ、この水温センサ22の出力電圧は対応するAD
変換器38を介して入力ポート36に入力される。排気
マニホルド18には空燃比を表わす出力信号を発生する
空燃比センサ23が配置され、この空燃比センサ23の
出力信号は対応する入力ポート36に入力される。更
に、入力ポート36にはクランクシャフトが一定角度回
転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ24
が接続される。電子制御ユニット30内ではこのクラン
ク角センサ34の出力パルスから現在のクランク角およ
び機関回転数が算出される。一方、出力ポート37は対
応する駆動回路39を介して点火栓9、燃料噴射弁10
およびバイパス弁17に接続される。
【0023】図1に示す実施例では燃料噴射弁10から
の燃料噴射時間TAUは基本的に次式に基づいて算出さ
れる。 TAU=TP・FAF・(1.0+FF) ここでTPは基本燃料噴射時間を示し、FAFはフィー
ドバック補正係数を示し、FFは噴射量最終補正率を示
している。基本燃料噴射時間TPは空燃比を理論空燃比
とするのに必要な噴射時間を示しており、この基本燃料
噴射時間TPは機関回転数Nおよび機関負荷Q/N(吸
入空気量Q/機関回転数N)の関数として図2に示すよ
うなマップの形で予めROM32内に記憶されている。
【0024】フィードバック補正係数FAFは機関シリ
ンダ内に供給される混合気の空燃比を理論空燃比とすべ
きときに空燃比センサ23の出力信号に基づいて空燃比
を理論空燃比に正確に一致させるための係数である。こ
のフィードバック補正係数FAFはほぼ1.0を中心と
して上下動しており、このFAFは混合気がリッチにな
ると減少し、混合気がリーンになると増大する。
【0025】噴射量最終補正率FFは通常は零とされて
おり、燃料噴射量を増量すべきときには正の値に、燃料
噴射量を減量すべきときには負の値とされる。なお、噴
射量最終補正率FFを正の値又は負の値にすることによ
って燃料噴射量を増量又は減量するときにはフィードバ
ック補正係数FAFは1.0に固定される。一方、点火
栓9の点火時期θは機関回転数Nおよび機関負荷Q/N
の関数として図3に示すようなマップの形で予めROM
32内に記憶されており、通常点火時期θはこのマップ
に記憶された点火時期θ0 とされる。なお、このマップ
に記憶された点火時期θ0 は機関回転数Nおよび機関負
荷Q/Nに応じてほぼ上死点前(BTDC)10°から
ほぼ上死点前(BTDC)30°の間で変化せしめら
れ、従って点火時期θは通常ほぼBTDC10°とほぼ
BTDC30°との間で変化せしめられる。
【0026】図4は点火時期を示しており、前述したよ
うに通常の点火時期はほぼBTDC10°とほぼBTD
C30°との間になる。ことろが点火時期は特定の運転
状態のときに図4においてθに示されるように通常の点
火時期θ0 に比べてかなり遅角される。このように点火
時期がかなり遅角される運転状態とは、例えば機関暖機
運転時やトラクションコントロール時が挙げられる。即
ち、機関暖機運転時には排気ガス温を上昇させて三元触
媒19を早期に暖機にするために点火時期がかなり遅角
されるまた、トラクションコントロール時には車輪がス
リップして車輪の回転数が上昇したときに機関出力トル
クを低下させて車輪の回転数の上昇を抑制するために点
火時期がかなり遅角される。ところがこのように点火時
期がかなり遅角されると遅角作用を行っているときに空
燃比が目標空燃比に対して大巾にずれてしまうという問
題を生ずる。次にこのことについて暖機運転時を例にと
って図5を参照しつつ説明する。
【0027】図5に示されるように機関が始動された後
機関回転数Nが十分に上昇する前は、即ち図5において
時刻t1 の前は点火時期は図3のアップから定まるほぼ
BTDC10°からBTDC30°の範囲となってい
る。次いで時刻t1 に達すると、即ち機関回転数Nが十
分に上昇すると点火時期は圧縮上死点TDCを越えて圧
縮上死点後(ATDC)まで強制的に遅角される。この
とき安定した燃焼を確保しかつ暖機を促進するために吸
入空気量Qが増大せしめられ、機関回転数Nが暖機時の
目標回転数に維持される。なお、このとき吸入空気量Q
はバイパス弁17の開度を増大することによって増大せ
しめられる。
【0028】一方、図1に示される実施例では暖機運転
時における、即ち図5において時刻t1 以後の混合気の
目標空燃比は理論空燃比とされる。ところで機関の暖機
運転を開始した直後は空燃比センサ23の温度は低いた
めに空燃比センサ23は正規の出力信号を発生しておら
ず、従ってこのときには燃料噴射量はオープンループ制
御される。即ち、このとき燃料噴射時間TAUは基本燃
料噴射時間TPとされ、斯くして吸入空気量Qが増大す
るに伴って燃料噴射量も増大せしめられる。
【0029】次いで時刻t2 に達せると点火時期の遅角
作用が停止せしめられ、以後時刻t 2 から時刻t3
間、点火時期は大巾に遅角された状態に保持される。こ
の間、排気ガス温が上昇せしめられているので三元触媒
19の暖機が進行し、次いで三元触媒19の温度が排気
ガス中の未燃HC,COおよびNOxを浄化しうる温度
まで上昇した頃に(図5の時刻t3 )点火時期は再び図
3に示すマップの値まで進角せしめられる。このとき機
関回転数Nが目標回転数に維持されるように吸入空気量
Qが減少せしめられ、吸入空気量Qの減少に伴って燃料
噴射量が減少せしめられる。
【0030】時刻t4 を経過して暫くすると空燃比セン
サ23が正規の出力信号を発生するようになり、空燃比
センサ23が正規の出力信号を発生すると空燃比が理論
空燃比となるように空燃比は空燃比センサ23の出力信
号に基づいてフィードバック制御される。時刻t1 から
空燃比のフィードバック制御が開始されるまでは燃料噴
射時間TAUは図2に示される基本燃料噴射時間TPと
されており、従ってこの間理論的には空燃比は理論空燃
比に維持されることになる。しかしながら実際には図5
に示されるように点火時期の遅角作用が行われていると
きには空燃比が一時的にリーンとなり、点火時期の進角
作用が行われているときには空燃比が一時的にはリッチ
になる。時刻t1 と時刻t4 間におけるように点火時期
が通常の点火時期θに対し遅角されているときに空燃比
がリーンになると失火してエンジンストールを生じ、一
方時刻t1 と時刻t4 間におけるように吸入空気量Qが
増量されているときに空燃比がリッチになると多量の未
燃HC,COが大気中に放出されることになる。従って
特に時刻t1 と時刻t4 との間では空燃比を理論空燃比
に維持する必要があり、この間において空燃比がリーン
になったり、或いはリッチになったりすることは大きな
問題となる。
【0031】そこで本発明では図5において破線で示さ
れるように点火時期の遅角作用が行われているときには
空燃比が理論空燃比に維持されるように燃料噴射量を基
本燃料噴射時間TPにより定まる基本燃料噴射量に対し
て一時的に増量補正し、点火時期の進角作用が行われて
いるときには空燃比が理論空燃比に維持されるように燃
料噴射量を基本燃料噴射時間TPにより定まる基本燃料
噴射量に対して一時的に減量補正するようにしている。
この場合、本発明による実施例ではこれらの燃料噴射量
の増量補正、或いは減量補正は基本燃料噴射時間TPを
補正するための噴射量最終補正率FFの値を制御するこ
とによって行われる。
【0032】ところでこの場合、次に問題となるのはこ
の噴射量最終補正率FFの値をどのように制御すれば遅
角作用が行われているとき、或いは進角作用が行われて
いるときに空燃比を理論空燃比に維持できるかというこ
とであり、そのためには燃料噴射時間TAUが基本燃料
噴射時間TPとされると遅角作用が行われたときにはど
うして空燃比がリーンになるのか、進角作用が行われた
ときにはどうして空燃比がリッチになるのかを解明する
必要がある。そこでまず初めに図6を参照しつつ遅角作
用時、進角作用時に空燃比がリーン又はリッチになる理
由について説明する。
【0033】図6は図面1に示す内燃機関の本体のみを
示しており、更に図6は点火時期が圧縮上死点後(AT
DC)まで遅角された場合を示している。即ち、図6
(A)は燃料噴射弁10から燃料噴射が行われている吸
気下死点を示しており、図6(B)は圧縮行程中を示し
ており、図6(C)は圧縮上死点を示しており、図6
(D)は点火が行われた直後を示している。なお、図6
(A)から図6(D)において黒丸は粒径の大きな燃料
液滴を模式的に表わしている。
【0034】図6(A)に示されるように噴射された燃
料内には粒径の大きな燃料液滴が存在しており、この粒
径の大きな燃料液滴は図6(B)に示されるように圧縮
行程中も燃焼室4内の混合気中に浮遊している。次いで
ピストン2が圧縮上死点に近づくと燃焼室4の内周面の
表面積Sと燃焼室4の容積Vとの比であるS/V比が大
きくなり、斯くして浮遊している燃料液滴が燃焼室4の
内周面上に付着する機会が極度に増大する。従ってピス
トン2が圧縮上死点に近づくと燃焼室4の内周面上への
燃料液滴へ付着が開始され、次いで点火後遊離している
燃料液滴が燃焼火炎に包まれるまで燃料液滴の付着作用
が続行される。
【0035】このように燃焼室4の内周面上への燃料液
滴の付着はS/V比が大きくなると急増するので燃料液
滴の付着作用はS/V比が大きくなるBTDC10°前
後から実質的に開始される。一方、上述したように燃料
の付着作用は燃料液滴が燃焼火炎に包まれるまで続行さ
れるので燃焼室4の内周面上への付着燃料量は点火時期
が遅角されるほど増大することになる。また、点火時期
が同じであっても機関回転数Nが低いほど点火が行われ
るまでの時間が長くなるので機関回転数Nが低くなるほ
ど燃焼室4の内周面上への付着燃料量は増大する。従っ
て燃焼室4の内周面上への付着燃料量は点火時期の遅角
量だけに依存しているのではなくて機関回転数Nも考慮
に入れた点火が行われるまでの時間に依存していること
になる。
【0036】このように燃料の付着量を考える場合には
遅角量そのものではなくて遅角量を時間に換算した値で
もって考えなければならず、従って以後遅角量を時間に
換算した値を遅角量の時間換算値DTと称する。この遅
角量の時間換算値DTは遅角量に比例すると共に機関回
転数Nに反比例し、従ってこの遅角量の時間換算値DT
は遅角量が大きくなるほど増大し、機関回転数Nが低く
なるほど増大する。
【0037】次に図7を参照して遅角量の時間換算値D
Tと付着燃料量の関係について説明する。図7は基準点
火時期、例えばBTDC10°を基準とした遅角量の時
間換算値DTが時間の経過と共に増大(DT1 →DT2
→DT3 →DT4 →DT5 )する場合を示している。図
7に示されるように遅角量の時間換算値DTがDT1
け増大せしめられると燃焼室4の内周面上への付着燃料
量qが増大する。この付着燃料量qの一部は燃焼が開始
されると燃焼室4の内壁面から離脱して燃焼或いは排出
され、一部は燃焼室4の内周面上に付着滞留し続ける。
次いで暫くすると燃焼室4の内周面から離脱する付着燃
料量と燃焼室4の内周面上に付着する燃料量とがバラン
スし、斯くして燃焼室4の内周面上に付着し続ける付着
燃料量qは破線で示すq1 に維持される。即ち、図7に
示されるように遅角量の時間換算値DTがDT1 だけ増
大せしめられると燃焼室4の内周面上に付着し続ける付
着燃料量qが増大して最終的にはq1 となる。
【0038】次いで遅角量の時間換算値DTがDT1
らDT2 に変化すると燃焼室4の内周面上に付着し続け
る付着燃料量qが増大して最終的にはq2 となり、次い
で遅角量の時間換算値DTがDT2 からDT3 に変化す
ると燃焼室4の内周面上に付着し続ける付着燃料量qが
増大して最終的にはq3 となり、次いで遅角量の時間換
算値DTがDT3 からDT4 に変化すると燃焼室4の内
周面上に付着し続ける付着燃料量qが増大して最終的に
はq4 となり、次いで遅角量の時間換算値DTがDT4
からDT5 に変化すると燃焼室4の内周面上に付着し続
ける付着燃料量qが増大して最終的にはq5 となる。
【0039】ところで遅角量の時間換算値DTが増大せ
しめられた当初は燃料の付着率に比べて燃料の離脱率が
小さいために付着滞留する燃料量が増大し、この間には
付着滞留する燃料量が増大した分だけ空燃比がリーンと
なる。次いで暫くして燃料の付着率と燃料の離脱率とが
バランスすると付着滞留する燃料量は変化しなくなるた
めに空燃比は理論空燃比となる。従って空燃比の変動に
影響を与えるのは付着滞留する燃料量の変化量Wであ
る。この付着滞留する燃料量の変化量Wは図7からわか
るように遅角量の時間換算値DTの変化量(ΔDT1
ΔDT2 ,ΔDT 3 ,ΔDT4 ,ΔDT5 )が大きくな
るほど増大する。この場合、付着滞留する燃料量の変化
量Wが大きいほど空燃比のずれ量が大きくなるので空燃
比を理論空燃比に維持するためには付着滞留する燃料量
の変化量Wが大きくなるほど、即ち遅角量の時間換算値
DTの変化量(ΔDT1 ,ΔDT2 ,ΔDT3 ,ΔDT
4 ,ΔDT5 )が大きくなるほど増量補正すべき燃料量
を増大させなければならないことになる。
【0040】そこで本発明による実施例では遅角作用時
および進角作用時に空燃比を理論空燃比に維持するため
に噴射量最終補正率FFを算出するに当りまず初めに噴
射量1次補正率FPを算出するようにしている。この噴
射量1次補正率FPは遅角量の時間換算値DTが変化し
たときに付着燃料量qがただちにバランス値q1
2 ,q3 ,q4 ,q5 (図7)に達したと仮定したと
きの補正率である。この噴射量1次補正率FPは5つの
補正値F1〜F5の積の形で次式のように表わされる。
【0041】FP=F1・F2・F3・F4・F5 ここで補正値F1は図7に示される遅角量の時間換算値
DTの変化量(ΔDT 1 ,ΔDT2 ,ΔDT3 ,ΔDT
4 ,ΔDT5 )を表わしている。本発明による実施例で
は遅角量の時間換算値DTが例えば一定時間に算出され
ており、この時間換算値DTを用いるとF1は次式で表
わされる。
【0042】 F1=(今回算出された遅角量の時間換算値DT)− (前回算出された遅角量の時間換算値DT) なお、遅角量の時間換算値DTは次式に基づいて算出さ
れる。 DT=〔(基準点火時期−点火時期)/360°〕・T
360 ここで基準点火時期は例えばBTDC10°であり、従
って(基準点火時期−点火時期)は遅角量を表わしてい
る。一方、T360は機関が一回転に要する時間を表わ
しており、従ってDTは基準点火時期に達したときから
点火が行われるまでの時間を表わしている。
【0043】(今回算出された遅角量の時間換算値D
T)と(前回算出された遅角量の時間換算値DT)とが
同じであれば遅角量の時間換算値DTの変化値F1は零
となり、従って噴射量1次補正率FPは零となる。これ
に対して遅角量の時間換算値DTが変化すればそれに伴
ってF1が増大減少せしめられ、斯くして噴射量1次時
間補正率FPも増大減少せしめられる。
【0044】図8は点火時期θを一定角度ずつ一定サイ
クル毎に遅角させた場合の補正値F1の変化を示してい
る。図8(A)は遅角作用中に機関回転数Nが一定に維
持されている場合を示しており、この場合には遅角作用
中補正値F1は一定値となる。一方、図8(B)は遅角
作用中に機関回転数Nが除々に低下した場合を示してい
る。この場合には点火時期θが遅角される毎に遅角量の
時間換算値DTの変化量が増大するので補正値F1は時
間の経過と共に増大する。
【0045】一方、補正値F2は燃焼速度の変化に基づ
く補正値を示している。この補正値F2は図9(A)に
示されるように遅角絶対値Δθの関数であり、補正値F
2は遅角絶対値Δθが大きくなるほど増大する。この遅
角絶対値Δθは図4に示されるように基準点火時期、例
えばBTDC10°からの遅角量を表わしている。即
ち、点火時期θが遅くなるほど点火後の燃焼速度、即ち
火炎の拡散速度が遅くなり、従って燃料液滴への火炎の
到達時間が長くなる。その結果、点火時期θが遅くなる
ほど燃焼室4の内壁面への付着燃料量が増大する。従っ
て点火時期θが遅くなるほど空燃比のずれ量が大きくな
り、斯くして補正値F2は絶対遅角量Δθが大きくなる
につれて増大せしめられる。
【0046】補正値F3は機関負荷Q/Nの変化に基づ
く補正値を示しており、この補正値F3は図9(B)に
示されるように機関負荷Q/Nが高くなるにつれて増大
せしめられる。即ち、機関負荷Q/Nが大きくなるほど
圧縮行程時の燃焼室4内の負圧が小さくなるために燃料
の気化が抑制され、その結果粒径の大きな燃料液滴の割
合が大きくなる。粒径の大きな燃料液滴の割合が大きく
なると燃焼室4の内周面への付着燃料量が増大する。従
って機関負荷Q/Nが大きくなるほど空燃比のずれ量が
大きくなり、斯くして補正値F3は機関負荷Q/Nが高
くなるにつれて増大せしめられる。
【0047】補正値F4は機関冷却水温Tの変化に基づ
く補正値を示しており、この補正値F4は図9(C)に
示されるように機関冷却水温Tが高くなるにつれて減少
せしめられる。即ち、機関冷却水温Tが高くなるほど燃
焼室4の内壁面の温度が高くなるので燃料の気化が促進
され、その結果粒径の大きな燃料液滴の割合が小さくな
る。粒径の大きな燃料液滴の割合が小さくなると燃焼室
4の内周面への付着燃料量が減少する。また、燃焼室4
の内周面の温度が高くなると燃料の付着率そのものが小
さくなる。従って機関冷却水温Tが高くなるほど空燃比
のずれ量が小さくなり、斯くして補正値F4は機関冷却
水温Tが高くなるにつれて減少せしめられる。
【0048】補正値F5は燃焼室4の内周面へのカーボ
ンデポジットの堆積量Gの変化に基づく補正値を示して
おり、この補正値F5は図9(D)に示されるようにカ
ーボンデポジットの堆積量Gが多くなるにつれて増大せ
しめられる。即ち、カーボンデポジットの堆積量Gが多
くなるほど燃焼室4の内周面への燃料の付着率が増大
し、付着燃料の離脱率が減少するのでカーボンデポジッ
トの堆積量Gが多くなるほど燃焼室4の内周面への付着
燃料量が増大する。従ってカーボンデポジットの堆積量
Gが多くなるほど空燃比のずれ量が大きくなり、斯くし
て補正値F5はカーボンデポジットの堆積量Gが多くな
るにつれて増大せしめられる。
【0049】なお、カーボンデポジットの堆積量Gは図
10に示されるようにスロットル弁15が開弁せしめら
れたときのリーン時間tから求められる。即ち、カーボ
ンデポジットが付着堆積するとスロットル弁15が開弁
せしめられて噴射燃料が増量せしめられたときに噴射燃
料の一部がカーボンデポジットにより一時的に捕獲さ
れ、このとき空燃比は一時的にリーンとなる。この場
合、カーボンデポジットの堆積量Gが多くなるぼど空燃
比がリーンになるリーン時間tが長くなり、従って図1
1に示されるようにリーン時間tが長くなるほどカーボ
ンデポジットの堆積量Gが多いと判断することができ
る。このカーボンデポジットの堆積量Gは暖機完了に計
測され、計測値はバックアップRAM35内に記憶され
る。各補正値F1〜F5が算出されるとこれら各補正値
F1〜F5から噴射量1次補正率FPが算出される。と
ころでこの噴射量1次補正率FPは前述したように遅角
量の時間換算値DTが変化したときに付着燃料量qがた
だちにバランス値q 1 ,q2 ,q3 ,q4 ,q5 (図
7)に達したと仮定したときの補正率である。しかしな
がら実際には遅角量の時間換算値DTが変化したとして
も付着燃料量qはただちにバランス値に達せず、時間遅
れをもってバランス値に達する。従って本発明による実
施例ではなまし率を用いて次式より噴射率最終補正率F
Fを算出するようにしている。
【0050】 FF=(前回算出された噴射率1次補正率FP)+ なまし率・〔(今回算出された噴射率1次補正率FP) −(前回算出された噴射率1次補正率FP)〕 なお、付着率と離脱率とがバランスしている状態から付
着率が低下して再びバランスする噴射量の減量補正時の
方が噴射量の増量補正時よりも短い時間でバランス値に
達する。従って減量補正時に対するなまし率の方が増量
補正時に対するなまし率よりも大きな値に設定されてい
る。本発明による実施例では減量補正時に対するなまし
率は例えば0.9程度に設定されており、増量補正時に
対するなまし率例えば0.8程度に設定されている。
【0051】図12は点火時期θを遅角したときの噴射
量1次補正率FPと噴射量最終補正率FFの変化を示し
ている。図12からわかるように噴射量最終補正率FF
は噴射量1次補正率FPの変化に対して若干遅れて追従
するように変化し、この噴射量最終補正率FFにより基
本燃料噴射時間TPが補正される。次に噴射量1次補正
率FPを算出するためのより現実に忠実な算出方法につ
いて説明する。前述したように噴射量1次補正率FPは
FP=F1・F2・F3・F4・F5なる式から求めら
れているがこの算出方法では補正値F1とF2の積F1
・F2を一括して求めるようにしている。従ってF1・
F2の積をFOで表わすとこの算出方法では噴射量1次
補正率FPがFP=FO・F3・F4・F5なる式で表
わされる。
【0052】さて、補正値FOであるがこの補正値FO
は次の如く表わされる。なお、次式においてCは定数を
示している。
【0053】
【数1】
【0054】即ち、燃焼が終了していない空間容積が大
きいほど燃料の付着が進行し、燃焼室4の内周面の面積
Sと燃焼室4の容積Vとの比であるS/V比が大きいほ
ど燃料の付着が進行する。従って単位時間当りの燃料付
着量WfはS/V比と燃焼が終了していない空間容積と
の積で表わすことができ、この積を燃料付着開始時、例
えばBTDC10°から燃焼が終了するまで時間積分す
れば燃料付着量Wfを求めることができる。従って付着
燃料の変化量は燃料付着量Wfの変化量から求めること
ができ、従って補正値FOは上式に示されるように(今
回算出された燃料付着量Wf)から(前回算出された燃
料付着量Wf)を減算することによって得られる。
【0055】本発明による実施例では燃料付着量Wfを
例えば次のようにして算出するようにしている。即ち、
まず初めに図13を参照するとこの図13は燃焼火炎f
が点火栓9の配置されている燃焼室中心部0から燃焼室
4の周辺部に向けて速度Vfでもって広がっているとこ
ろを示している。一方、図16(A)は点火が行われた
ときの火炎の拡散速度Vfを示しており、この火炎の拡
散速度Vfは燃焼室4内の温度が低下するほど遅くなる
ので図16(A)に示されるように点火時期が遅くなる
につれて火炎の拡散速度Vfは低下する。一方、図16
(B)はX印において点火が行われた後の火炎の拡散速
度Vfを2つの機関回転数Nについて示している。図1
6(A)および(B)からわかるように火炎の拡散速度
Vfは点火時期、機関回転数およびクランク角の関数と
なる。
【0056】今、或る時刻における燃焼火炎fの広がり
半径をr(図13)とすると一定時間経過後の火炎の広
がり半径r0 は次式のように表わされる。 r0 =r+K・Vf ここでKは上記一定時間であり、Vfは広がり半径がr
のときの火炎の拡散速度である。火炎の広がり半径がr
0 のときの燃焼容積はf・r0 3(fは定数)で表わさ
れ、とのときの燃焼室容積をVccとすると燃焼が完了し
ていない空間容積Vout は次式で表わされる。なお、燃
焼室容積Vccはクランク角に応じて図15に示されるよ
うに変化する。
【0057】Vout =Vcc −f・r0 3 次いでこのVout にS/V比を乗算することにより次式
に示す火炎の広がり半径がr0 になるまでの付着燃料量
ΔWf を算出する。なお、S/V比はクランク角に応じ
て図14に示されるように変化する。 ΔWf=C・S/V比・Wout このΔWfを基準点火時期、例えばBTDC10°から
Wout が零になるまで順次加算することによって付着燃
料量Wfが得られる。次いでこの付着燃料量Wfから前
回算出された付着燃料量Wfを減算することによって補
正値FOが算出される。
【0058】図17は点火時期θと噴射量最終補正率F
Fの変化を示している。なお、点火時期θおよび噴射量
最終補正率FFは実際には図12に示されるようにステ
ップ状に変化せしめられるが以後簡略化してこれらの変
化については図17に示されるように直線的に表わす。
また、図17以後、噴射量最終補正率FFは噴射量1次
補正率FP(=F1・F2・F3・F4・F5)を用い
て算出した場合について示す。
【0059】図17は図12と同様に点火時期θを遅角
した場合を示しており、従ってこのときには噴射量最終
補正率FFは図12と同様に変化する。遅角作用時に噴
射量を補正しない場合には破線で示すように空燃比がリ
ーン側にずれるが噴射量を補正率FFでもって補正する
と空燃比は理論空燃比に維持される。図18は点火時期
θを進角させた場合を示しており、この場合には噴射量
最終補正率FFは進角作用中減少し、進角作用が完了す
ると増大する。進角作用時に噴射量を補正しない場合に
は破線で示すように空燃比がリッチ側にずれるが噴射量
を補正率FFでもって補正すると空燃比は理論空燃比に
維持される。
【0060】図19は遅角作用中に機関回転数Nが変動
した場合を示している。機関回転数Nが変動すると点火
時期θが一定角度ずつ遅角せしめられても遅角量の時間
換算値DTの変化量は一定量とならないので、即ち補正
値F1が変動するので機関回転数Nの変動に伴って噴射
量最終補正率FFは破線で示す回転変動がない場合に対
して変動することになる。
【0061】図20は燃料噴射制御および点火時期制御
を行うためのフローチャートを示している。図20を参
照するとまず初めにステップ100において図2に示す
マップから基本燃料噴射時間TPが算出される。次いで
ステップ101では図3に示すマップから点火時期θ0
が算出される。次いでステップ102では三元触媒19
の暖機制御中であるか否か、例えば空燃比センサ23が
正規の出力信号を発生していないか否かが判別される。
暖機制御中であるときにはステップ103に進んで暖機
制御が行われる。この暖機制御は図5に示されるように
まず初めに点火時期θを遅角させると共に吸入空気量Q
を増大させ、次いで点火時期θを遅角状態に保持し、次
いで点火時期θを進角させると共に吸入空気量Qを減少
させる制御である。
【0062】次いでステップ104では各補正値F1,
F2,F3,F4,F5が算出され、次いでステップ1
05ではこれらの各補正値から噴射量1次補正率FPが
算出される。次いでステップ106では噴射量1次補正
率FPが正であるか否かが判別される。FP>0のと
き、即ち遅角時にはステップ107に進み、増量補正に
対するなまし値BDを用いて噴射量最終補正率FFが算
出される。これに対してFP≦0のとき、即ち進角時に
はステップ108に進み、減量補正に対するなまし値B
Aを用いて噴射量最終補正率FFが算出される。次いで
ステップ109ではフィードバック補正係数FAFが
1.0に固定され、次いでステップ110において次式
に基づき燃料噴射時間TAUが算出される。
【0063】TAU=TP・FAF・(1.0+FF) 従ってこのときFF=0であればTAU=TPとなり、
FFが零でなければ基本燃料噴射時間TPが噴射量最終
補正率FFによって補正されることになる。一方、暖機
制御が完了したときにはステップ102からステップ1
11に進んで空燃比センサ23の出力信号に基づきフィ
ードバック補正係数FAFが算出される。次いでステッ
プ112では噴射量最終補正率FFが零とされ、次いで
ステップ110に進む。従ってこのときには空燃比セン
サ23の出力信号に基づいて空燃比が理論空燃比にフィ
ードバック制御される。
【0064】図21から図23に別の実施例を示す。こ
の実施例においては図21に示されるように遅角作用時
において機関回転数Nが変動したときには噴射量最終補
正率FFを滑らかに変化させつつ機関回転数Nの変動に
応じて点火時期θを変化させるようにしている。即ち、
本発明において問題としている燃焼室4の内周面上への
燃料付着は無論のこと吸気ポート6内に燃料を噴射する
ようにした内燃機関においても生じ、従って本発明は吸
気ポート6内に燃料を噴射するようにした内燃機関に対
しても適用することができる。ところがこのような内燃
機関では噴射燃料の一部は吸気ポート6の内壁面上に付
着した後に燃焼室4内に流入するので噴射量を微妙に制
御してもこの微妙な制御が燃焼室4内の空燃比に良好に
反映されない。従ってこのような内燃機関では例えば遅
角作用中に機関回転数Nが変動した場合に図19に示す
ように噴射量最終噴射率FFが変化するようにしておい
ても燃焼室4内の空燃比が応答性よく変化しないことに
なる。これに対して点火時期θは微妙な制御であっても
ただちに燃焼室4内の空燃比に反映し、従って特に吸気
ポート6に燃料噴射をするようにした内燃機関において
は図21に示されるように機関回転数Nが変動したとき
には機関回転数Nの変動に応じて点火時期θを変動させ
ることが好ましいことになる。
【0065】ところで図21に示されるように遅角作用
時に噴射量最終補正率FFを直線的に増大させるために
は例えば点火時期が遅角されて遅角量の時間換算値DT
がDT1 からDT2 に変化したときに回転数が一定の場
合と回転数が変動した場合とでDT2 が等しくなればよ
いことになる。即ち、回転数が一定のときにはDT2
DT1 =Xmsecだけ変化し、例えば回転数が低下したた
めにDT2 −DT1 =Ymsec(>Xmsec)だけ変化した
とすると回転数が低下したときには回転数が一定の場合
に比べて点火時期が(Y−X)msecだけ遅くなることに
なる。従って、このときこの差分(Y−X)msecに相当
する分だけ点火時期の遅角量を減らせばDT2 は回転数
が一定の場合と同じになることがわかる。
【0066】即ち、点火時期が遅角される前に回転数を
1 、遅角量をΔθ1 とし、点火時期が遅角された後の
回転数をN2 (変化した場合)、遅角量をΔθ2 とする
と上述のXmsecおよびYmsecは次のように表わされる。 X=DT2 −DT1 =Δθ2 /N1 −Δθ1 /N1 Y=DT2 −DT1 =Δθ2 /N2 −Δθ1 /N1 従って(Y−X)msecは次のように表わされる。
【0067】(Y−X)=Δθ2 /N2 −Δθ2 /N1 この(Y−X)msecを角度θfに換算すると θf=(Y−X)・360°/T360 となる。ここでT360は機関一回転に要する時間を表
わしている。次いでこのθfを本来遅角すべき遅角量θ
dから減算し、この減算した量(θd−θf)だけ遅角
すればDT2 は回転数が一定の場合と同じになる。
【0068】即ち、この実施例では次式に基づいて遅角
量が算出される。 最終的な遅角量=本来遅角すべき遅角量θd−θf θf=(Δθ2 /N2 −Δθ2 /N1 )・360°/T
360 このようにして求められた最終的な遅角量に従って点火
時期θを遅角させると図21に示されるように噴射量最
終補正率FFは直線状に変化する。
【0069】図22は図21に示される燃料噴射制御お
よび点火時期制御を行うためのフローチャートを示して
いる。図22を参照するとまず初めにステップ200に
おいて図2に示すマップから基本燃料噴射時間TPが算
出される。次いでステップ201では図3に示すマップ
から点火時期θ0 が算出される。次いでステップ202
では三元触媒19の暖機制御中であるか否か、例えば空
燃比センサ23が正規の出力信号を発生していないか否
かが判別される。暖機制御中であるときにはステップ2
03に進んで上述したθdとθfから最終的な遅角量が
算出される。次いでステップ204に進んで暖機制御が
行われる。この暖機制御は図5に示されるようにまず初
めに点火時期θをステップ203において求められた最
終的な遅角量に従って遅角させると共に吸入空気量Qを
増大させ、次いで点火時期θを遅角状態に保持し、次い
で点火時期θを進角させると共に吸入空気量Qを減少さ
せる制御である。
【0070】次いでステップ205では各補正値F1,
F2,F3,F4,F5が算出され、次いでステップ2
06ではこれらの各補正値から噴射量1次補正率FPが
算出される。次いでステップ207では噴射量1次補正
率FPが正であるか否かが判別される。FP>0のと
き、即ち遅角時にはステップ208に進み、増量補正に
対するなまし値BDを用いて噴射量最終補正率FFが算
出される。これに対してFP≦0のとき、即ち進角時に
はステップ209に進み、減量補正に対するなまし値B
Aを用いて噴射量最終補正率FFが算出される。次いで
ステップ210ではフィードバック補正係数FAFが
1.0に固定され、次いでステップ211において次式
に基づき燃料噴射時間TAUが算出される。
【0071】TAU=TP・FAF・(1.0+FF) 一方、暖機制御が完了したときにはステップ202から
ステップ212に進んで空燃比センサ23の出力信号に
基づきフィードバック補正係数FAFが算出される。次
いでステップ213では噴射量最終補正率FFが零とさ
れ、次いでステップ211に進む。
【0072】図23から図26に更に別の実施例を示
す。この実施例においては図23および図24に示され
るように噴射量最終補正率FFが予め定められた一定値
以上増大(図23)又は減少(図24)しないようにし
ている。即ち、三元触媒19の暖機を早めるには機関始
動後できるだけ早く遅角することが好ましいが急速に遅
角するほど空燃比がリーンとなり、従って空燃比を理論
空燃比に維持するために噴射量最終補正率FFは急速に
大きな値まで増大する。ところがこの補正率FFには必
然的に誤差が含まれており、補正率FFの値が大きくな
るほど誤差の影響が大きく表われる。そこで誤差の影響
を小さく抑えるために噴射量最終補正率FFの変化範囲
を一定範囲内に制限している。
【0073】また、本発明において理論空燃比に維持し
ようとしているのは三元触媒19に流入する排気ガスの
空燃比であり、燃焼室4内の混合気の空燃比ではない。
即ち、燃焼室4の内周面上に付着している燃料は燃焼中
に離脱するので排気ガスの空燃比が理論空燃比となって
いても燃焼混合気の空燃比はリーンとなっており、燃焼
室4の内周面上への付着燃料量が多いほど燃焼混合気の
空燃比はリーンとなる。噴射量最終補正率FFの値が大
きくなるということは付着燃料量が多いということを意
味しており、燃焼混合気のリーンの度合が高いことを意
味している。燃焼混合気のリーンの度合が高くなると失
火を生じ、エンジンストールを生じやすくなる。従って
燃焼混合気のリーンの度合が大きくならないように噴射
量最終補正率FFの変化範囲を一定範囲内に制限するよ
うにしている。
【0074】本発明による実施例では図23に示される
ように噴射量1次補正率FPの値が最大値FPmax に達
したところで噴射量最終補正率FFが一定値に抑えら
れ、図24に示されるように噴射量1次補正率FPの値
が最小値Pmin に達したところで噴射量最終補正率FF
が一定値に抑えられる。噴射量最終補正率FFが一定値
に抑制された後は噴射率1次補正率FPが最大値Pmax
又は最小値Pmin となるような比較的小さな角度ずつ点
火時期θが遅角又は進角される。従ってこの実施例では
遅角作用又は進角作用が完了するまで若干長い時間を要
する。
【0075】図25は図23および図24に示す燃料噴
射制御および点火時期制御を行うためのフローチャート
を示している。図25を参照するとまず初めにステップ
300において図2に示すマップから基本燃料噴射時間
TPが算出される。次いでステップ301では図3に示
すマップから点火時期θ0 が算出される。次いでステッ
プ302では三元触媒19の暖機制御中であるか否か、
例えば空燃比センサ23が正規の出力信号を発生してい
ないか否かが判別される。暖機制御中であるときにはス
テップ303に進んで遅角作用時には遅角量が、進角時
には進角量が算出される。即ち、遅角作用時には点火時
期θが順次遅角され、進角作用時には点火時期θが順次
進角される。
【0076】次いでステップ304では各補正値F1,
F2,F3,F4,F5が算出され、次いでステップ3
05ではこれらの各補正値から噴射量1次補正率FPが
算出される。次いでステップ306では噴射量1次補正
率FPが最大値Pmax よりも大きいか否かが判別され
る。FP≦Pmax のときにはステップ307に進んで噴
射量1次補正率FPが最小値FPmin よりも小さいか否
かが判別される。FP≧FPmin のときにはステップ3
12に進む。即ち、FPがFPmin とFPmax の間にな
るときにはステップ312に進む。ステップ312では
点火時期が算出され、このときにはステップ303にお
いて算出された点火時期とされる。次いでステップ31
3に進む。
【0077】ステップ313では噴射量1次補正率FP
が正であるか否かが判別される。FP>0のとき、即ち
遅角時にはステップ314に進み、増量補正に対するな
まし値BDを用いて噴射量最終補正率FFが算出され
る。これに対してFP≦0のとき、即ち進角時にはステ
ップ315に進み、減量補正に対するなまし値BAを用
いて噴射量最終補正率FFが算出される。次いでステッ
プ316ではフィードバック補正係数FAFが1.0に
固定され、次いでステップ317において次式に基づき
燃料噴射時間TAUが算出される。
【0078】TAU=TP・FAF・(1.0+FF) 一方、ステップ306においてFP>FPmax であると
判別されたときにはステップ308に進んでFPがFP
max とされ、ステップ310に進む。これに対してステ
ップ307においてFP<FPmin であると判別された
ときにはステップ309に進んでFPがFPmin とさ
れ、ステップ310に進む。ステップ310ではステッ
プ308又はステップ309において一定値とされたF
Pの値と、ステップ304において求められている各補
正値F2,F3,F4,F5の値から補正値F1の値が
算出される。この補正値F1は前述したようにF1=
(前回算出された遅角量の時間換算値DT)−(今回算
出された遅角量の時間換算値DT)である。ステップ3
11では補正値F1の値と前回算出された遅角量の時間
換算値DTとを加算してその加算結果(上述の今回算出
された遅角量の時間換算値DTに相当する)から点火時
期θを逆算する。即ち、FP>FPmax 又はFP<FP
min となったときにはFPが一定となるように点火時期
θが定められる。
【0079】一方、暖気制御が完了したときにはステッ
プ302からステップ318に進んで空燃比センサ23
が出力信号に基づきフィードバック補正係数FAFが算
出される。次いでステップ319では噴射量最終補正率
FFが零とされ、次いでステップ317に進む。図27
から図29に更に別の実施例を示す。前述したように誤
差の影響を小さくしかつ燃焼混合気のリーンの度合を低
く抑えるには噴射量最終補正率FFの増大ピーク値およ
び減少ピーク値を小さくすることが好ましい。従ってこ
の実施例では噴射量最終補正率FFを小さくするために
遅角作用時には図27に示されるように機関回転数Nが
上昇せしめられ、進角作用時には図28に示されるよう
に機関回転数Nが低下せしめられる。即ち、図27に示
されるように遅角作用が開始されると機関回転数Nは目
標回転数から除々に増大せしめられ、遅角作用が停止す
ると機関回転数Nは目標回転数まで急速に低下せしめら
れる。また、図28に示されるように進角作用が開始さ
れると機関回転数Nは目標回転数から除々に減少せしめ
られ、進角作用が停止すると機関回転数Nは目標回転数
まで急速に上昇せしめられる。
【0080】遅角作用時に機関回転数Nを除々に増大さ
せ、進角作用時に機関回転数Nを除々に減少させると遅
角量の時間換算値DTの変化量ΔDTの値、即ち補正値
F1の値が小さくなり、斯くして噴射量最終補正率FF
の増大ピーク値および減少ピーク値を小さくすることが
できる。なお、機関回転数Nはバイパス弁17の開度を
制御することによって制御される。図27および図28
において破線で示すバイパス弁17の開度は機関回転数
Nが目標回転数に維持される開度であってこの開度に対
しバイパス弁17の開度は遅角作用時には増大せしめら
れ、進角作用時には減少せしめられる。
【0081】図29は図27および図28に示す燃料噴
射制御および点火時期制御を行うためのフローチャート
を示している。図29を参照するとまず初めにステップ
400において図2に示すマップから基本燃料噴射時間
TPが算出される。次いでステップ401では図3に示
すマップから点火時期θ0 が算出される。次いでステッ
プ402では三元触媒19の暖機制御中であるか否か、
例えば空燃比センサ23が正規の出力信号を発生してい
ないか否かが判別される。暖機制御中であるときにはス
テップ403に進んで暖機制御が行われる。この暖機制
御は図5に示されるようにまず初めに点火時期θを遅角
させ、次いで点火時期θを遅角状態に保持し、次いで点
火時期θを進角させる制御である。
【0082】次いでステップ404ではバイパス弁17
の開度が制御される。この制御は、点火時期の遅角作用
時にはバイパス弁17の開度を図27の実線に沿って変
化させ、点火時期の進角作用時にはバイパス弁17の開
度を図28の実線に沿って変化させる制御である。次い
でステップ405では各補正値F1,F2,F3,F
4,F5が算出され、次いでステップ406ではこれら
の各補正値から噴射量1次補正率FPが算出される。次
いでステップ407では噴射量1次補正率FPが正であ
るか否かが判別される。FP>0のとき、即ち遅角時に
はステップ408に進み、増量補正に対するなまし値B
Dを用いて噴射量最終補正率FFが算出される。これに
対してFP≦0のとき、即ち進角時にはステップ409
に進み、減量補正に対するなまし値BAを用いて噴射量
最終補正率FFが算出される。次いでステップ410で
はフィードバック補正係数FAFが1.0に固定され、
次いでステップ411において次式に基づき燃料噴射時
間TAUが算出される。
【0083】TAU=TP・FAF・(1.0+FF) 一方、暖機制御が完了したときにはステップ402から
ステップ412に進んで空燃比センサ23の出力信号に
基づきフィードバック補正係数FAFが算出される。次
いでステップ413では噴射量最終補正率FFが零とさ
れ、次いでステップ411に進む。
【0084】図30から図32に更に別の実施例を示
す。前述したように誤差の影響を小さくしかつ燃焼混合
気のリーンの度合を低く抑えるには噴射量最終補正率F
Fの増大ピーク値および減少ピーク値を小さくすること
が好ましい。従ってこの実施例では図30に示されるよ
うに遅角作用が開始されたときから進角作用が完了する
までの間、機関の圧縮比が低下せしめられる。燃焼室4
の内周面上への燃料の付着の主要因はS/V比の増大に
あり、従ってこの実施例では機関の圧縮比を低下せしめ
ることによりS/V比を低下させて付着燃料量を減少さ
せるようにしている。付着燃料量が減少すれば噴射量最
終補正率FFの増大ピーク値および減少ピーク値が小さ
くなる。
【0085】次に図31を参照しつつ可変圧縮比機構の
一例について簡単に説明する。図31を参照するとピス
トン2のピストンピン50上には偏心中空スリーブ51
を介してコネクティングロッド52の小端部が揺動可能
に枢着されている。コネクティングロッド52の小端部
内には一対のロックピン53,54が摺動可能に挿入さ
れている。偏心中空スリーブ51の外周面上には帯状に
延びるロックピンガイド溝55が形成されており、更に
偏心中空スリーブ51上には各ロックピン53,54が
侵入可能なロックピン受容孔56が形成されている。
【0086】オイル通路57に加圧オイルを供給すると
各ロックピン53,54は共に偏心中空スリーブ51か
ら離れる方向に後退する。このときピストン2が上下動
するとピストン2の上昇時には偏心中空スリーブ51は
図31(A)に示す位置をとり、ピストン2の下降時に
は偏心中空スリーブ51は図31(B)に示す位置をと
る。従って加圧オイルの供給をオイル通路57からオイ
ル通路58に切換えると偏心中空スリーブ51が図31
(A)に位置するときにロックピン53がロックピン受
容孔56内に侵入する。このときは高圧縮比状態とな
る。これに対して加圧オイルの供給をオイル通路57か
らオイル通路59に切換えると偏心中空スリーブ51が
図31(B)に位置するときにロックピン54がロック
ピン受容孔56内に侵入する。このときは低圧縮比状態
となる。従って各オイル通路57,58,59へのオイ
ルの供給を切換えることによって高圧縮比状態か低圧縮
比状態のいずれか一方に切換えることができる。
【0087】図32は図30に示す燃料噴射制御および
点火時期制御を行うためのフローチャートを示してい
る。図32を参照するとまず初めにステップ500にお
いて図2に示すマップから基本燃料噴射時間TPが算出
される。次いでステップ501では図3に示すマップか
ら点火時期θ0 が算出される。次いでステップ502で
は三元触媒19の暖機制御中であるか否か、例えば空燃
比センサ23が正規の出力信号を発生していないか否か
が判別される。暖機制御中であるときにはステップ50
3に進んで機関の圧縮比が低下せしめられる。次いでス
テップ504に進んで暖機制御が行われる。この暖機制
御は図5に示されるようにまず初めに点火時期θを遅角
させると共に吸入空気量Qを増大させ、次いで点火時期
θを遅角状態に保持し、次いで点火時期θを進角させる
と共に吸入空気量Qを減少させる制御である。
【0088】次いでステップ505では各補正値F1,
F2,F3,F4,F5が算出され、次いでステップ5
06ではこれらの各補正値から噴射量1次補正率FPが
算出される。次いでステップ507では噴射量1次補正
率FPが正であるか否かが判別される。FP>0のと
き、即ち遅角時にはステップ508に進み、増量補正に
対するなまし値BDを用いて噴射量最終補正率FFが算
出される。これに対してFP≦0のとき、即ち進角時に
はステップ509に進み、減量補正に対するなまし値B
Aを用いて噴射量最終補正率FFが算出される。次いで
ステップ510ではフィードバック補正係数FAFが
1.0に固定され、次いでステップ511において次式
に基づき燃料噴射時間TAUが算出される。
【0089】TAU=TP・FAF・(1.0+FF) 一方、暖機制御が完了したときにはステップ502から
ステップ512に進んで機関の圧縮比が増大せしめられ
る。次いでステップ513に進んで空燃比センサ23の
出力信号に基づきフィードバック補正係数FAFが算出
される。次いでステップ514では噴射量最終補正率F
Fが零とされ、次いでステップ511に進む。
【0090】次に暖機制御時において遅角作用が完了し
てから進角作用が開始されるまでの図33においてXで
示される期間における空燃比制御について説明する。こ
の期間Xは点火時期θが大巾に遅角されている期間であ
り、このとき空燃比が理論空燃比に対してリーン側にず
れるとエンジンストールを生じやすく、リッチ側にずれ
ると排気エミッションが悪化するのは前述したとおりで
ある。この期間Xにおける空燃比の変動の主要因はエア
コンの作動やパワーステアリング機構の作動に基づく機
関回転数Nの変動であり、従ってこの期間Xではエアコ
ンの作動等により機関回転数Nが変動したときに空燃比
が変動しないようにする必要がある。この場合、2つの
方法がある。第1の方法は図34に示されるように機関
回転数Nが変動したときには空燃比が理論空燃比に維持
されるように噴射量最終補正率FFを制御する方法であ
り、第2の方法は図34に示されるように機関回転数N
が変動したときには空燃比が理論空燃比に維持されるよ
うに点火時期θを変化させる方法である。
【0091】また、上述の期間Xでは機関のフリクショ
ンの低下によるゆるやかな回転数変動を生ずる。このよ
うなゆるやかな回転変動は空燃比の変動を生じさせるこ
とはほとんどないが機関回転数Nは燃料消費率が良く暖
機効率の高い回転数に維持することが好ましく、従って
本発明による実施例ではこのようなゆるやかな回転数変
動に対しては点火時期によるフィードバック制御を行う
ようにしている。
【0092】図35から図37はエアコン等の作動に基
づく空燃比の変動に対して噴射量最終補正率FFを制御
するようにした前述の第1の方法を示している。即ち、
この実施例では図35に示されるように機関回転数Nが
変動したときに空燃比が変動しないように噴射量最終補
正率FFが制御される。また、機関回転数Nのゆるやか
な変動に対しては機関回転数Nが目標回転数NE以下の
ときには点火時期θが除々に進角され、機関回転数Nが
目標回転数NE以上になると点火時期θが除々に遅角さ
れる。
【0093】図36および図37は図35に示す燃料噴
射制御および点火時期制御を行うためのフローチャート
を示している。図36および図37を参照すると、まず
初めにステップ600において遅角制御が完了したか否
かが判別される。遅角制御が完了しているときにはステ
ップ601に進んで進角制御の開始前であるか否かが判
別される。進角制御の開始前であるときにはステップ6
02に進む。即ち、ステップ602に進むのは図33の
期間Xのときである。ステップ602では図2に示すマ
ップから基本燃料噴射時間TPが算出される。次いでス
テップ603では点火時期θが算出される。
【0094】次いでステップ604では各補正値F1,
F2,F3,F4,F5が算出され、次いでステップ6
05ではこれらの各補正値から噴射量1次補正率FPが
算出される。次いでステップ606では噴射量1次補正
率FPが正であるか否かが判別される。FP>0のと
き、即ち遅角時にはステップ607に進み、増量補正に
対するなまし値BDを用いて噴射量最終補正率FFが算
出される。これに対してFP≦0のとき、即ち進角時に
はステップ608に進み、減量補正に対するなまし値B
Aを用いて噴射量最終補正率FFが算出される。次いで
ステップ109では次式に基づいて燃料噴射時間TAU
が算出される。
【0095】TAU=TP・(1.0+FF) 従ってこのときFF=0であればTAU=TPとなり、
FFが零でなければ基本燃料噴射時間TPが噴射量最終
補正率FFによって補正されることになる。次いでステ
ップ610では機関回転数Nが目標回転数NEよりも高
いか否かが判別される。N>NEのときにはステップ6
11に進んで点火時期θがαだけ遅角され、N≦NEの
ときにはステップ612に進んで点火時期θがαだけ進
角される。
【0096】図38および図39はエアコン等の作動に
基づく空燃比の変動に対して点火時期θを制御するよう
にした前述の第2の方法を示している。即ち、この実施
例では図38に示されるように機関回転数Nが変動した
ときに空燃比が変動しないように点火時期がΔθ1 が補
正される。また、機関回転数Nのゆるやかな変動に対し
ては機関回転数Nが目標回転数NE以下のときには点火
時期の補正値Δθ2 が除々に進角され、機関回転数Nが
目標回転数NE以上になると点火時期の補正値Δθ2
除々に遅角される。従って最終的な点火時期の補正値Δ
θ0 は点火時期Δθ1 とΔθ2 との和となり、この補正
値Δθ0 に従って点火時期θが制御される。なお、この
実施例では燃料量最終補正率FFの制御は行われない。
【0097】図39は図38に示す点火時期制御を行う
ためのフローチャートを示している。図39を参照する
と、まず初めにステップ700において遅角制御が完了
したか否かが判別される。遅角制御が完了しているとき
にはステップ701に進んで進角制御の開始前であるか
否かが判別される。進角制御の開始前であるときにはス
テップ702に進む。即ち、ステップ702に進むのは
図33の期間Xのときである。ステップ702では点火
時期θが算出される。次いでステップ703では点火時
期の補正量Δθ1 が算出される。この補正値Δθ1 は図
21および図22に示す実施例において用いられている
θfと同様にして求められる。
【0098】即ち、回転数がN1 からN2 に変動し、現
在の遅角量がΔθであるとするとΔθ1 は次のように表
わされる。 Δθ1 =(Δθ/N2 −Δθ/N1 )・360°/T3
60 この補正量Δθ1 だけ点火時期θを補正すると機関回転
数Nが変動したとしても空燃比が変動しないことにな
る。
【0099】次いでステップ704では点火時期θに補
正値Δθ1 が加算される。次いでステップ705では機
関回転数Nが目標回転数NEよりも高いか否かが判別さ
れる。N>NEのときにはステップ706に進んで点火
時期θがαだけ遅角され、N≦NEのときにはステップ
707に進んで点火時期θがαだけ進角される。
【0100】
【発明の効果】点火時期の遅角作用又は進角作用が行わ
れたときに空燃比が目標空燃比に対してずれるのを阻止
することができる。また、請求項6から請求項8に記載
された発明では更に点火時期遅角中に空燃比が目標空燃
比に対してずれるのを阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の全体図である。
【図2】基本燃料噴射時間TPのマップを示す図であ
る。
【図3】点火時期θのマップを示す図である。
【図4】点火時期を示す線図である。
【図5】暖機運転時における点火時期等の変化を示すタ
イムチャートである。
【図6】燃料粒子の付着作用を説明するための図であ
る。
【図7】付着燃料量を説明するための線図である。
【図8】補正値F1の変化を示す線図である。
【図9】補正値F1からF5の変化を示す線図である。
【図10】デポジット量の検出方法を説明するための図
である。
【図11】デポジット量を示す線図である。
【図12】噴射量1次補正率FPと噴射量最終補正率F
Fの変化を示す線図である。
【図13】燃焼火炎の広がる様子を示す図である。
【図14】S/V比の変化を示す線図である。
【図15】燃焼室容積Vccの変化を示す図である。
【図16】火炎の拡散速度Vfを示す図である。
【図17】噴射量最終補正率FFの変化を示すタイムチ
ャートである。
【図18】噴射量最終補正率FFの変化を示すタイムチ
ャートである。
【図19】噴射量最終補正率FFの変化を示すタイムチ
ャートである。
【図20】燃料噴射制御および点火時期制御を行うため
のフローチャートである。
【図21】噴射量最終補正率FFの変化を示すタイムチ
ャートである。
【図22】燃料噴射制御および点火時期制御を行うため
のフローチャートである。
【図23】噴射量最終補正率FFおよび点火時期θの変
化を示すタイムチャートである。
【図24】噴射量最終補正率FFおよび点火時期θの変
化を示すタイムチャートである。
【図25】燃料噴射制御および点火時期制御を行うため
のフローチャートである。
【図26】燃料噴射制御および点火時期制御を行うため
のフローチャートである。
【図27】噴射量最終補正率FF等の変化を示すタイム
チャートである。
【図28】噴射量最終補正率FF等の変化を示すタイム
チャートである。
【図29】燃料噴射制御および点火時期制御を行うため
のフローチャートである。
【図30】噴射量最終補正率FF等の変化を示すタイム
チャートである。
【図31】可変圧縮比機構を説明するためのピストンの
側面断面図てある。
【図32】燃料噴射制御および点火時期制御を行うため
のフローチャートである。
【図33】暖機制御時における点火時期θの変化を示す
タイムチャートである。
【図34】機関回転数が変動したときの制御を説明する
ためのタイムチャートである。
【図35】噴射量最終補正率FF等の変化を示すタイム
チャートである。
【図36】燃料噴射制御および点火時期制御を行うため
のフローチャートである。
【図37】燃料噴射制御および点火時期制御を行うため
のフローチャートである。
【図38】点火時期の変化を示すタイムチャートであ
る。
【図39】点火時期を制御するためのフローチャートで
ある。
【符号の説明】
4…燃焼室 9…点火栓 10…燃料噴射弁 19…三元触媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 43/00 301 H B S 45/00 312 N F02P 5/15

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空燃比を予め定められた目標空燃比とす
    るのに必要な基本燃料噴射量を算出し、この基本燃料噴
    射量に基づいて燃料噴射量を定めるようにした内燃機関
    において、点火時期が圧縮上死点付近又は圧縮上死点後
    まで遅角されたときには遅角作用が行われているときに
    一時的に燃料噴射量を基本燃料噴射量に対して増量補正
    し、圧縮上死点付近よりも遅い点火時期から点火時期が
    進角されたときには進角作用が行われているときに一時
    的に燃料噴射量を基本燃料噴射量に対して減量補正する
    燃料噴射量補正手段を具備した内燃機関の空燃比制御装
    置。
  2. 【請求項2】 上記基本燃料噴射量に対する燃料噴射量
    の補正率は点火が行われるまでの時間の変化量が大きく
    なるほど増大せしめられる請求項1に記載の内燃機関の
    空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】 燃料噴射量の補正率は点火時期の遅角絶
    対値が大きくなるほど増大せしめられる請求項2に記載
    の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 【請求項4】 点火が行われるまでの時間は遅角量に正
    比例し、進角量に反比例し、機関回転数に反比例する請
    求項2に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  5. 【請求項5】 遅角作用中又は進角作用中に機関回転数
    が変化したときに燃料噴射量の補正率が変動しないよう
    に点火時期を進角補正又は遅角補正する点火時期補正手
    段を具備した請求項4に記載の内燃機関の空燃比制御装
    置。
  6. 【請求項6】 上記遅角作用完了後、進角作用が開始さ
    れるまでの点火時期遅角中において機関回転数が増大し
    たときには燃料噴射量の補正率を減少せしめ、機関回転
    数が減少したときには燃料噴射量の補正率を増大せしめ
    る補正率制御手段を具備した請求項4に記載の内燃機関
    の空燃比制御装置。
  7. 【請求項7】 上記遅角作用完了後、進角作用が開始さ
    れるまでの点火時期遅角中において機関回転数か増大し
    たときには点火時期を遅角させ、機関回転数が減少した
    ときには点火時期を進角させる点火時期制御手段を具備
    した請求項4に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  8. 【請求項8】 機関回転数が予め定められた目標回転数
    よりも低いときには点火時期を除々に進角させ、機関回
    転数が該目標回転数よりも高いときには点火時期を除々
    に遅角させる点火時期制御手段を具備した請求項6又は
    請求項7に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  9. 【請求項9】 燃料噴射量の補正率が予め定められた一
    定値に達したときには該補正率を該予め定められた一定
    値に維持する補正率制御手段と、該補正率が該予め定め
    られた一定値に維持されたときには点火時期の変化量を
    小さくする点火時期補正手段とを具備した請求項4に記
    載の内燃機関の空燃比制御装置。
  10. 【請求項10】 遅角作用中には機関回転数を一時的に
    増大させ、進角作用中には機関回転数を一時的に減少さ
    せる回転数制御手段を具備した請求項1に記載の内燃機
    関の空燃比制御装置。
  11. 【請求項11】 点火時期が上記基準点火時期よりも遅
    角したときには機関の圧縮比を低下させる圧縮比低下手
    段を具備した請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装
    置。
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