JPH0885009A - 引込装置 - Google Patents

引込装置

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Publication number
JPH0885009A
JPH0885009A JP22129594A JP22129594A JPH0885009A JP H0885009 A JPH0885009 A JP H0885009A JP 22129594 A JP22129594 A JP 22129594A JP 22129594 A JP22129594 A JP 22129594A JP H0885009 A JPH0885009 A JP H0885009A
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JP
Japan
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hole
retracting
retracted
axial direction
collet
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Application number
JP22129594A
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English (en)
Inventor
Hajime Mizutani
肇 水谷
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Fuji Bellows Co Ltd
Fuji Seiko Co Ltd
Original Assignee
Fuji Bellows Co Ltd
Fuji Seiko Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Bellows Co Ltd, Fuji Seiko Co Ltd filed Critical Fuji Bellows Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小形で操作が簡単かつ引込対象物を軸方向に
真っ直ぐに引き込み得る引込装置を得る。 【構成】 ナット部材92を回転させて引込部材76を
第二貫通穴80内を後退させれば、ボール88の頂点が
被引込部材68の第一貫通穴72の内面のほぼ軸心上を
中心穴38の後部に向かって押すため、被引込部材68
およびそれに結合された引込対象物としてのコレット4
2が中心穴38の軸方向に真っ直ぐに引き込まれ、コレ
ット42がテーパ穴部40内で縮径させられてドリル5
0を把持する。ホルダ本体10の外部においてナット部
材92を回転操作するのみで、ドリル50の着脱を容易
に行い得る。また、引込時のコレット42の傾きが防止
されるため、ドリル50の保持剛性および保持精度が高
くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工具や被加工物等の保
持対象物を保持する保持装置等において、コレット等の
引込対象物を引き込む引込装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】保持対象物を保持する保持装置として、
例えば、実開平2−143108号公報に記載されたも
のがある。この装置は中心穴を有する筒状部材を備えて
おり、その中心穴の前端部には開口端に向かって直径が
直線的に増大するテーパ穴部が形成され、コレットが嵌
合されている。また、筒状部材の開口端の外周面にはナ
ット部材が配設されている。ナット部材は、筒状部材に
相対回転可能かつ軸方向移動不能に嵌合されるととも
に、コレットの外周面に形成された雄ねじ部に螺合され
ている。
【0003】上記保持装置に対象物を保持させる場合に
は、コレット内に対象物を挿入した後ナット部材を回転
させればよい。ナット部材の回転によって、コレットが
テーパ穴内に進入させられるため、コレットのテーパ外
周面が筒状部材のテーパ穴部の内周面に押し付けられて
弾性的に縮径させられ、コレットが対象物を把持するの
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記装
置のように筒状部材の前端部にナット部材を配設する
と、装置の前端部が大径となり、周辺部材との干渉等に
よって上記装置を使用することができない場合がある。
このような場合には、例えば実開昭56−42832号
公報に記載されている引込装置や、実開平3−1150
8号公報等に記載されている引込装置を利用してコレッ
トを引き込むことも可能である。
【0005】しかし、実開昭56−42832号公報に
記載されている引込装置による場合には、被引込部材が
軸方向に真っ直ぐ引き込まれず、したがって引込対象部
材も軸方向に真っ直ぐ引き込まれない問題が生じる。引
込対象物がコレットのように、中心穴内に引き込まれて
縮径させられることにより対象物を把持する把持部材で
ある場合には、把持部材と中心穴との同心度を保った状
態で把持部材を軸方向に真っ直ぐに引き込むことが望ま
しいのであるが、上記従来装置においては、引込対象部
材を軸方向に真っ直ぐ引き込むことができないのであ
る。把持部材が傾いた状態で中心穴に引き込まれれば、
対象物を強固に把持することができず、対象物の装置へ
の取付精度や保持剛性が低下するという不都合が生じ
る。一方、実開平3−11508号公報に記載の引込装
置によれば、引込対象物を軸方向に真っ直ぐ引き込むこ
とは可能なのであるが、引込装置の構造が複雑となると
ともに、その操作が煩雑となり、使い勝手が悪いという
問題が生じる。また、引込装置全体が筒状部材の内部に
組み込まれるため、筒状部材が大径となり装置全体が大
形となるという問題が生じ、小形の筒状部材においては
内部に引込装置全体を組み込むことができない。
【0006】以上は引込装置により引き込まれる引込対
象物がコレットである場合について説明したが、上記問
題は引込対象物が実開昭56−42832号公報や実開
平3−11508号公報に記載されているクランプシャ
フト等他の部材である場合にも同様に発生する問題であ
る。そこで本発明は、小形で、操作が容易であり、か
つ、引込対象物の中心部を真っ直ぐに引き込むことが可
能な引込装置を得ることを課題として為されたものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の第一発明に係る引
込装置は、(a)中心穴を有する筒状部材と、(b)そ
の筒状部材の中心穴に軸方向に移動可能に配設された被
引込部材と、(c)その被引込部材を直径方向に貫通し
て形成された第一貫通穴に前記中心穴の軸方向の隙間を
残して挿通されるとともに、両端部が前記筒状部材の前
記中心穴の周壁の直径方向に隔たった2部分に形成され
た一対の第二貫通穴に前記中心穴の軸方向に隙間を残し
て嵌合され、かつそれら第二貫通穴から突出した部分の
端面に前記中心穴と同軸の雄ねじ部が形成された引込部
材と、(d)その引込部材の中央部とその中央部に対向
する前記第一貫通穴の内面との一方から他方に向かって
突出して形成され、その他方に引込部材の軸心上におい
て当接する当接突部と、(e)前記筒状部材の外周面に
相対回転可能かつ軸方向に移動不能に嵌合され、前記引
込部材の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を備えたナット部
材とを含むように構成される。
【0008】第二発明に係る引込装置においては、前記
当接突部が、前記引込部材の中央部とその中央部に対向
する前記第一貫通穴の内面との一方に他方に向かって開
口して形成された凹部に、一部がその凹部から突出した
状態で収容され、その突出部において前記他方に当接す
るボールによって形成される。第三発明に係る引込装置
においては、前記中心穴が開口端に向かって直径が直線
的に増大するテーパ穴部を備え、前記被引込部材が、そ
のテーパ穴部に嵌合されたコレットの後端部に固定され
ているものとされる。
【0009】
【作用】第一発明に係る引込装置により引込対象物を引
き込む場合には、引込対象物を適宜の手段で被引込部材
と係合させた状態でナット部材を回転させる。ナット部
材は筒状部材の外周面に相対回転可能かつ軸方向に移動
不能に嵌合されるとともに、引込部材の端面の雄ねじ部
と係合させられているため、ナット部材の回転につれて
引込部材が筒状部材に対して軸方向に後退させられる。
この引込部材は被引込部材と当接突部を介して当接して
いるため、引込部材の後退にともなって被引込部材が筒
状部材内に引き込まれる。例えば、引込対象物がコレッ
トである場合には、被引込部材とコレットとを一体的に
移動するように適宜の手段で結合しておけば、被引込部
材が筒状部材内に引き込まれればコレットも共に筒状部
材内に引き込まれ、筒状部材のテーパ内周面により縮径
させられ、保持対象物としての工具や被加工物等を把持
する。
【0010】被引込部材と引込部材とは当接突部におい
て引込部材の軸心上において当接させられているため、
引込部材が後退するときの力が常に被引込部材の中心部
の一点にかけられ、被引込部材が筒状部材に対して傾く
ことなく、中心穴内を軸方向に真っ直ぐに引き込まれ
る。引込部材は端面に形成された雄ねじ部においてナッ
ト部材と係合させられており、筒状部材の直径方向に対
してある程度傾くことを避け得ないのであるが、引込部
材が傾いてもその傾きは当接突部と相手部材との当接部
で吸収され、被引込部材まで傾かされることはない。ま
た、ナット部材は引込部材をほぼ正確に軸方向に移動さ
せるため、被引込部材は中心穴内を軸方向に真っ直ぐに
引き込まれるのである。したがって、被引込部材と結合
されている引込対象物も軸方向に真っ直ぐに引き込まれ
ることになる。
【0011】第二発明に係る引込装置においては、当接
突部を形成するために、前記引込部材の中央部とその中
央部に対向する前記第一貫通穴の内面との一方に他方に
向かって開口した凹部を形成し、その凹部にボールを一
部がその凹部から突出した状態で嵌合すればよい。当接
突部を引込部材あるいは被引込部材と一体に形成するこ
とも可能ではあるが、一般に突部を一体に形成するより
は凹部を形成する方が容易である。また、ボールは、市
販のものを安価に入手することができる。第三発明に係
る引込装置においてはコレットが引込対象物とされる。
ナット部材を回転させれば、被引込部材に固定されたコ
レットがテーパ穴部内に引き込まれ、弾性的に縮径させ
られて対象物を把持するのである。
【0012】
【発明の効果】第一発明によれば、筒状部材の前端部に
ナット部材を配設する必要がないため、引込装置を備え
た保持装置等の前端部の外径を小さくし得、保持装置等
の狭い空間への進入が可能となり、保持装置等の使い勝
手が向上する。また、筒状部材の中央部の外周面にナッ
ト部材が嵌合されるため、引込機構全体を筒状部材内に
設ける場合に比較して筒状部材の直径を小さくすること
ができ、結果として装置全体を小形化することができる
とともに、外部からナット部材を操作して引込対象物を
引き込むことができ、従来の引込式装置に比較して操作
が容易となり、作業を迅速かつ容易に行うことができ
る。また、引込部材が傾いている場合でも被引込部材を
中心穴内に軸方向に真っ直ぐ引き込むことができるた
め、その被引込部材と結合される引込対象物も真っ直ぐ
引き込むことができる。さらに、本発明に係る引込装置
は従来の引込装置に比較して構成部品数が少なく、構造
が簡単で安価に製造し得る利点がある。
【0013】第二発明によれば、当接突部の形成が容易
となり、製造コストを一層低減し得る効果が得られる。
第三発明によれば、コレットが中心穴との同心度を高い
精度で保持した状態で真っ直ぐテーパ穴内に引き込まれ
る。したがって、コレットの外周面とテーパ穴部の内周
面とが確実に密着し、対象物の保持剛性が高くなり、ま
た対象物の取付精度が向上する。
【0014】
【発明の望ましい実施態様】本発明の望ましい実施態様
を列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行う。 (1)前記被引込部材が前記引込対象物に、それらの一
方に形成された雄ねじ部と他方に形成された雌ねじ部と
の螺合により固定される請求項1〜3のいずれか一つに
記載の引込装置。このようにすれば、被引込部材と引込
対象物とを簡単な構造で強固にかつ分離可能に結合する
ことができ、通常は被引込部材と引込対象物とを一体の
部材として取扱いながら、必要が生じた場合にはいずれ
か一方のみを交換することができる。
【0015】(2)前記引込部材が円柱状部材であり、
前記第一貫通穴および第二貫通穴が前記中心穴の軸方向
に長い長穴である請求項1〜3,態様1のいずれか一つ
に記載の引込装置。引込部材を円柱状部材とし、第一貫
通穴および第二貫通穴を長穴とすれば、これらの加工が
容易となり、コスト低減を図ることができる。
【0016】(3)前記凹部の底面が前記ボールの球面
に実質的に密着可能な凹球面である請求項1〜3,態様
1,2のいずれか一つに記載の引込装置。このようにす
れば、ボールが凹部の底面に密着した状態でボールの頂
点が被引込部材に当接することができるため、ボールが
凹部内で半径方向に移動して被引込部材との当接位置が
変化することが防止され、引込部材の引込力を正確に予
定の位置で一点において被引込部材に加えることができ
る。また、ボールと凹部内周面との摩擦力が小さくて済
むため、ボールが凹部内で軽快に回転して引込部材と被
引込部材との筒状部材の半径方向の相対移動が良好に許
容され、被引込部材に筒状部材の半径方向の力が作用す
ることが良好に回避される。
【0017】(4)前記筒状部材の外周面と前記ナット
部材の内周面との互いに対向する部分にそれぞれ形成さ
れたほぼ半円形断面の環状溝に跨がって多数のボールが
配設されることにより、ナット部材と筒状部材との軸方
向の相対移動が防止されている請求項1〜3,態様1〜
3のいずれか一つに記載の引込装置。
【0018】
【実施例】以下、本発明を工具ホルダの一種であるコレ
ットチャックの引込装置に適用した場合の一実施例を図
面に基づいて詳細に説明する。図1において10は筒状
部材としてのホルダ本体である。ホルダ本体10は、前
端部に工具保持部12を備え、後端部に図に二点鎖線で
示す工作機械のスピンドル14への取付部16を備えて
いる。
【0019】ホルダ本体10の取付部16の先端部には
小径の雄ねじ部22が形成されており、スピンドル14
の中心穴24内に形成された雌ねじ部26に螺合される
ようになっている。また、取付部16の基端部の外周面
には、工具係合部としての切欠30が等角度間隔に複数
個形成されている。取付部16がスピンドル14の中心
穴24の嵌合穴部28に挿入され、切欠30に取付用工
具が係合されて、取付部16の肩面32とスピンドル1
4の先端面34とが当接するまで、雄ねじ部22が雌ね
じ部26に締め込まれることにより、ホルダ本体10が
スピンドル14に半径方向および軸方向の相対移動不能
かつ相対回転不能に取り付けられるのである。
【0020】ホルダ本体10には、前端部から軸方向に
延びる中心穴38が形成されている。中心穴38の先端
部、すなわち工具保持部12側の部分は、内径が開口端
に向かって直線的に増大するテーパ内周面を備えたテー
パ穴部40とされている。テーパ穴部40内には、把持
部材としてのコレット42が嵌合されている。コレット
42は、テーパ穴部40の内周面に対応して形成された
テーパ外周面44においてテーパ穴部40に嵌合される
一方、中心部には軸方向に工具挿入穴46が形成されて
おり、工具挿入穴46の円筒面である内周面において、
二点鎖線で示す対象物としての切削工具たるドリル50
のシャンク部52の外周面に密着してこれを把持する。
【0021】コレット42の工具挿入穴46の後端部は
雌ねじ穴54とされており、外周面に雄ねじ部を備えた
挿入深さ規定部材58が螺合されている。挿入深さ規定
部材58のホルダ本体10の前端側の端面には、矩形断
面の工具係合溝60が形成されている。この工具係合溝
にドリル50の回転防止突起たるタング62を係合さ
せ、ドリル50を回転させることにより挿入深さ規定部
材58を回転させてその軸方向位置を調節すれば、ドリ
ル50の工具挿入穴46への挿入深さを調節することが
できる。一旦ドリル50を取り外した後、再び取り付け
る場合にドリル50の刃先位置が変わってしまうことを
回避し得るのであり、また、切削時に作用する軸方向の
力によってドリル50が工具挿入穴46内へ押し込まれ
ることを防止するとができるのである。本実施例におい
ては、雌ねじ穴54および挿入深さ規定部材58が、ド
リル50の工具挿入穴46への挿入深さ、すなわち刃先
位置を調節する刃先位置調整装置を構成しているのであ
り、挿入深さ規定部材58の工具係合溝60の底面が挿
入深さ規定面として機能するのである。
【0022】コレット42の雌ねじ穴54にはさらに、
挿入深さ規定部材58の後方において被引込部材68が
螺合されている。被引込部材68のホルダ本体10の前
端部側には小径の雄ねじ部70が形成されており、雄ね
じ部70が雌ねじ穴54に、被引込部材68の肩面がコ
レット42の後端面に当接するまで締め込まれているの
である。被引込部材68は円形断面を有して中心穴38
内に軸方向に移動可能に配設されており、被引込部材6
8の移動に伴ってコレット42が軸方向に一体的に移動
させられるようになっている。本実施例においては、コ
レット42の雌ねじ穴54および被引込部材68の雄ね
じ部70が両者を結合する結合装置を構成しているので
ある。
【0023】被引込部材68には、直径方向に貫通する
第一貫通穴72が形成されている。第一貫通穴72は、
中心穴38の軸方向に長い長穴とされており、円柱状の
引込部材76が挿通されている。引込部材76は円形断
面を有し、第一貫通穴72に中心穴38の軸方向の隙間
を残して挿通されている。一方、ホルダ本体10には、
中心穴38の周壁の直径方向に隔たった2部分に一対の
第二貫通穴80が形成されており、第一貫通穴72に挿
通された引込部材76の両端部がそれぞれ第二貫通穴8
0に、中心穴38の軸方向の隙間を残して嵌合されてい
る。また、引込部材76の両端部の、それぞれ第二貫通
穴80から突出した部分の端面には中心穴38と同軸の
雄ねじ部82が形成されている。
【0024】引込部材76の中央部には、後方、すなわ
ちホルダ本体10の取付部16側に向かって開口する凹
部84が形成されており、ボール88が収容されてい
る。凹部84の底面はボール88の球面に実質的に密着
可能な凹球面とされている。図1から明らかなように、
ボール88の一部は凹部84から突出させられており、
突出部が被引込部材68の第一貫通穴72の後端部側の
内面のほぼ軸心上の部分に当接可能である。長穴である
第一貫通穴72の後端部側の内面は半円筒面であるが、
この半円筒面の半径はボール88の半径より大きく、ボ
ール88は半円筒面に点状に当接する。
【0025】ホルダ本体10の軸方向の中間部、すなわ
ち工具保持部12の取付部16に近接した部分の外周面
には、ナット部材92が嵌合されている。ナット部材9
2は、内周面がホルダ本体10の外周面に密着する摺動
部94と雌ねじ部96とから成っている。摺動部94の
内周面とホルダ本体10の外周面との互いに対向する部
分には、それぞれ半円形断面の環状溝98,100が形
成されており、それら両環状溝98,100に跨がって
多数のボール104が配設されている。したがって、ナ
ット部材92のホルダ本体10に対する相対回転は許容
されるが、軸方向の相対移動が防止される。本実施例に
おいては、環状溝98,100および多数のボール10
4によって、ナット部材92とホルダ本体10との相対
移動防止装置が構成されているのである。なお、ナット
部材92の外周面には工具係合用の切欠108が複数個
形成されている。
【0026】一方、雌ねじ部96は、ホルダ本体10の
第二貫通穴80からそれぞれ突出させられた引込部材7
6の雄ねじ部82に螺合されている。したがって、ナッ
ト部材92が回転させられることより、引込部材76が
第二貫通穴80内を軸方向に移動させられることととな
り、引込部材76の移動に伴って、凹部84に収容され
たボール88の頂点により被引込部材68が中心穴38
の後方へ向かって軸方向に押され、被引込部材68が中
心穴38内へ引き込まれる。
【0027】なお、110はシール部材としてのOリン
グであり、ナット部材92とホルダ本体10との隙間に
切削液や切り粉が侵入するのを防止するために設けられ
ている。
【0028】以上のように構成された引込装置を備えた
コレットチャックによってドリル50をスピンドル14
に取り付ける際の作業および装置の作動を説明する。ま
ず、挿入深さ規定部材58の工具係合溝60にドリル5
0のタング62を係合させ、ドリル50を回転させて挿
入深さ規定部材58の位置を調節した上で、ナット部材
92の工具係合用切欠108に図示しない工具を係合さ
せてナット部材92を回転させる。それにより引込部材
76が第二貫通穴80内を後退し、それに伴ってボール
88が被引込部材68の第一貫通穴72の内面を中心穴
38の後方へ向かって軸方向に押すため、被引込部材6
8が中心穴38内へ引き込まれる。
【0029】引込部材76の位置は、長穴である第二貫
通穴80との嵌合と、ナット部材92との螺合とによっ
て決められているのみであるため、引込部材76の軸線
がホルダ本体10の直径方向に対して僅かに傾くことを
避け得ない。しかし、この傾きが被引込部材68に伝達
されることは、ボール88と第一貫通穴72の内面との
当接部において回避されるため、被引込部材68が傾く
ことはない。
【0030】また、ボール88は凹部84の底部の凹球
面に密着させられており、凹部84内で半径方向に移動
してボール88の頂点の被引込部材68への当接位置が
変化することが防止されている。また、何らかの理由で
引込部材76、あるいはコレット42および被引込部材
68がホルダ本体10の半径方向に僅かに移動させられ
たとしても、ボール88が凹部84内で軽快に回転し
て、被引込部材68と引込部材76との半径方向の相対
移動を無理なく許容するため、被引込部材68に半径方
向の力が加えられて被引込部材68がホルダ本体10に
対して傾かされることが回避される。したがって、常
に、ボール88の頂点が被引込部材68の軸心上を一点
を真っ直軸方向に押すことができ、被引込部材68が半
径方向に傾くことなく、軸方向に真っ直ぐ中心穴38内
へ引き込まれる。
【0031】被引込部材68は雄ねじ部70と雌ねじ穴
54との螺合によってコレット42の後部に固定されて
いるため、被引込部材68が中心穴38へ引き込まれる
のに伴って、コレット42がテーパ穴部40へ引き込ま
れる。それにより、コレット42がテーパ穴部40のテ
ーパ内周面により弾性的に縮径させられ、ドリル50の
シャンク部52を把持する。上述のように被引込部材が
軸方向に真っ直ぐ引き込まれるためコレット42も中心
穴38との同心度を保った状態でテーパ穴部40内に真
っ直ぐに引き込まれる。したがって、コレット42のテ
ーパ外周面42が確実にテーパ穴部40の内周面に密着
させられて同心的に縮径させられ、コレット42の把持
精度が高くなる。そのため、ドリル50の保持剛性が高
くなるとともに、ドリル50がスピンドル14に対して
高い同心度で保持されることになる。
【0032】コレット42がシャンク部50を把持した
状態では、シャンク部50の外周面と工具挿入穴46の
内周面との摩擦係合により、ドリル50のコレット42
に対する回転が防止され、コレット42のホルダ本体1
0に対する相対回転は、コレット42と一体的に結合さ
れている被引込部材68の回転が引込部材76によって
防止されることにより防止される。
【0033】ドリル50の交換等のためにドリル50を
ホルダ本体10から取り外す場合には、ナット部材92
を前記とは逆方向に回転させればよい。それにより、引
込部材76が第二貫通穴80内を前進して、その外周面
が被引込部材68の第一貫通穴72の前端部側の内面に
当接して被引込部材68を中心穴38の前方へ押し出す
ため、被引込部材68と共にコレット42が前進させら
れてテーパ穴部40から押し出される。したがって、コ
レット42の縮径が解除され、ドリル50を容易に取り
外すことができる。
【0034】本実施例においては、凹部84が引込部材
76の後ろ向きの面に形成されているが、被引込部材6
8に形成することも可能である。例えば、被引込部材6
8の中心部に前端面から第一貫通穴72に到る軸方向穴
を形成し、その軸方向穴から加工工具を挿入して第一貫
通穴72の後端部側の内面に凹部を形成するのである。
この凹部にボールを一部が凹部から突出する状態で嵌合
すれば、引込部材76の外周面に点状に当接する当接突
部が形成される。
【0035】また、本実施例においては、引込部材76
が円柱状部材とされているが、角柱状部材等、断面形状
が非円形の部材とすることも可能である。非円形の断面
形状を有する引込部材を第二貫通穴80に回転不能に嵌
合すれば、それの両端面に形成した雄ねじ部とナット部
材との螺合が容易になる効果が得られる。
【0036】さらに、凹部を形成する部分やボール88
の頂点と当接する部分を、引込部材76や被引込部材6
8とは別体に製作した後固定して一体化することも可能
である。このようにすれば、ボール88と接触する部分
のみを高硬度の材料で形成することができ、引込部材7
6,被引込部材68全体を高硬度の材料で製作する必要
がなくなり、コスト低減を図り得る。また、当接突部を
ボール以外によって形成することも可能である。例え
ば、ピンの一端面を部分球面等の凸曲面に形成し、その
ピンを引込部材76や被引込部材68に形成したピン穴
に挿入して当接突部を形成し、あるいは引込部材76や
被引込部材68と一体に当接突部を形成するのである。
その他、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施
した態様で、本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である引込装置を備えたコ
レットチャックを示す正面断面図である。
【符号の説明】
10 ホルダ本体 38 中心穴 40 テーパ穴部 42 コレット 68 被引込部材 72 第一貫通穴 76 引込部材 82 雄ねじ部 84 凹部 88 ボール 92 ナット部材 96 雌ねじ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心穴を有する筒状部材と、 その筒状部材の中心穴に軸方向に移動可能に配設された
    被引込部材と、 その被引込部材を直径方向に貫通して形成された第一貫
    通穴に前記中心穴の軸方向の隙間を残して挿通されると
    ともに、両端部が前記筒状部材の前記中心穴の周壁の直
    径方向に隔たった2部分に形成された一対の第二貫通穴
    に前記中心穴の軸方向に隙間を残して嵌合され、かつそ
    れら第二貫通穴から突出した部分の端面に前記中心穴と
    同軸の雄ねじ部が形成された引込部材と、 その引込部材の中央部とその中央部に対向する前記第一
    貫通穴の内面との一方から他方に向かって突出して形成
    され、その他方に引込部材の軸心上において当接する当
    接突部と、 前記筒状部材の外周面に相対回転可能かつ軸方向に移動
    不能に嵌合され、前記引込部材の雄ねじ部と螺合する雌
    ねじ部を備えたナット部材とを含むことを特徴とする引
    込装置。
  2. 【請求項2】前記当接突部が、前記引込部材の中央部と
    その中央部に対向する前記第一貫通穴の内面との一方に
    他方に向かって開口して形成された凹部に、一部がその
    凹部から突出した状態で収容され、その突出部において
    前記他方に当接するボールによって形成されたことを特
    徴とする請求項1記載の引込装置。
  3. 【請求項3】 前記中心穴が開口端に向かって直径が直
    線的に増大するテーパ穴部を備え、前記被引込部材が、
    そのテーパ穴部に嵌合されたコレットの後端部に固定さ
    れている請求項1記載の引込装置。
JP22129594A 1994-09-16 1994-09-16 引込装置 Pending JPH0885009A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102794653A (zh) * 2012-08-22 2012-11-28 无锡鹰贝精密轴承有限公司 阀芯多工位加工工装
JP2013542076A (ja) * 2010-09-23 2013-11-21 テクナラ エフエスダブリュ カンパニー, エルエルシー 高速摩擦スポット接合ツールを保持する方法

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