JPH0884932A - 1−クロロ−3−メチルブテ−2−エン製造用触媒及びそれを用いた製造方法 - Google Patents

1−クロロ−3−メチルブテ−2−エン製造用触媒及びそれを用いた製造方法

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JPH0884932A
JPH0884932A JP7104642A JP10464295A JPH0884932A JP H0884932 A JPH0884932 A JP H0884932A JP 7104642 A JP7104642 A JP 7104642A JP 10464295 A JP10464295 A JP 10464295A JP H0884932 A JPH0884932 A JP H0884932A
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catalyst
isoprene
prenyl
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JP7104642A
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Hermann Dr Petersen
ハーマン・ペーターセン
Dieter Dr Huebner
ディーター・ヒューブナー
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Wacker Chemie AG
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Wacker Chemie AG
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イソプレンから塩化プレニルを工業的に好ま
しい連続法で製造すること及びプロセスの安全を確保す
ることを可能にする塩化プレニル製造用触媒及びそれを
用いた製造方法を提供すること。 【構成】 イソプレンと塩化水素から塩化プレニルを製
造するための触媒であって、ハロゲン化銅(I)と亜リ
ン酸トリアルキル又は亜リン酸トリアリールとからなる
一般式(I);CuX・P(OR)3 (式中、XはC
l、Br又はIであり、Rは直鎖若しくは分岐鎖のアル
キル基又はアリール基であり、前記アルキル基及びアリ
ール基が置換されていてもよい)で表される錯体を含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1−クロロ−3−メチ
ルブテ−2−エン(塩化プレニル)の製造において反応
触媒、異性化触媒及び安定化剤としての役割を果たす物
質並びにこれらの物質を用いた塩化プレニルの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】1−クロロ−3−メチルブテ−2−エン
(塩化プレニル)は、HClをイソプレンに分子付加し
た後、主要生成物として生成した3−クロロ−3−メチ
ルブテ−1−エンを異性化して塩化プレニルを得ること
により製造される。DE−A 2538636(CA
86:189176)は、イソプレンとガス状HClと
を、高圧及び温度>10°C下で、触媒としてCuCl
粉末を用いて反応させることを記載している。この反応
の欠点は、触媒が固体であるために、バッチ法でしか使
用できず、上記圧力レベルで反応を実施するには複雑な
オートクレーブ設備が必要であり、反応には6〜8時間
の極めて長い時間を要することである。
【0003】DE−A 2143095(CA 77:
4859)は、イソプレンとガス状HClとの反応を、
粉末状銅又はCuClの存在下で0°C未満の極めて低
温度レベルで実施する方法に関する。ここに開示されて
いる方法には、反応温度が低くて不経済であることや、
塩化プレニルが塩化プレニル:塩化イソプレニル重量比
=12:88と極めて不利な重量比で存在するので目的
とする最終生成物を単離する前に触媒を完全に除去しな
ければならない欠点がある。したがって、連続操作は、
自動的に不可能となる。
【0004】3−クロロ−3−メチルブテ−1−エン
(塩化イソプレニル)から塩化プレニルへの異性化用触
媒が、EP−A−132543及びEP−A−1325
45号に記載されている。EP−A−132543に記
載の方法では、ガス状塩化水素、銅元素、塩化銅(I)
又は塩化銅(II)と第四アンモニウム塩との存在下で
異性化を実施している。EP−A−132545は、ガ
ス状塩化水素、銅元素、塩化銅(I)又は塩化銅(I
I)と有機アミンとの存在下で異性化することを記載し
ている。
【0005】銅元素、塩化銅(I)又は塩化銅(II)
を用いた異性化には、これらの物質が出発物質及び最終
生成物に実質的に不溶である欠点がある。このため、十
分な活性を得るには、触媒を多量に使用しなければなら
ないとともに、さらに反応後触媒を濾去しなければなら
ない。連続法では、固体の計量は、技術的に問題があ
る。
【0006】一連の刊行物も、塩化プレニルの連続製造
方法を開示している。CS−A124000(CA6
9:43403)は、イソプレンと塩化水素とを吸収塔
内で低温で反応させた後、2つの蒸留塔で異性体混合物
を分離する塩化プレニルの連続製造方法を記載してい
る。このために、新イソプレンと、回収イソプレンと、
回収異性体と、第一蒸留で得た塔底生成物とを塔頂に連
続計量供給すると同時に、塩化水素を塔底に導入する。
多量の異性体と出発物質とを循環しなければならないの
で、この方法は経済的に極めて不利である。
【0007】FR−A1548516号(CA71:1
12390)は、実施例2において、イソプレンを塩酸
と硫酸との混合物と反応させ、得られた塩化プレニルを
連続的に蒸留回収する連続法を記載している。この方法
には、濃塩酸と濃硫酸との混合、相分離及び水相(希硫
酸)の処分という複雑な工程が加わる欠点がある。US
─A−4036899は、イソプレンとHCl水溶液
を、アルカリ金属又はアルカリ土類金属塩化物の存在下
で反応させ、最終生成物を蒸留で有機相から除去する方
法を記載している。この方法には、水相を分離するたび
に廃棄しなければならないので、真の連続法とはならな
い欠点がある。
【0008】JP−A50−160206(CA84:
135093)では、塩化水素をイソプレンと塩化イソ
プレニルとの混合物に通じ、イソプレンを塩化イソプレ
ニルに転化している。塩化イソプレニルは、塩化水素又
は塩酸を用いて異性化して、塩化プレニルを得ている。
異性化混合物層を分離し、塩酸溶液を、異性化工程で再
使用する。有機相から、未反応イソプレンと未異性化塩
化イソプレニルを分離回収し、第一工程に再循環する。
この方法では連続操作が可能ではあるが、塩酸水溶液を
使用するので、層分離のための複雑な工程を避けること
ができない。いずれの場合においても、ルイス酸が生成
して極めて激しい重合反応を引き起こすという非常に危
険な欠点がある。
【0009】従来技術に記載の塩化プレニルの安定剤
は、N,N−ジアリールアミン類(CA95:2032
90)及びt−アルキルアミン類、アミド類及びチオ尿
素類(CA116:6147)である。亜リン酸トリア
ルキル/ハロゲン化銅が、ケテンジチオアセタール類の
アリル化触媒として(Ziegler F.E.、J.
Org.Chem.44、1979、3428〜343
0)及びホスホン酸ビニル製造用薬剤として(Axel
rad G.J.Org.Chem.46、1981、
5200〜5204)記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イソ
プレンから塩化プレニルを工業的に好ましい連続法で製
造することも可能にする塩化プレニルの製造用触媒を提
供することである。本発明のさらなる目的は、従来技術
の方法では考慮されなかったプロセスの安全を確保され
た製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の目的は、
下記構成によって達成することができる。 (1) イソプレンと塩化水素から1−クロロ−3−メ
チルブテ−2−エンを製造するための触媒であって、ハ
ロゲン化銅(I)と亜リン酸トリアルキル又は亜リン酸
トリアリールとからなる下記一般式(I)で表される錯
体を一種以上含んでなることを特徴とする1−クロロ−
3−メチルブテ−2−エン製造用触媒。
【0012】CuX・P(OR)3 (I) (式中、XはCl、Br又はIであり、Rは直鎖若しく
は分岐鎖の炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基
であり、前記アルキル基及びアリール基が置換されてい
てもよい) (2) 触媒の存在下、−30°C〜+30°Cの温
度、大気圧又は5バール以下の加圧下、HCl/イソプ
レンモル比≦1/1の条件下でイソプレンと塩化水素か
ら1−クロロ−3−メチルブテ−2−エンを製造する方
法であって、使用される触媒がハロゲン化銅(I)と亜
リン酸トリアルキル又は亜リン酸トリアリールとからな
る下記一般式(I)で表される錯体を一種以上含んでな
り、前記触媒をイソプレン1モル当たり0.02〜2.
0mmol使用することを特徴とする1−クロロ−3−
メチルブテ−2−エンの製造方法。
【0013】CuX・P(OR)3 (I) (式中、XはCl、Br又はIであり、Rは直鎖若しく
は分岐鎖の炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基
であり、前記アルキル基及びアリール基が置換されてい
てもよい) (3) 式(I)中、XはCl、Br又はIであり、R
はメチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n
−ブチル、イソ−ブチル、イソ−アミル、ベンジル又は
フェニルであることを特徴とする前記(1)に記載の触
媒。
【0014】(4) 一般式(I)で表される前記触媒
が不活性有機溶媒又は対応する亜リン酸トリアルキル若
しくは亜リン酸トリアリール中に溶液の状態で存在する
ことを特徴とする前記(1)又は(3)に記載の触媒。 (5) 一般式(I)で表される前記触媒が対応する亜
リン酸トリアルキル若しくは亜リン酸トリアリール中に
溶液の状態で存在する前記(4)に記載の触媒。
【0015】(6) 一般式(I)のCuX・P(O
R)3 で表される触媒がP(OR)3中に溶液の状態で
使用され、P(OR)3 の使用量がイソプレン1モル当
たりP(OR)3 0.03mmolである前記(2)に
記載の製造方法。 (7) 前記製造をバッチ法で実施し、この際、前記触
媒を最初にイソプレンと一緒に入れ、得られた混合物を
冷却し、その後攪拌及び冷却しながら前記混合物に塩化
水素ガスを通じ、塩化水素の導入が完了した後前記混合
物を温め、得られた生成物を好ましくは保存して塩化イ
ソプレニルを異性化することにより塩化プレニルを得、
必要に応じて得られた塩化プレニルを蒸留精製する前記
(2)又は(6)に記載の製造方法。
【0016】(8) 前記製造を連続法で実施し、この
際、イソプレン/触媒混合物又はイソプレンと触媒とを
別個にと、塩化水素ガスとを循環ポンプで駆動した冷却
された反応循環路に連続的に計量導入し、得られた反応
生成物を連続的に蒸留除去し、蒸留塔の塔頂から蒸留除
去されたイソプレン/塩化イソプレニル混合物を反応に
再利用し、そして塩化プレニルを蒸留塔の塔底生成物と
して得、前記塔底生成物を必要に応じてさらに連続蒸留
する前記(2)または(6)に記載の製造方法。
【0017】本発明の触媒を用いることにより、イソプ
レンから塩化プレニルを工業的に好ましい連続法で製造
することも可能にできる。このことは、従来技術で公知
な固体CuCl触媒では、連続計量及び分離にかなりの
困難が伴うので、従来の固体CuCl触媒を用いては達
成できない。また、本発明の触媒を用いたイソプレンの
製造方法は、従来技術の方法では考慮されなかったプロ
セスの安全を確保することができる。イソプレンと塩化
水素とを反応させて塩化プレニルを得る際に、塩化鉄
(III)等のルイス酸が極微量存在しても塩化プレニ
ルが自然分解して異常に激しい重合反応が始まる。従来
法では、設備がほうろう製であっても損傷を生じると、
確実に塩化鉄(III)が放出されることがあるので、
非常に危険性が高かった。
【0018】一般式(I)で表される錯体は、好ましく
はXがCl、Br又はIであり、Rがメチル、エチル、
n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブ
チル、イソ−アミル、ベンジル又はフェニルのものであ
る。亜リン酸トリアルキル(又は亜リン酸トリアリー
ル)/ハロゲン化銅錯体の製造が、「Gmelin C
u 〔B〕 Instalment 1、第251頁、
365、414」に記載されている。例えば、CuCl
粉末を亜リン酸トリアルキル(又は亜リン酸トリアリー
ル)に添加し、得られた混合物を加熱して粉末を溶解し
脱色する。もし過剰の亜リン酸トリアルキル(又は亜リ
ン酸トリアリール)を使用するならば、対応する亜リン
酸トリアルキル(又は亜リン酸トリアリール)中のCu
錯体の溶液が得られる。
【0019】好ましい実施態様では、本発明の触媒は、
一般式(I)で表される錯体溶液を含んでなる。溶媒と
しては、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル)、石
油エーテル若しくはヘキサン等の炭化水素類、ハロゲン
化炭化水素類(例えば、クロロホルム若しくは臭化エチ
ル)、又はトルエン等の芳香族溶媒などの不活性有機溶
媒が適当である。また、好ましくは、対応する亜リン酸
トリアルキル又は対応する亜リン酸トリアリール中の、
亜リン酸トリアルキル/ハロゲン化銅錯体又は亜リン酸
トリアリール/ハロゲン化銅錯体の溶液を使用すること
が好ましい。この理由は、驚くべきことに、溶媒として
使用される亜リン酸トリアルキル又は亜リン酸トリアリ
ールが、塩化プレニルを製造中及び保存中に安定化する
ことが判明したことによる。経済的な理由から、特に好
ましい触媒は、亜リン酸トリエチル中のCuCl・P
(OEt)3 の溶液である。
【0020】溶液の濃度は、制限要因ではない。通常、
濃度は、触媒作用に必要とされる錯体の量が存在するよ
うに設定される。溶媒として亜リン酸トリアルキル又は
亜リン酸トリアリールを用いるとき、その濃度を、触媒
と、安定剤としての役割を果たす溶媒との両方が所望の
量で存在するように設定する。本発明の触媒であるCu
X・P(OR)3 は、好ましくはイソプレン1モル当た
り0.02〜2.0mmolのモル比、特に好ましくは
イソプレン1モル当たり0.1〜1.5mmolのモル
比で使用される。上記イソプレン1モル当たり触媒0.
02mmolのモル比は、適当な異性化速度を得る最少
量である。原則として上限はないが、経済面から、上記
範囲内でできるだけ少量であることが求められる。もし
極めて高い異性化速度が求められるのであれば、上記最
大値イソプレン1モル当たり触媒1.5mmol又は
2.0mmolが望ましい。
【0021】もしP(OR)3 中のCuX・P(OR)
3 の溶液を触媒として使用するならば、亜リン酸トリア
ルキル(又は亜リン酸トリアリール)〔P(OR)3
の量を、所望の安定作用との関連から選択する。イソプ
レン1mol当たりP(OR)3 0.03mmol(=
0.003mol%)でも、非常に効果的である。より
多くの量を使用しても問題はない。イソプレンに対して
通常0.002〜0.1mol%が使用される。比較的
多量の鉄の存在下では、反応を、必要に応じてもっと高
濃度で実施することもできる。
【0022】さらに、本発明によれば、本発明の触媒を
用いた1−クロロ−3−メチルブテ−2−エン(塩化プ
レニル)の製造方法が提供される。この製造方法は、バ
ッチ法か連続法でイソプレンとガス状塩化水素とを反応
させることにより実施することができる。このために、
イソプレンを塩化水素に対してわずか過剰又は等モル比
で使用する。過剰のHClは、望ましくないジクロロメ
チルブタンが増加するので避けるべきである。もし塩化
水素の量が少なすぎると、イソプレンの転化率が低下す
る。好ましくは、HClのイソプレンに対するモル比
は、0.95:1〜1:1である。
【0023】イソプレンに対する塩化水素の付加反応
は、−30°C〜+30°Cの温度で実施できる。イソ
プレン損失が低いが反応速度が十分に高い適当な温度レ
ベルは、0°C付近の温度、好ましくは−5°C〜+5
°Cであることが判明した。反応は、大気圧又は5バー
ル以下の加圧下で実施できる。反応後、得られた混合物
を暖める。この際、室温まで暖めるのが有利であり、好
ましくは10°C〜30°Cの温度レベルに暖める。得
られた生成混合物の塩化イソプレニル/塩化プレニル
を、塩化イソプレニルを塩化プレニルに異性化するため
に、平衡となるまで、好ましくは0.5〜10日間この
温度で保持し、次に塩化プレニルの部分を蒸留により単
離する。別法として、塩化プレニルの部分を、反応に引
き続いて直ちに蒸留により除去できる。
【0024】バッチ法では、好ましい実施態様におい
て、この触媒を、最初にイソプレンと一緒に入れ、必要
に応じて混合物を冷却し、続いて攪拌しながら、必要に
応じて冷却しながら塩化水素ガスを混合物に通じる。原
則的には、触媒だけを最初に入れ、イソプレンと塩化水
素とを計量して導入することも可能である。しかしなが
ら、この方法では、副生成物の生成が多くなることを予
想しなければならない。HClを通じるのが完了した
後、混合物を暖め、生成物を保存して塩化イソプレニル
を異性化することにより塩化プレニルを得る。生成混合
物は、保存なしか保存後に蒸留により精製できる。本発
明において一般的に、保存後、生成物をさらに蒸留する
ことなくほとんどの反応に使用できる。
【0025】本発明の触媒を用いてイソプレン及び塩化
水素から塩化プレニルを製造するための好ましい方法
は、連続法である。このために、イソプレン/触媒混合
物又はイソプレンと触媒とを別個にと、塩化水素ガスと
を循環ポンプで駆動する冷却された反応循環路に連続的
に計量導入し、そして生成混合物を同時に取り出すこと
ができる。連続法を開始するとき、反応混合物を初期装
入物として装置を満たすことが特に有用である。ここ
で、イソプレン又は触媒(溶液)は装置に別個に導入で
き、好ましくは触媒又は触媒溶液をイソプレンと一緒に
装置に導入後、所望の転化率が達成されるまでHClの
みを計量導入する。ちょうどこの時点から、触媒とHC
lとともにイソプレンを連続的に計量導入し、生成物を
連続的に取り出す。
【0026】次に、連続的に流出する生成物混合物を、
さらに、転位させるため又は平衡に達するまで(塩化プ
レニル/塩化イソプレニル=85/15)保存後、蒸留
する。しかしながら、また、保存することなく、反応に
続いて直ちに、蒸留塔の塔頂から蒸留回収したイソプレ
ン/塩化イソプレニル混合物を連続蒸留して反応に再利
用できる。このイソプレンはHClと反応でき、塩化イ
ソプレニルは異性化して塩化プレニルを生成できる。蒸
留塔の塔底生成物を、次に、必要に応じて、高蒸留分離
を実施し高純度の塩化プレニルを得る場合には、さらに
連続蒸留に附することができる(蒸留温度50°C、1
20mbar:塩化プレニル94.1%、塩化イソプレ
ニル1.8%、イソプレン0.2%)。
【0027】このようにして得ることができる1−クロ
ロ−3−メチルブテ−2−エンは、ビタミン類及び芳香
剤製造用中間体として有用である。これを用いて得るこ
とができる芳香剤には、例えば、酢酸プレニル、プレニ
ルベンゾエート、プレニルサリチレート、ネロリアルデ
ヒド(2,5−ジメチル−2−ビニル−4−ヘキサナー
ル)、シトロワニル(2,5−ジメチル−2−ビニル−
4−ヘキセン−ニトリル)、シルワノール(2−エチル
−2−プレニル−3−ヘキセノール)又はアマロシット
(1,1−ジメトキシ−2,2−ジメチル−3−フェニ
ルプロパン)がある。
【0028】一般式CuX・P(OR)3 で表される本
発明の触媒系を用いてはじめて、塩化水素のイソプレン
への分子付加と最初に生成した3−クロロ−3−メチル
ブテ−1−エン(塩化イソプレニル)を転位して1−ク
ロロ−3−メチルブテ−2−エン(塩化プレニル)とす
ることの両方を触媒することが可能であり、さらに、出
発物質と生成物との両方に可溶であり且つ極めて少量で
あっても効果的であるので連続製造用に最適である。さ
らに、対応するホスファイト〔P(OR)3 〕中のCu
X・P(OR)3 の溶液は、塩化プレニルの製造中にこ
の物質が自然分解するのを防止し、さらに塩化プレニル
の保存に安定剤としての役割を果たす触媒を提供するこ
とができる。上記した溶液のさらなる利点は、必要とす
る安定化の度合いを溶液濃度との関連で微調整できるこ
とである。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 実施例1:CuCl−P(OEt)3 錯体のP(OE
t)3 溶液 亜リン酸トリエチル19.3g(0.116mol)と
CuCl0.6g(0.006mol)とを、フラスコ
内で窒素下130°Cに加熱して透明無色溶液を得た。
得られた溶液のCuCl錯体含量は、8重量%であっ
た。 実施例2:CuCl−P(OEt)3 錯体のP(OE
t)3 溶液 亜リン酸トリエチル8.66g(0.052mol)と
CuCl1.34g(0.0135mol)とを、フラ
スコ内で窒素下150°Cに加熱して透明無色溶液を得
た。得られた溶液のCuCl錯体含量は、35.9重量
%であった。 実施例3:CuCl−P(OBu)3 錯体のP(OB
u)3 溶液 亜リン酸トリブチル29.03g(0.116mol)
とCuCl0.6g(0.006mol)とを、フラス
コ内で窒素下175°Cに加熱して透明無色溶液を得
た。得られた溶液のCuCl錯体含量は、7.1重量%
であった。 実施例4:CuCl−P(OPh)3 錯体のP(OP
h)3 溶液 亜リン酸トリフェニル35.99g(0.116mo
l)とCuCl0.6g(0.006mol)とを、フ
ラスコ内で窒素下175°Cに加熱して透明無色溶液を
得た。得られた溶液のCuCl錯体含量は、6.5重量
%であった。 実施例5:CuBr−P(OEt)3 錯体のP(OE
t)3 溶液 亜リン酸トリエチル19.3g(0.116mol)と
CuBr0.86g(0.006mol)とを、フラス
コ内で窒素下130°Cに加熱して透明無色溶液を得
た。得られた溶液のCuBr錯体含量は、9.2重量%
であった。 実施例6:CuI−P(OEt)3 錯体のP(OEt)
3 溶液 亜リン酸トリエチル19.3g(0.116mol)と
CuI1.14g(0.006mol)とを、フラスコ
内で窒素下130°Cに加熱して透明無色溶液を得た。
得られた溶液のCuI錯体含量は、9.5重量%であっ
た。 実施例7〜13:バッチ法による塩化プレニルの調製 実施例7:温度計と、ガス入口フリットと、還流冷却器
とを取り付けた500ml三つ口フラスコに、イソプレ
ン146g(2.14mol)と実施例1で得た触媒溶
液0.22g(錯体17.6mg=0.07mmol)
とを入れた。この溶液を0°Cに冷却後、HClガス
を、発泡が起きるまでの約90分間通じて、HClを不
完全付加させた。その後、得られた混合物を室温まで温
め、生成物217.0gを得た。この生成物を放置し、
塩化イソプレニルが塩化プレニルに転位するのを、ガス
クロマトグラフィーにより監視した。10日後、平衡に
達した(塩化イソプレニル20%、塩化プレニル80
%)。 実施例8:実施例1の触媒溶液を0.02g(錯体1.
76mg=0.007mmol)しか使用しなかった以
外は、実施例7と同様の操作を行った。実施例7と比較
するために、塩化水素を通じる速度を減少させて3時間
導入操作を行なった。その結果、生成物208gが得ら
れた。
【0030】反応後の組成をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、塩化プレニル29.2%、塩化イソプ
レニル63.7%であった。また、生成物を9日間保存
後、組成をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
塩化プレニル64.2%、塩化イソプレニル27.2%
であった。 実施例9:実施例2の触媒溶液を0.22g(錯体7
9.0mg=0.33mmol)使用した以外は、実施
例7と同様の操作を行った。収量は、219gであっ
た。
【0031】反応後の組成をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、塩化プレニル35.9%、塩化イソプ
レニル56.2%であった。また、生成物を2日間保存
後、組成をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
塩化プレニル80.9%、塩化イソプレニル12.8%
であった。 実施例10:実施例3の触媒溶液を0.33g(錯体2
3.4mg=0.07mmol)使用し、且つ塩化水素
を50分間通じた以外は、実施例7と同様の操作を行っ
た。収量は、217gであった。
【0032】反応後の組成をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、塩化プレニル44.0%、塩化イソプ
レニル48.5%であった。また、生成物を4日間保存
後、組成をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
塩化プレニル70.5%、塩化イソプレニル22.0%
であった。 実施例11:実施例4の触媒溶液を0.40g(錯体2
6mg=0.07mmol)使用し、且つ塩化水素を9
5分間通じた以外は、実施例7と同様の操作を行った。
収量は、217gであった。
【0033】反応後の組成をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、塩化プレニル53.5%、塩化イソプ
レニル40.1%であった。また、生成物を5日間保存
後、組成をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
塩化プレニル75.7%、塩化イソプレニル12.9%
であった。 実施例12:実施例5の触媒溶液を0.22g(錯体2
0.24mg=0.07mmol)使用した以外は、実
施例7と同様の操作を行った。収量は、219gであっ
た。
【0034】反応後の組成をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、塩化プレニル61.8%、塩化イソプ
レニル31.2%であった。また、生成物を7日間保存
後、組成をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
塩化プレニル76.4%、塩化イソプレニル13.8%
であった。 実施例13:実施例6の触媒溶液を0.23g(錯体2
1.85mg=0.07mmol)使用し、且つ塩化水
素を60分間通じた以外は、実施例7と同様の操作を行
った。収量は、216gであった。
【0035】反応後の組成をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、塩化プレニル65.5%、塩化イソプ
レニル26.1%であった。また、生成物を4日間保存
後、組成をガスクロマトグラフィーで分析したところ、
塩化プレニル73.2%、塩化イソプレニル12.8%
であった。 実施例14〜15:塩化プレニルの連続調製: 実施例14:循環ポンプと冷却器(−20°Cでブライ
ン冷却)とを取りつけたタンタル製循環装置に、イソプ
レン15kgと実施例1の触媒溶液23g(イソプレン
1mol当たり錯体0.03mmol)を入れた。この
溶液を10°Cに冷却後、HClを6.25m3 /時間
の速度で45分間通じた。この初期反応混合物をガスク
ロマトグラフィーで分析したところ、イソプレン4.8
%、塩化イソプレニルと塩化プレニル92.0%、ジク
ロロメチルブタン0.1%であった。その後、イソプレ
ン1kg当たり1.5gの実施例1の触媒溶液(イソプ
レン1mol当たり錯体0.03mmol)をイソプレ
ンに計量混合しながらイソプレン23.2kg/時間を
4°Cで連続的に添加するとともに、HCl6.9m3
/時間を連続的に通じ、得られた生成物を連続的に取り
出した。17時間後、生成物586.5kgを得た。こ
の生成物の組成をガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、以下の通りであった:イソプレン5.4%、塩化
イソプレニル47.9%、塩化プレニル43.7%及び
2,4−ジクロロ−2−メチルブタン0.2%。保存後
の塩化プレニルの割合は80.9%であった。 実施例15:HClを6.9m3 /時間の代わりに7.
4m3 /時間通じた以外は、実施例14と同様の操作を
行った。この生成物の組成は、以下の通りであった:イ
ソプレン2.0%、塩化イソプレニル47.1%、塩化
プレニル47.7%、2,4−ジクロロ−2−メチルブ
タン0.3%。 比較例1:触媒を使用しなかった以外は、実施例7と同
様の操作を行った。HClの吸収量が規則的に減少した
ため、HClを通じる速度を連続的に減少させなければ
ならなかった。HClを3時間通じ、生成物217.5
gを得た。
【0036】反応後の組成をガスクロマトグラフィーで
分析したところ、塩化プレニル45.3%、塩化イソプ
レニル44.2%であった。また、10日間保存後の組
成をガスクロマトグラフィーで分析したところ、塩化プ
レニル58.6%、塩化イソプレニル32.4%であっ
た。さらに、24日間保存後の組成をガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、塩化プレニル70.4%、塩
化イソプレニル19.1%であった。 比較例2:温度計と、ガス入口フリットと、還流冷却器
とを取り付けた500ml三つ口フラスコに、イソプレ
ン146g(2.14mol)と塩化銅(I)粉末0.
53gとを入れた。この溶液を0°Cに冷却後、HCl
ガス74gを約90分間かけて通じた。得られた混合物
を、触媒を濾去せずに室温まで温めた。得られた生成物
の3日後の組成は、イソプレン5.4%、塩化プレニル
76.6%、塩化イソプレニル16.3%であった。こ
の触媒は、使用前に濾去しなければならなかった。5%
濃度FeCl3 のエーテル溶液を数滴添加したところ、
激しい反応が生じた。 HCl付加、異性化及び安定化についての触媒活性試
験: 触媒活性(付加):HCl付加についての触媒活性を測
定するために、一定量2.66リットル/分のHCl
を、イソプレン146g(2.14mol)と表1に示
した量の触媒からなる溶液に、0°Cでフリットを介し
て通じた。各例において、全量のHClはもはや吸収さ
れないので、発泡開始までの時間を測定した。各例にお
ける速度係数は、触媒なしで得られた値に対するもので
ある。結果を、以下の表1にまとめて示す。
【0037】
【表1】 表1: 触媒 量1 時間 速度係数 〔実施例〕 〔mmol〕 〔秒〕 触媒無し 15 1.0 CuCl−P(OEt)3 〔1〕 0.15 105 7.0 CuCl−P(OEt)3 〔1〕 0.03 90 6.0 CuCl−P(OBu)3 〔3〕 0.03 65 4.3 CuCl−P(OPh)3 〔4〕 0.03 55 3.7 CuBr−P(OEt)3 〔5〕 0.03 60 4.0 CuI−P(OEt)3 〔6〕 0.03 45 3.0 備考)1:イソプレン1mol当たりの触媒mmol
【0038】得られた測定値から、錯体CuCl−P
(OEt)3 は、明らかにイソプレンにHClを付加す
る場合の最良の触媒であることが分かる。 触媒活性(転位):一定量2.66リットル/分のHC
lを、イソプレン146g(2.14mol)と表2に
示した量の触媒からなる溶液に、0°Cでフリットを介
して通じた。反応後、生成物を0°Cから室温とした。
生成物を、この温度で保存した。触媒の転位効果の測定
を、表2に示す時間間隔で組成をガスクロマトグラフィ
ーで分析することにより実施した。組成は、時間0、即
ち、HClを通じるのを停止した直後に測定した。さら
に、塩化イソプレニルの割合が20%に低下した時点及
び塩化プレニルの割合が70%に増加した時点でも測定
した。さらには、以後組成が変化しない平衡に達した時
点でも測定を行った。試験結果を、表2にまとめて示
す。
【0039】表2の結果から、転位に関する触媒活性
は、配位子の種類(OPh>OBu>OEt)、ハロゲ
ン化銅(CuI>CuBr>CuCl)及び触媒量によ
って異なることが分かる。CuI−亜リン酸トリエチル
錯体が、特に効果的である。
【0040】
【表2】 表2: 触媒 量1 塩化イソプレニル 塩化プレニル 〔実施例〕 [mmol] 時間 含量 時間 含量 〔日〕 〔%〕 〔日〕 〔%〕 触媒無し 0 44.2 0 45.3 22.7 20.0 24.0 70.0 CuCl-P(OEt)3[1] 0.15 0 56.2 0 35.9 0.8 20.0 0.7 70.0 2.0 12.8 2.0 80.9 CuCl-P(OEt)3[1] 0.03 0 52.5 0 35.5 10.0 20.0 8.0 70.0 変化無し 変化無し CuCl-P(OEt)3[1] 0.003 0 63.7 0 29.2 17.8 20.0 18.6 70.0 CuCl-P(OBu)3[3] 0.03 0 44.0 0 44.6 4.4 20.0 3.9 70.0 6.0 13.0 6.0 75.4 CuCl-P(OPh)3[4] 0.03 0 40.1 0 53.5 3.0 20.0 2.8 70.0 5.0 12.9 5.0 75.7 CuBr-P(OEt)3[5] 0.03 0 31.2 0 61.8 3.6 20.0 3.0 70.0 7.0 13.8 7.0 76.4 CuI-P(OEt)3 [6] 0.03 0 26.1 0 65.5 1.0 20.0 1.5 70.0 4.0 12.8 4.0 73.2 備考)1:イソプレン1mol当たりの触媒mmol
【0041】触媒活性(安定化):触媒の安定化作用を
測定するために、実施例7〜13の反応生成物を、以下
のようにして試験した:粗生成物10gをガラスビーカ
ーに入れ、40°Cに加熱した。次に、5%FeCl3
のジエチルエーテル溶液2滴(1滴=溶液0.017g
=FeCl3 0.85mg)を添加し、混合物を旋回攪
拌した。もし温度が5分後に増加しなかったら、さらに
2滴添加した。この操作を、強発熱反応が生じるまで反
復した。イソプレン1kg当たりのFeCl3 消費量が
大きいほど、安定化作用がよい。安定性試験の結果を、
まとめて表3に示す。
【0042】
【表3】 表3: 触媒 量1 FeCl3 消費量 〔実施例〕 〔mmol〕 〔mg/kg〕 CuCl−P(OEt)3 〔7〕 0.03 850 CuCl−P(OEt)3 〔8〕 0.003 170 CuCl−P(OEt)3
〔9〕 0.15 425 CuCl−P(OBu)3 〔10〕 0.03 680 CuCl−P(OPh)3 〔11〕 0.03 425 CuBr−P(OEt)3 〔12〕 0.03 850 CuI−P(OEt)3 〔13〕 0.03 425 備考)1:イソプレン1mol当たりの触媒mmol
【0043】触媒溶液の安定化作用は、P(OPh)3
<P(OBu)3 <P(OEt)3の順序で増加する。
上記した対照FeCl3 を、比較例1の粗生成物10g
に添加した。ここで、最初の一滴を添加しただけで、激
しい反応が生じた。
【0044】
【発明の効果】本発明は、イソプレンから塩化プレニル
を工業的に好ましい連続法で製造することも可能にする
塩化プレニルの製造用触媒を提供することができる。更
に本発明は、従来技術の方法では考慮されなかったプロ
セスの安全を確保された製造方法を提供することができ
る。
【0045】即ち、一般式CuX・P(OR)3 で表さ
れる本発明の触媒系を用いてはじめて、塩化水素のイソ
プレンへの分子付加と最初に生成した3−クロロ−3−
メチルブテ−1−エン(塩化イソプレニル)を転位して
1−クロロ−3−メチルブテ−2−エン(塩化プレニ
ル)とすることの両方を触媒することが可能であり、さ
らに、出発物質と生成物との両方に可溶であり且つ極め
て少量であっても効果的であるので連続製造用に最適で
ある。さらに、対応するホスファイト〔P(OR)3
中のCuX・P(OR)3 の溶液は、塩化プレニルの製
造中にこの物質が自然分解するのを防止し、さらに塩化
プレニルの保存に安定剤としての役割を果たす触媒を提
供することができる。上記した溶液のさらなる利点は、
必要とする安定化の度合いを溶液濃度との関連で微調整
できることである。
フロントページの続き (72)発明者 ディーター・ヒューブナー ドイツ連邦共和国 ブルクハウゼン、マル クトラー・シュトラーセ 90

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソプレンと塩化水素から1−クロロ−
    3−メチルブテ−2−エンを製造するための触媒であっ
    て、ハロゲン化銅(I)と亜リン酸トリアルキル又は亜
    リン酸トリアリールとからなる一般式(I)で表される
    錯体を一種以上含んでなることを特徴とする1−クロロ
    −3−メチルブテ−2−エン製造用触媒。 CuX・P(OR)3 (I) (式中、XはCl、Br又はIであり、Rは直鎖若しく
    は分岐鎖の炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基
    であり、前記アルキル基及びアリール基が置換されてい
    てもよい)
  2. 【請求項2】 触媒の存在下、−30°C〜+30°C
    の温度、大気圧又は5バール以下の加圧下、HCl/イ
    ソプレンモル比≦1/1の条件下でイソプレンと塩化水
    素から1−クロロ−3−メチルブテ−2−エンを製造す
    る方法であって、使用される触媒がハロゲン化銅(I)
    と亜リン酸トリアルキル又は亜リン酸トリアリールとか
    らなる下記一般式(I)で表される錯体を一種以上含ん
    でなり、前記触媒をイソプレン1モル当たり0.02〜
    2.0mmol使用することを特徴とする1−クロロ−
    3−メチルブテ−2−エンの製造方法。 CuX・P(OR)3 (I) (式中、XはCl、Br又はIであり、Rは直鎖若しく
    は分岐鎖の炭素数1〜18のアルキル基又はアリール基
    であり、前記アルキル基及びアリール基が置換されてい
    てもよい)
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