JPH0884931A - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒

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JPH0884931A
JPH0884931A JP6220232A JP22023294A JPH0884931A JP H0884931 A JPH0884931 A JP H0884931A JP 6220232 A JP6220232 A JP 6220232A JP 22023294 A JP22023294 A JP 22023294A JP H0884931 A JPH0884931 A JP H0884931A
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丈志 成重
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義幸 中西
Yoshikazu Fujisawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素過剰雰囲気においてもNOx浄化率の高
い排気ガス浄化用触媒を提供する。 【構成】 排気ガス浄化用触媒は、アルミナおよびその
アルミナに担持された触媒用金属よりなる触媒素子とC
eO2 とを備える。アルミナは、α化率Rを0.1%≦
R<98%に設定された改質アルミナである。触媒素子
の配合重量をAとし、一方、CeO2 の配合重量をBと
したとき、触媒素子の重量比率A1 ={A/(A+
B)}×100は20重量%<A1 <88重量%に設定
される。CeO 2 はNOx吸着能を発揮し、また触媒素
子は、その酸化能が比較的弱いことから、HCの部分酸
化物であってNOx還元能の高い活性CHOを広い排気
ガス温度範囲で生成させる機能を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は排気ガス浄化用触媒、特
に、触媒素子とCeO2 (酸化セリウム)とを備え、そ
の触媒素子はアルミナとそのアルミナに担持された触媒
用金属とよりなる排気ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前記触媒素子におけるアルミナと
しては、γ相および/またはη相を有する活性アルミナ
が、また触媒用金属としてはPdがそれぞれ用いられて
いる。一方、CeO2 としてはPdを担持したものが用
いられている。この場合、CeO2 は支持体としての機
能を持つと共にNOx(窒素酸化物)に対する吸着能を
有する(例えば、特開平5−184876号公報参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、活性ア
ルミナにPdを担持させると、その活性アルミナが多孔
質であって大きな比表面積を持つことから、Pdが高分
散されるため、PdによるHC(炭化水素)吸着能およ
びNOx吸着能は向上するが、その反面、酸素過剰雰囲
気(例えば、空燃比A/F≒24)においては、触媒に
よってHCの完全酸化、つまりHC→CO2 +H2 Oの
酸化反応が進行し、HCの部分酸化物であってNOx還
元能を有する活性CHOの生成量が不足すると共にPd
表面に吸着した酸素による還元阻害作用が生じ易いた
め、NOxの還元浄化を十分に行うことができず、また
NOxに対する触媒の浄化温度域が狭くなる、という問
題がある。
【0004】本発明は前記に鑑み、アルミナとして、活
性アルミナよりも比表面積を低下させたものを用いると
共に、これに触媒用金属を担持させることによって、H
Cの部分酸化を広い排気ガス温度範囲で現出させ、また
特定量のCeO2 を併用して、これにNOx吸着能を発
揮させ、これにより酸素過剰雰囲気においてもNOx浄
化率を向上させることのできる前記触媒を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミナおよ
びそのアルミナに担持された触媒用金属よりなる触媒素
子とCeO2 とを備えた排気ガス浄化用触媒において、
前記アルミナはα化率Rを0.1%≦R<98%に設定
された改質アルミナであり、また前記触媒素子の配合重
量をAとし、一方、CeO2 の配合重量をBとしたと
き、前記触媒素子の重量比率A1 ={A/(A+B)}
×100は20重量%<A1 <88重量%に設定される
ことを特徴とする。
【0006】
【作用】α化率Rを前記のように設定すると、改質アル
ミナの比表面積は、それがα相を有することから、γ相
等を持つ活性アルミナのそれに比べて小さくなる。した
がって、この改質アルミナに触媒用金属を担持させる
と、活性アルミナに比べてその金属の分散性が抑制され
るので、触媒素子はHCに対して比較的弱い酸化能を発
揮する。
【0007】これにより、HCが部分酸化されてNOx
還元能を有する活性CHOが生成され、この活性CHO
の生成は、広い排気ガス温度範囲で行われる。一方、C
eO 2 が酸素過剰雰囲気下においてもNOx吸着能を発
揮するので、前記活性CHOが、CeO2 に吸着されて
活性化されたNOxを還元してN2 、CO2 およびH 2
Oに転化し、これによりNOxの浄化が達成される。こ
の場合、活性CHOは、飽和HCよりも不飽和HCから
生じ易く、また遊離NOxは、吸着されたNOxに比べ
て活性が低い。
【0008】前記のようなHCの部分的酸化による活性
CHOの生成、NOxの吸着、および活性CHOによる
NOxの還元は、排気ガスの低温域から高温域において
現出するので、触媒の浄化温度域が拡張される。
【0009】さらに、改質アルミナは安定相であるα相
を有するので、活性アルミナにおける相変化に伴う細孔
閉塞、それによる触媒用金属の埋没等を生じにくく、し
たがって優れた耐熱性を有し、触媒能の高温劣化度合が
小さい。
【0010】ただし、改質アルミナにおいて、α化率R
がR<0.1%ではその比表面積の縮小程度が小さいた
め所期の目的を達成することができず、一方、R≧98
%では、α化率の過度の進行に伴い細孔が閉塞されてそ
の比表面積が大幅に縮小され、その結果触媒用金属の分
散性が極端に悪化してNOx吸着能が激減する。また触
媒素子の重量比率A1 がA1 ≦20重量%であると、触
媒素子による触媒能の減退によりNOx浄化率が低くな
り、一方、A1 が≧88重量%ではCeO2 のNOx吸
着能が減退するので、同様にNOx浄化率が低くなる。
【0011】
【実施例】排気ガス浄化用触媒は、触媒素子とCeO2
粉末との混合物であり、触媒素子はアルミナと、そのア
ルミナに担持された触媒用金属とよりなる。
【0012】アルミナとしては、α相を有する改質アル
ミナが用いられる。また触媒用金属としては、白金属、
即ち、Ru、Rh、Pd、IrおよびPtから選択され
る少なくとも一種が用いられ、酸素過剰雰囲気(例え
ば、空燃比A/F≒24)においてはPtが好適であ
る。
【0013】改質アルミナのα化率Rは0.1%≦R<
98%、好ましくは30%≦R≦95%に設定される。
そのα化率Rの測定は次のような方法で行われた。 (i) 市販のα−アルミナとγ−アルミナ(活性アル
ミナ)とを所定の重量比率で配合し、各配合物を乳鉢に
て30分間粉砕しつつ混合した。表1は、各配合物
(1)〜(5)の組成を示す。
【0014】
【表1】 (ii) 各配合物(2)〜(5)について粉末X線回折を
行い、CuKα線における2θ=43.4±0.2°に
現出するα−アルミナの{113}面のX線反射強度を
測定した。 (iii) 配合物(5)のX線反射強度を100%とし
て、配合物(2)〜(4)のX線反射強度比率を求め、
α−アルミナの重量比率とX線反射強度比率との関係を
求めたところ、図1の結果を得た。
【0015】図1から明らかなように、α−アルミナの
重量比率とX線反射強度比率とは正比例関係にあり、し
たがってα−アルミナの重量比率をα化率Rとし、改質
アルミナのα化率Rの決定に当っては、その改質アルミ
ナにおけるα−アルミナの{113}面のX線反射強度
を測定して、配合物(5)のX線反射強度からX線反射
強度比率を求め、そのX線反射強度比率に基づき図1よ
りα化率Rを求める。
【0016】改質アルミナの製造に当っては、γ−アル
ミナ(α化率R=0%)等の市販の活性アルミナに、電
気炉を用い、大気下にて加熱温度Tを800℃≦T≦1
100℃、好ましくは900℃≦T≦1050℃に設定
した熱処理を施すもので、これにより活性アルミナよ
り、α相を有し、且つα化率Rが0.1%≦R≦98%
である改質アルミナを得る。
【0017】前記熱処理における加熱温度TがT<80
0℃では、γ相および/またはη相のα相への相変化を
スムーズに進行させることができず、一方、T>110
0℃では、α化率Rの上限値(R=98%)の制御が困
難となる。
【0018】表2は、改質アルミナの例1〜11に関す
る熱処理条件およびα化率Rを示す。
【0019】
【表2】 図2において、1はNOx吸着能を有するCeO2 を示
し、そのCeO2 は複数の結晶子2が集合した多結晶粒
子であり、その平均結晶子径Dは、好ましくはD<50
0Åに設定される。
【0020】CeO2 の製造に当っては、炭酸塩、シュ
ウ酸塩、硝酸塩等の種々の塩を、酸素存在下において加
熱する。希土類元素を含まない純粋なCeO2 を得る場
合には、加熱後のCeO2 を硝酸にて洗浄する。
【0021】平均結晶子径Dの制御は、前記製造過程に
おける加熱温度を調節することによって行われる。例え
ば平均結晶子径DがD=78ÅのCeO2 を得る場合に
は、硝酸塩を約180℃に加熱する。また製造後のCe
2 に熱処理を施すことによっても、その平均結晶子径
Dを制御することができ、例えば、D=78ÅのCeO
2 に700℃、10時間の熱処理を施すと、D=123
ÅのCeO2 が得られる。
【0022】結晶子径D(hkl) の算出にはシェラー式、
即ち、D(hkl) =0.9λ/(β1/2 ・cos θ)を用い
た。ここで、hklはミラー指数、λは特性X線の波長
(Å)、β1/2 は(hkl)面の半価幅(ラジアン)、
θはX線反射角度である。したがって、CeO2 では、
そのX線回折図より(111)面の半価幅β1/2 を測定
することによって各結晶子のD(111) を算出し、それら
から平均結晶子径Dを求める。
【0023】前記触媒において、そのNOxの浄化率向
上を図るべく、触媒素子の配合重量をAとし、またCe
2 の配合重量をBとしたとき、触媒素子の重量比率A
1 ={A/(A+B)}×100は20重量%<A1
88重量%に設定される。
【0024】前記同様にNOxの浄化率向上を図るべ
く、前記触媒において、触媒用金属の配合重量をaと
し、また改質アルミナの配合重量をbとしたとき、触媒
用金属の重量比率a1 ={a/(a+b)}×100は
0.1重量%<a1 ≦5重量%に設定される。この場
合、重量比率a1 がa1 ≦0.1重量%では触媒能の減
退によりNOx浄化率が低くなり、一方、a1 >5重量
%に設定しても触媒用金属の担持量増に見合うだけのN
Ox浄化効果が得られない。
【0025】触媒の製造に当っては、基本的には、改質
アルミナに触媒用金属を担持させて触媒素子を製造し、
次いでその触媒素子とCeO2 とを混合する、といった
方法が採用される。
【0026】この場合、活性アルミナに触媒用金属を担
持させた後、前記同様の熱処理を行って、その活性アル
ミナより改質アルミナを得るようにしてもよい。また触
媒の形態は前記混合物に限らず、触媒素子よりなる層と
CeO2 よりなる層とを有する積層構造にすることも可
能である。
【0027】改質アルミナまたは活性アルミナに対し
て、例えばPtを担持させる場合は、改質アルミナ等を
ヘキサクロロ白金酸(H2 PtCl6 )溶液中に浸漬す
る。この場合、Ptの重量比率a1 が0.1重量%<a
1 ≦5重量%となるように、ヘキサクロロ白金酸溶液の
Pt濃度を調整する。白金化合物としては、Pt(NH
3 2 (NO2 2 等のPtを含む各種化合物が適用可
能である。またPdの担持には硝酸パラジウム(Pd
(NO3 2 )溶液が用いられ、さらにIrの担持には
アンモニウムヘキサクロロイリデート((NH4 2
rCl6 )溶液が用いられ、さらにまたRhの担持には
硝酸ロジウム(Rh(NO3 3 )溶液が用いられる。
【0028】以下、具体例について説明する。 〔実施例I〕 A.触媒の製造 (a) 表2における例8、したがってα化率R=81
%の改質アルミナ98.5gをヘキサクロロ白金酸溶液
21.4g(Pt濃度7.0%)に投入して十分に混合
し、次いでロータリエバポレータを用いて水分を除去
し、その後固形分に120℃、4時間の条件で乾燥処理
を施し、さらに固形分に、大気中、600℃、1時間の
条件で焼成処理を施してPtの重量比率a1 がa1
1.5重量%の触媒素子を得た。 (b) 触媒素子90g、平均結晶子径D=78ÅのC
eO2 粉末90g、20%シリカゾル100gおよび純
水240gと、アルミナボールとをポットに投入して、
12時間の湿式粉砕を行ってスラリー状触媒を調製し
た。この場合、触媒素子の重量比率A1 はA1 =50重
量%である。
【0029】このスラリー状触媒に直径25.5mm、長
さ60mm、300セル−10.5ミルのコージエライト
製ハニカム支持体を浸漬し、次いでそのハニカム支持体
をスラリー状触媒より取出して過剰分をエア噴射により
除去し、その後ハニカム支持体を120℃の加熱下に1
時間保持してスラリー状触媒を乾燥し、さらにハニカム
支持体に、大気中、600℃、1時間の条件で焼成処理
を施して、触媒をハニカム支持体に保持させた。この場
合、ハニカム支持体における触媒の保持量は150g/
リットルであった。この触媒を実施例1とする。
【0030】比較のため、アルミナとして市販の活性ア
ルミナ(γ−アルミナ、α化率R=0%)を用いた以外
は前記同様の方法でスラリー状触媒を調製し、そのスラ
リー状触媒と前記同様のハニカム支持体とを用い、前記
同様の方法で触媒をハニカム支持体に保持させた。この
場合、ハニカム支持体における触媒の保持量は前記と同
じであり、この触媒を比較例1とする。 B.排気ガス想定浄化テスト 理論空燃比A/F=14.6および酸素過剰雰囲気での
空燃比A/F=24.3に対応する排気ガスを想定して
表3に示す組成を備えた二種のテスト用第1,第2ガス
を調製した。
【0031】
【表3】 浄化テストは、先ず、実施例1の触媒を固定床流通式反
応装置に設置し、次いでその装置内にテスト用第1ガス
を空間速度S.V.=5×104 -1で流通させると共
にテスト用第1ガスの温度を常温より20℃/min で上
昇させ、所定のガス温度にてHC,COおよびNO(N
Oxに対応)の浄化率を測定した。またテスト用第2ガ
スを用いて前記と同様の方法でHC等の浄化率を測定し
た。さらに同様の浄化テストを比較例1の触媒について
も行った。
【0032】表4は各種条件および測定結果を示す。
【0033】
【表4】 表4から明らかなように、実施例1の触媒はNO等の浄
化率が高く、特に空燃比A/F=24.3といった酸素
過剰雰囲気におけるNO浄化率は比較例1の触媒の約3
倍である。これは、前記のようにα化率R=81%の改
質アルミナとα化率R=0%の活性アルミナとの物性差
に起因する。 〔実施例II〕実施例Iと同様の方法で各種触媒を製造し
た。この場合、触媒素子とCeO2との合計配合重量は
実施例Iと同様に180gに設定された。 表5は、実
施例1〜7の触媒と比較例1,11 ,2の触媒における
改質アルミナのα化率R、CeO2 の平均結晶子径D、
組成、最大NO浄化率rおよびその浄化率rが得られる
ときのガス温度を示す。
【0034】これら触媒においては、CeO2 の平均結
晶子径DがD=78Å(一定)、またPtの重量比率a
1 がa1 =1.5重量%(一定)、さらに触媒素子の重
量比率A1 がA1 =50重量%(一定)であって、改質
アルミナのα化率Rが変化している。なお、比較例1は
実施例Iの比較例1と同じである。
【0035】浄化テストは、実施例Iにおける酸素過剰
雰囲気を想定したテスト用第2ガス(A/F=24.
3)を用いて、実施例Iと同一の方法で行われた。
【0036】
【表5】 表6は実施例8〜12の触媒における改質アルミナのα
化率R、CeO2 の平均結晶子径D、組成、最大NO浄
化率rおよびその浄化率rが得られるときのガス温度を
示す。
【0037】これら触媒においては、改質アルミナのα
化率RがR=81%(一定)、またPtの重量比率a1
がa1 =1.5重量%(一定)、さらに触媒素子の重量
比率A1 がA1 =50重量%(一定)であって、CeO
2 の平均結晶子径Dが変化している。
【0038】
【表6】 表7は実施例13〜16の触媒と比較例3〜6の触媒に
おける改質アルミナのα化率R、CeO2 の平均結晶子
径D、組成、最大NO浄化率rおよびその浄化率rが得
られるときのガス温度を示す。実施例14の触媒は、実
施例Iにおける実施例1の触媒と同一構造を有する。ま
た比較例6の触媒は改質アルミナにPtを担持させたも
のである。なお、表7にはCeO2 にPtを担持させた
比較例7の触媒についても示されている。
【0039】実施例13〜16および比較例3〜5の触
媒においては、改質アルミナのα化率RがR=81%
(一定)、またCeO2 の平均結晶子径DがD=78Å
(一定)、さらにPtの重量比率a1 がa1 =1.5重
量%(一定)であって、触媒素子の重量比率A1 が変化
している。
【0040】
【表7】 図3は、表5〜7に基づいて、改質アルミナのα化率R
と最大NO浄化率rとの関係をグラフ化したものであ
る。図中、点1〜16は実施例1〜16にそれぞれ対応
し、また点(1),(11 )〜(7)は比較例1,11
〜7にそれぞれ対応する。
【0041】図3および表5〜7から明らかなように、
比較例1,11 〜7の触媒における最大NO浄化率rの
最高値はr=22%である。したがって実施例1〜16
の触媒のように、触媒素子の重量比率A1 が22重量%
<A1 <88重量%において、改質アルミナのα化率R
を0.1%≦R<98%に設定することにより最大NO
浄化率rを酸素過剰雰囲気においてr>22%に向上さ
せることができる。この場合、Ptの重量比率a1
0.1重量%<a1 ≦5重量%を満足している。図3よ
り、改質アルミナのα化率Rを30%≦R≦95%に設
定すると、最大NO浄化率rをr≧39%に向上させる
ことが可能であり、このことから、改質アルミナのα化
率Rの好ましい範囲は30%≦R≦95%であることが
判る。
【0042】図4は表5〜7に基づいて、触媒素子の重
量比率A1 と最大NO浄化率rとの関係をグラフ化した
ものである。図中、点1〜16は実施例1〜16にそれ
ぞれ対応し、また点(1),(11 )〜(7)は比較例
1,11 〜7にそれぞれ対応する。
【0043】図4および表5〜7から明らかなように、
前記同様比較例1,11 〜7の触媒における最大NO浄
化率rの最高値はr=22%である。したがって実施例
1〜16の触媒のように、改質アルミナのα化率Rが
0.1%≦R<98%において、触媒素子の重量比率A
1 を20重量%<A1 <88重量%に設定することによ
り最大NO浄化率rを、酸素過剰雰囲気において、r>
22%に向上させることができる。この場合、Ptの重
量比率a1 は0.1重量%<a1 ≦5重量%を満足して
いる。図4より、触媒素子の重量比率A1 を23重量%
≦A1 ≦81重量%に設定すると最大NO浄化率rをr
≧39%に向上させることが可能であり、このことから
触媒素子の重量比率A1 の好ましい範囲は23重量%≦
1 ≦81重量%であることが判る。
【0044】図5は表6,7に基づいて、実施例8〜1
2,14の触媒におけるCeO2 の平均結晶子径Dと最
大NO浄化率との関係をグラフ化したものである。図
中、点8〜12,14は実施例8〜12,14にそれぞ
れ対応する。
【0045】図5および表6,7から明らかなように、
CeO2 の平均結晶子径Dが小さくなるに従って最大N
O浄化率rが増加する。図5より、CeO2 の平均結晶
子径Dは、好ましくはD<500Åであり、最適範囲は
D≦320Åである。
【0046】CeO2 の平均結晶子径Dを前記のように
設定すると、そのCeO2 の比表面積を拡張し、また微
細孔も発達させることが可能であるから、CeO2 とN
Oxとの接触確率を高めて、酸素過剰雰囲気下において
も、単位重量当りのNOx吸着率を向上させることがで
きる。 〔実施例III 〕改質アルミナにPdを担持させるべく、
硝酸パラジウム溶液21.4g(Pd濃度7.0%)を
用い、また改質アルミナにIrを担持させるべく、アン
モニウムヘキサクロロイリデート溶液14.2g(Ir
濃度3.5%)を用い、さらに改質アルミナにRhを担
持させるべく、硝酸ロジウム溶液14.2g(Rh濃度
3.5%)を用いた、ということ以外は実施例Iと同様
の方法で各種触媒を製造した。この場合、触媒素子とC
eO2 との合計配合重量は実施例Iと同様に180gに
設定された。
【0047】表8は、実施例1〜3の触媒と比較例1〜
3の触媒における改質アルミナのα化率R、CeO2
平均結晶子径D、組成、最大NO浄化率rおよびその浄
化率rが得られるときのガス温度を示す。
【0048】浄化テストは、実施例Iにおける酸素過剰
雰囲気を想定したテスト用第2ガス(A/F=24.
3)を用いて、実施例Iと同一の方法で行われた。
【0049】
【表8】 表8から明らかなように、実施例1〜3の触媒において
はα化率R=81%の改質アルミナを用いていることか
ら、比較例1〜3の触媒のごとく、活性アルミナ(γ−
アルミナ)を用いた場合に比べて、酸素過剰雰囲気にお
ける最大NO浄化率rが3倍以上に向上していることが
判る。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、アルミナおよびそのア
ルミナに担持された触媒用金属よりなる触媒素子とCe
2 とを備えた排気ガス浄化用触媒において、改質アル
ミナのα化率Rおよび触媒素子の重量比率A1 を前記の
ように特定することによって、酸素過剰雰囲気において
もNOx浄化率の高い排気ガス浄化用触媒を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】α−アルミナの重量比率とX線反射強度比率と
の関係を示すグラフである。
【図2】CeO2 の説明図である。
【図3】改質アルミナのα化率Rと最大NO浄化率rと
の関係を示すグラフである。
【図4】触媒素子の重量比率A1 と最大NO浄化率rと
の関係を示すグラフである。
【図5】CeO2 の平均結晶子径Dと最大NO浄化率r
との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 CeO2 2 結晶子 D 平均結晶子径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/36 104 A (72)発明者 藤澤 義和 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナおよびそのアルミナに担持され
    た触媒用金属よりなる触媒素子とCeO2 とを備えた排
    気ガス浄化用触媒において、前記アルミナはα化率Rを
    0.1%≦R<98%に設定された改質アルミナであ
    り、また前記触媒素子の配合重量をAとし、一方、Ce
    2 の配合重量をBとしたとき、前記触媒素子の重量比
    率A1 ={A/(A+B)}×100は20重量%<A
    1 <88重量%に設定されることを特徴とする排気ガス
    浄化用触媒。
  2. 【請求項2】 前記触媒用金属は白金族から選択される
    少なくとも一種の金属であり、前記触媒素子における前
    記触媒用金属の重量比率a1 は0.1重量%<a1 ≦5
    重量%に設定される、請求項1記載の排気ガス浄化用触
    媒。
  3. 【請求項3】 前記触媒用金属はPtである、請求項1
    または2記載の排気ガス浄化用触媒。
  4. 【請求項4】 CeO2 の平均結晶子径DがD<500
    Åである、請求項1,2または3記載の排気ガス浄化用
    触媒。
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JP2003047849A (ja) * 2001-08-09 2003-02-18 Nissan Motor Co Ltd 排ガス浄化用触媒および浄化方法
JP2007105632A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Nissan Motor Co Ltd 排ガス浄化触媒
TWI574734B (zh) * 2015-06-25 2017-03-21 行政院原子能委員會核能研究所 環狀載體觸媒製作方法

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