JP4007918B2 - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は排気ガス浄化用触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複酸化物とゼオライトとよりなる排気ガス浄化用触媒が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−293050号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、前記複酸化物は複数の結晶子が集合した多結晶粒子であるが、従来の複酸化物は、その製造過程において高温焼成(例えば、900℃)されているため、それら結晶子の平均結晶子径DがD≧500Åと大きい。したがって、従来の複酸化物はその比表面積が小さく、また微細孔も未発達であることから、窒素酸化物との接触確率が低く、特に、酸素過剰雰囲気下において、単位重量当りの窒素酸化物吸着率が低下して窒素酸化物浄化能が低くなる、という問題があった。
【0005】
本発明は前記に鑑み、特定の平均結晶子径Dを有し、且つ窒素酸化物に対して優れた吸着能を持つCeO2 を必須構成要素とし、広い排気ガス温度範囲において窒素酸化物に対し浄化能を発揮し得る前記触媒を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る排気ガス浄化用触媒は、平均結晶子径DがD<500ÅであるCeO 2 および平均結晶子径DがD<500Åであるペロブスカイト型構造を有する複酸化物の混合物とゼオライトとからなり、前記混合物の含有量Cが20重量%≦C≦80重量%であり、前記CeO 2 の含有量C 1 はC 1 ≧10重量%に、また前記複酸化物の含有量C 2 はC 2 ≧10重量%にそれぞれ設定され、前記複酸化物がLaCoO 3 であることを特徴とし、また請求項2の発明に係る排気ガス浄化用触媒は、請求項1の特徴に加えて、前記ゼオライトがAgを担持しており、そのAgの担持量CAが1重量%≦CA≦10重量%であることを特徴とするとし、さらに請求項3の発明に係る排気ガス浄化用触媒は、請求項1又は2の特徴に加えて、前記ゼオライトが、未改質ゼオライトに脱Al処理を施して得られた耐熱性改質ゼオライトであることを特徴とする。
【0007】
ペロブスカイト型構造を有する前記複酸化物(即ちLaCoO 3 およびCeO2 の平均結晶子径Dをそれぞれ前記のように設定すると、その複酸化物等の比表面積を拡張し、また微細孔も発達させることが可能であるから、複酸化物等と窒素酸化物(NOx)との接触確率を高めて、酸素過剰雰囲気下においても、単位重量当りのNOx吸着率を向上させることができる。
【0008】
また前記のような複酸化物等とゼオライトとを組合せると、排気ガス中の炭化水素(HC)がゼオライトに吸着され、またNOxが複酸化物等に吸着される。またゼオライトは比較的弱い酸化剤として機能するので、ゼオライトに吸着されて活性化されたHCを部分的に酸化するため活性CHOが生ずる。
【0009】
この活性CHOが、複酸化物等に吸着されて活性化されたNOxを還元してN2 、CO2 およびH2 Oに転化し、これによりNOxの浄化が達成される。この場合、活性CHOは、飽和HCよりも不飽和HCから生じ易く、また遊離NOxは吸着されたNOxに比べて活性が低い。
【0010】
前記のようなHCおよびNOxの吸着、HCの部分的酸化による活性CHOの生成およびその活性CHOによるNOxの還元は、排気ガスの低温域から高温域において現出するので、触媒の活性温度範囲が拡張される。
【0011】
さらにゼオライトにAgを担持させると、ゼオライトにおける不飽和HCの吸着量が増加し、これにより活性CHOの生成量を増して、特に低温側におけるNOx浄化率を向上させることができる。
【0012】
さらにまたゼオライトとして、脱Al処理による改質ゼオライトを用いると、その改質ゼオライトは、未改質のものに比べて結晶性が向上し、また熱分解生成物の発生が抑制されているので約1000℃の耐熱温度を有し、これにより触媒の耐熱性を向上させることができる。その上、改質ゼオライトは未改質のものに比べてHC吸着能が高く、また広い排気ガス温度範囲において優れたHC吸着能を発揮する。
【0013】
ただし、前記触媒において、複酸化物の含有量CがC<20重量%になるか、混合物の含有量CがC<20重量%で、且つそのCeO2 および複酸化物の含有量C1 、C2 がC1 、C2 <10重量%になると、それらによるNOx吸着率が低下し、その結果、NOx浄化率も低下する。
【0014】
一方、複酸化物および混合物の含有量CがそれぞれC>80重量%になると、ゼオライト量が減少するため、そのゼオライトによるHC吸着率が低下し、その結果、NOx浄化率も低下する。
【0015】
またAg担持量CAにおいて、CA<1重量%では不飽和HCの吸着量増加効果が乏しく、一方、CA>10重量%に設定しても顕著な効果は得られない。
【0016】
【発明の実施の形態】
A.窒素酸化物用吸着材
図1において、窒素酸化物(NOx、実施例ではNO)用吸着材を構成する酸化物系セラミックス1は複数の結晶子2が集合した多結晶粒子であり、その平均結晶子径DはD<500Åに設定される。
【0017】
このような酸化物系セラミックスには、ランタノイド酸化物、改質ランタノイド酸化物および複酸化物が含まれる。ランタノイド酸化物としてはCeO2 、Pr6 11、Tb4 7 等が用いられ、このランタノイド酸化物はNO吸着能、HCに対する比較的弱い酸化能および酸素貯蔵能を有する。
【0018】
改質ランタノイド酸化物は、前記ランタノイド酸化物にZr、LaおよびSiから選択される少なくとも一種の改質用元素を保有させたものである。ここで、保有とは、ランタノイド酸化物に改質用元素を機械的、物理的或は化学的に担持させた状態および/またはランタノイド酸化物と改質用元素の酸化物とが複酸化物を構成している状態をいう。
【0019】
Zr、またはZrおよびLaを保有する改質ランタノイド酸化物においては、その格子欠陥が増えてNOx吸着可能な活性点が増加する。また少なくとも一種の改質用元素を保有する改質ランタノイド酸化物は高温下に曝されても、Zr等によって、その平均結晶子径の増加が抑制される。
【0020】
ペロブスカイト型構造を有する複酸化物としてLaCoO3 、NO吸着能およびHCに対する比較的弱い酸化能を有する。
【0021】
ランタノイド酸化物の製造に当っては、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩等の種々の塩を、酸素存在下において加熱する。希土類元素を含まない純粋なランタノイド酸化物を得る場合には、加熱後のランタノイド酸化物を硝酸にて洗浄する。
【0022】
平均結晶子径Dの制御は、前記製造過程における加熱温度を調節することによって行われる。例えば平均結晶子径DがD=20ÅのCeO2 を得る場合には、硝酸塩を約200℃に加熱する。また製造後のCeO2 に熱処理を施すことによっても、その平均結晶子径Dを制御することができ、例えば、D=20ÅのCeO2 に700℃、20時間の熱処理を施すと、D=300ÅのCeO2 が得られる。
【0023】
改質ランタノイド酸化物の製造に当っては、一般的には共沈法または含浸法が適用されるが、その他の方法を適用してもよい。
【0024】
共沈法においては、
(a) ランタノイドの硝酸塩、例えばCe(NO3 3 と、Zr(NO3 4 若しくはLa(NO3 3 またはケイ酸(例えばH4 SiO4 )とを水(ケイ酸の場合は、その溶解促進のため熱水)に溶解して溶解液を調製する、
(b) 溶解液にNH4 OHを添加して加水分解することにより懸濁液を調製する、
(c) 懸濁液を蒸発乾固して固形分を得る、
(d) 固形分に、大気下、600℃、1時間の焼成処理を施す、
といった手段が採用される。
【0025】
含浸法においては、
(a) ZrO(NO3 2 若しくはLa(NO3 3 またはケイ酸(例えばH4 SiO4 )を水(ケイ酸の場合は、その溶解促進のため熱水)に溶解して溶解液を調製する、
(b) 溶解液にランタノイド酸化物粉末、例えばCeO2 粉末を分散させて懸濁液を調製する、
(c) 懸濁液を蒸発乾固して固形分を得る、
(d) 固形分に、大気下、600℃、1時間の焼成処理を施す、
といった手段が採用される。
【0026】
ランタノイド酸化物に、例えば二種の改質用元素を保有させる場合には、共沈法および含浸法が併用される。
【0027】
前記方法により得られる改質ランタノイド酸化物は、改質用元素を担持したランタノイド酸化物と、改質用元素の酸化物およびランタノイド酸化物よりなる複酸化物との混合物である。
【0028】
改質ランタノイド酸化物における改質用元素の含有量は、Zrが単独で用いられる場合には3〜10重量%が適当であり、またLa、Siがそれぞれ単独で用いられる場合には1〜10重量%が適当である。二種以上の改質用元素を用いる場合、それらの合計含有量は2〜20重量%が適当である。改質用元素の含有量が少なくては前記のような改質効果が得られず、一方、過剰になると、ランタノイド酸化物の特性が損なわれるからである。
【0029】
複酸化物の製造に当っては次のような方法が実施される。即ち、(a)複数の酢酸塩を所定の割合で純水に溶解する。(b)溶解液にアルカリ溶液(例えば、NaOH溶液)を滴下してpH≧9にすると共に加水分解を行って沈澱物を得る。(c)沈澱物を濾別し、その沈澱物を純水で洗浄した後150℃にて乾燥してケークを得る。(d)ケークに電気炉中、空気存在下において分解、焼成処理を施す。
【0030】
例えば、LaCoO3 を製造する場合、酢酸塩としては、La(OCOCH3 3 およびCo(OCOCH3 2 が用いられ、焼成温度は700℃に、焼成時間は5時間にそれぞれ設定される。
【0031】
結晶子径D(hkl) の算出にはシェラー式、
即ち、D(hkl) =0.9λ/(β1/2 ・cos θ)を用いた。ここで、hklはミラー指数、λは特性X線の波長(Å)、β1/2 は(hkl)面の半価幅(ラジアン)、θはX線反射角度である。したがって、酸化物系セラミックスのX線回折図より(hkl)面、例えばCeO2 では(111)面の半価幅β1/2 を測定することによって各結晶子のD(111) を算出し、それらから平均結晶子径Dを求めた。
【0032】
B.排気ガス浄化用触媒
触媒は、基本的には酸化物系セラミックスとゼオライトとから構成される。
【0033】
酸化物系セラミックスとしてランタノイド酸化物または改質ランタノイド酸化物を用いた場合には、その含有量Cは10重量%≦C≦80重量%に設定される。また複酸化物を用いた場合には、その含有量Cは20重量%≦C≦80重量%に設定される。さらにランタノイド酸化物および複酸化物の混合物を用いた場合には、その混合物の含有量Cは20重量%≦C≦80重量%に設定され、且つランタノイド酸化物および複酸化物の含有量C1 、C2 はC1 、C2 ≧10重量%に設定される。
【0034】
ゼオライトとしては、ZSM−5ゼオライト、モルデナイト等が用いられる。ゼオライトは未改質のものでもよいが、脱Al処理による改質ゼオライトは1000℃程度の耐熱温度を有し、また広い排気ガス温度範囲において優れたHC吸着能を発揮する。
【0035】
脱Al処理としては、酸処理、スチーム処理または沸騰水処理の少なくとも一つの処理が適用される。
【0036】
酸処理は次のような手順で行われる。(a)未改質ゼオライトを、水を入れた処理槽中に投入して12規定のHClを徐々に加え、また溶液を加熱して90℃で、且つ5規定のHCl溶液にする。(b)この温度下に未改質ゼオライトを20時間保持し、同時にHCl溶液を攪拌する。この場合、処理槽に冷却塔を付設してHCl溶液の濃度を5規定に維持する。(c)5規定のHCl溶液を室温まで冷却する。(d)このようにして得られた改質ゼオライトを濾別して、pH4以上になるまで純水で洗浄し、次いで400℃にて、24時間乾燥する。
【0037】
他の酸処理では、0.5〜5NのHCl溶液を70〜90℃に昇温し、そのHCl溶液中に未改質ゼオライトを投入して1〜20時間攪拌する、といった方法が採用される。
【0038】
また沸騰水処理では、未改質ゼオライトに含水処理を施し、その含水状態の未改質ゼオライト周りの雰囲気温度を550〜600℃まで昇温し、その高温雰囲気下に未改質ゼオライトを4時間程度保持する、といった方法が採用される。
【0039】
さらにスチーム処理では、未改質ゼオライトを、10%程度の水分を含む750〜900℃の雰囲気下に10〜20時間保持する、といった方法が採用される。
【0040】
これら酸処理、沸騰水処理およびスチーム処理は、単独または2以上組合わせて適用され、また必要に応じて繰返される。これにより改質ゼオライトが得られ、そのSiO2 /Al2 3 モル比MrはMr=36〜800が適当である。
【0041】
またゼオライトとしては、ゼオライトにAgを担持させたものも用いられ、そのAgの担持量CAは1重量%≦CA≦10重量%に設定される。このAg担持ゼオライトは不飽和HCに対する吸着能が高く、またその不飽和HCからはNO還元能の高い活性CHOが生成され易いので、NO浄化率を向上させる上で有効である。ゼオライトに対するAgの担持法としては含浸担持法、イオン交換法等が適用される。
【0042】
〔例−I(参考例)
ランタノイド酸化物であるCeO2 のNO吸着能について次のようなテストを行った。
【0043】
先ず、テスト用ガスとして、体積比率で、10%O2 、10%CO2 、1200ppm C3 6 、1000ppm CO、1200ppm NO、500ppm H2 、10%H2 Oおよび残部N2 よりなるガスを調製した。また平均結晶子径Dを異にする複数のCeO2 を調製した。
【0044】
NO吸着テストは、前記テスト用ガスを、20gのCeO2 ペレットを充填した常圧固定床反応管内に流量25000ml/min で流通させると共にテスト用ガスの温度を常温〜400℃まで15℃/min で昇温させ、この間におけるCeO2 1g当りのNO吸着量(ml)を求めることによって行われた。
【0045】
表1は、CeO2 の例1〜7の平均結晶子径DとNO吸着量を示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004007918
【0047】
図2は、表1に基づいてCeO2 の平均結晶子径DとNO吸着量との関係をプロットしたものである。図中、点1〜7は例1〜7にそれぞれ対応する。この各点と各例の関係は以後同じである。
【0048】
図2より、CeO2 の平均結晶子径DをD<500Åに設定した例1〜6は、D≧500Åである例7に比べて優れたNO吸着能を有することが判る。CeO2 の平均結晶子径Dは好ましくはD≦300Åである。
【0049】
またCeO2 の例1および例7を用い、前記NO吸着テストにおいて、テスト用ガスの温度を常温〜500℃まで15℃/min で昇温させ、この間のNO吸着率を測定したところ、図3の結果を得た。
【0050】
図3において、NO吸着率がマイナスの値をとる領域は、CeO2 に吸着されたNOが離脱していることを示し、したがってNOの離脱温度は約400℃であることが判る。
【0051】
このことから、CeO2 の例1と、ガス温度300〜500℃でNO還元能を発揮する触媒、例えばAl2 3 にPtを担持させた触媒とを組合せることにより、CeO2 のNO濃縮能を有効に利用した排気ガス浄化用触媒を構成することが可能である。
【0052】
〔例−II(参考例)
実施例に係る排気ガス浄化用触媒は、平均結晶子径DがD<500ÅであるCeO2 と、ゼオライトとから構成され、CeO2 の含有量Cは10重量%≦C≦80重量%に設定された。
【0053】
ゼオライトとしては、SiO2 /Al2 3 モル比MrがMr=30の未改質H型ZSM−5ゼオライトおよびそのゼオライトに前記脱Al処理を施して得られたMr=36(脱Al率12%)の改質H型ZSM−5ゼオライトを用いた。
【0054】
触媒の製造は次のような方法で行われた。先ず、所定の平均結晶子径Dを有するCeO2 と、前記ゼオライトとを所定の重量比率で配合し、その配合物50gと、直径10mmのアルミナボール100gと、シリカゾル(SiO2 量は20重量%)25gと、水50gとをボールミルに投入して12時間以上混合し、次いで混合物を150℃にて乾燥し、その後400℃で20時間焼成してペレット状触媒を得た。
【0055】
また比較のため、Pt/Al2 3 触媒を次のような方法で製造した。先ず、Al2 3 として市販の活性Al2 3 50gと、前記同様のアルミナボール100gと、前記同様のシリカゾル25gと、水50gとをボールミルに投入して12時間以上混合し、次いで混合物を150℃にて乾燥し、その後400℃で20時間焼成してペレットを得た。そのペレットを90mlの塩化白金酸溶液(Pt濃度0.35%)に20時間浸漬してペレットに塩化白金酸を含浸担持させ、次いでそのペレットを濾別し、その後純水による洗浄、150℃にて乾燥、600℃で1時間の焼成を順次行って、触媒Pt/Al2 3 を得た。この触媒におけるPt担持量は0.53重量%であった。
【0056】
NO浄化テストは、前記と同一組成のテスト用ガスを、20gの触媒を充填した常圧固定床反応管内に流量25000ml/min で流通させると共にテスト用ガスの温度を常温〜約570℃まで15℃/min で昇温させ、この間のNO浄化率を測定することによって行われた。
【0057】
表2は、各種触媒の組成を示す。この場合、CeO2 の平均結晶子径DはD=21Åである。表中、「改質ZSM−5」は改質H型ZSM−5ゼオライトを意味し、これは以後同じである。
【0058】
【表2】
Figure 0004007918
【0059】
図4は、前記NO浄化テストにおける各触媒の例1〜8のCeO2 含有量と最大NO浄化率との関係を示す。このNO浄化テストにおいては、最大NO浄化率が25%以上である場合を良とし、したがって図4よりCeO2 の含有量Cは、例2〜6の如く、10重量%≦C≦80重量%に設定される。
【0060】
表3は、各種触媒の組成、CeO2 の平均結晶子径Dおよび各温度におけるNO浄化率を示す。表3には表2に挙げた例1,3〜5,8も含まれている。表中、「未改質ZSM−5」は未改質Na型ZSM−5ゼオライトを意味し、これは以後同じである。
【0061】
【表3】
Figure 0004007918
【0062】
図5は、触媒の例4,12〜14のガス温度とNO浄化率との関係を示す。
【0063】
表3、図5より、触媒の例3〜5,9〜12は触媒の例1,8,13,14に比べて各温度におけるNO浄化率が高いことが判る。
【0064】
図6は、触媒の例4におけるガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す。図6において、HCの浄化は、主として改質H型ZSM−5ゼオライトによるHCの吸着に起因するもので、したがって広いガス温度範囲において前記ゼオライトによるHCの吸着、その部分酸化による活性CHOの生成が行われており、その結果、NO浄化率がガス温度の上昇に伴い増加する。
【0065】
図7は、触媒の例14におけるガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す。図7のガス温度約250〜約300℃におけるHCの浄化はPt/Al2 3 触媒によるHCの吸着、その部分酸化に起因するものであり、その結果、NO浄化率は向上するが、ガス温度が約300℃を越えると、HCの完全酸化、即ちHC→H2 O+CO2 の化学反応が主として進行するため、部分酸化反応の減退に伴い活性CHOの生成が極端に減少し、その結果、NO浄化率は低下する。
【0066】
〔例−III (参考例)
排気ガス浄化用触媒の一例は、平均結晶子径DがD<500ÅであるLaCoO3 とゼオライトとから構成され、LaCoO3 の含有量Cは20重量%≦C≦80重量%に設定された。
【0067】
また触媒の他例は、前記触媒におけるLaCoO3 にPtを担持させたものであり、この場合Ptの担持量CAは0.01重量%≦CA≦0.5重量%に設定された。Ptは排気ガス温度約250〜約350℃において、HCの部分酸化を促進する作用を有する。Ptの担持量CAがCA<0.01重量%では前記作用を得ることができず、一方、CA>0.5重量%ではHCの完全酸化反応が進行する。
【0068】
LaCoO3 に対するPtの担持法としては、LaCoO3 を塩化白金酸溶液に浸漬し、次いで600℃で焼成するか、またはLaCoO3 の原料酸化物中に白金塩を加え、次いで焼成する、といった方法を挙げることができる。この例−III では、前者により0.03重量%のPtを担持させたLaCoO3 を用いた。
【0069】
例−IIの改質H型ZSM−5ゼオライトおよび未改質H型ZSM−5ゼオライトと、LaCoO3 と、Pt/LaCoO3 とを用い、例−IIと同様の方法により各種ペレット状触媒を製造し、それら触媒について例−IIと同様のNO浄化テストを行った。
【0070】
表4は、各種触媒の組成を示す。この場合、LaCoO3 の平均結晶子径DはD=490Åである。
【0071】
【表4】
Figure 0004007918
【0072】
図8は、前記NO浄化テストにおける各触媒の例1〜10のLaCoO3 含有量と最大NO浄化率との関係を示す。このNO浄化テストにおいては、最大NO浄化率が20%以上である場合を良とし、したがって図8よりLaCoO3 の含有量Cは、例3〜8の如く、20重量%≦C≦80重量%に設定される。
【0073】
表5は、各種触媒の組成および各温度におけるNO浄化率を示す。表5には表4に挙げた例5も含まれ、また比較のため前記触媒Pt/Al2 3 も例13として含まれている。
【0074】
【表5】
Figure 0004007918
【0075】
図9は、触媒の例5、11〜13のガス温度とNO浄化率との関係を示す。
【0076】
表5、図9より、触媒の例5〜12は触媒の例13に比べて各温度におけるNO浄化率が高いことが判る。
【0077】
図10は、触媒の例11におけるガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す。比較のため、例13(Pt/Al2 3 )のHCおよびNO浄化率も挙げてある。
【0078】
図10より触媒の例11では広いガス温度範囲において改質H型ZSM−5ゼオライトによるHCの吸着、その部分酸化による活性CHOの生成が行われており、その結果、NO浄化率がガス温度の上昇に伴い増加することが判る。
【0079】
〔例−IV(実施例)
排気ガス浄化用触媒の一例は、平均結晶子径DがD<500ÅであるCeO2 および同様の平均結晶子径Dを持つLaCoO3 の混合物と、ゼオライトとから構成され、混合物の含有量Cは20重量%≦C≦80重量%に設定され、またCeO2 およびLaCoO3 の含有量C1 、C2 はC1 、C2 ≧10重量%に設定された。
【0080】
また触媒の他例は、前記触媒におけるLaCoO3 に、例−III と同様にPtを担持させたものであり、この場合Ptの担持量CAは、例−III と同様に0.01重量%≦CA≦0.5重量%に設定された。
【0081】
例−IIの改質H型ZSM−5ゼオライトと、CeO2 と、LaCoO3 と、Pt/LaCoO3 とを用い、例−IIと同様の方法により各種ペレット状触媒を製造し、それら触媒について例−IIと同様のNO浄化テストを行った。
【0082】
表6は、各種触媒の組成および最大NO浄化率を示し、また図11は表6の組成をグラフ化したものである。この場合、CeO2 の平均結晶子径DはD=21Åであり、またLaCoO3 のそれDはD=490Åである。
【0083】
【表6】
Figure 0004007918
【0084】
このNO浄化テストにおいては、最大NO浄化率が40%以上である場合を良とし、したがって表6、図11より、例1〜9の如く、混合物の含有量Cは、20重量%≦C≦80重量%に、またCeO2 の含有量C1 はC1 ≧10重量%に、さらにLaCoO3 の含有量C2 はC2 ≧10重量%にそれぞれ設定される。
【0085】
図12は、触媒の例1と例1aのガス温度とNO浄化率との関係を示す。その例1aにおいては、例1と同量のLaCoO3 に0.03重量%のPtを担持させたPt/LaCoO3 が用いられている。
【0086】
図12から明らかなように、触媒の例1aのようにPt/LaCoO3 を用いると、例1に比べて最大NO浄化率が低温側へ移行し、したがって低温側でのNO浄化能を向上させることができる。
【0087】
図13は、触媒の例1におけるガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す。比較のため、前記触媒Pt/Al2 3 のHCおよびNO浄化率も挙げてある。
【0088】
図13より、触媒の例1では広いガス温度範囲において改質H型ZSM−5ゼオライトによるHCの吸着、その部分酸化による活性CHOの生成が行われており、その結果、NO浄化率が触媒Pt/Al2 3 を用いた場合よりも増加することが判る。
【0089】
〔例−V(参考例)
排気ガス浄化用触媒は、平均結晶子径DがD<500ÅであるCeO2 と、Agを担持したゼオライトとから構成され、CeO2 の含有量Cは10重量%≦C≦80重量%に、またAgの担持量CAは1重量%≦CA≦10重量%にそれぞれ設定された。
【0090】
ゼオライトに対するAgの担持法としてはイオン交換法を適用した。例えば、改質H型ZSM−5ゼオライト50gを0.2mol /リットルの硝酸銀溶液に投入して50℃にて18時間攪拌し、次いで濾別、水洗、400℃で24時間の焼成を順次行うことによって、Ag担持量CAがCA=2.2重量%の改質H型ZSM−5ゼオライトを得ることができる。
【0091】
例−IIの改質H型ZSM−5ゼオライトおよび未改質H型ZSM−5ゼオライトにそれぞれAgを担持させたものと、Agを担持させてない改質H型ZSM−5ゼオライトと、CeO2 とを用い、例−IIと同様の方法により各種ペレット状触媒を製造し、それら触媒について例−IIと同様のNO浄化テストを行った。
【0092】
表7は、各種触媒の組成、CeO2 の平均結晶子径Dおよび各温度におけるNO浄化率を示す。
【0093】
【表7】
Figure 0004007918
【0094】
表7より、触媒の例1〜3および例5は触媒の例4に比べて各温度におけるNO浄化率が高いことが判る。
【0095】
図14は、触媒の例1,2,5のガス温度とNO浄化率との関係を示す。例1,2は、Agの担持に伴いガス温度400℃と500℃の間で最大NO浄化率を示し、一方、例5はガス温度の上昇に伴いNO浄化率が向上している。したがって例1,2と例5とを組合せることによって、広いガス温度範囲においてNO浄化能を発揮する触媒を構成することができる。
【0096】
図15は、触媒の例1におけるガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す。比較のため、前記触媒Pt/Al2 3 のHCおよびNO浄化率も挙げてある。
【0097】
図15より、触媒の例1では広いガス温度範囲においてAg担持改質H型ZSM−5ゼオライトによるHCの吸着、その部分酸化による活性CHOの生成が行われており、その結果、NO浄化率が触媒Pt/Al2 3 を用いた場合よりも増加することが判る。
【0098】
〔例−VI(参考例)
排気ガス浄化用触媒の一例は、平均結晶子径DがD<500ÅあるLaCoO3 と、例−Vと同様にAgを担持したゼオライトとから構成される。LaCoO3 の含有量Cは20重量%≦C≦80重量%に、またAgの担持量CAは例−Vと同様に1重量%≦CA≦10重量%にそれぞれ設定された。
【0099】
また触媒の他例は、前記触媒におけるLaCoO3 に例−III と同様にPtを担持させたものであり、この場合Ptの担持量CAは例−III と同様に0.01重量%≦CA≦0.5重量%に設定された。
【0100】
例−IIの改質H型ZSM−5ゼオライトおよび未改質H型ZSM−5ゼオライトにそれぞれAgを担持させたものと、Agを担持させてない改質H型ZSM−5ゼオライトと、LaCoO3 と、0.03重量%のPtを担持したPt/LaCoO3 とを用い、例−IIと同様の方法により各種ペレット状触媒を製造し、それら触媒について例−IIと同様のNO浄化テストを行った。
【0101】
表8は、各種触媒の組成および各温度におけるNO浄化率を示す。この場合、LaCoO3 の平均結晶子径DはD=490Åである。
【0102】
【表8】
Figure 0004007918
【0103】
表8より、Agを担持した改質H型ZSM−5ゼオライトを用いた触媒の例1,2は、Agを持たない触媒の例4に比べて各温度におけるNO浄化率が高いことが判る。未改質H型ZSM−5ゼオライトにAgを担持させた触媒の例3は、その特性が例1,2に比べて劣る。
【0104】
図16は、触媒の例1〜4のガス温度とNO浄化率との関係を示す。例1〜3は、Agの担持に伴いガス温度400℃と500℃の間で最大NO浄化率を示し、一方、例4はガス温度の上昇に伴いNO浄化率が向上している。したがって例1〜3と例4とを組合せることによって、広いガス温度範囲においてNO浄化能を発揮する触媒を構成することができる。
【0105】
図17は、触媒の例1におけるAg担持量と最大NO浄化率との関係を示す。図17から明らかなように、Agの担持量CAを1重量%≦CA≦10重量%に設定することによって、NO浄化能を向上させることができる。
【0106】
図18は、触媒の例1におけるガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す。比較のため、前記触媒Pt/Al2 3 のHCおよびNO浄化率も挙げてある。
【0107】
図18より、触媒の例1では広いガス温度範囲においてAg担持改質H型ZSM−5ゼオライトによるHCの吸着、その部分酸化による活性CHOの生成が行われており、その結果、NO浄化率が触媒Pt/Al2 3 を用いた場合よりも増加することが判る。
【0108】
〔例− VII(実施例)
排気ガス浄化用触媒の一例は、平均結晶子径DがD<500ÅであるCeO2 および同様の平均結晶子径Dを持つLaCoO3 の混合物と、例−Vと同様にAgを担持したゼオライトとから構成される。混合物の含有量Cは20重量%≦C≦80重量%に設定され、またCeO2 およびLaCoO3 の含有量C1 、C2 はC1 、C2 ≧10重量%に設定され、さらにAgの担持量CAは例−Vと同様に1重量%≦CA≦10重量%に設定された。
【0109】
また触媒の他例は、前記触媒におけるLaCoO3 に、例−III と同様にPtを担持させたものであり、この場合Ptの担持量CAは、例−III と同様に0.01重量%≦CA≦0.5重量%に設定された。
【0110】
例−IIの改質H型ZSM−5ゼオライトおよび未改質H型ZSM−5ゼオライトにそれぞれAgを担持させたものと、Agを担持させてない改質H型ZSM−5ゼオライトと、CeO2 と、LaCoO3 と、0.03重量%のPtを担持したPt/LaCoO3 とを用い、例−IIと同様の方法により各種ペレット状触媒を製造し、それら触媒について例−IIと同様のNO浄化テストを行った。
【0111】
表9は、各種触媒の組成および各温度におけるNO浄化率を示す。この場合、LaCoO3 の平均結晶子径DはD=490Åである。
【0112】
【表9】
Figure 0004007918
【0113】
図19は、触媒の例1,2,5におけるガス温度とNO浄化率との関係を示す。表9、図19より、触媒の例1は触媒の例5に比べて、Agの担持に伴いNO浄化率が向上することが判る。また触媒の例1,2を比較すると、Ptの担持に伴い最大NO浄化率が低温側へ移行する。
【0114】
表9において、触媒の例2,3を比較すると、CeO2 の平均結晶子径DがNO浄化率に影響を与えていることが明らかであり、例3は未改質H型ZSM−5ゼオライトを用いた例4よりも特性が低下する。
【0115】
図20は、触媒の例1におけるガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す。比較のため、前記触媒Pt/Al2 3 のHCおよびNO浄化率も挙げてある。
【0116】
図20より、触媒の例1では広いガス温度範囲においてAg担持改質H型ZSM−5ゼオライトによるHCの吸着、その部分酸化による活性CHOの生成が行われており、その結果、NO浄化率が触媒Pt/Al2 3 を用いた場合よりも増加することが判る。
【0117】
〔例−VIII(参考例)
A.改質用元素を保有する改質CeO2 の製造
Ce(NO3 3 およびZr(NO3 4 を用い、前記共沈法の適用下で、Zrを保有する改質CeO2 を製造した。
【0118】
またCe(NO3 3 およびZr(NO3 4 を用い、前記共沈法の適用下で、Zrを保有するCeO2 を製造し、次いでそのCeO2 を用い、またLa(NO3 3 を用いて前記含浸法の適用下で、ZrおよびLaを保有する改質CeO2 を製造した。
【0119】
さらに、La(NO3 3 およびCeO2 粉末を用い、前記含浸法の適用下で、Laを保有する2種の改質CeO2 を製造した。
【0120】
さらにまた、Ce(NO3 3 およびケイ酸を用い、前記共沈法の適用下で、Siを保有する改質CeO2 を製造した。
【0121】
比較のためCe(NO3 3 およびBa(NO3 2 を用い、前記共沈法の適用下で、Baを保有する改質CeO2 を製造した。
B.改質ZSM−5ゼオライトの製造
(a) SiO2 /Al2 3 モル比Mr=30の未改質ZSM−5ゼオライト500gを室温下の5N HCl溶液中に投入し、次いでそのHCl溶液を90℃に昇温し、その温度下で12時間攪拌を行ってスラリー状物を得た。
(b) 冷却後、スラリー状物を濾過し、次いで濾液のpHがpH≧4になるまで固形分を純水にて洗浄した。
(c) 固形分に、大気中、130℃、5時間の条件で乾燥処理を施し、次いで乾燥後の固形分に、大気中、400℃、12時間の焼成処理を施して塊状の改質ZSM−5ゼオライトを得た。
(d) 塊状改質ZSM−5ゼオライトに粉砕処理を施して粉末状改質ZSM−5ゼオライトを得た。この改質ZSM−5ゼオライトのSiO2 /Al2 3 モル比MrはMr=39であり、したがって脱Alが発生していることが判る。また改質ZSM−5ゼオライトの耐熱温度は1000℃であった。
C.触媒の製造
改質CeO2 120g、改質ZSM−5ゼオライト60g、20%シリカゾル100gおよび純水360gと、アルミナボールとをポットに投入して、12時間の湿式粉砕を行ってスラリー状触媒を調製した。この場合、改質CeO2 含有量CはC≒67重量%である。
【0122】
このスラリー状触媒に直径25.5mm、長さ60mm、400セル/in2 、6ミルのコージエライト製ハニカム支持体を浸漬し、次いでそのハニカム支持体をスラリー状触媒より取出して過剰分をエア噴射により除去し、その後ハニカム支持体を150℃の加熱下に1時間保持してスラリー状触媒を乾燥し、さらにハニカム支持体に、電気炉を用いて大気中、400℃、12時間の条件で焼成処理を施して、触媒をハニカム支持体に保持させた。この場合、ハニカム支持体における触媒の保持量は152g/リットルであった。
D.排気ガス想定NO浄化テスト
テスト用ガスとして、体積比率で、10%CO2 、0.05%H2 、0.08%C3 6 、0.08%NO、0.1%CO、10%O2 、10%H2 Oおよび残部N2 よりなるガスを調製した。
【0123】
NO浄化テストは、触媒を保持するハニカム支持体を固定床流通式反応装置に設置し、次いでその装置内にテスト用ガスを空間速度S.V.=5×104 -1で流通させ、またテスト用ガスの温度を所定の昇温速度で50℃宛上昇させると共にその温度下に保持する、つまり50℃間隔の定常状態を現出させ、その温度におけるNO浄化率を測定することによって行われた。
【0124】
表10は、未使用触媒の例1〜7に関する改質CeO2 におけるCeO2 の平均結晶子径D、改質用元素、改質CeO2 における改質用元素の重量比率および各測定温度におけるNO浄化率を示す。表10には、未改質のCeO2 を用い、改質CeO2 を用いなかった触媒の例8に関するデータも掲載されている。
【0125】
【表10】
Figure 0004007918
【0126】
表10より、触媒の例1〜5は、触媒の例6,7に比べて優れたNO浄化率を有することが判る。また未使用状態においては、Zr、またはZrおよびLaを保有する改質CeO2 を用いた触媒の例1,2は未改質のCeO2 を用いた触媒の例8に比べてNO浄化率が高くなるが、LaのみまたはSiのみを保有する改質CeO2 を用いた触媒の例3〜5は触媒の例8と略同等のNO浄化特性を示す。
【0127】
次に、未使用触媒の例1〜5,8に、大気中、700℃、20時間の熱劣化処理を施し、その後、それら触媒の例1〜5,8を用いて前記と同一条件にてNO浄化テストを行ったところ、表11の結果を得た。
【0128】
【表11】
Figure 0004007918
【0129】
表11より、触媒の例1〜5は、熱劣化処理後において、触媒の例8に比べNO浄化率が大幅に高く、したがって優れた耐熱劣化性を有することが判る。このNO浄化率の差は、改質CeO2 と未改質のCeO2 との物性差に起因する。なお、表10,11を比較すると、前記熱劣化処理によりCeO2 の平均結晶子径Dが大きくなることが判る。
【0130】
【発明の効果】
発明によれば、平均結晶子径Dを前記のように特定されて窒素酸化物に対し優れた吸着能を持つ、eO2 およびペロブスカイト型複酸化物(特にLaCoO 3 の混合物を必須構成要素とし、広い排気ガス温度範囲において窒素酸化物に対し浄化能を発揮し得る排気ガス浄化用触媒を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 酸化物系セラミックスの説明図
【図2】 CeO2 の平均結晶子径DとNO吸着量との関係を示すグラフ
【図3】 ガス温度とNO吸着率との関係を示すグラフ
【図4】 CeO2 含有量と最大NO浄化率との関係を示すグラフ
【図5】 ガス温度とNO浄化率との関係を示す第1例のグラフ
【図6】 ガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す第1例のグラフ
【図7】 ガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す第2例のグラフ
【図8】 LaCoO3 含有量と最大NO浄化率との関係を示すグラフ
【図9】 ガス温度とNO浄化率との関係を示す第2例のグラフ
【図10】 ガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す第3例のグラフ
【図11】 触媒構成要素の含有量を示すグラフ
【図12】 ガス温度とNO浄化率との関係を示す第3例のグラフ
【図13】 ガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す第4例のグラフ
【図14】 ガス温度とNO浄化率との関係を示す第4例のグラフ
【図15】 ガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す第5例のグラフ
【図16】 ガス温度とNO浄化率との関係を示す第5例のグラフ
【図17】 Ag担持量と最大NO浄化率との関係を示すグラフ
【図18】 ガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す第6例のグラフ
【図19】 ガス温度とNO浄化率との関係を示す第6例のグラフ
【図20】 ガス温度とHCおよびNO浄化率との関係を示す第7例のグラフ
【符号の説明】
1 酸化物系セラミックス
2 結晶子

Claims (3)

  1. 均結晶子径DがD<500ÅであるCeO2 および平均結晶子径DがD<500Åであるペロブスカイト型構造を有する複酸化物の混合物とゼオライトとからなり、前記混合物の含有量Cが20重量%≦C≦80重量%であり、前記CeO2 の含有量C1 はC1 ≧10重量%に、また前記複酸化物の含有量C2 はC2 ≧10重量%にそれぞれ設定され、前記複酸化物がLaCoO 3 であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
  2. 前記ゼオライトはAgを担持しており、そのAgの担持量CAが1重量%≦CA≦10重量%である、請求項記載の排気ガス浄化用触媒。
  3. 前記ゼオライトは、未改質ゼオライトに脱Al処理を施して得られた耐熱性改質ゼオライトである、請求項1又は2記載の排気ガス浄化用触媒。
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