JPH0883792A - エッチング剤及びエッチング方法 - Google Patents

エッチング剤及びエッチング方法

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JPH0883792A
JPH0883792A JP24222894A JP24222894A JPH0883792A JP H0883792 A JPH0883792 A JP H0883792A JP 24222894 A JP24222894 A JP 24222894A JP 24222894 A JP24222894 A JP 24222894A JP H0883792 A JPH0883792 A JP H0883792A
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JP
Japan
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etching
phosphoric acid
silicon nitride
solution
selectivity
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JP24222894A
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Inventor
Shinichi Nakajima
慎一 中島
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Motorola Solutions Japan Ltd
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Nippon Motorola Ltd
Motorola Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリコン酸化膜(SiO2 膜)に対する窒化
硅素膜(Si3 N4 膜)のエッチングにおいて、任意の
選択性が得られるとともに、高いエッチングレートを有
するエッチング剤を提供すること。 【構成】 シリコン酸化膜に対して窒化硅素膜をエッチ
ングする溶液であり、前記溶液は、リン酸溶液中に1重
量%以下のフッ化水素酸、あるいは、フッ化アンモニウ
ムを添加したもので構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばMOS(Metal
Oxide Semiconductor )半導体工程において、シリコン
基板での窒化硅素膜の分離に用いるエッチング剤及びエ
ッチング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体技術の急速な発達に伴い、
例えば、MOSトランジスタ等の素子の微細化が図られ
ている。この素子の微細化によって、より多くの素子が
1つのチップ上に載せられるようになった今日では、そ
の製造プロセスにおける素子分離工程において、エッチ
ング技術がますます重要なものとなっている。
【0003】このような素子分離工程では、目的の素子
として、例えば、シリコン酸化膜(SiO2 膜)に対す
る窒化硅素膜(Si3 N4 膜、以下、シリコンナイトラ
イドという)等のように、選択酸化マスク部分だけを選
択的に分離するための技術が必要とされており、この場
合、目的に応じて選択性の制御が行えることが要求され
ている。
【0004】従来、窒化硅素膜であるシリコンナイトラ
イドは、シリコン(Si)の選択酸化マスクとしてアイ
ソプレーナ技術に用いられてきた。このシリコンナイト
ライドの代表的なエッチング工程としては、エッチング
バス中に、150℃〜180℃に保ったリン酸溶液(H
3 PO4 )をフィルタリングしながら循環させるととも
に、シリコンナイトライドのエッチング速度を安定化す
るために、リン酸溶液に純水を注入してリン酸溶液の濃
度を一定値にコントロールしながらエッチングを行うと
いうものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のエッチング工程にあっては、シリコンナイト
ライドの下地となるシリコン酸化膜(SiO2 膜)、あ
るいは、ポリシリコン(Poly Si)との選択性
(シリコンナイトライドのエッチングレ−ト/シリコン
酸化膜のエッチングレ−ト)も重要な特性となってくる
が、この選択性については数百倍程度であってコントロ
ールすることができず、このため、以下に述べるような
問題点があった。
【0006】すなわち、選択性が低い場合、シリコンナ
イトライドばかりか、下地となるシリコン酸化膜(Si
O2 膜)のロスが大きくなり、場合によってはシリコン
ナイトライドと一緒にエッチングされてなくなってしま
うという問題が生じる。一方、選択性が非常に高い場
合、シリコンナイトライドのエッチングが充分に行われ
ず、残存部分が発生しやすくなるという問題が生じる。
したがって、選択性を適当な値に制御すること、また
は、低選択性と高選択性との適した組み合わせが得られ
ることが必要となる。
【0007】本発明は、このような事情のもとになされ
たものであり、その目的は、シリコン酸化膜(SiO2
膜)に対するシリコンナイトライド(Si3 N4 膜)の
エッチングにおいて、任意の選択性が得られるととも
に、高いエッチングレートを有するエッチング剤及びエ
ッチング方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、シリ
コン酸化膜の表面に形成された窒化硅素膜をエッチング
する溶液であり、前記溶液は、リン酸溶液中に1重量%
以下のフッ化水素酸を添加したものであることを特徴と
する。
【0009】請求項2の発明は、シリコン酸化膜の表面
に形成された窒化硅素膜をエッチングする溶液であり、
前記溶液は、リン酸溶液中に微量のフッ化アンモニウム
を添加したものであることを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は、シリコン酸化膜の表面
に形成された窒化硅素膜を、加熱した請求項1のエッチ
ング剤によりエッチングすることを特徴とする。
【0011】請求項4の発明は、シリコン酸化膜の表面
に形成された窒化硅素膜を、加熱した請求項2のエッチ
ング剤によりエッチングすることを特徴とするエッチン
グ方法。
【0012】請求項5の発明は、シリコン酸化膜の表面
に形成された窒化硅素膜をエッチングする方法におい
て、リン酸溶液中に、フッ化水素酸及び/またはフッ化
アンモニウムよりなる添加剤を加え、添加剤の濃度が互
いに異なる複数のエッチング槽を用意し、被エッチング
体を前記複数のエッチング槽により順次エッチングする
ことを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1、3記載の発明によれば、シリコン酸
化膜の表面に形成された窒化硅素膜をエッチングする溶
液として、リン酸溶液中に1重量%以下のフッ化水素酸
が添加されたものが用いられることにより、従来、50
〜数百倍程度であった選択性が数十〜数千倍の範囲で制
御でき下地となるシリコン酸化膜においてロスが少なく
抑えられ、また、窒化硅素膜の残存部分の少ないプロセ
スが構築され、さらに、エッチングレートも高められ
る。
【0014】請求項2,4記載の発明によれば、シリコ
ン酸化膜の表面に形成された窒化硅素膜をエッチングす
る溶液として、リン酸溶液中に微量のフッ化アンモニウ
ムが添加されたものが用いられることにより、従来と比
較して、選択性が高められるとともに、エッチングレー
トも高められる。
【0015】請求項5記載の発明によれば、リン酸溶液
中に、フッ化水素酸及び/またはフッ化アンモニウムよ
りなる添加剤を加え、添加剤の濃度が互いに異なる複数
のエッチング槽を用意して、被エッチング体を前記複数
のエッチング槽により順次エッチングされることによ
り、選択性が制御されて、下地となるシリコン酸化膜に
おいてロスが少なく抑えられ、また、窒化硅素膜の残存
部分の少ないプロセスが構築される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を、図1〜図6
を参照して説明する。本発明におけるエッチング剤は、
シリコン酸化膜の表面に形成されたシリコンナイトライ
ドをエッチングする溶液であり、リン酸(HPO
溶液に対し、1重量%以下の極微量のフッ化水素酸(H
F)、あるいは、フッ化アンモニウム(NH4 F)を添
加することにより実現するものである。
【0017】このエッチング剤を用いたエッチング処理
は、例えば図1に示すエッチング反応槽1内にて行なわ
れる。このエッチング反応槽1は、内槽11及び外槽1
2を備えており、内槽11と外槽12とは、途中にポン
プ3、ヒ−タ4、フィルタ5が設けられた循環路2にて
接続されている。また外槽12には周囲にヒ−タ13が
配設されており、循環路2にはバルブ6を介して純水注
入ライン7が接続されている。
【0018】このようなエッチング反応槽1において
は、内槽11内に、フッ化水素酸を添加したリン酸溶液
を注入し、溶液の温度をヒータ13により例えば150
℃に加熱してエッチング処理が行なわれる。そして内槽
11内のエッチング剤の量が多くなると、エッチング剤
はやがて外槽12へオ−バ−フロ−するが、このエッチ
ング剤はポンプ3により循環路2を介して内槽11へ循
環される。この際エッチング剤は、ヒ−タ4で所定温度
まで加熱された後、フィルタ5にてパーティクル除去さ
れる。また蒸発等によりエッチング剤中のフッ化水素酸
濃度が高くなると、純水注入ライン7よりバルブ6を介
して純水が注入され、濃度調整が行われる。
【0019】次に本発明を完成するに至った経緯につい
て説明する。まず本発明者らは、上述のエッチング反応
槽を実験装置として用い、エッチング剤としてリン酸溶
液を使用して、シリコン酸化膜の表面にシリコンナイト
ライドが形成された基板に対して90分間エッチング処
理を行ない、エッチングレ−トを測定した。サンプルと
した基板は、500オングストロ−ムの厚さで酸化した
シリコン酸化膜の表面に、シリコンナイトライドをLP
CVD(Low Pressure Chemical
Vapar Deposition)により約320
0オングストロ−ムの厚さでデポジションし、この後熱
処理を行ったものを使用した。これは、リン酸溶液での
エッチングレートは、デポジションしたままの膜と、熱
処理を施した膜とでは、熱処理したものの方が結果の値
が約1割程度低く出るためであり、より現実の条件に近
付けるためである。
【0020】この結果として、シリコンナイトライド及
びシリコン酸化膜のエッチングレ−ト及び選択性と処理
バッチ数との関係を図2に示す。図中横軸の処理バッチ
数とは、一のエッチング槽にて上述のサンプル基板のエ
ッチングを行った回数である。また記号■はシリコンナ
イトライドの測定結果、記号△はシリコン酸化膜の測定
結果、記号◆は選択性を夫々示す。
【0021】そしてこの結果より、シリコンナイトライ
ドのエッチレートは処理バッチ数に関係なく約50オン
グストローム/minとほぼ一定であるのに対し、シリ
コン酸化膜のエッチレートは処理が1バッチの時は約
0.9オングストローム/minであって処理バッチ数
が増加するにつれて徐々に低下し、処理が8バッチを超
える頃から極端に低下することが確認され、このためバ
ッチ数が8頃から選択性が数千倍となっていることが確
認された。しかしながらこの特性は、一般的なリン酸溶
液の特性とかけ離れた特性であるため、数回の調査を行
ったがほとんど同じ結果が得られた。
【0022】そこで本発明者らは、エッチング剤である
リン酸溶液中に何らかの物質が存在すると考え、存在す
る可能性のある物質を検討したところ、考えられる要因
としては、 1)フッ素イオン 2)リン酸中にナイトライドが溶け込んで生成したアン
モニウムイオン 3)リン酸中にナイトライドが溶け込んで生成したシリ
コン があった。
【0023】即ち1)のフッ素イオンは、上記実験で
は、リン酸溶液でエッチングを行う場合、液交換を行う
ときに水洗いを行い、その後フッ化水素酸(HF)にて
洗浄を行っており、この後水で5回程洗っているが、こ
の際フッ化水素酸がエッチングバスの中から完全に抜け
きってなく、この微小(選択性から考えて約200PP
M(0.02重量%)前後と思われる)に残っているフ
ッ化水素酸によりリン酸溶液中に存在する可能性がある
物質であり、また、2)のアンモニウムイオンと3)の
シリコンは通常のリン酸溶液で行うエッチング処理にて
生成する物質である。
【0024】そこで、本来、リン酸溶液によるエッチン
グでは存在しない物質であるフッ素イオンの作用によっ
て選択性が変化すると考え、この特性を利用して、フッ
素イオンの濃度をコントロールすれば、本発明の目的で
あるリン酸エッチングでの選択性を制御できると考え
た。
【0025】また、このフッ素イオンの添加によりエッ
チングレ−トも大きくなるため、選択性の変化の二次的
な作用として、シリコンナイトライドの選択性が許す範
囲で、エッチングレートを大きくするように設定するこ
とも可能となり、通常、対SiO2 では、選択性が30
倍の時30〜37オングストローム/min程度のエッ
チングレートが、実験結果から考慮して選択性が30倍
の時50オングストローム/min程度のエッチングレ
ートとすることは可能であると思われる。また他の実験
においては、選択性が1600倍の時、60オングスト
ローム/min程度のエッチングレートが得られてい
る。
【0026】次に、この仮定を裏付けるために行なった
実験について説明する。 (1)リン酸溶液にフッ素イオンを添加した場合の効果
を確認するための実験 リン酸溶液をセットアップし、リン酸溶液の初期特性を
測定した後、86%リン酸溶液45.95リットルに5
0ミリリットルのフッ化水素酸を添加してエッチング剤
を調製し、サンプルとして、シリコン酸化膜とシリコン
ナイトライドとを用い、エッチング剤の温度を150℃
に維持してエッチング処理の経過時間に対する選択性を
測定した。この期間として、3日程度測定した。なお比
較実験として、エッチング剤としてフッ化水素酸を添加
しないリン酸溶液(以下ノ−マルリン酸という。)を用
いて同様の実験を行なった。
【0027】この結果を図3に示す。図中、記号◆はフ
ッ化水素酸を添加したリン酸溶液の結果、記号■はノ−
マルリン酸溶液の結果をそれぞれ示している。この結果
より、フッ化水素酸を添加したリン酸溶液は、フッ化水
素酸の添加直後の選択性はノ−マルリン酸より低いもの
の、時間が経過するにつけて選択性が上がってくること
が確認された。これは、フッ化水素酸の添加直後は、フ
ッ化水素酸によりシリコン酸化膜がエッチングされる
が、その後はリン酸が150℃であることから、フッ化
水素酸が揮発するためであると考えられる。そして、フ
ッ化水素酸が揮発してノーマルリン酸溶液の特性に近づ
き、ついにはこの特性を越えてしまうことが認められ
た。
【0028】次にリン酸溶液へのフッ化水素酸の添加効
果を確認するために、フッ化水素酸を添加しないリン酸
と、89%リン酸46リットルにフッ化水素酸を5ミリ
リットル添加した溶液に、サンプルとしてシリコンナイ
トライド、シリコン酸化膜、ポリシリコンを入れ、エッ
チレートと選択性とを測定した。
【0029】この結果を図4に示す。図中記号◆はシリ
コンナイトライド、記号■はシリコン酸化膜、記号×は
ポリシリコン、記号▲は選択性を夫々示している。この
結果よりフッ化水素酸添加直後は、フッ化水素酸を添加
しない場合に比べて選択性は増加しており、この濃度の
フッ化水素酸では、フッ化水素酸はシリコン酸化膜をエ
ッチングすることに作用しないで、シリコンナイトライ
ドのエッチレートを増加させるように作用すると考えら
れる。また、フッ化水素酸を添加し一日放置した場合の
選択性のデータを同図中に示すが、このデータより一旦
上がった選択性はほとんど下がらず、残留フッ素イオン
によりこの特性が得られ、更に保持されると推察され
る。 (2)リン酸溶液中にシリコンナイトライド中のアンモ
ニウムを添加した場合の効果を確認するための実験 リン酸溶液に対してアンモニウムイオンの添加を調べる
ため、アンモニアを直接添加することを考えたが、これ
は、エッチング装置の構造上困難であるため、実際に
は、フッ化アンモニウム(NH4 F)を添加して実験を
試みた。まず、リン酸溶液にてエッチング処理を行な
い、そのエッチングレートを測定することにより、溶液
中にフッ化水素酸が残留しているか否かを判断する。溶
液中にフッ化水素酸が残留していると、エッチレートは
比較的高い値(20%程度高くなる)を示すので容易に
判断できる。
【0030】次に、40%フッ化アンモニウム(NH4
F)をメスシリンダで0.05リットル秤量し、89%
リン酸溶液46リットル中に添加して混合し、添加後約
15分程度放置してエッチング剤を調整する。この後、
シリコンナイトライド、酸化膜を溶液中に入れ、規定時
間エッチングする。そして、エッチングレートの変化を
見るため、引き続き、エッチングレートを2,3日測定
する。この間溶液の温度は150℃に維持した。
【0031】シリコンナイトライドのエッチレートと選
択性の測定結果を図5に示す。図中、記号◆は選択性、
記号■はエッチレートをそれぞれ示している。結果は、
リン酸溶液へのフッ化アンモニウム水溶液の添加は、フ
ッ化水素酸を添加した上記(1)の例と比較して選択性
に対する影響は少なかったが、エッチングレートの変化
はフッ化水素酸の添加と同様に現れている。
【0032】さらに、フッ化水素酸添加による選択性制
御の可能性を確認するために図中Aの時点で5ミリリッ
トルのフッ化アンモニウムを添加したところ、選択性が
下がっていくことが認められ、これにより選択性の上っ
たリン酸にフッ化水素酸を適当量添加することで上りす
ぎた選択性を下げることができること、即ちリン酸溶液
中のフッ素イオンの濃度により選択性を制御できること
が確認された。そして、二次的な効果として、エッチン
グレートの増加も認められた。 (3)リン酸溶液へのナイトライドの溶け込み効果を確
認するための実験 リン酸溶液にサンプルとしてシリコンナイトライド、シ
リコン酸化膜、ポリシリコンを入れ、エッチレートとリ
ン酸溶液中へのシリコンナイトライドの溶け込み量との
関係を測定した。
【0033】この結果を図6に示す。図中記号◆はシリ
コンナイトライド、記号■はシリコン酸化膜、記号▲は
ポリシリコン、×は選択性を夫々示している。この結果
よりリン酸溶液中へのシリコンナイトライドの溶け込み
量が増加するにつれて、シリコンナイトライドのエッチ
レートはわずかながら増加するが、シリコン酸化膜のエ
ッチレートは低下し、ポリシリコンのエッチレートは溶
け込み量が3.5g程度までは増加するがその後は急激
に低下することが確認され、またシリコン酸化膜のエッ
チレートも溶け込み量が3.5gを越えた当りから急激
に低下し、これにより選択性は増加することが認められ
た。
【0034】ここでフッ化水素酸を添加しないリン酸溶
液においてもシリコンナイトライドの溶け込み量により
選択性が300倍程度まで変化することが認められてお
り、このようにシリコンナイトライドが溶け込んで選択
性が上ったリン酸溶液に対してフッ化水素酸を5ミリリ
ットル添加すると選択性は1500〜1600倍まで変
化し、更にそれが維持されることが認められた。
【0035】このため、リン酸溶液に対してのフッ化水
素酸の添加は、リン酸溶液の選択性の変化を加速し、ま
たそれを増大させる働きがあると考えられる。つまり、
リン酸溶液に対して、フッ化水素酸を非常に少量添加し
た場合は、このフッ化水素酸は酸化膜をエッチングする
作用より、ナイトライドのエッチレートを増加させるよ
うに作用するが、更に多くなると上述の実験結果から明
らかなように、シリコン酸化膜のエッチ速度がシリコン
ナイトライドのエッチ速度の増加より大きくなるため選
択性が低下する。フッ化水素酸の添加量は、リン酸溶液
中のシリコンナイトライドの溶け込み量で、ある最適値
があると考えられる。
【0036】以上の結果から、リン酸溶液にフッ化水素
酸を添加することで、エッチングレ−ト及び選択性が変
化し、リン酸溶液中のフッ化水素酸の濃度を調整するこ
とで選択性が制御できることが確認された。またフッ化
水素酸の添加量は、多すぎると酸化膜のエッチング速度
が高くなり、1重量%を越えると、選択性は従来のリン
酸溶液と変わらなくなることを把握しており、従って1
重量%以下であることが必要である。
【0037】次に本発明の第2実施例について説明す
る。本実施例は、例えば上述の図1にしめすエッチング
反応槽を複数層例えば2層連結し、一方のエッチング反
応槽内には選択性の低いエッチング剤を注入し、他方の
エッチング反応槽内には選択性の高いエッチング剤を注
入して、連続的にエッチングを行うものである。エッチ
ング剤の選択性は、リン酸溶液中に添加するフッ化水素
酸あるいはフッ化アンモニウムの量で調整される。例え
ば、選択性の高いエッチング剤は、49%リン酸溶液4
6リットルに対して、フッ化水素酸を5ミリリットル添
加して調整し、選択性の低いエッチング剤は、89%リ
ン酸溶液に対して、フッ化水素酸を25〜50ミリリッ
トル添加して調整される。
【0038】このようにすると、選択性の低いエッチン
グ剤を注入したエッチング反応槽では、シリコンナイト
ライドのエッチングが十分に行なわれ、一方選択性の高
いエッチング剤を注入したエッチング反応槽では下地の
シリコン酸化膜のエッチングを抑えることができるの
で、高選択性エッチング剤と低選択性エッチング剤とを
適切に組合せることにより、選択性を制御することがで
き、下地のシリコン酸化膜のロスを少く抑えるととも
に、シリコンナイトライドの残存を少く抑えることがで
きて、理想的なエッチングを行なうことができる。
【0039】以上説明したように、本実施例では、シリ
コン酸化膜に対して窒化硅素膜をエッチングするための
エッチング剤として、リン酸溶液中に1重量%以下のフ
ッ化水素酸、あるいは、フッ化アンモニウムを添加した
ものを用いることで、従来、100倍程度であった選択
性が高まり、下地となるシリコン酸化膜においてロスを
少なく抑えることができるとともに、窒化硅素膜の残存
部分の少ないプロセスを構築することができ、さらに、
エッチングレートも高めることができる。
【0040】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記
実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0041】
【発明の効果】請求項1、3記載の発明では、シリコン
酸化膜の表面に形成された窒化硅素膜をエッチングする
溶液として、リン酸溶液中に1重量%以下のフッ化水素
酸を添加したものを用いることで、従来、数100倍程
度であった選択性が数十〜数千倍となり、下地となるシ
リコン酸化膜においてロスを少なく抑えることができる
とともに、窒化硅素膜の残存部分の少ないプロセスを構
築することができ、さらに、エッチングレートも高める
ことができる。
【0042】請求項2、4記載の発明では、シリコン酸
化膜の表面に形成されたに対して窒化硅素膜をエッチン
グする溶液として、リン酸溶液中に1重量%以下のフッ
化アンモニウムを添加したものを用いることで、従来と
比較して、選択性を高めることができるとともに、エッ
チングレートも高めることができる。
【0043】請求項5記載の発明では、リン酸溶液中
に、フッ化水素酸及び/またはフッ化アンモニウムより
なる添加剤を加え、添加剤の濃度が互いに異なる複数の
エッチング槽を用意して、被エッチング体を前記複数の
エッチング槽により順次エッチングすることで、選択性
を制御して、下地となるシリコン酸化膜においてロスが
少なく抑え、また、窒化硅素膜の残存部分の少ないプロ
セスを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエッチング剤を使用してエッチング処
理を行うエッチング反応槽の一例を示す図である。
【図2】シリコンナイトライド及びシリコン酸化膜にお
ける処理バッチ数とエッチングレート及び選択性との関
係を示す図である。
【図3】ノーマルのリン酸溶液と86%リン酸に溶液4
5.95リットルにフッ化水素酸0.05リットルを添
加したものとの選択性を比較するための図である。
【図4】リン酸溶液へのフッ化水素酸の添加効果を選択
性とエッチレートにより比較するための図である。
【図5】89%リン酸溶液46リットル中に40%フッ
化アンモニウム0.05リットルを添加した溶液の選択
性とエッチレートを表す図である。
【図6】リン酸溶液中へのシリコンナイトライドの溶け
込み量と選択性及びエッチレートとの関係を表す図であ
る。
【符号の説明】
1 エッチング反応槽 11 内槽 12 外槽 13、4 ヒ−タ 2 循環路 3 ポンプ 5 フィルタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン酸化膜の表面に形成された窒化
    硅素膜をエッチングする溶液であり、 前記溶液は、リン酸溶液中に1重量%以下のフッ化水素
    酸を添加したものであることを特徴とするエッチング
    剤。
  2. 【請求項2】 シリコン酸化膜の表面に形成された窒化
    硅素膜をエッチングする溶液であり、 前記溶液は、リン酸溶液中に微量のフッ化アンモニウム
    を添加したものであることを特徴とするエッチング剤。
  3. 【請求項3】 シリコン酸化膜の表面に形成された窒化
    硅素膜を、加熱した請求項1のエッチング剤によりエッ
    チングすることを特徴とするエッチング方法。
  4. 【請求項4】 シリコン酸化膜の表面に形成された窒化
    硅素膜を、加熱した請求項2のエッチング剤によりエッ
    チングすることを特徴とするエッチング方法。
  5. 【請求項5】 シリコン酸化膜の表面に形成された窒化
    硅素膜をエッチングする方法において、 リン酸溶液中に、フッ化水素酸及び/またはフッ化アン
    モニウムよりなる添加剤を加え、添加剤の濃度が互いに
    異なる複数のエッチング槽を用意し、 被エッチング体を前記複数のエッチング槽により順次エ
    ッチングすることを特徴とするエッチング方法。
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