JPH0883474A - 磁気ディスク装置のリニア・ガイド機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】組立て誤差があってもローラとレールとの接触
状態を良好に保つことにより、キャリッジを精度よく移
動することができるリニアガイド機構を提供する。 【構成】キャリッジ４の左右それぞれに２面のレール面
１と、このレール面１に接触するローラ２，２ａからな
るキャリッジの移動手段を設ける。このとき、１つのレ
ール面についてのみそのレールに接触するローラ２ａを
板ばね３を介して支持するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスク装置に関
し、特に磁気ヘッドを直線運動させる磁気ディスク装置
のリニア・ガイド機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】直線運動を可能としたキャリッジは、例
えば磁気ディスク装置の直線型アクセス機構に用いられ
る。この磁気ディスク装置における直線型アクセス機構
には、誤差が極めて小さい位置決め性能が要求される。
それは磁気ディスク装置の高密度化に不可欠であり、性
能の向上のために種々のキャリッジ支持構造が考えられ
ている。例えば、米国特許第4415941号に開示されてい
るように、磁気ヘッドを備えるキャリッジを、これに設
けた支持ローラとキャリッジ側方に配置した案内部材と
によって直線運動するように支持したものがある。さら
に、特開昭57−40785 号公報に開示されているように、
円筒状のレールに接する２つのローラを、予圧ばねによ
ってレールに確実に接触させるものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、駆
動時，静止時のロッキングあるいは走行の乱れによるキ
ャリッジの磁気ディスク面に対して直角方向の動きに対
する力学的特性を改善し、磁気ヘッドの位置決め性能の
向上を図っているものであるが、キャリッジを直線運動
させるためのボイスコイルモータの発熱などに起因する
熱変形によって、磁気ヘッドによる情報の読み書きの誤
差を生じることについて何等配慮されていない。すなわ
ち、近年、磁気ディスク装置の軽量化および加工性を良
くするために、キャリッジやキャリッジの支持部材が取
付けられる固定部をアルミニウムで構成し、一方、支持
部材は耐摺動性のよい鉄が用いられている。

【０００４】このように構成されているため、前述した
ようにボイスコイルモータの発熱がキャリッジや固定部
に伝わると、このキャリッジや固定部は支持部材に対し
て熱膨脹係数が大きいため、このキャリッジや固定部が
膨脹し、支持部材が案内部材の案内面から離れることに
なり、支持部材と案内面との間にすき間を生じる。この
すき間の発生により、キャリッジは磁気ディスクのディ
スク面に対して傾動する。特に、キャリッジの磁気ディ
スク面に対して直交する方向の傾き（以下ピッチングと
いう）は、データヘッドとサーボヘッドとの間に位置ず
れが起こり、情報の読み書きの誤差を生じ、その信頼性
を著しく低下させている。

【０００５】本発明は上述の事柄に基づいてなされたも
ので、キャリッジを駆動するボイスコイルモータなどに
起因した発熱によるキャリッジ等の熱変形に対してキャ
リッジのピッチングを抑え、さらに案内面の対摺動性を
向上することにより高い信頼性を備えたキャリッジの支
持装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、回転する磁気ディスクのディスク面に情
報を読み書きする磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを備え
るキャリッジと、前記キャリッジあるいは固定部に設け
たローラと、前記キャリッジの両側方あるいは両側部に
配置され、各側に前記ローラを案内する２つの案内面
と、前記キャリッジの反磁気ヘッド側に設けたキャリッ
ジ駆動部とを備えた磁気ディスク装置のリニア・ガイド
機構において、前記一方および他方の２つの案内面のう
ちの１つの案内面に沿って案内されるローラを、前記キ
ャリッジまたは固定部の磁気ヘッド側およびキャリッジ
駆動部側に設け、前記一方および他方の２つの案内面の
うちのもう１つの案内面に沿って案内されるローラを、
前記の２つのローラとの間に位置するように前記キャリ
ッジまたは固定部に設け、このローラのうちの１つをば
ねを介して支持し、前記案内面をセラミックで形成した
ことを特徴とする。

【０００７】

【作用】キャリッジ駆動部を構成するボイスコイルなど
に起因する発熱によって、キャリッジおよび固定部が膨
脹すると、ローラと案内面との間にすき間を生じるが、
ばねを介して支持されたローラと案内面との接触によっ
て発生するばねの反力によって、キャリッジは前述した
すき間を取除くように移動する。これにより、各ローラ
は対応する案内面に接触する。その結果、外部振動に対
する復原性がよく、熱変形も吸収して、キャリッジを直
線運動させることができる。

【０００８】また、案内面をセラミックで形成したこと
により、この案内面の対摺動性を向上することができ、
信頼性の高いキャリッジの支持装置を得ることができ
る。

【０００９】

【実施例】図１および図２は本発明の機構の一実施例を
示すもので、この図において、１３は磁気ディスク、１
１は磁気ヘッド、１２は磁気ヘッド１１を支持するガイ
ドアーム、４はガイドアーム１２を保持するキャリッ
ジ、１４はキャリッジ４の反磁気ヘッド側に設けたボイ
スコイル、１はキャリッジ４の側方にそれぞれ配置され
たレールで、このレール１は円筒体で形成され、キャリ
ッジ４の案内面を構成する。このレール１は固定部５に
保持されている。このレール１は耐摺動性を向上させる
ために、鋼材またはセラミック材で作られている。

【００１０】前述したキャリッジ４には一方および他方
のレール１の上側案内面にそれぞれ案内されるローラ２
がころがり軸受を介してキャリッジ４の磁気ヘッド側と
ボイスコイル１４側とに設けられ、また一方および他方
のレール１の下側案内面にそれぞれ案内されるローラ
２，２ａが、前述した２つのローラ２間に位置するよう
にキャリッジ４に設けられている。このローラ２はころ
がり軸受を介してキャリッジ４に設けられ、ローラ２ａ
はころがり軸受および予圧力を与える板ばね３を介して
キャリッジ４に設けられている。前述したキャリッジ４
および固定部５は軽量化のために、アルミニウムで作ら
れている。

【００１１】次に上述した本発明の一実施例の動作を説
明する。

【００１２】キャリッジ４に設けたローラ２，２ａはば
ね３の弾性力によるローラ２ａとこれに対応する案内面
に接触するように移動される。その結果、キャリッジ４
はレール１に沿って直線運動することができる。

【００１３】また、キャリッジ駆動部を構成するボイス
コイル１４および磁気ディスク駆動モータなどに起因す
る発熱がキャリッジ４および固定部５に伝わると、これ
らは膨脹し、特にレール１，１をそれぞれ側方に移動さ
せるように熱変形を生じる。これにより、各ローラ２，
２ａとこれに対応する案内面との間にすき間が生じる
が、このすき間は前述したローラ２ａとこれに対応する
案内面との接触によって生じるばね３の反力によって、
キャリッジ４が図１に示す矢印Ａおよび矢印Ｂ方向に移
動して、各ローラ２，２ａをこれに対応する案内面に接
触させる。その結果、キャリッジ４は前述した熱変形を
生じても、レール１，１に沿って直線運動することがで
き、磁気ヘッド１１による情報の読み書き誤差を防止す
ることができる。

【００１４】図３は本発明の機構の他の実施例を示すも
ので、この図において図１と同符号のものは同一部分あ
るいは相当する部分である。この実施例は、図１に示す
実施例と同様なローラの配置構成において、ローラ２，
２ａを固定部５側に設け、これらのローラ２，２ａの案
内面４ａをキャリッジ４に形成して構成したものであ
る。

【００１５】この実施例によれば、前述した実施例と同
様にキャリッジ４を正確に直線運動させることができる
ので、磁気ヘッドによる読み書き誤差を防止することが
できると共に、ローラ２，２ａを固定部５側に設けたの
で、キャリッジ４を軽量化することができ、その駆動容
量を小さくすることができる。

【００１６】なお、上述の実施例ではローラ２ａに予圧
力を与える手段として板ばねを用いたが、コイルばねや
磁石の吸引力，反発力を用いてもよい。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、キャリッジを剛に支持
しているので、外部振動に対して強く、また磁気ディス
クに平行な平面を境として支持力を外向きに作用させて
いるので、蛇行動に対する復原性が向上しているので、
磁気ヘッドを精度よく直線運動させる効果があり、さら
に熱変形によるキャリッジの傾きが生じにくいので、磁
気ヘッドによる読み書き誤差を防止する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の上面図である。

【図２】図１の底面図である。

【図３】本発明の他の実施例の上面図である。

【符号の説明】

１…レール、２，２ａ…ローラ、３…板ばね、４…キャ
リッジ、５…固定部、１１…磁気ヘッド、１２…ガイド
アーム、１３…ディスク、１４…ボイスコイル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転する磁気ディスクのディスク面に情報
   を読み書きする磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを備える
   キャリッジと前記キャリッジあるいは固定部に設けたロ
   ーラと、前記キャリッジの両側方あるいは両側部に配置
   され、各側に前記ローラを案内する２つの案内面と、前
   記キャリッジの反磁気ヘッド側に設けたキャリッジ駆動
   部とを備えた磁気ディスク装置のリニア・ガイド機構に
   おいて、 前記一方および他方の２つの案内面のうちの１つの案内
   面に沿って案内されるローラを、前記キャリッジまたは
   固定部の磁気ヘッド側およびキャリッジ駆動部側に設
   け、 前記一方および他方の２つの案内面のうちのもう１つの
   案内面に沿って案内されるローラを、前記の２つのロー
   ラとの間に位置するように前記キャリッジまたは固定部
   に設け、 このローラのうちの１つをばねを介して支持し、 前記案内面をセラミックで形成したことを特徴とする磁
   気ディスク装置のリニア・ガイド機構。