JPS6211429B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は直進型ボイスコイルモータを有する磁
気デイスク装置において、サーボヘツド及びＲ／
Ｗヘツドを支持し、高速にて直進運動を行い、所
定の位置に位置ぎめを行うためのキヤリツジの支
持機構に関する。

まず、本発明に関連して磁気デイスク装置に近
年に強く望まれている機能・特性を述べる。

磁気デイスク装置の情報記憶密度の高密度化に
伴い、その位置ぎめには増々高精度を要求される
ようになつてきている。すなわち、情報記憶密度
の高密度化のために行われる１インチ当りのトラ
ツク数TPIの増大に伴い、進行方向の位置ぎめ精
度が要求されるが、さらに１トラツク内のビツト
密度（磁化反転密度）BPIの増大に伴つて磁気デ
イスク媒体の回転方向の位置ぎめ精度もきびしく
要求されつつある。また、キヤリツジの位置ぎめ
は静的に行われるものでなく高速かつダイナミツ
クにくり返されるものであるので、あらゆるシー
クモード（位置決め動作）でのキヤリツジの進行
方向及び磁気デイスク媒体の回転方向の振動を最
小におさえる必要がある。さらに装置の量産を考
慮すると部品点数が少く、シンプルな構造で調整
個所が少く実現されることが望ましい。

次に、上記要望に対し、従来の直進型のキヤリ
ツジを説明する。

従来の直進型のキヤリツジは、１本レールと２
本レールのものがあるが、それぞれの代表例とし
て、次に第１図、第２図ないし第３図に示すもの
を説明する。

第１図に例示した形式のものは１本のマルレー
ル１によつてキヤリツジ２の上下方向の位置決め
を行い、かつ進行方向を規定し、左右方向（回転
方向）の位置決めは固定側の板バネ３ａをプリロ
ード側の板バネ３ｂ及びコイルバネ４によつて行
う。

なお、図ａは平面図、図ｂは立面図で、図中、
５ａ，５ｂ，５ｃ，５ｄ，６ａ，６ｂ，６b′，６
b″はベアリング、１０はベースである。

このような構造においては次のような長所およ
び短所を有する。

(i) キヤリツジの形状がシンプル、しかし部品点
数多。

(ii) レール・板バネの固定方法がシンプル、加工
容易。

(iii) コイルバネ４による与圧なのでバネ定数Ｋが
小さくとれバネ圧の調整不要。

(iv) 左右方向の剛性が少。（予圧部分を押し上げ
る方向Ａの力に対して特に弱い） (v) 左右方向を支持しているベアリング６ａ，６
ｂのスラスト方向の予圧がないため、ベアリン
グ６ａ，６ｂのスキマによつて生ずる微小振動
がある。

(vi) キヤリツジのインナー・センタ・アウターに
よつて予圧の変動がある。（バネ加圧点４と支
持ベアリング６ｂまでの距離が図中、６b′，６
b″に示すように変化するため、モーメントが
変化する） (vii) 円板を垂直にする取付方向で使えない。（デ
イスク装置を立てて使えない） また、第２図ａ，ｂおよび第３図に例示する形
式のものは、キヤリツジ２の上下方向に配置され
た２本の台形レール１ａ，１ｂによつて進行方
向、上下方向、回転方向の位置決めを行ない、キ
ヤリツジ上部の板バネ３によつてベアリング６
ａ，６ｂの予圧を行うものである。

尚、第２図ａは平面図、同図ｂは立面（正面）
図、第３図は側面図である。

この従来形式のものの長所および短所は次の通
りである。

(i) キヤリツジ２の形状がシンプル、部品点数は
少ないがサポートフレーム７が必要。

(ii) 上下のレール１ａ，１ｂのアライメントが困
難で、ベース・サポートフレームの寸法高密度
を要し、台形レール１ａ，１ｂも含めて加工コ
スト高。

(iii) 板バネ３による与圧なのでＫが大きく、バネ
圧の調整を要す。

(iv) 進行方向、左右方向とも剛性大。

(v) すべてのベアリング５ａ，５ｂ，５ｃ，５
ｄ，６ａ，６ｂにおいて、ベアリング回転の中
心軸に対して45゜で力が加わるので、ベアリン
グのスキマがなく、それによる微小振動がな
い。

(vi) キヤリツジのインナー・センター・アウター
で予圧の変動なし。

(vii) 円板を垂直に立てる方向でも使える。（磁気
デイスク装置を立てても使用可能） 以上のように、第２図ないし第３図に示すもの
は、第１図に示すものに比較して加工・組立の面
では劣り、性能面では勝つているものと言える。

かくして、本発明は性能面で上記第２図ないし
第３図に示すものと同等以上で、構造を簡素にし
た磁気デイスク装置のキヤリツジ支持機構を提供
することを目的としている。

この目的は本発明においては、キヤリツジの両
側にレールを、該レールの中心軸を前記重心軸と
より低い位置に設け、更に前記キヤリツジにベア
リングを、レールに対して上下方向から対称的な
形で転動自在に係合させて設け、かつ該ベアリン
グの少なくとも１組を板バネを介しキヤリツジ取
付け、もつて前述の欠点を解消したキヤリツジの
支持機構により達成される。

以下、図面に示す一実施例に基き、本発明を具
体的に説明する。

キヤリツジ２は、第４図及び第５図に示すよう
に、重心軸１ａと一致した駆動中心軸７ａを有す
るボイスコイル（図示せず）を有しており、キヤ
リツジ１には上下方向、即ち矢印Ｃ，Ｄ方向に、
磁気ヘツドを塔載した複数のアーム（図示せず）
が固設されている。更に、キヤリツジ２の、第４
図における左側には支持部２ｂが突設されてお
り、支持部２ｂには上下方向に対称的な形に設け
られた２対のベアリング１５ａ，１５ｂ，及び１
６ａ，１６ｂが回転自在に支持されている。ま
た、支持部２ｂの反対側には中央部に支持部２ａ
が突設された板ばね３が両端をキヤリツジ２に固
着された形で支持されており、支持部２ａには上
下方向に対称的な形に設けられた１対のベアリン
グ１５ｃ，１６ｃが回転自在に支持されている。
一方、ベース１０には同一の直径を有する円筒状
のレール１１ａ，１１ｂが、重心軸に対して低く
平行かつ対称的に設けられている。レール１１ａ
にはベアリング１５ａ，１５ｂ及び１６ａ，１６
ｂが、レール１１ｂにはベアリング１５ｃ，１６
ｃが、上下方向からレール１１ａ，１１ｂを挾み
込む形で転動自在に係合している。

本発明は、以上のような構成を有するので、キ
ヤリツジ２はボイスコイルにより矢印Ｅ，Ｆ方向
に移動駆動させられるが、その際、ボイスコイル
の駆動中心軸とキヤリツジ２の重心軸は一致して
いるので、キヤリツジ２にコイルの駆動力に伴う
有害な回転モーメント等が発生することはない。
また、キヤリツジ２の移動はベアリング１５ａ，
１５ｂ，１６ａ，１６ｂ及び１５ｃ，１６ｃがレ
ール１１ａ，１１ｂ上を転動することによつて行
なわれるが、ベアリング１５ａ，１５ｂ，１６
ａ，１６ｂ，１５ｃ，１６ｃは各レール１１ａ，
１１ｂを上下方向から対称的に挾持する形で係合
し、かつ板ばね３がその弾性力によりベアリング
１５ｃ，１６ｃを常時レール１１ｂ方向に押圧し
ているので、ベアリング１５ａ，１５ｂ，１６
ａ，１６ｂ，１５ｃ，１６ｃとレール１１ａ，１
１ｂの係合関係は強固に保持され、キヤリツジ２
は確実に支持される。また、各ベアリング１５
ａ，１５ｂ，１６ａ，１６ｂ，１５ｃ，１６ｃと
レール１１ａ，１１ｂ間に生じる摩擦力による回
転モーメントの影響もキヤリツジ２が重心軸を中
心に両側から強固に支持されているので、矢印
Ａ，Ｂ方向の振動源となる水平面内の回転モーメ
ントは十分に支持され、また、第２図、第３図に
示すレールサポート７が不要なので簡単な構造と
なる。

以上説明したように、本発明によれば、キヤリ
ツジ２の重心軸とボイスコイルの駆動中心軸を一
致させ、更にレール１１ａ，１１ｂをキヤリツジ
２の両側にその中心軸ａを重心軸より低い位置に
水平に設けたので、キヤリツジ２は確実にベース
に対して支持され、回転モーメントによる有害な
振動の発生も十分防止することができ、高精度の
位置決めが可能なキヤリツジの支持構造の提供が
可能になる。また、レール１１ａ，１１ｂをキヤ
リツジ２の両側に設けたので、レール１１ａ，１
１ｂをベース１０上に直接装着することができ、
第３図想像線で示すような強固な支持部材７等を
設ける必要がなく、装置の小型、軽量化に寄与し
得る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来の磁気デイスク装置
のキヤリツジ支持機構を例示した図，第４図およ
び第５図は本発明の一実施例を示し、第４図ａは
平面図，同図ｂは立面（正面）図，第５図は側面
図である。 ２…キヤリツジ、３…板バネ、１５ａ，１５
ｂ，１５ｃ，１６ａ，１６ｂ，１６ｃ…ベアリン
グ、１１ａ，１１ｂ…レール。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ キヤリツジの両側にレールを、該レールの中
   心軸を前記重心軸とより低い位置に水平に設け、
   更に前記キヤリツジにベアリングを、レールに対
   して上下方向から対称的な形で転動自在に係合さ
   せて設け、かつ該ベアリングの少なくとも１組を
   板バネを介しキヤリツジ取付けたことを特徴とす
   る磁気デイスク装置のキヤリツジ支持機構。