JPH0883001A - 現像方法 - Google Patents

現像方法

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JPH0883001A
JPH0883001A JP6242011A JP24201194A JPH0883001A JP H0883001 A JPH0883001 A JP H0883001A JP 6242011 A JP6242011 A JP 6242011A JP 24201194 A JP24201194 A JP 24201194A JP H0883001 A JPH0883001 A JP H0883001A
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昇 伊藤
Tamotsu Shimizu
保 清水
Eiji Gyotoku
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現像剤中のトナーを現像剤搬送部材から像担
持体に供給して現像を行う際に、像担持体上に形成され
たトナー像が乱れたり、またキャリアが像担持体に付着
したり、エッジ効果によって形成される画像のドットが
太くなったりするということもなく、解像度の高い良好
な画像が安定して得られるようにする。 【構成】 トナーTとキャリアCを含む現像剤1を現像
剤搬送部材11によって像担持体と対向する現像領域に
搬送し、この現像領域に振動電界を作用させて、現像剤
中のトナーを像担持体に供給して現像を行うにあたり、
現像剤搬送部材による現像領域への現像剤の搬送量を
0.7〜5.0mg/cm2 に調整すると共に、キャリ
アとして、500V/mmの電界下での固有抵抗値が1
×107 〜1×1012Ω・cm、磁気力が600〜23
00G、平均粒径が10〜30μmの範囲になったもの
を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複写機やプリンター
等の画像形成装置において、像担持体に形成された潜像
にトナーを供給して現像を行う現像方法に係り、特に、
トナーとキャリアを含む現像剤を現像剤搬送部材によっ
て像担持体と対向する現像領域に搬送させ、この現像領
域に振動電界を作用させて、現像剤中のトナーを現像剤
搬送部材から像担持体に供給して現像を行う現像方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の画像
形成装置において、像担持体に形成された潜像にトナー
を供給して現像を行う現像方法としては、様々な方法が
知られていた。そして、このような現像方法の代表的な
ものとして、トナーとキャリアを含む現像剤を現像スリ
ーブ等の現像剤搬送部材に供給し、この現像剤を現像剤
搬送部材によって磁気ブラシの状態で像担持体側に搬送
し、現像剤搬送部材上における現像剤の量を規制部材に
よって規制した後、像担持体と対向する現像領域に導
き、この現像領域において現像剤搬送部材上における現
像剤を磁気ブラシの状態で像担持体の表面に接触させ、
この現像剤中のトナーを現像剤搬送部材から像担持体の
潜像部分に供給して現像を行うようにした現像方法が広
く知られていた。
【0003】しかし、このように現像剤を磁気ブラシの
状態で像担持体に接触させて現像を行う場合、像担持体
上に供給されたトナーが現像剤搬送部材上の磁気ブラシ
によって掻き取られたりして、像担持体上に形成された
トナー像が乱れる等の問題があり、特に、像担持体に複
数色のトナーを順々に供給して多色現像を行う場合にお
いては、像担持体に先に供給された色彩のトナーが、次
の色彩のトナーを供給して現像する際に、その磁気ブラ
シとの接触により掻き取られて画像が乱されたり、また
勝手に他の色彩のトナーが混ざり合ったりして、正確な
色彩になった良好な多色現像が行えなくなるという問題
があった。
【0004】ここで、上記のように現像剤を磁気ブラシ
の状態で像担持体に接触させて現像を行った場合に、像
担持体上に形成されたトナー像が乱れるのは、現像剤に
おけるキャリアの磁気力が強くて、磁気ブラシが硬くな
っていることや、現像剤中のトナーを像担持体に供給し
た際に、キャリアに残留する電荷、いわゆるカウンター
チャージ等が原因であると考えられている。
【0005】このため、従来においては、上記の現像剤
におけるキャリアに低磁気力のものを用い、像担持体に
接触する磁気ブラシの穂をソフト化させ、磁気ブラシの
接触によるトナー像の乱れを抑制することが考えられ
た。
【0006】しかし、このように低磁気力のキャリアを
使用すると、現像剤搬送部材上におけるキャリアの拘束
力が弱くなって、キャリアが現像剤搬送部材から離れて
像担持体に付着しやすくなり、特に、入力画像としてラ
ダーパターンのような高い周波数の画像や、画数の多い
漢字パターン等の画像を現像する場合には、像担持体に
付着するキャリアが多くなった。
【0007】そして、このようにキャリアが像担持体に
付着すると、このキャリアがトナー像と一緒に転写紙に
転写されて、形成された画像にキャリアによる抜けが生
じたり、また付着したキャリアによって像担持体が傷つ
き、形成される画像に筋状のノイズや、斑点状のノイズ
が発生したりする等の問題があった。
【0008】また、近年においては、上記のように像担
持体上に形成されたトナー像が現像剤の磁気ブラシによ
って乱されたりするのを防止するため、特開昭61−3
2858号公報,特開昭62−182760号公報等に
示されるように、トナーとキャリアを含む二成分現像剤
を現像剤搬送部材によって像担持体と対向する現像領域
に搬送し、この現像領域に振動電界を作用させ、上記の
現像剤を像担持体と接触させない非接触の状態で、この
現像剤中のトナーを現像剤搬送部材から像担持体に供給
して現像を行うようにしたものが開発された。
【0009】しかし、このように現像領域に振動電界を
作用させ、現像剤を像担持体と接触させない状態で現像
剤中のトナーを像担持体に供給して現像を行うようにし
た場合においても、現像剤中のトナーを像担持体に供給
すると、キャリアにカウンターチャージが残り、依然と
してキャリアが像担持体に付着するという問題が存在し
た。
【0010】また、このような像担持体へのキャリアの
付着を抑制するため、特開平5−323681号公報に
示されるように、現像剤搬送部材によって像担持体に搬
送する現像剤の量を多くして、現像剤中におけるトナー
の消費率を低く押えるようにし、これにより一個のキャ
リアあたりに発生するカウンターチャージを減らすこと
が考え出された。
【0011】しかし、このように現像剤搬送部材によっ
て像担持体に搬送する現像剤の量を多くすると、上記の
ように現像領域に振動電界を作用させて現像剤中のトナ
ーを像担持体に供給して現像を行う際に、像担持体に供
給されずに飛散するトナーの量が多くなり、これによっ
て形成される画像にかぶりが生じたり、複写機等の装置
内が飛散したトナーによって汚れたりする等の問題が発
生した。
【0012】さらに、従来においては、現像剤中におけ
るキャリアに、一般に高抵抗のものを使用していたた
め、図1に示すように、このような高抵抗のキャリアC
を用いた現像剤1によって現像を行った場合、像担持体
2に形成された静電潜像のエッジ部分において電気力線
がまわり込み、このエッジ部分における電界が強くなっ
て、トナーTがこのエッジ部分に多く供給されて強く現
像されるというエッジ効果が生じ、形成される画像にむ
らが発生するという問題があった。特に、近年多く使用
されているプリンターやデジタル複写機等においては、
形成される画像においてドットが太くなって解像性が低
下し、均一で再現性の良い画像が得られなくなるという
問題もあった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、トナーと
キャリアを含む現像剤を現像剤搬送部材によって像担持
体と対向する現像領域に搬送し、この現像領域において
現像剤中のトナーを現像剤搬送部材から像担持体に供給
して現像を行う場合における上記のような様々な問題を
解決することを課題とするものである。
【0014】すなわち、この発明においては、上記のよ
うに現像領域において現像剤中のトナーを現像剤搬送部
材から像担持体に供給して現像を行うにあたり、像担持
体上に供給されたトナーが現像剤搬送部材上における現
像剤の磁気ブラシによって掻き取られたりして、像担持
体上に形成されたトナー像が乱れたり、またキャリアが
像担持体に付着して、形成された画像にキャリアによる
抜けが発生したり、付着したキャリアによって像担持体
に傷がつき、形成される画像に筋状のノイズが発生した
り、斑点状のノイズが発生したりするということがな
く、さらに像担持体に形成された静電潜像のエッジ部分
におけるエッジ効果によって形成される画像にむらが生
じたり、形成される画像のドットが太くなって解像性が
低下したりするということもなく、解像度の高い良好な
画像形成が安定して行える現像方法を提供することを課
題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明においては、上
記のような課題を解決するため、トナーとキャリアを含
む現像剤を現像剤搬送部材によって像担持体と対向する
現像領域に搬送し、この現像領域に振動電界を作用させ
て、現像剤搬送部材から現像剤中のトナーを像担持体に
供給して現像を行う現像方法において、上記の現像剤搬
送部材によって現像領域に搬送される現像剤の搬送量を
0.7〜5.0mg/cm2 に調整すると共に、上記の
現像剤中におけるキャリアとして、500V/mmの電
界下での固有抵抗値が1×107 〜1×1012Ω・c
m、磁気力が600〜2300G、平均粒径が10〜3
0μmの範囲になったものを用いるようにしたのであ
る。
【0016】ここで、この発明における現像方法におい
て、現像剤搬送部材によって現像領域に搬送させる現像
剤の搬送量を0.7〜5.0mg/cm2 に調整したの
は、現像剤の搬送量が0.7mg/cm2 より少ない
と、像担持体に供給されるトーが不足し、画像濃度が
1.3以上になった充分な画像濃度を有する画像が得ら
れなくなる一方、現像剤の搬送量が5.0mg/cm2
より多くなると、現像剤搬送部材によって搬送される現
像剤の層厚が厚くなり、上記のように現像剤中のトナー
を像担持体に供給して現像を行った際に、キャリアに残
る電荷の移動が悪くなって、キャリアにカウンターチャ
ージが残り、キャリアが像担持体に付着しやすくなると
共に、像担持体に供給されずに飛散するトナーの量が多
くなるためである。
【0017】また、この発明の現像方法において、現像
剤中におけるキャリアとして、500V/mmの電界下
での固有抵抗値が1×107 〜1×1012Ω・cmの範
囲のものを用いるようにしたのは、その固有抵抗値が1
×107 Ω・cmより低いと、上記のように現像領域に
おいて振動電界を作用させて現像剤搬送部材から現像剤
中のトナーを像担持体に供給する際に、キャリアが像担
持体に付着しやすくなる一方、その固有抵抗値が1×1
12Ω・cmより高くなると、キャリアの抵抗が高く
て、図1に示したように、像担持体2に形成された静電
潜像のエッジ部分において電気力線がまわり込み、この
エッジ部分における電界が強くなり、現像剤1中のトナ
ーTがこのエッジ部分に多く供給されて強く現像される
ようになるためである。
【0018】なお、キャリアにおける上記の固有抵抗値
については、図2に示すように、キャリアCをプレート
20の凹部20a内に収容させて、その厚みが1mmに
なるようにし、このキャリアCの上面に直径が20mm
の電極21を載置させ、この状態で、電源22から50
0Vの電圧を印加させて、キャリアCの層を流れた電流
を電流計23で測定して求めるようにした。
【0019】また、キャリアとして、上記のように磁気
力が600〜2300G、平均粒径が10〜30μmの
範囲になったものを用いるようにしたのは、磁気力が6
00Gより弱いキャリアや、平均粒径が10μmより小
さいキャリアを用いると、上記のように現像領域におい
て振動電界を作用させて現像剤搬送部材から現像剤中の
トナーを像担持体に供給する際に、キャリアが像担持体
に付着しやすくなる一方、磁気力が2300Gより強い
キャリアや、平均粒径が30μmより大きいキャリアを
用いると、図3に示すように、キャリアCが凝集して、
現像剤搬送部材11上における現像剤1の量にむらが生
じてしまい、形成される画像に濃度むら等が発生して、
均一できめの細かい現像が行えなくなるためである。な
お、上記のキャリアの磁気力については、直流磁化特性
自動記録装置(横河電気製作所社製,タイプ3257)
を使用し、1KOeの磁界を作用させて測定した値を示
しており、またキャリアの粒径については、コールター
社製のコールターカウンターによって測定した値を示し
た。
【0020】また、この発明の現像方法においては、前
記の要件を満たしていればよく、現像剤搬送部材によっ
て搬送された現像剤を、現像領域において像担持体と接
触させないで現像させるようにしたものであっても、接
触させて現像させるようにしたものであってもよい。但
し、現像剤を像担持体と接触させないで現像させるよう
にすると、現像剤の接触によるトナー像の乱れ等がより
一層抑制されるようになって好ましい。
【0021】
【作用】この発明における現像方法においては、トナー
とキャリアを含む現像剤を現像剤搬送部材によって像担
持体と対向する現像領域に搬送し、この現像領域に振動
電界を作用させて、上記の現像剤中におけるトナーを像
担持体に供給して現像を行うにあたり、現像剤搬送部材
によって現像領域に搬送させる現像剤の搬送量を0.7
〜5.0mg/cm2 に調整するようにしたため、像担
持体にトナーを供給して現像を行う際に、トナーが不足
するということがなく、像担持体に充分なトナーが供給
されて充分な画像濃度を有する画像が得られるようにな
ると共に、トナーが供給された後にキャリアに残る電荷
が速やかに現像剤搬送部材側に移動してキャリアにおけ
るカウンターチャージが少なくなり、これによって像担
持体へのキャリアの付着が抑制されるようになり、また
像担持体に供給されずに飛散するトナーの量も少なくな
る。
【0022】また、この発明における現像方法において
は、上記の現像剤中におけるキャリアとして、500V
/mmの電界下での固有抵抗値が107 〜1012Ω・c
mの低抵抗キャリアを使用するため、図4に示すよう
に、現像剤搬送部材11上における現像剤1中のトナー
Tを像担持体2と対向する現像領域において像担持体2
に供給する際に、像担持体1と対向するキャリアCの先
端に電場の変化に応じて電荷が誘起され、現像領域にお
いて対向する像担持体2と現像剤搬送部材11とのギャ
ップDsが大きくても実質的な現像電界が大きくなり、
現像剤搬送部材11による現像剤1の搬送量を上記のよ
うに少ない範囲にしても、充分な画像濃度を有する画像
が得られるようになると共に、像担持体1における潜像
部分からの電気力線がこの先端のキャリアCに引き付け
られて、潜像のエッジ部分における電気力線のまわり込
みも抑制され、エッジ部分が強く現像されるということ
もなくなる。
【0023】また、この発明における現像方法において
は、上記のキャリアとして、その磁気力が600〜23
00G,平均粒径が10〜30μmの範囲のものを用い
るようにしたため、現像剤搬送部材によって現像領域に
搬送する現像剤の量を上記のような少ない範囲にして
も、図3に示すように現像剤1が凝集するということが
なく、図5に示すように、現像剤搬送部材11上に均一
な現像剤1の薄層が形成されるようになり、この状態で
現像を行うと、濃度むら等がなくキメが良好な高解像度
の画像が得られるようになり、また像担持体2へのキャ
リアCの付着も抑制されるようになる。
【0024】
【実施例】以下、この発明に係る現像方法の実施例を添
付図面に基づいて具体的に説明する。
【0025】図6は、この発明の現像方法を実施するの
に用いた現像装置10の一例を示したものである。
【0026】ここで、この図6に示す現像装置10にお
いては、その内部にトナーTとキャリアとを含む現像剤
1を収容させており、この現像剤1を搬送させる現像剤
搬送部材11として、複数の磁極N1 ,S1 ,N2 ,S
2 ,N3 を有するマグネットローラ11aが内周側に設
けられた円筒状の現像スリーブ11を用い、この現像ス
リーブ11を現像領域において像担持体2である感光体
2と適当な間隔Dsを介して対向するようにして、回転
可能に配置させている。
【0027】そして、この現像スリーブ11を感光体2
とは逆方向、すなわち現像スリーブ11と感光体2とが
対向する現像領域では現像スリーブ11と感光体2とが
同方向に移動するように回転させ、この現像スリーブ1
1の回転に伴って現像装置10内に収容された現像剤1
を、上記のマグネットローラ11aによる磁力作用によ
り磁気ブラシの状態で感光体2側に搬送させるようにし
ている。
【0028】また、上記の現像スリーブ11には現像バ
イアス電源12を接続させており、この現像バイアス電
源12から交流電圧或いは交流電圧に直流電圧を重畳さ
せた現像バイアス電圧を印加させて、現像領域に振動電
界を作用させるようにしている。
【0029】また、上記の現像スリーブ11と感光体2
とが対向する現像領域よりも現像剤1の搬送方向上流側
で、前記のマグネットローラ11aの磁極N1 と対向す
る位置には、現像スリーブ11と所要間隔を介して磁性
ブレード13を設け、この磁性ブレード13によって現
像スリーブ11上における現像剤1の量を規制するよう
にしている。
【0030】また、この現像装置10においては、その
上部にトナーTを収容させたトナー収容部14を設けて
おり、現像スリーブ11から現像剤1中におけるトナー
Tを感光体2に供給して現像を行った結果、現像装置1
0内における現像剤1中のトナー濃度が低下した場合に
は、このトナー収容部14の下に設けられたトナー補給
ローラ15を回転させて、トナー収容部14内に収容さ
れたトナーTを現像装置10内の現像剤1に補給させる
ようにしている。
【0031】そして、この現像装置1を用いて、この発
明の現像方法を実施するにあたっては、上記の現像剤1
中におけるキャリアに、500V/mmの電界下での固
有抵抗値が1×107 〜1×1012Ω・cm、磁気力が
600〜2300G、平均粒径が10〜30μmの範囲
になったものを用いると共に、上記のように回転する現
像スリーブ11によって感光体2と対向する現像領域に
搬送される現像剤1の量を上記の磁性ブレード13によ
って規制するにあたり、この現像スリーブ11による現
像剤1の搬送量が0.7〜5.0/cm2 の範囲になる
ようにした。
【0032】そして、このように現像スリーブ11によ
る現像剤1の搬送量を調整した後、この現像剤1を現像
スリーブ11によって感光体2と対向する現像領域に導
き、上記の現像バイアス電源12からバイアス電圧を印
加させて、この現像領域に振動電界を作用させ、現像ス
リーブ11によって搬送されてきた現像剤1中における
トナーTを現像スリーブ11から感光体2の潜像部分に
供給して現像を行うようにした。
【0033】このようにして現像を行うと、現像スリー
ブ11から感光体2の潜像部分に充分な量のトナーTが
供給されると共に、像担持体1における潜像のエッジ部
分だけが強く現像されるということもなく、また上記の
現像スリーブ11上に均一な現像剤1の薄層が形成され
て現像が行われ、充分な画像濃度を有すると共に、濃度
むら等がなく、均一でキメが細かい高解像度の画像が得
られるようになり、さらに感光体2にキャリアが付着す
るということもなく、形成された画像にキャリアによる
抜けが生じたり、感光体2が付着したキャリアによって
傷ついたりするということがなくると共に、トナーTが
飛散するということも少なくなって、形成された画像に
かぶりが生じたり、装置内が飛散したトナーTによって
汚れたりするということもなくなった。
【0034】次に、上記の現像装置10に使用する現像
剤におけるキャリアに、様々なキャリアを用いて実験を
行い、この発明に示される条件を満たすキャリアを使用
することが好ましいということを明らかにする。
【0035】(実験例1)この実験例においては、スチ
レン−アクリル系樹脂(Mn=15000,Mw=20
0000,Ti=100℃)に磁性粉(チタン工業社
製,RB−BL)とカーボンブラックCB(ライオンア
クゾ社製,ケッチェンブラックEC)とを下記の表1に
示す割合で加え、これらをそれぞれヘンシェルミキサー
によって混合し、次に連続押し出し機により混練して冷
却させた後、これらを粗粉砕し、さらに平均粒径が16
μmになるように微粉砕した後、気流分級機で分級し、
平均粒径が20μmになったキャリア(1)〜(6)を
得た。
【0036】そして、これらのキャリア(1)〜(6)
について、前記の図2に示すようにして、それぞれの固
有抵抗値(Ω・cm)を求めると共に、直流磁化特性自
動記録装置(横河電気製作所社製,タイプ3257)を
用い、1KOeの磁場で磁気力(G)を測定し、その結
果を表1に合わせて示した。
【0037】
【表1】
【0038】この結果、上記のキャリア(1)〜(6)
においては、キャリア(2)〜(5)がこの発明の条件
を満たしており、キャリア(1)のものは固有抵抗値が
この発明の条件より高く、またキャリア(6)のものは
固有抵抗値がこの発明の条件より低くなっていた。
【0039】一方、上記のキャリア(1)〜(6)と混
合させるトナーとしては、スチレン−アクリル系樹脂
(Mn=15000,Mw=200000)100重量
部に、ニグロシン系の荷電制御剤3重量部と、カーボン
ブラック6重量部と、低分子ポリプロピレン2.5重量
部とを加えて製造した平均粒径が約8μmのトナーを用
いるようにした。
【0040】そして、このトナーを上記の各キャリア
(1)〜(6)に加え、それぞれトナー濃度が15wt
%になった各現像剤を上記の現像装置10に使用して現
像を行うようにした。
【0041】ここで、上記各現像剤を使用して現像を行
うにあたっては、上記の現像装置10における画像形成
スピードを40cpm,現像スリーブ11と磁性ブレー
ド13との間隔を0.3mmにして現像スリーブ11に
よる現像領域への現像剤1の搬送量を4.0mg/cm
2 に調整すると共に、現像領域における現像スリーブ1
1と感光体2とのギャップDsを0.3mmにし、また
感光体2の初期表面電位V0 をそれぞれ下記の表2に示
すように調整すると共に、前記の現像バイアス電源12
から150Vの直流バイアス電圧と、周波数2000H
zでピークピーク値Vp−pが下記の表2に示すように
調整した交流バイアス電圧とを重畳させたバイアス電圧
を印加させて現像領域に振動電界を作用させるようにし
た。
【0042】そして、このように上記のキャリア(1)
〜(6)を含む各現像剤を使用して現像を行い、形成さ
れた画像の解像力,エッジ部分の均一性(エッジ性)及
び感光体2へのキャリアの付着状態(キャリア付着)の
評価を行い、その結果を表2に合わせて示した。なお、
解像力,エッジ性及びキャリア付着の評価については、
それぞれ非常に良好な場合を◎、良好で問題がない場合
を○、若干問題がある場合を△、問題がある場合を×で
示した。
【0043】
【表2】
【0044】この結果から明らかなように、この発明の
条件を満たしたキャリア(2)〜(5)を含む現像剤を
使用した場合には、形成された画像において線のつぶれ
やがたつきがなく解像力やエッジ性に優れた良好な画像
が得られると共に、感光体2にキャリアが付着するとい
うこともなかった。
【0045】これに対し、キャリアの固有抵抗値が3×
1014Ω・cmと1×1012Ω・cmより大きくなった
高抵抗のキャリア(1)を含む現像剤を使用した場合に
は、エッジ効果が大きくなり、形成された画像において
線のつぶれやがたつきが目立ち、画像における解像力や
エッジ性が悪くなると共に、現像バイアス電源12から
印加させる交流電圧にも、そのピークピーク値Vp−p
が2000Vと非常に高い電圧を印加させることが必要
になり、現像スリーブ11と感光体2との間でリークを
引き起こすという問題もあった。
【0046】一方、キャリアの固有抵抗値が4×106
Ω・cmと1×107 Ω・cmより低くなった低抵抗の
キャリア(6)を含む現像剤を使用した場合には、形成
された画像の解像力やエッジ性は良好であったが、感光
体2にキャリアが多く付着し、感光体2が付着したキャ
リアによって傷ついたりするという問題があった。
【0047】また、上記のキャリア(2)を含む現像剤
を用い、上記の現像装置10において、現像スリーブ1
1と磁性ブレード13との間隔を0.5mmにして現像
スリーブ11による現像領域への現像剤1の搬送量を1
5mg/cm2 に調整する一方、現像領域における現像
スリーブ11と感光体2とのギャップDsを0.5mm
にし、それ以外は上記の場合と同様にして現像を行う
と、現像スリーブ11による現像剤1の搬送量が5mg
/cm2 より多くなったため、感光体2にキャリアが付
着すると共に、トナーTの飛散も多くなるという問題が
生じた。
【0048】(実験例2)この実験例においては、先ず
上記実験例1においてキャリアの製造に使用した磁性粉
だけを変更させ、磁性粉として、飽和磁化(σm)が6
6emu/g,保持力(Hc)が120Oe,粒径が
0.6μmのフェライト粉を使用し、前記のスチレン−
アクリル系樹脂100重量部に対して、キャリア(7)
においては上記のフェライト粉を520重量部、キャリ
ア(8)においてはフェライト粉を700重量部加える
と共に、それぞれさらに前記のカーボンブラックを10
重量部加え、それ以外は上記実験例1の場合と同様にし
て平均粒径が20μmになったキャリア(7),(8)
を製造した。
【0049】また、この実験例においては、上記実験例
1において使用した前記のキャリア(2)の組成で、平
均粒径が5μmになったキャリア(9)と、平均粒径が
10μmになったキャリア(10)とを製造し、さらに
上記キャリア(7)の組成で、平均粒径が30μmにな
ったキャリア(11)と、平均粒径が45μmになった
キャリア(12)とを製造した。
【0050】そして、上記のキャリア(7)〜(12)
について、それぞれ上記実験例1の場合と同様にして、
その固有抵抗値(Ω・cm)及び磁気力(G)を測定
し、その結果を平均粒径(μm)と合わせて下記の表3
に示した。
【0051】
【表3】
【0052】この結果、上記のキャリア(7)〜(1
2)においては、キャリア(7),(10)及び(1
1)がこの発明の条件を満たしており、キャリア(8)
のものはその磁気力がこの発明の条件より高くなってお
り、またキャリア(9)のものはその平均粒径がこの発
明の条件より小さくなっており、またキャリア(12)
のものはその平均粒径がこの発明の条件より大きくなっ
ていた。
【0053】そして、上記のキャリア(7)〜(12)
を使用して、前記実験例1の場合と同様にして現像を行
い、現像スリーブ11上における現像剤の均一性(均一
性)、形成された画像におけるキメ(キメ)及び感光体
2へのキャリアの付着状態(キャリア付着)の評価を行
い、その結果を表4に示した。なお、均一性,キメ及び
キャリア付着の評価については、前記の表2の場合と同
様に、それぞれ非常に良好な場合を◎、良好で問題がな
い場合を○、若干問題がある場合を△、問題がある場合
を×で示した。
【0054】
【表4】
【0055】この結果から明らかなように、この発明の
条件を満たしたキャリア(7),(10)及び(11)
を含む現像剤を使用した場合、現像スリーブ11上にお
いて現像剤1が凝集するということがなく、図5に示し
たように、現像スリーブ11上に均一な現像剤1の薄層
が形成されるようになり、濃度むら等がなく、均一でキ
メが細かい高解像度の画像が得られると共に、感光体2
にキャリアが付着するということもなかった。
【0056】これに対し、キャリアの磁気力が2570
Gと高くなった高磁気力のキャリア(8)や、平均粒径
が45μmと大きな粒径になったキャリア(12)を含
む現像剤を使用した場合には、図3に示したように、現
像スリーブ11上において現像剤1が凝集してしまい、
形成される画像に濃度むらが発生したりして、均一でき
めの細かい画像が得られないという問題があった。
【0057】一方、平均粒径が5μmと粒径が小さいキ
ャリア(9)を含む現像剤を使用した場合には、画像む
ら等のない均一できめの細かい良好な画像が得られた
が、感光体2にキャリアが多く付着し、感光体2が付着
したキャリアによって傷ついたりするという問題があっ
た。
【0058】(実験例4)この実験例においては、電気
抵抗値が3×1010Ω・cmで、平均粒径及び磁気力が
下記の表5に示すようになったZn−フェライトキャリ
アからなるキャリア(13)〜(16)を用いるように
した。なお、これらのキャリア(13)〜(16)はこ
の発明の条件を満たしていた。
【0059】そして、このようなキャリア(13)〜
(16)を含む現像剤を使用して、前記実験例1の場合
と同様にして現像を行い、現像スリーブ11上における
現像剤の均一性(均一性)、形成された画像におけるキ
メ(キメ)及び感光体2へのキャリアの付着状態(キャ
リア付着)の評価を行い、その結果を表5に示した。な
お、均一性,キメ及びキャリア付着の評価については、
前記の表4の場合と同様にして評価した。
【0060】
【表5】
【0061】この結果から明らかなように、この発明に
おいて使用するキャリアは、前記の実験例1〜3で示し
たような樹脂を使用したバインダー型キャリアに限られ
ず、この実験例で示したようなフェライト系キャリアで
あっても、この発明における前記の条件を満たしている
以上、樹脂を使用したバインダー型キャリアの場合と同
様に、現像スリーブ11上に均一な現像剤1の薄層が形
成されるようになり、濃度むら等がなく、均一でキメが
細かい高解像度の画像が得られると共に、感光体2にキ
ャリアが付着するということもなかった。
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
現像方法においては、トナーとキャリアを含む現像剤を
現像剤搬送部材により像担持体と対向する現像領域に搬
送し、この現像領域に振動電界を作用させて、現像剤中
におけるトナーを像担持体に供給して現像を行うにあた
り、現像剤搬送部材により現像領域に搬送する現像剤の
搬送量を0.7〜5.0mg/cm2 に調整すると共
に、現像剤中におけるキャリアに、500V/mmの電
界下での固有抵抗値が1×107 〜1×1012Ω・c
m,磁気力が600〜2300G,平均粒径が10〜3
0μmの範囲のものを用いるようにしたため、像担持体
にトナーを供給して現像を行う際に、トナーが不足する
ということがなく、像担持体に充分なトナーが供給され
て充分な画像濃度を有する画像が得られるようになると
共に、現像時にトナーが飛散して形成される画像にかぶ
りが生じたりするということもなかった。
【0062】また、この発明の現像方法によると、現像
剤中のトナーを現像領域において像担持体に供給して現
像を行う際に、像担持体における潜像のエッジ部分にお
ける電気力線のまわり込みが抑制され、エッジ部分が強
く現像されるということがなくなると共に、現像剤搬送
部材によって現像領域に搬送する現像剤の量が上記のよ
うな少ない範囲であっても現像剤が凝集するということ
がなく、現像剤が現像剤搬送部材上に均一な状態で現像
領域に導かれて現像に使用されるようになり、画像むら
等がなくキメが良好な高解像度の画像が得られるように
なった。
【0063】さらに、この発明の現像方法によると、現
像剤搬送部材と像担持体とが対向する現像領域に振動電
界を作用させて、現像剤中におけるトナーを像担持体に
供給する際に、像担持体にキャリアが付着するというこ
とも抑制され、像担持体が付着したキャリアにより傷つ
いて、形成される画像にノイズが発生するということも
なく、良好な画像が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】高抵抗のキャリアを用いた現像剤を使用して現
像を行う際における像担持体の潜像部分からの電気力線
の状態を示した概略説明図である。
【図2】現像剤に使用するキャリアの固有抵抗値を測定
するのに使用した装置の概略説明図である。
【図3】磁気力の大きなキャリアや粒径の大きなキャリ
アを使用した場合に現像剤搬送部材上で現像剤が凝集す
る状態を示した概略説明図である。
【図4】抵抗の低いキャリアを用いた現像剤を使用して
現像を行うにおける像担持体の潜像部分からの電気力線
の状態を示した概略説明図である。
【図5】この発明に示される条件のキャリアを使用した
現像剤を現像剤搬送部材によって搬送する場合における
現像剤の状態を示した概略説明図である。
【図6】この発明の現像方法を実施するのに使用した現
像装置の状態を示した概略説明図である。
【符号の説明】
1 現像剤 2 像担持体(感光体) 10 現像装置 11 現像剤搬送部材(現像スリーブ) 11a マグネットローラ 12 現像バイアス電源 13 磁性ブレード C キャリア T トナー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーとキャリアを含む現像剤を現像剤
    搬送部材によって像担持体と対向する現像領域に搬送
    し、この現像領域に振動電界を作用させて、現像剤搬送
    部材から現像剤中のトナーを像担持体に供給して現像を
    行う現像方法において、上記の現像剤搬送部材によって
    現像領域に搬送される現像剤の搬送量を0.7〜5.0
    mg/cm2 に調整すると共に、上記の現像剤中におけ
    るキャリアとして、500V/mmの電界下での固有抵
    抗値が1×107 〜1×1012Ω・cm、磁気力が60
    0〜2300G、平均粒径が10〜30μmの範囲にな
    ったものを用いたことを特徴とする現像方法。
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