JPH088288Y2

JPH088288Y2 - Ｄｏｈｃ型内燃機関のシリンダヘッド

Info

Publication number: JPH088288Y2
Application number: JP1988076773U
Authority: JP
Inventors: 芳雄高橋; 正道小島; 泰年梅村
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1988-06-09
Filing date: 1988-06-09
Publication date: 1996-03-06
Anticipated expiration: 2003-06-09
Also published as: JPH01179152U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、DOHC型内燃機関のシリンダヘッドに関す
る。

（従来の技術）吸気弁と排気弁とを弁上方の２本のカム軸により別々
に駆動する動弁機構を備えたいわゆるDOHC型内燃機関の
シリンダヘッドとして、従来第４図に示すようなものが
ある。

これはシリンダヘッド１を１つの燃焼室２を通る断面
にて表わしたもので、３は燃焼室２に臨む点火プラグ、
４はシリンダヘッド１と締結するシリンダブロックであ
る。

点火プラグ３は燃焼室２の中央上部に設けたネジ孔５
を介して挿着され、点火プラグ３の回りに点火プラグ３
を囲う円筒状のプラグ筒６がアッパデッキ部７に立設さ
れている。

また、8,9はそれぞれシリンダ列方向（図の断面と直
行する方向）に配置される２本のカム軸10,11を支持す
る軸受部で、軸受部8,9は前記プラグ筒６の両側にてヘ
ッド側壁12からプラグ筒６の中央部外壁13の間に一体的
に設けられている。

なお、14,15は半割りの軸受部8,9の上側軸受で、16,1
7は軸受部8,9等に潤滑油を供給するオイル通路である
（実開昭60-77716号公報等参照）。

（考案が解決しようとする課題）ところで、上記シリンダヘッド１の上部にはロッカカ
バーが取付けられ、ロッカカバーとの間にはオイルの洩
れ等を防止するようにプラグ筒６の上端部18を含む接合
部に弾性材からなるシール部材が介装されるのである
が、上記のような構造だとプラグ筒６の上端部18でのシ
ールが悪化しやすく、上端部18からオイル洩れを生じや
すいという問題があった。

即ち、プラグ筒６は、プラグ筒６の両側に軸受部8,9
が一体的に形成され、相互に支持するようになっている
ものの、この場合シリンダ列方向には支持されておら
ず、シリンダ列方向の剛性は弱いため、例えば機関の振
動が加わると、プラグ筒６はシリンダ列方向に振れてし
まう。したがって、ロッカカバーとの間のシール部材が
こすられて次第に摩耗するようになり、オイル洩れを生
じるようになるのである。

この考案は、このような問題点を解決することを目的
としている。

（課題を解決するための手段）この考案は、各気筒の中央上部に点火プラグを挿着
し、各気筒の列方向に動弁機構の２本のカム軸を配置す
るDOHC型内燃機関のシリンダヘッドにおいて、前記点火
プラグを囲うプラグ筒をアッパデッキ部にそれぞれ立設
し、前記カム軸の軸受部を各気筒の境界上のヘッド側壁
からアッパデッキ部にそれぞれ対称的に立設すると共
に、各プラグ筒の上部の３ヶ所を異方向に延びる梁部材
にてそれぞれ近接する軸受部と連結する。

（作用）したがって、カム軸の軸受部をアッパデッキ部に立設
すると共に、プラグ筒と軸受部とを連結する梁部材によ
りプラグ筒を三方向から支持するため、各部の剛性が高
められ、機関の振動によるプラグ筒の振れが防止され
る。

（実施例）第１図は本考案の実施例のシリンダヘッド20の平面
図、第２図，第３図はそのＡ−Ａ線断面図（ロッカカバ
ー41を取付けている）とＢ−Ｂ線断面図で、シリンダヘ
ッド20の下部には各気筒の列方向に燃焼室21がそれぞれ
形成され、各燃焼室21はシリンダブロックのシリンダボ
アと対向する。

各燃焼室21の天井壁22の両側には、図示しないが吸気
ポートに連通する２つの吸気弁口と排気ポートに連通す
る２つの排気弁口が気筒の列方向に並列に開設され、こ
れらの上方のアッパデッキ部23には、吸気弁口を開閉す
る吸気弁を挿通支持する２つの弁挿通孔24と排気弁口を
開閉する排気弁を挿通支持する２つの弁挿通孔25が気筒
の列方向に並列に形成される。

また、各燃焼室21の天井壁22の中央には、点火プラグ
（図示しない）を挿着するためのネジ孔26が形成され、
その上方のアッパデッキ部23には、天井壁22からアッパ
デッキ部23を貫通して点火プラグを囲うための円筒状の
プラグ筒27a〜27dが立設される。

シリンダヘッド20の上部には、シリンダヘッド20の端
部および各燃焼室21の境界上にて対称的に、それぞれシ
リンダヘッド20の側壁28から中央に向かって伸び、下端
部29がアッパデッキ部23につながる半割状の軸受部31a
〜31e,32a〜32eが形成される。一方の軸受部31a〜31eに
は吸気弁を駆動するためのカム軸（図示しない）が、他
方の軸受部32a〜32eには排気弁を駆動するためのカム軸
（図示しない）がそれぞれ上側軸受33（第２図参照）と
により回転自由に支持される。

各軸受部31a〜31e,32a〜32eの下方には、シリンダヘ
ッド20をシリンダブロックに固定するためのヘッドボル
ト用の穴34がアッパデッキ部23から貫通して形成され、
これに対応して各軸受部31a〜31e,32a〜32eにはヘッド
ボルトの通し孔35が形成される。また、通し孔35の下部
にて軸受部31a〜31e,32a〜32eの側面はくり抜かれる。

そして、前記各プラグ筒27a〜27dの上部外壁36を近接
する軸受部31a〜31e,32a〜32eと連結する梁部材37,38,3
9が設けられる。

この場合、シリンダヘッド20の端部の軸受部31a,32a
と31e,32eおよび中央の軸受部31c,32cは、それぞれヘッ
ド側方に延びる梁部材40にて連結され、これらの梁部材
40の中央から各プラグ筒27a〜27dの上部外壁36に、それ
ぞれ気筒列方向に延びる梁部材37が設けられる。

他方、各プラグ筒27a〜27dと軸受部31b,32b,31d,32d
との間には、それぞれ軸受部31b,32b,31d,32dから近接
するプラグ筒27a〜27dの上部外壁36に延びる斜方向の梁
部材38,39が設けられ、プラグ筒27a〜27dと軸受部31b,3
2b,31d,32dとは直接連結される。

なお、軸受部31c,32cの間の梁部材40には、シリンダ
ヘッド側壁28の上端部と同様、ロッカカバー41を取付け
るためのボルト穴42が形成される。斜方向の梁部材38,3
9で囲われた空間部下方のアッパデッキ部23には、鋳造
時にアッパデッキ部23下方に冷却水室43を形成するため
の中子を与えるための穴（ネジ穴）44が形成される。4
5,46は軸受部31a〜31e,32a〜32e等に潤滑油を供給する
ためのオイル通路である。また、各梁部材37〜40は、下
部がアッパデッキ部23から離れるように形成される。

このように点火プラグを囲う各プラグ筒27a〜27dを近
接する各軸受部31a〜31e,32a〜32eに、それぞれ気筒列
方向の梁部材37と斜方向の梁部材38,39を介して連結し
たので、プラグ筒27a〜27dおよび軸受部31a〜31e,32a〜
32eの強度、剛性が十分に向上し、このため機関の振動
が加わっても、プラグ筒27a〜27dおよび軸受部31a〜31
e,32a〜32eが振れるようなことはない。

即ち、機関の振動に対して、プラグ筒27a〜27dおよび
軸受部31a〜31e,32a〜32eの気筒列方向の変位は梁部材3
7にて抑えられ、気筒側方向の変位は梁部材38,39にて抑
えられる。

また、軸受部31a〜31e,32a〜32eはアッパデッキ部23
と連結しているため、梁部材37〜40とで振動に対する十
分な強度が得られ、高い制振作用が確保される。

したがって、シリンダヘッド20の上部にはロッカカバ
ー41が取付けられ、ロッカカバー41との間にはプラグ筒
27a〜27dの上端部47を含む接合部に第２図のようにシー
ル部材48が介装されるのであるが、このシール部材48が
プラグ筒27a〜27dの振動によって摩耗するようなことは
なく、常に良好なシールを維持することができ、プラグ
筒27a〜27dの上端部47等からオイルが洩れることを確実
に防止できる。

また、カム軸が受ける吸、排気弁の開閉反力によっ
て、軸受部31a〜31e,32a〜32eが変形するようなことも
なく、このため軸受部31a〜31e,32a〜32eの焼付が防止
されると共に、騒音を低減することができる。

なお、梁部材37〜40をアッパデッキ部23から離して設
けたので、軸受部31a〜31e,32a〜32e等を潤滑した潤滑
油がアッパデッキ上に滞留することはない。この潤滑油
は、ヘッドボルト穴34の近傍に設けた戻し通路49（第３
図参照）等からシリンダブロック側に戻されるのである
が、これによりブローバイガスがアッパデッキ上の潤滑
油を持ち出すことが軽減される。

（考案の効果）以上のように本考案によれば、各気筒の中央上部に点
火プラグを挿着し、各気筒の列方向に動弁機構の２本の
カム軸を配置するDOHC型内燃機関のシリンダヘッドにお
いて、前記点火プラグを囲うプラグ筒をアッパデッキ部
にそれぞれ立設し、前記カム軸の軸受部を各気筒の境界
上のヘッド側壁からアッパデッキ部にそれぞれ対称的に
立設すると共に、各プラグ筒の上部の３ヶ所を異方向に
延びる梁部材にてそれぞれ近接する軸受部と連結したの
で、機関の振動に対するプラグ筒の振れを防止でき、し
たがってロッカカバーとプラグ筒との間のシール性を良
好に維持することができ、オイル洩れを確実に防止でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の実施例を示す平面図とそのＡ
−Ａ線断面図とＢ−Ｂ線断面図、第４図は従来例の断面
図である。 21……燃焼室、23……アッパデッキ部、27a〜27d……プ
ラグ筒、28……側壁、31a〜31e,32a〜32e……軸受部、3
7〜40……梁部材。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｆ０２Ｐ 13/00 ３０１Ａ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】各気筒の中央上部に点火プラグを挿着し、
各気筒の列方向に動弁機構の２本のカム軸を配置するDO
HC型内燃機関のシリンダヘッドにおいて、前記点火プラ
グを囲うプラグ筒をアッパデッキ部にそれぞれ立設し、
前記カム軸の軸受部を各気筒の境界上のヘッド側壁から
アッパデッキ部にそれぞれ対称的に立設すると共に、各
プラグ筒の上部の３ヶ所を異方向に延びる梁部材にてそ
れぞれ近接する軸受部と連結したことを特徴とするDOHC
型内燃機関のシリンダヘッド。