JPH0882339A - 免振構造物 - Google Patents

免振構造物

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JPH0882339A
JPH0882339A JP21644394A JP21644394A JPH0882339A JP H0882339 A JPH0882339 A JP H0882339A JP 21644394 A JP21644394 A JP 21644394A JP 21644394 A JP21644394 A JP 21644394A JP H0882339 A JPH0882339 A JP H0882339A
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JP
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vibration
vibration isolation
building
isolation device
isolation structure
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Application number
JP21644394A
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English (en)
Inventor
Kazumitsu Takanashi
和光 高梨
Katsue Katsusawa
勝栄 勝沢
Yoshihiro Nakatani
芳広 中谷
Hideyo Shiokawa
英世 塩川
Kenji Suzuki
健司 鈴木
Shuji Okuda
修司 奥田
Kenjiro Akiyama
顕二郎 秋山
Takenori Kumagai
武紀 熊谷
Satoshi Takahashi
諭 高橋
Hideo Shimomura
英男 下村
Kazuhiko Maebayashi
和彦 前林
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 免振性能に優れ、かつ長期に亘ってその性能
を維持できるとともに、設置,メンテナンスを容易に行
うことのできる免振構造物を提供することを目的とす
る。 【構成】 免振構造物Aを、建築物Sと軌道床版Rとの
間に免振装置1を備えた構成とし、この免振装置1を、
上下の台座プレート2,2間に、コイルスプリング3
と、粘弾性体7を備えたダッシュポット4とを介装し、
かつ上下の台座プレート2,2の離間寸法を離間寸法調
整機構12で調整できる構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、鉄道の軌道等
の振動発生源から建築物に伝達される振動を低減するの
に好適な免振構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば鉄道の軌道等の、上下方
向の振動を主として発生する振動発生源を備えた躯体
(以下、単に「振動発生源」と称する)から建築物に伝
達される上下振動を低減するには、軌道と、これを支持
する基盤等の建築物との間に、例えば弾性枕木のよう
な、ゴムを備えた上下振動減衰機構を介在させて免振構
造物を形成している。この免振構造物では、ゴムによっ
て軌道全体の固有振動数を低下させ、これによって、軌
道上を通過する列車に起因する振動(60Hz)との共
振を防いで、建築物に伝達される振動を低減するように
なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の免振構造物には、ゴムの弾性がそれ自体
の劣化や繰り返し荷重によって経時的に低下するため、
弾性枕木が所要の免振性能を発揮することができなくな
り、この結果、免振構造物としての機能を果たすことが
できなくなるという問題があった。
【0004】このような問題に対して、軌道と建築物と
の間に、経時的な性能の低下の少ない、金属製のコイル
スプリングを上下振動減衰機構として介在させるという
方法が考えられる。
【0005】しかし、コイルスプリングを鉄道の軌道の
上下振動減衰機構に用いて免振構造物を構成しようとす
ると、以下のような問題が生じる。まず、振動減衰効果
を得るため、軌道全体の固有振動数を、コイルスプリン
グによって、軌道上を通過する列車に起因する60Hz
の振動にあわせて設定すると、2〜3Hz程度低い振動
数の振動に共振しやすくなり、列車の走行安定性に悪影
響を与えるという問題がある。また、コイルスプリング
は、軌道の荷重に対応したものとなるため、当然大型の
ものとなり、軌道の下に均等に配置するのが困難であ
る。小型のコイルスプリングを多数設置することも考え
られるが、この場合、コイルスプリングの設置やメンテ
ナンスに際しては多大な手間がかかるという問題が発生
する。さらには、地震発生時や列車の加減速時に生じる
水平力により、コイルスプリングが水平方向に変形して
座屈してしまうという問題も存在する。
【0006】上記のような理由から、コイルスプリング
を上下振動減衰機構として用いた免振構造物は実用化さ
れていないのが現状である。
【0007】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、免振性能に優れ、かつ長期に亘ってその性
能を維持できるとともに、振動減衰機構の設置,メンテ
ナンスを容易に行うことのできる免振構造物を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
建築物が、該建築物の上方または下方に位置する振動発
生源との間に、上下方向に軸線を有するコイルスプリン
グからなる上下振動減衰機構と、水平方向の振動を減衰
する粘弾性体を備えた水平振動減衰機構とからなる免振
装置を具備してなることを特徴としている。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1記載の免
振構造物において、前記上下振動減衰機構と水平振動減
衰機構とが、一対の台座プレート間に介装されてなり、
かつこれら台座プレートの一方が前記振動発生源に取り
付けられ、他方が前記建築物に取り付けられた構成とさ
れていることを特徴としている。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項2記載の免
振構造物において、前記一方の前記台座プレートと他方
の前記台座プレートとの離間寸法を調整する離間寸法調
整機構が備えられていることを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明では、建築物を、これの上
方または下方に位置する振動発生源との間に、コイルス
プリングからなる上下振動減衰機構と、水平方向の振動
を減衰する粘弾性体を備えた水平振動減衰機構とからな
る免振装置を具備してなる構成とした。これにより、上
下方向の振動を、経時的な性能低下の少ないコイルスプ
リングからなる上下振動減衰機構で減衰するようになっ
ている。また、水平振動減衰機構によって水平方向の振
動を減衰し、水平力によるコイルスプリングの座屈を防
止するようになっている。さらに、水平振動減衰機構に
備えた粘弾性体によって、振動の共振を抑さえることが
できる。このようにして、免振構造物では、免振装置に
よって、振動発生源からの振動を免振することができ
る。
【0012】請求項2記載の発明では、免振構造物の上
下振動減衰機構と水平振動減衰機構とを、一対の台座プ
レート間に介装する構成とした。これにより、上下振動
減衰機構と水平振動減衰機構とが一体にユニット化さ
れ、その設置・メンテナンスを容易に行うことが可能と
なる。
【0013】請求項3記載の発明では、免振構造物に、
一対の台座プレート間の離間寸法を調整する離間寸法調
整機構を備える構成とした。これにより、離間寸法調整
機構で一対の台座プレートの間隔を縮めることによっ
て、設置位置への出し入れを容易に行うことが可能とな
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明を図面に示す第一ないし第五実
施例を参照して説明する。ここでは、本発明にかかる免
振構造物で免振する振動発生源として、例えば鉄道の軌
道を用いる場合の実施例を用いて説明する。
【0015】[第一実施例]図1及び図2は、本発明に
係る免振構造物の一例を示すものである。図1及び図2
に示すように、基盤,高架,あるいはビル等の建築物S
は、鉄道の軌道を支持する軌道床版(振動発生源)Rが
上方に位置した構成となっており、建築物Sと軌道床版
Rとの間には、軌道床版Rからの振動を免振するための
免振装置1が介装された構成となっている。このように
して、建築物Sと、免振装置1とから、軌道床版Rから
の振動を免振する免振構造物Aが構成されている。
【0016】免振装置1は、上下に位置して、それぞれ
鋼製で平面視矩形状の台座プレート2,2と、これら台
座プレート2,2間に介装されたコイルスプリング(上
下振動減衰機構)3及びダッシュポット(水平振動減衰
機構)4とを主要構成としている。
【0017】コイルスプリング3は、金属製で、台座プ
レート2,2間において、例えばその周方向に沿って複
数、それぞれ上下方向に軸線を有して設置されている。
【0018】ダッシュポット4は、台座プレート2,2
間の平面視中央部に設置されている。このダッシュポッ
ト4は、下方の台座プレート2aに固定された有底状の
容器5と、上方の台座プレート2bに固定された鉛直下
方に向けて延出する筒体6と、容器5内に充填された、
例えば高分子材料や粘性材料,あるいは電気粘性流体等
からなる粘弾性体7とから構成されている。このダッシ
ュポット4は、容器5と筒体6とが水平方向に相対移動
したときに、粘弾性体7の粘性によって容器5内におけ
る筒体6の移動を減衰するようになっており、これによ
って台座プレート2a,2bの水平振動を低減するよう
になっている。また、このダッシュポット4は、容器5
と筒体6とが上下方向に相対移動したときにも、粘弾性
体7の粘性によって、振動を吸収して共振を抑さえるよ
うになっている。
【0019】また、下方の台座プレート2aの上部外周
部、及び上方の台座プレート2bの下部外周部には、そ
れぞれフランジ部8,9が形成されている。そして、上
下のフランジ部8,9には、複数の連結ボルト10が貫
通するよう配設されている。各連結ボルト10には、ナ
ット11,11が螺着されており、これら連結ボルト1
0及びナット11,11から離間寸法調整機構12が構
成されている。この離間寸法調整機構12では、図2に
示したように、これらナット11,11を締め込むこと
によりコイルスプリング3が圧縮され、上下の台座プレ
ート2a,2bの離間寸法を縮めることができるように
なっている。なお、図1に示したように、このナット1
1,11は、通常時において連結ボルト10の先端部ま
で緩められており、上下の台座プレート2,2の上下動
を妨げないようになっている。
【0020】軌道床版R及び建築物Sと免振装置1との
間には、この免振装置1を軌道床版R及び建築物Sに固
定するために、粘着パッド14がそれぞれ設置されてい
る。
【0021】このような免振装置1では、列車の通過に
より発生する軌道床版Rの上下方向の振動を、経時的な
性能低下の少ないコイルスプリング3,3,…によって
減衰するようになっている。また、ダッシュポット4の
粘弾性体7によって、振動の共振を抑さえるようになっ
ている。さらに、列車の加減速や地震発生時などにおけ
る水平方向の振動は、ダッシュポット4で減衰するよう
になっている。このようにして、免振構造物Aでは、上
記の免振装置1により軌道床版Rからの振動を免振し
て、建築物Sへの伝達を抑さえるようになっている。
【0022】この免振装置1の設置・メンテナンス等に
際して、免振装置1を軌道床版Rと建築物Sと間に設置
するには、まず、図2に示したように、離間寸法調整機
構12の各ナット11,11を締め込んで上下の台座プ
レート2a,2bの離間寸法を縮めた状態とする。そし
て、この状態で免振装置1を軌道床版Rと建築物Sとの
間に所定の位置まで挿入した後、図1に示したように、
各ナット11,11を緩めて、上下の台座プレート2
a,2bを開放すればよい。また、免振装置1を軌道床
版Rと建築物Sとの間から引き出すときには、同様にし
て、図2に示したようにして、離間寸法調整機構12で
上下の台座プレート2a,2bの離間寸法を縮めた後に
これを引き出せばよい。
【0023】上述した免振構造物Aでは、コイルスプリ
ング3とダッシュポット4とを備える構成とされてい
る。これにより、軌道床版Rの上下方向の振動を免振し
て建築物Sへの伝達を抑さえることができる。また、軌
道床版R全体の固有振動数を軌道床版R上を通過する列
車に起因する60Hzの振動にあわせて設定したとき
に、ダッシュポット4の粘弾性体7によって、2〜3H
z程度低い振動数での固有周期のピークを減衰すること
ができる。この結果、列車の走行安定性への悪影響を防
ぐことができ、従来のゴムを用いた免振機構よりも免振
装置1の免振性能を高めることができる。しかも、コイ
ルスプリング3は従来のゴム等に比較して経時的な性能
低下が大幅に少ないので、長期に亘って安定した振動減
衰効果を得ることができる。さらには、水平方向の振動
をダッシュポット4で減衰することができるので、コイ
ルスプリング3の座屈を防ぐことができる。このように
して、免振構造物Aを、従来よりも免振性能に優れ、か
つ耐久性に優れたものとすることができる。また、免振
構造物Aに備えた免振装置1は、コイルスプリング3,
ダッシュポット4が上下の台座プレート2,2間に介装
されてユニット化された構成となっている。これによっ
て、免振装置1の設置・メンテナンスを容易に行うこと
が可能になるとともに、軌道床版Rに適切な配置で免振
装置1を設置することが可能となる。さらには、免振構
造物Aに備えた免振装置1は、離間寸法調整機構12に
よって、上下の台座プレート2,2の離間寸法を調整で
きるようになっている。これにより、免振装置1の設置
・メンテナンス時には、離間寸法調整機構12で上下の
台座プレート2,2の離間寸法を縮めることによって、
作業を容易に行うことが可能となる。
【0024】なお、上記第一実施例において、免振装置
1を粘着パッド14によって軌道床版Rと建築物Sとに
固定する構成としたが、これに限定するものではなく、
もちろん、図3に示すように、アンカーボルト15で固
定するようにしてもよいし、また、図4に示すように粘
着パッド14とアンカーボルト15及び後付けのアンカ
ープレート16とを併用して免振装置1を固定する構成
としてもよい。
【0025】[第二実施例]次に、本発明にかかる免振
構造物の第二実施例について、図5を用いて説明する。
ここで、以下に示す第二ないし第五の各実施例におい
て、前記第一実施例の免振構造物A(図1参照)と共通
の構成については同一符号を付し、その説明を省略す
る。
【0026】図5に示すように、免振構造物Bと免振構
造物A(図1参照)との相異点は、建築物Sと軌道床版
Rとの間に備えた免振装置20の構成についてのみであ
る。この免振装置20は、連結ボルト10にストッパー
ナット21が備えられている点で、前記免振装置1(図
1参照)と相異している。このストッパーナット21
は、連結ボルト10に、下方の台座プレート2aと上方
の台座プレート2bとの間において、ナット11と一定
寸法隔てて取り付けられている。そして、下方の台座プ
レート2aは、ストッパーナット21とナット11との
間においてのみ上下動できるようになっている。
【0027】上述した免振構造物Bでは、免振装置20
にストッパーナット21が備えられているので、下方の
台座プレート2aの移動範囲、すなわち、免振装置20
の上下動ストロークが規制されることになる。これによ
って、免振装置20に入力した振動に起因して、コイル
スプリング3に過大な引張力や剪断力が作用するのを防
ぐことができ、この結果、免振装置20、すなわち免振
構造物Bの耐久性をさらに高めることが可能となる。も
ちろん、前記免振装置A(図1参照)と同様の効果を奏
することができるのは言うまでもない。
【0028】[第三実施例]次に、本発明にかかる免振
構造物の第三実施例について、図6を用いて説明する。
図6に示すように、免振構造物Cに備えた免振装置25
の上方の台座プレート26aの下端周縁部には、一定寸
法側方に張り出し、かつその先端部から鉛直下方に向け
て延出する上部カバープレート27が一体に形成されて
いる。一方、下方の台座プレート26bの上端周縁部に
は、一定寸法側方に張り出し、かつその先端部から鉛直
上方に向けて延出して上部カバープレート27とオーバ
ーラップする下部カバープレート28が一体に形成され
ている。ここで、下部カバープレート28の内側寸法
は、上部カバープレート27の外側寸法よりも一定寸法
大きく設定されており、通常時において下部カバープレ
ート28と上部カバープレート27とが一定寸法隔てる
ようになっている。
【0029】上述した免振構造物Cでは、免振装置25
に、上部カバープレート27と下部カバープレート28
とが備えられているので、これにより、免振装置25に
過大な振動が入力したときに、上部カバープレート27
と下部カバープレート28とがぶつかってその変位を規
制し、コイルスプリング3の座屈等を防いで、免振装置
25、すなわち免振構造物Cを高い耐久性を有したもの
とすることができる。
【0030】[第四実施例]次に、本発明にかかる免振
構造物の第四実施例について、図7を用いて説明する。
図7に示すように、免振構造物Dに備えた免振装置30
の下方の台座プレート2aの上面には、ダッシュポット
4と干渉しない位置に、一定高さのストッパーブロック
31が一体に形成された構成となっている。このような
免振構造物Dでは、免振装置30に過大な振動が入力し
たときに、上下の台座プレート2a,2bのストローク
を規制してコイルスプリング3の座屈等を防ぐことがで
きるとともに、万が一コイルスプリング3が座屈して破
損したときにも、上方の台座プレート2b及び軌道床版
Rの落下を防ぎ、これによって軌道床版Rの安全性を維
持することができる。
【0031】[第五実施例]次に、本発明にかかる免振
構造物の第五実施例について図8ないし図11を用いて
説明する。第五実施例においては、前記第一実施例で示
した免振構造物Aに備えた免振装置1(図1参照)を、
以下に示すような外枠を用いて設置する。図8に示すよ
うに、免振構造物Eは、建築物Sと軌道床版Rとの間
に、外枠35を介して免振装置1を備えた構成となって
いる。
【0032】図9に示すように、外枠35は、上枠36
と下枠37とから構成されている。上枠36には、免振
装置1の上方の台座プレート2b(図1参照)を着脱自
在に嵌め込むための凹部38が形成されている。一方、
下枠37には、下方の台座プレート2a(図1参照)を
着脱自在に嵌め込むための凹部39が形成され、さら
に、この凹部39に台座プレート2aを嵌めこんだとき
にこれと干渉しない位置には、一定高さのストッパーブ
ロック40が一体に形成されている。
【0033】このような構成からなる外枠35を用いて
免振装置1(図1参照)を設置し、免振構造物Eを形成
するには、以下のようにして行う。まず、図10に示す
ように、外枠35の上枠36,下枠37を、免振装置1
の上下の台座プレート2a,2bにそれぞれ嵌め込む。
このとき、離間寸法調整機構12の各ナット11を締め
込んでおき、上下の台座プレート2a,2bの離間寸
法、すなわち免振装置1の高さを縮めておく。次いで、
図11に示すように、免振装置1と外枠35とを一体化
したまま、軌道床版Rと建築物Sとの間に挿入する。そ
して、所定の位置において上枠36,下枠37をそれぞ
れアンカーボルト41で軌道床版R,建築物Sに固定す
る。この状態では、上枠36と上方の台座プレート2b
との間に空隙が生じている。続いて、図8に示したよう
に、ナット11,11,…を緩めて、上下の台座プレー
ト2a,2bを開放することにより、免振装置1の設置
が完了し、これによって免振構造物Eが形成されたこと
になる。
【0034】上述した免振構造物Eでは、免振装置1に
外枠35を備え、この外枠35に対して免振装置1を着
脱自在な構成としたので、免振装置1の取り付け場所に
よってアンカーボルト41の位置が変わる場合などにお
いても、外枠35の形状,アンカーボルト孔の位置等を
変えるのみで対応することができる。これにより、共通
の免振装置1を様々な場所に適用することができ、低コ
スト化を図ることが可能となる。また、一度外枠35を
取り付けた後、例えばメンテナンスを行うときには、離
間寸法調整機構12のナット11,11,…を締め込む
のみで免振装置1のみを取り出すことができ、また、こ
れを元の位置に戻すときにおいても、免振装置1を外枠
35に嵌め込むのみでこれが正規の位置に設置されるこ
とになるので、メンテナンス作業が非常に簡略化され
る。また、下枠37にはストッパーブロック40が備え
られているので、免振装置1に過大な振動が入力したと
きに、上下の台座プレート2a,2bのストロークを規
制してコイルスプリング3の座屈等を防ぐことができる
とともに、万が一コイルスプリングが座屈して破損した
ときにも、上方の台座プレート2b及び軌道床版Rの落
下を防ぎ、軌道床版Rの安全性を維持することができ
る。
【0035】なお、上記第五実施例において、外枠35
を用いた免振装置1の施工手順は上記に限るものではな
く、以下に示すような手順を適用してもよい。
【0036】図12に示すように、まず、下枠37を建
築物S上に設置する。次いで、図13に示すように、下
枠37上に免振装置1を設置する。このとき、免振装置
1は、離間寸法調整機構12により、その高さを縮めて
おく。続いて、図14に示すように、免振装置1上に上
枠36をはめ込んだ後、このうえに軌道Sを敷設する。
そして、上枠36をアンカーボルト41で軌道Sに固定
する。この後、図15に示すように、離間寸法調整機構
12のナット11,11,…を緩め、上下の台座プレー
ト2a,2bを開放することにより、免振装置1の設置
が完了し、免振構造物Eが構築されたことになる。
【0037】さらには、以下のようにしてもよい。ま
ず、図16に示すように、外枠35の上枠36,下枠3
7のみを、軌道床版R,建築物Sにそれぞれ取り付け
る。次いで、図2に示した免振装置1を、離間寸法調整
機構12でその高さを縮めた状態とし、この状態で免振
装置1を外枠35にセットする(図11参照)。そし
て、図8に示したように、離間寸法調整機構12のナッ
ト11,11,…を緩め、上下の台座プレート2a,2
bを開放することにより、免振装置1の設置が完了し、
免振構造物Eが構築されたことになる。
【0038】なお、上記各実施例において、鉄道の軌道
床版Rを振動発生源としたが、もちろん、振動発生源は
これに限るものではなく、道路や各種の機械,あるいは
これらを支持する躯体を振動発生源としてもよい。ま
た、建築物Sの上方に振動発生源が位置する構成とした
が、例えば地下鉄のトンネルの上方に建築物を構築する
場合等、建築物の下方に振動発生源が位置する構成にお
いても、建築物と振動発生源との間に免振装置を備えて
免振構造物を構成することによって、上記と同様の効果
を奏することが可能である。また、免振装置1,20,
25,30に備えるコイルスプリング3の数や配置につ
いては限定するものではない。加えて、コイルスプリン
グ3とダッシュポット4とを一対の台座プレート2,
2、26,26間に備える構成としたが、もちろん、こ
れらを別々の台座プレート間に設置し、コイルスプリン
グ3とダッシュポット4とを別体のユニットとしてもよ
い。さらに、ダッシュポット4の粘弾性体7として、例
えば高分子材料や粘性材料,あるいは電気粘性流体等を
あげたが、所望とする減衰性能に応じてこれらから適宜
選択すればよく、また、前記にあげた以外の物質を用い
てもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る免
振構造物によれば、建築物を、これの上方または下方に
位置する振動発生源との間に、コイルスプリングからな
る上下振動減衰機構と、水平方向の振動を減衰する粘弾
性体を備えた水平振動減衰機構とを具備してなる構成と
した。このように、上下方向の振動を、経時的な性能低
下の少ないコイルスプリングで減衰するようになってい
るので、長期に亘って安定した振動減衰効果を得ること
ができる。また、水平振動減衰機構によって水平方向の
振動を減衰し、水平力によるコイルスプリングの座屈を
防止するようになっている。さらに、水平振動減衰機構
に備えた粘弾性体により、振動の共振を抑さえることが
できる。このようにして、免振構造物を免振性能に優
れ、かつ耐久性に優れたものとすることができる。
【0040】請求項2に係る免振構造物によれば、免振
装置のコイルスプリングと水平振動減衰機構とを、一対
の台座プレート間に介装する構成とした。これにより、
免振装置がユニット化され、その設置・メンテナンスを
容易に行うことができる。
【0041】請求項3に係る免振構造物によれば、免振
装置に、一対の台座プレート間の離間寸法を調整する離
間寸法調整機構を備える構成とした。この離間寸法調整
機構で一対の台座プレートの離間寸法を縮めることによ
って、免振装置の設置・メンテナンス等の作業を非常に
容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る免振構造物の第一実施例を示す正
断面図である。
【図2】免振構造物に免振装置を設置するときの状態を
示す正断面図である。
【図3】前記免振装置の固定方法の他の一例を示す正断
面図である。
【図4】前記免振装置の固定方法のさらに他の一例を示
す正断面図である。
【図5】前記免振構造物の第二実施例を示す正断面図で
ある。
【図6】前記免振構造物の第三実施例を示す正断面図で
ある。
【図7】前記免振構造物の第四実施例を示す正断面図で
ある。
【図8】前記免振構造物の第五実施例を示す正断面図で
ある。
【図9】前記免振構造物に備えた免振装置に用いる外枠
を示す正断面図である。
【図10】前記外枠を用いた施工手順を示す図であっ
て、前記外枠に免振装置を取り付けた状態を示す正断面
図である。
【図11】同、外枠と免振装置とを一体に挿入した状態
を示す正断面図である。
【図12】前記外枠を用いた施工手順の他の例を示す図
であって、下枠を設置した状態を示す正断面図である。
【図13】同、免振装置を設置した状態を示す正断面図
である。
【図14】同、上枠及び軌道を設置した状態を示す正断
面図である。
【図15】同、設置の完了した状態を示す正断面図であ
る。
【図16】前記外枠を用いた施工手順のさらに他の例を
示す図であって、外枠を設置した状態を示す正断面図で
ある。
【符号の説明】
1,20,25,30 免振装置 2,26 台座プレート 3 コイルスプリング 4 ダッシュポット(水平振動減衰機構) 7 粘弾性体 12 離間寸法調整機構 A,B,C,D,E 免振構造物 R 軌道床版(振動発生源) S 建築物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩川 英世 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 鈴木 健司 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 奥田 修司 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 秋山 顕二郎 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 熊谷 武紀 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 高橋 諭 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 下村 英男 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 前林 和彦 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物が、該建築物の上方または下方に
    位置する振動発生源との間に、上下方向に軸線を有する
    コイルスプリングからなる上下振動減衰機構と、水平方
    向の振動を減衰する粘弾性体を備えた水平振動減衰機構
    とからなる免振装置を具備してなることを特徴とする免
    振構造物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の免振構造物において、前
    記上下振動減衰機構と水平振動減衰機構とが、一対の台
    座プレート間に介装されてなり、かつこれら台座プレー
    トの一方が前記振動発生源に取り付けられ、他方が前記
    建築物に取り付けられた構成とされていることを特徴と
    する免振構造物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の免振構造物において、前
    記一方の前記台座プレートと他方の前記台座プレートと
    の離間寸法を調整する離間寸法調整機構が備えられてい
    ることを特徴とする免振構造物。
JP21644394A 1994-09-09 1994-09-09 免振構造物 Pending JPH0882339A (ja)

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