JPH08261280A - 振動伝達防止装置 - Google Patents

振動伝達防止装置

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JPH08261280A
JPH08261280A JP8596795A JP8596795A JPH08261280A JP H08261280 A JPH08261280 A JP H08261280A JP 8596795 A JP8596795 A JP 8596795A JP 8596795 A JP8596795 A JP 8596795A JP H08261280 A JPH08261280 A JP H08261280A
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JP
Japan
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spring
vibration
vibrating body
movable magnet
magnet
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JP8596795A
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Toshiyuki Ninomiya
俊幸 二宮
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Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動吸収に用いられる主ばねの見掛けのばね
定数を小さくすることにより固有振動数を低くし、振動
伝達率を低減化する。 【構成】 振動を嫌う精密測定装置1は、コイルばね4
を介して設置床3上に支持されている。そのコイルばね
4内には、そのコイルばね4と並列に、四辺形リンク機
構10とその各対角を結ぶ一対の定荷重引張ばね11
a,11bとからなるばね付きリンク装置7が設けられ
ている。そのばね付きリンク装置7は、コイルばね4が
釣り合い位置にあるとき平衡状態となるように調整され
ている。振動荷重によりコイルばね4が撓むと、ばね付
きリンク装置7はその撓みをより大きくする方向の力を
発生する。したがって、コイルばね4の見掛けのばね定
数が小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両の車体あるい
は精密測定装置などに支持体側から伝えられる振動や、
大形の機械装置から設置床などに伝えられる振動を吸収
するために用いられる振動伝達防止装置に関するもの
で、特に、ばねを利用した振動伝達防止装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】電子顕微鏡などの精密測定装置において
は、設置床からの振動が伝えられないようにすることが
求められる。また、鉄道車両においては、乗り心地をよ
くするために、台車の振動が車体との間で吸収されるよ
うにすることが求められる。さらに、大形の機械装置に
おいては、その振動が基礎などに伝達されないようにす
ることが求められる。そのような振動伝達の防止には、
一般にばねが用いられている。そのようにばねを用いた
振動伝達防止装置においては、その振動系の固有振動数
を低くすることによって、その固有振動数以上の中高周
波の振動伝達率を低下させることができる。そして、固
有振動数はばね定数及び荷重によって決定されるので、
一定の荷重を支える場合、ばね定数を下げることによっ
て振動伝達を小さくすることができる。そこで、例えば
鉄道車両においては、台車と車体との間の支持ばねとし
て、ばね定数の低い空気ばねを用いるようにしている。
そして、更に乗り心地を改善するために、空気ばねの内
容積の数倍の容積を有する補助タンクを設け、ばね定数
の一層の低減化を図るようなことも行われている。
【0003】このように、振動体から制振対象体への振
動伝達を防止しようとする場合、従来は、その間に設け
られるばねのばね定数をできるだけ小さくするようにし
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、荷重を
支持するばねのばね定数を小さくすると、そのばねの荷
重による撓みが大きくなってしまう。そのために、ばね
定数を下げようとしても、実際上の不都合を生ずること
が多い。また、ばねが撓んだときにばね材料に発生する
応力が増大するので、耐久性の面での問題も生ずる。し
かも、ばね定数を小さくするにも限界がある。例えば空
気ばねを用いた場合、理論上はばね定数はいくらでも小
さくすることができるが、実際はダイヤフラムのヒステ
リシス等によって制限される。そのために、空気ばねを
用いた振動伝達防止装置でも、その固有振動数は1.5
Hz程度が最小限度である。
【0005】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、実際のばね定数はそれほ
ど小さくしなくても、振動伝達率の十分な低減化を図る
ことのできる振動伝達防止装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明では、振動体と制振対象体との間に、その振
動体から制振対象体に伝えられる振動を吸収する主ばね
を設けるとともに、その主ばねと並列にばね付きリンク
装置を設けるようにしている。そのばね付きリンク装置
は、一組の対角部において振動体及び制振対象体にそれ
ぞれ連結される四辺形リンク機構と、その四辺形リンク
機構の各対角をそれぞれ結ぶ一対の定荷重引張ばねと、
によって構成されている。そして、そのばね付きリンク
装置が、主ばねが静的釣り合い位置にあるとき平衡状態
となるように調整されている。
【0007】また、本発明では、振動体と制振対象体と
の間に、その振動体から制振対象体に伝えられる振動を
吸収する主ばねを設けるとともに、それら振動体及び制
振対象体のいずれか一方に、その振動体あるいは制振対
象体の相対変位に伴って変位する可動磁石を取り付け、
振動体及び制振対象体の他方には、一対の固定磁石を取
り付けるようにしている。その固定磁石は可動磁石の変
位方向両側に配設され、その可動磁石との間で吸引力を
発生するようにされている。そして、それら可動磁石と
一対の固定磁石との間の吸引力が、主ばねが静的釣り合
い位置にあるとき平衡状態となるように調整されてい
る。
【0008】
【作用】このように、主ばねと並列に四辺形リンク機構
と定荷重引張ばねとからなるばね付きリンク装置を設け
ることにより、主ばねが撓んだとき、ばね付きリンク装
置の平衡状態が崩れ、主ばねにそれをより大きく撓ませ
ようとする力が加えられる。したがって、主ばねの見掛
けのばね定数が小さくなり、固有振動数が低くなる。そ
の結果、振動体と制振対象体との間の振動伝達率が低減
される。
【0009】また、振動体及び制振対象体の一方に可動
磁石を取り付けるとともに、その他方に一対の固定磁石
を取り付け、それら可動磁石と可動磁石との間で吸引力
を発生させるようにすることにより、振動体あるいは制
振対象体が変位したとき、その変位側における可動磁石
と固定磁石との間の吸引力が増大する。したがって、主
ばねがより大きく撓まされることになり、主ばねの見掛
けのばね定数が小さくなる。こうして、この場合にも、
振動体と制振対象体との間の振動伝達率が低減される。
【0010】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。なお、以下の各実施例の説明において、重複する説
明を避けるために、同様の部分には同じ符号を付すこと
とする。図1及び2は、本発明による振動伝達防止装置
を精密測定装置の防振支持装置に適用した第1実施例を
示すもので、図1はその全体構成図であり、図2はその
要部の拡大図である。図1に示されているように、制振
対象体である精密測定装置1の下面にはフレーム2が設
けられている。そして、そのフレーム2と設置床3との
間に、主ばねであるコイルばね4が複数個、上下方向に
配設されている。図2から明らかなように、そのコイル
ばね4の上下両端には、それぞれ上下に突出する取付ボ
ルト5a,5bを備えた端面板6a,6bが取り付けら
れている。コイルばね4は、それらの取付ボルト5a,
5bによって、その両端が測定装置1のフレーム2及び
床3にそれぞれ固着されるようになっている。こうし
て、振動を嫌う測定装置1は、コイルばね4によって床
3上に防振支持され、振動体である床3から伝わる振動
の吸収が図られている。
【0011】コイルばね4の内部には、ばね付きリンク
装置7が設けられている。そのばね付きリンク装置7
は、4本のリンク8a,8b,8c,8dをピン9a,
9b,9c,9dによって順次回動可能に連結して形成
される菱形状の四辺形リンク機構10と、その四辺形リ
ンク機構10の上下及び左右の各対角にそれぞれ位置す
るピン9a,9c及び9b,9d間に張設される定荷重
引張ばね11a,11bとからなるものである。その四
辺形リンク機構10は、上下のピン9a,9cを結ぶ対
角線がコイルばね4の軸線と一致するように配置されて
いる。その上下のピン9a,9cにはそれぞれ連結部1
2a,12bが設けられており、その連結部12a,1
2bによって、四辺形リンク機構10がコイルばね4の
上下の端面板6a,6b、したがって測定装置1及び床
3に、それぞれ連結されるようになっている。
【0012】また、定荷重引張ばね11a,11bは、
所定の領域内では変位の大きさにかかわらず引張力が一
定となる図3に示されているような特性を有する引張ば
ねであり、その変位が引張力一定の領域内でのみ行われ
るようにして四辺形リンク機構10に取り付けられてい
る。
【0013】四辺形リンク機構10の上側の連結部12
aには、上方に突出する調整ボルト13が設けられてい
る。一方、コイルばね4の上側の端面板6aには、その
調整ボルト13と同軸上で下方に突出する調整ボルト1
4が取り付けられている。それらの調整ボルト13,1
4のねじは互いに逆方向とされている。そして、それら
のボルト13,14に、共通のナット15が螺合されて
いる。こうして、ナット15を回転させることにより、
四辺形リンク機構10の連結部12aとコイルばね4の
端面板6aとの間の距離、すなわちその連結部12aと
測定装置1との間の距離、が変化するようにされてい
る。
【0014】このようなばね付きリンク装置7において
は、図4(A)に示されているように、上下方向の定荷
重引張ばね11aの引張力Fによって水平方向の分力F
cotαが発生する。また、同図(B)に示されているよ
うに、水平方向の定荷重引張ばね11bの引張力Gによ
って上下方向の分力Gtanαが発生する。そして、上下
方向の定荷重引張ばね11aによる引張力Fは、上下の
連結ピン9a,9c間の距離を縮めようとする力とな
る。一方、左右方向の定荷重引張ばね11bの引張力に
よる上下方向の分力Gtanαは、それらのピン9a,9
c間の距離を拡大させようとする力となる。したがっ
て、それらの力が釣り合うとき、すなわちF=Gtanα
のとき、ばね付きリンク装置7は平衡状態となる。この
ばね付きリンク装置7は、コイルばね4が静的釣り合い
位置にあるとき平衡状態となるようにして組み付けられ
ている。すなわち、コイルばね4に測定装置1を支持さ
せたときのコイルばね4の高さが、平衡状態にあるばね
付きリンク装置7の上下の連結部12a,12b間の距
離と上側の連結部12a及び端面板6a間の距離との和
に等しくなるように調整されている。その調整は、調整
ナット15を回転させて、上側の連結部12aと測定装
置1との間の距離を変化させることによって行われる。
すなわち、この実施例においては、調整ボルト13,1
4と調整ナット15とによって、平衡位置調整機構が構
成されている。
【0015】次に、このように構成された振動伝達防止
装置の作用について説明する。測定装置1と設置床3と
の間に相対振動が生じていないときには、コイルばね4
は静的釣り合い位置にある。したがって、ばね付きリン
ク装置7も平衡状態にあり、そのリンク装置7はコイル
ばね4に対して何らの力も及ぼさない。
【0016】この状態で、いま、床3から振動荷重dW
が加わり、測定装置1が下方に相対移動したとすると、
図4から明らかなように、各リンク8a〜8dの水平面
に対する角度αが小さくなるので、水平方向の定荷重引
張ばね11bによる垂直分力Gtanαが減少する。一
方、定荷重引張ばね11aによる上下方向の引張力Fは
一定である。その結果、定荷重引張ばね11aによる上
下方向の引張力Fの方が水平方向の定荷重引張ばね11
bによる垂直分力Gtanαよりも大きくなり、ばね付き
リンク装置7の平衡状態が崩れて、そのリンク装置7に
高さを縮小させようとする力dF=F−Gtanαが発生
する。その力dFは、変位が大きくなるほど強くなる。
そして、その力dFが上下の端面板6a,6bを介して
コイルばね7に加えられる。したがって、コイルばね4
にはdW+dFの縮めようとする力が加わることにな
る。すなわち、コイルばね4は、同じ振動荷重dWに対
して、より大きく縮むことになる。測定装置1が上方へ
相対移動したときにも、力の方向が逆となるだけで、ば
ね付きリンク装置7は同様の作用をする。
【0017】このようにして、コイルばね4が振動荷重
によって撓んだときには、そのコイルばね4にそのとき
の振動荷重と同方向でそれより大きい荷重が加えられ
る。したがって、コイルばね4の見掛けのばね定数がそ
のコイルばね4の真のばね定数よりも小さくなることに
なり、この防振支持装置を用いた振動系の固有振動数が
低くなる。その結果、図5に示されているように振動伝
達率が低減化され、測定装置1に対する制振性能が高め
られる。
【0018】このようなばね付きリンク装置を用いる場
合、上述の第1実施例のように一つの主ばねと一つのば
ね付きリンク装置とによって一組の振動伝達防止装置を
構成する代わりに、単一のばね付きリンク装置によって
複数の主ばねに対する作用を行わせるようにすることも
できる。図6は、上述の防振支持装置をそのように改変
した本発明の第2実施例を示す全体構成図である。この
図6から明らかなように、この実施例の場合にも、振動
を嫌う精密測定装置1は複数個の主ばね、すなわちコイ
ルばね4,4,…を介して、設置床3上に支持されてい
る。そして、それらのコイルばね4,4,…の重心位置
に、上述の第1実施例と同様のばね付きリンク装置7が
1個だけ設けられている。そのリンク装置7の四辺形リ
ンク機構10は、調整ボルト13,14及びナット15
からなる平衡位置調整機構を介して測定装置1に連結さ
れるとともに、設置床3に直接連結されている。また、
その定荷重引張ばね11a,11bは、第1実施例の場
合よりも強いものとされている。そして、そのばね付き
リンク装置7は、測定装置1を支持したコイルばね4,
4,…が静的釣り合い位置にあるとき、平衡状態となる
ように調整されている。
【0019】このように構成された振動伝達防止装置に
おいても、振動荷重によって測定装置1が相対変位する
と、ばね付きリンク装置7がその変位を拡大する方向の
力を発生し、その力が各コイルばね4,4,…に分配さ
れるので、上述の第1実施例と同様の作用効果を得るこ
とができる。そして、ばね付きリンク装置7が1個だけ
でよくなるので、部品点数の増大を防止することができ
る。また、ばね付きリンク装置7がコイルばね4,4,
…から離れた位置に配置されるので、その平衡位置調整
が容易となる。
【0020】図7及び8は、同様な原理を鉄道車両の懸
架装置に適用した本発明による振動伝達防止装置の第3
実施例を示すもので、図7はその懸架装置の全体構成図
であり、図8はその要部の拡大断面図である。図7に示
されているように、鉄道車両の車体16は、主ばねであ
る空気ばね17を介して台車18上に支持されている。
空気ばね17は、上下方向に伸縮する気密なダイヤフラ
ムの内部に圧力空気を封入したもので、その内部空気の
圧力は調整可能とされている。図8から明らかなよう
に、その空気ばね17の内部には、第1実施例と同様の
ばね付きリンク装置7が設けられている。そのばね付き
リンク装置7は、第1実施例と同様に、その上端側が調
整ボルト13,14及びナット15からなる平衡位置調
整機構を介して空気ばね17の上側の端面板6aに連結
されるとともに、その下端側が空気ばね17の下側の端
面板6bに連結されている。そして、それらの端面板6
a,6bが、取付ボルト5a,5bにより車体フレーム
19及び台車18にそれぞれ固定されている。
【0021】空気ばね17の内圧は、車体16を支持し
た静的釣り合い位置にあるとき、ばね付きリンク装置7
が平衡状態となるように調整されている。そして、乗客
数の変動などにより車高が変化したときには、空気ばね
17の内圧が調整され、それによってばね付きリンク装
置7の平衡状態が保たれるようになっている。あるい
は、第1実施例の場合と同様に、そのときには調整ナッ
ト15を回転させ、それによってばね付きリンク装置7
が平衡状態に保たれるようにすることもできる。
【0022】このように構成された懸架装置によれば、
車両がレールの継目や歪み部分を走行することによっ
て、あるいは台車18に搭載されているモータの振動な
どによって台車18が振動したときには、車体16と台
車18との間の間隔が変化し、ばね付きリンク装置7が
その間隔の変動をより大きくする方向の力を発生する。
したがって、空気ばね17がより大きく撓まされ、その
空気ばね17の見掛けのばね定数が小さくなる。その結
果、その振動系の固有振動数が低下し、台車18から車
体16に伝達される振動が効果的に吸収される。こうし
て、車両の乗り心地が改善される。また、何らかの要因
によって車体16が振動したときにも、同様な作用によ
りその振動の台車18への伝達が防止される。したがっ
て、その振動がレールを介して地盤に伝えられるような
ことがなくなる。このように、鉄道車両の場合には、車
体16あるいは台車18のいずれか一方が振動体とな
り、他方が制振対象体となる。そして、いずれの場合に
も、上述のようなばね付きリンク装置7と空気ばね17
とによって、その間の振動伝達が防止される。
【0023】このようにばね付きリンク装置7と空気ば
ね17とにより振動伝達防止装置を構成する場合にも、
そのばね付きリンク装置7は、上述の第2実施例と同様
に、主ばねである空気ばね17の外部に配置し、複数の
空気ばね17,17,…に対して共通のものとすること
ができる。また、以上の実施例では、平衡位置調整機構
を四辺形リンク機構10の上端と測定装置1あるいは車
体16との間に設けるものとしているが、その平衡位置
調整機構は、四辺形リンク機構10の下端と床3あるい
は台車18との間に設けるようにすることも、さらに
は、その両側に設けるようにすることもできる。
【0024】図9は、本発明による振動伝達防止装置の
異なる実施例を示すものである。この図から明らかなよ
うに、この実施例も、第1実施例と同様に精密測定装置
1をコイルばね4によって防振支持するようにしたもの
である。この防振支持装置の場合には、主ばねであるコ
イルばね4の内部に、第1実施例のようなばね付きリン
ク装置に代えて、磁力吸引装置20が設けられている。
その磁力吸引装置20は、可動磁石21と、その可動磁
石21の上下に配置される一対の固定磁石22,23と
によって構成されている。可動磁石21は厚肉円板状の
もので、その中心部において、下端部に雄ねじ部24a
を有するロッド24の先端に固定されている。そのロッ
ド24の雄ねじ部24aは、下側の端面板6bの厚さに
比べて十分な長さを有しており、その端面板6bの中心
部に形成されているねじ孔に螺合されるとともに、その
端面板6bから下方に突出して、第1実施例における下
側の取付ボルト5bと同様の役割を果たすようにされて
いる。こうして、可動磁石21は、床3からの高さが調
整可能とされるとともに、振動体である床3の変位に伴
って変位するようにされている。
【0025】上側の固定磁石22は上側の端面板6aの
下面に取り付けられている。その固定磁石22は可動磁
石21よりやや小径のもので、その周囲には、可動磁石
21が固定磁石22側に向かって相対移動するときそれ
らが吸着する前にその可動磁石21が当接するゴムブロ
ック状のストッパ25が設けられている。また、他方の
固定磁石23は、上側の端面板6aの下面に固着された
円筒状の支持台26の下端部に取り付けられている。そ
の固定磁石23の中心部には、可動磁石21を支持する
ロッド24の径より大径の貫通孔27が設けられてい
る。そして、その貫通孔27を、ロッド24が貫通する
ようにされている。さらに、支持台26の内面下部に
は、可動磁石21が下側の固定磁石23側に向かって相
対移動するときそれらが吸着する前に可動磁石21が当
接するストッパ28が設けられている。こうして、固定
磁石22,23は制振対象体である測定装置1側に固定
され、振動体である設置床3側に固定された可動磁石2
1がそれに対して相対移動するようにされている。そし
て、可動磁石21が過大に相対変位したときには、その
可動磁石21がストッパ25あるいは28に当接するこ
とによって、可動磁石21と固定磁石22,23との吸
着が防止されるようになっている。
【0026】一対の固定磁石22,23は等しい磁力を
有するものとされている。また、それらの固定磁石2
2,23と可動磁石21との間では常に吸引力が働くよ
うにされている。すなわち、可動磁石21の上面がN極
で下面がS極の場合には、上側の固定磁石22の下面が
S極、下側の固定磁石23の上面がN極となるように配
置されている。そして、測定装置1を支持したコイルば
ね4が静的釣り合い位置にあるとき、可動磁石21と上
下の固定磁石22,23との間に働く吸引力が等しくな
るように調整されている。すなわち、コイルばね4が静
的釣り合い位置にあるときには、可動磁石21が上下の
固定磁石22,23間のちょうど中央に位置し、磁力吸
引装置20が平衡状態となるように調整されている。そ
の調整は、可動磁石21を支持するロッド24の雄ねじ
部24aと下側の端面板6bとの螺合位置を変えて可動
磁石21の高さを変化させることによって行われる。
【0027】このように構成された精密測定装置1の防
振支持装置においては、例えばいま、振動荷重によって
床3が上昇したとすると、それに伴って可動磁石21も
上昇する。そして、コイルばね4が縮むことにより、固
定磁石22,23が相対的に下降する。したがって、可
動磁石21と上側の固定磁石22との間の距離が縮小す
るとともに、可動磁石21と下側の固定磁石23との間
の距離が拡大する。その結果、可動磁石21と上側の固
定磁石22との間に働く吸引力が可動磁石21と下側の
固定磁石23との間に働く吸引力よりも強くなる。しか
も、磁石間に働く磁力はその間の距離の2乗に反比例す
るので、可動磁石21の変位が大きくなるほどその吸引
力の差が大きくなる。そして、その吸引力の差が、振動
荷重とともにコイルばね4を縮めようとする力として、
コイルばね4に加えられる。逆に床3が下方へ移動した
ときには、可動磁石21と下側の固定磁石23との間に
働く吸引力が大きくなり、コイルばね4にそれを伸ばそ
うとする力が加えられる。こうして、振動荷重によって
コイルばね4が撓んだときには、そのコイルばね4に、
それをより大きく撓ませようとする荷重が加えられるこ
とになり、コイルばね4の見掛けのばね定数が低くな
る。したがって、第1実施例の場合と同様に、その振動
系の固有振動数が低下することになり、振動伝達率が低
減化される。
【0028】図10は、このような磁力吸引装置を空気
ばねに適用して振動伝達防止装置を構成するようにした
本発明の第5実施例を示すものである。この実施例の場
合には、振動体は大形の機械装置30であり、その機械
装置30が空気ばね17を介して床3上に支持されてい
る。その空気ばね17の内部には、上記実施例と同様な
磁力吸引装置20が設けられている。すなわち、その磁
力吸引装置20は、可動磁石21とその上下に配置され
る一対の固定磁石22,23とによって構成されてい
る。可動磁石21は、空気ばね17の上側の端面板6a
に螺合する雄ねじ部24aを備えたロッド24の下端に
固着されている。その雄ねじ部24aは上側の端面板6
aから十分上方に突出するだけの長さを有しており、そ
の突出部によって、端面板6aが機械装置30のフレー
ム31に固定されるようになっている。上側の固定磁石
22は、下側の端面板6b上に取り付けられた円筒状の
支持台26の上端部に固定されている。その固定磁石2
2の周囲には、図9の実施例と同様なストッパ25が設
けられている。また、下側の固定磁石23は、下側の端
面板6bの上面に固定されている。そして、上側の端面
板6aの下面には、その固定磁石23と可動磁石21と
が吸着するのを防止するストッパ32が取り付けられて
いる。
【0029】一対の固定磁石22,23は等しい磁力を
有するものであり、その固定磁石22,23と可動磁石
21との間には常に吸引力が働くようにされている。そ
して、空気ばね17内の圧力を調整することによって、
空気ばね17が機械装置30を支持した状態で静的釣り
合い位置にあるとき、可動磁石21が上下の固定磁石2
2,23間のちょうど中央に位置し、磁力吸引装置20
が平衡状態となるようにされている。その調整は、可動
磁石21を支持するロッド24の雄ねじ部24aと上側
の端面板6aとの螺合位置を変えて可動磁石21の高さ
を変化させることによっても行うことができる。
【0030】このように構成された振動伝達防止装置に
おいても、機械装置30が振動荷重によって下降する
と、それに伴って可動磁石21も下降し、可動磁石21
と上側の固定磁石22との間隔が開くとともに、可動磁
石21と下側の固定磁石23との間隔が狭まる。したが
って、可動磁石21と下側の固定磁石23との間に働く
吸引力が強くなり、空気ばね17にはそれをより大きく
撓ませようとする力が加わることになる。逆に機械装置
30が上昇したときには、可動磁石21と上側の固定磁
石22との間に働く吸引力が大きくなるので、空気ばね
17にはそれを伸ばそうとする力が加えられる。
【0031】このようにして、空気ばね17がその釣り
合い位置から変動したときには、磁力吸引装置20から
その空気ばね17に、より大きく撓ませようとする力が
加えられる。したがって、その空気ばね17の見掛けの
ばね定数が小さくなり、その振動系の固有振動数が低下
する。その結果、機械装置30から制振対象の設置床3
に伝達される振動が効果的に吸収される。そして、振動
荷重により機械装置30が過大に下降しようとするとき
には、可動磁石21が下側の固定磁石23に接触する前
に、空気ばね17の上側の端面板6aに設けられている
ストッパ32が支持台26の上面に当接することによっ
てその下降が阻止される。また、機械装置30が上向き
の過大な振動荷重を発生したときには、可動磁石21が
上側の固定磁石22に接触する前に、その可動磁石21
がストッパ25に当接することによってその上昇が阻止
される。したがって、可動磁石21と固定磁石22ある
いは23との吸着は防止される。
【0032】このような磁力吸引装置20を用いる場合
にも、第2実施例のように、その磁力吸引装置20を複
数個の主ばね、すなわちコイルばね4あるいは空気ばね
17に対して共通のものとすることができる。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、主ばねと並列にばね付きリンク装置あるいは
磁力吸引装置を設け、主ばねが撓んだとき、そのばね付
きリンク装置あるいは磁力吸引装置によって主ばねの撓
みをより大きくする力を発生させるようにしているの
で、主ばねのばね定数を見掛け上、小さくすることがで
きる。したがって、振動系の固有振動数を低くすること
ができ、振動伝達率の低減化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による振動伝達防止装置の第1実施例を
示す全体構成図である。
【図2】その振動伝達防止装置の要部を示す拡大図であ
る。
【図3】その振動伝達防止装置に用いられる定荷重引張
ばねの特性図である。
【図4】その振動伝達防止装置に用いられているばね付
きリンク装置の作用を説明するための説明図である。
【図5】その振動伝達防止装置による効果を説明するた
めの説明図である。
【図6】本発明による振動伝達防止装置の第2実施例を
示す全体構成図である。
【図7】本発明による振動伝達防止装置の第3実施例を
示すもので、その振動伝達防止装置を適用した鉄道車両
の懸架装置を示す概略構成図である。
【図8】その第3実施例の要部を示す拡大断面図であ
る。
【図9】本発明による振動伝達防止装置の第4実施例を
示す縦断面図である。
【図10】本発明による振動伝達防止装置の第5実施例
を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 精密測定装置(制振対象体) 3 設置床(振動体あるいは制振対象体) 4 コイルばね(主ばね) 7 ばね付きリンク装置 10 四辺形リンク機構 11a,11b 定荷重引張ばね 12a,12b 連結部 13,14 調整ボルト(平衡位置調整機構) 15 調整ナット(平衡位置調整機構) 16 車体(制振対象体あるいは振動体) 17 空気ばね(主ばね) 18 台車(振動体あるいは制振対象体) 20 磁力吸引装置 21 可動磁石 22,23 固定磁石 25,28 ストッパ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動体と制振対象体との間に設けられ、
    その振動体から制振対象体に伝えられる振動を吸収する
    主ばねと、 その主ばねと並列に設けられるばね付きリンク装置と、
    からなり、 前記ばね付きリンク装置が、一組の対角に設けられてい
    る連結部により前記振動体及び制振対象体にそれぞれ連
    結される四辺形リンク機構と、その四辺形リンク機構の
    各対角をそれぞれ結ぶ一対の定荷重引張ばねと、によっ
    て構成されていて、 そのばね付きリンク装置が、前記主ばねが静的釣り合い
    位置にあるとき平衡状態となるように調整されているこ
    とを特徴とする、振動伝達防止装置。
  2. 【請求項2】 前記ばね付きリンク装置に、前記四辺形
    リンク機構の連結部と前記振動体あるいは制振対象体と
    の間の距離を調整する平衡位置調整機構が設けられてい
    ることを特徴とする、 請求項1記載の振動伝達防止装置。
  3. 【請求項3】 振動体と制振対象体との間に設けられ、
    その振動体から制振対象体に伝えられる振動を吸収する
    主ばねと、 前記振動体及び制振対象体のいずれか一方に取り付けら
    れ、その振動体あるいは制振対象体の相対変位に伴って
    変位する可動磁石と、 前記振動体及び制振対象体の他方に取り付けられ、前記
    可動磁石の変位方向両側に位置してその可動磁石との間
    で吸引力を発生するように配設される一対の固定磁石
    と、からなり、 前記可動磁石と一対の固定磁石との間の吸引力が、前記
    主ばねが静的釣り合い位置にあるとき平衡状態となるよ
    うに調整されていることを特徴とする、 振動伝達防止装置。
  4. 【請求項4】 前記振動体に大きな振動荷重が加わった
    とき、その振動体の過大な変位を阻止して、前記可動磁
    石と固定磁石との吸着を防止するストッパが設けられて
    いることを特徴とする、 請求項3記載の振動伝達防止装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN107351861A (zh) * 2017-07-12 2017-11-17 中车太原机车车辆有限公司 复合型二系悬挂装置

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