JPH088193Y2 - 足場用ベースパッド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、建築現場に架設した足場に張設される防
護シート等により受ける風圧で建物側への足場の倒れ込
みを防止する頬杖部材を構成するジャッキベースに付設
するための足場用ベースパッドに関するものである。

（従来の技術） 従来から建築足場に架設される足場用支柱が建物に対
して外方への倒れ込みを防止するため、現場で頬杖と呼
称する支柱を斜め方向に架設して来た。一方、建築施行
の進捗に伴い建物を外部から保護するための防護シート
が張設され、これが外側から風圧を受けて建物側に足場
が倒れ込むのを防止する水平方向の頬杖部材が使われて
来た。しかし、頬杖部材を構成するジャッキベースのベ
ース板が当接する建物側を防護する適切な手段が講じら
れているとは言えなかった。

（考案が解決しようとする課題） 頬杖部材を構成する汎用のジャッキベースのベース板
は打抜き成形されたまま辺縁のバリ取りもされない粗仕
上品であることも加えて、そのベース板が当接する建物
側を防護する適切な手段がない場合は、建物の壁面や屋
根や室内の床面を傷めたり、完成間際の建物の一部を破
損したりする不具合の発生を予防することができなかっ
た。この構成は、頬杖部材を構成するジャッキベースに
付設して建物側を防護する足場用ベースパッドを提示す
ることを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、この考案は、ジャッキ
ベースのベース板に被装され建物側面を防護できる緩衝
性のあるプラスチック材から形成され、建物側面に面接
触する平滑な圧接面を外面側に形成し、ベース板を取り
付ける内面側にはベース板に設けた複数の取付け孔に係
止可能な係止用だぼを突設し、その係止用だぼの先端部
にはベース板の押し込み方向に対して斜状の勾配面を設
けたものである。

（作用） この考案では、足場用ベースパッドが緩衝性のあるプ
ラスチック材から形成されており、ジャッキベースに装
着してセットしたときジャッキベースの圧接に伴う圧接
力が緩衝される。

また、ジャッキベースに装着する際には、ベース板に
設けた複数の取付け孔を係止用だぼの先端部に当てが
い、その状態から勾配面に沿って摺動させながらベース
板を押し込むことによりベースパッドが係止される。

（実施例） この考案の実施例を以下図面に基づいて説明する。

第１図、第２図はこの考案の足場用ベースパッド１を
示すものである。第３図に示すジャッキベースＪのベー
ス板Ｂを内側に取り付けできるベースパッド１はベース
板Ｂの外形を囲繞し、その板厚より若干高い辺縁部２を
設け、ベース板Ｂの底面に当接する嵌入部３を凹設し、
ベース板Ｂに透設された取り付け孔Ｈに係合し係止でき
る係止用だぼ４を嵌入部３に４ヶ所設け、係止用だぼ４
にはベース板Ｂの取り付け孔Ｈの内縁に対し先端に設け
た第１図に示すようなベース板Ｂの押し込み方向に対し
て斜状の勾配面５をスリット６側に押し込みながら係合
される一対の鉤形突起７を設け、係止用だぼ４は取り付
け孔Ｈへの押し込み位置において容易に脱落しないよう
係止されるよう弾装されている。なお、係止用だぼ４の
基端部８の対向する外側には嵌入部３から圧接面に貫通
する角孔10を設ける。

ベースパッド１は緩衝性のあるプラスチック材から構
成され、辺縁部２を外方に撓屈することにより容易にベ
ース板Ｂから離脱することが可能であるのでジャッキベ
ースＪはベースパッド１に対して装脱自在である。

ベースパッド１の外側平面は平滑な圧接面９を形成し
建物側を損傷しないように辺縁部２との角隅部11は面取
りされる。

なお、係止用だぼ４の形状はこの事例に限らずその他
の適当な形状でもよい。

第４図は、この考案のベースパッド１を装着したジャ
ッキベースＪを頬杖部材12とし、ジャッキホルダーＦの
保持パイプＰをジャッキベースＪのねじ棒Ｓに挿入し、
保持パイプＰの一側端部Ｔをねじ棒Ｓに嵌合されたジャ
ッキハンドルＬのナット面Ｎに当接させている。足場用
支柱Ｃから建物側に架設し、四囲に90°毎に突設された
くさび受口Ｒに保持パイプＰのくさび部Ｋを打ち込み固
定する。そして、建物側の壁縁Ｗに直交するように取り
付けたジャッキベースＪのベース板Ｂにベースパッド１
を装着して該壁面Ｗに圧接せしめ頬杖部材12の建物側に
対する防護手段とするものである。

（考案の効果） この足場用ベースパッドに係る考案では、ジャッキベ
ースに装着され、建物側面に作用するベース板による圧
接力を緩衝することができるため、建物を損傷するおそ
れがない。

また、ベースパッドの内面側に突設された係止用だぼ
の先端部にはベース板の押し込み方向に対して斜状の勾
配面が設けられているため、現場作業においてベース板
とベースパッドとを係止する際、ベース板に設けられた
複数の取付け孔を前記係止用だぼの勾配面に沿って摺動
させながら押し込む、というワンタッチ操作で両部材を
係止できるため、その装着が極めて容易で、作業能率が
向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の足場用ベースパッドの実施例の全体
要部説明斜視図、第２図はベースパッドの全体平面図、
第３図はベースパッドのジャッキベースに取り付け状態
説明斜視図、第４図は頬杖部材に付設されたベースパッ
ドの足場に架設状態説明組立平面図である。 （主要部分の符号の説明） １……足場用ベースパッド ２……辺縁部 ３……嵌入部 ４……係止用だぼ ９……圧接面 12……頬杖部材 Ｊ……ジャッキベース Ｂ……ベース板 Ｈ……取り付け孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建築足場において建物側面に当接支持され
   る頬杖部材（12）を構成するジャッキベース（Ｊ）につ
   いて、 ジャッキベース（Ｊ）のベース板（Ｂ）に被装され建物
   側面を防護できる緩衝性のあるプラスチック材から形成
   され、建物側面に面接触する平滑な圧接面（９）を外面
   側に形成し、ベース板（Ｂ）を取り付ける内面側にはベ
   ース板（Ｂ）に設けた複数の取付け孔（Ｈ）に係止可能
   な係止用だぼ（４）を突設し、その係止用だぼ（４）の
   先端部にはベース板（Ｂ）の押し込み方向に対して斜状
   の勾配面（５）を設けたことを特徴とする足場用ベース
   パッド。