JPH0881821A - アクリル系異形断面繊維 - Google Patents
アクリル系異形断面繊維Info
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- JPH0881821A JPH0881821A JP23606694A JP23606694A JPH0881821A JP H0881821 A JPH0881821 A JP H0881821A JP 23606694 A JP23606694 A JP 23606694A JP 23606694 A JP23606694 A JP 23606694A JP H0881821 A JPH0881821 A JP H0881821A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 軽量で嵩高性を有し、腰が強く、ソフト性を
発現する、分割可能で、かつ細繊度繊維として提供可能
なアクリル系異形断面繊維を提供する。 【構成】 アクリロニトリルを50重量%以上含有する
アクリロニトリル系ポリマーよりなる繊維であって、長
さ/幅が1.2〜8の3〜6個の菱形葉部の各一端が幅
/半径が2以上の半径の芯部に接続幅/幅が0.2〜
0.5の接続幅で結合し、各菱形葉部が結合部から等間
隔に放射状に配置された多葉断面形状を有し、単繊維繊
度が0.5〜15デニールである。
発現する、分割可能で、かつ細繊度繊維として提供可能
なアクリル系異形断面繊維を提供する。 【構成】 アクリロニトリルを50重量%以上含有する
アクリロニトリル系ポリマーよりなる繊維であって、長
さ/幅が1.2〜8の3〜6個の菱形葉部の各一端が幅
/半径が2以上の半径の芯部に接続幅/幅が0.2〜
0.5の接続幅で結合し、各菱形葉部が結合部から等間
隔に放射状に配置された多葉断面形状を有し、単繊維繊
度が0.5〜15デニールである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インテリア用途或いは
衣料用途に適したアクリル系異形断面繊維に関する。
衣料用途に適したアクリル系異形断面繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル繊維は、柔軟性を有し、染色
性、耐光性が良好で、羊毛に似た風合いを有することよ
り、衣料用途に広く利用されている。しかしながら、ア
クリル繊維は、天然繊維に比較して比重が小さく、嵩高
性を有するものの、その嵩高性、柔軟性をより向上させ
るために、紡糸ノズル、紡浴条件等による改良がなされ
ている。
性、耐光性が良好で、羊毛に似た風合いを有することよ
り、衣料用途に広く利用されている。しかしながら、ア
クリル繊維は、天然繊維に比較して比重が小さく、嵩高
性を有するものの、その嵩高性、柔軟性をより向上させ
るために、紡糸ノズル、紡浴条件等による改良がなされ
ている。
【0003】繊維の嵩高性を向上させるためには、繊維
断面を異形化して繊維間の空隙を多くすることが必要で
あり、繊維断面をC字形或いは6字形にする方法(特開
平2−19509号公報)が提案され、また目的は異な
るが、繊維断面をU字形(特開昭63−243318号
公報)やY字形(特開昭63−235516号公報)と
した繊維が提案され、かかる繊維も嵩高性を有してい
る。しかしながら、C字形、6字形及びU字形断面の繊
維は、嵩高性はあるものの、細繊度の繊維を得ることが
困難であるため、衣料用途に用いるには不満足なもので
ある。またY字形断面繊維は、細繊度化は可能である
が、繊維同士の形状の嵌合が生じ易く、結果として嵩高
性に劣るものとなる。
断面を異形化して繊維間の空隙を多くすることが必要で
あり、繊維断面をC字形或いは6字形にする方法(特開
平2−19509号公報)が提案され、また目的は異な
るが、繊維断面をU字形(特開昭63−243318号
公報)やY字形(特開昭63−235516号公報)と
した繊維が提案され、かかる繊維も嵩高性を有してい
る。しかしながら、C字形、6字形及びU字形断面の繊
維は、嵩高性はあるものの、細繊度の繊維を得ることが
困難であるため、衣料用途に用いるには不満足なもので
ある。またY字形断面繊維は、細繊度化は可能である
が、繊維同士の形状の嵌合が生じ易く、結果として嵩高
性に劣るものとなる。
【0004】一方、異形断面繊維の特徴を生かして、分
割しうるY字形断面繊維(特開昭61−275416号
公報)が提案され、パイルとしたときに、ポリッシャー
加工でパイル先端部のみが分割し、パイル根元の腰の強
さとソフト性を両立させることを可能とするが、曲げ剛
性が低く、細繊度化するとソフトになり過ぎ、腰がなく
なる傾向にあった。
割しうるY字形断面繊維(特開昭61−275416号
公報)が提案され、パイルとしたときに、ポリッシャー
加工でパイル先端部のみが分割し、パイル根元の腰の強
さとソフト性を両立させることを可能とするが、曲げ剛
性が低く、細繊度化するとソフトになり過ぎ、腰がなく
なる傾向にあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軽量で嵩高
性を有し、腰が強く、ソフト性を発現する、分割可能
で、かつ細繊度繊維として提供可能なアクリル系異形断
面繊維を提供することを目的とする。
性を有し、腰が強く、ソフト性を発現する、分割可能
で、かつ細繊度繊維として提供可能なアクリル系異形断
面繊維を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリロニト
リルを50重量%以上含有するアクリロニトリル系ポリ
マーよりなる繊維であって、下記要件(イ)を満足する
3〜6個の菱形葉部の各一端が下記要件(ロ)を満足す
る半径の芯部に下記要件(ハ)を満足する接続幅で結合
し、各菱形葉部が結合部から等間隔に放射状に配置され
た多葉断面形状を有し、単繊維繊度が0.5〜15デニ
ールであるアクリル系異形断面繊維にある。 1.2≦b/a≦8 (イ) 2≦a/r (ロ) 0.2≦c/a≦ 0.5 (ハ) (但し、aは菱形葉部の幅、bは菱形葉部の長さ、rは
芯部の中心から外周までの半径、cは芯部と菱形葉部と
の接続幅を表す)
リルを50重量%以上含有するアクリロニトリル系ポリ
マーよりなる繊維であって、下記要件(イ)を満足する
3〜6個の菱形葉部の各一端が下記要件(ロ)を満足す
る半径の芯部に下記要件(ハ)を満足する接続幅で結合
し、各菱形葉部が結合部から等間隔に放射状に配置され
た多葉断面形状を有し、単繊維繊度が0.5〜15デニ
ールであるアクリル系異形断面繊維にある。 1.2≦b/a≦8 (イ) 2≦a/r (ロ) 0.2≦c/a≦ 0.5 (ハ) (但し、aは菱形葉部の幅、bは菱形葉部の長さ、rは
芯部の中心から外周までの半径、cは芯部と菱形葉部と
の接続幅を表す)
【0007】本発明のアクリル系異形断面繊維は、アク
リロニトリルを50重量%以上含有するアクリロニトリ
ル系ポリマーより構成される。本発明において、アクリ
ロニトリルを50重量%以上含有するアクリロニトリル
系ポリマーとしては、アクリル系繊維の構成ポリマーと
して公知の任意のアクリロニトリル系ポリマーが用いら
れる。
リロニトリルを50重量%以上含有するアクリロニトリ
ル系ポリマーより構成される。本発明において、アクリ
ロニトリルを50重量%以上含有するアクリロニトリル
系ポリマーとしては、アクリル系繊維の構成ポリマーと
して公知の任意のアクリロニトリル系ポリマーが用いら
れる。
【0008】本発明のアクリル系異形断面繊維において
は、3〜6個の菱形葉部の各一端が芯部に結合し、各菱
形葉部が結合部から等間隔に放射状に配置された多葉断
面形状を有している。繊維断面における菱形葉部の数が
3未満或いは6を超えると、満足すべき嵩高性、分割性
が得られない。菱形葉部が結合する芯部は、円形の芯部
また多角形の芯部であってもよい。なお、芯部の半径
は、多角形芯部においては、中心から最外周までをい
う。
は、3〜6個の菱形葉部の各一端が芯部に結合し、各菱
形葉部が結合部から等間隔に放射状に配置された多葉断
面形状を有している。繊維断面における菱形葉部の数が
3未満或いは6を超えると、満足すべき嵩高性、分割性
が得られない。菱形葉部が結合する芯部は、円形の芯部
また多角形の芯部であってもよい。なお、芯部の半径
は、多角形芯部においては、中心から最外周までをい
う。
【0009】本発明における繊維断面の菱形葉部は、要
件(イ)1.2≦b/a≦8、好ましくは1.5≦b/
a≦6を満足する菱形の形状であり、葉部の最大幅が葉
部の長さ方向の中間部に存在するため、繊維同士の形状
の嵌合は生じ難く、繊維間の空隙が多くなり、優れた嵩
高性を奏するだけでなく、曲げ剛性が向上する。b/a
が1.2未満では、嵩高性が失われ、またソフト性に劣
り、8を超えると、繊維断面に占める空隙率が減少し、
軽量性が失われ、また曲げ剛性が低くなり、腰の強さが
失われる。
件(イ)1.2≦b/a≦8、好ましくは1.5≦b/
a≦6を満足する菱形の形状であり、葉部の最大幅が葉
部の長さ方向の中間部に存在するため、繊維同士の形状
の嵌合は生じ難く、繊維間の空隙が多くなり、優れた嵩
高性を奏するだけでなく、曲げ剛性が向上する。b/a
が1.2未満では、嵩高性が失われ、またソフト性に劣
り、8を超えると、繊維断面に占める空隙率が減少し、
軽量性が失われ、また曲げ剛性が低くなり、腰の強さが
失われる。
【0010】本発明においては、菱形葉部の各一端は、
要件(ロ)2≦a/rを満足する半径の芯部に結合して
いる。a/rが2未満であると、軽量性、嵩高性に欠
け、またソフト性に欠ける。また、菱形葉部の各一端
は、芯部に要件(ハ)0.2≦c/a≦0.5を満足す
る接続幅で結合している。c/aが0.2未満である
と、紡糸工程で割繊してしまい、c/aが0.5を超え
ると、繊維断面に占める空隙率が減少し、軽量性が失わ
れると共に分割性が低下する。
要件(ロ)2≦a/rを満足する半径の芯部に結合して
いる。a/rが2未満であると、軽量性、嵩高性に欠
け、またソフト性に欠ける。また、菱形葉部の各一端
は、芯部に要件(ハ)0.2≦c/a≦0.5を満足す
る接続幅で結合している。c/aが0.2未満である
と、紡糸工程で割繊してしまい、c/aが0.5を超え
ると、繊維断面に占める空隙率が減少し、軽量性が失わ
れると共に分割性が低下する。
【0011】本発明のアクリル系異形断面繊維は、単繊
維繊度が0.5〜15デニールであり、分割することな
しに細繊度状態を呈する繊維を含むものであるが、その
繊維断面が特定の多葉断面形状であることから、分割性
を有するものであり、布帛或いはパイル糸としたとき
に、ポリッシャー加工等で分割可能であり、分割して細
繊度化しても腰の強さを保ち、ソフトな風合いを奏す
る。
維繊度が0.5〜15デニールであり、分割することな
しに細繊度状態を呈する繊維を含むものであるが、その
繊維断面が特定の多葉断面形状であることから、分割性
を有するものであり、布帛或いはパイル糸としたとき
に、ポリッシャー加工等で分割可能であり、分割して細
繊度化しても腰の強さを保ち、ソフトな風合いを奏す
る。
【0012】本発明のアクリル系異形断面繊維は、次の
如き方法により製造される。すなわち、アクリロニトリ
ルを50重量%以上含有するアクリロニトリル系ポリマ
ーを溶剤に溶解して好ましくは固形分濃度25重量%に
調整した紡糸原液を用いる。用いられる溶剤としては、
ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド等の有機溶剤、或いは硝酸、塩化亜鉛、
ロダン塩等の無機溶剤が用いられるが、繊維断面形状が
紡糸ノズル孔形状に近いものとなることから有機溶剤を
用いることが好ましい。
如き方法により製造される。すなわち、アクリロニトリ
ルを50重量%以上含有するアクリロニトリル系ポリマ
ーを溶剤に溶解して好ましくは固形分濃度25重量%に
調整した紡糸原液を用いる。用いられる溶剤としては、
ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド等の有機溶剤、或いは硝酸、塩化亜鉛、
ロダン塩等の無機溶剤が用いられるが、繊維断面形状が
紡糸ノズル孔形状に近いものとなることから有機溶剤を
用いることが好ましい。
【0013】紡糸方法としては、湿式紡糸法或いは乾式
紡糸法のいずれを用いてもよいが、繊維断面形状の制御
の容易さから湿式紡糸法を用いることが好ましい。湿式
紡糸法により紡糸する場合で説明すると、紡糸原液を凝
固浴中に紡糸口金から吐出させて凝固糸とする。紡糸口
金としては、3〜6個の菱形孔を各一端を中心に向け等
間隔に放射状に配置されたまたは中心の円形或いは多角
形の孔に等間隔に放射状に配置接続されたノズル孔形状
を有するものを用いる。図1に用いる紡糸口金のノズル
孔の一例の平面図を示す。また、凝固浴は、有機溶剤を
用いる場合は、ノズル孔形状に近い繊維断面形状を得る
上で、溶剤濃度25〜50重量%の水溶液とすることが
好ましい。
紡糸法のいずれを用いてもよいが、繊維断面形状の制御
の容易さから湿式紡糸法を用いることが好ましい。湿式
紡糸法により紡糸する場合で説明すると、紡糸原液を凝
固浴中に紡糸口金から吐出させて凝固糸とする。紡糸口
金としては、3〜6個の菱形孔を各一端を中心に向け等
間隔に放射状に配置されたまたは中心の円形或いは多角
形の孔に等間隔に放射状に配置接続されたノズル孔形状
を有するものを用いる。図1に用いる紡糸口金のノズル
孔の一例の平面図を示す。また、凝固浴は、有機溶剤を
用いる場合は、ノズル孔形状に近い繊維断面形状を得る
上で、溶剤濃度25〜50重量%の水溶液とすることが
好ましい。
【0014】凝固浴からの凝固糸は、紡糸ドラフト0.
5以上、好ましくは0.8以上で巻取る。その後、延伸
倍率3〜10倍で延伸・洗浄し、乾燥後、捲縮を付与し
て一定長に切断し、原綿とする。
5以上、好ましくは0.8以上で巻取る。その後、延伸
倍率3〜10倍で延伸・洗浄し、乾燥後、捲縮を付与し
て一定長に切断し、原綿とする。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、例中、aは菱形葉部の幅、bは菱形葉部の長
さ、rは芯部の中心から外周までの半径、cは芯部と菱
形葉部との接続幅を表す。
る。なお、例中、aは菱形葉部の幅、bは菱形葉部の長
さ、rは芯部の中心から外周までの半径、cは芯部と菱
形葉部との接続幅を表す。
【0016】(実施例1)アクリロニトリル93重量%
及び酢酸ビニル7重量%からなるアクリロニトリル系ポ
リマーを固形分濃度25重量%にジメチルアセトアミド
に溶解し紡糸原液を調製した。この紡糸原液を、長さ8
5μm、幅50μmの菱形孔3個を半径15μmの円形
孔に各接続幅15μmに放射状に配置接続した孔形状、
孔数5000の紡糸口金のノズルより、ジメチルアセト
アミド/水=30/70の40℃に調温した凝固浴中に
吐出し、紡糸ドラフト1.6倍で巻取り、引き続き洗浄
しながら6倍に延伸後、油剤を付与し、熱ローラーで乾
燥した。更にクリンプを付与し、熱処理した後、51m
mに切断して原綿を得た。この原綿の繊維は、単繊維繊
度3デニール、b/a=1.6、a/r=3.1、c/
a=0.28の多葉断面を有していた。得られた原綿の
嵩高性の評価結果を表1に示した。
及び酢酸ビニル7重量%からなるアクリロニトリル系ポ
リマーを固形分濃度25重量%にジメチルアセトアミド
に溶解し紡糸原液を調製した。この紡糸原液を、長さ8
5μm、幅50μmの菱形孔3個を半径15μmの円形
孔に各接続幅15μmに放射状に配置接続した孔形状、
孔数5000の紡糸口金のノズルより、ジメチルアセト
アミド/水=30/70の40℃に調温した凝固浴中に
吐出し、紡糸ドラフト1.6倍で巻取り、引き続き洗浄
しながら6倍に延伸後、油剤を付与し、熱ローラーで乾
燥した。更にクリンプを付与し、熱処理した後、51m
mに切断して原綿を得た。この原綿の繊維は、単繊維繊
度3デニール、b/a=1.6、a/r=3.1、c/
a=0.28の多葉断面を有していた。得られた原綿の
嵩高性の評価結果を表1に示した。
【0017】なお、嵩高性の評価は、得られた原綿を解
綿した後、100gを測り取り、半径5cmガラス管に
入れ、20gの荷重をかけたときの原綿の高さを、従来
の単繊維繊度3デニール、Y字形断面繊維原綿(縦横比
1:5の長方形孔3個を組み合わせた紡糸ノズル孔使
用)の高さに対する比として求めた。
綿した後、100gを測り取り、半径5cmガラス管に
入れ、20gの荷重をかけたときの原綿の高さを、従来
の単繊維繊度3デニール、Y字形断面繊維原綿(縦横比
1:5の長方形孔3個を組み合わせた紡糸ノズル孔使
用)の高さに対する比として求めた。
【0018】(比較例1〜2)実施例1において、紡糸
口金を、縦20μm、横100μmの長方形孔3個を放
射状に組み合わせたY字形状、孔数4000の紡糸ノズ
ル及び長さ70μm、幅60μmの菱形孔3個を半径2
0μmの円形孔に各接続幅20μmに放射状に配置接続
した孔形状、孔数5000の紡糸ノズルに、それぞれ代
えた以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度3デニ
ールのY字形断面繊維の原綿、及び単繊維繊度3デニー
ル、b/a=1.1、a/r=3.0、c/a=0.3
2の多葉断面繊維の原綿を得た。得られた各繊維原綿の
実施例1と同様にして求めた嵩高性の評価結果を表1に
示した。
口金を、縦20μm、横100μmの長方形孔3個を放
射状に組み合わせたY字形状、孔数4000の紡糸ノズ
ル及び長さ70μm、幅60μmの菱形孔3個を半径2
0μmの円形孔に各接続幅20μmに放射状に配置接続
した孔形状、孔数5000の紡糸ノズルに、それぞれ代
えた以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度3デニ
ールのY字形断面繊維の原綿、及び単繊維繊度3デニー
ル、b/a=1.1、a/r=3.0、c/a=0.3
2の多葉断面繊維の原綿を得た。得られた各繊維原綿の
実施例1と同様にして求めた嵩高性の評価結果を表1に
示した。
【0019】
【表1】
【0020】(実施例2)アクリロニトリル93重量%
及び酢酸ビニル7重量%からなるアクリロニトリル系ポ
リマーを固形分濃度25重量%にジメチルアセトアミド
に溶解し紡糸原液を調製した。この紡糸原液を、長さ1
20μm、幅80μmの菱形孔3個を半径20μmの円
形孔に各接続幅20μmに放射状に配置接続した孔形
状、孔数5000の紡糸ノズルより、ジメチルアセトア
ミド/水=30/70の40℃に調温した凝固浴中に吐
出し、紡糸ドラフト1.8倍で巻取り、引き続き洗浄し
ながら5倍に延伸後、油剤を付与し、熱ローラーで乾燥
した。更にクリンプを付与し、熱処理して単繊維繊度6
デニール、b/a=1.7、a/r=3.9、c/a=
0.28の多葉断面を有する繊維を得た。得られた繊維
の分割性及び風合いの評価結果を表2に示した。
及び酢酸ビニル7重量%からなるアクリロニトリル系ポ
リマーを固形分濃度25重量%にジメチルアセトアミド
に溶解し紡糸原液を調製した。この紡糸原液を、長さ1
20μm、幅80μmの菱形孔3個を半径20μmの円
形孔に各接続幅20μmに放射状に配置接続した孔形
状、孔数5000の紡糸ノズルより、ジメチルアセトア
ミド/水=30/70の40℃に調温した凝固浴中に吐
出し、紡糸ドラフト1.8倍で巻取り、引き続き洗浄し
ながら5倍に延伸後、油剤を付与し、熱ローラーで乾燥
した。更にクリンプを付与し、熱処理して単繊維繊度6
デニール、b/a=1.7、a/r=3.9、c/a=
0.28の多葉断面を有する繊維を得た。得られた繊維
の分割性及び風合いの評価結果を表2に示した。
【0021】なお、分割性の評価は、約50本の繊維の
束の一部を結び、結び目から1cmの長さを残して剃刀
で切断した。次にこの繊維束5個を家庭用ミキサーに水
200mlとともに入れ、15秒間低速で攪拌し、繊維
先端部分の分割状態を光学顕微鏡により観察し、200
本の繊維の分割数を計測した。分割数の計測は、分割し
た部分を1箇所と数え、1本の繊維で先端部分が完全に
分割していれば、3箇所の分割として計算し、Y字形断
面繊維の分割数に対する比として求めた。
束の一部を結び、結び目から1cmの長さを残して剃刀
で切断した。次にこの繊維束5個を家庭用ミキサーに水
200mlとともに入れ、15秒間低速で攪拌し、繊維
先端部分の分割状態を光学顕微鏡により観察し、200
本の繊維の分割数を計測した。分割数の計測は、分割し
た部分を1箇所と数え、1本の繊維で先端部分が完全に
分割していれば、3箇所の分割として計算し、Y字形断
面繊維の分割数に対する比として求めた。
【0022】また、風合いの評価は、繊維を51mm長
に切断し、ハイパイルに加工し、触感によって評価し、
他の断面形状の繊維からなるハイパイルと比較した。基
準としたY字形断面繊維と比較して、触感が優れている
場合を◎、同等の場合を○、劣る場合を△で表示した。
に切断し、ハイパイルに加工し、触感によって評価し、
他の断面形状の繊維からなるハイパイルと比較した。基
準としたY字形断面繊維と比較して、触感が優れている
場合を◎、同等の場合を○、劣る場合を△で表示した。
【0023】(比較例3〜4)実施例1において、紡糸
口金を、縦30μm、横150μmの長方形孔3個を放
射状に組み合わせたY字形状、孔数4000の紡糸ノズ
ル及び長さ120μm、幅72μmの菱形孔3個を半径
36μmの円形孔に各接続幅48μmに放射状に配置接
続した孔形状、孔数5000の紡糸ノズルに、それぞれ
代えた以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度6デ
ニールのY字形断面繊維、及び単繊維繊度6デニール、
b/a=1.7、a/r=2.2、c/a=0.67の
多葉断面形状を有する繊維を得た。得られた繊維の実施
例2と同様にして求めた分割性及び風合いの評価結果を
表2に示した。
口金を、縦30μm、横150μmの長方形孔3個を放
射状に組み合わせたY字形状、孔数4000の紡糸ノズ
ル及び長さ120μm、幅72μmの菱形孔3個を半径
36μmの円形孔に各接続幅48μmに放射状に配置接
続した孔形状、孔数5000の紡糸ノズルに、それぞれ
代えた以外は、実施例1と同様にして、単繊維繊度6デ
ニールのY字形断面繊維、及び単繊維繊度6デニール、
b/a=1.7、a/r=2.2、c/a=0.67の
多葉断面形状を有する繊維を得た。得られた繊維の実施
例2と同様にして求めた分割性及び風合いの評価結果を
表2に示した。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明のアクリル系異形断面繊維は、そ
の特定の多葉断面形状に基づく、軽量で嵩高性を有し、
また、腰が強く、ソフト性を発現する、分割可能で、か
つ細繊度繊維としても提供可能な異形断面繊維であり、
インテリア用途或いは衣料用途に好適なるものである。
の特定の多葉断面形状に基づく、軽量で嵩高性を有し、
また、腰が強く、ソフト性を発現する、分割可能で、か
つ細繊度繊維としても提供可能な異形断面繊維であり、
インテリア用途或いは衣料用途に好適なるものである。
【図1】本発明のアクリル系異形断面繊維の製造に用い
る紡糸口金のノズル孔の一例の平面図である。
る紡糸口金のノズル孔の一例の平面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 アクリロニトリルを50重量%以上含有
するアクリロニトリル系ポリマーよりなる繊維であっ
て、下記要件(イ)を満足する3〜6個の菱形葉部の各
一端が下記要件(ロ)を満足する半径の芯部に下記要件
(ハ)を満足する接続幅で結合し、各菱形葉部が結合部
から等間隔に放射状に配置された多葉断面形状を有し、
単繊維繊度が0.5〜15デニールであるアクリル系異
形断面繊維。 1.2≦b/a≦8 (イ) 2≦a/r (ロ) 0.2≦c/a≦ 0.5 (ハ) (但し、aは菱形葉部の幅、bは菱形葉部の長さ、rは
芯部の中心から外周までの半径、cは芯部と菱形葉部と
の接続幅を表す)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23606694A JPH0881821A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | アクリル系異形断面繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23606694A JPH0881821A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | アクリル系異形断面繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0881821A true JPH0881821A (ja) | 1996-03-26 |
Family
ID=16995223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23606694A Pending JPH0881821A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | アクリル系異形断面繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0881821A (ja) |
-
1994
- 1994-09-06 JP JP23606694A patent/JPH0881821A/ja active Pending
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