JPH0881355A - 身体用洗浄剤組成物 - Google Patents

身体用洗浄剤組成物

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JPH0881355A
JPH0881355A JP21694894A JP21694894A JPH0881355A JP H0881355 A JPH0881355 A JP H0881355A JP 21694894 A JP21694894 A JP 21694894A JP 21694894 A JP21694894 A JP 21694894A JP H0881355 A JPH0881355 A JP H0881355A
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Noriharu Kirii
範治 桐井
Kazuyuki Yahagi
和行 矢作
Yutaka Kasai
裕 笠井
Junko Ouchi
淳子 大内
Tomohito Kitsuki
智人 木附
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 (A)式(1)で表わされる2−ヒドロキシ
プロパンジアミン誘導体、その塩又はその4級化物、式
(3)で表わされるアミド化合物、及び式(4)で表わ
されるアミン誘導体から選ばれる界面活性剤の1種又は
2種以上、及び(B)式(5)で表わされる単鎖型界面
活性剤の1種又は2種以上を含有する身体用洗浄剤組成
物。 〔式中、R1 及びR2 はC6〜C36アルケニル基、X
はヒドロキシル基などで置換していてもよいC1〜C6
のアルキレン基など、Y1 はスルホン酸基など、Y2
ヒドロキシル基など、R3 及びR4 はC1〜C24のア
ルキル基など、Zはスルホエチル基又はアミノ酸もしく
はその塩から1つのアミノ基を除いた基、X′は連結基
又は単結合、Y4 は親水基、nは0又は1〕 【効果】 低刺激性、高起泡性、高洗浄性を有し、使用
時及びすすぎ時のきしみやぬるつきが改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は頭髪や皮膚等に対して低
刺激性で、優れた起泡性、洗浄性を有し、且つ使用時及
びすすぎ時においてぬるついたりきしんだりしない身体
用洗浄剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
頭髪や皮膚等に使用される身体用洗浄剤の洗浄剤主成分
は、起泡性や洗浄性に優れていることが当然に要求され
る他に、安全性、皮膚や眼粘膜等に対する低刺激性に優
れていることが要求される。
【0003】一般に洗浄剤の主成分として使用されてい
るアニオン性界面活性剤(石鹸、直鎖アルキルベンゼン
スルホン酸塩(LAS)、アルキル硫酸エステル塩(A
S)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩(AES)、α−オレフィンスルホン酸塩(AO
S)等)は洗浄性・起泡性は良好であるが、反面いずれ
も眼、皮膚に対して刺激がある。一方、低刺激性活性剤
として提案されているモノアルキルリン酸塩やN−アシ
ルグルタミン酸塩、N−アシル−N−アルキル−β−ア
ラニン塩、N−アシル−N−アルキルグリシン塩などの
N−アシルアミノ酸塩類は、刺激性は低いものの耐硬水
性、起泡性、洗浄性といった洗浄剤本来の性能に劣ると
いう欠点がある。
【0004】従って、頭髪や皮膚等に対して低刺激性で
あり、且つ洗浄性、起泡性に優れ、使用時やすすぎ時に
おいてぬるついたりきしんだりしない身体用洗浄剤が切
望されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者は鋭意検討を行った結果、後記一般式(1)で表
わされる2−ヒドロキシプロパンジアミン誘導体、その
塩又はその4級化物、後記一般式(3)で表わされるア
ミド化合物及び後記一般式(4)で表わされるアミン誘
導体から選ばれる界面活性剤と、後記一般式(5)で表
わされる単鎖型界面活性剤を組み合わせて用いれば、頭
髪や皮膚等に対して低刺激性で、優れた起泡性及び洗浄
性を有し、且つ使用時及びすすぎ時におけるぬるつきや
きしみが改善された洗浄剤が得られることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、次の成分(A)及び
(B): (A)(a)下記一般式(1);
【0007】
【化6】
【0008】〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって
炭素数6〜36の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケ
ニル基を示し、Xはヒドロキシル基、スルホン酸基又は
カルボキシル基で置換していてもよい炭素数1〜6のア
ルキレン又はアルケニレン基を示し、Y1 はスルホン酸
基、硫酸残基もしくはカルボキシル基又はその塩を示
し、Y2 はヒドロキシル基、硫酸残基もしくはその塩又
は下記式(2);
【0009】
【化7】
【0010】で表わされる基を示し、nは0又は1を示
す。〕で表わされる2−ヒドロキシプロパンジアミン誘
導体、その塩又はその4級化物、(b)下記一般式
(3);
【0011】
【化8】
【0012】〔式中、X、Y1 及びY2 は上記と同様の
意味を示し、R3 及びR4 は同一又は異なって、ヒドロ
キシル基で置換していてもよい炭素数1〜24の直鎖又
は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、Zはスル
ホエチル基又はアミノ酸もしくはその塩から1つのアミ
ノ基を除いた基を示す。〕で表わされるアミド化合物、
及び(c)下記一般式(4);
【0013】
【化9】
【0014】〔式中、R3 、R4 及びZは上記と同様の
意味を示し、Aはヒドロキシル基で置換していてもよい
炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、
3 はカルボキシル基又はスルホン酸基を示す。〕で表
わされるアミン誘導体、から選ばれる界面活性剤の1種
又は2種以上、 (B)下記一般式(5);
【0015】
【化10】R1-X′-Y4 (5)
【0016】〔式中、R1 は上記と同様の意味を示し、
X′は酸素原子、アミン、-CO-、-COO-、-CONH-、-NHCO
-、ベンゼン、フェノール、ナフタリン及びポリオキシ
エチレン基から選ばれる連結基又は単結合を示し、Y4
は水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ
ン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、イミダゾ
リウム基及びアミンオキサイド基から選ばれる親水基を
示す。〕で表わされる単鎖型界面活性剤の1種又は2種
以上を含有する身体用洗浄剤組成物を提供するものであ
る。
【0017】本発明で用いられる成分(A)は洗浄活性
成分として用いられるものである。成分(A)のうち
(a)2−ヒドロキシプロパンジアミン誘導体、その塩
又はその4級化物は前記一般式(1)で表わされるもの
であり、式(1)中、R1 及びR2 で示される炭素数6
〜36の直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、
ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシ
ル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘ
ンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコ
シル基などの直鎖アルキル基及びこれらの分岐鎖アルキ
ル基を挙げることができる。また、炭素数6〜36の直
鎖又は分岐鎖のアルケニル基としては、ヘキセニル基、
ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル
基、ドデセニル基、ウンデセニル基、トリデセニル基、
テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル
基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニ
ル基、エイコセニル基、ヘンエイコセニル基、ドコセニ
ル基、トリコセニル基、テトラコセニル基などの直鎖ア
ルケニル基及びこれらの分岐鎖アルケニル基を挙げるこ
とができる。R1 及びR2 としては、これらのなかでも
炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基が、特に
炭素数6〜24のアルキル基が、更には炭素数6〜18
のアルキル基が好ましい。
【0018】式(1)中、Xで示される炭素数1〜6の
アルキレン又はアルケニレン基としては、例えばメチレ
ン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン
基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、メチルエチ
レン基、エチルエチレン基、エテニレン基、プロペニレ
ン基、ブテニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基
等が挙げられる。このうち炭素数1〜4のものが好まし
く、炭素数1〜3のものがより好ましく、メチレン基、
エチレン基、トリメチレン基、エテニレン基が特に好ま
しい。
【0019】これらのアルキレン又はアルケニレン基に
は、ヒドロキシル基(-OH)、スルホン酸基(-SO3H)又は
カルボキシル基(-COOH)が置換し得る(ただし、後述
するX1はヒドロキシル基又はカルボキシル基が置換し
得る)が、これらの置換基は1種又は2種以上を組み合
わせて1〜4個置換していてもよい。
【0020】ヒドロキシル置換アルキレン又はアルケニ
レン基としては、1−ヒドロキシエチレン基、2−ヒド
ロキシエチレン基、1,2−ジヒドロキシエチレン基、
1−ヒドロキシトリメチレン基、2−ヒドロキシトリメ
チレン基、3−ヒドロキシトリメチレン基、1,2−ジ
ヒドロキシトリメチレン基、1,3−ジヒドロキシトリ
メチレン基、1,2,3−トリヒドロキシトリメチレン
基、1−ヒドロキシテトラメチレン基、2−ヒドロキシ
テトラメチレン基、3−ヒドロキシテトラメチレン基、
4−ヒドロキシテトラメチレン基、1,2−ジヒドロキ
シテトラメチレン基、1,3−ジヒドロキシテトラメチ
レン基、1,4−ジヒドロキシテトラメチレン基、2,
3−ジヒドロキシテトラメチレン基、2,4−ジヒドロ
キシテトラメチレン基、3,4−ジヒドロキシテトラメ
チレン基、1,2,3−トリヒドロキシテトラメチレン
基、2,3,4−トリヒドロキシテトラメチレン基、
1,3,4−トリヒドロキシテトラメチレン基、1,
2,3,4−テトラヒドロキシテトラメチレン基等が挙
げられるが、このうち1,2−ジヒドロキシエチレン
基、1−ヒドロキシエチレン基、2−ヒドロキシエチレ
ン基、2−ヒドロキシトリメチレン基が特に好ましい。
【0021】スルホン酸基置換アルキレン又はアルケニ
レン基としては、1−スルホエチレン基、2−スルホエ
チレン基、1−スルホトリメチレン基、2−スルホトリ
メチレン基、3−スルホトリメチレン基、1−スルホテ
トラメチレン基、2−スルホテトラメチレン基、3−ス
ルホテトラメチレン基、4−スルホテトラメチレン基、
1,3−ジスルホテトラメチレン基、1,4−ジスルホ
テトラメチレン基、2,3−ジスルホテトラメチレン
基、2,4−ジスルホテトラメチレン基等が挙げられる
が、このうち特に1−スルホエチレン基、2−スルホエ
チレン基が特に好ましい。
【0022】カルボキシル基が置換したアルキレン又は
アルケニレン基としては、1−カルボキシエチレン基、
2−カルボキシエチレン基、1−カルボキシトリメチレ
ン基、2−カルボキシトリメチレン基、3−カルボキシ
トリメチレン基、1−カルボキシテトラメチレン基等が
挙げられる。
【0023】ヒドロキシル基及びカルボキシル基が置換
したアルキレン又はアルケニレン基としては、2−カル
ボキシ−1−ヒドロキシトリメチレン基、2−カルボキ
シ−1,3−ジヒドロキシトリメチレン基、2−カルボ
キシ−2−ヒドロキシトリメチレン基、3−カルボキシ
−2,4−ジヒドロキシテトラメチレン基等を挙げるこ
とができる。これらのなかでも2−カルボキシ−2−ヒ
ドロキシトリメチレン基が好ましい。
【0024】ヒドロキシル基及びスルホン酸基が置換し
たアルキレン又はアルケニレン基としては、1−ヒドロ
キシ−2−スルホエチレン基、2−ヒドロキシ−1−ス
ルホエチレン基、1−ヒドロキシ−2−スルホトリメチ
レン基、1−ヒドロキシ−3−スルホトリメチレン基、
2−ヒドロキシ−1−スルホトリメチレン基、2−ヒド
ロキシ−3−スルホトリメチレン基、1,2−ジヒドロ
キシ−3−スルホトリメチレン基、1,3−ジヒドロキ
シ−2−スルホトリメチレン基、1−ヒドロキシ−2−
スルホテトラメチレン基、1−ヒドロキシ−4−スルホ
テトラメチレン基、2−ヒドロキシ−4−スルホテトラ
メチレン基、3−ヒドロキシ−4−スルホテトラメチレ
ン基等が挙げられる。
【0025】上記一般式(1)で表わされる化合物は、
スルホン酸基(-SO3H)、硫酸残基(-OSO3H)又はカル
ボキシル基(-COOH)を有するので種々の塩基性物質と
の間に塩を形成し得る。例えばアルカリ金属塩、アルカ
リ土類金属塩、アミン塩、塩基性アミノ酸塩、アンモニ
ウム塩等を挙げることができる。具体的には、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、リジン、アルギニン、コリン、アン
モニア等との塩を挙げることができ、これらのなかでも
アルカリ金属塩、特にナトリウム塩が好ましい。なお、
化合物(1)は、第3級アミノ基を有するので、プロト
ンが第3級アミノ基の窒素原子上に配位して当該第3級
アミノ基がアンモニウムカチオンとなり、スルホン酸
基、硫酸残基又はカルボキシル基がスルホン酸アニオ
ン、硫酸アニオン又はカルボキシアニオンとなった4級
塩構造をとっていることもある。
【0026】また、化合物(1)は、必要により第4級
化物とすることもでき、具体的には式(1)中の2個の
窒素原子が第4級化された化合物(1f)が挙げられ
る。
【0027】
【化11】
【0028】〔式中、R1′及びR2′はスルホン酸基、
カルボキシル基もしくはヒドロキシル基が置換してもよ
い炭素数1〜6のアルキル又はアルケニル基、ベンジル
基又は-(R5O)mH(ここでR5 は炭素数2〜4のアルキレ
ン基を、mは1〜50の数を示す)を示す〕
【0029】ここで、ヒドロキシル基、カルボキシル
基、スルホン酸基が置換していてもよい炭素数1〜6の
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基、ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプ
ロピル基、カルボキシメチル基、2−ヒドロキシ−3−
スルホプロピル基等が挙げられる。基-(R5O)mHで示され
る基としては、具体的には、ポリオキシエチレン基、ポ
リオキシプロピレン基等が例示され、就中m=1〜20
のものが好ましい。なお、化合物(1)の第4級化物
は、式(1)中のnが0の場合に存在し得るものであ
る。
【0030】化合物(1)は、例えば次の反応a〜反応
dに従って製造される。
【0031】
【化12】
【0032】〔式中、A1 及びA2 はハロゲン原子を示
し、X1 はヒドロキシル基又はカルボキシル基が置換し
ていてもよい炭素数1〜6のアルキレン又はアルケニレ
ン基を示し、Y4 はスルホン酸基又はカルボキシル基を
示し、R1 及びR2 は前記と同じ〕
【0033】すなわち、2つのアミン((6)及び
(7))とエピハロヒドリン(8)との反応により得ら
れるアミン誘導体(9)に、化合物(10)又はその塩
を反応させれば化合物(1a)が製造される。
【0034】2つのアミンとエピハロヒドリンとの反応
は、例えば米国特許第3017258号又は同第365
4158号に従って行えばよい。
【0035】アミン誘導体(9)と化合物(10)又は
その塩との反応は、例えば不活性溶媒の存在下20〜1
50℃、好ましくは40〜100℃で、アミン誘導体
(9)に対し、1〜10倍モル、好ましくは2〜5倍モ
ルの化合物(10)又はその塩を反応させることによっ
て行われる。ここで化合物(10)のA2 で示されるハ
ロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ
素原子が挙げられ、このうち塩素原子がより好ましい。
化合物(10)又はその塩の具体例としては、クロロ酢
酸ナトリウム、3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンス
ルホン酸ナトリウム、3−クロロプロピオン酸ナトリウ
ム、4−クロロ−n−酪酸ナトリウム等が挙げられ、こ
のうちクロロ酢酸ナトリウム、3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロパンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。ま
た、ここで用いる不活性溶媒としては、例えば、水、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒等が挙
げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用い
ることができるが、就中、水、低級アルコール又は水と
低級アルコールの混合溶媒が好ましい。
【0036】なお、本反応においてアミン誘導体(9)
に対して化合物(10)を過剰に使用すると下記の第4
級化物(1f′)が生成する。
【0037】
【化13】
【0038】〔式中、R1 、R2 、X1 及びY4 は前記
と同じ〕
【0039】この反応終了後、反応混合物中には目的と
する化合物(1a)の他、無機塩、未反応のアミン誘導
体(9)、アミン誘導体(9)に化合物(10)が1モ
ル付加した化合物及び未反応の化合物(10)が含まれ
ている場合がある。この際には、反応混合物をそのまま
使用できる場合を除き、次の方法により精製することが
できる。精製方法は、例えば溶媒分別法、イオン交換ク
ロマトグラフィー法、再結晶法、電気透析法等の常法を
採用できる。また、得られた目的物は遊離塩基として単
離してもよいが、所望の塩基物質で中和する等の通常の
手段により塩交換を行い、所望の塩の形態で単離しても
よい。
【0040】
【化14】
【0041】〔式中、R6 及びR7 は同一又は異なっ
て、水素原子、ヒドロキシル基又はカルボキシル基が置
換していてもよいアルキル基又はアルケニル基を示し、
2′はヒドロキシル基又は硫酸残基を示し、R1 、R
2 及びX1 は前記と同じ〕
【0042】すなわち、アミン誘導体(9)にエポキシ
化合物(11)を反応させ、得られるアミノアルコール
(12)に硫酸エステル化剤(13)を反応させ、所望
により塩基性物質で中和することにより、化合物(1
b)が製造される。
【0043】アミン誘導体(9)とエポキシ化合物(1
1)との反応は、例えば不活性溶媒中、好ましくは10
0〜200℃、特に好ましくは130〜180℃で、ア
ミン誘導体(9)に対して、エポキシ化合物(11)を
2〜5倍モル反応させることにより行うのが好ましい。
この反応で使用する不活性溶媒としては、非プロトン性
の溶媒であれば特に制限されるものではないが、価格や
溶解性の点を考慮すると、低級炭化水素類、芳香族炭化
水素類、エーテル類、ハロ炭化水素類などが好ましい。
また、この反応は、エポキシ化合物(11)及び使用し
た不活性溶媒の沸点を考慮して、オートクレーブなどの
耐圧容器内で行うことが好ましい。エポキシ化合物(1
1)としては、安価であることからエチレンオキシド、
プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが好ましく、特
にエチレンオキシドが好ましい。
【0044】次に、このようにして得られたアミノアル
コール(12)とClSO3HやSO3等の硫酸エステル化剤
(13)との反応は、不活性溶媒中又は無溶媒で、−7
5℃〜150℃の温度範囲で行うのが好ましい。ClSO3H
やSO3の使用量は、アミノアルコール(12)に対して
1〜3倍モルであるのが好ましい。また、この反応終了
後、必要に応じて行う中和反応では、目的とする中和度
に応じて所望量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン、アルカノールアミン(モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン等)、リジン、アルギニン、コリンなどの塩基物
質、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属の水酸化物を反応させることにより行うこ
とができる。
【0045】なお、上記反応中、アミン誘導体(9)と
エポキシ化合物(11)との反応においては、少量の次
式;
【0046】
【化15】
【0047】で表わされる化合物が副生し、更にアミノ
アルコール(12)と硫酸エステル化剤(13)との反
応においては、次式;
【0048】
【化16】
【0049】で表わされる化合物が副生する場合があ
る。この反応生成物はそのまま各種の用途に使用するこ
ともできるが、より高純度のものが必要な場合には、通
常の方法、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィー、
蒸留等により精製して用いることもできる。
【0050】
【化17】
【0051】〔式中、R8 は水素原子又は置換基を有し
ていてもよいアルキル基を示し、R1、R2 、X1 及び
2′は前記と同じ〕
【0052】すなわち、アミン誘導体(9)にラクトン
類又はオキシカルボン酸類を反応させ、得られるアミド
アルコール(14)に硫酸エステル化剤(13)を反応
させ、所望により塩基性物質で中和することにより化合
物(1c)が製造される。
【0053】アミン誘導体(9)とラクトン類又はオキ
シカルボン酸類との反応は、例えば不活性溶媒中又は無
溶媒で、好ましくは20〜180℃、特に好ましくは4
0〜150℃で、アミン誘導体(9)に対して、ラクト
ン類又はオキシカルボン酸類を2〜5倍モル反応させる
ことにより行うのが好ましい。この反応で使用する不活
性溶媒としては、非プロトン性の溶媒であれば特に制限
されるものではないが、価格や溶解性の点を考慮する
と、低級炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、
ハロ炭化水素類等が好ましい。この反応に用いるラクト
ン類及びオキシカルボン酸類としては、安価であること
から、γ−ラクトン、δ−ラクトン、グリコール酸、乳
酸、α−ヒドロキシ酸及びこれらのメチルエステル、エ
チルエステルなどが好ましい。
【0054】このようにして得られたアミドアルコール
(14)とClSO3HやSO3等の硫酸エステル化剤(13)
との反応は、不活性溶媒中又は無溶媒で、−75℃〜1
50℃の温度範囲で行うのが好ましい。ClSO3HやSO3
使用量は、アミドアルコール(14)に対して1〜3倍
モルであるのが好ましい。また、この反応終了後、必要
に応じて行う中和反応は、前記反応bの場合と同様に行
うことができる。
【0055】なお、上記反応中、アミン誘導体(9)と
ラクトン類又はオキシカルボン酸類との反応において
は、少量の次式;
【0056】
【化18】
【0057】で表わされる化合物が副生し、更にアミド
アルコール(14)と硫酸エステル化剤との反応におい
ては、次式;
【0058】
【化19】
【0059】で表わされる化合物が副生する場合があ
る。この反応生成物はそのまま各種の用途に使用するこ
ともできるが、より高純度のものが必要な場合には、通
常の方法、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィー、
蒸留等により精製して用いることもできる。
【0060】
【化20】
【0061】〔式中、R9 及びR10は水素原子、置換基
を有していてもよいアルキル基又はアルケニル基を示
し、X2 はヒドロキシル基又はカルボキシル基が置換し
ていてもよくスルホン酸基が置換している炭素数1〜6
のアルキレン基を示し、Y2″はヒドロキシル基又は下
記式(15);
【0062】
【化21】
【0063】で表わされる基を示し、R1 、R2 、X及
びX1 は前記と同じ〕
【0064】すなわち、アミン誘導体(9)に酸無水
物、ジカルボン酸又はそのエステルを反応させ、エステ
ルを用いた場合は更に加水分解し、必要に応じて塩基性
物質で中和することにより、化合物(1d)を製造する
ことができる。また、得られた化合物(1d)のX1
に-CH=CH-がある場合には、これにSO3、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸水素ナトリウム等のスルホン化剤を反応さ
せ、必要に応じて塩基性物質で中和することにより化合
物(1d)′が製造される。
【0065】アミン誘導体(9)と酸無水物との反応
は、例えば無水不活性溶媒の存在下、20〜150℃、
好ましくは40〜100℃で、アミン誘導体(9)に対
して、好ましくは1.0〜5.0倍モルの酸無水物を反
応させることにより行うのが好ましい。ここで用いられ
る無水不活性溶媒としては、例えばエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ベンゼン、ピリジン等が挙げられる。この
反応においてはアミン誘導体(9)のヒドロキシル基と
酸無水物が反応し、式(1d)においてY2″が上記式
(15)で示す基である化合物が得られる。
【0066】また、アミン誘導体(9)とジカルボン酸
又はそのエステルとの反応は、例えば、不活性溶媒中、
40〜180℃、好ましくは80〜150℃で、アミン
誘導体(9)に対して、好ましくは2.0〜5.0倍モ
ルのジカルボン酸又はそのエステルを反応させることに
より行うのが好ましい。この反応は、生成してくるアル
コール又は水を除去しながら行うのが好ましい。この反
応で用いる不活性溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、
トルエン、キシレン等を挙げることができる。
【0067】なお、ジカルボン酸エステルにおいて、式
中、R9 及びR10で示されるアルキル基又はアルケニル
基としては、炭素数1〜5のものを挙げることができる
が、これらのなかでも、メチル基、エチル基が好まし
い。
【0068】なお、ここでジカルボン酸エステルを用い
た場合には、一般式(17)で表わされる製造中間体が
得られることになり、次いでこれを例えば含水アルコー
ル中、酸又は塩基触媒下、加水分解することが必要とな
る。
【0069】
【化22】
【0070】〔式中、R11及びR12はR9 又はR10に対
応するアルキル又はアルケニル基を示し、R1 、R2
びX1 は前記と同じ〕
【0071】次に、X1 中に-CH=CH-を有する化合物
(1d)とSO3、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素ナトリ
ウム等のスルホン化剤との反応は、例えば、水中におい
て、30〜100℃、好ましくは40〜80℃で、化合
物(1d)に対して1.0〜6.0倍モル、好ましくは
2.0〜5.0倍モルのSO3、亜硫酸ナトリウムや亜硫
酸水素ナトリウムを、pH4.0〜11.0、好ましくは
5.0〜8.0で反応させることにより行うのが好まし
い。
【0072】得られた化合物(1d)及び(1d)′の
中和反応は前記反応bと同様にして行うことができる。
また、これらの反応においては、前記反応b及び反応c
と同様に一方のアミノ基のみがアミド化された化合物等
が副生するが、反応生成物はそのまま各種の用途に使用
することもできる。しかし、より高純度のものが必要な
場合には、通常の方法、例えば再結晶、カラムクロマト
グラフィー、電気透析等により精製して用いることもで
きる。
【0073】一般式(1)において、n=0の場合に
は、これに4級化剤を反応させることにより、化合物
(1)中の2個の窒素原子が第4級化された化合物(1
f)が得られる。4級化剤としては、スルホン酸基、カ
ルボキシル基もしくはヒドロキシル基が置換していても
よい炭素数1〜6のアルキル(アルケニル)ハライド、
ベンジルハライド、アルキレンオキサイド又はその塩等
が挙げられる。このうち、アルキルハライドがより好ま
しい。ここでアルキル基としてはメチル基、エチル基、
n−プロピル基、n−ブチル基、イソプロピル基等が挙
げられ、ハロゲンとしては塩素、臭素、ヨウ素が挙げら
れる。このうちメチルクロライドが特に好ましい。
【0074】このようにして製造される化合物(1)の
具体例としては、次のものが挙げられる。
【0075】
【化23】
【0076】
【化24】
【0077】
【化25】
【0078】成分(A)のうちアニオン界面活性剤とし
ての(b)アミド化合物は、前記一般式(3)で表わさ
れるものであり、式中、X、Y1 及びY2 は式(1)と
同様の意味を示す。R3 及びR4 で示されるヒドロキシ
ル基で置換していてもよい炭素数1〜24の直鎖又は分
岐鎖のアルキル基及びアルケニル基の具体例としては、
以下のものを挙げることができる。
【0079】直鎖アルキル基としては、例えばメチル、
エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプ
チル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシ
ル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサ
デシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エ
イコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テ
トラコシルなどの基を挙げることができ、分岐鎖アルキ
ル基としては、例えばメチルヘキシル、エチルヘキシ
ル、メチルヘプチル、エチルヘプチル、メチルノニル、
メチルウンデシル、メチルヘプタデシル、ヘキシルデシ
ル、オクチルデシルなどの基を挙げることができる。
【0080】直鎖アルケニル基としては、例えばエテニ
ル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、
ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデ
セニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、
ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オ
クタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘンエイ
コセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニル
などの基を挙げることができ、分岐鎖アルケニル基とし
ては、例えばメチルヘキセニル、エチルヘキセニル、メ
チルヘプテニル、エチルヘプテニル、メチルノネニル、
メチルウンデセニル、メチルヘプタデセニル、ヘキシル
デセニル、オクチルデセニルなどの基を挙げることがで
きる。
【0081】ヒドロキシル基で置換された直鎖又は分岐
鎖のアルキル基としては、ヒドロキシル基の置換位置は
特に限定されず、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシ
エチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒド
ロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシヘプ
チル、ヒドロキシオクチル、ヒドロキシノニル、ヒドロ
キシデシル、ヒドロキシウンデシル、ヒドロキシドデシ
ル、ヒドロキシトリデシル、ヒドロキシテトラデシル、
ヒドロキシペンタデシル、ヒドロキシヘキサデシル、ヒ
ドロキシヘプタデシル、ヒドロキシオクタデシル、ヒド
ロキシノナデシル、ヒドロキシエイコシル、ヒドロキシ
ヘンエイコシル、ヒドロキシドコシル、ヒドロキシトリ
コシル、ヒドロキシテトラコシル、ヒドロキシメチルヘ
キシル、ヒドロキシエチルヘキシル、ヒドロキシメチル
ヘプチル、ヒドロキシエチルヘプチル、ヒドロキシメチ
ルノニル、ヒドロキシメチルウンデシル、ヒドロキシメ
チルヘプタデシル、ヒドロキシヘキシルデシル、ヒドロ
キシオクチルデシルブチルなどの基を挙げることができ
る。
【0082】ヒドロキシル基で置換された直鎖又は分岐
鎖のアルケニル基としては、ヒドロキシル基の置換位置
は特に限定されず、例えばヒドロキシエテニル、ヒドロ
キシプロペニル、ヒドロキシブテニル、ヒドロキシペン
テニル、ヒドロキシヘキセニル、ヒドロキシヘプテニ
ル、ヒドロキシオクテニル、ヒドロキシノネニル、ヒド
ロキシデセニル、ヒドロキシウンデセニル、ヒドロキシ
ドデセニル、ヒドロキシトリデセニル、ヒドロキシテト
ラデセニル、ヒドロキシペンタデセニル、ヒドロキシヘ
キサデセニル、ヒドロキシヘプタデセニル、ヒドロキシ
オクタデセニル、ヒドロキシノナデセニル、ヒドロキシ
エイコセニル、ヒドロキシヘンエイコセニル、ヒドロキ
シドコセニル、ヒドロキシトリコセニル、ヒドロキシテ
トラコセニル、ヒドロキシメチルヘキセニル、ヒドロキ
シエチルヘキセニル、ヒドロキシメチルヘプテニル、ヒ
ドロキシエチルヘプテニル、ヒドロキシメチルノネニ
ル、ヒドロキシメチルウンデセニル、ヒドロキシメチル
ヘプタデセニル、ヒドロキシヘキシルデセニル、ヒドロ
キシオクチルデセニルなどの基を挙げることができる。
【0083】R3 及びR4 としては、これらの中で直鎖
又は分岐鎖の炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニ
ル基が好ましく、特に炭素数6〜12のアルキル基が好
ましい。
【0084】Zで示されるもののうち、アミノ酸もしく
はその塩から1つのアミノ基を除いた基において、アミ
ノ酸の具体例としては、例えばアスパラギン、アスパラ
ギン酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、グリシ
ン、グルタミン、グルタミン酸、シスチン、システイ
ン、セリン、チロシン、トリプトファン、トレオニン、
バリン、ヒスチジン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシ
リシン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン、リ
シン、ロイシン、β−アラニン、タウリン、α−アミノ
酪酸、イソセリン、オルニチン、グルタチオン、グリシ
ルグリシン、γ−アミノ酪酸、ε−アミノカプロン酸、
ラトルリン等を挙げることができる。
【0085】Zとしては、この中でタンパク質を有する
アミノ酸、β−アラニン、タウリンが好ましく、特にタ
ウリンが好ましい。
【0086】式(3)のアミド化合物は、例えば次の反
応e〜反応gに従って製造することができる。
【0087】
【化26】
【0088】〔式中、R3 、R4 及びZは前記と同じ意
味を示し、R3′は水素原子又は炭素数1〜4の直鎖も
しくは分岐鎖のアルキル基を示し、X1′はヒドロキシ
ル基が置換していてもよい直鎖もしくは分岐鎖の炭素数
1〜6のアルキレン基又はアルケニレン基を示し、
2′はヒドロキシル基又は硫酸残基を示す。〕
【0089】すなわち、アミン誘導体(19)にラクト
ン類(20)又はオキシカルボン酸類(21)を反応さ
せ、得られるアミドアルコール(18)に硫酸エステル
化剤を反応させ、所望により塩基性物質で中和すること
により、化合物(3e)又はその塩が製造される。
【0090】アミン誘導体(19)とラクトン類(2
0)又はオキシカルボン酸類(21)との反応は、例え
ば不活性溶媒中又は無溶媒で、好ましくは20〜180
℃、特に好ましくは40〜150℃で、アミン誘導体
(19)に対して、ラクトン類(20)又はオキシカル
ボン酸類(21)を2〜5倍モル反応させることにより
行うのが好ましい。この反応で使用する不活性溶媒とし
ては、非プロトン性の溶媒であれば特に制限されるもの
ではないが、価格や溶解性の点を考慮すると、低級炭化
水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ハロ炭化水素
類などが好ましい。この反応に用いるラクトン類(2
0)及びオキシカルボン酸類(21)としては、安価で
あることから、ラクトン類(20)としてはγ−ラクト
ン、δ−ラクトンなど、オキシカルボン酸類(21)と
してはグリコール酸、乳酸、α−ヒドロキシ酸及びこれ
らのメチルエステル、エチルエステルなどが好ましい。
【0091】このようにして得られたアミドアルコール
(18)と硫酸エステル化剤との反応は、不活性溶媒中
又は無溶媒で、−75〜150℃の温度範囲で行うのが
好ましい。硫酸エステル化剤としてはClSO3H、SO3等が
用いられ、その使用量はアミドアルコール(18)に対
して1〜10倍モル、特に2〜5倍モルとするのが好ま
しい。また、この反応終了後、必要に応じて行う中和反
応では、目的とする中和度に応じて所望量の水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、アルカ
ノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミンなど)、リジン、アルギニ
ン、コリンなどの塩基物質、好ましくは水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物を反応
させることにより行うことができる。
【0092】なお、上記反応中、アミン誘導体(19)
とラクトン類(20)又はオキシカルボン酸類(21)
との反応においては、少量の次式;
【0093】
【化27】
【0094】で表される化合物が副生し、更にアミドア
ルコール(18)と硫酸エステル化剤との反応において
は、次式;
【0095】
【化28】
【0096】で表される化合物が副生する場合がある。
この反応生成物はそのまま各種の用途に使用することも
できるが、より高純度のものが必要な場合には、通常の
方法、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留
等により精製して用いることもできる。
【0097】
【化29】
【0098】〔式中、R3 、R4 、Z及びMは前記と同
じ意味を示し、X2′はヒドロキシル基もしくはカルボ
キシル基が置換していてもよい炭素数2〜4のアルキレ
ン基又はアルケニレン基を示し、R13及びR14は同一又
は異なって水素原子又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分
岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、Y2
はヒドロキシル基又は基-OCO-X2′-COOHを示し、Mは水
素原子又は陽イオン原子を示す。〕
【0099】
【化30】
【0100】〔式中、R3 、R4 、Z及びMは前記と同
じ意味を示し、X3 はヒドロキシル基が置換していても
よい炭素数2〜4のアルケニレン基を示し、X4 はヒド
ロキシル基が置換していてもよく、スルホン酸基が置換
している炭素数2〜4のアルキレン基を示し、
2′′′はヒドロキシル基又は基-OCO-X3-COOHを示
し、Y2′′′′はヒドロキシル基又は基-OCO-X4-COOH
を示す。〕
【0101】すなわち、アミン誘導体(19)に酸無水
物(22)又はジカルボン酸もしくはそのエステル(2
3)を反応させ、エステルを用いた場合は加水分解し、
必要に応じて塩基性物質で中和することにより、アミド
カルボン酸(3f)又はその塩を製造することができ
る。
【0102】また、アミドカルボン酸(3f)のうち、
2′がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数2
〜4のアルケニレン基(X3 )である本発明アミドカル
ボン酸(3g)にスルホン化剤を反応させ、必要に応じ
て塩基性物質で中和することにより本発明アミドスルホ
カルボン酸(3g)′又はその塩を製造することができ
る。
【0103】アミン誘導体(19)と酸無水物(22)
又は(22′)との反応は、例えば無水不活性溶媒の存
在下、20〜150℃、好ましくは40〜100℃で、
アミン誘導体(19)に対して、好ましくは1.0〜
5.0倍モルの酸無水物(22)又は(22′)を反応
させることにより行うのが好ましい。ここで用いられる
無水不活性溶媒としては、例えばエーテル、テトラヒド
ロフラン、ベンゼン、ピリジン等が挙げられる。この反
応においては、アミン誘導体(19)のヒドロキシル基
と酸無水物が反応した化合物も生成する。
【0104】また、アミン誘導体(19)とジカルボン
酸又はそのエステル(23)との反応は、例えば、不活
性溶媒中、40〜180℃、好ましくは80〜150℃
で、アミン誘導体(19)に対して、好ましくは2.0
〜5.0倍モルのジカルボン酸又はそのエステル(2
3)を反応させることにより行うのが好ましい。この反
応は、生成してくるアルコール又は水を除去しながら行
うのが好ましい。この反応で用いる不活性溶媒として
は、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙
げることができる。
【0105】なお、ジカルボン酸エステルにおいて、式
(23)中、R13及びR14で示されるアルキル基又はア
ルケニル基としては、メチル基、エチル基が好ましい。
【0106】なお、ここでジカルボン酸エステルを用い
た場合には、一般式(23)で表される製造中間体が得
られることになり、次いでこれを例えば含水アルコール
中、酸又は塩基触媒下、加水分解することが必要とな
る。
【0107】
【化31】
【0108】〔式中、R3 、R4 、X2′及びZは前記
と同じ意味を示し、R13′及びR14′はそれぞれR13
びR14に対応するアルキル基又はアルケニル基を示
す。〕
【0109】次に、アルケニレン基X3 を有するアミド
カルボン酸(3g)とエステル化剤との反応は、例え
ば、水中において、30〜100℃、好ましくは40〜
80℃で、化合物(3g)に対して1.0〜6.0倍モ
ル、好ましくは2.0〜5.0倍モルのスルホン化剤
を、pH4.0〜11.0、好ましくは5.0〜8.0で
反応させることにより行うのが好ましい。スルホン化剤
としては、SO3、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリ
ウム等が用いられる。
【0110】得られた化合物(3f)、(3g)及び
(3g)′の中和反応は前記反応eと同様にして行うこ
とができる。また、これらの反応においては、前記反応
f及び反応gと同様に一方のアミノ基のみがアミド化さ
れた化合物等が副生するが、反応生成物はそのまま各種
の用途に使用することもできる。しかし、より高純度の
ものが必要な場合には、通常の方法、例えば再結晶、カ
ラムクロマトグラフィー、電気透析等により精製して用
いることもできる。
【0111】このようにして製造される化合物(3)の
具体例としては、次のものが挙げられる。
【0112】
【化32】
【0113】成分(A)のうち、(c)アミン誘導体は
前記一般式(4)で表わされるものであり、式中、
3 、R4 及びZは式(3)と同様の意味を示す。Aで
示されるヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1
〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基としては、例えば
メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチ
レン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、メチル
エチレン基、エチルエチレン基等が挙げられる。このう
ち炭素数1〜4のものが好ましく、炭素数1〜3のもの
がより好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレ
ン基が特に好ましい。
【0114】式(4)のアミン誘導体は例えば以下の反
応hに従って製造することができる。
【0115】
【化33】
【0116】〔式中、R3 、R4 及びZは前記と同じ意
味を示し、X5 はハロゲン原子を示す。〕
【0117】すなわち、アミノアルキルスルホン酸もし
くはアミノ酸又はそれらの塩(25)とエピハロヒドリ
ン(26)とを反応させて得られるハロヒドリン化合物
(27)、又はこれに塩基性化合物を作用させて得られ
るエポキシ化合物(28)と、一級アミン化合物(2
9)とを反応させると、アミン化合物(30)が得られ
る。更に化合物(31)を反応させることにより目的と
する化合物(4h)を製造することができる。
【0118】ハロヒドリン化合物(27)の合成に用い
られるエピハロヒドリン(26)のハロゲン原子、すな
わち式(26)中のX5 としては、塩素、臭素及びヨウ
素が挙げられ、好ましくは塩素である。アミノアルキル
スルホン酸もしくはアミノ酸又はそれらの塩(25)と
エピハロヒドリン(26)との反応は、例えば水もしく
は低級アルコール又はこれらの混合物等の反応に不活性
な溶媒中、好ましくは−20〜100℃、特に好ましく
は0〜60℃で行うことができる。また用いる化合物
(25)とエピハロヒドロリン(26)の量比は適宜設
定することができるが、エピハロヒドリン(26)を化
合物(25)に対して2〜5倍モル使用するのが好まし
い。
【0119】得られたハロヒドリン化合物(27)は、
塩基性化合物を作用させることによりエポキシ化合物
(28)とすることができるが、かかる塩基性化合物と
しては、例えばアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭
酸塩、アミン類等が好ましく、特に水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムが好ましい。ハロヒドリン化合物(2
7)と塩基性化合物との反応は、例えば水もしくは低級
アルコール又はこれらの混合物等の反応に不活性な溶媒
中、好ましくは0〜80℃、特に好ましくは20〜60
℃で行うことができる。また用いるハロヒドリン化合物
(27)と塩基性化合物の量比は適宜設定することがで
きるが、塩基性化合物をハロヒドリン化合物(27)に
対して2〜5倍モル使用するのが好ましい。
【0120】次に、得られたハロヒドリン化合物(2
7)又はエポキシ化合物(28)とアミン化合物(2
9)との反応は、例えば水、低級アルコール、エーテル
もしくは芳香族炭化水素又はこれらの混合物等の反応に
不活性な溶媒中、好ましくは40〜150℃、特に好ま
しくは70〜120℃で行うことができる。また、用い
る各化合物の量比は適宜設定することができるが、一般
にはアミン化合物(29)をハロヒドリン化合物(2
7)又はエポキシ化合物(28)に対して2〜20倍モ
ル、特に2〜10倍モル使用するのが好ましい。
【0121】上記のようにして得られたアミン化合物
(30)と、化合物(31)の反応は例えば水又は低級
アルコールなど反応に不活性な溶媒中、好ましくは40
〜150℃、特に好ましくは70〜100℃で行うこと
ができる。反応に使用する化合物の量比は、適宜設定す
ることができるが、一般には、アミン化合物に対して2
〜20倍モル、特に2〜10倍モル使用するのが好まし
い。
【0122】このような反応により、本発明で用いる化
合物(4h)を得ることができるが、反応条件等によっ
ては、この他にアミンと酸の塩、無機塩、未反応の各化
合物やその塩も各反応において二箇所ある反応点の一方
だけが反応した下記式(32)で示す副生物等が副生、
残存することがある。
【0123】
【化34】
【0124】本発明においては、反応生成物をそのまま
使用することも可能であるが、必要に応じて、溶媒分別
法、透析法、再結晶法、蒸留法、分配クロマトグラフィ
ー法、ゲル濾過法など公知の方法により更に精製処理し
たものを用いることもできる。
【0125】このようにして製造される化合物(4)の
具体例としては、次のものが挙げられる。
【0126】
【化35】
【0127】成分(A)の界面活性剤としては、これら
(a)、(b)及び(c)から選ばれる1種又は2種以
上を用いることができ、本発明の洗浄剤組成物中に1〜
90重量%配合するのが好ましく、特に1〜80重量
%、更に1〜50重量%配合すると単鎖型活性剤のぬる
つきやきしみが改善されるので好ましい。
【0128】本発明で用いられる成分(B)の単鎖型界
面活性剤は式(5)で表わされるアニオン性、ノニオン
性又は両性の界面活性剤であり、具体的には次に示すも
のが挙げられる。
【0129】単鎖型アニオン性界面活性剤としては、次
に示すものが挙げられる。 (1)平均炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル
基を有するアルキル又はアルケニル硫酸塩系界面活性
剤。
【0130】(2)平均炭素数8〜20の直鎖又は分岐
鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、1分子内に平
均0.5〜8モルのエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイド、エチレンオキサイドと
プロピレンオキサイドが0.1/9.9〜9.9/0.
1の比で、あるいはエチレンオキサイドとブチレンオキ
サイドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加し
たアルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩系界面活性
剤。
【0131】(3)平均炭素数8〜16のアルキル基を
有する、直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸
塩系界面活性剤。
【0132】(4)炭素数8〜24の脂肪酸残基を有す
るイセチオン酸エステル系界面活性剤。
【0133】(5)炭素数8〜22の高級アルコール若
しくはそのエトキシレートなどのスルホコハク酸エステ
ル又は高級脂肪酸アミド由来のスルホコハク酸エステル
系界面活性剤。
【0134】(6)炭素数8〜24のアルキル基又はア
ルケニル基、又はそのエトキシレートを有するリン酸モ
ノ又はジエステル系界面活性剤。
【0135】(7)平均炭素数8〜20の直鎖又は分岐
鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、1分子内に平
均0.5〜8モルのエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイド、エチレンオキサイドと
プロピレンオキサイドが0.1/9.9〜9.9/0.
1の比で、あるいはエチレンオキサイドとブチレンオキ
サイドが0.1/9.9〜9.9/0.1の比で付加し
たアルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩系界面
活性剤。
【0136】(8)平均8〜20の炭素原子からなるア
ルキル基又はアルケニル基を有するα−スルホン脂肪酸
塩又はエステル系界面活性剤。
【0137】(9)炭素数8〜24のアシル基及び遊離
カルボン酸残基又はスルホン酸残基を有するN−アシル
化アミノ酸系界面活性剤。
【0138】(10)炭素数8〜20のアルキル基又はア
ルケニル基を有するN−アルキルアルキレンアミド硫酸
塩系界面活性剤。
【0139】これらの単鎖型アニオン性界面活性剤のう
ち、特に(1)アルキル硫酸塩系界面活性剤、(2)ア
ルキルエーテル硫酸塩系界面活性剤、(3)リン酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナト
リウム、ラウリルリン酸などを使用することが好まし
い。
【0140】単鎖型ノニオン性界面活性剤としては、次
のものが挙げられる。
【0141】(1)平均炭素数8〜24の直鎖又は分岐
鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイド
を付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル又は
ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル。
【0142】(2)炭素数8〜20の高級脂肪酸ショ糖
エステル。
【0143】(3)炭素数8〜20のアシル基を有する
ポリグリセリン脂肪酸エステル。
【0144】(4)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
【0145】(5)炭素数8〜20のアシル基を有する
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
【0146】(6)炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖の
アルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基を有
するアルキルサッカライド系界面活性剤。
【0147】これらの単鎖型ノニオン性界面活性剤のう
ち、特に(5)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、(6)のアルキルサッカライド系界面活性剤が
好ましく、更にモノオレイン酸ポリオキシエチレンソル
ビタン(20E.O.)、デシルポリグルコシド等が好
ましい。
【0148】単鎖型両性界面活性剤としては、次のもの
が挙げられる。
【0149】(1)炭素数8〜24のアルキル基、アル
ケニル基若しくはアシル基を有するα位付加型、2級ア
ミド若しくは3級アミド型のイミダゾリン系両性界面活
性剤。
【0150】(2)炭素数6〜24のアルキル基、アル
ケニル基若しくはアシル基を有するカルボベタイン系、
スルホベタイン系若しくはアミドスルホベタイン系両性
界面活性剤。
【0151】これらの単鎖型両性界面活性剤のうち、特
に2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキ
シエチルイミダゾリニウムベタインなどを用いることが
好ましい。
【0152】成分(B)の単鎖型界面活性剤は、1種又
は2種以上を組合わせて用いることができ、本発明の身
体用洗浄剤組成物に、0.1〜50重量%配合するのが
好ましく、特に0.1〜30重量%、更に0.1〜20
重量%配合すると、起泡性及び洗浄性が高くなるので好
ましい。また、成分(A)と成分(B)とは重量比で1
/1〜100/1、特に1/1〜10/1、更に1/1
〜5/1とすることが好ましい。
【0153】本発明の身体用洗浄剤組成物には、上記必
須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲内におい
て、従来のシャンプー、身体洗浄剤などの洗浄剤中に用
いられている成分を必要に応じて併用することができ
る。このような併用成分としては、パール化剤、乳化
剤、香料、色素、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤及び抗フ
ケ剤、殺菌剤、消炎剤、ビタミン類の薬効剤、紫外線吸
収剤等があり、その他「Encyclopedia o
f Shampoo Ingredients(Mic
elle press,1985年)」に収載されてい
る成分などを添加することもできる。
【0154】本発明の身体用洗浄剤組成物は、通常の方
法に従って製造することができ、例えば、シャンプー、
リンスインシャンプー、ボディシャンプー、洗顔料、ハ
ンドウォッシュ、歯磨等の頭髪、皮膚、口腔内などの各
種身体用洗浄剤に幅広く適用することができる。
【0155】
【発明の効果】本発明の身体用洗浄剤組成物は、頭髪、
皮膚等に対して低刺激性であり、且つ高起泡性、高洗浄
性を有し、使用時及びすすぎ時のぬるつきやきしみが改
善される。
【0156】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例の説明に先立ち、各実施例で使用する成分(A)
の合成例について説明する。なお、合成例1〜22は式
(1)で表わされる2−ヒドロキシプロパンジアミン誘
導体、その塩又はその4級化物の合成例を、合成例23
〜27は式(3)で表わされるアニオン界面活性剤の合
成例を、合成例28〜32は式(4)で表わされる両性
界面活性剤の合成例を示す。
【0157】合成例1 反応容器にビス−(1,3−デシルアミノ)プロパン−
2−オール40.2g(0.108モル)、エタノール
260g、水100gを入れ、50℃に昇温した。これ
に、モノクロロ酢酸ナトリウム50.3g(0.432
モル)を100gのエタノール70gの水に溶解させた
溶液を加え、水酸化ナトリウム水溶液でpHを8〜10に
保ちながら還流下20時間反応させた。反応終了後、溶
媒を留去しクロロホルムに溶解し、不溶の未反応のモノ
クロロ酢酸ナトリウム、副生する塩化ナトリウム等の塩
類を除いた。この後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより、薄層クロマトグラフィーで単一のスポット
を与えるまで精製し、2,6−ジデシル−4−ヒドロキ
シ−2,6−ジアザ−1,7−ヘプタンジカルボン酸2
3gを白色粉末として得た(単離収率44%)。
【0158】このものは、HPLC(カラム:RP−1
8(メルク社製))、溶離液メタノール/H2O=80/
20測定に於いて単一のピークを与えた。以下に1H−
NMRデータを示す。
【0159】
【化36】
【0160】合成例2 反応容器にビス−(1,3−オクチルアミノ)プロパン
−2−オール40g(0.13モル)、エタノール15
0g、水70gを入れ50℃に昇温した。これにモノク
ロロ酢酸ナトリウム52g(0.44モル)を100g
のエタノール及び70gの水に溶解させた溶液を加え、
水酸化ナトリウム水溶液でpHを8〜10に保ちながら還
流下26時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、
クロロホルムに溶解し、不溶の未反応のモノクロロ酢酸
ナトリウム、副生する塩化ナトリウム等の塩類を除い
た。この後シリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り、薄層クロマトグラフィーで単一のスポットを与える
まで精製し、2,6−ジオクチル−4−ヒドロキシ−
2,6−ジアザ−1,7−ヘプタンジカルボン酸19g
(単離収率34%)を白色粉末として得た。
【0161】このものは、HPLC(カラム:RP−1
8(メルク社製))、溶離液メタノール/H2O=80/
20測定に於いて単一のピークを与えた。以下に1H−
NMRデータを示す。
【0162】
【化37】
【0163】合成例3 反応容器にビス−(1,3−デシルアミノ)プロパン−
2−オール31.8g(0.086モル)、エタノール
244g、水51gを入れ、75℃に昇温した。これに
ソジウム3−クロロ−2−ヒドロキシプロパン−1−ス
ルホネート76.7g(0.390モル)を361gの
水に溶解させた溶液を加え、水酸化ナトリウム水溶液で
pHを8〜10に保ちながら、75℃を20時間維持し
た。反応終了後、溶媒を減圧下留去し、水−エタノール
より結晶化し、これをアセトンで洗浄し、電気透析にて
脱塩し、凍結乾燥することにより、4,8−ジデシル−
2,6,10−トリヒドロキシ−4,8−ジアザ−1,
11−ウンデカンジスルホン酸37.3g(0.057
モル)を白色粉末として得た。
【0164】このものは、HPLC(カラム:RP−1
8(メルク社製));溶離液;メタノール/水=80/
20測定に於いて、単一のピークを与えた。以下に1
−NMRデータを示す(なお、a−iは、それぞれのシ
グナルをもたらす下記化学式中の部位を示す)。
【0165】
【化38】
【0166】合成例4 3,7−ジドデシル−3,7−ジアザ−1,5,9−ノ
ナントリオールの製造:容量1リットルのオートクレー
ブに、15−ヒドロキシ−13,17−ジアザノナコサ
ン50.2g(0.12モル)及びキシレン500mlを
入れ、155℃に昇温した。これにエチレンオキシド2
2g(0.5モル)を注入し、155℃で6時間保持し
て反応させた。反応終了後、溶媒を減圧下で留去し、標
記化合物60g(収率99%)を粘稠な液体として得
た。
【0167】質量分析(FABイオン化法) m/z=515(M+H)+ (M=C3166
32 ),1 H−NMR(CDCl3 ):δ(ppm), 0.85(三重線,6H,a), 1.21(幅広い一重線,36H,b), 1.45(五重線,4H,c), 2.41〜2.70(複雑な多重線,12H,d.e.
g), 3.57(三重線,4H,h), 3.75(五重線,1H,f),
【0168】
【化39】
【0169】合成例5 3,7−ジドデシル−5−ヒドロキシ−3,7−ジアザ
−1,9−ノナンジサルフェートの製造:反応容器に合
成例4で得た3,7−ジドデシル−3,7−ジアザ−
1,5,9−ノナントリオール18g(0.035モ
ル)及びジクロロメタン135mlを入れ、窒素気流下、
氷冷しながらクロロスルホン酸5.1ml(0.077モ
ル)を滴下した。その後、徐々に室温まで戻し、窒素を
用いて発生する塩酸及びジクロロメタンを除去した。残
渣にn−ブタノールを加えて溶解し、水洗後、減圧下で
溶媒を留去して24.8gの固体を得た。次に、この固
体を水に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて
pH7に調整した。その後、脱塩装置(マイクロアシライ
ザーG3,旭化成社製)により脱塩し、更にそれを凍結
乾燥機により乾燥し、標記化合物17.2g(収率85
%)を白色粉末として得た。
【0170】この化合物は薄層クロマトグラフィー(展
開溶媒:クロロホルム/メタノール=3/1)により単
一スポット(Rf=0.5)であることを確認した。ま
た、この化合物の1H−NMR(溶媒:CDCl3 )チ
ャートを図1に示す。更に、この化合物のIRスペクト
ルは次のとおりであった。
【0171】IR(KBr錠剤法,cm-1):3600〜
3200(νO-H )、1390、1192(νS=O
【0172】合成例6 ソディウム3,7−ジドデシル−3,7−ジアザ−1,
5,9−ノナントリサルフェートの製造:反応容器に合
成例4で得た3,7−ジドデシル−3,7−ジアザ−
1,5,9−ノナントリオール18g(0.035モ
ル)及びジクロロメタン150mlを入れ、窒素気流下、
氷冷しながらクロロスルホン酸7.7ml(0.115モ
ル)を滴下した。その後、徐々に室温まで戻し、窒素を
用いて発生する塩酸及びジクロロメタンを除去した。残
渣に水を加えて溶解し、更に1N水酸化ナトリウム水溶
液を用いてpH7に調整した。その後、脱塩装置(マイク
ロアシライザーG3,旭化成社製)により脱塩し、更に
それを凍結乾燥機により乾燥し、標記化合物26.7g
(収率97%)を白色粉末として得た。
【0173】この化合物は薄層クロマトグラフィー(展
開溶媒:クロロホルム/メタノール=1/1)による測
定の結果、単一スポット(Rf=0.3)であることを
確認した。また、この化合物の1H−NMR(溶媒:D2
O)チャートを図2に示す。更に、この化合物のIRス
ペクトルは次のとおりであった。
【0174】IR(KBr錠剤法,cm-1):1390、
1186(νS=O
【0175】合成例7 5,9−ジドデシル−4,10−ジオキソ−5,9−ジ
アザ−1,7,13−トリデカントリオールの製造:反
応容器に、15−ヒドロキシ−13,17−ジアザノナ
コサン9.5g(0.02モル)及びγ−ブチロラクト
ン11.7g(0.13モル)を入れ、160℃に昇温
し、この温度で5時間保持して反応させた。反応終了
後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル500g,
展開溶媒:クロロホルム/メタノール=97/3)によ
り精製し、標記化合物6g(収率45%)を粘稠な液体
として得た。
【0176】質量分析(FABイオン化法) m/z=600(M+H)+ (M=C3570521 H−NMR(CDCl3 ):δ(ppm) 0.87(三重線,6H,a), 1.23(幅広い一重線,36H,b), 1.53(五重線,4H,c), 1.85(五重線,4H,h), 2.40〜2.52(幅広い多重線,4H,g), 3.28〜3.40(幅広い多重線,8H,d.e), 3.65(三重線,4H,i), 4.03(幅広い多重線,1H,f)
【0177】
【化40】
【0178】合成例8 ジソディウム5,9−ジドデシル−7−ヒドロキシ−
4,10−ジオキソ−5,9−ジアザ−1,13−トリ
デカンジサルフェートの製造:反応容器に合成例7で得
た5,9−ジドデシル−4,10−ジオキソ−5,9−
ジアザ−1,7,13−トリデカントリオール6g
(0.01モル)、ピリジン4.5g(0.06モル)
及びジクロロメタン50mlを入れ、窒素気流下、氷冷し
ながらクロロスルホン酸3ml(0.02モル)を滴下し
た。その後、0〜5℃を維持し、4時間攪拌を続けた。
反応終了後、ナトリウムメチラート(28%メタノール
溶液)11g(0.06モル)により処理した。次に、
溶媒を減圧下留去して、残渣を水に溶解し、電気透析に
より脱塩処理した。この水溶液を凍結乾燥することによ
り、標記化合物3.3g(収率41%)を白色粉末とし
て得た。
【0179】この化合物は薄層クロマトグラフィー(展
開溶媒:クロロホルム/メタノール=2/1)による測
定の結果、単一スポット(Rf=0.3)であることを
確認した。また、この化合物の1H−NMR(溶媒:C
DCl3)チャートを図3に示す。更に、この化合物の
IRスペクトルは次のとおりであった。
【0180】IR(KBr錠剤法,cm-1):3620
〜3300(νO-H )、1690、(νC=O )、139
2、1188(νS=O
【0181】合成例9 3,7−ジドデシル−2,8−ジオキソ−3,7−ジア
ザ−1,5,9−ノナントリオールの製造:反応容器に
15−ヒドロキシ−13,17−ジアザノナコサン1
0.7g(0.03モル)、トルエン50ml及びグリコ
ール酸エチル7.1ml(0.07モル)を入れ、100
℃に昇温し、窒素気流により生成するエタノールを追い
出しながら、7.5時間攪拌を続けた。反応終了後、減
圧下溶媒を留去して、残渣をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル200g,展開溶媒:クロロホルム/メタ
ノール=100/1)により精製し、標記化合物13g
(収率96%)を粘稠な液体として得た。
【0182】質量分析(FABイオン化法) m/z=543(M+H)+ (M=C3162521 H−NMR(CDCl3 ):δ(ppm) 0.82(三重線,6H,a), 1.28(幅広い一重線,36H,b), 1.49〜1.60(幅広い多重線,4H,c), 3.18(三重線,4H,d), 3.48(多重線,4H,e), 4.05(幅広い多重線,1H,f), 4.20(一重線,4H,g)
【0183】
【化41】
【0184】合成例10 ジソディウム3,7−ジドデシル−5−ヒドロキシ−
2,8−ジオキソ−3,7−ジアザ−1,9−ノナンジ
サルフェートの製造:反応容器に合成例9で得た3,7
−ジドデシル−2,8−ジオキソ−3,7−ジアザ−
1,5,9−ノナントリオール10.8g(0.02モ
ル)及びジクロロメタン50mlを入れ、窒素気流下、氷
冷しながらクロロスルホン酸3ml(0.04モル)を2
0分かけて滴下した。その後、徐々に室温に戻し、窒素
気流により発生する塩酸及びジクロロメタンを除去し
た。残渣に水を加えて溶解し、1N水酸化ナトリウム水
溶液によりpHを7に調整した。この水溶液を電気透析に
より脱塩処理したのち、凍結乾燥することにより、標記
化合物11.8g(収率79%)を白色粉末として得
た。
【0185】この化合物は薄層クロマトグラフィー(展
開溶媒:クロロホルム/メタノール=3/1)による測
定の結果、単一スポット(Rf=0.2)であることを
確認した。また、この化合物の1H−NMR(溶媒:D2
O)チャートを図4に示す。更に、この化合物のIRス
ペクトルは次のとおりであった。
【0186】IR(KBr錠剤法,cm-1):3600
〜3200(νO-H )、1658(νC=O )、138
5、1195(νS=O
【0187】合成例11 トリソディウム3,7−ジドデシル−2,8−ジオキソ
−3,7−ジアザ−1,5,9−ノナントリサルフェー
トの製造:反応容器に合成例9で得た3,7−ジドデシ
ル−2,8−ジオキソ−3,7−ジアザ−1,5,9−
ノナントリオール28g(0.05モル)及びジクロロ
メタン100mlを入れ、窒素気流下、氷冷しながらクロ
ロスルホン酸11ml(0.16モル)を滴下した。その
後、徐々に室温に戻し、窒素気流により発生する塩酸及
びジクロロメタンを除去した。残渣に水を加えて溶解
し、1N水酸化ナトリウム水溶液によりpHを7に調整し
た。この水溶液を電気透析により脱塩処理したのち、凍
結乾燥することにより、標記化合物28g(収率66
%)を白色粉末として得た。
【0188】この化合物は薄層クロマトグラフィー(展
開溶媒:クロロホルム/メタノール=1/1)による測
定の結果、単一スポット(Rf=0.3)であることを
確認した。また、この化合物の1H−NMR(溶媒:D2
O)チャートを図5に示す。更に、この化合物のIRス
ペクトルは次のとおりであった。
【0189】IR(KBr錠剤法,cm-1):139
0、1185(νS=O )、1660(νC=O
【0190】合成例12 反応容器に、ビス−(1,3−デシルアミノ)プロパン
−2−オール22.2g(0.06モル)、無水コハク
酸13.2g(0.12モル)及び無水エーテル300
mlを入れ、5時間還流した。反応終了後、エーテルを減
圧下留去することにより、4,8−ジデシル−3,9−
ジオキソ−6−ヒドロキシ−4,8−ジアザ−1,11
−ウンデカンジカルボン酸34g(0.06モル)をガ
ラス状固体として得た。
【0191】本化合物を水酸化ナトリウムによりpH10
に調整したものは、HPLC測定において(カラム:R
P−18(メルク社製))、溶離液メタノール/水=8
0/20測定に於いて単一ピークを与えた。以下に、1
H−NMRデータを示す。
【0192】1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)
TMS基準 0.88(三重線,6H,a), 1.26(幅広い一重線,28H,b), 1.47(幅広い一重線,4H,c), 2.64(複雑な多重線,8H,g.h), 3.3〜3.9(複雑な多重線,9H,d.e.f)
【0193】
【化42】
【0194】合成例13 反応容器に、ビス−(1,3−デシルアミノ)プロパン
−2−オール17.04g(0.04モル)、無水マレ
イン酸7.8g(0.08モル)及び無水エーテル20
0mlを入れ、3時間還流した。反応終了後、減圧下、エ
ーテルを留去し、4,8−ジドデシル−3,9−ジオキ
ソ−6−ヒドロキシ−4,8−ジアザ−1,10−ウン
デケン−1,11−ジカルボン酸25g(0.04モ
ル)をガラス状固体として得た。
【0195】本化合物を水酸化ナトリウムによりpH7に
調整したものは、HPLC測定において(カラム:RP
−18(メルク社製)),溶離液メタノール/水=75
/25測定に於いて単一ピークを与えた。以下に、1
−NMRデータを示す。
【0196】1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)
TMS基準 0.89(三重線,6H,a), 1.27(幅広い一重線,36H,b), 1.56(幅広い一重線,4H,c), 3.25〜3.58(複雑な多重線,8H,d.e), 3.8〜3.95(複雑な多重線,1H,f), 6.1〜6.65(複雑な多重線,4H,g.h)
【0197】
【化43】
【0198】合成例14 反応容器にビス−(1,3−ドデシルアミノ)プロパン
−2−オール10.65g(0.025モル)、トルエ
ン100ml及び酒石酸ジエチル17.1ml(0.1モ
ル)を入れ、80℃で、生成してくるエタノールを除去
しながら20時間反応させた。反応終了後、水洗により
過剰の酒石酸ジエチルを除去し、トルエン層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。その後、減圧下において乾固す
ることにより、4,8−ジドデシル−3,9−ジオキソ
−1,2,6,10,11−ペンタヒドロキシ−4,8
−ジアザ−1,11−ウンデカンジカルボン酸エチル1
8g(0.024モル)(97%)を粘稠な液体として
得た。以下に、1H−NMRデータを示す。
【0199】1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)
TMS基準 0.89(三重線,6H,a), 1.2〜1.3(複雑な多重線,42H,b.j), 1.63(幅広い一重線,4H,c), 3.52(幅広い一重線,8H,d.e), 3.7〜4.1(複雑な多重線,5H,i.f), 4.6〜4.85(複雑な多重線,4H,g.h)
【0200】
【化44】
【0201】合成例15 合成例14で得た4,8−ジドデシル−3,9−ジオキ
ソ−1,2,6,10,11−ペンタヒドロキシ−4,
8−ジアザ−1,11−ウンデカンジカルボン酸エチル
を水−エタノール(1:1)50mlに溶解し、水酸化ナ
トリウム2g(0.05モル)を加えて、60℃で10
時間攪拌した。反応終了後、混合液中のエタノールを減
圧下留去し、水溶液を凍結乾燥することにより、4,8
−ジドデシル−3,9−ジオキソ−1,2,6,10,
11−ペンタヒドロキシ−4,8−ジアザ−1,11−
ウンデカンジカルボン酸ナトリウム(定量的)を白色粉
末として得た。
【0202】この化合物はIRスペクトル(KBr錠剤
法)において、3000−3700cm-1(νO-H)、1
500−1800cm-1(νC=O)に吸収が認められた。
【0203】合成例16 反応容器にビス−(1,3−ドデシルアミノ)プロパン
−2−オール12.78g(0.03モル)、トルエン
100ml及びクエン酸トリエチル30ml(0.12モ
ル)を入れ、100℃で、生成してくるエタノールを除
去しながら25時間反応させた。反応終了後、トルエン
を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにより精製し、5,9−ジドデシル−4,10−
ジオキソ−2,7,12−トリヒドロキシ−5,9−ジ
アザ−1,2,12,13−トリデカンテトラカルボン
酸エチル25g(0.028モル)を白色粉末として得
た。以下に、1H−NMRデータを示す。
【0204】1H−NMR(CDCl3 ):δ(pp
m)TMS基準 0.9(三重線,6H,a), 1.3(複雑な多重線,48H,b.j), 1.65(幅広い一重線,4H,c), 2.7〜2.9(複雑な多重線,8H,g.h), 3.45(幅広い一重線,8H,d.e), 3.85〜4.3(複雑な多重線,9H,i.f)
【0205】
【化45】
【0206】合成例17 合成例16で得た5,9−ジドデシル−4,10−ジオ
キソ−2,7,12−トリヒドロキシ−5,9−ジアザ
−1,2,12,13−トリデカンテトラカルボン酸エ
チル22g(0.025モル)を水−エタノール(1:
1)50mlに溶解し、水酸化ナトリウム2g(0.05
モル)を加えて、60℃で5時間攪拌した。反応終了
後、混合液中のエタノールを減圧下留去し、水溶液に水
酸化ナトリウム2gを更に加え、凍結乾燥することによ
り、5,9−ジドデシル−4,10−ジオキソ−2,
7,12−トリヒドロキシ−5,9−ジアザ−1,2,
12,13−トリデカンテトラカルボン酸ナトリウム
(定量的)を白色粉末として得た。
【0207】この化合物はIRスペクトル(KBr錠剤
法)において、3000−3700cm-1(νO-H)、1
500−1800cm-1(νC=O)に吸収が認められた。
【0208】合成例18 反応容器に、合成例13で得た4,8−ジドデシル−
3,9−ジオキソ−6−ヒドロキシ−4,8−ジアザ−
1,10−ウンデケン−1,11−ジカルボン酸21.
8g(0.035モル)と亜硫酸ナトリウム9.7g
(0.077モル)の水溶液70mlを加え、反応混合物
中のpHを5〜6に保ち、60℃で2時間攪拌した。反応
終了後、反応液を1N水酸化ナトリウム水溶液でpH7に
調整し、電気透析により過剰の亜硫酸ナトリウムを除去
した。その後、凍結乾燥処理し、4,8−ジドデシル−
3,9−ジオキソ−6−ヒドロキシ−1,11−ジカル
ボキシ−4,8−ジアザ−1,11−ウンデカンジスル
ホン酸ナトリウム30gを白色粉末として得た。この化
合物を1N塩酸で処理して得られた下記式
【0209】
【化46】
【0210】で示される4,8−ジドデシル−3,9−
ジオキソ−6−ヒドロキシ−1,11−ジカルボキシ−
4,8−ジアザ−1,11−ウンデカンジスルホン酸
は、質量分析(FABイオン化法)の結果、m/z=7
83(M+H)のピークを示した。また、その1H−N
MRの結果は次のとおりである。
【0211】1H−NMR(CDCl3 ):δ(pp
m)TMS基準 0.88(三重線,6H,a), 1.26(幅広い一重線,36H,b), 1.54(幅広い一重線,4H,c), 2.74(複雑な多重線,2H,g), 3.25〜3.9(複雑な多重線,11H,d.e.
f.h)
【0212】合成例19 反応容器に9−ヒドロキシ−7,11−ジアザ−トリコ
サン20g(0.058モル)、無水コハク酸13g
(0.130モル)及び無水エーテル300mlを入れ、
5時間還流した。反応終了後、不溶の過剰無水コハク酸
を濾過で除き、エーテル層を水洗した。エーテルを減圧
下、留去することにより、粘稠な透明液体の4−ドデシ
ル−8−ヘキシル−3,9−ジオキソ−6−ヒドロキシ
−4,8−ジアザ−1,11−ウンデカンジカルボン酸
30g(0.055モル)を得た。
【0213】本化合物を水酸化ナトリウムによりpH10
に調整したものは、HPLC測定において(カラム:R
P−18(メルク社製)),溶離液メタノール/水=8
0/20測定に於いて単一ピークを与えた。以下に1
−NMRデータを示す。
【0214】1H−NMR(CDCl3 ):δ(pp
m)TMS基準 0.89(三重線,6H,a), 1.26(幅広い一重線,24H,b), 1.43(幅広い一重線,4H,c), 2.60(複雑な多重線,8H,g.h), 3.29〜3.87(複雑な多重線,9H,d.e.
f)
【0215】
【化47】
【0216】合成例20 反応容器にビス−(1,3−ドデシルアミノ)プロパン
−2−オール21.3g(0.05モル)、無水コハク
酸16.5g(0.15モル)及び無水エーテル300
mlを入れ、5時間還流した。反応終了後、エーテルを減
圧下留去することにより、6−(3−カルボヒドロキシ
−プロパノキシ)−4,8−ジドデシル−3,9−ジオ
キソ−4,8−ジアザ−1,11−ウンデカンジカルボ
ン酸37.8g(定量的)を得た。
【0217】本化合物はHPLC測定(カラム:RP−
18(メルク社製)),溶離液メタノール/水=90/
10,50mM酢酸アンモニウム測定に於いて単一ピーク
を与えた。
【0218】1H−NMR(CDCl3 ):δ(pp
m)TMS基準 0.89(三重線,6H,a), 1.28(幅広い一重線,24H,b), 1.55(幅広い一重線,4H,c), 2.24〜2.82(複雑な多重線,12H,g.
h), 2.90〜3.83(複雑な多重線,9H,d.e.
f)
【0219】
【化48】
【0220】IR(KBr):3560,2940,2
860,1730,1630,1560cm-1
【0221】合成例21 反応容器にビス−(1,3−デシルアミノ)プロパン−
2−オール40.2g(0.108モル)、エタノール
260g、水100gを入れ、50℃に昇温した。これ
に、モノクロロ酢酸ナトリウム62.9g(0.540
モル)をイソプロパノール150gと水100gに溶解
させた溶液を加え、pHを8〜10に保ちながら、還流下
30時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去しクロロ
ホルムに溶解し、不溶の未反応モノクロロ酢酸ナトリウ
ム、副生する塩化ナトリウム等の塩類を除いた。この
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、薄層
クロマトグラフィーで単一のスポットを与えるまで精製
し、2,6−ジデシル−4−ヒドロキシ−2,6−ジア
ザ−1,1,7,7−ヘプタンテトラカルボン酸20g
を白色粉末として得た(単離収率31%)。このもの
は、HPLC(カラム:RP−18(メルク社製))、
溶離液メタノール/水=80/20測定に於いて単一の
ピークを与えた。以下に1H−NMRデータを示す。
【0222】1H−NMR(D2O):δ(ppm)D2
O基準(4.75) 0.82(三重線,6H,a), 1.24(幅広い一重線,28H,b), 1.57(幅広い一重線,4H,c), 2.99〜3.32(複雑な多重線,8H,d), 3.58(幅広い一重線,8H,f), 4.02(幅広い一重線,1H,e)
【0223】
【化49】
【0224】合成例22 反応容器に合成例2で得た2,6−ジオクチル−4−ヒ
ドロキシ−2,6−ジアザ−1,7−ヘプタンジカルボ
ン酸10g(0.023モル)及びメタノール20gを
入れ、50℃に昇温した。これにヨウ化メチル8.4g
(0.06モル)を加え、60℃で14時間反応させ
た。反応終了後、溶媒を留去し、電気透析にて脱塩し、
凍結乾燥することにより、2,6−ジメチル−2,6−
ジオクチル−4−ヒドロキシ−2,6−ジアザ−1,7
−ヘプタンジカルボン酸9.5gを(単離収率90%)
白色粉末として得た。以下に1H−NMRデータを示
す。
【0225】1H−NMR(D2O):δ(ppm)D2
O基準(4.75) 0.82(三重線,6H,a), 1.22(幅広い一重線,20H,b), 1.59(幅広い一重線,4H,c), 3.02(一重線,6H,e), 3.05〜3.30(複雑な多重線,8H,d), 3.94(一重線,4H,f), 4.11(幅広い一重線,1H,g),
【0226】
【化50】
【0227】合成例23 反応容器に、11,15−ジヒドロキシ−13−スルホ
エチル−9,13,17−トリアザペンタコサン27g
(0.05モル)及びキシレン100gを入れた後、攪
拌しながら、無水コハク酸12g(0.12モル)を加
え、50℃で6時間反応させた。キシレンを減圧下にて
留去した後、水を300ml加え、更に10%水酸化ナト
リウムを加えてpH7にした。その後、電気透析を行い、
凍結乾燥して、6,10−ジヒドロキシ−4,12−ジ
オクチル−3,13−ジオキソ−8−スルホエチル−
4,8,12−トリアザ−1,15−ペンタデカンジカ
ルボン酸28g(単離収率76%)を白色結晶として得
た。以下に1H−NMRデータを示す。
【0228】
【化51】
【0229】また水中で上記化合物を分散し、これに同
当量の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、凍結乾燥によ
り対応するナトリウム塩を得た。
【0230】合成例24 反応容器に、11,15−ジヒドロキシ−13−スルホ
エチル−9,13,17−トリアザペンタコサン20g
(0.04モル)及びキシレン100gを入れた後、攪
拌しながら、無水マレイン酸10g(0.1モル)を加
え、50℃で6時間反応させた。キシレンを減圧下にて
留去した後、水を300ml加え、更に10%水酸化ナト
リウムを加えてpH7にした。その後、電気透析を行い凍
結乾燥して、6,10−ジヒドロキシ−4,12−ジオ
クチル−3,13−ジオキソ−8−スルホエチル−4,
8,12−トリアザ−1,14−ペンタデカジエン−
1,15−ジカルボン酸22g(単離収率80%)を白
色粉末として得た。以下に1H−NMRデータを示す。
【0231】
【化52】
【0232】また、水中で上記化合物を分散し、これに
同当量の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、凍結乾燥に
より対応するナトリウム塩を得た。
【0233】合成例25 反応容器に、実施例2で得た6,10−ジヒドロキシ−
4,12−ジオクチル−3,13−ジオキソ−8−スル
ホエチル−4,8,12−トリアザ−1,14−ペンタ
デカジエン−1,15−ジカルボン酸20g(0.02
9モル)と亜硫酸ナトリウム8g(0.064モル)の
水溶液70mlを加え、反応混合物中のpHを5〜6に保
ち、60℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応液を1
N水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整し、電気透析に
より過剰の亜硫酸ナトリウムを除去した。その後、凍結
乾燥し、1,15−ジカルボキシ−6,10−ジヒドロ
キシ−4,12−ジオクチル−3,13−ジオキソ−8
−スルホエチル−4,8,12−トリアザペンタデカン
−1,15−ジスルホン酸ナトリウム21g(単離収率
86%)を白色粉末として得た。以下に1H−NMRデ
ータを示す。
【0234】
【化53】
【0235】また、水中で上記化合物を分散し、これに
同当量の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、凍結乾燥に
より対応するナトリウム塩を得た。
【0236】合成例26 反応容器に、11,15−ジヒドロキシ−13−スルホ
エチル−9,13,17−トリアザペンタコサン10g
(0.02モル)、トルエン50ml、グリコール酸エチ
ル5.1ml(0.05モル)を入れ、100℃に昇温
し、窒素気流により生成するエタノールを追い出しなが
ら7.5時間攪拌を続けた。反応終了後、減圧下溶媒を
留去して、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル200g,展開溶媒:クロロホルム/メタノール=1
00/1→20/1)により精製し、3,11−ジオク
チル−2,12−ジオキソ−7−スルホエチル−3,
7,11−トリアザ−1,5,9,13−トリデカンテ
トラオール10.6g(単離収率91%)を得た。以下
1H−NMRデータを示す。
【0237】
【化54】
【0238】合成例27 反応容器に合成例4で得た3,11−ジオクチル−2,
12−ジオキソ−7−スルホエチル−3,7,11−ト
リアザ−1,5,9,13−トリデカンテトラオール1
0g(0.016モル)及びジクロロメタン100mlを
入れ、窒素気流下、氷冷しながらクロロスルホン酸2.
2ml(0.032モル)を滴下した。その後徐々に室温
に戻し、窒素気流により発生する塩酸及びジクロロメタ
ンを除去した。残渣に水を加えて溶解し、1N水酸化ナ
トリウム水溶液により、pHを7に調整した。この水溶液
を電気透析により脱塩処理した後、凍結乾燥することに
より、ジソディウム5,9−ジヒドロキシ−7−スルホ
エチル−2,12−ジオキソ−3,11−ジオクチル−
3,7,11−トリアザ−1,13−トリデカンジサル
フェート9.2gを得た(単離収率75%)。 IR(KBr錠剤法cm-1):1388,1184(ν
s=o),1660(νC=O
【0239】合成例28 反応器にグリシン50g(0.67モル)、水70g、
水酸化ナトリウム27g(0.67モル)を入れ、5℃
に冷却した。その後エピクロロヒドリン124g(1.
34モル)を1時間30分かけて滴下し、室温まで昇温
した。6時間攪拌した後、析出した不溶物を濾過により
除去し、乾燥して白色粉末のN,N−ビス−(3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピル)−グリシンナトリウム塩
106gを得た(単離収率56%)。以下に1H−NM
Rデータを示す。
【0240】1H−NMR(D2O):δ(ppm)D2
O基準(4.75) 2.58〜2.85(複雑な多重線,4H,a), 3.27(一重線,2H,b), 3.44〜3.76(複雑な多重線,4H,c), 3.88〜4.09(複雑な多重線,2H,d)
【0241】
【化55】
【0242】合成例29 反応器に合成例28と同様にして得たN,N−ビス−
(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−グリシンナ
トリウム塩40g(0.14モル)、メタノール100
g及びオクチルアミン181g(1.4モル)を入れ、
90℃に昇温した。10時間攪拌し、水酸化ナトリウム
11g水溶液を加えた。その後、減圧下、メタノール及
び水を留去し、更に100℃、0.5mmHgで未反応のオ
クチルアミンを留去した。残渣にキシレン700mlと水
700mlとの混合物を加え、抽出、洗浄した。キシレン
層を分取し、濃縮して13−カルボキシメチル−11,
15−ジヒドロキシ−9,13,17−トリアザペンタ
コサン47gを得た(単離収率79%)。以下に1H−
NMRデータを示す。
【0243】1H−NMR:δ(ppm)CDCl3 0.88(三重線,6H,a), 1.25(幅広い一重線,20H,b), 1.45(幅広い一重線,4H,c), 2.31〜2.70(複雑な多重線,12H,d), 3.20(一重線,2H,e), 3.75(幅広い一重線,2H,f)
【0244】
【化56】
【0245】合成例30 反応器に合成例29と同様にして得た13−カルボキシ
メチル−11,15−ジヒドロキシ−9,13,17−
トリアザペンタコサン26.5g(0.06モル)、エ
タノール40gを入れ50℃に昇温した。これにモノク
ロロ酢酸ナトリウム40g(0.34モル)を水80
g、エタノール20gに溶解した溶液を加え、30時間
反応させた。反応終了後、減圧下エタノールを留去した
後、水500mlに再溶解させ、電気透析により、生成し
た無機塩又は未反応クロロ酢酸ナトリウムを除去し、水
溶液を凍結乾燥することにより、11,15−ジヒドロ
キシ−9,13,17−トリアザ−9,13,17−ト
リカルボキシメチルペンタコサン22gを白色粉末とし
て得た(単離収率65%)。
【0246】1H−NMR:δ(ppm)D2O 0.86(三重線,6H,a), 1.22(幅広い一重線,20H,b), 1.41(幅広い一重線,4H,c), 2.40〜2.83(複雑な多重線,12H,d), 3.20(幅広い一重線,6H,e), 3.72(幅広い一重線,2H,f)
【0247】
【化57】
【0248】合成例31 反応容器にタウリン30g(0.24モル)、水30g
及び水酸化ナトリウム9.65gを入れ10℃に冷却し
た。エピクロロヒドリン44.7g(0.48モル)を
30分かけて滴下し、室温まで昇温した。室温にて5時
間反応させた後、オクチルアミン347g(2.7モ
ル)及びメタノール100gを加え、50℃に昇温し
た。50℃で16時間反応させた後、減圧下にて水及び
メタノールを留去した。その後、100℃、0.5mmHg
で未反応のオクチルアミンを留去し、残渣にクロロホル
ム800ml、5%水酸化ナトリウム水溶液800mlを入
れ、抽出、水洗し、クロロホルム層を分取し、溶媒を留
去して、11,15−ジヒドロキシ−13−スルホエチ
ル−9,13,17−トリアザペンタコサン94gを得
た(単離収率79%)。以下に1H−NMRデータを示
す。
【0249】1H−NMR:δ(ppm)CDCl3 0.84(三重線,6H,a), 1.26(幅広い一重線,20H,b), 1.44(幅広い一重線,4H,c), 2.15〜2.50(複雑な多重線,2H,e), 2.61〜2.87(複雑な多重線,14H,d), 3.44〜3.63(複雑な多重線,2H,f)
【0250】
【化58】
【0251】合成例32 反応容器に合成例31と同様にして得た11,15−ジ
ヒドロキシ−13−スルホエチル−9,13,17−ト
リアザペンタコサン20g(0.04モル)及びエタノ
ール35gを入れ60℃に昇温した。これに3−クロロ
−2−ヒドロキシ−プロパンスルホン酸29g(0.1
5モル)を水35gに溶解し、溶液を1時間30分かけ
て滴下した。60℃にて33時間攪拌した後、減圧下、
エタノールを留去した。その後、水500mlに再溶解さ
せ、電気透析により脱塩処理した後、水溶液を凍結乾燥
することにより、2,6,10,14−テトラヒドロキ
シ−4,12−ジオクチル−8−スルホエチル−4,
8,12−トリアザ−1,15−ペンタデカンジスルホ
ン酸24gを白色粉末として得た(単離収率78%)。
以下に1H−NMRデータを示す。
【0252】1H−NMR:δ(ppm)D2O 0.81(三重線,6H,a), 1.25(幅広い一重線,20H,b), 1.47(幅広い一重線,4H,c), 2.11〜2.56(複雑な多重線,6H,f), 2.73〜2.94(複雑な多重線,18H,d), 3.70〜3.85(複雑な多重線,2H,e), 3.98(幅広い一重線,2H,g)
【0253】
【化59】
【0254】実施例1 表1〜3に示す組成の洗浄剤組成物を調製し、その皮膚
刺激性、起泡性及び毛髪の感触について、下記の方法で
評価した。
【0255】(皮膚刺激性)試料洗浄剤組成物の1%水
溶液0.1mlをしみ込ませたパッチテスト用絆創膏を2
0人の被験者に24時間貼付し、貼付除去後24時間後
に刺激性を判定し、次の基準で評価した。
【0256】 ○:20人中紅斑を示した者が2人以下であった。 △:20人中紅斑を示した者が3人以上10人以下であ
った。 ×:20人中紅斑を示した者が11人以上であった。
【0257】(起泡性)長さ20cm、重さ20gの人毛
から成るかもじに40℃の温水を含ませた後、試料洗浄
剤組成物1gをまんべんなく付け、次いで1分間泡立て
て、その泡立ちの程度を次の基準で評価した。
【0258】 ◎:非常に優れている。 ○:普通である。 △:やや不足している。 ×:非常に不足している。
【0259】(毛髪のすすぎ時のぬるつき)長さ20c
m、重さ20gの人毛から成るかもじに40℃の温水を
含ませた後、試料洗浄剤組成物1gをまんべんなく付
け、次いで1分間泡立てた後に、水ですすいだ時の毛髪
の指通りを、専門パネラーにより、次の基準で評価し
た。
【0260】 ○:さっぱりする。 △:普通である。 ×:ぬるつく。
【0261】(毛髪のすすぎ時のきしみ)長さ20cm、
重さ20gの人毛から成るかもじに40℃の温水を含ま
せた後、試料洗浄剤組成物1gをまんべんなく付け、次
いで1分間泡立てた後に、水ですすいだ時の毛髪の指通
りを、専門パネラーにより、次の基準で評価した。
【0262】 ○:すべる。 △:普通である。 ×:きしむ。
【0263】
【表1】
【0264】
【表2】
【0265】
【表3】
【0266】表1〜3より明らかなように、本発明品
は、皮膚に対して低刺激性であり、高い起泡性を有し、
使用時及びすすぎ時のきしみやぬるつきが改善されるこ
とが認められた。
【0267】実施例2 次に示す組成のシャンプーを調製した。得られたシャン
プーは起泡性、洗浄性に優れ、且つ洗い上がり後もさら
さらとして良好な感触であった。
【0268】
【表4】 (組成) (重量%) 合成例23の化合物 10 ポリオキシエチレン(E.O.3)ラウリルエーテルサルフェート 10 ヒドロキシエチルセルロース 0.1 安息香酸ナトリウム 0.3 色素 適量 香料 適量 クエン酸 適量精製水 バランス 計100.0
【0269】実施例3 次に示す組成のシャンプーを調製した。得られたシャン
プーは起泡性、洗浄性に優れ、且つ洗い上り後もしっと
りとして良好な感触であった。
【0270】
【表5】 (組成) (重量%) 合成例5の化合物 8 合成例6の化合物 2 ポリオキシエチレン(E.O.3)ラウリルエーテルサルフェート 10 ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3 グリセリン 1 香料 適量 色素 適量 クエン酸 適量精製水 バランス 計100.0
【0271】実施例4 次に示す組成のボディシャンプーを調製した。得られた
ボディシャンプーは起泡性、洗浄性に優れ、且つ洗い上
がり後もさっぱりとして良好な感触であった。
【0272】
【表6】 (組成) (重量%) 合成例19の化合物 10 ポリオキシエチレン(E.O.3)ラウリルエーテルサルフェート 5 ラウリルジメチルアミンオキシド 3 グリセリン 4 ショ糖脂肪酸エステル 1 メチルパラベン 0.3 色素 適量 香料 適量 クエン酸 適量精製水 バランス 計100.0
【0273】実施例5 次に示す組成の洗顔料を調製した。得られた洗顔料は、
起泡性、洗浄性に優れ、且つ洗い上がり後もしっとりと
して良好な感触であった。
【0274】
【表7】 (組成) (重量%) 合成例30の化合物 10 モノラウリルフォスフェート 5 ラウリン酸カリウム 3 ミリスチン酸カリウム 2 グリセリン 10 カチオン化セルロース 0.2 色素 適量 香料 適量精製水 バランス 計100.0
【0275】実施例6 次に示す組成のハンドウォッシュを調製した。得られた
ハンドウォッシュは、起泡性、洗浄性に優れ、且つ洗い
上がり後もしっとりとして、良好な感触であった。
【0276】
【表8】 (組成) (重量%) 合成例10の化合物 10 ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウリン酸ナトリウム 10 オレイン酸トリエタノールアミン 5 プロピレングリコール 7 パラフィン油 6 ケイ酸アルミニウム 5 色素 適量 香料 適量精製水 バランス 計100.0
【0277】実施例7 次に示す組成の歯磨きを調製した。得られた歯磨きは、
起泡性、洗浄性に優れ、且つすすぎ後もさっぱりとし
て、良好な感触であった。
【0278】
【表9】 (組成) (重量%) 合成例6の化合物 1 ラウリル硫酸ナトリウム 0.5 第二リン酸カルシウム・2水塩 45 無水ケイ酸 2 グリセリン 15 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1 カラギーナン 0.3 サッカリンナトリウム 0.1 香料 適量精製水 バランス 計100.0
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例5で得られた化合物の1H−NMRチャ
ートである。
【図2】合成例6で得られた化合物の1H−NMRチャ
ートである。
【図3】合成例8で得られた化合物の1H−NMRチャ
ートである。
【図4】合成例10で得られた化合物の1H−NMRチ
ャートである。
【図5】合成例11で得られた化合物の1H−NMRチ
ャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 淳子 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606−6 花王市 貝社宅3−206 (72)発明者 木附 智人 和歌山県和歌山市西浜1450 花王水軒社宅 222号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(A)及び(B): (A)(a)下記一般式(1); 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって炭素数6〜3
    6の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示
    し、Xはヒドロキシル基、スルホン酸基又はカルボキシ
    ル基で置換していてもよい炭素数1〜6のアルキレン又
    はアルケニレン基を示し、Y1 はスルホン酸基、硫酸残
    基もしくはカルボキシル基又はその塩を示し、Y2 はヒ
    ドロキシル基、硫酸残基もしくはその塩又は下記式
    (2); 【化2】 で表わされる基を示し、nは0又は1を示す。〕で表わ
    される2−ヒドロキシプロパンジアミン誘導体、その塩
    又はその4級化物、(b)下記一般式(3); 【化3】 〔式中、X、Y1 及びY2 は上記と同様の意味を示し、
    3 及びR4 は同一又は異なって、ヒドロキシル基で置
    換していてもよい炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖のア
    ルキル又はアルケニル基を示し、Zはスルホエチル基又
    はアミノ酸もしくはその塩から1つのアミノ基を除いた
    基を示す。〕で表わされるアミド化合物、及び(c)下
    記一般式(4); 【化4】 〔式中、R3 、R4 及びZは上記と同様の意味を示し、
    Aはヒドロキシル基で置換していてもよい炭素数1〜6
    の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、Y3 はカルボ
    キシル基又はスルホン酸基を示す。〕で表わされるアミ
    ン誘導体、から選ばれる界面活性剤の1種又は2種以
    上、 (B)下記一般式(5); 【化5】R1-X′-Y4 (5) 〔式中、R1 は上記と同様の意味を示し、X′は酸素原
    子、アミン、-CO-、-COO-、-CONH-、-NHCO-、ベンゼ
    ン、フェノール、ナフタリン及びポリオキシエチレン基
    から選ばれる連結基又は単結合を示し、Y4 は水素原
    子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、
    硫酸エステル基、リン酸エステル基、イミダゾリウム基
    及びアミンオキサイド基から選ばれる親水基を示す。〕
    で表わされる単鎖型界面活性剤の1種又は2種以上を含
    有する身体用洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、Y1 がスルホン
    酸基又は硫酸残基であり、Y2 がヒドロキシル基又は硫
    酸残基である請求項1記載の身体用洗浄剤組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、Y1 がカルボキ
    シル基であり、Y2がヒドロキシル基又は上記式(2)
    で表わされる基である請求項1記載の身体用洗浄剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 一般式(1)において、R1 及びR
    2 が、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル又は
    アルケニル基である請求項1〜3のいずれかの項記載の
    身体用洗浄剤組成物。
  5. 【請求項5】 一般式(1)の2−ヒドロキシプロパン
    ジアミン誘導体、その塩又はその4級化物が遊離塩基又
    は塩の形態である請求項1〜4のいずれかの項記載の身
    体用洗浄剤組成物。
  6. 【請求項6】 一般式(3)において、R3 及びR4
    炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、
    1 がスルホン酸基もしくはカルボキシル基又はその塩
    であり、Y2 がヒドロキシル基であり、Zがタンパク質
    を構成するアミノ酸、β−アラニン、タウリン又はその
    塩から1つのアミノ基を除いた基である請求項1〜5の
    いずれかの項記載の身体用洗浄剤組成物。
  7. 【請求項7】 一般式(3)において、R3 及びR4
    炭素数6〜24のアルキル基であり、Xがヒドロキシル
    基で置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖又は分岐
    鎖のアルキレン又はアルケニレン基であり、Y1 が硫酸
    残基であり、Y2 がヒドロキシル基又は硫酸残基もしく
    はその塩であり、Zがタンパク質を構成するアミノ酸、
    β−アラニン、タウリンもしくはその塩から1つのアミ
    ノ基を除いた基である請求項1〜5のいずれかの項記載
    の身体用洗浄剤組成物。
  8. 【請求項8】 一般式(4)においてR3 及びR4 が炭
    素数6〜24のアルキル基であり、Zがタンパク質を構
    成するアミノ酸、β−アラニン、タウリンもしくはその
    塩から1つのアミノ基を除いた基である請求項1〜7の
    いずれかの項記載の身体用洗浄剤組成物。
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