JP3711151B2 - 新規アミド化合物及びその製造中間体並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、毛髪及び皮膚化粧料の基剤、洗浄剤、乳化剤、コンディショニング剤などとして有用な新規アミド化合物及びそれらの製造中間体並びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、洗浄剤としてアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの界面活性剤が使用されている。しかし、これらの多くは使用時において皮膚に対する刺激がやや強いという問題がある。このような問題から、アルキルリン酸塩、アシル化アミノ酸塩などの皮膚刺激の弱い界面活性剤が、毛髪及び皮膚化粧料の基剤、乳化剤として又は皮膚等の洗浄剤として使用されるようになっている。更に、最近では、消費者の要求の多様化や高級品指向にともない、皮膚などに対する刺激が少ないことに加え、起泡性がよいものや、皮膚などに好ましい感触を付与できることなどの効果を有するものが求められているが、これらの要求を充分満足できるものはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解決し、皮膚などに対する刺激が少なく、起泡性に優れ、更に皮膚等に好ましい感触を与えることができ、毛髪及び皮膚化粧料の基剤、洗浄剤、乳化剤、コンディショニング剤などとして有用な化合物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意研究を行った結果、後記一般式(1)で表される新規アミド化合物が、アニオン界面活性剤として、皮膚等に対して低刺激で好ましい感触を与え、かつ優れた起泡性を有することを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、次の一般式(1)
【0006】
【化13】
【0007】
〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なってヒドロキシル基が置換していてもよい直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、Xはヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはスルホン酸基が置換していてもよい直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜6のアルキレン基又はアルケニレン基を示し、Y1 はカルボキシル基、スルホン酸基又は硫酸残基を示し、Y2 はヒドロキシル基、硫酸残基又は基-OCO-X-COOHを示し、Zはスルホアルキル基又はアミノ酸もしくはその塩から1つのアミノ基を除いた基を示す。〕
で表されるアミド化合物又はその塩及びそれらの製造中間体並びにそれらの製造方法に係るものである。
【0008】
本発明の化合物と近い構造を有する化合物としては、2−ヒドロキシプロパンジアミン構造を有する化合物(米国特許第3654158号、西独特許第3607884号、米国特許第4982000号、特開平1−233264号、特開平2−223515号等)が知られているが、これらの化合物は、ジアミン構造を有するものであることに加え、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸残基等のアニオン性官能基を有しておらず、トリアミン構造を有するアニオン界面活性剤である本発明化合物とはその構造、機能ともに大きく異なっている。
【0009】
一般式(1)中、R1 及びR2 で示されるヒドロキシル基が置換していてもよい直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基の具体例としては、以下のものを挙げることができる。
【0010】
直鎖アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル、トリコシル及びテトラコシルを挙げることができ、分岐鎖アルキル基としては、例えばメチルヘキシル、エチルヘキシル、メチルヘプチル、エチルヘプチル、メチルノニル、メチルウンデシル、メチルヘプタデシル、ヘキシルデシル、オクチルデシルなどの基を挙げることができる。
【0011】
直鎖アルケニル基としては、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル、ヘンイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコセニルなどの基を挙げることができ、分岐鎖アルケニル基としては、例えばメチルヘキセニル、エチルヘキセニル、メチルヘプテニル、エチルヘプテニル、メチルノネニル、メチルウンデセニル、メチルヘプタデセニル、ヘキシルデセニル、オクチルデセニルなどの基を挙げることができる。
【0012】
ヒドロキシル基で置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、ヒドロキシル基の置換位置は特に限定されず、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシヘプチル、ヒドロキシオクチル、ヒドロキシノニル、ヒドロキシデシル、ヒドロキシウンデシル、ヒドロキシドデシル、ヒドロキシトリデシル、ヒドロキシテトラデシル、ヒドロキシペンタデシル、ヒドロキシヘキサデシル、ヒドロキシヘプタデシル、ヒドロキシオクタデシル、ヒドロキシノナデシル、ヒドロキシイコシル、ヒドロキシヘンイコシル、ヒドロキシドコシル、ヒドロキシトリコシル、ヒドロキシテトラコシル、ヒドロキシメチルヘキシル、ヒドロキシエチルヘキシル、ヒドロキシメチルヘプチル、ヒドロキシエチルヘプチル、ヒドロキシメチルノニル、ヒドロキシメチルウンデシル、ヒドロキシメチルヘプタデシル、ヒドロキシヘキシルデシル、ヒドロキシオクチルデシルブチルなどの基を挙げることができる。
【0013】
ヒドロキシル基で置換された直鎖又は分岐鎖のアルケニル基としては、ヒドロキシル基の置換位置は特に限定されず、例えばヒドロキシエテニル、ヒドロキシプロペニル、ヒドロキシブテニル、ヒドロキシペンテニル、ヒドロキシヘキセニル、ヒドロキシヘプテニル、ヒドロキシオクテニル、ヒドロキシノネニル、ヒドロキシデセニル、ヒドロキシウンデセニル、ヒドロキシドデセニル、ヒドロキシトリデセニル、ヒドロキシテトラデセニル、ヒドロキシペンタデセニル、ヒドロキシヘキサデセニル、ヒドロキシヘプタデセニル、ヒドロキシオクタデセニル、ヒドロキシノナデセニル、ヒドロキシイコセニル、ヒドロキシヘンイコセニル、ヒドロキシドコセニル、ヒドロキシトリコセニル、ヒドロキシテトラコセニル、ヒドロキシメチルヘキセニル、ヒドロキシエチルヘキセニル、ヒドロキシメチルヘプテニル、ヒドロキシエチルヘプテニル、ヒドロキシメチルノネニル、ヒドロキシメチルウンデセニル、ヒドロキシメチルヘプタデセニル、ヒドロキシヘキシルデセニル、ヒドロキシオクチルデセニルなどの基を挙げることができる。
【0014】
これらのうち、R1 及びR2 としては直鎖もしくは分岐鎖の炭素数6〜24のアルキル基又はアルケニル基、更に炭素数6〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、特に炭素数6〜10の直鎖アルキル基が好ましい。
【0015】
一般式(1)中、Xで示されるヒドロキシル基、カルボキシル基もしくはスルホン酸基が置換していてもよい直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜6のアルキレン基又はアルケニレン基の具体例としては、以下のものを挙げることができる。
【0016】
アルキレン又はアルケニレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基等が挙げられる。このうち炭素数1〜4のものが好ましく、炭素数1〜3のものがより好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、エテニレン基が特に好ましい。
【0017】
これらのアルキレン又はアルケニレン基には、ヒドロキシル基、スルホン酸基(-SO3H)又はカルボキシル基(-COOH)が置換し得るが、これらの置換基は1種又は2種以上を組み合わせて1〜4個置換していてもよい。
【0018】
ヒドロキシ置換アルキレン又はアルケニレン基としては、1−ヒドロキシエチレン基、2−ヒドロキシエチレン基、1,2−ジヒドロキシエチレン基、1−ヒドロキシトリメチレン基、2−ヒドロキシトリメチレン基、3−ヒドロキシトリメチレン基、1,2−ジヒドロキシトリメチレン基、1,3−ジヒドロキシトリメチレン基、1,2,3−トリヒドロキシトリメチレン基、1−ヒドロキシテトラメチレン基、2−ヒドロキシテトラメチレン基、3−ヒドロキシテトラメチレン基、4−ヒドロキシテトラメチレン基、1,2−ジヒドロキシテトラメチレン基、1,3−ジヒドロキシテトラメチレン基、1,4−ジヒドロキシテトラメチレン基、2,3−ジヒドロキシテトラメチレン基、2,4−ジヒドロキシテトラメチレン基、3,4−ジヒドロキシテトラメチレン基、1,2,3−トリヒドロキシテトラメチレン基、2,3,4−トリヒドロキシテトラメチレン基、1,3,4−トリヒドロキシテトラメチレン基、1,2,3,4−テトラヒドロキシテトラメチレン基等が挙げられるが、このうち1,2−ジヒドロキシエチレン基、1−ヒドロキシエチレン基、2−ヒドロキシエチレン基、2−ヒドロキシトリメチレン基が特に好ましい。
【0019】
スルホン酸基置換アルキレン又はアルケニレン基としては、1−スルホエチレン基、2−スルホエチレン基、1−スルホトリメチレン基、2−スルホトリメチレン基、3−スルホトリメチレン基、1−スルホテトラメチレン基、2−スルホテトラメチレン基、3−スルホテトラメチレン基、4−スルホテトラメチレン基、1,3−ジスルホテトラメチレン基、1,4−ジスルホテトラメチレン基、2,3−ジスルホテトラメチレン基、2,4−ジスルホテトラメチレン基等が挙げられるが、このうち特に1−スルホエチレン基、2−スルホエチレン基が特に好ましい。
【0020】
カルボキシル基が置換したアルキレン又はアルケニレン基としては、1−カルボキシエチレン基、2−カルボキシエチレン基、1−カルボキシトリメチレン基、2−カルボキシトリメチレン基、3−カルボキシトリメチレン基、1−カルボキシテトラメチレン基等が挙げられる。これらの中でも1−カルボキシエチレン基、2−カルボキシエチレン基が好ましい。
【0021】
ヒドロキシ基及びカルボキシル基が置換したアルキレン又はアルケニレン基としては、2−カルボキシ−1−ヒドロキシトリメチレン基、2−カルボキシ−1,3−ジヒドロキシトリメチレン基、2−カルボキシ−2−ヒドロキシトリメチレン基、3−カルボキシ−2,4−ジヒドロキシテトラメチレン基などを挙げることができる。これらのなかでも2−カルボキシ−2−ヒドロキシトリメチレン基が好ましい。
【0022】
ヒドロキシ基及びスルホン酸基が置換したアルキレン又はアルケニレン基としては、1−ヒドロキシ−2−スルホエチレン基、2−ヒドロキシ−1−スルホエチレン基、1−ヒドロキシ−2−スルホトリメチレン基、1−ヒドロキシ−3−スルホトリメチレン基、2−ヒドロキシ−1−スルホトリメチレン基、2−ヒドロキシ−3−スルホトリメチレン基、1,2−ジヒドロキシ−3−スルホトリメチレン基、1,3−ジヒドロキシ−2−スルホトリメチレン基、1−ヒドロキシ−2−スルホテトラメチレン基、1−ヒドロキシ−4−スルホテトラメチレン基、2−ヒドロキシ−4−スルホテトラメチレン基、3−ヒドロキシ−4−スルホテトラメチレン基等が挙げられる。
【0023】
一般式(1)中、Zはスルホアルキル基又はアミノ酸もしくはその塩から1つのアミノ基を除いた基を示すが、アミノ酸の具体例としてはアスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、イソロイシン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、シスチン、システイン、セリン、チロシン、トリプトファン、トレオニン、バリン、ヒスチジン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、フェニルアラニン、プロリン、メチオニン、リシン、ロイシン、β−アラニン、α−アミノ酪酸、イソセリン、オルニチン、グルタチオン、グリシルグリシン、γ−アミノ酪酸、ε−アミノカプロン酸、チトルリン等を挙げることができる。これらのうち、Zとしては、スルホアルキル基又はタンパク質を構成するアミノ酸もしくはβ−アラニンもしくはその塩から1つのアミノ基を除いた基、特にスルホエチル基が好ましい。
【0024】
本発明化合物(1)は、スルホン酸基(-SO3H)、硫酸残基(-OSO3H)又はカルボキシル基(-COOH)を有するので種々の塩基性物質との間に塩を形成し得る。例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、塩基性アミノ酸塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。具体的には、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、リジン、アルギニン、コリン、アンモニアなどとの塩を挙げることができ、これらのなかでもナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩が好ましい。
【0025】
本発明アミド化合物(1)は、例えば次の反応a〜反応cに従って製造することができる。
【0026】
【化14】
【0027】
〔式中、R1 、R2 及びZは前記と同じ意味を示し、R3 は水素原子又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、X1 はヒドロキシル基が置換していてもよい直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜6のアルキレン基又はアルケニレン基を示し、Y2′はヒドロキシル基又は硫酸残基を示す。〕
【0028】
すなわち、アミン誘導体(3)にラクトン類(4)又はオキシカルボン酸類(5)を反応させ、得られるアミドアルコール(2)に硫酸エステル化剤を反応させ、所望により塩基性物質で中和することにより、本発明化合物(1a)又はその塩が製造される。
【0029】
アミン誘導体(3)とラクトン類(4)又はオキシカルボン酸類(5)との反応は、例えば不活性溶媒中又は無溶媒で、好ましくは20〜180℃、特に好ましくは40〜150℃で、アミン誘導体(3)に対して、ラクトン類(4)又はオキシカルボン酸類(5)を2〜5倍モル反応させることにより行うのが好ましい。この反応で使用する不活性溶媒としては、非プロトン性の溶媒であれば特に制限されるものではないが、価格や溶解性の点を考慮すると、低級炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ハロ炭化水素類などが好ましい。この反応に用いるラクトン類(4)及びオキシカルボン酸類(5)としては、安価であることから、ラクトン類(4)としてはγ−ラクトン、δ−ラクトンなど、オキシカルボン酸類(5)としてはグリコール酸、乳酸、α−ヒドロキシ酸及びこれらのメチルエステル、エチルエステルなどが好ましい。
【0030】
このようにして得られたアミドアルコール(2)と硫酸エステル化剤との反応は、不活性溶媒中又は無溶媒で、−75〜150℃の温度範囲で行うのが好ましい。硫酸エステル化剤としてはClSO3H、SO3等が用いられ、その使用量はアミドアルコール(2)に対して1〜10倍モル、特に2〜5倍モルとするのが好ましい。また、この反応終了後、必要に応じて行う中和反応では、目的とする中和度に応じて所望量の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど)、リジン、アルギニン、コリンなどの塩基物質、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物を反応させることにより行うことができる。
【0031】
なお、上記反応中、アミン誘導体(3)とラクトン類(4)又はオキシカルボン酸類(5)との反応においては、少量の次式;
【0032】
【化15】
【0033】
で表される化合物が副生し、更にアミドアルコール(2)と硫酸エステル化剤との反応においては、次式;
【0034】
【化16】
【0035】
で表される化合物が副生する場合がある。この反応生成物はそのまま各種の用途に使用することもできるが、より高純度のものが必要な場合には、通常の方法、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィー、蒸留等により精製して用いることもできる。
【0036】
【化17】
【0037】
〔式中、R1 、R2 及びZは前記と同じ意味を示し、X2 はヒドロキシル基もしくはカルボキシル基が置換していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基又はアルケニレン基を示し、R4 及びR5 は同一又は異なって水素原子又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、Y2″はヒドロキシル基又は基-OCO-X2-COOHを示す。〕
【0038】
【化18】
【0039】
〔式中、R1 、R2 及びZは前記と同じ意味を示し、X3 はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数2〜4のアルケニレン基を示し、X4 はヒドロキシル基が置換していてもよく、スルホン酸基が置換している炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Y2′′′はヒドロキシル基又は基-OCO-X3-COOHを示し、Y2′′′′はヒドロキシル基又は基-OCO-X4-COOHを示す。〕
【0040】
すなわち、アミン誘導体(3)に酸無水物(6)又はジカルボン酸もしくはそのエステル(7)を反応させ、エステルを用いた場合は加水分解し、必要に応じて塩基性物質で中和することにより、本発明アミドカルボン酸(1b)又はその塩を製造することができる。
【0041】
また、本発明アミドカルボン酸(1b)のうち、X2 がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数2〜4のアルケニレン基(X3 )である本発明アミドカルボン酸(1c)にスルホン化剤を反応させ、必要に応じて塩基性物質で中和することにより本発明アミドスルホカルボン酸(1d)又はその塩を製造することができる。
【0042】
アミン誘導体(3)と酸無水物(6)又は(6′)との反応は、例えば無水不活性溶媒の存在下、20〜150℃、好ましくは40〜100℃で、アミン誘導体(3)に対して、好ましくは1.0〜5.0倍モルの酸無水物(6)又は(6′)を反応させることにより行うのが好ましい。ここで用いられる無水不活性溶媒としては、例えばエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、ピリジン等が挙げられる。この反応においては、アミン誘導体(3)のヒドロキシル基と酸無水物が反応した化合物も生成する。
【0043】
また、アミン誘導体(3)とジカルボン酸又はそのエステル(7)との反応は、例えば、不活性溶媒中、40〜180℃、好ましくは80〜150℃で、アミン誘導体(3)に対して、好ましくは2.0〜5.0倍モルのジカルボン酸又はそのエステル(7)を反応させることにより行うのが好ましい。この反応は、生成してくるアルコール又は水を除去しながら行うのが好ましい。この反応で用いる不活性溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。
【0044】
なお、ジカルボン酸エステルにおいて、式中、R4 及びR5 で示されるアルキル基又はアルケニル基としては、メチル基、エチル基が好ましい。
【0045】
なお、ここでジカルボン酸エステルを用いた場合には、一般式(8)で表される製造中間体が得られることになり、次いでこれを例えば含水アルコール中、酸又は塩基触媒下、加水分解することが必要となる。
【0046】
【化19】
【0047】
〔式中、R1 、R2 、X2 及びZは前記と同じ意味を示し、R4′及びR5′はそれぞれR4 及びR5 に対応するアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
【0048】
次に、アルケニレン基X3 を有する本発明アミドカルボン酸(1c)とエステル化剤との反応は、例えば、水中において、30〜100℃、好ましくは40〜80℃で、化合物(1c)に対して1.0〜6.0倍モル、好ましくは2.0〜5.0倍モルのスルホン化剤を、pH4.0〜11.0、好ましくは5.0〜8.0で反応させることにより行うのが好ましい。スルホン化剤としては、SO3、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等が用いられる。
【0049】
得られた本発明化合物(1b)、(1c)及び(1d)の中和反応は前記反応aと同様にして行うことができる。また、これらの反応においては、前記反応b及び反応cと同様に一方のアミノ基のみがアミド化された化合物等が副生するが、反応生成物はそのまま各種の用途に使用することもできる。しかし、より高純度のものが必要な場合には、通常の方法、例えば再結晶、カラムクロマトグラフィー、電気透析等により精製して用いることもできる。
【0050】
なお、前記反応a〜cにおいて本発明アミン化合物(1)の原料として用いたアミン誘導体(3)は、例えば以下の反応式に従って製造することができる。
【0051】
【化20】
【0052】
〔式中、R1 、R2 及びZは前記と同じ意味を示し、X5 はハロゲン原子を示す。〕
【0053】
すなわち、アミノアルキルスルホン酸もしくはアミノ酸又はそれらの塩(a)とエピハロヒドリン(b)とを反応させて得られる新規ハロヒドリン化合物(c)、又はこれに塩基性化合物を作用させて得られる新規エポキシ化合物(d)と、一級アミン化合物(e)又は(e)′とを反応させると、新規アミン化合物(3)が得られる。
【0054】
ハロヒドリン化合物(c)の合成に用いられるエピハロヒドリン(b)のハロゲン原子、すなわち式(b)中のXとしては、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられ、好ましくは塩素である。アミノアルキルスルホン酸もしくはアミノ酸又はそれらの塩(a)とエピハロヒドリン(b)との反応は、例えば水もしくは低級アルコール又はこれらの混合物等の反応に不活性な溶媒中、好ましくは−20〜100℃、特に好ましくは0〜60℃で行うことができる。また用いる化合物(a)とエピハロヒドロリン(b)の量比は適宜設定することができるが、エピハロヒドリン(b)を化合物(a)に対して2〜5倍モル使用するのが好ましい。
【0055】
得られたハロヒドリン化合物(c)は、塩基性化合物を作用させることによりエポキシ化合物(d)とすることができるが、かかる塩基性化合物としては、例えばアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アミン類等が好ましく、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。ハロヒドリン化合物(c)と塩基性化合物との反応は、例えば水もしくは低級アルコール又はこれらの混合物等の反応に不活性な溶媒中、好ましくは0〜80℃、特に好ましくは20〜60℃で行うことができる。また用いるハロヒドリン化合物(c)と塩基性化合物の量比は適宜設定することができるが、塩基性化合物をハロヒドリン化合物(c)に対して2〜5倍モル使用するのが好ましい。
【0056】
次に、得られたハロヒドリン化合物(c)又はエポキシ化合物(d)とアミン化合物(e)及び(e)′との反応は、例えば水、低級アルコール、エーテルもしくは芳香族炭化水素又はこれらの混合物等の反応に不活性な溶媒中、好ましくは40〜150℃、特に好ましくは70〜120℃で行うことができる。また、用いる各化合物の量比は適宜設定することができるが、一般にはアミン化合物(e)及び(e)′をハロヒドリン化合物(c)又はエポキシ化合物(d)に対して2〜20倍モル、特に2〜10倍モル使用するのが好ましい。かくして得られた化合物(3)を用いて前記反応a〜cを行うことにより、本発明化合物(1)が得られるものである。
【0057】
本発明の一般式(1)で表されるアミド化合物は優れた洗浄力、起泡力を有するものであり、これらの特性を活用した用途、例えば、皮膚及び毛髪用洗浄剤、食器用洗浄剤、衣料用洗浄剤等の各種洗浄剤に使用することができる。その場合の本発明化合物(1)の配合量は特に制限されず、その用途等に応じて0.1〜80重量%、好ましくは1〜50重量%の範囲で用いることができる。
【0058】
かかる洗浄剤組成物には、必要に応じて公知の各種界面活性剤、保湿剤、殺菌剤、乳化剤、増粘剤、パール化剤、二価金属イオン捕捉剤、アルカリ剤、無機塩、再汚染防止剤、酵素、有効塩素の捕捉剤、還元剤、漂白剤、蛍光染料、可溶化剤、香料、ケーキング防止剤、酵素の活性化剤、酸化防止剤、防腐剤、色素、青味付け剤、漂白活性化剤、酵素安定化剤、相調節剤、浸透剤等を配合することができる。
【0059】
ここで界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤が使用できる。アニオン界面活性剤は通常洗浄力、起泡力、使用感向上のために配合されるものであり、その例としては高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカノイルイセチオン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、N−アルカノイルサルコシネート、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤のアルキル及びアシル基は通常8〜20個の炭素原子を含み、不飽和でもよい。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩及びアルキルエーテルカルボン酸塩は1分子当たり1〜10個のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド単位を含み得るが、1分子当たり2〜3個のエチレンオキシド単位を含むのが好ましい。また、これらのアニオン界面活性剤の塩としては、ナトリウム、マグネシウム、アンモニウム並びにモノ−、ジ−及びトリエタノールアミン塩を挙げることができる。
【0060】
非イオン界面活性剤は、通常洗浄力向上、使用感向上のために配合されるものであり、その例としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル、モノ−又はジアルキルアルカノールアミド又はそのアルキレンオキシド付加物、アルキルポリグリコシド、モノグリセリド等が挙げられる。これらの非イオン界面活性剤のアルキル又はアシル基は、通常8〜20個の炭素原子を含み、不飽和でもよい。またポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン及びその混合型が挙げられ、その縮合度は通常6〜30である。
【0061】
両性界面活性剤としては長鎖アルキルジメチルカルボキシメチルベタイン、スルホベタイン等が挙げられ;カチオン界面活性剤としては長鎖アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジ−長鎖アルキルジメチルアンニウム塩等が挙げられる。
【0062】
これらの界面活性剤は本発明の化合物(1)と合わせて洗浄剤組成物中0.5〜60重量%配合され、特に粉体状洗浄剤組成物においては10〜45重量%、液体洗浄剤組成物については20〜50重量%配合することが好ましい。また、洗浄剤が漂白洗浄剤である場合、界面活性剤は一般に1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%配合するのが好ましい。
【0063】
保湿剤としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が使用できる。
【0064】
増粘剤としては、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルのコポリマー、アクリル酸とアクリル酸エステル、エチレングリコールのエステル又はポリエチレングリコールのエステル(例えばその脂肪酸エステル)との架橋コポリマー、並びにヘテロ多糖ガム類等が使用できる。
【0065】
パール化剤としては、C16-22脂肪酸、脂肪酸とアルコールのC16-22エステル、アルキレングリコール単位などのエレメントを含むC16-22脂肪酸エステルから選択し得る。適当なアルキレングリコール単位としてはエチレングリコール及びプロピレングリコールを挙げることができるが、ポリアルキレングリコールを使用することもできる。適当なポリアルキレングリコールとしてはポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールなどを挙げることができる。
【0066】
二価金属イオン捕捉剤としては、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、オルソリン酸塩などの縮合リン酸塩、ゼオライトなどのアルミノケイ酸塩、合成層状結晶性ケイ酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、ポリアセタールカルボン酸塩などを使用することができる。
この二価金属イオン捕捉剤は、0〜50重量%、好ましくは5〜40重量%配合される。また、リンを含有しない二価金属イオン捕捉剤を用いることがより好ましい。
【0067】
アルカリ剤及び無機塩としては、ケイ酸塩、炭酸塩、セスキ炭酸塩、硫酸塩、アルカノールアミンなどが使用される。これらは0〜80重量%配合される。
【0068】
再汚染防止剤としては、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体等のポリアクリル酸コポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースなどが使用される。再汚染防止剤の一部は、二価金属イオン捕捉剤としても使用できる。再汚染防止剤は0〜10重量%、好ましくは1〜5重量%配合される。
【0069】
酵素としては、セルラーゼ、α−アミラーゼ、プルラナーゼ、リパーゼ、ヘミセルラーゼ、β−グリコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、プロテアーゼなどを使用し得る。
【0070】
水道水中の有効塩素の捕捉剤としては、硫酸アンモニウム、尿素、塩酸グアニジン、炭酸グアニジン、スルファミン酸グアニジン、二酸化チオ尿素、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グリシン、グルタミン酸ナトリウム等で代表されるアミノ酸及び牛血清アルブミン、カゼインなどの蛋白質、更には蛋白質の加水分解、肉エキス、魚肉エキスなどが挙げられる。還元剤としては、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等及びロンガリットC等が挙げられる。特に亜硫酸塩が好ましく、洗濯液中の酵素を安定化させる。
【0071】
漂白剤としては、過炭酸塩、過硼酸塩、スルホン化フタロシアニン亜鉛塩又はアルミニウム塩、過酸化水素などが挙げられる。漂白洗浄剤とする場合は、特に過酸化ナトリウムが効果的であり、配合量は1〜95重量%、更に5〜95重量%、特に20〜95重量%とするのが好ましい。
【0072】
蛍光染料としては、通常洗浄剤に用いられる蛍光染料が挙げられ、液体洗剤の場合には、エタノールなどの低級アルコール、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの低級アルキルベンゼンスルホン酸塩、グリセリン、プロピレングリコールなどのポリオール類などの可溶化剤を配合することができる。
【0073】
本発明の洗浄剤組成物は、本発明化合物(1)及び上記の公知の成分を組み合わせて、常法に従い、製造することができる。洗浄剤の形態は、用途に応じて選択することができ、例えば液体、粉末、顆粒等とすることができる。
【0074】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0075】
参考例1
反応容器にタウリン30g(0.24モル)、水30g及び水酸化ナトリウム9.65gを入れ10℃に冷却した。エピクロロヒドリン44.7g(0.48モル)を30分かけて滴下し、室温まで昇温した。室温にて5時間反応させた後、オクチルアミン347g(2.7モル)及びメタノール100gを加え、50℃に昇温した。50℃で16時間反応させた後、減圧下にて水及びメタノールを留去した。その後100℃、0.5mmHgで未反応のオクチルアミンを留去し、残渣にクロロホルム800ml及び5%水酸化ナトリウム水溶液800mlを入れ、抽出・水洗しクロロホルム層を分取し、溶媒を留去して、11,15−ジヒドロキシ−13−スルホエチル−9,13,17−トリアザペンタコサン94gを得た(単離収率79%)。
以下に1H−NMRデータを示す。
【0076】
【化21】
【0077】
実施例1
反応容器に、11,15−ジヒドロキシ−13−スルホエチル−9,13,17−トリアザペンタコサン27g(0.05モル)及びキシレン100gを入れた後、攪拌しながら、無水コハク酸12g(0.12モル)を加え、50℃で6時間反応させた。キシレンを減圧下にて留去した後、水を300ml加え、更に10%水酸化ナトリウムを加えてpH7にした。その後、電気透析を行い、凍結乾燥して、6,10−ジヒドロキシ−4,12−ジオクチル−3,13−ジオキソ−8−スルホエチル−4,8,12−トリアザ−1,15−ペンタデカンジカルボン酸28g(単離収率76%)を白色結晶として得た。
以下に1H−NMRデータを示す。
【0078】
【化22】
【0079】
また水中で上記化合物を分散し、これに同当量の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、凍結乾燥により対応するナトリウム塩を得た。
【0080】
実施例2
反応容器に、11,15−ジヒドロキシ−13−スルホエチル−9,13,17−トリアザペンタコサン20g(0.04モル)及びキシレン100gを入れた後、攪拌しながら、無水マレイン酸10g(0.1モル)を加え、50℃で6時間反応させた。キシレンを減圧下にて留去した後、水を300ml加え、更に10%水酸化ナトリウムを加えてpH7にした。その後、電気透析を行い凍結乾燥して、6,10−ジヒドロキシ−4,12−ジオクチル−3,13−ジオキソ−8−スルホエチル−4,8,12−トリアザ−1,14−ペンタデカジエン−1,15−ジカルボン酸22g(単離収率80%)を白色粉末として得た。
以下に1H−NMRデータを示す。
【0081】
【化23】
【0082】
また、水中で上記化合物を分散し、これに同当量の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、凍結乾燥により対応するナトリウム塩を得た。
【0083】
実施例3
反応容器に、実施例2で得た6,10−ジヒドロキシ−4,12−ジオクチル−3,13−ジオキソ−8−スルホエチル−4,8,12−トリアザ−1,14−ペンタデカジエン−1,15−ジカルボン酸20g(0.029モル)と亜硫酸ナトリウム8g(0.064モル)の水溶液70mlを加え、反応混合物中のpHを5〜6に保ち、60℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応液を1N水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整し、電気透析により過剰の亜硫酸ナトリウムを除去した。その後、凍結乾燥し、1,15−ジカルボキシ−6,10−ジヒドロキシ−4,12−ジオクチル−3,13−ジオキソ−8−スルホエチル−4,8,12−トリアザペンタデカン−1,15−ジスルホン酸ナトリウム21g(単離収率86%)を白色粉末として得た。
以下に1H−NMRデータを示す。
【0084】
【化24】
【0085】
また、水中で上記化合物を分散し、これに同当量の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、凍結乾燥により対応するナトリウム塩を得た。
【0086】
実施例4
反応容器に、11,15−ジヒドロキシ−13−スルホエチル−9,13,17−トリアザペンタコサン10g(0.02モル)、トルエン50ml、グリコール酸エチル5.1ml(0.05モル)を入れ、100℃に昇温し、窒素気流により生成するエタノールを追い出しながら7.5時間攪拌を続けた。反応終了後、減圧下溶媒を留去して、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル200g,展開溶媒:クロロホルム/メタノール=100/1→20/1)により精製し、3,11−ジオクチル−2,12−ジオキソ−7−スルホエチル−3,7,11−トリアザ−1,5,9,13−トリデカンテトラオール10.6g(単離収率91%)を得た。
以下に1H−NMRデータを示す。
【0087】
【化25】
【0088】
実施例5
反応容器に実施例4で得た3,11−ジオクチル−2,12−ジオキソ−7−スルホエチル−3,7,11−トリアザ−1,5,9,13−トリデカンテトラオール10g(0.016モル)及びジクロロメタン100mlを入れ、窒素気流下、氷冷しながらクロロスルホン酸2.2ml(0.032モル)を滴下した。その後徐々に室温に戻し、窒素気流により発生する塩酸及びジクロロメタンを除去した。残渣に水を加えて溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液により、pHを7に調整した。この水溶液を電気透析により脱塩処理した後、凍結乾燥することにより、ジソディウム5,9−ジヒドロキシ−7−スルホエチル−2,12−ジオキソ−3,11−ジオクチル−3,7,11−トリアザ−1,13−トリデカンジサルフェート9.2gを得た(単離収率75%)。
IR(KBr錠剤法cm-1):1388,1184(νs=o),1660(νC=O)
【0089】
処方例1
本発明の化合物を用い、以下に示す組成のシャンプーを製造した。
【0090】
【表1】
(組成) (重量%)
実施例1の化合物 15.0
ラウロイルジエタノールアミド 3.0
ラウリルジメチルアミンオキシド 0.5
ヒドロキシエチルセルロース(ダイセル社製) 0.1
安息香酸ナトリウム 0.3
色素 適量
香料 適量
クエン酸 適量
水 バランス
計 100.0
【0091】
処方例2
処方例1において、実施例1の化合物に代え実施例2、3又は5の化合物を用いる以外は同様にして、シャンプーを製造した。
【0092】
処方例1及び2のシャンプーは、いずれも起泡性、洗浄性に優れており、洗髪時、すすぎ時の感触も良好であった。
【0093】
処方例3
本発明の化合物を用い、以下に示す組成のボディシャンプーを製造した。
【0094】
【表2】
(組成) (重量%)
実施例1の化合物 17.0
ポリオキシエチレン(EO 3)ラウリルグルコシド 5.0
ラウリルジメチルアミンオキシド 3.0
グリセリン 4.0
ショ糖脂肪酸エステル 1.0
メチルパラベン 0.3
色素 適量
香料 適量
クエン酸 適量
水 バランス
計 100.0
【0095】
処方例4
処方例3において、実施例1の化合物に代え実施例2、3又は5の化合物を用いる以外は同様にしてボディシャンプーを製造した。
【0096】
処方例3及び4のボディシャンプーは、いずれも起泡性、洗浄性に優れており、洗い上がり後の感触もしっとりとして良好であった。
【0097】
処方例5
下記組成の衣料用粉末洗浄剤組成物を調製した。この洗浄剤は、低温下(5℃)における洗浄力に優れ、かつ使用した水の硬度が高い(4〜8°DH)場合でも洗浄性を損なわなかった。
【0098】
【表3】
(組成) (重量%)
実施例1,3又は5の化合物 5.0
ポリオキシエチレン(EO4-18)C8〜C22アルキルエーテル 3.0
C12アルキルベンゼンスルホン酸Na 20.0
C12〜C14アルキル硫酸Na 5.0
C12〜C18脂肪酸Na 6.0
ゼオライト(4A型) 30.0
炭酸ナトリウム 20.0
酵素(プロテアーゼ,セルラーゼ) 2.0
ポリマー(アクリル酸−マレイン酸共重合体,Mw=50,000) 3.0
蛍光染料(DM型,チノパールCBS混合系) 0.5
香料 0.2
水 バランス
計 100.0
【0099】
処方例6
下記組成のノニオン界面活性剤を主成分とする衣料用粉末洗浄剤を調製した。この洗浄剤は、従来のノニオン界面活性剤を主成分とする洗浄剤の問題点であった、洗濯時の泡立ちが少なく、すすぎ性が悪いという欠点が改善されたものであった。
【0100】
【表4】
(組成) (重量%)
実施例1,3又は5の化合物 5.0
ポリオキシエチレン(EO4-18)C6〜C22アルキルエーテル 22.0
C12〜C18脂肪酸Na 1.0
ゼオライト(4A型) 30.0
炭酸ナトリウム 25.0
不定型アルミノシリケート(Na2O・Al2O3・3SiO2) 10.0
酵素(プロテアーゼ,セルラーゼ) 2.0
ポリマー(アクリル酸−マレイン酸共重合体,Mw=100,000) 3.0
蛍光染料(DM型,チノパールCBS混合系) 0.5
香料 0.2
水 バランス
計 100.0
【0101】
試験例1
以下に示す組成の食器用洗浄剤を調製し、その起泡力、洗浄力、皮膚刺激性及び使用感(手の感触)を評価した。
【0102】
【表5】
【0103】
<試験方法>
指示薬としてスダンIII(赤色色素)を0.1重量%添加した牛脂2.5gを磁製の皿(直径25cm)に塗布する。これを洗剤3g及び水(硬度3.5°DH)27gをしみ込ませたスポンジを用いて40℃でこすり洗いした。これをパネラー10名を対象に行い、洗浄力、使用感を評価した。
【0104】
<結果>
その結果、本発明化合物を配合した食器用洗浄剤は起泡力が良好で、洗浄力に優れ、かつ手に対する刺激性がなく、使用感が良好であった。
【0105】
【発明の効果】
本発明の新規化合物であるアミド化合物(1)又はその塩は、起泡性が優れ、皮膚などに対する刺激が少なく、皮膚や毛髪などに好ましい感触を与えることができる。このため、本発明化合物は、毛髪及び皮膚化粧料の基剤、洗浄剤、乳化剤、湿潤剤、コンディショニング剤、改質剤等として有用である。
Claims (9)
- 一般式(1)において、R1 及びR2 が直鎖又は分岐鎖の炭素数6〜24のアルキル基であり、Y1 がカルボキシル基又はスルホン酸基であり、Y2 がヒドロキシル基であり、Zがスルホアルキル基又はタンパク質を構成するアミノ酸、β−アラニンもしくはその塩から1つのアミノ基を除いた基である請求項1記載の化合物。
- 一般式(1)において、R1 及びR2 が直鎖又は分岐鎖の炭素数6〜24のアルキル基であり、Xがヒドロキシル基が置換していてもよい直鎖もしくは分岐鎖の炭素数1〜6のアルキレン基又はアルケニレン基であり、Y1 が硫酸残基であり、Zがスルホアルキル基又はタンパク質を構成するアミノ酸、β−アラニンもしくはその塩から1つのアミノ基を除いた基である請求項1記載の化合物。
- 次の一般式(3)
で表されるアミン化合物と、次の一般式(4)又は(5)
で表される化合物とを反応させることを特徴とする次の一般式(2)
で表されるアミドアルコールの製造方法。 - 次の一般式(2)
で表されるアミドアルコールに硫酸エステル化剤を反応させ、必要に応じて塩基性物質で中和することを特徴とする次の一般式(1a)
で表されるアミド化合物又はその塩の製造方法。 - 次の一般式(3)
で表されるアミン化合物と、次の一般式(6)
で表される酸無水物又は次の一般式(7)
R4-OCO-X2-CO2R5 (7)
〔式中、X2 は前記と同じ意味を示し、R4 及びR5 は同一又は異なって水素原子又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を示す。〕
で表されるジカルボン酸もしくはそのエステルとを反応させ、次いでR4 及び/又はR5 がアルキル基又はアルケニル基の場合は加水分解を行い、更に必要に応じて生成物を塩に変換させることを特徴とする次の一般式(1b)
で表されるアミドカルボン酸又はその塩の製造方法。 - 次の一般式(1c)
で表されるアミドカルボン酸にスルホン化剤を反応させ、更に必要に応じて生成物を塩に変換させることを特徴とする次の一般式(1d)
で表されるアミドスルホカルボン酸又はその塩の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の化合物を含有する洗浄剤組成物。
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