JPH0880563A - バリアー性紙容器 - Google Patents

バリアー性紙容器

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JPH0880563A
JPH0880563A JP6243398A JP24339894A JPH0880563A JP H0880563 A JPH0880563 A JP H0880563A JP 6243398 A JP6243398 A JP 6243398A JP 24339894 A JP24339894 A JP 24339894A JP H0880563 A JPH0880563 A JP H0880563A
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JP
Japan
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layer
paper container
film
weight
oxygen barrier
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JP6243398A
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English (en)
Inventor
Noboru Osato
昇 大郷
Kiichi Yamaguchi
喜一 山口
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素バリアー性と機械的強度、特にピンホー
ル適性に優れたバリアー性紙容器を提供することにあ
る。 【構成】 基材層に少なくとも酸素バリアー層2と内面
層3とが積層されてなる複合包装材料により形成された
バリアー性紙容器において、上記酸素バリアー層2が二
軸延伸されたポリ塩化ビニリデンフィルム22を含むこ
とを特徴とするバリアー性紙容器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバリアー性紙容器に関
し、さらに詳しくは安定した酸素バリアー性を有してい
るとともに充分な強度を有し、しかも焼却後に灰分が残
らず、焼却処理により容易に廃棄することができるバリ
アー性紙容器に関する。
【0002】
【従来の技術】基材層に少なくとも内面層と酸素バリア
ー層とが積層されてなる複合包装材料により形成された
紙容器は、たとえば清酒,ジュース,牛乳,ミネラルウ
ォーター等の各種飲料が充填される液体用カートンとし
て広く利用されている。そして、従来の液体用カートン
における酸素バリアー層の形成材料としては、積層体中
にアルミ箔の層を一層介在させることが一般に行なわれ
ている。
【0003】しかしながら、アルミ箔を酸素バリアー層
に用いて形成された液体用カートンは、安定した酸素バ
リアー性は得られるものの、折目線にクラックが発生し
やすく、また、焼却により残渣が残るために廃棄処理が
容易ではないという欠点があった。
【0004】一方、アルミ箔に代えて、シリカ蒸着層を
有する二軸延伸樹脂フィルム(ポリエステルフィルムな
ど)をバリアー層とした紙容器が特開平6−31849
号公報に提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記紙
容器も、折り曲げ及び熱風シール時の基材フィルムの収
縮により、クラック発生の可能性が高い。特に、製函に
あたって複合紙材の端部同士の貼り合わせは、いわゆる
スカイバーシールによってなされることが多いが、その
折り曲げ部分にピンホールが生じる可能性が依然として
高い。
【0006】本発明の目的は、アルミ箔を用いることな
く、優れた酸素バリアー性を発揮し、更に、機械的強
度、特にピンホール適性に優れたバリアー性紙容器を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の上記目
的は、基材層に少なくとも酸素バリアー層と内面層とが
積層されてなる複合包装材料により形成されたバリアー
性紙容器において、上記酸素バリアー層が二軸延伸され
た塩化ビニリデンフィルムを含むことにより、達成する
ことができる。
【0008】図1は、本発明のバリアー性紙容器の形成
材料に用いられる複合包装材料の構成例を示したもので
あり、この図に沿って本発明の各構成を順次説明する。
【0009】〈基材層〉基材層1としては、支持体11
とポリオレフィン系樹脂層12との積層体が好適に用い
られる。ここで、支持体11としては、紙の他、二軸延
伸ポリエステルフィルム,二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルムなどが好適に用いられ、その厚さは、通常、100
〜800μm程度であり、好ましくは100〜600μ
m程度である。また、ポリオレフィン系樹脂層12は、
ポリエチレン,ポリプロピレンなどのポリオレフィン系
樹脂により形成されるが、各種ポリオレフィン系樹脂の
なかでも、好ましいのは低密度ポリエチレンである。こ
のポリオレフィン系樹脂層12の厚さは、通常、10〜
50μm程度であり、好ましくは20〜30μm程度で
ある。
【0010】上記の支持体11とポリオレフィン系樹脂
層12とは、たとえば押出しラミネートされて基材層1
が形成される。
【0011】〈酸素バリアー層〉酸素バリアー層2は、
二軸延伸された塩化ビニリデン樹脂層22を主体とした
ものであり、ポリ塩化ビニリデンフィルムは塩化ビニリ
デンが97〜93重量%,メチルアクリレート成分が3
〜7重量%であり、かつ、可塑剤の含有量が4重量%以
下であることが望ましい。
【0012】メチルアクリレート成分は、7重量%以下
であって、更に可塑剤の含有量が4重量%以下の少ない
含量領域にすることで、十分な酸素バリアー性を発揮す
ることができる。また、メチルアクリレート成分量が3
重量%未満になると、可塑剤の使用量を制約して製膜す
ることが難かしく、従って3重量%以上が選ばれる。
【0013】次に、ポリ塩化ビニリデンフィルムが二軸
延伸フィルムであることの理由は、最終複合フィルムの
芯材として、複合フィルムに腰の強さ,引張り強さ,引
裂き強さ等の機械的特性を付与するためであるが、AS
TM−D−1504(測定温度120℃)の加熱収縮最
大応力(ORS)が、タテ210〜310g/mm2
ヨコ140〜240g/mm2の範囲を満足すれば、よ
り十分なピンホール適性を発揮することができる。
【0014】本発明でいうメチルアクリレート成分が3
〜7重量%の塩化ビニリデン系樹脂とは、塩化ビニリデ
ン−メチルアクリレート系共重合体であり、重量平均分
子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(G
PC法)による)が7万〜25万の範囲で、同じGPC
法で求めた数平均分子量との比(即ち重量平均分子量÷
数平均分子量)が2.0〜3.0の値の範囲のものが望
ましい。更に望ましくは、重量平均分子量が8万〜13
万の範囲で、数平均分子量との比が2.0〜2.4の値
の範囲のものが望ましい。
【0015】本発明でいう可塑剤とは、塩化ビニル樹脂
用可塑剤として公知の液体可塑剤をいう。中でも食品安
全衛生上の見地からは脂肪族二塩基酸エステル系、クエ
ン酸エステル系、脂肪酸エステル系、ポリエステル系等
の液体可塑剤から厳選され、望ましくは、アジピン酸ジ
イソブチル、セバチン酸ジブチル、アセチルクエン酸ト
リブチル等である。更に望ましくは、上記可塑剤とアジ
ピン酸ジイソブチルとの併用使用(例えばアジピン酸ジ
イソブチル成分が70重量%以上)が望ましい。
【0016】本発明に使用される上記ポリ塩化ビニリデ
ンフィルムを作製するには、公知の延伸フィルム作製技
術を適用すれば良いが、押出適正を確保するために溶融
押出−製膜の段階では、4%を越えて多量の可塑剤を含
有させておいて、能率的・経済的に精度の良いフィルム
を作製し、これを加熱することによってその工程過程に
おいてフィルム内の可塑剤を逸散させ、フィルム内の可
塑剤量を4重量%以下の少量、望ましくは無可塑化の状
態にして、バリアー性を確保するのが良い。
【0017】図2は、本発明の上記延伸フィルムを作る
のに便利な装置の概念図である。
【0018】図2において、押出機101のホッパー部
102から供給された樹脂は、スクリュー103で推
進,加熱混練されて溶融し、押出機の先端に取り付けら
れた環状ダイ104のスリット部から押出されて、筒状
パリソン105となる。パリソン105は冷却槽106
の冷水107、及びパリソン内の冷媒108で約10℃
に急冷され、ピンチロールA,A’に導かれて筒状にし
て温水槽109で約40℃に余熱され、ピンチロール群
B,B’、C,C’との間で、筒状フィルム内に密封入
されたエアーの体積及びピンチロールB,B’、C,
C’間の速度比によって、筒の周囲方向及び縦方向に各
々約4倍に延伸し配向される。
【0019】延伸された筒状フィルムは平坦2枚重ねに
折り畳まれ、加熱装置(加熱炉110、加熱ローラー1
11,111’,112,112’)で、緊張固定され
た状態で約100℃〜140℃の加熱を受け、冷却ロー
ラー113,113’で冷却された後フィルム両端部を
切開いて、1枚づつのフィルムに剥ぎ、巻取ボビンD,
D’上に巻回して巻取る。以上の一連の連続操作によっ
て、連続生産される。
【0020】この際、ORSは、上記加熱装置における
加熱温度と加熱ローラーの接触時間を変化させることに
より調整することができる。
【0021】上記塩化ビニリデン樹脂層22は、ガスバ
リアー性,機械的強度の点から、その厚さは10〜40
μm、好ましくは15〜25μmである。
【0022】本発明においては、酸素バリアー層2は、
上記塩化ビニリデン樹脂層22を挟持するようにポリエ
チレン樹脂層21とポリエステル樹脂層23が積層され
たものであることが好ましい。
【0023】ポリエチレン樹脂層21は、支持体(紙)
11とバリアー層22をポリエチレン層4により容易に
押出ラミネートするために設けられるもので、その厚さ
は10〜40μm、好ましくは15〜25μmである。
【0024】また、ポリエステル樹脂層23は、紙容器
に腰の強さを付与し、さらに製函工程中の容器底及び容
器口の接着時の熱に対する耐熱性を付与するために設け
られるもので、その厚さは9〜50μm、好ましくは1
2〜25μmである。
【0025】〈内面層〉内面層3は、容器の形状に形成
したときに、内容物と接する層であり、形成材料として
はポリエチレン樹脂が好ましく、特に内容物が液体の
為、臭い等の移行成分が少ない低臭タイプが望ましい。
この内面層3の厚さは、25〜100μm、好ましくは
40〜60μmである。
【0026】本発明の上記各構成層の積層に関し、基材
層1と酸素バリアー層2とは、通常のポリエチレン押し
出しラミネート法により積層される。即ち、ポリエチレ
ン樹脂層21上にポリエチレン樹脂を押し出しながら基
材層の紙を熱融着させることにより形成される。このよ
うなラミネート法により形成されるポリエチレン樹脂層
4の厚さは、通常、10〜30μm程度である。
【0027】酸素バリアー層2を構成する各層間(2
1,22,23)及び酸素バリアー層2と内面層3との
積層は、接着剤によるドライラミネート法により積層さ
れる。接着剤層5は、イソシアネート系接着剤を好適に
用いて形成されている。ここで、イソシアネート系接着
剤としては、たとえばポリエステルポリウレタン系接着
剤、ポリエーテルポリウレタン系接着剤を主剤とし、こ
のような主剤にトリレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネートなどの硬化剤を添加させる二液硬化タ
イプの接着剤が挙げられる。この接着剤層5の厚さ(塗
布量)は、通常、固型分で2〜10g/m2、好ましく
は2〜5g/m2である。
【0028】
【実施例】実施例1〜3,比較例1〜7 塩化ビニリデン成分とメチルアクリレート成分との成分
比が97:3である基材樹脂に、アジピン酸ジイソブチ
ルとアセチルクエン酸トリブチル(何れも可塑剤)の混
合物(アジピン酸ジイソブチル70重量%;アセチルク
エン酸トリブチル30重量%)を2重量%となるように
添加混合し樹脂を得た。
【0029】この樹脂を、図2に示す方法で、押出し、
製膜して捲速30m/分の割でボビンに捲取り、幅10
00mm、厚さ15μmのフィルム(実験No.1)を
得た。この時の加熱炉110の長さは約7mで炉内温度
は100℃であり、加熱ローラー111,111’の温
度は110℃、加熱ローラー112,112’の温度は
110℃であった。
【0030】他に、メチルアクリレート含有量,可塑剤
量及びORSを変え、表1に示す実験No.2〜9のフ
ィルムを作製した。
【0031】これらのフィルムに対し、特性評価を行
い、表1にその結果を示した。
【0032】また、片面の厚さ2μmの塩化ビニリデン
ラテックスがコートされたポリエステルフィルム12μ
m(実験No.10)を実験No.1〜9と同様の方法
で屈曲テスト前後のガスバリアー性を測定した結果を表
1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】残存可塑剤量(%):可塑剤の定性,定量
は分析に関する出版物、例えば「高分子分析ハンドブッ
ク」(日本分析化学会編,1985年)に記載の溶剤抽
出法によりガスクロマトグラフ及び質量分析計を用いる
方法で行うことが出来る。 ORS :ASTM D−1504に準拠 製膜加工性 :該ポリ塩化ビニリデンフィルムを製膜
する際に、カーボン及び熱分解による気泡等の発生を肉
眼で観察し、発生が認められるまでの所要時間を下記評
価尺度で評価した。 評価記号 評価尺度 ◎; 6時間以上 ○; 3時間以上6時間未満 △; 1時間以上3時間未満 ×; 1時間未満 ガスバリアー性:ASTM D−3985に従ってMO
CON−OXTRAN100型で20℃,65%RHの
条件で酸素ガス透過度を測定し、下記評価尺度により評
価した。 評価記号 評価尺度 (単位cc/m2.day.atm) ◎; 6以下 ○; 6を超えて10以下 △; 10を超えて高いもの 屈曲テスト後のガスバリアー性:積層品サンプルから5
cm×10cmのサンプルを切りだし、長手方向中央部
に長手方向に対し直角に180度折り曲げる。これを1
0回繰り返す。上記酸素ガス透過度測定法により屈曲部
を中心として酸素ガス透過度を測定した。尚、評価尺度
は上記評価基準に従った。 外観 :ASTM D−1003に準拠 評価記号 評価尺度 (単位%) ◎; 5以下 △; 5を超えて10以下 ×; 10を超えて高いもの
【0035】実施例4 通常のドライラミネート法により、厚さ50μmの低臭
タイプのポリエチレンフィルム(タマポリ製 タイプ#
18)、厚さ12μmのポリエステルフィルム(東レ製
タイプ:ルミラー)、厚さ15μmの塩化ビニリデン
フィルム(PVDC:実施例2のフィルム)、厚さ20
μmのポリエチレンフィルム(エンシュー化成 LLD
PE)の順になるように2液反応型ウレタン系接着剤を
用いて積層した。
【0036】予め表面印刷を施した坪量400g/m2
の板紙の印刷面にポリエチレン20μm(LDPE)が
押し出しコートされた積層品の紙面と、前記積層フィル
ムの厚さ20μmのポリエチレンフィルム面とを通常の
ポリエチレン押し出しラミネート法により積層し、下記
構成の積層シートを得た。
【0037】PE20μm/紙(400g/m2)/P
E20μm/PE20μm/PVDC15μm/PET
12μm/PE50μm
【0038】該積層シートの屈曲テスト前後における酸
素ガス透過度(23℃)はいずれも1.5cc/m2
24hr.atmで、虐待テスト後でも酸素バリアー性
は良好であった。
【0039】比較例8 バリアー層として、塩化ビニリデンフィルム(PVD
C)の替わりにアルミ箔9μmを用い実施例4と同様の
方法にて、積層シートを得た。
【0040】該積層シートの屈曲テスト前後における酸
素ガス透過度(23℃)は下記の通りで、屈曲テスト品
はピンホールが確認された。
【0041】 屈曲テスト前 0cc/m2.24hr.atm 屈曲テスト後 200cc/m2.24hr.atm
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、アルミ箔を用いないた
め、焼却しても残渣が残らず、炉材の目詰りがないな
ど、焼却性に優れている上、バリアー性が非常に良好
で、アルコール飲料等の変質や目減りもない。また、機
械的強度、特にピンホール適性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバリアー性紙容器の形成材料に好適に
用いられる複合包装材料の構成例を示す断面図である。
【図2】本発明に用いられる延伸フィルムを作るのに好
適な装置の概念図である。
【符号の説明】
1 基材層 2 酸素バリアー層 3 内面層 5 接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 7/04 CEU P C08K 5/10 KGY C08L 27/08 LEV // B29K 27:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材層に少なくとも酸素バリアー層と内
    面層とが積層されてなる複合包装材料により形成された
    バリアー性紙容器において、上記酸素バリアー層が二軸
    延伸されたポリ塩化ビニリデンフィルムを含むことを特
    徴とするバリアー性紙容器。
  2. 【請求項2】 前記ポリ塩化ビニリデンフィルムが、塩
    化ビニリデンが97〜93重量%,メチルアクリレート
    成分3〜7重量%で可塑剤の含有量が4重量%以下であ
    る塩化ビニリデン系共重合樹脂からなることを特徴とす
    る請求項1に記載のバリアー性紙容器。
  3. 【請求項3】 前記ポリ塩化ビニリデンフィルムが、A
    STM−D−1504による試験法で加熱収縮最大応力
    がタテ210〜310g/mm2,ヨコ140〜240
    g/mm2の範囲であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のバリアー性紙容器。
JP6243398A 1994-09-13 1994-09-13 バリアー性紙容器 Pending JPH0880563A (ja)

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Effective date: 20040928