JP2013244607A - 積層体及び容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形性とバリア性能に優れた、ポリ塩化ビニリデン延伸フィルムを含む積層体とその積層体の成形容器を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、厚みが10〜100μmのポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムと、該ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの少なくとも一方の面に形成された押出ラミネート層と、を有する積層体、及びこの積層体を成形した容器に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層体及びこれを使用した容器に関する。
ポリ塩化ビニリデン系フィルムは、酸素、水蒸気、二酸化炭素等の気体に対するガスバリア性に優れるため、単層フィルム、共押フィルム、或いはラミネート用フィルムとして、食品、工業品、医薬品等の各種包装用途に使用されている。その中でも、包装形態の一つとして、絞り包装がある。これは、軟質のフィルム或いは硬質のシートを加熱した後に真空圧空、或いはプラグアシスト等の方法で容器状に成形した後に内容物を充填し、トップシール等で包装体にする方法である。特許文献1には、二軸延伸のポリ塩化ビニリデン系フィルムを成形用途に使用するための熱処理方法に関する技術が開示されている。
特許第4889478号
ポリ塩化ビニリデン系フィルムを絞り包装用途に用いる場合、二軸延伸フィルムの場合は機械強度、気体バリア性に優れているが、伸度が小さくまた熱により収縮することから成形性が十分ではない。また未延伸フィルムの場合はフィルム中の結晶が配向していないために衝撃強度が十分でなく、成形性に優れるものの衝撃強度が十分ではないという傾向がある。また、脆い性質があるので単層フィルムの取り扱い性は良好とはいえない。
両者の欠点を補う一つの方法として、特許文献1には二軸延伸のポリ塩化ビニリデン系フィルムを熱処理して成形性を良好にする技術が開示されている。しかしながら、この二軸延伸のポリ塩化ビニリデン系フィルムを含む積層体の成形性は良くなるものの、成形時に大きな伸度を必要とする深い成形体へ適用しようとするとポリ塩化ビニリデン系フィルムが十分に伸びない場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、深絞り成形性とバリア性能に優れた、ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムを含む積層体及びこの積層体を成形した容器を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムに接触する押出ラミネート層を有する少なくとも2層の積層フィルムを含む積層体が、積層前のポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの伸度から想定される伸度よりも飛躍的に向上し、成形用途に適したポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムを含む積層体とその積層体からなる容器が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、下記のとおりである。
[1]厚みが10〜100μmのポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムと、該ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの少なくとも一方の面に形成された押出ラミネート層と、を有する積層体。
[2]押出ラミネートにより形成される層の厚みが15μm以上である、[1]記載の積層体。
[3]ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムが、塩化ビニリデンとアクリル酸メチルの共重合体を含む、[1]又は[2]記載の積層体。
[4][1]〜[3]のいずれか1つに記載の積層体を成形した容器。
本発明によれば、深絞り成形性とバリア性能に優れた、ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムを含む積層体とその積層体を使用した成形容器を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の積層体は、厚みが10〜100μmのポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムと、このポリビニリデン系延伸フィルムの少なくとも一方の面に形成された押出ラミネート層と、を有する。
ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を含むポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物を用いて作製される。ポリ塩化ビニリデン系樹脂としては、塩化ビニリデン単量体の単独重合体であってもよいし、塩化ビニリデン単量体と共重合可能な単量体との共重合体であってもよい。塩化ビニリデン単量体と共重合可能な単量体としては、特に限定されず、アクリル酸メチル及びアクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル、塩化ビニル、アクリルニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。これらの中でも、フィルムのガスバリア性と押出加工性のバランスから、アクリル酸メチルが好ましい。これらの共重合体可能な単量体は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物は、1種のポリ塩化ビニリデン系樹脂を含むものであってもよいし、2種以上のポリ塩化ビニリデン系樹脂を含むものであってもよい。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物としては、塩化ビニリデン単量体とアクリル酸メチル単量体とからなる共重合体を含むことが好ましい。この場合、塩化ビニリデン90〜98質量%、アクリル酸メチルが10〜2質量%からなる共重合体であることがより好ましい。アクリル酸メチルの含有量が2質量%以上であれば、押出製膜時の溶融特性がより良好である。また、アクリル酸メチルの含有量が10質量%以下であれば、より高いガスバリア性能を発生させることができる。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物として、上記した塩化ビニリデン単量体とアクリル酸メチル単量体とからなる共重合体を含む場合、当該共重合体のゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー法(GPC法)で求めたポリスチレンを標準とした重量平均分子量(Mw)は、6万〜13万であることが好ましい。Mwが6万以上であれば製膜の際の延伸に耐え得る強度が一層向上し、13万以下であれば溶融押出を一層効率よく行うことが可能である。
なお、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体の場合も、当該共重合体のゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー法(GPC法)で求めたポリスチレンを標準とした重量平均分子量(Mw)は、6万〜13万であることが好ましい。Mwが6万以上であれば製膜の際の延伸に耐え得る強度が一層向上し、13万以下であれば溶融押出を一層効率よく行うことが可能である。
ポリ塩化ビニリデン系樹脂組成物には、可塑剤、熱安定剤等の添加物を配合することができる。可塑剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、アセチルトリブチルサイトレート、アセチル化モノグリセライド、ジブチルセバケート等が挙げられる。熱安定剤としては特に限定されず、公知のものを用いることができ、例えば、エポキシ化大豆油及びエポキシ化アマニ油等のエポキシ化植物油や、エポキシ系樹脂等が挙げられる。その他にも、本実施形態の効果の範囲内で、公知の着色剤、有機系滑剤、無機系滑剤及び界面活性剤等の添加剤を添加することができる。
さらに、本実施形態に係るポリ塩化ビニリデンフィルムは、延伸フィルムであることが必要である。延伸方法は、特に限定されず、通常用いられる延伸方法を採用することができる。例えば、テンター法やダブルバブル法等を採用することができる。好ましくは二軸延伸である。
ポリ塩化ビニリデンフィルムの延伸の程度は、延伸フィルムの収縮率によって規定される。120℃、5分のエアー雰囲気で、フィルムの押出方向である縦方向(MD)の収縮率及びこれと直行する横方向(TD)の収縮率を測定したときに、平均熱収縮率((MD+TD)/2)が、5%以上30%以下となるよう延伸されたフィルムが好ましい。平均熱収縮率が5%以上であれば単層フィルムとしての強度が十分であるので押出ラミネート時の取り扱い性が良好である。また、平均熱収縮率が30%以下であれば押出ラミネート時の樹脂の熱によるポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの収縮が小さく生産効率が上がる。
MDとTDの平均熱収縮率を5%以上30%以下に調整するために、製膜時のフィルムの延伸倍率をMD、TD共に2〜7倍に調整することが好ましい。
ポリ塩化ビニリデン延伸フィルムは、例えば、従来公知の押出製膜法によって製造することができる。この方法の一例としては、塩化ビニリデン樹脂組成物を、押出機に供給し、供給された塩化ビニリデン樹脂組成物を、押出機のスクリューで推進しながら加熱混練して溶融する。その後、押出機の先端に取り付けられた、環状ダイ、あるいはTダイのスリット部から樹脂を押出した後、延伸される。
ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの厚みは10〜100μmであり、好ましくは10〜80μmである。10μm以上であれば、ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの製膜時に生産効率が良く、また100μm以下であればポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの分子配向が押出樹脂層の熱により緩和され積層フィルムの伸度が向上し成形性が良好になる。また厚みが80μm以下あれば更に積層フィルムの伸度が向上し成形性がより良好になる。
本実施形態の積層体の製造方法について説明する。本実施形態の積層体は、ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの少なくとも片面に押出ラミネート法により押出ラミネート層が設けられたものである。押出ラミネート法とは、押出機を用いて樹脂を加熱、溶融し、ダイからフィルム状に押出して基材上に積層することで、成形と貼り合わせを同時に行う成形方法である。
本実施形態に係る押出ラミネート層には公知のポリオレフィン系樹脂が使用できる。ポリオレフィン系樹脂としては例えば低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン及び1−オクテン等のα−オレフィンの1種あるいは2種以上との共重合樹脂、エチレンとアクリル酸及びメタクリル酸等の(メタ)アクリル酸系樹脂との共重合樹脂、エチレンと酢酸ビニルとの共重合樹脂、エチレンとアクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル及びメタクリル酸イソプロピル等の(メタ)アクリル酸エステル系樹脂との共重合体樹脂、あるいはこれらの樹脂と無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸類とのグラフト(三元)共重合樹脂、更にはアイオノマー樹脂等が挙げられる。上記の樹脂は単独で用いても2種類以上のブレンド物でも良い。
また、押出ラミネート層に用いるポリオレフィン系樹脂には本実施形態の効果を阻害しない範囲で酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、中和剤、難燃剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、顔料及び充填剤等の公知の添加剤の1種又は2種以上を添加しても良い。
押出ラミネート層に用いるポリオレフィン系樹脂のMFR(メルトフローレート:JIS−K7210)は1〜50g/10分の範囲である事が好ましく、3〜20g/10分の範囲である事がより好ましい。MFRが1g/10分以上であると樹脂の延展性が十分であり、良好な積層フィルムを形成することができ、50g/10分以内であると、押出機から押出される際に、ネックインが小さくフィルム成形性が良好である。
ポリオレフィン系樹脂を薄膜状に溶融押出するための押出機には特に制限はなく、一般的な樹脂シート成形用押出機が使用できる。そして、溶融押出された樹脂は、ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの少なくとも片面に設けられ、押出ラミネート層となる。ポリオレフィン系樹脂の押出温度は使用樹脂により適切な温度が選択されるが、150℃〜340℃の範囲が好ましい。押出温度が150℃以上であれば、溶融樹脂がポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムに接触する際に、ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの分子配向が熱により緩和されるために、積層フィルムの伸度が向上し、成形用途により適したポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムを含む積層フィルムが得えられる。押出温度が340℃以下であれば、溶融樹脂がポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムに接触する際に、ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの収縮は小さく生産効率が良い。
押出ラミネート層の厚みは15μm以上50μm以下が好ましく、更に好ましくは20μm以上50μm以下である。押出ラミネート層の厚みが15μm以上であれば、ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムに接触する際に十分な熱量があるのでポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの分子配向が熱により緩和され積層フィルムの伸度がより向上する。また厚みが20μm以上であれば熱量が大きいのでポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの分子配向が更に緩和されフィルムの伸度はより一層向上する。また、厚みが50μm以下であれば押出ラミネートの生産効率は良い。押出ラミネート層の厚さは、溶融押出の際の押出し量を調整することで制御できる。
押出ラミネート層を中間としてポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムと他基材とを押出サンドラミネートすることもできる。この場合にはそれぞれのフィルムと押出ポリオレフィン樹脂層の接着強度を大きくするために、あらかじめポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムと他基材それぞれに接着促進剤(以下AC剤という)を塗工することが好ましい。AC剤としては有機チタン系、ポリウレタン系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系が好ましい。尚、AC剤塗布の前にフィルムにコロナ処理を施すと接着強度が上がるので好ましい。
ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの少なくとも片面に押出ラミネート層を有する積層体は、他のフィルムや発泡体と積層して積層体とすることができる。他のフィルムとしては成形性が良好な未延伸フィルムが好ましい。未延伸フィルムの定義としては120℃、エアー雰囲気下で、押出方向である縦方向(MD)の収縮率及びこれと直行する横方向(TD)の収縮率を測定したときに、平均熱収縮率((MD+TD)/2)の平均熱収縮率が5%以下のものとする。
他のフィルムや発泡体の材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステル、環状オレフィン共重合体、環状ポリオレフィン、フッ素系樹脂及びポリスチレンが挙げられる。
本実施形態の積層体の積層構造は、特に限定されず、対称構造、非対称構造のどちらでもよい。また、3層、4層又はそれ以上の層からなる多層構造の積層体とすることができる。本実施形態の積層体の厚みは50μm〜3000μmであることが好ましい。
本実施形態の積層体の製造方法は、ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの少なくとも片面に押出ラミネート法によってラミネート層を形成する必要があるが、その他の部分については特に限定されず、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法、サーマルラミネート法等を使用することができる。下記に各方法の一例を示す。
共押出法としては、例えば、数種類の押出機でそれぞれの樹脂を溶融し、多層ダイを通じて積層させる方法が挙げられる。
ドライラミネート法としては、例えば、フィルムに接着剤を塗布して乾燥させた後にポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムと積層させる方法が挙げられる。
サーマルラミネート法としては、例えば、あらかじめドライラミネート法によってポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの片面に未延伸ポリプロピレンが積層されたフィルムのポリプロピレン側に、未延伸のポリプロピレンシートを積層させ、その直後に熱ロールによって圧力をかけながら接着する方法が挙げられる。
本実施形態の積層体は、成形することで各種容器とすることができる。容器の作製方法は、公知の真空圧空成形法やプラグアシスト成形法等の方法を用いることができる。
真空圧空成形機の一例としては成形充填機(FFS機)が挙げられる。FFS機を使用した成形方法の一例を説明する。まず、成形用フィルムを繰り出した後に熱板によってフィルムを加熱し、真空圧空によってフィルムを所定の形状に成形した後に内容物を充填する。一方、繰り出された蓋用のフィルムは内容物を充填された成形用フィルムとトップシールされる。その後、連続的にスリットされて最終的な個々の包装体を形成する。本実施形態の成形容器は、ガスバリア性、成形性や衝撃強度に優れるため、食品、工業品や医薬品用の容器に適している。
また、他の成形機の一例としては真空圧空成形法やプラグアシスト成形法の錠剤包装機(PTP包装機)もある。
本実施形態の成形容器は、成形前の面積と成形後の面積の比率(成形後面積/成形前面積)が1を超えるものと定義される。例えば、シートの10cm角部分の面積を成形して、深さを10cmの立方体形状にしたとき、成形前面積は100cmであるのに対し、成形後面積は底面(100cm)と周囲の面(100cm×4)の和の500cmになる。この場合、(成形後面積/成形前面積)=500/100=5である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
1.引張破断伸度
測定は80℃、50%RHの雰囲気中で行う。引張測定機(ORIENTEC社製、「テンシロンRTC−1210」)を用いて、MD方向とTD方向の引張破断伸度を測定する。試料フィルムの幅は10mm、チャック間距離は10mm、引張速度は1000mm/minである。また、引張破断伸度の定義は積層フィルム中のポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムが切断される伸度である。下記の基準に従って評価した。
×:(MD+TD)/2が150%未満
○:(MD+TD)/2が150%以上、200%未満
◎:(MD+TD)/2が200%以上
2.バリア性:酸素透過率(OTR)
ASTM D−3985に準拠して積層シートにて測定する。酸素透過率測定装置「Mocon OX−TRAN 2/20」を用いて23℃、65%RHの雰囲気中で行う。下記の基準に従って評価した。
◎:20mL/m・day・MPa未満
○:20mL〜1500mL/m・day・MPa未満
×:1500mL/m・day・MPa以上
3.成形性1
FFS機(ムルチバッグR105型)を用いて評価した。金型は巾が30mm、長さが150mmの直方体の形状であり、深さを任意に変更できるものである。金型の角部分にRはなく、直角である。成形時の熱板設定温度は100℃であり、成形前に積層フィルムが熱板に接触する時間は2s、成形時の圧空の圧力は0.5MPaであった。下記の基準に従って評価した。
◎:25mm以上の深さでポリ塩化ビニリデン層に割れが生じずに成形が可能
○:15mm以上、25mm未満の深さでポリ塩化ビニリデン層に割れが生じずに成形可能であるが25mm以上の深さでは割れが生じる
×:15mm未満の深さでポリ塩化ビニリデン層に割れが生じずに成形可能であるが15mm以上の深さでは割れが生じる
4.成形性2
PTP成形機(FBP−M1機、CKD社製)を用いて評価した。金型は直径が10mm、深さが6mmの丸型錠剤タイプ使用した。成形時の熱板設定温度は120℃であり、成形時の圧空の圧力は0.5MPaであった。なお、成形時にシートを送る駆動力は、成形後のローラーの凹部の溝と成形シートの凸部をかみ合わせることにより発生するので、シートの成形が不十分であれば、シート送りができずに連続運転が不可能となる。下記の基準に従って評価した。
◎:成形でき連続運転が可能
×:成形できずに連続運転が不可能
(フィルム、押出樹脂層)
1)ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルム(以下PVDCフィルムと略す)
PVDCフィルム−1:サランフィルム883(厚み20μm、旭化成ケミカルズ社製、塩化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体の延伸フィルム。)このフィルムの120℃、5分のエアー雰囲気で平均収縮率((MD+TD)/2)は20%であった。熱収縮率の測定方法は120℃のオーブン中でフィルムを非拘束状態で5分間放置し、MDとTDの寸法変化から求めた。縮む場合は正の数値に、伸びる場合は負の数値と定義する。
PVDCフィルム−2:サランUB M−1151(厚み25μm、旭化成ケミカルズ社製、塩化ビニリデンとアクリル酸メチルとの共重合体の延伸フィルム、塩化ビニリデン/アクリル酸メチル=95/5(質量比))。このフィルムの120℃、5分のエアー雰囲気で平均収縮率((MD+TD)/2)は15%であった。
PVDCフィルム−3:上記PVDC−2フィルムと樹脂組成は同様で厚みを150μmに調整したものである。このフィルムの120℃、5分のエアー雰囲気で平均収縮率((MD+TD)/2)は13%であった。
PVDCフィルム−4:特開2008−074908号公報に記載の方法に準じて、重量平均分子量が8万の塩化ビニリデン/アクリル酸メチル=95/5(質量比)の共重合体を合成した。得られた共重合体に対して、熱安定剤としてエポキシ化大豆油(日油社製、商品名「ニューサイザー510」)を1質量%混合して、ポリ塩化ビニリデン樹脂組成物を得た。この樹脂組成物をTダイで溶融押出し、キャストロールの速度で厚みを調整した後に巻き取って、厚みが25μmの無延伸のポリ塩化ビニリデンフィルムを得た。このフィルムの120℃、5分のエアー雰囲気で平均収縮率((MD+TD)/2)は0%であった。
2)線状低密度ポリエチレン(LL)・ナイロン(Ny)・線状低密度ポリエチレン(LL)共押出未延伸フィルム(以下LL・Ny・LLフィルムと略す)
タマポリ社製、総厚みが60μmでグレード名はZPX111でありLLとNyとLLの厚み比率が1:1:1である。このフィルムの120℃、5分のエアー雰囲気で平均収縮率((MD+TD)/2)は1%であった。
3)未延伸ポリプロピレンフィルム(以下CPPフィルムと略す)
東洋紡社製、厚みが40μm、グレード名がパイレンフィルム-CT、P1153である。このフィルムの120℃、5分のエアー雰囲気で平均収縮率((MD+TD)/2)は0%であった。
4)ポリ塩化ビニルフィルム(以下PVCフィルムと略す)
又永化工社製、厚みが100μmである。このフィルムの120℃、5分のエアー雰囲気で平均収縮率((MD+TD)/2)は2%であった。
5)押出ラミネート層に用いたPE樹脂
旭化成ケミカルズ社製、グレード名がサンテックLD1850−Kである。
6)押出ラミネート層に用いたPP樹脂
日本ポリプロ社製、グレード名がFL02Aである。
以下、実施例及び比較例の積層フィルムの作製について説明する。なお、積層フィルムの層構成を説明するに当たり、構成要素間の「/」の記号は、「/」の記号の両側に記載した構成要素を押出ラミネート法により積層したことを意味する。また、構成要素間の「//」の記号は、「//」の記号の両側に記載した構成要素をドライラミネートで積層したことを意味する。また、カッコ内の数値は、各構成要素の厚さを表す。
[実施例1]
PVDCフィルム−1にコロナ処理をした後にAC剤を塗布し乾燥させ、一方、LL・Ny・LLフィルムにコロナ処理をした後にAC剤を塗布し乾燥させた。AC剤としては、ウレタン系樹脂(タケラック A3210/A3075の1:1混合物、三井武田ケミカル(株)製)を酢酸エチルで溶解したもの(ウレタン系樹脂:酢酸エチル=3.2:16)を用い、この塗工液をPVDCフィルム−1とLL・Ny・LLフィルムそれぞれの表面に乾燥状態で塗布量0.5g/mとなるように塗工しAC処理を行った。それぞれのフィルム間に、押出ラミネート法によりポリエチレン(PE)樹脂を押出して押出ラミネート層を形成した。PE層の厚みが乾燥状態で15μmになるようにPE樹脂の押出し量を調整して、LL・Ny・LL(60μm)/PE(15μm)/PVDC−1(20μm)の積層フィルムを得た。この時の押出ラミネートされたPE樹脂の樹脂温度はダイから出た直後で325℃であった。
最後に、得られた積層フィルムとCPPフィルムをドライラミネートで接着させLL・Ny・LL(60μm)/PE(15μm)/PVDC−1(20μm)//CPP(40μm)の積層フィルムを得た。ドライラミネートの接着剤としてはウレタン系接着剤(タケラック A515/A50の10:1混合物、三井武田ケミカル(株)製)を酢酸エチルで溶解したもの(ウレタン系樹脂:酢酸エチル=1:3)を用い、この塗工液をLL・Ny・LL(60μm)/PE(15μm)/PVDC−1(25μm)フィルムのPVDC側に乾燥状態で塗布量4g/mとなるように塗工した。
[実施例2]
ポリ塩化ビニリデン系フィルムをPVDC−2に変更した以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
[実施例3]
ポリ塩化ビニリデン系フィルムをPVDC−2に、押出ラミネート層の厚みを25μmに変更した以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
[実施例4]
実施例3と同様にしてLL・Ny・LL(60μm)/PE(25μm)/PVDC−2(25μm)の積層体を得た。次にこの積層フィルムのPVDC−2側にコロナ処理を行った後、AC剤を塗布して乾燥させた。その後押出ラミネート層のPE層の厚みが35μmになるように押出し量を調整してLL・Ny・LL(60μm)/PE(25μm)/PVDC−2(25μm)/PE(35μm)の積層フィルムを得た。この時の押出ラミネートされたPE樹脂の樹脂温度はダイから出た直後で325℃であった。AC剤は全て実施例1と同様のものを使用した。
[実施例5]
押出ラミネート層をポリプロピレン(PP)に変更した以外は実施例3と同様にして積層フィルムを得た。この時の押出ラミネートされたPP樹脂の樹脂温度はダイから出た直後で280℃であった。
[実施例6]
PVDCフィルム−2にコロナ処理を行った後、AC剤を塗布し乾燥させ、一方、PVCフィルムにコロナ処理を行った後、AC剤を塗布し乾燥させた。それぞれのフィルム間に押出ラミネート層のPE層の厚みが30μmになるように押出し量を調整してPVC(100μm)/PE(30μm)/PVDC−2(25μm)の積層フィルムを得た。この時の押出ラミネートされたPE樹脂の樹脂温度はダイから出た直後で325℃であった。
次に、得られた積層フィルムのPVDC−2側にコロナ処理を行った後にAC剤を塗布して乾燥させた。一方、PVCフィルムにコロナ処理を行った後、AC剤を塗布してそれぞれ乾燥させた。それぞれのフィルム間に押出ラミネート層PE層の厚みが30μmになるように押出量を調整してPVC(100μm)/PE(30μm)/PVDC−2(25μm)/PE(30μm)/PVC(100μm)の積層フィルムを得た。この時の押出ラミネートされたPE樹脂の樹脂温度はダイから出た直後で325℃であった。AC剤は全て実施例1と同様のものを使用した。
[実施例7]
PVDCフィルム−2にコロナ処理を行った後、AC剤を塗布し乾燥させ、押出ラミネート層のPE層の厚みが50μmになるように押出量を調整してPE(50μm)/PVDC−2(25μm)の積層フィルムを得た。この時の押出ラミネートされたPE樹脂の樹脂温度はダイから出た直後で328℃であった。AC剤は実施例1と同様のものを使用した。
[比較例1]
PVDCフィルム−4を使用して、実施例1と同様の構成になるように押出ラミネートの実施を試みたが、PVDC−4フィルムが脆く、切れるために連続的な押出しラミネートが不可能であった。
[比較例2]
PVDCフィルム−3にコロナ処理を行った後、AC剤を塗布し乾燥させ、押出ラミネート層のPE層の厚みが50μmになるように押出量を調整してPE(50μm)/PVDC−2(150μm)の積層フィルムを得た。この時の押出ラミネートされたPE樹脂の樹脂温度はダイから出た直後で328℃であった。AC剤は実施例1と同様のものを使用した。
[比較例3]
全ての積層をドライラミネートによって行った。LL・Ny・LLフィルムに接着剤を塗布した後に乾燥させてPVDC−2フィルムとドライラミネート法により積層させた。
更にそれらの積層フィルムのPVDC−2側に接着剤を塗布した後に乾燥させてCPPフィルムとドライラミネートにより積層させてLL・Ny・LL(60μm)//PVDC−2(25μm)//CPP(40μm)の積層フィルムを得た。ドライラミネート用接着剤は実施例1と同様のものを使用した。
[比較例4]
全ての積層をドライラミネートによって行った。PVCフィルムに接着剤を塗布した後に乾燥させてPVDC−2フィルムとドライラミネート法により積層させた。更にそれらの積層フィルムのPVDC−2側に接着剤を塗布した後に乾燥させてPVCフィルムとドライラミネートにより積層させてPVC(100μm)//PVDC−2(25μm)//PVC(100μm)の積層フィルムを得た。ドライラミネート用接着剤は実施例1と同様のものを使用した。
表1に各実施例及び各比較例の結果を積層構成と共に示す。
Figure 2013244607
本発明により、深絞り成形性とバリア性能に優れた、ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムを含む積層体とその積層体の成形容器を提供することができる。

Claims (4)

  1. 厚みが10〜100μmのポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムと、
    該ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムの少なくとも一方の面に形成された押出ラミネート層と、を有する積層体。
  2. 前記押出ラミネート層の厚みが15μm以上である、請求項1記載の積層体。
  3. 前記ポリ塩化ビニリデン系延伸フィルムが、塩化ビニリデンとアクリル酸メチルとの共重合体を含む、請求項1又は2記載の積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体を成形した容器。
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