JPH0880552A - 射出成形機の型締機構 - Google Patents

射出成形機の型締機構

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JPH0880552A
JPH0880552A JP24725094A JP24725094A JPH0880552A JP H0880552 A JPH0880552 A JP H0880552A JP 24725094 A JP24725094 A JP 24725094A JP 24725094 A JP24725094 A JP 24725094A JP H0880552 A JPH0880552 A JP H0880552A
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cam
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mold clamping
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宏 河中
Hitoshi Hamaguchi
仁 浜口
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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/64Mould opening, closing or clamping devices
    • B29C45/66Mould opening, closing or clamping devices mechanical
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 構造簡単で応答性に優れ、操作が簡単で、安
価および小型化する。 【構成】 電動機の出力軸121が一回転する間に回転
カム122,123も一回転し、当接するローラピン2
11dとローラピン312,313とが往復動して射出
機構ユニット200と型締機構ユニット300とを往復
動せしめる。型締機構ユニット300においては、回転
カム123のカム面123aがローラピン312を押圧
することにより、金型スライド板311が引き寄せら
れ、スライドピン315と金型エンドバー316を介し
て可動金型部320の可動金型321が固定金型331
の背面に当接して型締が完了する。熔融樹脂の射出が行
なわれた後、ローラピン312がカム面123aの凹部
に対面して、金型内の圧力は開放され、さらに回転カム
123のカム面123bがローラピン313に当接し押
し出して可動金型部320を後退させて型開きが完了す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機において射
出機構と対をなして使用される型締機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の射出成形機が知られて
いるが、型締機構と射出機構のそれぞれが前進と後退し
て往復運動するものが使用されている。一般に、型締機
構と射出機構においては高速応答性を必要とするため、
その駆動源には高速往復運動を特長とする油圧あるいは
空気圧によるアクチュエータが利用されている。また、
近年においては、サーボモータを使用し、その往復回転
運動を駆動源として使用するものも増えてきている。
【0003】これに対し、通常の電動機は、瞬間的起
動、瞬間的停止、瞬間的正逆回転の制御には不向きであ
るため、かかる型締機構と射出機構においては実用化は
困難とされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の射出成
形機の型締機構においては、次のような課題があった。
油圧駆動あるいは空気圧駆動の場合は、アクチュエータ
の他にも油圧ポンプや空気圧ポンプなどを必要とし、小
型化には適さない。一方、サーボモータを使用する場
合、応答性を改善するために大出力で低慣性のものが必
要となるし、また位置検出用のパルスコーダと数値制御
装置を必要とするなど高価になるとともに高消費電力と
なる。
【0005】本発明は、上記課題にかんがみてなされた
もので、構造簡単で応答性に優れ、操作が簡単で、安価
および小型化することが可能な射出成形機の型締機構の
提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、支持台と、この支持台に
固定されて回転カムを一方向に回転駆動する駆動モータ
と、上記支持台にて対となる射出機構に対面して支持さ
れる固定金型と、上記支持台上で上記固定金型に対して
近接および離反するようにスライド可能に支持された可
動金型と、上記回転カムと対をなして当該回転カムの回
転に応じて上記可動金型を上記固定金型に対して近接お
よび離反せしめるカムフォロアとを備えた構成としてあ
る。
【0007】また、請求項2にかかる発明は、請求項1
に記載の射出成形機の型締機構において、上記カムフォ
ロアは回転カムを挟んで対峙するローラピンを備え、低
段部から高段部への強制移動によって可動金型を往復動
させる構成としてある。さらに、請求項3にかかる発明
は、射出機構と対をなして固定金型に対して可動金型を
往復動して型締め及び型開きを行なう型締機構であっ
て、回転カムとカムフォロアとを使用し、上記カムフォ
ロアの往復動作で上記可動金型を往復動させて駆動する
構成としてある。
【0008】
【作用】上記のように構成した請求項1にかかる発明に
おいては、支持台に固定された駆動モータが回転カムを
一方向に回転駆動すると、この回転カムの形状に応じて
カムフォロアが往復動し、これによって可動金型は支持
台上で固定金型に対して近接および離反する。すなわ
ち、カムフォロアが回転カムの回転に応じて低段部から
高段部に向けて、あるいは高段部から低段部に向けて強
制移動するとき、当該カムフォロアは迅速かつ力強く往
復動し、可動金型を駆動して型締め及び型開きする。ま
た、瞬間的起動、瞬間的停止、瞬間的正逆動という高速
応答性をも発揮する。
【0009】また、上記のように構成した請求項2にか
かる発明においては、カムフォロアには回転カムを挟ん
でローラピンが備えられているので、回転カムが一回転
するたびに低段部から高段部へそれぞれのローラピンが
強制移動され、可動金型を迅速かつ力強く駆動して型締
め及び型開きを行なう。さらに、上記のように構成した
請求項3にかかる発明においては、型締機構に向けて近
接および離反駆動されて樹脂の射出を行なう射出機構を
一方向に付勢しつつ、回転カムとカムフォロアとを使用
して、当該射出機構をカムフォロアとともに往復動作せ
しめて駆動する。ここにおいて、一方向に付勢している
ので、逆方向への移動時に力を蓄積しておき、正方向へ
の移動時に駆動力を補助して高速応答性を発揮する。
【0010】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、一方向回
転の回転カムとカムフォロアとを使用することにより、
サーボモータを使用することなく簡易な構成で高速かつ
力強く型締及び型開きを行なうことが可能な射出成形機
の型締機構を提供することができる。また、請求項2に
かかる発明によれば、回転カムを挟むようにしてローラ
ピンを保持することにより、より簡単な構成で可動金型
を往復動させて型締め及び型開きを行なうことができ
る。
【0011】
【実施例】以下、図面にもとづいて本発明の実施例を説
明する。図1は本発明の一実施例にかかる型締機構を適
用した射出成形機を平面図により示しており、図2は正
面図により示している。また、図3は図2におけるIII
−III線断面図、図4は図1におけるIV−IV線断面図に
てそれぞれ図1および図2に対応した断面を示してい
る。本実施例の射出成形機は、各ユニットを支持する支
持台ユニット100と、この支持台ユニット100上で
スライド運動可能に支持された射出機構ユニット200
と、同じく支持台ユニット100上で射出機構ユニット
200と同軸方向にスライド運動可能に支持された型締
機構ユニット300とから構成されている。
【0012】支持台ユニット100は、水平な基台11
1と、この基台111の上面にて所定の間隔を隔てて立
設されて固定された三個の垂直ベース112a〜112
cと、これらの垂直ベース112a〜112cを串刺し
するように水平に並設された円柱状の二本の支持レール
113,113とを備え、この支持レール113,11
3に沿って上記射出機構ユニット200と型締機構ユニ
ット300とをスライド可能に支持している。本実施例
においては、かかる支持レール113を使用している
が、溝や他の形状のレールや筒体などを使用してスライ
ド可能に支持する構成とすることもできる。
【0013】支持台ユニット100の下方には一方向回
転式減速歯車を備えた電動機が垂直に装着されており、
その出力軸121は垂直ベース112a,112b間に
て基台111を貫通している。また、出力軸121には
二つの回転カム122,123が固定されており、上方
の回転カム122は概ね支持レール113,113と同
じ高さの位置に支持され、下方の回転カム123は概ね
基台111と同じ高さの位置に支持されている。なお、
上記電動機としては、例えば、ベルトコンベア用汎用機
を流用して使用することができる。射出機構ユニット2
00は、垂直ベース112a,112b間で支持レール
113,113に貫通されてスライド可能に支持された
カムフォロアスライドベース211と、同様に垂直ベー
ス112b,112c間で支持レール113,113に
貫通されてスライド可能に支持されたプランジャ部スラ
イドベース212とを備え、両者を接続して支持レール
113,113に沿って水平に直線運動可能となってい
る。
【0014】カムフォロアスライドベース211は、支
持レール113,113に貫通されるスライドアーム部
211a,211aと、プランジャ部スライドベース2
12に螺合して接続アーム部211bと、これらの中間
になる基部211cとからなり、基部211cの下面に
はローラピン211dが突出して支持されている。同ロ
ーラピン211dは出力軸121の回転カム122に対
応するものであり、同回転カム122の側面に対して垂
直ベース112bの側に位置している。一方、支持レー
ル113,113の外周にはカムフォロアスライドベー
ス211のアーム部211a,211aと垂直ベース1
12bとの間に介在されるようにコイルスプリング21
3,213が装着されており、当該射出機構ユニット2
00を垂直ベース112aの側に付勢し、上記ローラピ
ン211dを回転カム122のカム面に押しつけて停止
している。本実施例においては、コイルスプリング21
3にてカムフォロアスライドベース211を垂直ベース
112bから引き離す方向に付勢しているが、他の形状
のスプリングとしたり、他の弾性体で付勢するようにし
てもよい。
【0015】プランジャ部スライドベース212には、
中央部分に貫通孔212aを形成してあり、当該貫通孔
212aの垂直ベース112a側の開口部分を覆蓋する
とともに上記カムフォロアスライドベース211の接続
アーム部211bと螺合接続するキャップ状の背圧支持
ハウジング214をボルト止め固定してある。貫通孔2
12aにおける垂直ベース112c側の開口部分は小径
となるように段部212a1を形成してあり、当該段部
212a1に対応した段部を外周面に形成したプランジ
ャ支持プレート215を貫通孔212a内に挿入し、背
圧支持ハウジング214の内部に当該プランジャ支持プ
レート215の内側面を押し出す方向に付勢する背圧コ
イルスプリング216を挿入してある。これにより、同
プランジャ支持プレート215はプランジャ部スライド
ベース212の貫通孔212aを所定の圧力で塞いでい
る。プランジャ支持プレート215の外面側にはプラン
ジャ217が水平に突出するように支持されているの
で、後述するようにプランジャ217が熔融樹脂を押し
込むときに上記背圧コイルスプリング216の圧力以上
にならないように調整する。
【0016】プランジャ部スライドベース212におけ
る上記貫通孔212aの周囲には、これを囲むように四
個の貫通孔221が形成されており、垂直ベース112
aの側から四本のスライドボルト222が貫通してい
る。スライドボルト222は先端部にのみ雄ネジを形成
してあり、プランジャ部スライドベース212から所定
距離を隔てた位置で円筒部(以下、シリンダ取付台とい
う)223の雌ネジ部223aに螺合している。スライ
ドボルト222の周囲にはコイルスプリング224を装
着してプランジャ部スライドベース212とシリンダ取
付台223とを引き離すように付勢してあり、プランジ
ャ部スライドベース212とシリンダ取付台223にお
ける各コイルスプリング224の当接部位には大径の凹
部を形成して各コイルスプリング224の端部を収容し
ている。本実施例においては、コイルスプリング224
にてシリンダ取付台223をプランジャ部スライドベー
ス212から引き離す方向に付勢しているが、他の形状
のスプリングとしたり、他の弾性体で付勢するようにし
てもよい。
【0017】シリンダ取付台223の中央には、上記プ
ランジャ217と軸心を同一にして貫通孔223bを形
成してあり、プランジャ部スライドベース212と反対
の側から加熱筒230の一端を螺合して固定するととも
に、同プランジャ217が当該貫通孔223bを貫通し
て同加熱筒230の内部に挿入するようにしている。上
述したように、シリンダ取付台223とプランジャ部ス
ライドベース212とは互いにコイルスプリング224
にて引き離す方向に付勢されているものの、スライドし
て近接することもでき、このときにはプランジャ部スラ
イドベース212の側から突出しているプランジャ21
7が加熱筒230の内部に進入して熔融樹脂を押し出す
ことになる。なお、加熱筒230の先端には射出用ノズ
ル231が形成されているとともに、先端側外周にはヒ
ータ232が取り付けられ、ヒータ232に対応する部
分の内部にはトーピード233が収容されている。ま
た、加熱筒230の上部にはホッパ234が配設されて
いる。
【0018】加熱筒230の先端側にはスプルー部24
0が保持されている。スプルー部240はシリンダ取付
台223がプランジャ部スライドベース212に対して
スライドボルト222を介して保持されているのと同様
に、シリンダ取付台223を貫通する四本のスライドボ
ルト241の先端に螺合して固定されるとともに、当該
スライドボルト241の周囲にコイルスプリング242
を介在せしめて当該スプルー部240がシリンダ取付台
223から引き離される方向に付勢している。図5はス
プルー部240を側面方向から示しており、図6はスプ
ルー部240を正面方向から見た断面図により示してお
り、図7は上方から見た断面図により示している。スプ
ルー部240は加熱筒230の正面を覆うスプルーベー
ス243を備えている。スプルーベース243には射出
用ノズル231に対面する流通孔243aを形成してあ
り、当該流通孔243aの前面側には左右方向にスライ
ドするスライド板244,244がスプリング243b
にて互いに開く方向に付勢された状態で保持されてい
る。スライド板244,244の当接面には上記流通孔
243aに対面して半円の溝244a,244aを形成
してあり、同溝244aは流通孔243aの側に近いほ
ど末広がりとなっている。なお、それぞれのスライド板
244には周縁にテーパ面を形成したガイド穴244b
を形成してあり、後述する偏心させたコーン形状のガイ
ドが挿入されるときにテーパ面同士が摺接し、軸心を一
致させるように中央に寄せようと作用するので、スプリ
ング243bに抗して中央へ移動する。
【0019】流通孔243aの上方には、当該スプルー
ベース243を挟み込むランナカッタ245が配設され
ている。同ランナカッタ245はスプリング246にて
上方に付勢されており、上端にはアンクル247の一端
が支持ピン247aを介して接続されている。アンクル
247はクランク状に形成されており、スプルーベース
243の上端から加熱筒230の側に向けて突出して支
持されている支持アーム248に対して回転可能に支持
されている。同アンクル247の他端は加熱筒230の
上方を跨ぐようにして基台111に固定されているアン
クルバー249に対面しており、後述するようにしてプ
ランジャ部スライドベース212が往復動するときに同
アンクルバー249に当接したり、離れたりする。この
とき、アンクルバー249は支持アーム248の支持点
を支点として回転し、一端の支持ピン247aを介して
上記ランナカッタ245を上下動させる。
【0020】型締機構ユニット300においては、基台
111の上面に配設した金型スライド板311を有して
おり、当該金型スライド板311の下面に突出して配設
された二つのローラピン312,313が当該金型スラ
イド板311を貫通する出力軸121に固定された下方
側の回転カム123を挟み込んでいる。回転カム123
にはそれぞれのローラピン312,313に当接するよ
うに二つのカム面123a,123bを形成してあり、
また、基台111には出力軸121とともにこれらのロ
ーラピン312,313をも貫通可能な貫通孔111a
を形成してある。従って、金型スライド板311は各カ
ム面123a,123bとローラピン312,313と
の摺接状況に応じて基台111上で往復動する。
【0021】金型スライド板311は、図8に示すよう
に、加熱筒230の下方を垂直ベース112cの側に向
かって延設されており、加熱筒230の先端付近であっ
て上記アンクルバー249よりも垂直ベース112bの
側にて上記支持レール113,113に対してスライド
可能に支持されている金型スライドベース314に固定
されている。同金型スライドベース314は支持レール
113,113の外側に水平に並ぶようにして配設され
た平行なスライドピン315,315を備えており、同
スライドピン315,315は垂直ベース112cを貫
通してその反対面にて金型エンドバー316に固定され
ている。
【0022】金型エンドバー316の幅方向中央には上
記垂直ベース112cの側に突出して同垂直ベース11
2cを貫通する可動金型部320の端部が固定されてい
る。一方、垂直ベース112cの側には当該可動金型部
320を収容する筒状の固定金型部330が配設されて
いる。上記可動金型部320は金型エンドバー316が
スライドピン315,315によって往復動するときに
固定金型部330内で往復動し、固定金型部330がも
っとも垂直ベース112bの側に移動したときにその先
端に備えられている可動金型321と、固定金型部33
0の先端に備えられている固定金型331とが一体とな
って樹脂成形用の金型を形成する。
【0023】固定金型331におけるスプルー部240
の側の面には同スプルー部240の流通孔243aに連
通するランナ面332が形成されているとともに、その
両脇には上記スライド板244,244のガイド穴24
4b,244bに対面するコーン形状のガイド333,
333が突出して形成されている。一方、可動金型部3
20の内部には可動金型321を貫通する突き出しピン
322が備えられており、同突き出しピン322は可動
金型321の裏側にて支持プレート322aに固定され
ている。当該支持プレート322aは可動金型321か
ら引き抜かれる方向にスプリング322bにて付勢さ
れ、同支持プレート322aは幅方向に突出するウィン
グ323に当接している。可動金型部320の側面には
当該ウィング323にて貫通された状態で前後動可能な
スリットを形成してあり、同ウィング323は固定金型
部330とともに垂直ベース112cに固定されてい
る。なお、固定金型部330の先端付近の下部には樹脂
成形品を落下させるための開口334を形成してあると
ともに、その下部にはシュート335を配設してある。
また、同様に、スプルー部240の下部にもランナを排
出させるためのシュート250を配設してある。
【0024】次に、上記構成からなる本実施例の動作を
説明する。本実施例の射出成形機は、出力軸121が一
回転する間に回転カム122,123も一回転し、これ
らの回転カム122に当接するローラピン211dとロ
ーラピン312,313とが往復動して射出機構ユニッ
ト200と型締機構ユニット300とを往復動せしめ
る。この出力軸121の回転に伴なう回転カム122,
123とローラピン211d,312,313のタイミ
ングチャートを図9に示している。射出機構ユニット2
00の初期状態は、図9に示すように、回転カム122
の凹部にローラピン211dが入り込んだ状態である。
タイミングチャートにおいては、位相0度にあたり、射
出機構ユニット200は最も回転カム122に接近して
いる。これより、回転カム122が回転してローラピン
211dが回転カム122から離れる動作を前進と呼
び、逆の動作を後退と呼ぶ。また、型締機構ユニット3
00においては、逆に、射出機構ユニット200に近づ
く動作を前進と呼び、反対方向の動作を後退と呼ぶ。
【0025】回転カム122が時計周り方向に回転し始
めると、ローラピン211dは回転カム122の凹部か
ら凸部へと続く斜面に摺接して押し出され、当該ローラ
ピン211dが固定されているカムフォロアスライドベ
ース211が前進し始める。このとき、カムフォロアス
ライドベース211のアーム部211aは支持レール1
13に沿って垂直ベース112bに向かって移動するた
め、コイルスプリング213を圧縮する。カムフォロア
スライドベース211は一端においてプランジャ部スラ
イドベース212に固定されており、このプランジャ部
スライドベース212も前方に移動を開始する。
【0026】プランジャ部スライドベース212が前進
を開始してタイミングA(位相22.4度)になると、
シリンダ取付台223に支持されているスプルー部24
0が型締機構ユニット300の固定金型部330の先端
に当接する。そして、さらにプランジャ部スライドベー
ス212が前進しようとすると、ばね定数の小さなコイ
ルスプリング242が収縮し始め、シリンダ取付台22
3はコイルスプリング224にてプランジャ部スライド
ベース212から離れた状態を維持されたまま前進す
る。この間のスプルー部240の移動は次のようにして
行なわれている。カムフォロアスライドベース211の
前進にともなってスプルー部240自体も同時に前進し
始めるので、上部から後方に向けて突出しているアンク
ル247は基台111に固定されているアンクルバー2
49から離れ始める。すると、スプリング246の付勢
力によってアンクル247は回転し、ランナカッタ24
5は押し上げられる。ランナカッタ245が押し上げら
れることにより、対面しているスライド板244,24
4の間には障害物がなくなる。
【0027】スプルー部240が前進して固定金型部3
30に近接してくると、コーン形状のガイド333,3
33がスライド板244,244のガイド穴244b,
244b内に進入してくる。ガイド穴244b,244
bの中心間の距離がガイド333,333の中心間の距
離よりも広いため、スプルー部240が固定金型部33
0に近接するに従ってガイド333がガイド穴244b
の縁部に摺接し、互いのテーパ面の作用によってスライ
ド板244,244は近接して接続する。この後、タイ
ミングB(位相28度)になるまではコイルスプリング
242が収縮し、加熱筒230の先端がスプルーベース
243の背面に当接する。すると、射出用ノズル231
と流通孔243aと二つのスライド板244の間の溝2
44aを介して固定金型331のランナ面332へとい
たる熔融樹脂の流通経路が形成される。
【0028】タイミングBを過ぎると、加熱筒230は
前進できなくなり、停止しているシリンダ取付台223
に対してプランジャ部スライドベース212が近接する
ので、コイルスプリング224が収縮するとともにプラ
ンジャ217が加熱筒230の内部に進入し始める。す
ると、内部の熔融樹脂が射出用ノズル231を介して射
出され始める。一方、射出機構ユニット200が前進す
るのと同様に、型締機構ユニット300においても動作
を開始しており、回転カム123のカム面123aがロ
ーラピン312を押圧することにより、当該ローラピン
312が支持されている金型スライド板311が引き寄
せられる。金型スライド板311の端部は金型スライド
ベース314に固定されているので、同金型スライドベ
ース314は支持レール113に沿って前進し、スライ
ドピン315を介して金型エンドバー316を引き寄せ
て前進させる。金型エンドバー316が前進すると可動
金型部320も前進し、タイミングC(位相40度)に
なると先端の可動金型321は固定金型331の背面に
当接して型締が完了する。無論、このときには突き出し
ピン322は可動金型321から引き抜かれた状態とな
っている。上述したように熔融樹脂の射出を開始してか
ら型締が完了するが、熔融樹脂は流通孔243aやラン
ナ面332などを充填しながら押し出されてくるので問
題はない。
【0029】プランジャ217による熔融樹脂の押し込
みは、型締の完了の前後にわたっており、プランジャ2
17が前進する力によって熔融樹脂は所定の圧力を受け
ながら金型内に充填される。この圧力は所定の圧力とな
るように調整することが好ましいが、従来は、この圧力
調整のためにセンサを用いたりして複雑な制御をしなけ
ればならなかった。しかるに、本実施例においては、プ
ランジャ部スライドベース212が前進する際にプラン
ジャ217が熔融樹脂を所定以上の圧力で押し込みそう
になると、背圧コイルスプリング216が収縮して所定
以上の圧力とならないようにする。そして、圧力が減っ
たときに伸張して圧力を増加させ、一定の圧力となるよ
うにする。すなわち、プランジャ支持プレート215を
支える背圧コイルスプリング216が熔融樹脂の充填圧
力を調整している。そして、タイミングD(位相70
度)となってプランジャ部スライドベース212が停止
しても、収縮された背圧コイルスプリング216が元の
長さに復帰するまで熔融樹脂の押し込みは継続されて圧
力を保持している。
【0030】背圧コイルスプリング216が元の長さに
戻ると、金型内の熔融樹脂は冷却されて固化し始めると
ともにわずかに収縮するため、金型内の圧力は少しずつ
低下する。そして、タイミングE(位相280度)とな
ると、図9に示すように、ローラピン312がカム面1
23aの凹部に対面するため、一気に圧力は開放され
る。タイミングG(位相315度)となると、ローラピ
ン211dが回転カム122の凹部に対面し始めるた
め、コイルスプリング213の復元力によってカムフォ
ロアスライドベース211とプランジャ部スライドベー
ス212は後退を開始する。この後退はコイルスプリン
グ213がそれまでに圧縮されていた力でカムフォロア
スライドベース211を駆動するため、非常に高速応答
性をよくしている。また、タイミングF(位相317.
5度)においては回転カム123のカム面123bがロ
ーラピン313に当接し始め、当該ローラピン313を
押し出して可動金型部320を後退させ始める。可動金
型部320が後退していくと、樹脂成形品が可動金型3
21にくっついたままとならないように突き出しピン3
22が可動金型321を貫通して金型内に出てくる。
【0031】一方、射出機構ユニット200において
は、プランジャ部スライドベース212が後退を開始し
ても、当初はコイルスプリング224が伸び始めるだけ
で加熱筒230とスプルー部240とは接続したままで
あるし、スプルー部240は固定金型331に当接した
ままである。そして、タイミングI(位相332度)に
なってコイルスプリング224がスライドボルト222
で規制される長さまで伸びるとスライドボルト241の
許容範囲までコイルスプリング242が伸び始め、加熱
筒230はスプルー部240から離れる。そして、最後
に、タイミングJ(位相337度)になるとスプルー部
240が固定金型331から離れ始めるが、このとき
に、固定金型331のランナ面332で固化したランナ
はスライド板244に形成した末広がりの溝244aに
よってスプルー部240の側に引きちぎられる。また、
スプルー部240が固定金型331から離れるに従って
ガイド333がガイド穴244bから抜け出るため、テ
ーパ面に沿ってスライド板244,244が開き始め
る。なお、ランナが引きちぎられるとともに固定金型3
31の金型面にくっついている樹脂成形品は開口334
を介してシュート335へと落下していく。
【0032】スプルー部240がさらに後退していく
と、アンクル247がアンクルバー249に当接するた
め、アンクル247が回転してランナカッタ245を下
降させる。すると、ランナカッタ245の下面で流通孔
243aにくっついているランナをカットし、下部のシ
ュート250へと落下させる。以上のようにして出力軸
121が一回転し、一つの樹脂成形品が完成する。この
ように、本実施例においては、駆動源の運動を一方向回
転のものを用い、型締機構と射出機構のそれぞれにおい
て、回転カムとスプリングを介して往復運動に変える射
出成形機の構造とした。すなわち、その構造としては、
単筒加熱型プランジャー式射出成形機であって、射出機
構ユニットと型締機構ユニットは射出成形機本体に取付
固定されている固定金型を介して左右対象に配置され、
射出機構ユニットは固定金型部のランナ面に対向して圧
接触(前進)、離隔(後退)を可能に移動し、型締機構
ユニットは固定金型部のゲート面に対向して圧接触(前
進)、離隔(後退)を可能に移動する。これにより、従
来、実用化困難とされていた通常の一方向回転式減速歯
車機構付き電動機を射出成形機の駆動源として使用し、
構造簡単で応答性に優れ、運転操作時の射出条件設定が
不用であるとともに、操作が簡単な安価で小型の電動式
射出成形機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる型締機構を適用した
射出成形機の平面図である。
【図2】同射出成形機の正面図である。
【図3】図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV線断面図である。
【図5】スプルー部の側面図である。
【図6】スプルー部付近の断面図である。
【図7】スプルー部付近の断面図である。
【図8】金型スライド板を示す平面図である。
【図9】回転カムのタイミングチャートである。
【符号の説明】
100…支持台ユニット 111…基台 113…支持レール 121…出力軸 122,123…回転カム 123a,123b…カム面 200…射出機構ユニット 300…型締機構ユニット 311…金型スライド板 312,313…ローラピン 314…金型スライドベース 315…スライドピン 316…金型エンドバー 320…可動金型部 321…可動金型 330…固定金型部 331…固定金型

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持台と、 この支持台に固定されて回転カムを一方向に回転駆動す
    る駆動モータと、 上記支持台にて対となる射出機構に対面して支持される
    固定金型と、 上記支持台上で上記固定金型に対して近接および離反す
    るようにスライド可能に支持された可動金型と、 上記回転カムと対をなして当該回転カムの回転に応じて
    上記可動金型を上記固定金型に対して近接および離反せ
    しめるカムフォロアとを具備することを特徴とする射出
    成形機の型締機構。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載の射出成形機の型締
    機構において、 上記カムフォロアは上記回転カムを挟んで対峙するロー
    ラピンを備え、低段部から高段部への強制移動によって
    上記可動金型を往復動させることを特徴とする射出成形
    機の型締機構。
  3. 【請求項3】射出機構と対をなして固定金型に対して可
    動金型を往復動して型締め及び型開きを行なう型締機構
    であって、 回転カムとカムフォロアとを使用し、上記カムフォロア
    の往復動作で上記可動金型を往復動させて駆動すること
    を特徴とする射出成形機の型締機構。
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JP2006062192A (ja) * 2004-08-26 2006-03-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 型駆動装置、射出成形機、駆動装置

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JP4577763B2 (ja) * 2004-08-26 2010-11-10 三菱重工プラスチックテクノロジー株式会社 型駆動装置、射出成形機、駆動装置

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