JPH088047A - 高周波誘導加熱装置 - Google Patents

高周波誘導加熱装置

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JPH088047A
JPH088047A JP13870894A JP13870894A JPH088047A JP H088047 A JPH088047 A JP H088047A JP 13870894 A JP13870894 A JP 13870894A JP 13870894 A JP13870894 A JP 13870894A JP H088047 A JPH088047 A JP H088047A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】最適周波数の高周波電力を自動で供給する。 【構成】脈流32をスイッチングして直列共振回路21
に供給するスイッチング回路16と、指定周波数の基準
信号を生成する基準信号源20と、直列共振回路21の
電流値が設定値を超えない場合にはアンロック信号、超
える場合にはロック信号を出力する電流判定部23と、
スイッチングのタイミングを示し、アンロック信号時に
は基準信号に、ロック信号時には直列共振回路21の信
号に位相同期するPLL回路19と、直列共振回路21
の電流値が基準値を超えるとき周波数近似信号を送出す
る共振判定部14と、基準信号の周波数を指定する毎
に、周波数近似信号が送出されるかどうかを判定し、周
波数近似信号が送出されたときには、このときの指定値
を直列共振回路21に対応する周波数と判定する周波数
判定部15とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流電源を全波整流す
ることにより得られた脈流のスイッチングを行うことに
より、加熱コイルに高周波電力を供給する高周波誘導加
熱装置に係り、より詳細には、直列共振回路の共振周波
数を自動探査する高周波誘導加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電源の小型化を可能とする高周波誘導加
熱装置として、特開平3−216989号に示される技
術が提案されている。この従来技術は、交流電源を全波
整流することにより得られる脈流を所定周波数でスイッ
チングする構成としている。すなわち、平滑用のリアク
トルおよびコンデンサを省略して、電源の体積の減少を
図った構成となっている。そしてスイッチングにより得
られた高周波電力を、パルストランスを介して加熱コイ
ルとコンデンサとからなる直列共振回路に供給してい
る。このため直列共振回路に流れる電流は、脈流の各サ
イクル毎に、脈流の波形形状に対応して増減を繰り返
し、その最小値は0である。
【0003】このため脈流の各サイクルにおいて、直列
共振回路に流れる電流が少なくなるときには、直列共振
回路に流れる電流に基づいた位相同期は不安定となる。
このため直列共振回路の電流値が最大時の数分の1以下
となる期間では、直列共振回路の共振周波数に近似した
周波数である基準信号に位相同期した信号を用いてスイ
ッチングを行っている。そして電流値が十分な値となる
期間では、直列共振回路に流れる電流波形に位相同期す
る信号でもってスイッチングを行っている。そのため電
流が充分な期間では、直列共振回路に供給される高周波
電力の周波数は、直列共振回路の共振周波数に正確に一
致しており、その結果として高い加熱効率を得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記構成
を高周波遠心鋳造器に適用した場合には、以下に示す問
題が生じる。すなわち、高周波遠心鋳造器に使用される
鋳型の形状は、鋳造しようとする製品の形状に対応した
形状となり、大型形状の鋳型が使用される場合もあれ
ば、小型形状の鋳型が使用される場合もある。このため
鋳型の形状の大小に対応して、加熱コイルにも種々の大
きさが必要となる。
【0005】一方、加熱コイルは、大きさが異なるとイ
ンピーダンスも異なる。このため加熱コイルとコンデン
サとからなる直列共振回路の周波数は、加熱コイル毎に
異なった周波数となる。このことは、直列共振回路に供
給される高周波電力の周波数を、加熱コイルのそれぞれ
に対応した周波数とする必要があることを意味する。つ
まり、形状の異なる加熱コイルの取り換えを可能にする
には、高周波電力の周波数を、加熱コイルに応じて変更
可能とする必要がある。このような構成とする場合、各
加熱コイルに応じた周波数設定が必要となり、加熱操作
時の手間が増加する。また設定を間違ったときには、効
率の悪い加熱が行われると共に、スイッチング回路の負
担が増大し、素子破壊の可能性が高まるという問題を生
じる。
【0006】また加熱コイルに、共振周波数の識別を示
す突起や透過孔等を設け、本体側に突起や透過孔の位置
を識別する識別手段を設けることは、構造的な複雑さを
招くという問題を生じる。
【0007】本発明は上記課題を解決するため創案され
たものであって、請求項1記載の発明の目的は、直列共
振回路の周波数と高周波電力の周波数とが接近すると直
列共振回路に流れる電流が増加することに着目し、基準
信号の周波数を変更する毎に直列共振回路に流れる電流
を判定することにより、共振周波数が異なる直列共振回
路が接続されたときにも、最適周波数の高周波電力を自
動で供給することのできる高周波誘導加熱装置を提供す
ることにある。
【0008】また請求項2記載の発明の目的は、直列共
振回路に流れる電流値の判定を、ロック信号が所定タイ
ミングにおいて送出されるかどうかの判定とすることに
より、共振判定部の構成を簡単なものとすることのでき
る高周波誘導加熱装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1記載の発明の高周波誘導加熱装置は、交流電源
を全波整流することにより得られる脈流をスイッチング
し、スイッチングすることによって得られた高周波電力
を直列共振回路に供給するスイッチング回路と、指定さ
れた周波数の信号を基準信号として生成する基準信号源
と、直列共振回路に流れる電流値と予め定められた設定
値との比較を行い、前記電流値が前記設定値を超えない
場合にはアンロック信号を出力し、前記電流値が前記設
定値を超える場合にはロック信号を出力する電流判定部
と、位相同期出力がスイッチングのタイミングを示す信
号としてスイッチング回路に送出され、アンロック信号
が出力されるときには基準信号に位相同期を行い、ロッ
ク信号が出力されるときには直列共振回路に流れる信号
に位相同期を行うPLL回路と、直列共振回路に流れる
高周波電力の電流値を検出し、検出した電流値が予め定
められた基準値を超えるときには周波数近似信号を送出
する共振判定部と、基準信号源が生成する基準信号の周
波数の指定を行う毎に前記共振判定部から周波数近似信
号が送出されるかどうかを判定し、その周波数近似信号
が送出されたときには、このときの基準信号の周波数を
直列共振回路に対応する周波数と判定する周波数判定部
とを備えた構成としている。
【0010】また請求項2記載の発明の高周波誘導加熱
装置は、共振判定部を、直列共振回路の周波数と基準信
号の周波数とが所定範囲内の差異であるときロック信号
が出力されるタイミングをロックタイミングとして、こ
のロックタイミングより遅れたタイミングにおいて、ロ
ック信号が出力されているかどうかを判定し、出力され
ているときには周波数近似信号を送出する構成としてい
る。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明の作用を以下に示す。
【0012】スイッチング回路から送出される高周波電
力の周波数が、直列共振回路の共振周波数から隔たって
いる場合では、直列共振回路のインピーダンスは高く、
流れる高周波電力の電流値は小さい。そのため電流判定
部からはアンロック信号が送出されるのみである。この
結果、PLL回路は基準信号に位相同期した出力を送出
することから、スイッチング回路は基準信号の周波数で
もってスイッチングを行う。
【0013】すなわち、周波数判定部が指定した周波数
が、直列共振回路の共振周波数と隔たる場合では、スイ
ッチング回路は基準信号に従ってスイッチングを行う。
また共振判定部は、このとき直列共振回路に流れる高周
波電力の電流値が小さいことから周波数近似信号を生成
しない。このため周波数判定部は、指定した周波数が、
スイッチング回路に接続された直列共振回路の共振周波
数ではないと判定し、基準信号源に新たなる周波数の指
定を行う。
【0014】一方、周波数判定部が指定した周波数と直
列共振回路の共振周波数との差異が所定範囲内の場合で
は、直列共振回路のインピーダンスは低く、高周波電力
の電流値が大きくなる。このため電流判定部からはロッ
ク信号が送出され、PLL回路からは、直列共振回路に
流れる信号に位相同期した出力が送出される。その結
果、直列共振回路に流れる高周波電力の電流値は、さら
に増大し、共振判定部からは周波数近似信号が送出され
る。このため周波数判定部は、指定した周波数が直列共
振回路の共振周波数に対応する周波数であると判定す
る。
【0015】請求項2記載の発明の作用を以下に示す。
【0016】ロック信号が送出されるのは、脈流の波高
値に対応して変化する直列共振回路の電流値が設定値を
超える場合である。またロックタイミングは、基準信号
の周波数と直列共振回路の共振周波数との差異と脈流の
波高値との関係によって定まるタイミングである。この
ことは、直列共振回路の周波数と基準信号の周波数とが
所定範囲内の差異であるときには、ロックタイミングは
既知の範囲内のタイミングとなることを意味する。
【0017】そのため、この既知の範囲より遅れたタイ
ミングにおいては、直列共振回路の周波数と基準信号の
周波数とが所定範囲内の関係にあるときには、既にロッ
ク信号が出力されていることになる。つまりロックタイ
ミングより遅れたタイミングにおいてロック信号が出力
されていると判定されることは、周波数判定部が指定し
た周波数が、直列共振回路の共振周波数に対応する周波
数であることを示す。
【0018】また、このことは、直列共振回路の電流値
と基準値との比較を行う比較回路が、共振判定部におい
ては不要となることを意味する。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の一実施例について図面を参
照しつつ説明する。
【0020】図1は、本発明の高周波誘導加熱装置の一
実施例の電気的構成を示すブロック図である。
【0021】図において、整流回路11は、ダイオード
ブリッジによって構成され、単相200Vの交流電源3
1の全波整流を行うことにより得られた脈流32をスイ
ッチング回路16に供給するブロックとなっている。
【0022】スイッチング回路16は、4つのスイッチ
ング素子を用いた構成となっており、スイッチング素子
にはパワーMOSFETが用いられている。そして整流
回路11より与えられた脈流32に対して、極性の非反
転と反転とを交互に繰り返すスイッチングを行い、スイ
ッチングすることにより得られた高周波電力を、パルス
トランスPTを介して直列共振回路21に供給する。
【0023】加熱コイルLは、高周波遠心鋳造機に用い
られる加熱コイルである。そのためパルストランスPT
には、鋳型の形状に対応して作成された種々の大きさの
加熱コイルLが交換接続される。このため加熱コイルL
とコンデンサCとからなる直列共振回路21の共振周波
数は、接続される加熱コイルLの形状に応じて変化し、
最も低い共振周波数は300KHz、最も高い共振周波数
は750KHzである。そして、その他の加熱コイルLを
接続したときの共振周波数は、この範囲内にある。
【0024】電流判定部23は、直列共振回路21に流
れ、カレントトランス22によって検出される電流値
を、予め定められた設定値と比較するブロックである。
より詳細には、カレントトランス22によって検出され
る電流波形は、脈流32が、300〜800KHzの範囲
内の周波数でスイッチングされた波形であるため、カレ
ントトランス22の出力から包絡線を検出する直流結合
の包絡線検出回路を備えている。この包絡線検出回路に
より検出される波形は、脈流32の波形に近似した波形
(図2の符号36参照)である。そして包絡線検出回路
から出力された波形が設定値を超えない期間では、その
出力37にアンロック信号(Lレベル)を出力する。ま
た出力された波形が設定値を超える期間では出力37に
ロック信号(Hレベル)を出力する。
【0025】なお、上記した包絡線検出回路には種々の
構成を用いることが可能であるが、本実施例では、回路
構成を簡単なものとするため、半波整流回路と、300
KHz以上の周波数成分を除去する直流結合の積分回路と
からなる包絡線検波回路を用いている。
【0026】移相回路24は、カレントトランス22に
よって検出された検出波形に対し、その内部に設けられ
た可変抵抗器の設定値に対応した角度の移相を行い、移
相した検出波形をPLL回路19に送出するブロックで
あり、交流電源31の力率の改善を行うものである。
【0027】基準信号源20は、直列共振回路21の共
振周波数の範囲に対応して、300〜800KHzの範囲
内において、10KHz間隔でもって、指定された周波数
の信号を生成するブロックとなっている。そして生成し
た信号を、基準信号としてPLL回路19に送出する。
より詳細には、10MHz等の基準信号の生成回路、PL
L回路、および分周の比率を外部から設定可能な分周回
路等によって構成され、外部から周波数指定が可能な周
波数合成回路(従来技術として公知)である。
【0028】PLL回路19は、位相比較器、ループフ
ィルタ、チャージポンプ、VCOからなる従来技術とし
て公知の位相同期部17と、基準信号源20から出力さ
れる基準信号と移相回路24の出力とを切り換えるスイ
ッチ18とによって構成されている。そして電流判定部
23からアンロック信号が出力されるときには、基準信
号を位相同期部17に導き、基準信号に位相同期する。
またロック信号が出力されるときには、移相回路24の
出力を位相同期部17に導き、直列共振回路21の信号
に位相同期する。そして位相同期した出力を、スイッチ
ングのタイミングを示す信号としてスイッチング回路1
6に送出する。
【0029】ゼロクロス検出回路12は、交流電源31
の電圧が0Vとなるタイミングの検出を行い、図2の符
号33により示すように、検出したタイミングを立ち上
がりエッジで示すゼロクロスパルスの列を生成する。そ
して生成したパルスをスタート回路13、共振判定部1
4、および周波数判定部15に送出する。
【0030】スタート回路13は、CPU等を主要部と
して構成された制御部から、加熱開始を指示するスター
ト信号38が与えられると、交流電源31がゼロクロス
する時刻までスタート信号38を遅延させることによ
り、スイッチング回路16の動作をソフトスタートさせ
るためのブロックである。そして、遅延したスタート信
号35を、スイッチング回路16と周波数判定部15と
に送出する。
【0031】共振判定部14は、直列共振回路に流れる
高周波電力の電流値を検出し、検出した電流値が予め定
められた基準値を超えるときには周波数近似信号を送出
するブロックとなっている。
【0032】詳細には、直列共振回路21の共振周波数
と基準信号の周波数とが所定範囲内にあるとき、ロック
信号が出力されるタイミングをロックタイミング(図3
の時刻T7)として、このロックタイミングT7より期
間t2だけ遅れたタイミングを検出タイミングと呼ぶと
すると、ゼロクロスパルスに期間t1の遅延を与えるこ
とによって、検出タイミングを示すパルス列(符号39
参照)を生成する。そして、このパルス列39のエッジ
により示される検出タイミングT2,T4,T5,T
8,・・・において、直列共振回路21の電流値が基準
値を超えているかどうかを判定する。
【0033】より具体的には、判定の基準となる基準値
を、電流判定部23における設定値(V1により示す)
と等しい値に設定する。そして、検出タイミングT2,
T4,T5,T8,・・・において、出力37のレベル
が、ロック信号が送出されていることを示すHレベルで
ある場合、直列共振回路21の電流値は基準値以上であ
ると判定する。また検出タイミングT2,T4,T5,
T8,・・・において、出力37のレベルが、アンロッ
ク信号が出力されていることを示すLレベルである場
合、直列共振回路21の電流値は基準値以下であると判
定する。
【0034】周波数判定部15は、基準信号源20が生
成する基準信号の周波数の指定を行った後、共振判定部
14から周波数近似信号が送出されるかどうかを判定す
るブロックとなっている。そして周波数近似信号が送出
されたときには、このときの基準信号の周波数を直列共
振回路21に対応する周波数と判定する。
【0035】以下に、本発明の一実施例の動作について
説明する。
【0036】直列共振回路21に高周波電力を供給する
とき、高周波電力の周波数が直列共振回路21の共振周
波数より低い場合では、交流電源31の力率を悪化させ
る。この力率の悪化を防止するため、スタート信号35
による動作開始の指示が時刻T1において与えられたと
すると、周波数判定部15は、基準信号の周波数を、最
高周波数の800KHzとするための指示を基準信号源2
0に与える。またスイッチング回路16は時刻T1とな
ったとき、スタート信号35に従ってスイッチング動作
を開始する。このため直列共振回路21には800KHz
の高周波電力が供給される。この状態において周波数判
定部15は、時刻T3を示すパルスが与えられる以前に
おいて、共振判定部14から周波数近似信号が送出され
るのを待つ。
【0037】直列共振回路21の共振周波数は400K
Hzであり、800KHzから大きく隔たっているので、直
列共振回路21に流れる電流値は小さい。このため時刻
T2となったときにも、直列共振回路21の電流値は設
定値V1以下に留まることとなり、電流判定部23は、
出力37のレベルを、アンロック信号を示すLレベルに
維持する。その結果、共振判定部14からは周波数近似
信号が送出されない。
【0038】この状態が継続して時刻T3となると、周
波数判定部15は、基準信号の周波数を790KHzにす
るための指示を基準信号源20に与え、上記と同様に、
共振判定部14から周波数近似信号が送出されるのを待
つ。このときも周波数近似信号が送出されないことか
ら、以後、周波数判定部15は、ゼロクロスパルスが導
かれる毎に、基準信号源20に与える周波数の指示値を
10KHzずつ低くしていく。そして指示を与える毎に、
共振判定部14から周波数近似信号が送出されるのを待
つ動作を繰り返す。
【0039】周波数判定部15が時刻T9に基準信号源
20に与えた基準信号の周波数の指示値は450KHzで
ある。この450KHzの周波数は直列共振回路21の共
振周波数の400KHzに近いことから、直列共振回路2
1の電流値は増加を示している。そして時刻T6では、
電流値が設定値V1を超え、電流判定部23は、出力3
7に、ロック信号を示すHレベルを送出する。しかし時
刻T6は検出タイミングT5より遅れた時刻であり、時
刻T5では出力37はLレベルであるので、共振判定部
14は周波数近似信号を送出しない。このため周波数判
定部15は、時刻T10において、基準信号の周波数を
440KHzとする旨の指示を基準信号源20に与える。
【0040】時刻T10以後では440KHzの高周波電
力が直列共振回路21に与えられる。このため直列共振
回路21の電流値は増大しており、ロックタイミングT
7において電流値が設定値V1を超える。すなわち、検
出タイミングT8では、出力37は、ロック信号が送出
されていることを示すHレベルとなる。そのため共振判
定部14の出力34には、周波数近似信号であるHレベ
ルが送出される。
【0041】この結果、周波数判定部15は、440K
Hzが、接続された加熱コイルLに対応する周波数である
と判定し、以後、基準信号源20に指示する周波数を4
40KHzに固定する。そのためPLL回路19は、電流
判定部23がアンロック信号を出力する期間では440
KHzの出力をスイッチング回路16に送出する。またロ
ック信号が出力される期間では、直列共振回路21に流
れる信号に位相同期した出力をスイッチング回路16に
送出する。
【0042】上記した動作による加熱では、高周波電力
の周波数が直列共振回路21の共振周波数に一致する期
間(直列共振回路21の電流値が最大となる期間であ
り、ロック信号の送出期間)と、脈流のサイクルの単位
期間との比率は、略最大値となる。そのため加熱効率は
最大となる。
【0043】このことから、ロックタイミングT7と検
出タイミングT8との隔たり期間t2については、ノイ
ズ等の影響によって、ゼロクロスパルスの送出タイミン
グがばらつくと共にロックタイミングT1がばらついた
場合にも、時刻T2が時刻T1より後の時刻となること
が保証される範囲で、小さい値に設定する程、加熱効率
が良くなる。そのため本実施例においても、期間t2は
小さな値を採用している。
【0044】なお、共振判定部14の構成を、ロック信
号が出力されると周波数近似信号を送出する構成とした
場合では、時刻T9において基準信号源20に与えた周
波数の指示値が、以後の加熱における基準信号の周波数
となる。このことは、時刻T9から時刻T10に到る期
間に示した電流波形による加熱となり、直列共振回路2
1の共振周波数に一致した高周波電力が供給される期間
が短く、効率の悪い加熱となる。
【0045】以下に補足的な説明を行うと、周波数判定
部15は、800KHzを開始周波数として、順次10K
Hzづつ低下した周波数値を指示する構成としているの
で、所定周波数に達するまでの所要時間については、最
悪の場合では、脈流32の50サイクル分の時間とな
る。この所要時間は、60Hz地域では約0.4秒、50
Hz地域では0.5秒に過ぎず、種々の加熱コイルLの平
均値では、0.2〜0.3秒である。そのため、加熱の
開始の指示が与えられる毎に周波数探査を行う構成とし
ているにも関わらず、実用的には、加熱開始の遅れは支
障のない値となっている。
【0046】また基準信号の指示値を、周波数の高い側
から低くなる方向に変化させているので、加熱時の基準
信号の周波数は、直列共振回路21の共振周波数より高
い周波数となることから、加熱時の力率の悪化を防止す
ることが可能になるという効果を得ている。
【0047】
【発明の効果】請求項1記載の発明に係る高周波誘導加
熱装置は、脈流をスイッチングして得られた高周波電力
を直列共振回路に供給するスイッチング回路と、指定さ
れた周波数の信号を基準信号として生成する基準信号源
と、直列共振回路に流れる電流値と設定値との比較を行
い、前記電流値が前記設定値を超えない場合にはアンロ
ック信号、超える場合にはロック信号を出力する電流判
定部と、その出力がスイッチングのタイミングを示し、
アンロック信号の出力時には基準信号に、ロック信号の
出力時には直列共振回路に流れる信号に位相同期するP
LL回路と、直列共振回路の電流値を検出し、検出した
電流値が予め定められた基準値を超えるとき周波数近似
信号を送出する共振判定部と、基準信号の周波数を指定
する毎に、周波数近似信号が送出されるかどうかを判定
し、周波数近似信号が送出されたときには、このときの
指定値を直列共振回路に対応する周波数と判定する周波
数判定部とを備えている。そのため接続された直列共振
回路の共振周波数に最適となる基準信号の周波数が自動
探査されることとなり、共振周波数が異なる直列共振回
路が接続されたときにも、最適周波数の高周波電力を自
動で供給することが可能となっている。
【0048】また請求項2記載の発明に係る高周波誘導
加熱装置は、共振判定部を、直列共振回路の周波数と基
準信号の周波数とが所定範囲内の差異であるときロック
信号が出力されるタイミングをロックタイミングとし
て、このロックタイミングより遅れたタイミングにおい
て、ロック信号が出力されているかどうかを判定し、出
力されているときには周波数近似信号を送出する構成と
している。そのため直列共振回路の電流値と基準値との
比較回路が不要となり、共振判定部の構成を簡単なもの
とすることが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高周波誘導加熱装置の一実施例の
電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例の主要信号を示すタイミング
チャートである。
【符号の説明】
14 共振判定部 15 周波数判定部 16 スイッチング回路 19 PLL回路 20 基準信号源 21 直列共振回路 23 電流判定部 31 交流電源 32 脈流 L 加熱コイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源を全波整流することにより得ら
    れる脈流をスイッチングし、スイッチングすることによ
    って得られた高周波電力を直列共振回路に供給するスイ
    ッチング回路と、 指定された周波数の信号を基準信号として生成する基準
    信号源と、 前記直列共振回路に流れる電流値と予め定められた設定
    値との比較を行い、前記電流値が前記設定値を超えない
    場合にはアンロック信号を出力し、前記電流値が前記設
    定値を超える場合にはロック信号を出力する電流判定部
    と、 位相同期出力がスイッチングのタイミングを示す信号と
    して前記スイッチング回路に送出され、前記アンロック
    信号が出力されるときには前記基準信号に位相同期を行
    い、前記ロック信号が出力されるときには前記直列共振
    回路に流れる信号に位相同期を行うPLL回路と、 前記直列共振回路に流れる前記高周波電力の電流値を検
    出し、検出した電流値が予め定められた基準値を超える
    ときには周波数近似信号を送出する共振判定部と、 前記基準信号源が生成する前記基準信号の周波数の指定
    を行う毎に前記共振判定部から前記周波数近似信号が送
    出されるかどうかを判定し、この周波数近似信号が送出
    されたときには、そのときの基準信号の周波数を前記直
    列共振回路に対応する周波数と判定する周波数判定部と
    を備えたことを特徴とする高周波誘導加熱装置。
  2. 【請求項2】前記共振判定部は、前記直列共振回路の周
    波数と前記基準信号の周波数とが所定範囲内の差異であ
    るとき前記ロック信号が出力されるタイミングをロック
    タイミングとして、このロックタイミングより遅れたタ
    イミングにおいて、前記ロック信号が出力されているか
    どうかを判定し、出力されているときには前記周波数近
    似信号を送出することを特徴とする請求項1記載の高周
    波誘導加熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005312236A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Kanazawa Univ Tlo Inc 共振周波数検出方法及び磁界発生装置
KR100895089B1 (ko) * 2002-12-02 2009-04-28 주식회사 포스코 용융도금을 위한 유도 가열 설비 기준주파수 자동변환장치

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