JPH087924Y2 - 帯板張力付与装置の無端状帯 - Google Patents
帯板張力付与装置の無端状帯Info
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- JPH087924Y2 JPH087924Y2 JP6509291U JP6509291U JPH087924Y2 JP H087924 Y2 JPH087924 Y2 JP H087924Y2 JP 6509291 U JP6509291 U JP 6509291U JP 6509291 U JP6509291 U JP 6509291U JP H087924 Y2 JPH087924 Y2 JP H087924Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、幅広な帯板を帯板の
長手方向に沿って複数条に裁断するスリッターラインに
おいて、特に防錆油等を塗布された帯板のスリット後に
各スリット帯板を巻取る際に生じる張力の不均衡を調整
し、均等な張力を付与する帯板張力付与装置の無端状帯
に関するものである。
長手方向に沿って複数条に裁断するスリッターラインに
おいて、特に防錆油等を塗布された帯板のスリット後に
各スリット帯板を巻取る際に生じる張力の不均衡を調整
し、均等な張力を付与する帯板張力付与装置の無端状帯
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、幅広な帯板の断面は完全な平坦で
はなく中央が厚く両端が薄くなっており、これをスリッ
ティングすると、帯板の中央と両端におけるスリット後
の各スリット帯板の板厚に偏差を生じる。そして、これ
らの各スリット帯板をマンドレルにより巻取ると、板厚
の厚いスリット帯板は薄いものより巻取り径が大きくな
り、各スリット帯板の巻取り速度に差が生じる。
はなく中央が厚く両端が薄くなっており、これをスリッ
ティングすると、帯板の中央と両端におけるスリット後
の各スリット帯板の板厚に偏差を生じる。そして、これ
らの各スリット帯板をマンドレルにより巻取ると、板厚
の厚いスリット帯板は薄いものより巻取り径が大きくな
り、各スリット帯板の巻取り速度に差が生じる。
【0003】この状態で従来は、ロール式張力付与装置
やテンションパッド方式でスリット帯板に張力を与えて
いたが、ロール式では板厚偏差により各スリット帯板の
張力が不均衡となり、また、テンションパッドではスリ
ット帯板の表面にスリ疵が発生する不都合があった。
やテンションパッド方式でスリット帯板に張力を与えて
いたが、ロール式では板厚偏差により各スリット帯板の
張力が不均衡となり、また、テンションパッドではスリ
ット帯板の表面にスリ疵が発生する不都合があった。
【0004】そこで、出願人は各スリット帯板の表面に
疵をつけることなく、各スリット帯板の板厚偏差に伴う
巻取り張力の不均衡を調整し、均等な張力を付与できる
帯板張力付与装置を発明するに至った。
疵をつけることなく、各スリット帯板の板厚偏差に伴う
巻取り張力の不均衡を調整し、均等な張力を付与できる
帯板張力付与装置を発明するに至った。
【0005】この帯板張力付与装置は無端状帯を利用し
たものであって、一対のプーリー間に張設された無端状
帯を横方向に複数配置したものを上下に配設し、上下の
無端状帯の相対向する外側表面の間にスリット帯板を通
し、無端状帯の内側表面において押板で上下から無端状
帯をスリット帯板に押付け圧着させ、移動するスリット
帯板と一体となって無端状帯を回動させるようにして、
前記押板と無端状帯の内側表面との間の滑りによる摩擦
力により、スリット帯板に張力を発生させる機構であ
り、無端状帯外側表面の摩擦係数を内側表面の摩擦係数
より大とすることにより、スリット帯板と無端状帯が滑
ることなくスリット帯板を疵つけずに巻取ることができ
るものであった。
たものであって、一対のプーリー間に張設された無端状
帯を横方向に複数配置したものを上下に配設し、上下の
無端状帯の相対向する外側表面の間にスリット帯板を通
し、無端状帯の内側表面において押板で上下から無端状
帯をスリット帯板に押付け圧着させ、移動するスリット
帯板と一体となって無端状帯を回動させるようにして、
前記押板と無端状帯の内側表面との間の滑りによる摩擦
力により、スリット帯板に張力を発生させる機構であ
り、無端状帯外側表面の摩擦係数を内側表面の摩擦係数
より大とすることにより、スリット帯板と無端状帯が滑
ることなくスリット帯板を疵つけずに巻取ることができ
るものであった。
【0006】このとき、使用している無端状帯は、上記
の如く、外側表面を摩擦係数の大なる材質とし、内側表
面を摩擦係数の小なる材質としたのみの外側表面が平坦
なものであり、巻取るスリット帯板が乾燥したものを対
象とし、スリット帯板表面に防錆油等が塗布されたもの
には使用できなかった。
の如く、外側表面を摩擦係数の大なる材質とし、内側表
面を摩擦係数の小なる材質としたのみの外側表面が平坦
なものであり、巻取るスリット帯板が乾燥したものを対
象とし、スリット帯板表面に防錆油等が塗布されたもの
には使用できなかった。
【0007】このため、防錆油等が塗布されたスリット
帯板の巻取りには、旧来のテンションパッドにより、固
定されたフェルト板間に、スリット帯板を挟み、圧下し
てスリット帯板とフェルトとの滑り摩擦力により張力を
発生させているのが現状である。
帯板の巻取りには、旧来のテンションパッドにより、固
定されたフェルト板間に、スリット帯板を挟み、圧下し
てスリット帯板とフェルトとの滑り摩擦力により張力を
発生させているのが現状である。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、フェル
ト等を使用したテンションパッドでは、スリット帯板を
直接フェルト面で滑らせるため、フェルトに集積した金
属粉や塵芥のためにスリット帯板表面にスリ疵がつき易
くなる。
ト等を使用したテンションパッドでは、スリット帯板を
直接フェルト面で滑らせるため、フェルトに集積した金
属粉や塵芥のためにスリット帯板表面にスリ疵がつき易
くなる。
【0009】また、上記の無端状帯では、単に外側表面
と内側表面の摩擦係数の差を大きくとるように材質を選
定しているが、スリット帯板表面に防錆油等が塗布され
たものでは、無端状帯とスリット帯板の間に油膜が形成
されて摩擦係数が減少し、所定の摩擦力が得られず、ス
リット帯板が滑り、無端状帯内側表面での必要な張力が
十分得られない許りか、スリット帯板に疵をつける惧れ
があった。
と内側表面の摩擦係数の差を大きくとるように材質を選
定しているが、スリット帯板表面に防錆油等が塗布され
たものでは、無端状帯とスリット帯板の間に油膜が形成
されて摩擦係数が減少し、所定の摩擦力が得られず、ス
リット帯板が滑り、無端状帯内側表面での必要な張力が
十分得られない許りか、スリット帯板に疵をつける惧れ
があった。
【0010】この考案は、上記のような課題に鑑み、そ
の課題を解決すべく創案されたものであって、その目的
とするところは、防錆油等を塗布された帯板のスリット
後の各スリット帯板を巻取る際に生じる張力の不均衡
を、スリット帯板表面に疵等をつけることなく調整し、
巻取られる各スリット帯板に均等な張力を付与させるこ
とのできる帯板張力付与装置の無端状帯を提供すること
にある。
の課題を解決すべく創案されたものであって、その目的
とするところは、防錆油等を塗布された帯板のスリット
後の各スリット帯板を巻取る際に生じる張力の不均衡
を、スリット帯板表面に疵等をつけることなく調整し、
巻取られる各スリット帯板に均等な張力を付与させるこ
とのできる帯板張力付与装置の無端状帯を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めにこの考案は、幅広な帯板を帯板の長手方向に沿って
複数条に裁断した後の各スリット帯板を巻取装置に巻取
供給する途中に、無端状帯を各スリット帯板の両側に一
部において共通挾持面を形成するごとく対向して複数配
設し、上記各無端状帯を移動する各スリット帯板との摩
擦係合で駆動し一体となって各々独立して回動するよう
に各々の一対のプーリーに張設し、上記共通挾持面の両
側に無端状帯の内側表面を押圧する押板を各々配設し、
上記無端状帯の外側表面を内側表面より摩擦係数の大な
る材質で形成した帯板張力付与装置において、前記無端
状帯の外側表面にスリット帯板との滑り防止用の凹凸部
を形成すると共に、無端状帯の外側表面から内側表面ま
で貫通する複数の孔を設けた構成よりなるものである。
めにこの考案は、幅広な帯板を帯板の長手方向に沿って
複数条に裁断した後の各スリット帯板を巻取装置に巻取
供給する途中に、無端状帯を各スリット帯板の両側に一
部において共通挾持面を形成するごとく対向して複数配
設し、上記各無端状帯を移動する各スリット帯板との摩
擦係合で駆動し一体となって各々独立して回動するよう
に各々の一対のプーリーに張設し、上記共通挾持面の両
側に無端状帯の内側表面を押圧する押板を各々配設し、
上記無端状帯の外側表面を内側表面より摩擦係数の大な
る材質で形成した帯板張力付与装置において、前記無端
状帯の外側表面にスリット帯板との滑り防止用の凹凸部
を形成すると共に、無端状帯の外側表面から内側表面ま
で貫通する複数の孔を設けた構成よりなるものである。
【0012】
【作用】以上のような構成を有するこの考案は、次のよ
うに作用する。すなわち、無端状帯で形成された共通挾
持面を移動する防錆油等を塗布されたスリット帯板は、
共通挾持面の両側に配置された無端状帯の内側表面を押
圧する押板の押圧により、その表面が無端状帯の外側表
面に圧着される。
うに作用する。すなわち、無端状帯で形成された共通挾
持面を移動する防錆油等を塗布されたスリット帯板は、
共通挾持面の両側に配置された無端状帯の内側表面を押
圧する押板の押圧により、その表面が無端状帯の外側表
面に圧着される。
【0013】このとき、スリット帯板の表面に塗布され
た防錆油等を、無端状帯の外側表面に形成された凸部に
よる集中的な圧力で凹部へ排除し、凹部へ排除された防
錆油等は無端状帯に設けられた孔を経て無端状帯の内側
表面に排除され、スリット帯板の表面と凸部の間に防錆
油等の油膜が形成されるのを阻止し、無端状帯の外側表
面とスリット帯板の表面の間に所定の摩擦係数を確保し
て滑りを防ぎ、スリット帯板に均等の張力を付与できる
ように作用する。
た防錆油等を、無端状帯の外側表面に形成された凸部に
よる集中的な圧力で凹部へ排除し、凹部へ排除された防
錆油等は無端状帯に設けられた孔を経て無端状帯の内側
表面に排除され、スリット帯板の表面と凸部の間に防錆
油等の油膜が形成されるのを阻止し、無端状帯の外側表
面とスリット帯板の表面の間に所定の摩擦係数を確保し
て滑りを防ぎ、スリット帯板に均等の張力を付与できる
ように作用する。
【0014】また、孔を経て無端状帯の内側表面に排除
された一部の防錆油等は、内側表面と押板との間を潤滑
して、内側表面と押板との間の摩擦抵抗を小さくするよ
うに作用する。
された一部の防錆油等は、内側表面と押板との間を潤滑
して、内側表面と押板との間の摩擦抵抗を小さくするよ
うに作用する。
【0015】
【実施例】以下、図面に記載の実施例に基づいてこの考
案をより具体的に説明する。ここで、図1は無端状帯の
要部平面図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は図
1のB−B矢視断面図、図4は無端状帯の張力付与装置
での使用状態を示す側面図、図5は無端状帯とスリット
帯板との圧着状態を示す模式図である。
案をより具体的に説明する。ここで、図1は無端状帯の
要部平面図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は図
1のB−B矢視断面図、図4は無端状帯の張力付与装置
での使用状態を示す側面図、図5は無端状帯とスリット
帯板との圧着状態を示す模式図である。
【0016】帯板張力付与装置1はスリット帯板2に所
定の張力を付与する装置で、該帯板張力付与装置1は図
示しないスリット帯板巻取装置の前方側でスリット帯板
2の移動通路の途中に配置されている。帯板張力付与装
置1は、一対のプーリー3間に回動自在に張設された無
端状帯4と、該無端状帯4を押圧する押板5から主に構
成される。
定の張力を付与する装置で、該帯板張力付与装置1は図
示しないスリット帯板巻取装置の前方側でスリット帯板
2の移動通路の途中に配置されている。帯板張力付与装
置1は、一対のプーリー3間に回動自在に張設された無
端状帯4と、該無端状帯4を押圧する押板5から主に構
成される。
【0017】無端状帯4は、スリット帯板2の進行方向
に対し前後方向に各々配置されたプーリー3間に張設さ
れ、スリット帯板2の進行方向に回動自在に取り付けら
れている。このように張設された無端状帯4は横方向に
複数並設して配置され、さらにこれらが上下に相対向し
て設置されている。
に対し前後方向に各々配置されたプーリー3間に張設さ
れ、スリット帯板2の進行方向に回動自在に取り付けら
れている。このように張設された無端状帯4は横方向に
複数並設して配置され、さらにこれらが上下に相対向し
て設置されている。
【0018】各無端状帯4の前部側に位置する各プーリ
ー3は同一の軸に遊転自在に並設して取付けられてお
り、又同様に後部側に位置する各プーリー3も同一の軸
に遊転自在に並設して取付けられている。そして、各無
端状帯4は各々独立して回動できるようになっている。
ー3は同一の軸に遊転自在に並設して取付けられてお
り、又同様に後部側に位置する各プーリー3も同一の軸
に遊転自在に並設して取付けられている。そして、各無
端状帯4は各々独立して回動できるようになっている。
【0019】また、各プーリー3には駆動源が全く取付
けてなく、無端状帯4は移動するスリット帯板2との摩
擦係合で回動する以外に、自力で回動することがない。
つまり、無端状帯4はスリット帯板2と接しない限り回
動することはない。
けてなく、無端状帯4は移動するスリット帯板2との摩
擦係合で回動する以外に、自力で回動することがない。
つまり、無端状帯4はスリット帯板2と接しない限り回
動することはない。
【0020】上下に相対向して設置された各無端状帯4
同士の間には各スリット帯板2の共通挾持面が形成さ
れ、この共通挾持面の両側つまり上下側には、各無端状
帯4の内側表面6を外方に向けて押圧する押板5が各々
上下に平行に配設され、この押板5により、共通挾持面
を通過するスリット帯板2を上下より無端状帯4を介し
て圧着挾持する構造となっている。
同士の間には各スリット帯板2の共通挾持面が形成さ
れ、この共通挾持面の両側つまり上下側には、各無端状
帯4の内側表面6を外方に向けて押圧する押板5が各々
上下に平行に配設され、この押板5により、共通挾持面
を通過するスリット帯板2を上下より無端状帯4を介し
て圧着挾持する構造となっている。
【0021】即ち、上下の無端状帯4の相対向する外側
表面7の間つまり共通挾持面にスリット帯板2を通し、
無端状帯4の内側表面6において押板5で上下から無端
状帯4をスリット帯板2に押付け圧着させ、移動するス
リット帯板2との摩擦係合で無端状帯4を駆動させると
共に、移動する各スリット帯板2と滑りを生じることな
く一体となって各無端状帯4を夫々独立して移動方向に
回動させるようにしている。
表面7の間つまり共通挾持面にスリット帯板2を通し、
無端状帯4の内側表面6において押板5で上下から無端
状帯4をスリット帯板2に押付け圧着させ、移動するス
リット帯板2との摩擦係合で無端状帯4を駆動させると
共に、移動する各スリット帯板2と滑りを生じることな
く一体となって各無端状帯4を夫々独立して移動方向に
回動させるようにしている。
【0022】そして、上記押板5と無端状帯4の内側表
面6との間の滑りによる摩擦力により、つまり、移動す
るスリット帯板2との摩擦係合で回動する無端状帯4の
内側表面6を圧着する押板5がいわゆるブレーキ的な役
目を果たして、図示しないスリット帯板巻取装置と帯板
張力付与装置1との間に位置する各スリット帯板2に張
力を発生させる機構となっている。
面6との間の滑りによる摩擦力により、つまり、移動す
るスリット帯板2との摩擦係合で回動する無端状帯4の
内側表面6を圧着する押板5がいわゆるブレーキ的な役
目を果たして、図示しないスリット帯板巻取装置と帯板
張力付与装置1との間に位置する各スリット帯板2に張
力を発生させる機構となっている。
【0023】ところで、前記無端状帯4の外側表面7
は、前述の如く、移動するスリット帯板2との間に全く
滑りを生じさせることなく一体となって無端状帯4を移
動させる機能を果たすものである。
は、前述の如く、移動するスリット帯板2との間に全く
滑りを生じさせることなく一体となって無端状帯4を移
動させる機能を果たすものである。
【0024】一方、無端状帯4の内側表面6は、前記押
板5との間の滑りによる摩擦力により、スリット帯板2
に張力を発生させる機能を果たすものであり、無端状帯
4の外側表面7は、内側表面6よりも摩擦係数の大なる
材質で形成されている。
板5との間の滑りによる摩擦力により、スリット帯板2
に張力を発生させる機能を果たすものであり、無端状帯
4の外側表面7は、内側表面6よりも摩擦係数の大なる
材質で形成されている。
【0025】即ち、外側表面7は例えば軟質ウレタン樹
脂又はゴム等で形成され、内側表面6は例えばナイロン
やポリエステル繊維のような柔らかくて滑り易いもので
形成されている。
脂又はゴム等で形成され、内側表面6は例えばナイロン
やポリエステル繊維のような柔らかくて滑り易いもので
形成されている。
【0026】無端状帯4の外側表面7には、該外側表面
7と防錆油等が塗布されたスリット帯板2との滑りを防
ぐために、凹凸部8,9が形成されている。凹部8と凸
部9は、無端状帯4の長手方向及び幅方向において、交
互に生じるような千鳥状に形成されている。
7と防錆油等が塗布されたスリット帯板2との滑りを防
ぐために、凹凸部8,9が形成されている。凹部8と凸
部9は、無端状帯4の長手方向及び幅方向において、交
互に生じるような千鳥状に形成されている。
【0027】外側表面7に凹凸部8,9が形成された無
端状帯4には、外側表面7から内側表面6に貫通する孔
10が複数設けられている。この孔10は、外側表面7
に形成された凹部8のみでは完全に排除できなかった防
錆油等aを内側表面6に逃がすためのものであり、外側
表面7と防錆油等aが塗布されたスリット帯板2との密
着度が凹凸部8,9のみの場合に比べて更に向上する。
端状帯4には、外側表面7から内側表面6に貫通する孔
10が複数設けられている。この孔10は、外側表面7
に形成された凹部8のみでは完全に排除できなかった防
錆油等aを内側表面6に逃がすためのものであり、外側
表面7と防錆油等aが塗布されたスリット帯板2との密
着度が凹凸部8,9のみの場合に比べて更に向上する。
【0028】また、この孔10を通じて逃げる防錆油等
aの一部は、無端状帯4の内側表面6まで到達して、内
側表面6の潤滑剤として働き、内側表面6の摩擦係数を
小さく一定に保つ機能を発揮し、無端状帯4の循環動を
更に円滑にするという全く新しい効果をもたらす。
aの一部は、無端状帯4の内側表面6まで到達して、内
側表面6の潤滑剤として働き、内側表面6の摩擦係数を
小さく一定に保つ機能を発揮し、無端状帯4の循環動を
更に円滑にするという全く新しい効果をもたらす。
【0029】次に前記実施例の構成に基づく作用につい
て説明する。無端状帯4とスリット帯板2とを滑ること
なく密着させるには、スリット帯板2の表面に形成され
た防錆油等aの油膜を無端状帯4とスリット帯板2との
圧着面において、排除するとともに、無端状帯4とスリ
ット帯板2とをより大きな圧力で密着させることであ
る。
て説明する。無端状帯4とスリット帯板2とを滑ること
なく密着させるには、スリット帯板2の表面に形成され
た防錆油等aの油膜を無端状帯4とスリット帯板2との
圧着面において、排除するとともに、無端状帯4とスリ
ット帯板2とをより大きな圧力で密着させることであ
る。
【0030】巻取装置により、巻き取られるスリット帯
板2は移動通路の途中つまりパスライン上に置かれた帯
板張力付与装置1により、張力を与えられるが、前記実
施例の構成に基づく無端状帯4は図4のように帯板張力
付与装置1のプーリー3の間に張設されて、押板5によ
り圧下され、スリット帯板2を上下両側から挟みスリッ
ト帯板2に圧着している。
板2は移動通路の途中つまりパスライン上に置かれた帯
板張力付与装置1により、張力を与えられるが、前記実
施例の構成に基づく無端状帯4は図4のように帯板張力
付与装置1のプーリー3の間に張設されて、押板5によ
り圧下され、スリット帯板2を上下両側から挟みスリッ
ト帯板2に圧着している。
【0031】スリット帯板2の表面に塗布されている防
錆油等aは、図3に示すようにスリット帯板2が上下の
無端状帯4の間に入ると無端状帯4の外側表面7上の凸
部9による圧力により、凸部9のまわりの凹部8へ排除
される。凹部8へ排除された防錆油等aの一部は、無端
状帯4の表面に設けられた孔10を通じて、内側表面6
まで到達する。
錆油等aは、図3に示すようにスリット帯板2が上下の
無端状帯4の間に入ると無端状帯4の外側表面7上の凸
部9による圧力により、凸部9のまわりの凹部8へ排除
される。凹部8へ排除された防錆油等aの一部は、無端
状帯4の表面に設けられた孔10を通じて、内側表面6
まで到達する。
【0032】そして、無端状帯4の内側表面6まで到達
した一部の防錆油等aは、内側表面6と押板5との間を
潤滑して、内側表面6と押板5との間の摩擦抵抗を小さ
くする役目を果たす。
した一部の防錆油等aは、内側表面6と押板5との間を
潤滑して、内側表面6と押板5との間の摩擦抵抗を小さ
くする役目を果たす。
【0033】無端状帯4の外側表面7に凸部9を設けた
ことにより、外側表面7が平坦な表面をもつ場合に比べ
て、大きく且つ集中的な圧力をスリット帯板2の表面に
与えることができるので、防錆油等aの油膜を破り、ス
リット帯板2との間に防錆油等aの油膜を形成させるこ
となく、直接凸部9の表面とスリット帯板2とを接触さ
せ、目的の摩擦係数を確保できる効果がある。
ことにより、外側表面7が平坦な表面をもつ場合に比べ
て、大きく且つ集中的な圧力をスリット帯板2の表面に
与えることができるので、防錆油等aの油膜を破り、ス
リット帯板2との間に防錆油等aの油膜を形成させるこ
となく、直接凸部9の表面とスリット帯板2とを接触さ
せ、目的の摩擦係数を確保できる効果がある。
【0034】このとき、凹凸部8,9の形成により、直
接、スリット帯板2を圧着する面積は無端状帯4の外側
表面7が平坦な表面をもつ場合に比べ減少しているが、
その分、面圧が増加しているので、摩擦力としては、一
定で減少しないことは周知の通りである。
接、スリット帯板2を圧着する面積は無端状帯4の外側
表面7が平坦な表面をもつ場合に比べ減少しているが、
その分、面圧が増加しているので、摩擦力としては、一
定で減少しないことは周知の通りである。
【0035】なお、この考案は上記実施例に限定される
ものではなく、この考案の精神を逸脱しない範囲で種々
の改変をなし得ることは勿論である。前記実施例の構成
においては、凹凸部8,9の形状が無端状帯4の長手方
向及び幅方向に対して、交互になるような千鳥状に形成
されている場合で説明したが、これに限定されるもので
はない。
ものではなく、この考案の精神を逸脱しない範囲で種々
の改変をなし得ることは勿論である。前記実施例の構成
においては、凹凸部8,9の形状が無端状帯4の長手方
向及び幅方向に対して、交互になるような千鳥状に形成
されている場合で説明したが、これに限定されるもので
はない。
【0036】
【考案の効果】以上の記載より明らかなように、この考
案に係る帯板張力付与装置の無端状帯によれば、防錆油
等の塗布された帯板に対しては従来の無端状帯を用いた
帯板張力付与装置では、帯板と無端状帯が滑り、正しく
帯板に張力を与えられずに止むを得ず、スリ疵発生の可
能性を覚悟しながらテンションパッド等で帯板を巻き取
っていたものを、無端状帯を用いた帯板張力付与装置の
本来の主旨であるところの帯板を無端状帯で、滑りなし
で確実に挟み、スリ疵を発生させることなく巻き取ると
いう操作を、防錆油等が塗布され表面に油膜を形成した
帯板に対しても実現することができる。
案に係る帯板張力付与装置の無端状帯によれば、防錆油
等の塗布された帯板に対しては従来の無端状帯を用いた
帯板張力付与装置では、帯板と無端状帯が滑り、正しく
帯板に張力を与えられずに止むを得ず、スリ疵発生の可
能性を覚悟しながらテンションパッド等で帯板を巻き取
っていたものを、無端状帯を用いた帯板張力付与装置の
本来の主旨であるところの帯板を無端状帯で、滑りなし
で確実に挟み、スリ疵を発生させることなく巻き取ると
いう操作を、防錆油等が塗布され表面に油膜を形成した
帯板に対しても実現することができる。
【0037】しかも、防錆油等の一部は、無端状帯に設
けられた孔を通じて無端状帯の内側表面まで到達して、
内側表面の潤滑剤として働き、内側表面の摩擦係数を小
さく一定に保つため、無端状帯の循環動が更に円滑とな
ることができる。
けられた孔を通じて無端状帯の内側表面まで到達して、
内側表面の潤滑剤として働き、内側表面の摩擦係数を小
さく一定に保つため、無端状帯の循環動が更に円滑とな
ることができる。
【0038】このことは、最近の、油付着材といえども
スリ疵皆無という要求傾向に十分対応でき、帯板の品質
向上に大きく貢献することができるという極めて実用的
有益なる効果を奏するものである。
スリ疵皆無という要求傾向に十分対応でき、帯板の品質
向上に大きく貢献することができるという極めて実用的
有益なる効果を奏するものである。
【図1】この考案の実施例を示す無端状帯の要部平面図
である。
である。
【図2】この考案の実施例を示す図1のA−A矢視断面
図である。
図である。
【図3】この考案の実施例を示す図1のB−B矢視断面
図である。
図である。
【図4】この考案の実施例を示す無端状帯の張力付与装
置での使用状態を示す側面図である。
置での使用状態を示す側面図である。
【図5】この考案の実施例を示す無端状帯とスリット帯
板との圧着状態を示す模式図である。
板との圧着状態を示す模式図である。
1:帯板張力付与装置 2:スリット帯板 3:プーリー 4:無端状帯 5:押板 6:内側表面 7:外側表面 8:凹部 9:凸部 10:孔 a:防錆油等
Claims (1)
- 【請求項1】 幅広な帯板を帯板の長手方向に沿って複
数条に裁断した後の各スリット帯板を巻取装置に巻取供
給する途中に、無端状帯を各スリット帯板の両側に一部
において共通挾持面を形成するごとく対向して複数配設
し、上記各無端状帯を移動する各スリット帯板との摩擦
係合で駆動し一体となって各々独立して回動するように
各々の一対のプーリーに張設し、上記共通挾持面の両側
に無端状帯の内側表面を押圧する押板を各々配設し、上
記無端状帯の外側表面を内側表面より摩擦係数の大なる
材質で形成した帯板張力付与装置において、前記無端状
帯の外側表面にスリット帯板との滑り防止用の凹凸部を
形成すると共に、無端状帯の外側表面から内側表面まで
貫通する複数の孔を設けたことを特徴とする帯板張力付
与装置の無端状帯。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6509291U JPH087924Y2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | 帯板張力付与装置の無端状帯 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6509291U JPH087924Y2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | 帯板張力付与装置の無端状帯 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0533904U JPH0533904U (ja) | 1993-05-07 |
JPH087924Y2 true JPH087924Y2 (ja) | 1996-03-06 |
Family
ID=13276940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6509291U Expired - Lifetime JPH087924Y2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | 帯板張力付与装置の無端状帯 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH087924Y2 (ja) |
-
1991
- 1991-07-22 JP JP6509291U patent/JPH087924Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0533904U (ja) | 1993-05-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |