JPH08791B2 - フロロフェノール類の製造法 - Google Patents

フロロフェノール類の製造法

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JPH08791B2
JPH08791B2 JP60167667A JP16766785A JPH08791B2 JP H08791 B2 JPH08791 B2 JP H08791B2 JP 60167667 A JP60167667 A JP 60167667A JP 16766785 A JP16766785 A JP 16766785A JP H08791 B2 JPH08791 B2 JP H08791B2
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隆夫 相澤
良一 長谷川
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はフロロフェノール類の製造法に関する。更に
詳しくはフロロアニリン類を硫酸中でジアゾ化し次いで
硫酸銅水溶液中でジアゾ分解することによるフロロフェ
ノール類の製造法に関する。
「従来の技術」 フロロフェノール類は医薬、農薬あるいは光化学関連
化合物用の原料として重要な化合物である。フロロアニ
リン類からそのジアゾニウム塩を経由してフロロフェノ
ール類を得る方法としては(1)特開昭50−13342、
(2)特開昭50−36431、(3)J.A.C.S81 94(1959)
等に記載の方法が知られている。これらの文献はリン酸
の存在下硫酸中でフロロアニリン類を含むアミノベンゼ
ン化合物類をジアゾ化してそのジアゾニウム塩を得、次
いでそのジアゾニウム塩を硫酸銅を含む硫酸水溶液又は
リン酸水溶液中で分解(ジアゾ分解)してフロロフェノ
ール類を含むフェノール化合物類を得る方法を記載して
いる。
「発明が解決しようとする問題点」 フロロアニリン類からフロロフェノール類を得る公知
の前記の方法においてはいずれもリン酸を用いてジアゾ
化及びジアゾ分解を行っている。しかしリン酸はそれが
工業的原料として高価であること、リン酸を含む廃液処
理費がかさむことから工業的スケールで大量に用いるこ
とは好ましいことでない。このような理由からフロロア
ニリン類からそのジアゾニウム塩を経由して相当するフ
ロロフェノール類を製造するにあたりリン酸を用いるこ
となく収率よくフロロフェノール類を製造する方法の開
発が望まれている。
また、収率面でも安定した高収率が得られることが望
まれている。
「問題点を解決する為の手段」 本発明者らは前記したような問題点を解決すべく鋭意
研究を重ねた結果本発明に至った。即ち、本発明は硫酸
中、式 (式(1)においてフッ素原子は2又は4の位置でベン
ゼン核に結合している) で表される化合物にジアゾ化剤を作用させ、そのジアゾ
ニウム塩を生成せしめ次いで該ジアゾニウム塩を15%
(重量)以上の硫酸銅水溶液で生成するフロロフェノー
ル類を留去しながらジアゾ分解することを特徴とする式 (式(2)においてフッ素原子は2又は4の位置でベン
ゼン核に結合している) で表されるフロロフェノール類の製造法を提供する。
本発明の方法ではo−フロロアニリン又はp−フロロ
アニリンが原料として用いられる。これらのジアゾ化は
硫酸中又は硫酸水溶液中で行われ、硫酸の使用量はo−
又はp−フロロアニリン1モルに対して等モル乃至4倍
モルが好ましく硫酸水溶液中でジアゾ化を行う場合はo
−又はp−フロロアニリンに対して重量比で20倍量迄の
水を用いるのが望ましい。
ジアゾ化剤としてはニトロシル硫酸、亜硝酸アルキル
(亜硝酸エチル他)、亜硝酸塩(亜硝酸ソーダ、亜硝酸
カリウム等)、亜硝酸ガスの使用が可能であるが、取り
扱い上、及びコストの点より亜硝酸ナトリウムをその水
溶液として用いるのが最も望ましい。又その使用量はア
ミンに対して当量もしくは少し過剰が良い。ジアゾ化温
度は常温でも良いがジアゾニウム塩をより安定に保つ為
に10℃以下で行うのが望ましい。ジアゾ化反応はアミン
の検出が認められなくなる迄行われるが通常は1乃至2
時間でジアゾ化は完結する。
前記のようにして得られたフロロアニリン類のジアゾ
ニウム塩の分解(ジアゾ分解)は次のように行われる。
硫酸銅の濃度は15%(重量、以下同じ)以上であり、
40〜200℃好ましくは60〜160℃の温水又は熱水中で前記
のジアゾニウム塩のジアゾ分解が行われる。実際の操作
は前記ジアゾニウム塩溶液を滴下法によって前記の温又
は熱水に加えるのが望ましく、ジアゾニウム塩溶液の添
加が進むにつれて反応液の硫酸銅の濃度が変わるので必
要に応じて硫酸銅(通常は硫酸銅・5水和物を用いるの
が好都合である)を追加し反応液中の硫酸銅濃度が15%
を低下しないようにする。ジアゾニウム塩溶液の添加に
伴い反応液中には硫酸が存在することになるので硫酸銅
の代わりに銅粉、酸化銅を加えてもよい。(これらは反
応液中で硫酸銅に変わる) なおジアゾニウム塩溶液の添加と同時に生成するフロ
ロフェノール類を反応系外に除去(留去)すると収率向
上の為に有効である。フロロフェノール類を反応系から
除去(留去)する方法としては、蒸留法、水蒸気蒸留法
(加圧下、減圧下いずれでもよい)が挙げられる。又水
蒸気蒸留、蒸留法を用いた場合は、留出液は水とフロロ
フェノール類及び少量の反応副生物を含むが、酢酸エチ
ル、塩化メチレン、ベンゼン、モノクロルベンゼン、ジ
クロルベンゼン等の溶剤を用いて留出液からフロロフェ
ノール類を抽出し、蒸留することにより、目的とするフ
ロロフェノール類を高収率で単離することが出来る。
本発明の方法によって得られたフロロフェノール類は
十分純度がたかいのでそのまま医薬、農薬等の原料とし
て使用することが出来るがさらに高純度が要求される場
合は常圧蒸留法、真空蒸留法等によって精製することも
出来る。
「実施例」 本発明を実施例によって更に詳細に説明する。
実施例1. ビーカーに95%硫酸50gを入れ次に氷100gを加え、硫
酸水溶液を調製した。これにp−フロロアニリン47.5g
を氷100gを加えて液温を10℃以下に保持しながら滴加す
ると白色結晶(p−フロロアニリンの硫酸塩)が析出し
た。この結晶を懸濁せしめ26%(重量)の亜硝酸ソーダ
水溶液30.7gを氷200gを加えて反応液の温度を3〜5℃
に維持しながら約40分で滴下する。その後同温でさらに
40分撹拌すると白色結晶は完溶した。次いでスルファミ
ン酸0.4gを加え過剰に存在する亜硝酸ソーダを分解し
た。
フラスコに硫酸銅5水和物107g、水10ml、95%硫酸10
gを加え、溶液となし105℃に加熱した。(硫酸銅濃度3
1.4%)次にこの溶液に上記p−フロロアニリンのジア
ゾ化液を1時間40分で滴下した。ジアゾ化液の滴下開始
と同時に水蒸気蒸留を行い生成するp−フロロフェノー
ルを留去した。ジアゾ液の滴加終了後水蒸気蒸留は、さ
らに30分続けた。(水蒸気蒸留終了時の硫酸銅の濃度は
17.3%であった。)p−フロロフェノールを含む留出水
1.4を得た。
留出水を酢エチ−塩化メチレン(1:1)の混合溶媒で
抽出した。抽出液から溶媒を除去してp−フロロフェノ
ールを得た。p−フロロフェノールの収率はガスクロマ
ト分析により純度を測定した結果95.7%であった。
実施例2. 実施例1においてp−フロロアニリンの代わりにo−
フロロアニリンを用いる他は実施例1とほぼ同様な操作
を行った。その結果o−フロロフェノールを収率94%で
得た。
実施例3. 95%硫酸150gを含む水1.5に10〜20℃でp−フロロ
アニリン142.5gを撹拌下に加えた。p−フロロアニリン
の硫酸塩が析出した。次に亜硝酸ソーダ91.2gを含む水2
00mlを4〜6℃で約1時間で滴下した。その後1時間撹
拌すると結晶は完溶した。次にスルファミン酸1.2gを加
え過剰の亜硝酸を分解するとp−フロロアニリンジアゾ
ニウム塩溶液1800mlが得られた。フラスコに硫酸銅5水
和物225gと水225mlを加え、加熱して102℃とした。これ
に前記ジアゾニウム塩を滴下ロートを用いて滴下した。
ジアゾニウム塩溶液の滴下開始と同時に蒸留を開始し反
応生成物を氷とともに留去した。ジアゾニウム塩溶液の
滴下に約4時間要した。反応温度はジアゾニウム塩溶液
の滴下とともに102℃から113℃に上昇した。又ジアゾニ
ウム塩溶液の滴下量(ml)は留出量(ml)に一致させ
た。
p−フロロフェノールを含む留出水1870mlを得、この
留出水から酢エチ・塩化メチレン(1:1)の混合溶媒で
p−フロロフェノールを抽出した。
p−フロロフェノールの収率はガスクロマト分析によ
る純度分析の結果96.0%であった。
なお本実施例においてジアゾ分解の初期における硫酸
銅濃度は32%、ジアゾ分解終了時の同温度は22%であっ
た。
実施例4. 実施例4においてジアゾ分解を行う反応装置に水流ア
スピレーターを接続して0.57気圧の減圧下で実施例4と
同様に操作することにより(但しジアゾ分解の温度は90
℃、ジアゾニウム塩溶液滴下の時間は8時間であっ
た。)留出液1790mlを得た。ガスクロマト分析による純
度分析の結果p−フロロフェノールが94.9%の収率でえ
られた。
なお本例においてジアゾ分解開始時の硫酸銅濃度は32
%、又ジアゾ分解終了時の同濃度は21%であった。
「発明の効果」 フロロアニリン類からジアゾ化、ジアゾ分解を経てフ
ロロフェノール類を製造する方法においてリン酸を用い
ることなくかつ収率よくフロロフェノール類を製造する
ことが出来るようになった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫酸中、式 (式(1)においてフッ素原子は2又は4の位置でベン
    ゼン核に結合しいる) で表される化合物にジアゾ化剤を作用させ、そのジアゾ
    ニウム塩を生成せしめ、次いで該ジアゾニウム塩を15%
    (重量)以上の硫酸銅水溶液中で生成するフロロフェノ
    ール類を反応系から留去しながらジアゾ分解することを
    特徴とする 式 (式(2)においてフッ素原子は2又は4の位置でベン
    ゼン核に結合しいる) で表されるフロロフェノール類の製造法。
JP60167667A 1985-07-31 1985-07-31 フロロフェノール類の製造法 Expired - Lifetime JPH08791B2 (ja)

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