JPH0878275A - セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
セラミック電子部品の製造方法Info
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- JPH0878275A JPH0878275A JP22905194A JP22905194A JPH0878275A JP H0878275 A JPH0878275 A JP H0878275A JP 22905194 A JP22905194 A JP 22905194A JP 22905194 A JP22905194 A JP 22905194A JP H0878275 A JPH0878275 A JP H0878275A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】小型化、大容量化でき、電流のリークがなく、
生産性の高い積層セラミックコンデンサ等のセラミック
電子部品を提供すること。 【構成】セラミックス層を電気泳動法により形成したセ
ラミック材料層の焼成体で構成し、内部電極を電気泳動
法により形成した導電体材料層の焼成体又は導電体材料
ペースト膜の焼成体で構成した積層セラミックコンデン
サ等のセラミック電子部品。 【効果】セラミックス層を厚さのバラツキがなく、薄
く、緻密にでき、電流のリークがなく、小型かつ大容量
であり、生産性の高い積層セラミックコンデンサ等のセ
ラミック電子部品を提供することができる。
生産性の高い積層セラミックコンデンサ等のセラミック
電子部品を提供すること。 【構成】セラミックス層を電気泳動法により形成したセ
ラミック材料層の焼成体で構成し、内部電極を電気泳動
法により形成した導電体材料層の焼成体又は導電体材料
ペースト膜の焼成体で構成した積層セラミックコンデン
サ等のセラミック電子部品。 【効果】セラミックス層を厚さのバラツキがなく、薄
く、緻密にでき、電流のリークがなく、小型かつ大容量
であり、生産性の高い積層セラミックコンデンサ等のセ
ラミック電子部品を提供することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層セラミックコンデ
ンサ等のセラミック層と導電体層を有するセラミック電
子部品の製造方法に関する。
ンサ等のセラミック層と導電体層を有するセラミック電
子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】積層セラミックコンデンサ等のセラミッ
ク電子部品をプリント基板に搭載して使用することが多
く行われている。この積層セラミックコンデンサは、セ
ラミック誘電体層と内部電極を交互に積層し、内部電極
をセラミック誘電体層を挟んで対向させ、かつその内部
電極の端部を交互に反対側に導出した構造を有するもの
であるが、その製造を行うにはセラミック誘電体粉末を
液中に分散させて得たスラリーをドクタブレード等を用
いて所定の厚みのグリーンシートを作成し、これに金属
材料ペーストを内部電極の所定のパターンにスクリーン
印刷し、ついで、この金属材料ペーストを印刷したグリ
ーンシートを数10枚ないし数100枚重ねて、圧着
し、積層体を得る。この積層体は多数の積層セラミック
コンデンサ単位を有するように作成されるので、各単位
毎に裁断される。裁断されたそれぞれの個別体は900
℃以上で焼成される。そしてその焼成体の両端面に上記
した金属材料ペースト印刷膜の焼成体である内部電極と
接続する外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサ
が得られる。近年、電子機器の小型化が進み、機器内に
電子部品を高密度に設けることが要求されており、これ
に応えるために、セラミック電子部品、特に積層セラミ
ックコンデンサはその小型化、大容量化が必要となって
きており、積層セラミックコンデンサの1層の厚さを5
μm以下にすることが当面の課題となっている。
ク電子部品をプリント基板に搭載して使用することが多
く行われている。この積層セラミックコンデンサは、セ
ラミック誘電体層と内部電極を交互に積層し、内部電極
をセラミック誘電体層を挟んで対向させ、かつその内部
電極の端部を交互に反対側に導出した構造を有するもの
であるが、その製造を行うにはセラミック誘電体粉末を
液中に分散させて得たスラリーをドクタブレード等を用
いて所定の厚みのグリーンシートを作成し、これに金属
材料ペーストを内部電極の所定のパターンにスクリーン
印刷し、ついで、この金属材料ペーストを印刷したグリ
ーンシートを数10枚ないし数100枚重ねて、圧着
し、積層体を得る。この積層体は多数の積層セラミック
コンデンサ単位を有するように作成されるので、各単位
毎に裁断される。裁断されたそれぞれの個別体は900
℃以上で焼成される。そしてその焼成体の両端面に上記
した金属材料ペースト印刷膜の焼成体である内部電極と
接続する外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサ
が得られる。近年、電子機器の小型化が進み、機器内に
電子部品を高密度に設けることが要求されており、これ
に応えるために、セラミック電子部品、特に積層セラミ
ックコンデンサはその小型化、大容量化が必要となって
きており、積層セラミックコンデンサの1層の厚さを5
μm以下にすることが当面の課題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに積層セラミックコンデンサの1層当たりの厚さが薄
くなると、1層当たりにかかる電圧が大きくなり、電流
のリークの問題を生じ易くなるが、上記した従来の積層
セラミックコンデンサの製造方法では、グリーンシート
を作成するときにセラミック誘電体粉末をシート状に保
つために必要な有機バインダ(樹脂、溶剤等からなる)
を上記したように積層体を裁断して得た各個別体を焼成
するときに分解揮発させて除去するので、その通過跡に
空孔が残り、これが電流のリークの原因となり、所定の
容量を得ることができないという問題を生じる。これは
積層セラミックコンデンサを得る際の障害となってお
り、緻密な組織の欠陥のないセラミックス層を有する積
層セラミックコンデンサの出現が望まれている。また、
上記のようにグリーンシートを用いる方法では、そのシ
ートの形成工程、圧着工程が必要であり、その設備が必
要であるとともに、工程が多く、その改善が望まれてい
た。電子部品の小型化という課題は、他の積層セラミッ
クインダクタ、積層セラミンクトランス、積層LC部
品、さらにはこれらに電子回路を組み込んだ複合電子部
品や、多層基板等においても同じである。
うに積層セラミックコンデンサの1層当たりの厚さが薄
くなると、1層当たりにかかる電圧が大きくなり、電流
のリークの問題を生じ易くなるが、上記した従来の積層
セラミックコンデンサの製造方法では、グリーンシート
を作成するときにセラミック誘電体粉末をシート状に保
つために必要な有機バインダ(樹脂、溶剤等からなる)
を上記したように積層体を裁断して得た各個別体を焼成
するときに分解揮発させて除去するので、その通過跡に
空孔が残り、これが電流のリークの原因となり、所定の
容量を得ることができないという問題を生じる。これは
積層セラミックコンデンサを得る際の障害となってお
り、緻密な組織の欠陥のないセラミックス層を有する積
層セラミックコンデンサの出現が望まれている。また、
上記のようにグリーンシートを用いる方法では、そのシ
ートの形成工程、圧着工程が必要であり、その設備が必
要であるとともに、工程が多く、その改善が望まれてい
た。電子部品の小型化という課題は、他の積層セラミッ
クインダクタ、積層セラミンクトランス、積層LC部
品、さらにはこれらに電子回路を組み込んだ複合電子部
品や、多層基板等においても同じである。
【0004】本発明の第1の目的は、小型化できるセラ
ミック電子部品の製造方法を提供することにある。本発
明の第2の目的は、電流のリークのない耐電圧の高い
(またはセラミック素体層に空孔のない)セラミック電
子部品の製造方法を提供することにある。本発明の第3
の目的は、厚さのバラツキがなく、緻密で均一な導電体
膜を形成可能なセラミック電子部品の製造方法を提供す
ることにある。本発明の第4の目的は、大容量化のでき
るセラミックコンデンサの製造方法を提供することにあ
る。本発明の第5の目的は、簡易な設備で生産工程の単
純なセラミック電子部品の製造方法を提供することにあ
る。
ミック電子部品の製造方法を提供することにある。本発
明の第2の目的は、電流のリークのない耐電圧の高い
(またはセラミック素体層に空孔のない)セラミック電
子部品の製造方法を提供することにある。本発明の第3
の目的は、厚さのバラツキがなく、緻密で均一な導電体
膜を形成可能なセラミック電子部品の製造方法を提供す
ることにある。本発明の第4の目的は、大容量化のでき
るセラミックコンデンサの製造方法を提供することにあ
る。本発明の第5の目的は、簡易な設備で生産工程の単
純なセラミック電子部品の製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、セラミックス層と導電体層を有
するセラミック電子部品において、該セラミックス層と
導電体層のうち少なくともセラミックス層はセラミック
ス粉末を電着液中の粒子に用いて電気泳動法により形成
したセラミック材料層の焼成体を有するセラミック電子
部品の製造方法を提供するものである。また、本発明
は、(2)、セラミックス粉末を電着液中の粒子に用い
て電気泳動法によりセラミックス材料層を形成するセラ
ミックス材料層形成工程と、導電体粉末を電着液中の粒
子に用いて電気泳動法により導電体材料層を形成する導
電体材料形成工程と、該セラミックス材料層形成工程と
該導電体材料形成工程を有することにより得られる積層
体を焼成する工程を有するセラミック電子部品の製造方
法、(3)、積層体はセラミック材料層と、内部導体と
なる導電体材料層を順次積層し、最後にセラミック材料
層を積層した構造体であり、該セラミック材料層の第1
のセラミック材料層はセラミックス粉末を分散させた電
着液中に設けた導電板に通電する電気泳動法により該導
電板上に形成されたセラミックス材料層であり、該導電
体材料層の第1の導電体材料層は該セラミック材料層を
形成した導電板を導電体粉末を分散させた電着液中に設
けて通電する電気泳動法により該第1のセラミック材料
層に選択的に形成した導電体材料層であり、該セラミッ
ク材料層の第2以後のセラミック材料層及び該導電体材
料層の第2以後の導電体材料層はそれぞれ先行の導電体
材料層及びセラミック材料層を形成した導電板をそれぞ
れセラミックス粉末を分散させた電着液中及び導電体粉
末を分散させた電着液中に順次設け通電する電気泳動法
により形成した上記(2)のセラミック電子部品の製造
方法、(4)セラミック材料層に選択的に形成する導電
体材料層は必要箇所が電着液中の粒子を通過可能であり
それ以外は通過不能でありかつ着脱自在のマスクを介し
て該セラミック材料層に導電体粉末を電気泳動法により
形成する上記(3)のセラミック電子部品の製造方法、
(5)セラミック材料層はセラミック誘電体材料層であ
り、導電体材料層は内部電極材料層であり、積層体の焼
成体は積層セラミックコンデンサ素体であり、積層セラ
ミックコンデンサを製造する上記(3)又は(4)のセ
ラミック電子部品の製造方法、(6)、導電体材料層は
導電体材料ペーストのセラミック材料層に対するスクリ
ーン印刷により形成する上記(1)のセラミック電子部
品の製造方法を提供するものである。
決するために、(1)、セラミックス層と導電体層を有
するセラミック電子部品において、該セラミックス層と
導電体層のうち少なくともセラミックス層はセラミック
ス粉末を電着液中の粒子に用いて電気泳動法により形成
したセラミック材料層の焼成体を有するセラミック電子
部品の製造方法を提供するものである。また、本発明
は、(2)、セラミックス粉末を電着液中の粒子に用い
て電気泳動法によりセラミックス材料層を形成するセラ
ミックス材料層形成工程と、導電体粉末を電着液中の粒
子に用いて電気泳動法により導電体材料層を形成する導
電体材料形成工程と、該セラミックス材料層形成工程と
該導電体材料形成工程を有することにより得られる積層
体を焼成する工程を有するセラミック電子部品の製造方
法、(3)、積層体はセラミック材料層と、内部導体と
なる導電体材料層を順次積層し、最後にセラミック材料
層を積層した構造体であり、該セラミック材料層の第1
のセラミック材料層はセラミックス粉末を分散させた電
着液中に設けた導電板に通電する電気泳動法により該導
電板上に形成されたセラミックス材料層であり、該導電
体材料層の第1の導電体材料層は該セラミック材料層を
形成した導電板を導電体粉末を分散させた電着液中に設
けて通電する電気泳動法により該第1のセラミック材料
層に選択的に形成した導電体材料層であり、該セラミッ
ク材料層の第2以後のセラミック材料層及び該導電体材
料層の第2以後の導電体材料層はそれぞれ先行の導電体
材料層及びセラミック材料層を形成した導電板をそれぞ
れセラミックス粉末を分散させた電着液中及び導電体粉
末を分散させた電着液中に順次設け通電する電気泳動法
により形成した上記(2)のセラミック電子部品の製造
方法、(4)セラミック材料層に選択的に形成する導電
体材料層は必要箇所が電着液中の粒子を通過可能であり
それ以外は通過不能でありかつ着脱自在のマスクを介し
て該セラミック材料層に導電体粉末を電気泳動法により
形成する上記(3)のセラミック電子部品の製造方法、
(5)セラミック材料層はセラミック誘電体材料層であ
り、導電体材料層は内部電極材料層であり、積層体の焼
成体は積層セラミックコンデンサ素体であり、積層セラ
ミックコンデンサを製造する上記(3)又は(4)のセ
ラミック電子部品の製造方法、(6)、導電体材料層は
導電体材料ペーストのセラミック材料層に対するスクリ
ーン印刷により形成する上記(1)のセラミック電子部
品の製造方法を提供するものである。
【0006】上記のほかに、(7)、セラミック材料層
はセラミック磁性体材料層であり、導電体材料層はイン
ダクタの導体の一部を形成する内部電極材料層であり、
積層体の焼成体は積層セラミックインダクタ素体であ
り、積層セラミックインダクタを製造する上記(3)又
は(4)のセラミック電子部品の製造方法、(8)、積
層体の焼成体は上記(5)の積層セラミックコンデンサ
素体と上記(7)の積層セラミックインダクタ素体の複
合体であり、積層セラミックLC部品を製造する上記
(3)又は(4)のセラミック電子部品の製造方法を提
供することができ、また、(9)、上記(6)のセラミ
ック電子部品が積層セラミックコンデンサ、積層セラミ
ックインダクタ、積層LC部品であるセラミック電子部
品の製造方法、さらには(10)、積層体の焼成体が多
層基板である上記(2)のセラミック電子部品の製造方
法も提供できる。
はセラミック磁性体材料層であり、導電体材料層はイン
ダクタの導体の一部を形成する内部電極材料層であり、
積層体の焼成体は積層セラミックインダクタ素体であ
り、積層セラミックインダクタを製造する上記(3)又
は(4)のセラミック電子部品の製造方法、(8)、積
層体の焼成体は上記(5)の積層セラミックコンデンサ
素体と上記(7)の積層セラミックインダクタ素体の複
合体であり、積層セラミックLC部品を製造する上記
(3)又は(4)のセラミック電子部品の製造方法を提
供することができ、また、(9)、上記(6)のセラミ
ック電子部品が積層セラミックコンデンサ、積層セラミ
ックインダクタ、積層LC部品であるセラミック電子部
品の製造方法、さらには(10)、積層体の焼成体が多
層基板である上記(2)のセラミック電子部品の製造方
法も提供できる。
【0007】本発明において、セラミックス粉末とは、
チタン酸系の誘電体材料粉末、フェライト系の磁性材料
粉末その他通常のセラミック電子部品に用いられるセラ
ミックス粉末を言う。チタン酸系の誘電体材料粉末とし
ては、BaTiO3 、Pb(Nb,Mg)O3 等が挙げ
られ、フェライト系の磁性材料粉末としては、Mn−Z
n系、Ni−Zn系、Ni−Zn−Cu系、Mg−Zn
系等のフェライトが挙げられ、これらはそれぞれの対応
する原料粉末を仮焼し、その仮焼物を粉砕して得られ
る。これらセラミックス粉末の形状、大きさ、粒径分布
としては均一で微細なものが好ましい。また、導電体材
料としては、銀、銅、パラジウム、ニッケル等の金属の
いずれか又はこれら各々の合金等の金属を挙げることが
できるが、これに限らず、カーボンその他の導電体でも
良く、さらにはこれら導電体を含有する樹脂等でも良
い。電着液の溶媒としては、乾燥等を考えれば、有機溶
剤が好ましく、例えばアセトン、アルコール類、ケトン
類、アルデヒド類、エステル類等の電離効果の大きい極
性溶媒その他の溶媒が使用でき、これらは単独又は複数
併用することができる。
チタン酸系の誘電体材料粉末、フェライト系の磁性材料
粉末その他通常のセラミック電子部品に用いられるセラ
ミックス粉末を言う。チタン酸系の誘電体材料粉末とし
ては、BaTiO3 、Pb(Nb,Mg)O3 等が挙げ
られ、フェライト系の磁性材料粉末としては、Mn−Z
n系、Ni−Zn系、Ni−Zn−Cu系、Mg−Zn
系等のフェライトが挙げられ、これらはそれぞれの対応
する原料粉末を仮焼し、その仮焼物を粉砕して得られ
る。これらセラミックス粉末の形状、大きさ、粒径分布
としては均一で微細なものが好ましい。また、導電体材
料としては、銀、銅、パラジウム、ニッケル等の金属の
いずれか又はこれら各々の合金等の金属を挙げることが
できるが、これに限らず、カーボンその他の導電体でも
良く、さらにはこれら導電体を含有する樹脂等でも良
い。電着液の溶媒としては、乾燥等を考えれば、有機溶
剤が好ましく、例えばアセトン、アルコール類、ケトン
類、アルデヒド類、エステル類等の電離効果の大きい極
性溶媒その他の溶媒が使用でき、これらは単独又は複数
併用することができる。
【0008】電気泳動法によりセラミック材料層、導電
体材料層を形成するには、セラミックス粉末又は導電体
粉末を分散させたスラリーに、1組以上の陽極と陰極と
なる導電体、例えば金属板又はマスクを張り付けた金属
板を浸漬させ、陽極と陰極に電圧を印加し、セラミック
ス粉末又は導電体粉末を電気泳動により付着させる(電
着ともいう)ことにより形成できるが、さらに例えばセ
ラミック材料層の上に導電体材料層を形成しようとする
ときは、セラミック材料層を形成した電極を用い、導電
体材料粉末を含む電着液を用いて電着を行なう。導電体
材料層にセラミック材料層を形成する場合もこれに準じ
て行う。この際、導電体材料層が後の焼成により例えば
積層セラミックコンデンサや積層セラミックインダクタ
の内部電極となるものであるときは、セラミック材料層
に選択的に形成されなければならず、そのために上記マ
スクを用いるが、このマスクとしては、必要箇所が電着
液中の荷電粒子を通過可能でありそれ以外は通過不能で
ありかつ取り外し可能又は着脱自在であることが好まし
く、具体的には高分子フィルム、金属板、セラミックス
板等を容易に剥離可能な接着剤で張りつけることが挙げ
られる。これらのマスクを付した例えばセラミック材料
層を有する電極を用いて導電体粉末の電着を行えば、そ
のマスクを通過した導電体粉末の荷電粒子だけがセラミ
ック材料層に電着され、選択的にセラミック材料層を形
成することができる。このようにして、電気泳動用電極
として用いた金属板にセラミック材料層を形成し、さら
にその上に導電体材料層を選択的に形成できるが、さら
にセラミック材料層を形成するには、これらの材料層を
形成した金属板を電極に用いて最初にセラミック材料層
を電着により形成した場合と同様に操作すれば良く、以
下同様に導電体材料層、セラミック材料層を形成でき、
全体で数十層ないし数百層の積層を行うことができる。
電極間には直流電圧が印加されるが、その電圧は例えば
電極間距離1cm当たり50〜1000ボルトが挙げら
れるがこれに限らず、通電時間も数10分ないし数時間
が例示される。電圧が高いと、セラミック粉末の被覆速
度は大きくなり、通電時間が長ければその被覆膜の厚さ
は大きくなる。電着を行うときの電極の形状は、最初開
口のない平板電極を使用してセラミック材料層を形成
し、それからその電極からセラミック材料層を剥がし、
ついで例えば積層セラミックコンデンサの内部電極と同
じ形状の電極をそのセラミック材料層に付着させて導電
体粒子の電着を行うことにより、セラミック材料層に任
意の形状の導電体材料層を形成できる。
体材料層を形成するには、セラミックス粉末又は導電体
粉末を分散させたスラリーに、1組以上の陽極と陰極と
なる導電体、例えば金属板又はマスクを張り付けた金属
板を浸漬させ、陽極と陰極に電圧を印加し、セラミック
ス粉末又は導電体粉末を電気泳動により付着させる(電
着ともいう)ことにより形成できるが、さらに例えばセ
ラミック材料層の上に導電体材料層を形成しようとする
ときは、セラミック材料層を形成した電極を用い、導電
体材料粉末を含む電着液を用いて電着を行なう。導電体
材料層にセラミック材料層を形成する場合もこれに準じ
て行う。この際、導電体材料層が後の焼成により例えば
積層セラミックコンデンサや積層セラミックインダクタ
の内部電極となるものであるときは、セラミック材料層
に選択的に形成されなければならず、そのために上記マ
スクを用いるが、このマスクとしては、必要箇所が電着
液中の荷電粒子を通過可能でありそれ以外は通過不能で
ありかつ取り外し可能又は着脱自在であることが好まし
く、具体的には高分子フィルム、金属板、セラミックス
板等を容易に剥離可能な接着剤で張りつけることが挙げ
られる。これらのマスクを付した例えばセラミック材料
層を有する電極を用いて導電体粉末の電着を行えば、そ
のマスクを通過した導電体粉末の荷電粒子だけがセラミ
ック材料層に電着され、選択的にセラミック材料層を形
成することができる。このようにして、電気泳動用電極
として用いた金属板にセラミック材料層を形成し、さら
にその上に導電体材料層を選択的に形成できるが、さら
にセラミック材料層を形成するには、これらの材料層を
形成した金属板を電極に用いて最初にセラミック材料層
を電着により形成した場合と同様に操作すれば良く、以
下同様に導電体材料層、セラミック材料層を形成でき、
全体で数十層ないし数百層の積層を行うことができる。
電極間には直流電圧が印加されるが、その電圧は例えば
電極間距離1cm当たり50〜1000ボルトが挙げら
れるがこれに限らず、通電時間も数10分ないし数時間
が例示される。電圧が高いと、セラミック粉末の被覆速
度は大きくなり、通電時間が長ければその被覆膜の厚さ
は大きくなる。電着を行うときの電極の形状は、最初開
口のない平板電極を使用してセラミック材料層を形成
し、それからその電極からセラミック材料層を剥がし、
ついで例えば積層セラミックコンデンサの内部電極と同
じ形状の電極をそのセラミック材料層に付着させて導電
体粒子の電着を行うことにより、セラミック材料層に任
意の形状の導電体材料層を形成できる。
【0009】電気泳動法により形成されたセラミック材
料層に導電体材料層を選択的に形成する他の方法は、そ
のセラミック材料層に導電体材料ペーストをスクリーン
印刷することである。電気泳動法とスクリーン法を併用
しても良い。この導電体材料ペーストとしては、金、
銀、白金、銅、パラジウム等やこれらそれぞれの合金粉
末、カーボンその他の導電性粉末と、バインダーを少な
くとも含有し、このバインダーは少なくとも樹脂を含有
し、通常は溶剤も含有されることが多いが、導電性粉末
等の固形分に対し10ないし40重量%混合することが
好ましい。この樹脂としては、エチルセルロース等のセ
ルロース誘導体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニ
ルアルコール等のビニル系の樹脂、その他熱、光、電子
線硬化型樹脂を用いることもできる。スクリーン印刷
は、例えばステンレス製メッシュに乳剤を塗布し、画線
部を残して光硬化させ、その画線部の塗布膜を除去する
ことによりスクリーンを形成し、これに導電体材料ペー
ストをスキージーにより塗布する等の方法が挙げられ
る。
料層に導電体材料層を選択的に形成する他の方法は、そ
のセラミック材料層に導電体材料ペーストをスクリーン
印刷することである。電気泳動法とスクリーン法を併用
しても良い。この導電体材料ペーストとしては、金、
銀、白金、銅、パラジウム等やこれらそれぞれの合金粉
末、カーボンその他の導電性粉末と、バインダーを少な
くとも含有し、このバインダーは少なくとも樹脂を含有
し、通常は溶剤も含有されることが多いが、導電性粉末
等の固形分に対し10ないし40重量%混合することが
好ましい。この樹脂としては、エチルセルロース等のセ
ルロース誘導体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニ
ルアルコール等のビニル系の樹脂、その他熱、光、電子
線硬化型樹脂を用いることもできる。スクリーン印刷
は、例えばステンレス製メッシュに乳剤を塗布し、画線
部を残して光硬化させ、その画線部の塗布膜を除去する
ことによりスクリーンを形成し、これに導電体材料ペー
ストをスキージーにより塗布する等の方法が挙げられ
る。
【0010】電気泳動法により形成されたセラミック材
料層と、このセラミック材料層に電気泳動法やスクリー
ン法により形成された導電体材料層は積層され、その積
層体が得られるが、この積層体は電極の金属板から剥が
され、特別な圧着を必要とすることがなくても良く、焼
成されるが、その焼成温度は、導電体材料の融点、酸化
性等を考慮して決められるが、銀の場合には800℃以
上、950℃以下が好ましいが、その他の高融点の金属
の場合にはこれに限られない。
料層と、このセラミック材料層に電気泳動法やスクリー
ン法により形成された導電体材料層は積層され、その積
層体が得られるが、この積層体は電極の金属板から剥が
され、特別な圧着を必要とすることがなくても良く、焼
成されるが、その焼成温度は、導電体材料の融点、酸化
性等を考慮して決められるが、銀の場合には800℃以
上、950℃以下が好ましいが、その他の高融点の金属
の場合にはこれに限られない。
【0011】上記は積層セラミックコンデンサを中心に
説明したが、積層セラミックインダクタ、積層セラミン
クトランス、積層LC部品、さらにはこれらに電子回路
を組み込んだ複合電子部品や、多層基板、単層のセラミ
ックコンデンサ等においても適用できる。
説明したが、積層セラミックインダクタ、積層セラミン
クトランス、積層LC部品、さらにはこれらに電子回路
を組み込んだ複合電子部品や、多層基板、単層のセラミ
ックコンデンサ等においても適用できる。
【0012】
【作用】電気泳動法とは、コロイド溶液または懸濁液や
エマルジョン中に電極を入れてこれに直流電圧を加える
ことによりコロイド粒子または微細粒子がどちらか一方
の極に移動する現象をいうので、金属板の電極に用い、
コロイド粒子または微細粒子にセラミック粉末を用いる
と(通常、液体中の粉体は荷電粒子として扱える)、電
極にこれらセラミック粉末の粒子は互いに反対の電荷の
静電引力により付着しその層を形成でき、さらにこの層
に電気泳動法等を用いて導電体材料層を形成でき、以下
同様にしてセラミック材料層と導電体材料層の積層体を
得ることができ、これを焼成すると積層セラミックコン
デンサ等のセラミック部品を製造することができる。こ
の電気泳動を利用して粒子の層を形成する、いわゆる電
着は、その電着速度が大きく、電着液に用いる粒子の種
類、大きさ、形状、表面電化数、溶媒の種類、溶媒中の
電解質の種類、イオン強度、あるいはpH、温度、加え
た電圧等などによりその速度を調整でき、バインダーを
含まないようにもでき、さらには粒子同士は反発しあう
ためので、空孔のない緻密なセラミック層等を例えば5
μm以下の薄層にすることができる。また、セラミック
粉末、導電体粉末そのものを電着することができるので
その積層体は圧着を特に必要とすることもない。
エマルジョン中に電極を入れてこれに直流電圧を加える
ことによりコロイド粒子または微細粒子がどちらか一方
の極に移動する現象をいうので、金属板の電極に用い、
コロイド粒子または微細粒子にセラミック粉末を用いる
と(通常、液体中の粉体は荷電粒子として扱える)、電
極にこれらセラミック粉末の粒子は互いに反対の電荷の
静電引力により付着しその層を形成でき、さらにこの層
に電気泳動法等を用いて導電体材料層を形成でき、以下
同様にしてセラミック材料層と導電体材料層の積層体を
得ることができ、これを焼成すると積層セラミックコン
デンサ等のセラミック部品を製造することができる。こ
の電気泳動を利用して粒子の層を形成する、いわゆる電
着は、その電着速度が大きく、電着液に用いる粒子の種
類、大きさ、形状、表面電化数、溶媒の種類、溶媒中の
電解質の種類、イオン強度、あるいはpH、温度、加え
た電圧等などによりその速度を調整でき、バインダーを
含まないようにもでき、さらには粒子同士は反発しあう
ためので、空孔のない緻密なセラミック層等を例えば5
μm以下の薄層にすることができる。また、セラミック
粉末、導電体粉末そのものを電着することができるので
その積層体は圧着を特に必要とすることもない。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。 実施例1 100mlビーカーにアセトン50ml、平均粒径0.
3μmのチタン酸バリウム(BaTiO3)粉末5gを入
れて混合し、超音波分散させてセラミック誘電体粉末の
スラリーを得た。また、100mlビーカーにアセトン
50ml、平均粒径0.1μmのパラジウム(Pd)粉
末5gを入れて混合し、超音波分散させて導電体材料粉
末のスラリーを得た。また、白金板を陰極、白金棒を陽
極とし、両電極間が500V/cmとなるよに電源、白
金板、白金棒を固定し、電極セットを準備した。この状
態で、まず、電極セットの白金板、白金棒を上記セラミ
ック誘電体粉末のスラリーに浸漬し、ついで両電極間に
500V/cmの電圧を白金板の電着層が3.5μmに
なるまで印加し続け、3.5μmのセラミック材料層を
形成した。
る。 実施例1 100mlビーカーにアセトン50ml、平均粒径0.
3μmのチタン酸バリウム(BaTiO3)粉末5gを入
れて混合し、超音波分散させてセラミック誘電体粉末の
スラリーを得た。また、100mlビーカーにアセトン
50ml、平均粒径0.1μmのパラジウム(Pd)粉
末5gを入れて混合し、超音波分散させて導電体材料粉
末のスラリーを得た。また、白金板を陰極、白金棒を陽
極とし、両電極間が500V/cmとなるよに電源、白
金板、白金棒を固定し、電極セットを準備した。この状
態で、まず、電極セットの白金板、白金棒を上記セラミ
ック誘電体粉末のスラリーに浸漬し、ついで両電極間に
500V/cmの電圧を白金板の電着層が3.5μmに
なるまで印加し続け、3.5μmのセラミック材料層を
形成した。
【0014】次に、白金板、白金棒の電極を引き上げ、
白金板の上記セラミック材料層に縞状にスリットのパタ
ーンを形成したポリエステルフィルムからなるマスクを
当てがい、その周辺を剥離容易な接着剤により仮止めし
た。その後、両電極を上記導電体材料粉末のスラリーに
浸漬し、ついで両電極間に100V/cmの電圧を上記
セラミック材料層上の電着層が1.5μmになるまで印
加し続け、1.5μmのパターン化された導電体材料層
を形成した。さらに、両電極を引き上げ、マスクを外し
た後、上記セラミック材料層を形成したと同様にして上
記のパターン化された導電体材料層を形成したセラミッ
ク材料層上にセラミック材料層を形成し、以下同様にパ
ターン化された導電体材料層、セラミック材料層を順次
形成し、全部で導電体材料層、セラミック材料層それぞ
れを100層形成した。最後にセラミック材料層と導電
体材料層の積層体を白金板から剥がし、所定の大きさの
角型にカットした積層体を1350℃で2時間焼成し、
セラミック素体チップを得た。その厚さは2.7μmで
あった。なお、このセラミック素体チップは、セラミッ
ク材料層の焼成体であるセラミック層と、導電体材料層
の焼成体である内部電極の積層体からなり、内部電極は
交互に積層体チップの両側端面に導出されるように、上
記マスクはそのスリットのパターンを形成したものを用
いる。セラミック素体チップの両側端に銀ペーストを塗
布し、焼き付けて銀電極を形成した。このようにしてチ
ップ型積層セラミックコンデンサ10個を得、これらを
150℃、300Vの条件で寿命試験を行ったところ、
全て10000秒以上の寿命を持ち、実用に耐えること
が確認された。また、チップ型積層セラミックコンデン
サの静電容量は25μFであった。
白金板の上記セラミック材料層に縞状にスリットのパタ
ーンを形成したポリエステルフィルムからなるマスクを
当てがい、その周辺を剥離容易な接着剤により仮止めし
た。その後、両電極を上記導電体材料粉末のスラリーに
浸漬し、ついで両電極間に100V/cmの電圧を上記
セラミック材料層上の電着層が1.5μmになるまで印
加し続け、1.5μmのパターン化された導電体材料層
を形成した。さらに、両電極を引き上げ、マスクを外し
た後、上記セラミック材料層を形成したと同様にして上
記のパターン化された導電体材料層を形成したセラミッ
ク材料層上にセラミック材料層を形成し、以下同様にパ
ターン化された導電体材料層、セラミック材料層を順次
形成し、全部で導電体材料層、セラミック材料層それぞ
れを100層形成した。最後にセラミック材料層と導電
体材料層の積層体を白金板から剥がし、所定の大きさの
角型にカットした積層体を1350℃で2時間焼成し、
セラミック素体チップを得た。その厚さは2.7μmで
あった。なお、このセラミック素体チップは、セラミッ
ク材料層の焼成体であるセラミック層と、導電体材料層
の焼成体である内部電極の積層体からなり、内部電極は
交互に積層体チップの両側端面に導出されるように、上
記マスクはそのスリットのパターンを形成したものを用
いる。セラミック素体チップの両側端に銀ペーストを塗
布し、焼き付けて銀電極を形成した。このようにしてチ
ップ型積層セラミックコンデンサ10個を得、これらを
150℃、300Vの条件で寿命試験を行ったところ、
全て10000秒以上の寿命を持ち、実用に耐えること
が確認された。また、チップ型積層セラミックコンデン
サの静電容量は25μFであった。
【0015】実施例2 実施例1と同様にしてセラミック誘電体粉末のスラリー
を調製し、電極セットを準備した。次に実施例1と同様
にして白金板に3.5μmのセラミック材料層を形成し
た後、今度は所定のパターンにPdを導電体材料とする
Pdペースト(Pd50重量部、エチルセルローズ5重
量部、ブチルカービトール45重量部)をスクリーン印
刷により印刷し、550℃で焼き付け、パターン化した
導電体材料層を形成した。このパターン化した導電体材
料層を形成したセラミック材料層に有する白金板を用い
て、最初と同様にセラミック材料層を形成し、以下同様
に導電体材料層、セラミック材料層を順次形成し、全体
で導電体材料層、セラミック材料層それぞれを100層
積層し、以下実施例1と同様に、カット、1350℃で
の2時間の焼成を行ってセラミック素体チップを得、こ
れに銀電極の形成を行ってチップ型積層セラミックコン
デンサ10個を得、これらについても実施例1と同様に
試験したところ、全て10000秒以上の寿命を持ち、
実用に耐えることが確認された。また、セラミック素体
チップの厚さは2.7μmであり、チップ型積層セラミ
ックコンデンサの静電容量は30μFであった。
を調製し、電極セットを準備した。次に実施例1と同様
にして白金板に3.5μmのセラミック材料層を形成し
た後、今度は所定のパターンにPdを導電体材料とする
Pdペースト(Pd50重量部、エチルセルローズ5重
量部、ブチルカービトール45重量部)をスクリーン印
刷により印刷し、550℃で焼き付け、パターン化した
導電体材料層を形成した。このパターン化した導電体材
料層を形成したセラミック材料層に有する白金板を用い
て、最初と同様にセラミック材料層を形成し、以下同様
に導電体材料層、セラミック材料層を順次形成し、全体
で導電体材料層、セラミック材料層それぞれを100層
積層し、以下実施例1と同様に、カット、1350℃で
の2時間の焼成を行ってセラミック素体チップを得、こ
れに銀電極の形成を行ってチップ型積層セラミックコン
デンサ10個を得、これらについても実施例1と同様に
試験したところ、全て10000秒以上の寿命を持ち、
実用に耐えることが確認された。また、セラミック素体
チップの厚さは2.7μmであり、チップ型積層セラミ
ックコンデンサの静電容量は30μFであった。
【0016】比較例 チタン酸バリウムのスラリー(BaTiO3 88.65
重量部、ポリビニルブチラール樹脂9.85重量部、エ
タノール100重量部、トルエン100重量部)を調製
し、これをドクターブレード法にてポリエステルフィル
ム上に塗布・乾燥し、乾燥膜厚3.5μmのグリーンシ
ートを作成した。このグリーンシートに実施例2と同様
のPdペーストを所定のパターンにスクリーン印刷し
た。このようにPdペーストを印刷したグリーンシート
を表裏合わせて100枚重ねた後、圧着し、所定の大き
さにカットして積層体チップを得た。これを1350
℃、2時間焼成してセラミック素体チップ得、これに実
施例1と同様に銀電極を形成し、チップ型積層セラミッ
クコンデンサを得た。このようにして得たチップ型積層
セラミックコンデンサ10個について実施例1と同様に
試験したところ、10000秒以上の寿命を持ったもの
は無かった。また、セラミック素体チップの厚さは2.
7μmであり、チップ型積層セラミックコンデンサの静
電容量は25μFであった。
重量部、ポリビニルブチラール樹脂9.85重量部、エ
タノール100重量部、トルエン100重量部)を調製
し、これをドクターブレード法にてポリエステルフィル
ム上に塗布・乾燥し、乾燥膜厚3.5μmのグリーンシ
ートを作成した。このグリーンシートに実施例2と同様
のPdペーストを所定のパターンにスクリーン印刷し
た。このようにPdペーストを印刷したグリーンシート
を表裏合わせて100枚重ねた後、圧着し、所定の大き
さにカットして積層体チップを得た。これを1350
℃、2時間焼成してセラミック素体チップ得、これに実
施例1と同様に銀電極を形成し、チップ型積層セラミッ
クコンデンサを得た。このようにして得たチップ型積層
セラミックコンデンサ10個について実施例1と同様に
試験したところ、10000秒以上の寿命を持ったもの
は無かった。また、セラミック素体チップの厚さは2.
7μmであり、チップ型積層セラミックコンデンサの静
電容量は25μFであった。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、電気泳動法によりセラ
ミック材料層を形成し、これと導電体材料層を積層し、
焼成するようにしたので、セラミック材料層の焼成体を
例えば5μm以下の薄層とすることができ、セラミック
電子部品を小型化することができるのみならず、セラミ
ックグリーンシートを用いる従来の方法に比べてバイン
ダーを用いておらず、その分解揮発の必要がないので、
空隙のない緻密な組織とすることができ、電流のリーク
のない耐電圧性のセラミック電子部品を提供することが
できる。この際導電体層も電気泳動法により形成した導
電体材料層の焼成体により構成すれば、その厚さを5μ
m以下にできるのみならず、緻密かつ厚さにバラツキの
少ない均一な導電体層とすることができ、電気泳動法に
よるセラック材料層の焼成体とともに一層の小型化と性
能を向上することができる。特に、例えば積層セラミッ
クコンデンサを有する部品では薄層の緻密なセラミック
層と、小型のままそのセラミック層の層数を多くするこ
とができることによる相乗効果によりその大容量化をす
ることができ、性能を一段と向上させることができる。
この場合も導電体層を電気泳動法により形成した導電体
材料層の焼成体により構成することにより一層の小型
化、大容量化を図ることができ、一段と性能を向上でき
る。また、電気泳動法による方法は簡易な設備で良いだ
けでなく、従来のグリーンシートを用いるものに比べて
圧着工程を必要としない等生産工程が単純であるから、
設備費、能率の点からも生産性を向上させることができ
る。
ミック材料層を形成し、これと導電体材料層を積層し、
焼成するようにしたので、セラミック材料層の焼成体を
例えば5μm以下の薄層とすることができ、セラミック
電子部品を小型化することができるのみならず、セラミ
ックグリーンシートを用いる従来の方法に比べてバイン
ダーを用いておらず、その分解揮発の必要がないので、
空隙のない緻密な組織とすることができ、電流のリーク
のない耐電圧性のセラミック電子部品を提供することが
できる。この際導電体層も電気泳動法により形成した導
電体材料層の焼成体により構成すれば、その厚さを5μ
m以下にできるのみならず、緻密かつ厚さにバラツキの
少ない均一な導電体層とすることができ、電気泳動法に
よるセラック材料層の焼成体とともに一層の小型化と性
能を向上することができる。特に、例えば積層セラミッ
クコンデンサを有する部品では薄層の緻密なセラミック
層と、小型のままそのセラミック層の層数を多くするこ
とができることによる相乗効果によりその大容量化をす
ることができ、性能を一段と向上させることができる。
この場合も導電体層を電気泳動法により形成した導電体
材料層の焼成体により構成することにより一層の小型
化、大容量化を図ることができ、一段と性能を向上でき
る。また、電気泳動法による方法は簡易な設備で良いだ
けでなく、従来のグリーンシートを用いるものに比べて
圧着工程を必要としない等生産工程が単純であるから、
設備費、能率の点からも生産性を向上させることができ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 セラミックス層と導電体層を有するセラ
ミック電子部品において、該セラミックス層と導電体層
のうち少なくともセラミックス層はセラミックス粉末を
電着液中の粒子に用いて電気泳動法により形成したセラ
ミック材料層の焼成体を有するセラミック電子部品の製
造方法。 - 【請求項2】 セラミックス粉末を電着液中の粒子に用
いて電気泳動法によりセラミックス材料層を形成するセ
ラミックス材料層形成工程と、導電体粉末を電着液中の
粒子に用いて電気泳動法により導電体材料層を形成する
導電体材料形成工程と、該セラミックス材料層形成工程
と該導電体材料形成工程を有することにより得られる積
層体を焼成する工程を有するセラミック電子部品の製造
方法。 - 【請求項3】 積層体はセラミック材料層と、内部導体
となる導電体材料層を順次積層し、最後にセラミック材
料層を積層した構造体であり、該セラミック材料層の第
1のセラミック材料層はセラミックス粉末を分散させた
電着液中に設けた導電板に通電する電気泳動法により該
導電板上に形成されたセラミックス材料層であり、該導
電体材料層の第1の導電体材料層は該セラミック材料層
を形成した導電板を導電体粉末を分散させた電着液中に
設けて通電する電気泳動法により該第1のセラミック材
料層に選択的に形成した導電体材料層であり、該セラミ
ック材料層の第2以後のセラミック材料層及び該導電体
材料層の第2以後の導電体材料層はそれぞれ先行の導電
体材料層及びセラミック材料層を形成した導電板をそれ
ぞれセラミックス粉末を分散させた電着液中及び導電体
粉末を分散させた電着液中に順次設け通電する電気泳動
法により形成した請求項2記載のセラミック電子部品の
製造方法。 - 【請求項4】 セラミック材料層に選択的に形成する導
電体材料層は必要箇所が電着液中の粒子を通過可能であ
りそれ以外は通過不能でありかつ着脱自在のマスクを介
して該セラミック材料層に導電体粉末を電気泳動法によ
り形成する請求項3記載のセラミック電子部品の製造方
法。 - 【請求項5】 セラミック材料層はセラミック誘電体材
料層であり、導電体材料層は内部電極材料層であり、積
層体の焼成体は積層セラミック素体であり、積層セラミ
ックコンデンサを製造する請求孔3又は4記載のセラミ
ック電子部品の製造方法。 - 【請求項6】 導電体材料層は導電体材料ペーストをセ
ラミック材料層に対してスクリーン印刷することにより
形成する請求項1記載のセラミック電子部品の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22905194A JPH0878275A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | セラミック電子部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22905194A JPH0878275A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | セラミック電子部品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0878275A true JPH0878275A (ja) | 1996-03-22 |
Family
ID=16885980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22905194A Withdrawn JPH0878275A (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | セラミック電子部品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0878275A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002231574A (ja) * | 2001-02-05 | 2002-08-16 | Murata Mfg Co Ltd | 積層型セラミック電子部品の製造方法および積層型セラミック電子部品 |
JP2003055042A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-26 | Murata Mfg Co Ltd | チタン酸バリウム膜の製造方法およびチタン酸バリウム膜 |
JP2015043389A (ja) * | 2013-08-26 | 2015-03-05 | 国立大学法人山梨大学 | 微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法 |
-
1994
- 1994-08-31 JP JP22905194A patent/JPH0878275A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002231574A (ja) * | 2001-02-05 | 2002-08-16 | Murata Mfg Co Ltd | 積層型セラミック電子部品の製造方法および積層型セラミック電子部品 |
JP2003055042A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-26 | Murata Mfg Co Ltd | チタン酸バリウム膜の製造方法およびチタン酸バリウム膜 |
JP2015043389A (ja) * | 2013-08-26 | 2015-03-05 | 国立大学法人山梨大学 | 微小金属粒子含有セラミックキャパシタの製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011106 |