JPH0876040A - 光走査装置及び光書込装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】回転多面鏡等を用いずに比較的簡便な構成で光
走査を行うことができる光走査装置及びその光走査装置
を用いた光書込装置を提供する。 【構成】本発明の光走査装置は、少なくとも回動もしく
は振動あるいは揺動する光源２と、該光源２から発せら
れた光の光走査角を増幅する曲面を有する反射ミラー５
とを備え、これらの組合せにより光走査する。また、本
発明の光書込装置は上記光走査装置を光走査手段として
用い、少なくとも回動もしくは振動あるいは揺動する光
源２と、その光源２から発せられた光を反射して一点又
は略一点４ａに集光させる曲面を有する反射ミラー５
と、その反射ミラー５からの光を被走査面７上に結像す
る結像素子６を有する。 【効果】騒音や振動の発生が殆ど無い光走査装置及び光
書込装置を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は光束を走査するための光
走査装置、及びこの光走査装置を光走査手段として用い
て画像形成装置の感光体等の被走査面上を光走査して光
書込みを行なう光書込装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、デジタル複写機やファクシミリの
画像形成部やレーザプリンタ等においては、光源からの
光束を光走査装置及び結像光学系を介して感光体等の被
走査面上に集光し、画像信号に応じて光変調しながら光
走査して画像を書き込む光書込装置が用いられている
が、一般に、光走査を行なう手段としては回転多面鏡が
用いられており（例えば特開平５−１１２１０号公報
等）、また、回転多面鏡の代替手段として揺動するガル
バノミラーを用いて光走査を行なうものも知られている
（例えば特開平４−２５０４１１号公報等）。

【０００３】ここで、図６は従来の光書込装置の一例を
示す図であって、（ａ）は光書込装置の主走査平面上に
おける光学系配置を示す平面図、（ｂ）は（ａ）に示す
光書込装置の側面図であり、図中の符号２０は光源、２
１ａはコリメータレンズ、２１ｂは副走査方向にパワー
を持つシリンドリカルレンズ、２２は回転多面鏡、２３
はｆθレンズ等からなる結像素子、２４は感光体等の被
走査面を示している。図１に示す構成の光書込装置にお
いては、光走査手段として回転多面鏡２２を用いてお
り、光源２０からの光束を回転多面鏡２２により偏向
し、結像素子２３を介して被走査面上に微小な光スポッ
トとして結像して被走査面上を走査し、光書込を行なう
ものである。また、図７は従来の光書込装置の別の例を
示す図であって、光走査手段として揺動するガルバノミ
ラー２２’を用いたものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の光書込装置にお
いては、図６に示したように、光走査手段として主とし
て回転多面鏡を用いていた。この回転多面鏡の回転数
は、通常、画素密度と線速から決まってくるものであ
り、近年の高密度化、高速化の流れで、回転数は上がる
一方である。しかし、高回転数になれば、回転多面鏡の
軸受がボールベアリングタイプのものでは対応できなく
なり、空気ベアリングタイプのものを用いなければなら
ない。このため、コストアップは避けられない。また、
高回転数になるにつれて、回転多面鏡による騒音及び振
動も大きくなり、環境衛生上においても問題である。ま
た、図７に示したように、回転多面鏡の代替として揺動
するガルバノミラーを光書込装置の光走査手段として用
いたものも提案されているが、揺動するガルバノミラー
では走査角度が十分に取れないため、書込幅が狭くな
り、用紙サイズの小さなものにしか対応できず、また、
書込幅を大きくするために光路長を長くとることも考え
られるが、この場合は装置が大型化してしまい、何れに
しても問題点が残る。

【０００５】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、回転多面鏡等を用いずに比較的簡便な構成で光走
査を行なうことができる新規な構成の光走査装置及びそ
の光走査装置を光走査手段に用いた光書込装置を提供す
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光走査装置は、少なくとも回動もしくは振
動あるいは揺動する光源と、該光源から発せられた光の
光走査角を増幅する曲面を有する反射ミラーとを備え、
これらの組合せにより光走査することを特徴とする（請
求項１）。

【０００７】本発明の光書込装置は上記光走査装置を光
走査手段として用いたものであり、少なくとも回動もし
くは振動あるいは揺動する光源と、その光源から発せら
れた光を反射して一点又は略一点に集光させる曲面を有
する反射ミラーと、その反射ミラーからの光を被走査面
上に結像する結像素子を有することを特徴とする（請求
項２）。ここで、前記曲面を有する反射ミラーは、少な
くとも一方向に曲率を持ち、その曲率の中心が前記光源
と前記一点又は略一点を結んだ線を通る平面上にあり、
かつ前記光源による光走査平面と垂直な平面上にあるこ
とを特徴とする（請求項３）。また、前記被走査面上を
走査する光を等速にする手段は、前記光源から出射され
る光の周波数を変化させることにより行なうことを特徴
とする（請求項４）。

【０００８】

【作用】本発明の光走査装置及びその光走査装置を光走
査手段として用いた光書込装置においては、従来の回転
多面鏡等の光走査手段に替えて、光源自体が回動もしく
は振動あるいは揺動して光走査する構成のため、従来の
回転多面鏡やガルバノミラー等が不要となり、光学部品
の減少により装置の小型化、低コスト化が図れる。ま
た、回転多面鏡を用いた際に問題となっていた騒音や振
動の発生も、回転多面鏡を用いないため無くすことがで
きる。また、光源自体を回動もしくは振動あるいは揺動
して光走査する場合に、光源から発せられた光の光走査
角を増幅する曲面を有する反射ミラーを備えたことによ
り、光源による光走査角度は小さくてよいため、光源の
揺動等による騒音や振動の発生も最小限に抑えることが
でき、しかも高速化が可能となる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１は本発明の一実施例を示す光書込装置の書込
光学系１ａの概略構成を示す斜視図であり、図中符号２
は光源ユニット、５は曲面を有する反射ミラー、６は結
像素子、７は感光体等の被走査面、８は走査光を示して
いる。本実施例では光書込装置の光走査手段（光走査装
置）として、少なくとも回動もしくは振動あるいは揺動
する光源ユニット２と、該光源ユニット２から発せられ
た光の光走査角を増幅する曲面を有する反射ミラー５と
を備え、これらの組合せにより光走査する構成である。

【００１０】ここで、光源ユニット２は例えば図３に示
すように箱型に形成されており、その底面が弾性変形モ
ードを有する光源ユニット支持軸１２によって支持され
ており、光源ユニット支持軸１２を中心に回動もしくは
揺動あるいは振動可能となっている。また、箱型の光源
ユニット２内には、半導体レーザ（ＬＤ）等の光源２ｂ
とコリメータレンズ２ａが配設されている。また、コリ
メータレンズ２ａの光出射面側に位置する光源ユニット
２の壁面には、光源２ｂから発せられコリメータレンズ
３ａによりコリメートされた光を絞って出射するための
アパーチャ（開口部）２ｃが設けられている。また、光
源ユニット２の光出射面と反対側の壁面の一辺側には電
極３ｂが設けられ、この電極３ｂに対向して、光源ユニ
ット２の外部には電極３ａが配置されており、電極３ａ
には電源１４及びスイッチ回路１３が接続され、電極３
ａにその共振周波数に合わせて電荷を印加することによ
り、両電極３ａ，３ｂ間に静電気が発生し、そのクーロ
ン力により電極３ａ，３ｂが図中の矢印Ｂ方向に引き付
けあう。これにより光源ユニット２が光源ユニット支持
軸１２の弾性力に抗して図中の矢印Ａ方向に回動する。
また、スイッチ回路１３がＯＦＦとなると両電極３ａ，
３ｂ間の静電気が消失するため、光源ユニット支持軸１
２の弾性により光源ユニット２は矢印Ａとは逆方向に回
動し、元の位置に戻る。従って、画像の書込周期に合わ
せてスイッチ回路１３によりＯＮ−ＯＦＦ制御すること
により、光源ユニット２を揺動あるいは振動させること
ができ、光走査を行なうことができる。尚、光源ユニッ
ト２の光走査角は、電極３ａ，３ｂ間の距離や光源ユニ
ット支持軸１２の弾性等により決まるが、回転多面鏡等
に比べると走査角度が十分に取れない。このため、本発
明では、図１に示したように、光源ユニット２から発せ
られた光の光走査角を増幅する曲面を有する反射ミラー
５を設けている。尚、光源（ユニット）２を回動もしく
は揺動あるいは振動させる手段としては、図３のように
静電力を利用する方法の他、磁力を利用する方法や圧電
素子等の振動源を用いる方法等、種々の方式が適用可能
である。

【００１１】さて、本発明に係る光走査手段（装置）を
デジタル複写機等に用いる光書込装置に応用する場合
は、少なくとも図１に示すように、従来技術（図６，
７）における光源２０と回転多面鏡２２やガルバノミラ
ー２２’の組み合わせを、前記した光源ユニット２と前
記した曲面を有する反射ミラー５とにより置き換える。
また、この場合、曲面を有する反射ミラー５は、光源ユ
ニット２から出射された光を、一点又は略一点４ａに集
光させるように、少なくとも一方向に曲率を持たすこと
により、置き換え前の光学特性を維持できることにな
る。尚、レイアウトの関係上、図２に示すように、反射
ミラー５による反射光が集光される前記一点又は略一点
（集光点）４ａに光を反射するミラー４ｂを配置して走
査光８を任意の方向に折り返すことも可能である。

【００１２】ここで、図４は図１に示した光書込光学系
１ａの光源２及び反射ミラー５の配置と光路の説明図で
あって、（ａ）は光走査平面（ｘ−ｙ平面）上での位置
関係をｚ方向から見た図、（ｂ）は（ａ）のｘ方向から
見たときの図である。また、図５は図２に示した光書込
光学系１ｂの光源２及び反射ミラー５の配置と光路の説
明図であって、（ａ）は光走査平面（ｘ−ｙ平面）上で
の位置関係をｚ方向から見た図、（ｂ）は（ａ）のｘ方
向から見たときの図である。

【００１３】図４，５において、符号２は光源、５は曲
面を有する反射ミラー、５ａは曲面を有する反射ミラー
の反射面、５ｂは曲面を有する反射ミラーの曲率中心、
５ｃは反射点、４ａは反射ミラー５による反射光が集光
される一点又は略一点（集光点）、８ａは反射面５ａへ
の入射光、８ｂは反射面５ａからの反射光及び４ａへの
入射光、８ｃは集光点４ａを通過後の光、９は光源２と
集光点４ａを結んだ線または光源２と集光点４ａを通る
平面、１０ａは光源２による光走査平面、１０ｂは反射
ミラー５による反射光によって形成される反射平面であ
る。また、ｒは反射ミラー５の曲率半径である。尚、図
５は図４の集光点４ａに反射ミラー４ｂを配置ものであ
り、集光点４ａ通過後の光の方向が異なるだけで、集光
点４ａまでの光学系配置や光路等は図４と同じであり、
１０ｃが集光点４ａに配置された反射ミラー４ｂで反射
した光によって形成される反射平面を示している。

【００１４】図４，５に示すように、本発明の光走査装
置及び光書込装置では、光源２から発せられ反射ミラー
５の反射面５ａによって反射された光８ｂは一点又は略
一点（集光点）４ａに集光されるように、反射ミラー５
の曲率半径ｒや光源２から一点又は略一点（集光点）４
ａ迄の距離Ｌａ、反射ミラー５の曲率中心５ｂと一点又
は略一点（集光点）４ａ間の距離Ｌｂが設定されてお
り、かつ、前記曲面を有する反射ミラー５の曲率中心５
ｂは前記光源２と前記一点又は略一点（集光点）４ａを
結んだ線９を通る平面上にあり、かつ前記光源２による
光走査平面１０ａに垂直な平面上に配置させることによ
り、左右対称系を持つことができ、光源２の揺動等によ
る光走査角度が微小でも、反射ミラー５によって反射さ
れ一点又は略一点（集光点）４ａを通過後の光８ｃの走
査角を大きくすることができる。従って、結像素子６を
介して被走査面７上に集光される走査光の走査範囲（書
込幅）を大きく取ることができ、広範囲な光書込が可能
となる。また、光源２による光走査角度は小さくてよい
ため、光源２の揺動等による騒音や振動の発生も最小限
に抑えることができ、しかも高速化が可能となる。

【００１５】ところで、光源２は揺動や振動等をさせる
ため、感光体等の被走査面７上での光走査の等速性が問
題となるが、これは、光源２から出射される光の周波数
（画像信号に応じた強度変調の周波数）を変化させるこ
とで容易に対応することができる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の光走査
装置においては、従来の回転多面鏡等の光走査手段に替
えて、光源自体が回動もしくは振動あるいは揺動して光
走査する構成のため、従来の回転多面鏡やガルバノミラ
ー等が不要となり、光学部品の減少により装置の小型
化、低コスト化が図れる。また、回転多面鏡を用いた際
に問題となっていた騒音や振動の発生も、回転多面鏡を
用いないため無くすことができる。また、光源自体を回
動もしくは振動あるいは揺動して光走査する場合に、光
源から発せられた光の光走査角を増幅する曲面を有する
反射ミラーを備えたことにより、光源による光走査角度
は小さくてよいため、光源の揺動等による騒音や振動の
発生も最小限に抑えることができ、しかも高速化が可能
となる。従って、本発明によれば、比較的簡便な構成で
光走査を行なうことができ、騒音や振動の発生も殆ど無
く、環境衛生上の問題も除去できる光走査装置を提供す
ることができる。

【００１７】請求項２の光書込装置においては、従来の
回転多面鏡等に替えて請求項１の光走査装置を光走査手
段として用いたことにより、請求項１の作用効果に加
え、従来装置における結像素子等をそのまま使用して騒
音や振動の殆ど無い光書込装置を実現することができ
る。また、騒音や振動による異常画像の発生を除去する
ことができる。

【００１８】請求項３の光書込装置においては、請求項
１，２の作用効果に加え、光源の揺動等の振幅が小さく
ても、反射ミラーによる反射後の走査角を大きく取るこ
とができるため、被走査面上においては広範囲の書込幅
も可能となる。

【００１９】請求項４の光書込装置においては、請求項
１，２の作用効果に加え、感光体等の被走査面上での等
速書込が容易に可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す光書込装置の書込光学
系の概略構成を示す斜視図である。

【図２】本発明の別の実施例を示す光書込装置の書込光
学系の概略構成を示す斜視図である。

【図３】本発明の一実施例を示す光走査装置の光源ユニ
ット及びその揺動手段の説明図である。

【図４】図１に示す光書込光学系の光源及び反射ミラー
の配置と光路の説明図である。

【図５】図２に示す光書込光学系の光源及び反射ミラー
の配置と光路の説明図である。

【図６】従来の光書込装置の一例を示す図である。

【図７】従来の光書込装置の別の例を示す図である。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ：光書込光学系 ２：光源ユニット ２ａ：コリメータレンズ ２ｂ：光源 ２ｃ：アパーチャ（開口部） ３ａ，３ｂ：電極 ４ａ：一点又は略一点（集光点） ４ｂ：ミラー ５：曲面を有する反射ミラー ６：結像素子 ７：被走査面（感光体面等） ８：走査光 １２：光源ユニット支持軸 １３：スイッチ回路 １４：電源

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも回動もしくは振動あるいは揺動
   する光源と、該光源から発せられた光の光走査角を増幅
   する曲面を有する反射ミラーとを備え、これらの組合せ
   により光走査することを特徴とする光走査装置。
2. 【請求項２】少なくとも回動もしくは振動あるいは揺動
   する光源と、その光源から発せられた光を反射して一点
   又は略一点に集光させる曲面を有する反射ミラーと、そ
   の反射ミラーからの光を被走査面上に結像する結像素子
   を有することを特徴とする光書込装置。
3. 【請求項３】請求項２記載の光書込装置において、前記
   曲面を有する反射ミラーは、少なくとも一方向に曲率を
   持ち、その曲率の中心が前記光源と前記一点又は略一点
   を結んだ線を通る平面上にあり、かつ前記光源による光
   走査平面と垂直な平面上にあることを特徴とする光書込
   装置。
4. 【請求項４】請求項２記載の光書込装置において、前記
   被走査面上を走査する光を等速にする手段は、前記光源
   から出射される光の周波数を変化させることにより行な
   うことを特徴とする光書込装置。