JPH07304208A - 光ビーム偏向器 - Google Patents

光ビーム偏向器

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JPH07304208A
JPH07304208A JP6095992A JP9599294A JPH07304208A JP H07304208 A JPH07304208 A JP H07304208A JP 6095992 A JP6095992 A JP 6095992A JP 9599294 A JP9599294 A JP 9599294A JP H07304208 A JPH07304208 A JP H07304208A
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JP
Japan
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vibrator
light beam
beam deflector
diffraction grating
oscillator
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JP6095992A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Saito
哲哉 斉藤
Hideo Shimizu
秀雄 清水
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】バーコード読取装置などに用いる小形で簡素な
構成で広い走査範囲で得られる安価な光ビーム偏向器を
提供する。 【構成】光ビーム偏向器を所定の相対位置に配置された
点状光源から放射されて入射する特定波長の光波を、反
射回折して一定の位置に光源の像を形成するように反射
回折面を形成した反射型のホログラフィック回折格子1
と、ねじりバネ部2と、ねじりバネ部2によってねじり
変位可能に保持される前記ホログラフィック回折格子を
装着する板状の応動部3からなる振動子11とから構成
し、この振動子11の応動部3に電磁力または静電力によ
る駆動力を与え、応動部をねじり振動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真式複写機,
レーザビームプリンタ画像形成装置またはバーコード読
取装置などの光学機器において光ビームの走査に用いる
光ビーム偏向器に関する。
【0002】
【従来の技術】所定の範囲を光ビームで走査するために
は、従来から図11に示すようなビーム偏向器70が用いら
れている。図11において、100 は光源となる半導体レー
ザ、110 はレンズで、半導体レーザ100 を出射した光は
レンズ110 により収束する光ビーム120 に変換される。
【0003】71は、この光ビーム120 を反射する回転多
面鏡、130 は走査領域で、回転多面鏡71の各反射面72
a、72bその他の面で反射された光ビーム120 は走査領
域130上に走査軌跡140 を描く。73は回転多面鏡71を回
転させるモータである。また、ビームの射出方向を変角
振動させるため、上記図11に例示のような回転多面鏡を
回転させる方式とは異なり、小形の平板状反射鏡を静電
力によって変角振動させる特開昭 57-8520号公報で開示
されている光ビーム偏向器, および小形反射鏡の変角振
動を電磁力によって駆動する特開昭63-82165号公報で開
示されている光ビーム偏向器も公知である。
【0004】図12は、小形の反射鏡を静電力によって変
角振動させる光ビーム偏向器の反射鏡の振動駆動部の構
成例を示す図であり、同図において、81は、例えばシリ
コンプレートからスパンバンド82a,82bと反射鏡83と
を一体に形成した振動子であり、84はガラス製の基板で
ある。反射鏡83は、中心でこの基板84の突起85と接して
いるが、その左右は窪み86により一定のギャップが保た
れている。87a,87bは基板84に設けた電極で、一方の
電極と反射鏡83との間に適宜な手段にて外部から電圧を
印加することにより、反射鏡83が静電引力で吸引されて
傾くことから、反射鏡83に当たった光は図12(b)に矢
印で示すように走査されることになる。つまり、反射鏡
83が左右に各φだけ傾くと、光は2φだけ振れることに
なる。
【0005】上記図12に例示の反射鏡83の振動駆動部
は、少ない部品点数で小形に形成しうるが、反射鏡83の
振れ角(光走査角)を大きくすべく電極間距離を大きく
すると、駆動に大電圧を必要とするので走査角度が、高
々1〜2度程度の小角度でよい装置に用いられる。反射
鏡の偏角を電磁力によって大きく振らせる光ビーム偏向
器の反射鏡振動駆動部の構成例を図13に示す。
【0006】図13の(a)は、この電磁式光ビーム偏向
器の反射鏡振動駆動部90の斜視図であり、振動駆動部
は、反射鏡94と駆動用コイル95とを、支持枠92に一体形
成した光偏向子91を、ヨーク96とコイル97からなる外部
磁界中に配置し、光偏向子91のねじり変位振動の共振周
波数に一致した交流電流をコイル97に通電し、電流に比
例した反射鏡変位を得るようにしたものである。この電
磁式光ビーム偏向器においては、通電する電流を大きく
することで反射鏡94の角度変位を容易に大きくできるの
で、光走査角を大きくし得る利点がある。なお、図13の
(b)は光偏向子91の正面図である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】回転多面鏡を用いる光
ビーム偏向器は、構造が大きく小形の装置への搭載には
適さない。一方小形反射鏡を静電力によって変角振動さ
せる光ビーム偏向器では広い走査範囲を必要とする装置
に適用できず、電磁式光ビーム偏向器では、反射鏡の直
近に配置された駆動用コイルに比較的に大きな電流が流
れて発熱するので、この発熱によって引起される反射鏡
の歪にもとづくビーム像の“ぼけ”あるいは、ミラーを
支持して角度偏移からの復元力と電流導入の役割を担う
リーガメントの張力変動によって振動の共振周波数と、
共振の鋭さQとが変化し動作が不安定になる等の問題点
がある。
【0008】更に、従来技術による光ビーム偏向器で
は、ビーム方向を振らせる反射鏡としてはいずれも平面
鏡を使用しているので、光ビームを走査対象物上で一点
に収束させて高い分解能を得るため、図11において示さ
れているように光源と反射鏡の中間に光束集束用のレン
ズを設け、このレンズの位置を、光ビームが走査領域上
で1点に集束するように手数のかかる調整しなければな
らないという問題がある。また、レンズを用いずに反射
鏡を結像性を有する曲面反射鏡とすると、小型で同一光
学特性の曲面反射鏡を低価格で製作することが困難であ
るという問題に遭遇する。
【0009】本発明は以上のような従来技術によに光ビ
ーム偏向器の問題点を解決し、小形で簡素な構成で広い
走査範囲で得られる安価な光ビーム偏向器を提供するこ
とを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、第1の発明では、光ビーム偏向器を所定の相対位置
に配置された点状光源から放射されて入射する特定波長
の光波を、反射回折して一定の位置に光源の像を形成す
るように反射回折面を形成した反射型のホログラフィッ
ク回折格子と、ねじりバネ部と、ねじりバネ部によって
ねじり変位可能に保持される前記ホログラフィック回折
格子を装着する板状の応動部からなる振動子とから構成
し、この振動子の応動部に電磁力または静電力による駆
動力を与え、応動部をねじり振動させる。
【0011】また、第2の発明では、反射型のホログラ
フィック回折格子を載せる振動子を、第1ねじりバネ部
とからなる第1振動子と、この第1振動子に接続される
応動部と第2ねじりバネ部とからなる第2振動子とを持
つ2自由度以上の振動子とし、この振動子の応動部に電
磁力または静電力による駆動力を与え、応動部をねじり
振動させる。
【0012】
【作用】第1の発明による光ビーム偏向器では、反射型
のホログラフィック回折格子の物点側の焦点位置に、こ
のホログラフィック回折格子の波長に適合する単一波長
の半導体レーザのような点状光源を配置すると、光源か
ら放射された光はホログラフィック回折格子によって回
折反射されて、その像点位置に集光点を形成し、ホログ
ラフィック回折格子を装着した振動子が電磁力または静
電力による駆動力によってねじり振動すると、この振動
に応じて集光点が走引される。
【0013】また、ホログラフィック回折格子を載せる
振動子を2自由度以上の振動子とする第2の発明による
光ビーム偏向器では、ホログラフィック回折格子を載せ
る第1の振動子の共振周波数と異なる共振周波数をもつ
第2の振動子に、第1の振動子の共振周波数の励振駆動
力を与えているので、振動エネルギーは第2の振動子か
ら第1の振動子に移行集中し、第2の振動子の振動振幅
に対し第1の振動子は大きな振幅で振動する。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例の構成を図1に示す。図1
において、振動子11は磁性体で作られ、板状部材3とね
じりバネ部2a、2bとを持ち、板状部材3はねじりバ
ネ部2a、2bを介して基板5に支持されている。反射
型のホログラフィック回折格子1は、別途に製作して板
状部材3に取り付けるか、または板状部材3の表面を直
接加工することで、板状部材3の表面に形成されてい
る。
【0015】基板5上の板状部材3と対向する2か所に
は、電磁石8aと8bが設けられている。この電磁石8
a、8bの各々は、ヨーク6a、6bとこれらに巻かれ
たコイル7a、7bとから成り、ヨーク6aと6bと
は、板状部材3との間に隙間があるように配置されてい
る。コイル7aと7bとに交互に電流を流すことで、電
磁石8aと8bとは交互に磁力を生じ、板状部材3に引
力を及ぼす。これらの引力はバネ部2a、2bを中心と
する偶力となり、この吸引力が交互に作用することで板
状部材3は、ねじりバネ2a、2bを中心にねじり変位
振動する。
【0016】図2によって、図1の実施例で用いられる
反射型のホログラフィック回折格子1の動作を説明す
る。反射型のホログラフィック回折格子1は、表面の凹
凸による光の反射部と非反射部とが周期的に配列された
縞状格子からなり、この縞の周期と向きの分布は、ホロ
グラフィック回折格子1に対向する所定の位置101 に輝
点が配置された半導体レーザ100 のような点光源から放
射される単一波長の光が、これとは別の位置102 に回折
反射されて集光するように形成されている。図3に、上
記のように点光源から放射される単一波長の光を反射し
て特定の位置に集光させる反射型のホログラフィック回
折格子の製作方法の一例を示し、この図によって製作方
法と共に動作原理を説明する。
【0017】図3において、レーザ201 を出射した光ビ
ーム202 は、シャッタ203 を通り、半透鏡204 で光ビー
ム202aと202bとに分岐された後、その各々が平面反射鏡
205と206 で反射され、それぞれレンズ207 と208 とに
入射する。これらのレンズは、顕微鏡用対物レンズのよ
うに低収差で平行光を収束光に変換する凸レンズであ
り、レンズ207 に入射した光ビーム202aの収束位置には
ピンホール209 が、レンズ208 に入射した光ビーム202b
の収束位置にはピンホール210 がそれぞれ設けてある。
【0018】ピンホール209 と210 から射出される光波
209Lと210Lとは、同一の光源210 から同時に発射された
光波が半透鏡204 で2分割された互いに可干渉性の光波
であるから、両光束が交叉する位置に平坦な基板312 を
配置すると、基板上には2方向からの光波209Lと210Lと
が干渉して光源光の波長と2つの光束の光路差によって
定まる間隔で明暗が繰返す干渉縞が現われる。そこで、
基板212 上に予めフォトレジスト211 を塗布し、このフ
ォトレジストの露光に必要な時間の間シャッタ203 を開
とした後現像すると、上記の干渉縞が転写された反射型
のホログラフィック回折格子が得られる。
【0019】なお、基板212 上に現われる干渉縞の形状
は、二つのピンホール209 、210 と基板212 間の幾何学
的配置および光源のレーザ201 の波長とを用いて波動光
学原理にもとづく計算によって求めることができるの
で、刻線位置の数値制御機能を有する電子ビームあるい
はレーザ光を用いる表面微細加工機によって反射型のホ
ログラフィック回折格子製作することも可能である。
【0020】以上のように得られた反射型のホログラフ
ィック回折格子1に対し、この回折格子を製作するとき
に配置した一方のピンホール、たとえばピンホール209
の位置に、製作時に用いた光源と同一またはごく近い波
長の光を放射する半導体レーザなどの点状の光源を配置
して格子面を照射すると、ホログラフィック回折格子の
隣合う反射輸帯から反射される光波の位相差の関係は、
この回折格子を製作するときに、もう一方のピンホール
310 から放射された光波の回折格子反射面における位相
差の関係と同等になる。その結果、上記のホログラフィ
ック回折格子の各反射輸帯から反射された光は、ピンホ
ール210 の位置で互いに強め合うように干渉し、この位
置に輝点を作ることとなる。すなわち、点状光源より発
した単一波長光は、反射型のホログラフィック回折格子
によって集光レンズを用いることなく一点に集束される
こととなる。
【0021】上記のようにして得られた反射型のホログ
ラフィック回折格子1を、図1の応動部3に接着等によ
って装着してコイル7aと7bに交互に電流を流すと、
応動部はねじり振動して図2の説明図に示されているよ
うに、位置101 に置かれた半導体レーザ100 からの出射
光121 は、ホログラフィック回折格子1に入射して回折
され、偏向して光ビーム122 となり出射される。応動部
3のねじり変移位置によって定まるホログラフィック回
折格子1と半導体レーザ100 との位置関係が上述の配置
に一致するとき、光ビーム122 は上記の干渉条件がなり
たつ位置102 に収束する。そして応動部3がねじり振動
すると光ビーム122 の偏向方向も振動し、その結果、走
査領域130 上には位置102 を含む走査軌跡140 を生じ
る。
【0022】上述の実施例においては、走査軌跡140 上
で光ビーム122 が形成するスポット径は、上記の干渉条
件がなりたつ位置102 から離れた位置では位置102 での
スポット径に比べて大きくなる。これに対し、ホログラ
フィック回折格子1について、所定の位置にある点光源
からの光が回折された後の集光位置で1点には収束しな
いように回折格子の縞の分布を多少ずらして形成するこ
とができる。ホログラフィック回折格子の回折縞をこの
ように製作すると、図1の実施例と比べて走査軌跡の中
央部でのスポット径は大きくなるものの、走査軌跡の両
端部でのスポット径を中央部と同程度にすることがで
き、ビーム偏向器の用途によってスポット径の変化を抑
える必要がある場合に有効な手段となりうる。
【0023】次に図4に、応動部の駆動力を静電力とし
た場合の実施例の全体構成を示す。ここで、図1と同等
の機能の部分には同じ符号を付してある。図4におい
て、基板5上の板状部材からなる応動部3と対向する2
か所には、固定電極21a、21bが基板5から絶縁されて
設けられている。振動子11を接地状態にしておき、固定
電極21aと21bとに交互に電圧を印加すると、応動部3
との電位差により応動部3の左右両端に交互に引力が生
じ、この結果図1の実施例と同様、応動部3と共に反射
型のホログラフィック回折格子はねじり振動する。
【0024】次に、振動子を2自由度を有する構造と
し、小さい駆動電力によってより広い走査範囲を得る本
発明の他の実施例を図5ないし図7に示し、以下にこの
発明を説明する。図5は、この発明の実施例を示す斜視
図であり、図6は、図5の実施例における振動子の構成
を示す平面図である。
【0025】これらの図において、31は磁性体で作られ
た2自由度振動子で、板状部材312と1対の第1ねじり
バネ313 とからなる第1のねじり振動子311 、外枠部31
5 と第2ねじりバネ316 とからなる第2のねじり振動子
314 、および固定部34などから構成される。なお、反射
型のホログラフィック回折格子1は、別途に製作して板
状部材312 に取り付けるか、または板状部材312 の表面
を直接加工することで、板状部材312 の表面に形成され
ている。
【0026】板状部材312 および外枠部315 は、それぞ
れ第1,第2ねじりバネ313 , 316を中心にねじり変位
運動できるよう構成されていて、固定部34は基板35にし
っかりと固定されている。外枠部315 の近傍には小さい
距離を隔ててヨーク36a,36bおよびコイル37a,37b から
なる電磁駆動手段が、第1,第2ねじりバネ313,316を
中心に左右に1つずつ配置されている。なお、外枠部31
5 は駆動手段に応動する部分ともなるので、以下応動部
とも言う。
【0027】このような構成において、コイル37に電流
を流せば磁束が発生し、ヨーク36の近傍の磁性体である
外枠部315 を吸引する力が生じるので、コイル37a と37
b とに交互に通電することにより、振動子311 と314 と
は、それぞれ第1,第2ねじりバネ313 ,316 を中心
に、それぞれ独立の自由度の変位角でねじり振動するこ
とになる。
【0028】このような2自由度振動子の原理モデルを
図7に示す。いま、第2ねじり振動子314 に調和起振力
Fejwt を加えたときの第2ねじり振動子314 の振幅を
x、第1ねじり振動子311 の変位をyとすると、これら
は次式のように表現される。なお、wは振動角周波数、
Cは弾性係数、I1 ,I2 はそれぞれ第1,第2ねじり
振動子の慣性モーメント、k,Kはそれぞれ第1,第2
振動子のねじりばね定数を示す。
【0029】
【数1】 |x|=F・{(k−I1 2 2 +(Cw)2 1/2 /|Δ(w)| …(1)
【0030】
【数2】 y =F・{k2 +(Cw)2 1/2 /|Δ(w)| …(2)
【0031】
【数3】 |Δ(w)|=[{(K−I2 2 )(k−I1 2 )−k−I1 2 2 +(Cw)2 {(K−I1 +I2 )w2 2 1/2 …(3) 第1ねじり振動子に作用する減衰は小さく、省略できる
ものとすると、C=0として、第2ねじり振動子の振幅
xは、
【0032】
【数4】 |x|=F|k−I1 2 |/|(K−I2 2 )(k−I1 2 )−I1 k w2 | …(4) となり、第1ねじり振動子の共振周波数f=2πw=2
π(k/I1 1/2 で駆動すると、 |x|=0 となる。一方、第1ねじり振動子の振幅yは、
【0033】
【数5】 |y|=F|k|/|(K−I2 2 )(k−I1 2 )−I1 kw2 | =F/|k| となり、駆動力Fに比例した振幅を得ることができる。
また、この実施例では第2ねじり振動子314 の共振周波
数よりも、第1ねじり振動子311 の共振周波数の方を非
常に高く設定しておくことにより、第1ねじり振動子31
1 の共振周波数から若干ずれた周波数で駆動されても、
第2ねじり振動子314 の振幅は小さく押さえることが可
能となり、その結果、第2ねじり振動子314 とヨーク36
とのギャップ距離が小さくても板状部材312 の振幅を大
きくすることができる。つまり、ギャップ距離が小さい
ので、駆動電流に対する駆動力を大きくすることがで
き、小さな駆動エネルギーで大きな板状部材の振幅を確
保することが可能となる。
【0034】図8はこの発明の他の実施例を示す斜視図
である。この実施例では、外枠部(応動部)315 に対向
して固定電極42a,42b を配置し、例えば外枠部315 は固
定部44を経て接地状態にする一方、固定電極42a と42b
にスイッチSWを介して交互に電圧を加え、これにより
両者間に生じる静電気力をねじり振動の駆動力に利用す
るものである。このとき、この2自由度振動子は図5,
図6の実施例と同様に、第1ねじり振動子の共振周波数
近傍でねじり振動させられることになる。
【0035】静電気力Fは、ギャップ間距離をd、電極
面積をS、印加電圧をV、εを比誘電率、ε0 を真空の
誘電率として、 F=ε・ε0 ・S・V/d2 と表現できるので、同じ力を得るのにギャップを小さく
設定できれば、非常に小さな電圧で済むことを示してい
る。すなわち、このようなねじり振動子を利用すること
により、低電圧で大きな板状部材312 の振動振幅を得る
ことができる。
【0036】また、このような静電駆動方式は電磁駆動
型に比べて部品数が少なく、固定電極を配置するだけで
良いので、小型化が容易となる利点が得られる。以上に
説明の実施例では、振動子を2自由度としたが、ねじり
バネと、ねじりバネによって保持される振動板の数を増
やして自由度を3以上として駆動エネルギーの低減を図
ることも可能である。
【0037】ところで、これまでのものは駆動力が一方
向の力であるため、大きな力を印加すると支持部にたわ
み振動が発生し、走査光に走査方向以外のブレ(ウォブ
ル)が生じるという問題が残されている。また、設定し
たギャップ距離の2乗に反比例する力のため、過大な力
を発生させると可動部が固定部に吸引固定してしまい動
作不能になるという問題もある。図9に、このような問
題に対処するための実施例を示す。
【0038】これは、2自由度振動子1の外枠部(応動
部)に対向して、適当な距離を隔てて表裏に2組の固定
電極51a,51bおよび52a,52bを配置し、左右の電極
は交互に表裏の電極では逆位相となるように電圧を加
え、これにより発生する静電気力を利用するものであ
る。このときの発生力は、2自由度振動子1の第2ねじ
りばねを中心とする偶力となるので、同じ振幅を得るの
に低い電圧で済み、回転以外の力がばね部に作用しない
ので安定した光走査が可能となる。
【0039】図10に別の実施例を示す。同図(a)はそ
の斜視図、(b)は断面図をそれぞれ示す。これは、例
えばフォトリソグラフィによる微細加工技術で製作した
シリコン製の第1ねじり振動子を、金属製の第2ねじり
振動子に接合して、2自由度振動子64としたもので、62
は板状部材、63a,63bは第1ねじりバネ、65は外枠部
(応動部)、66a,66bは第2ねじりバネを示す。
【0040】そして、外枠部(応動部)65の左右には、
それぞれ永久磁石67a,67bを接合し、2つのコイル68
a,68bを基板61に固定して磁石67a,67bの近傍に配
置してコイル68a,68bに互いに逆向きの電流を流し、
その結果発生する電磁力をねじり振動の駆動力に利用す
るものである。このとき発生する電磁力は、左右の磁気
回路について、同一磁束方向に対し電流の向きを逆に設
定していることから偶力となり、図9の場合と同様の効
果が得られるようになっている。また、接合する永久磁
石の磁界の向きを逆にして、コイルに流す電流の向きを
同じにしても作用効果は同じである。
【0041】
【発明の効果】この発明においては、光源像を結像する
反射型のホログラフィック回折格子を用いているので走
査面に光を集束させるためにレンズを設ける必要がなく
なるという効果がまず得られ、このことによって光ビー
ム偏向を搭載する装置における光学的調整がより容易に
なるという効果も得られる。そしてこの反射型のホログ
ラフィック回折格子を2光束干渉法によって製作すれば
容易安価に高精度のホログラフィック回折格子を得るこ
とができ、2光束干渉法によって製作したホログラフィ
ック回折格子をマスタとしてレプリカ法によって複製す
れば特性のそろったホログラフィック回折格子を大量安
価に得ることができる。
【0042】また、本発明による光ビーム偏向器ではホ
ログラフィック振動子を載せたねじり振動子を電磁また
は静電力によってねじり振動させているので構造が簡単
で小形の装置が得られるという効果が得られる。そし
て、ねじり振動子を2自由度以上の振動子とする第2の
発明による光ビーム偏向器では、ホログラフィック回折
格子を載せる第1の振動子の共振周波数と異なる共振周
波数をもつ第2の振動子に、第1の振動子の共振周波数
の励振駆動力を与えているので、振動エネルギーは第2
の振動子から第1の振動子に移行集中し第2の振動子の
振動振幅に対し第1の振動子は大きな振幅で振動する。
その結果、第2ねじり振動子の振幅を第1ねじり振動子
のそれに比べて著しく小さくすることができ、第2ねじ
り振動子と、これに駆動力を与える電磁石あるいは電極
間のギャップ距離も小さく設定可能となり、駆動電流ま
たは電圧に対する駆動力を大きくすることができ、小さ
な駆動エネルギーで大きな振幅を確保することが可能と
なる。
【0043】さらに、偶力を利用するものにあっては、
支持部に回転以外の力が加わらないのでばね部のたわみ
変形が無くなり、光走査のブレが小さく安定した動作が
可能となる利点が得られる。また、電磁式では振動子に
磁性材料を使用すれば、振動子上にコイルやリードを形
成する必要がないため、通電によりコイルから発生する
熱でミラーを歪ませることもなく、安定した光ビーム走
査などの動作が可能となる。そして、静電式では、振動
子に対向して固定電極を配置するだけで良いので、部品
数を少なくでき、小型化が可能となる。また、この方式
では、振動子は導電性であれば良いので、その材質を幅
広く選択することができる。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明の実施例を示す斜視図である。
【0046】
【図2】図1の実施例の光ビーム偏向器を用いた光ビー
ム走査装置の動作を説明する図である。
【0047】
【図3】反射型のホログラフィック回折格子の製作方法
と作用を説明する図である。
【0048】
【図4】この発明の他の実施例を示す斜視図である。
【0049】
【図5】振動子を2自由度構造とした実施例の斜視図で
ある。
【0050】
【図6】図5に示す振動子を示す平面図である。
【0051】
【図7】2自由度振動子の原理説明図である。
【0052】
【図8】2自由度の振動子を静電力によって駆動する実
施例を示す斜視図である。
【0053】
【図9】静電気力の偶力を利用するこの発明の実施例を
示す構成図である。
【0054】
【図10】電磁気力の偶力を利用するこの発明の実施例を
示す構成図である。
【0055】
【図11】第1の従来例を示す構成図である。
【0056】
【図12】第2の従来例を示す構成図である。
【0057】
【図13】第3の従来例を示す構成図である。
【0058】
【符号の説明】
1 ホログラフィック回折格子 2a,2b ねじりバネ 3 応動部 4a,4b 固定部 5 基板 6a,6b,36a,36b ヨーク 7a,7b 37a,37b コイル 8a,8b 電磁石 10,20,30,40,50,60,80 振動形光ビーム偏向器 11 振動子 21a,21b,42a,42b,52a,52b 固定電極 31 2自由度振動子 311 第1ねじり振動子 312 板状部材 313a,313 b 第1ねじりバネ 314 第2ねじり振動子 315 外枠部(応動部) 316a,316 b 第2ねじりバネ 71 回転多面鏡 72a,72b 反射面 73 モータ 100 半導体レーザ 110 レンズ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の相対位置に配置された点状光源から
    放射されて入射する特定波長の光波を、反射回折して一
    定の位置に光源の像を形成するように反射回折面を形成
    した反射型のホログラフィック回折格子と、ねじりバネ
    部と、ねじりバネ部によってねじり変位可能に保持され
    る前記ホログラフィック回折格子を装着する板状の応動
    部からなる振動子とからなり、この振動子の応動部に駆
    動力を与え、応動部をねじり振動させることを特徴とす
    る光ビーム偏向器。
  2. 【請求項2】前記駆動力を電磁力とすることを特徴とす
    る請求項1に記載の光ビーム偏向器。
  3. 【請求項3】前記駆動力を静電力とすることを特徴とす
    る請求項1に記載の光ビーム偏向器。
  4. 【請求項4】反射型のホログラフィック回折格子と第1
    ねじりバネ部とからなる第1振動子と、この第1振動子
    に接続される応動部と第2ねじりバネ部とからなる第2
    振動子とを持つ2自由度以上の振動子の前記応動部に駆
    動力を与え、第1振動子の共振周波数で動作させること
    を特徴とする光ビーム偏向器。
  5. 【請求項5】反射型のホログラフィック回折格子と第1
    ねじりバネ部とからなる第1振動子と、この第1振動子
    に接続される応動部と第2ねじりバネ部とからなる第2
    振動子とを持つ2自由度以上の振動子の前記応動部に、
    前記第2ねじりバネ部を中心とする偶力を与え、第1振
    動子の共振周波数近傍で動作させることを特徴とする光
    ビーム偏向器。
  6. 【請求項6】前記駆動力を電磁力とすることを特徴とす
    る請求項4または5に記載の光ビーム偏向器。
  7. 【請求項7】前記駆動力を静電力とすることを特徴とす
    る請求項4または5に記載の光ビーム偏向器。
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