JPH0875288A - 熱駆動型ヒートポンプ装置 - Google Patents

熱駆動型ヒートポンプ装置

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JPH0875288A
JPH0875288A JP21474094A JP21474094A JPH0875288A JP H0875288 A JPH0875288 A JP H0875288A JP 21474094 A JP21474094 A JP 21474094A JP 21474094 A JP21474094 A JP 21474094A JP H0875288 A JPH0875288 A JP H0875288A
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JP
Japan
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heat exchanger
heat
gas
flow path
low temperature
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Application number
JP21474094A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Yajima
義孝 矢島
Seiji Yoshida
整司 吉田
Kouichi Hazumi
公一 筈見
Masahiro Toba
正裕 鳥羽
Eiji Nozawa
栄治 野沢
Takuya Suganami
拓也 菅波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Publication of JPH0875288A publication Critical patent/JPH0875288A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02GHOT GAS OR COMBUSTION-PRODUCT POSITIVE-DISPLACEMENT ENGINE PLANTS; USE OF WASTE HEAT OF COMBUSTION ENGINES; NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F02G2257/00Regenerators

Landscapes

  • Pressure-Spray And Ultrasonic-Wave- Spray Burners (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱駆動型ヒートポンプ装置における流路系の
損傷や破損を回避し流路系の構成要素を安価にできるよ
うにする。 【構成】 熱駆動型ヒートポンプ装置における冷暖房出
力を取り出すための熱輸送媒体の流路系33,34の各
ポンプ38,40の吸込側に対して分岐管41,42を
介して膨張タンク43,44を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はヴィルミエサイクルを
用いた熱駆動型ヒートポンプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記この種の装置は熱駆動型ヒートポン
プ装置又はヴィルミエヒートポンプ装置(VMHP)と
称され、従来においても例えば特開昭61ー44254
号公報や特開平4ー240359号公報に示されている
ようなものがある。いずれも基本的には図8により示す
ように、第1と第2のガス作動装置200,201を備
えている。第1のガス作動装置200は、往復動される
ディスプレーサー202により作動ガスで満たされた内
部が高温室203と中温室204とに区画された高温シ
リンダ205と、この高温シリンダ205の高温室20
3と中温室204とを、高温室203側から中温室20
4側に順に連設した高温側熱交換器206と蓄熱器20
7と中温側熱交換器208とによる作動ガス流路により
連通されている。高温側熱交換器206には加熱手段2
09が併設されている。
【0003】また、第2のガス作動装置201は、往復
動されるディスプレーサー210により作動ガスで満た
された内部が低温室211と中温室212とに区画され
た低温シリンダ213と、この低温シリンダ213の低
温室211と中温室212とを、低温室211側から中
温室212側に順に連設した低温側熱交換器214と蓄
冷器215と中温側熱交換器216とによる作動ガス流
路により連通させている。
【0004】第1と第2のガス作動装置200,201
の中温室204,212は、各ガス流路の末端に設けら
れた連通部により相互に連通している。高温シリンダ2
05と低温シリンダ213とは概ね直角を成して基部に
おいて結合され、その結合部分にはクランク機構部21
7が組み込まれ、これにより高温側と低温側の各ディス
プレーサー202,210がある位相差をもって往復動
するように構成されている。
【0005】上記した従来の熱駆動型ヒートポンプ装置
は、いずれも外燃機関に属するスターリングエンジンと
同様にブルマイアサイクルを利用した基本構造を持ち、
高温側熱交換器206で強制的に作動ガスを加熱する外
部加熱方式により、低温側熱交換器214から低温の熱
輸送媒体を、中温側熱交換器208,216から中温の
熱輸送媒体をそれぞれ取り出して、低温の熱輸送媒体を
冷房に、中温の熱輸送媒体を暖房に利用するようにした
ものである。
【0006】こうした熱駆動型ヒートポンプ装置は一般
に冷暖房能力の調整がし難いものであるが、この点を克
服する工夫が特開平4ー240359号公報に示されて
いるものではなされている。即ち、図8に示すようにヒ
ートポンプ装置本体の高温シリンダ205側の中温側熱
交換器208と低温シリンダ213側の低温側熱交換器
214とを、室内側熱交換器218と室外側熱交換器2
19とに交互に切換え接続するように、複数の切換弁2
20,221が設けられた熱輸送媒体の流路系が構成さ
れている。室外側熱交換器219にはその送風機222
を制御する送風制御装置223が設けられている。
【0007】上記構成によれば、冷房運転時には切換弁
220,221で低温側熱交換器214と室内側熱交換
器218とを結ぶ閉サイクルと、中温側熱交換器208
と室外側熱交換器219とを結ぶ閉サイクルとが形成さ
れ、室内側熱交換器218で低温の熱輸送媒体の熱を室
内へ放出して冷房するとともに、室外側熱交換器219
で中温の熱輸送媒体の熱を室外へ排出させることができ
る。また暖房運転時には、切換弁220,221を切り
換えて、室内側熱交換器218で中温の熱輸送媒体の熱
を室内へ放出して暖房するとともに、室外側熱交換器2
19で低温の熱輸送媒体の熱を室外へ排出させることが
できる。冷暖房能力の制御は、送風制御装置223によ
り室外側熱交換器219の送風機222のモータへの供
給電圧のレベルや周波数を調整することにより行なわれ
る。即ち、送風機222による送風量を調節することに
より、熱輸送媒体を加熱又は冷却する風量が変化し、冷
暖房能力がこれにより調節できることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の熱駆動
型ヒートポンプ装置では、冷暖房出力を得るために流路
系を循環させる熱輸送媒体に水などの液体が用いられて
いるが、流路系が大気に対して閉ざされた密閉系となっ
ているので、温度変化により流路系の熱輸送媒体が体積
膨張又は体積収縮すると、その体積変化分が力となって
ポンプや切換弁220,221並びに室内側熱交換器2
18や室外側熱交換器219などの当該流路系の構成要
素に加わり、これらの損傷や破損を招くことがあるとい
った問題点がある。
【0009】また、第1と第2のガス作動装置200,
201の中温側熱交換器208,216や低温側熱交換
器214において流路系側への作動ガスの漏れが起きた
場合には、流路系の内圧が漏れた作動ガスにより高ま
り、やはり当該流路系の構成要素に圧力がかかり、これ
らの損傷や破損を招くこともあるといった問題点があ
る。
【0010】さらに、実際の適用では冷暖房機能を果た
す室内側熱交換器218の種類や台数さらには室内側熱
交換器218までの延長配管形態がさまざまで、こうし
た流路系の流路抵抗の変化に対応できるようにポンプの
能力を大きく設定しているが、ポンプの消費電力がかな
り大きくなるといった問題点もある。また、室内側熱交
換器218が流路系の一部として常時機能する流路構成
であるため、暖房時の立ち上がりが悪く不快な冷風感が
伴う。即ち、始動から各部の温度が安定し、熱輸送媒体
の温度が上がるまでには時間がかかり、この間は室内側
熱交換器218からは冷風が吹き出されることになる。
【0011】本発明は上記した従来の問題点を解決する
ためになされたもので、その課題とするところは、流路
系の損傷や破損を回避し流路の構成要素を安価にできる
ようにすること、ポンプの消費電力を抑制しながら流路
系における熱輸送媒体の流量を確保し性能の低下を抑え
ること、暖房時の冷風感を解消すること、冷暖房性能及
び冷暖房能力を調整できるようにすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に請求項1の発明は、シリンダとこの中を往復動するデ
ィスプレーサー及び熱交換器をそれぞれ備えた第1と第
2のガス作動装置を有するヒートポンプ装置本体と、こ
のヒートポンプ装置本体から冷暖房出力を取り出すため
の熱輸送媒体の流路系とを備えた熱駆動型ヒートポンプ
装置における上記流路系を、第1のガス作動装置の熱交
換器、室内に設置される室内側熱交換器、第2のガス作
動装置の熱交換器を巡り、第1のガス作動装置の熱交換
器に戻るポンプを含む第1の流路系と、第2のガス作動
装置の低温側熱交換器、室外に設置される室外側熱交換
器を巡り、第2のガス作動装置の低温側熱交換器に戻る
ポンプを含む第2の流路系と、第1のガス作動装置の熱
交換器、室外側熱交換器を巡り、第2のガス作動装置の
熱交換器を経て第1のガス作動装置の熱交換器に戻る、
第1の流路系に対して切換弁により切り換えられる第3
の流路系と、第2のガス作動装置の低温側熱交換器、室
内側熱交換器を巡り、第2のガス作動装置の低温側熱交
換器に戻る、第2の流路系に対して切換弁により切り換
えられる第4の流路系とから構成し、その第1の流路系
と第2の流路系の各ポンプの吸込側に対して分岐管を介
して膨張タンクを接続する手段を採用する。
【0013】前記課題を達成するために請求項2の発明
は、シリンダとこの中を往復動するディスプレーサー及
び熱交換器をそれぞれ備えた第1と第2のガス作動装置
を有するヒートポンプ装置本体と、このヒートポンプ装
置本体から冷暖房出力を取り出すための熱輸送媒体の流
路系とを備えた熱駆動型ヒートポンプ装置における上記
流路系を、第1のガス作動装置の熱交換器、室内に設置
される室内側熱交換器、第2のガス作動装置の熱交換器
を巡り、第1のガス作動装置の熱交換器に戻るポンプを
含む第1の流路系と、第2のガス作動装置の低温側熱交
換器、室外に設置される室外側熱交換器を巡り、第2の
ガス作動装置の低温側熱交換器に戻るポンプを含む第2
の流路系と、第1のガス作動装置の熱交換器、室外側熱
交換器を巡り、第2のガス作動装置の熱交換器を経て第
1のガス作動装置の熱交換器に戻る、第1の流路系に対
して切換弁により切り換えられる第3の流路系と、第2
のガス作動装置の低温側熱交換器、室内側熱交換器を巡
り、第2のガス作動装置の低温側熱交換器に戻る、第2
の流路系に対して切換弁により切り換えられる第4の流
路系とから構成し、その第1の流路系と第2の流路系の
各ポンプの吸込側に対して大気開放式のタンクを設ける
手段を採用する。
【0014】前記課題を達成するために請求項3の発明
は、シリンダとこの中を往復動するディスプレーサー及
び熱交換器をそれぞれ備えた第1と第2のガス作動装置
を有するヒートポンプ装置本体と、このヒートポンプ装
置本体から冷暖房出力を取り出すための熱輸送媒体の流
路系とを備えた熱駆動型ヒートポンプ装置における上記
流路系を、第1のガス作動装置の熱交換器、第1の切換
弁、大気開放式の熱媒体タンク、第2の切換弁、第2の
ガス作動装置の熱交換器を巡り、第1のガス作動装置の
熱交換器に戻るポンプを含む第1の流路系と、第2のガ
ス作動装置の低温側熱交換器、第1の切換弁、室外に設
置される室外側熱交換器を巡り、第2の切換弁を経て第
2のガス作動装置の低温側熱交換器に戻るポンプを含む
第2の流路系と、第1のガス作動装置の熱交換器、第1
の切換弁から室外側熱交換器を巡り、第2の切換弁を経
て第2のガス作動装置の熱交換器から第1のガス作動装
置の熱交換器に戻る、第1の流路系に対して切り換えら
れる第3の流路系と、第2のガス作動装置の低温側熱交
換器、第1の切換弁から熱媒体タンク、第2の切換弁を
経て第2のガス作動装置の低温側熱交換器に戻る、第2
の流路系に対して切り換えられる第4の流路系と、熱媒
体タンクからポンプを経て室内に設置される室内側熱交
換器を経て熱媒体タンクに戻る第5の流路系とから構成
する手段を採用する。
【0015】前記課題を達成するために請求項4の発明
は、請求項3にかかる手段における第1の流路系のポン
プの吸込側と、第2の流路系のポンプの吸込側とのいず
れかに切換弁により連通する膨張タンクを設ける手段を
採用する。
【0016】前記課題を達成するために請求項5の発明
は、請求項3にかかる手段における熱媒体タンクの熱輸
送媒体の温度を検出して第5の流路系のポンプ及び室内
側熱交換器の送風機を制御する制御系を備える手段を採
用する。
【0017】前記課題を達成するために請求項6の発明
は、請求項1にかかる手段における第1の流路系と第2
の流路系に内圧が所定値を越えると圧力を外部へ逃がす
圧力逃がし手段を備える手段を採用する。
【0018】
【作用】請求項1にかかる前記手段においては、冷暖房
出力を取り出すための流路系の熱輸送媒体の体積が温度
変化により変化すると、当該流路系に分岐管で連絡した
膨張タンクにより体積の変化分が吸収されることにな
る。
【0019】請求項2にかかる前記手段においては、冷
暖房出力を取り出すための流路系の熱輸送媒体の体積が
温度変化により変化すると、当該流路系に設けられた大
気開放式のタンクにより体積の変化分がタンクの液面の
変化に置換されることになる。
【0020】請求項3にかかる前記手段においては、熱
媒体タンクに暖房時には温度の高い熱輸送媒体が貯溜さ
れ、冷房時には温度の低い熱輸送媒体が貯溜されること
になるとともに、流路系の熱輸送媒体の体積が温度変化
により変化すると、熱媒体タンクにより体積の変化分が
タンク内の液面の変化に置換されることになる。そし
て、必要に応じて第5の流路系に熱媒体タンクの熱輸送
媒体を循環させることにより、冷暖房が室内側熱交換器
により行なわれることになる。
【0021】請求項4にかかる前記手段においては、請
求項3にかかる作用とともに熱媒体タンクを経ない流路
系の熱輸送媒体の体積変化がおおきい方と、膨張タンク
とを切換弁により連絡させることにより、当該流路系の
熱輸送媒体の体積の変化分が吸収されることになる。
【0022】請求項5にかかる前記手段においては、請
求項3にかかる作用とともに熱媒体タンクの熱輸送媒体
の温度を検出して第5の流路系のポンプ及び室内側熱交
換器の送風機を制御することにより、冷暖房性能及び冷
暖房能力が調整できるようになる。
【0023】請求項6にかかる前記手段においては、請
求項1にかかる作用とともに熱輸送媒体を循環させる流
路系内に作動ガスなどが漏れ込んで内圧が上昇し所定値
を越えると、圧力逃がし手段が働き流路系内が降圧され
ることになる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。 実施例1.図1はこの発明の一実施例としての熱駆動型
ヒートポンプ装置のヒートポンプ本体の構成を示した断
面図である。始めにこの図1に基づいてその構成につい
て説明する。図1に示すこの熱駆動型ヒートポンプ装置
のヒートポンプ本体は、第1と第2のガス作動装置1,
2と、これらを動作させるクランク機構部3,4及びス
タータモータ5とを主体として構成され、フレーム6に
コイルスプリングを備えた懸架装置7により弾性的に懸
架されたベース8上に取付けられている。第1のガス作
動装置1と第2のガス作動装置2とは、ベース8上に近
接状態に並立された各クランク機構部3,4の上部にそ
れぞれ設けられ、各クランク機構部3,4間の中央部に
各クランク機構部3,4の初期動作のための単一のスタ
ータモータ5が配置されている。
【0025】第1のガス作動装置1は高温側シリンダ9
と、この高温側シリンダ9内を往復動する高温側ディス
プレーサー10を備えている。高温側シリンダ9にはヘ
リウムガス等の作動ガスが充填され、高温側ディスプレ
ーサー10はこの高温側シリンダ9内をシリンダヘッド
側の高温空間11と、クランク機構部3側の高温側中温
空間12とに区画している。高温側シリンダ9の下端は
クランク機構部3の外殻を構成しているクランクケース
13の上端に連結され、クランクケース13内のクラン
ク室上部に嵌装されたロッドシール部14により高温側
シリンダ9の高温側中温空間12とクランク室との気密
が保持される。
【0026】高温側シリンダ9の高温空間11と高温側
中温空間12とは、高温空間11側から高温側中温空間
12側に順に連設したヒータ管15と蓄熱再生器16と
高温側中温部熱交換器17とによるガス流路により連通
されている。ヒータ管15は、高温側シリンダ9のシリ
ンダヘッドに複数本角状に並列配管され、高温側シリン
ダ9の上部側にキャップ状に被冠装着された燃焼装置1
8の燃焼室19にそれぞれ配設されている。これらのヒ
ータ管15の一端は高温空間11にそれぞれ臨み、他端
は蓄熱再生器16に連絡している。
【0027】蓄熱再生器16と高温側中温部熱交換器1
7とは高温側シリンダ9の内壁面に形成された凹部に蓄
熱再生器16を上側に、高温側中温部熱交換器17を下
側にしてそれぞれ高温側シリンダ9に同軸状に組付けら
れ、それらの内周側は、高温側シリンダ9における高温
側ディスプレーサー10との摺動面を形成するライナに
より被覆されている。
【0028】第2のガス作動装置2も低温側シリンダ2
0と、この低温側シリンダ20内を往復動する低温側デ
ィスプレーサー21を備えている。低温側シリンダ20
にもヘリウムガス等の作動ガスが充填され、低温側ディ
スプレーサー21はこの低温側シリンダ20内をシリン
ダヘッド側の低温空間22と、クランク機構部4側の低
温側中温空間23とに区画している。低温側シリンダ2
0の下端はクランク機構部4の外殻を構成するクランク
ケース24の上端に連結され、クランクケース24内の
クランク室上部に嵌装されたロッドシール部25により
低温側シリンダ20の低温側中温空間23とクランク室
との気密が保持される。
【0029】低温側シリンダ20の低温空間22と低温
側中温空間23とは、低温空間22側から低温側中温空
間23側に順に連設した低温側熱交換器26と再生器2
7と低温側中温部熱交換器28とによるガス流路により
連通されている。低温側熱交換器26と再生器27と低
温側中温部熱交換器28とは低温側シリンダ20の内壁
面に形成された凹部に低温側熱交換器26を上側に、再
生器27を中間に、低温側中温部熱交換器28を下側に
して、それぞれ低温側シリンダ20に同軸状に組付けら
れ、それらの内周側は、低温側シリンダ20における低
温側ディスプレーサー21との摺動面を形成するライナ
により被覆されている。
【0030】第1のガス作動装置1の高温側中温空間1
2と、第2のガス作動装置2の低温側中温空間23と
は、それぞれの底部を形成しているロッドシール部1
4,25に形成した連通孔を経て各クランクケース1
3,24に設けられた接続口に通じ、この接続口同士を
繋いだ外部連通管29により相互に連通している。
【0031】第1のガス作動装置1と第2のガス作動装
置2の高温側ディスプレーサー10と低温側ディスプレ
ーサー21とは、それぞれそれらの下部に設けられたク
ランク機構部3,4により所定の位相差(この実施例で
は90°である)をもって高温側シリンダ9内と低温側
シリンダ20内をそれぞれ往復動する。各クランク機構
部3,4は図1に示すようにほぼ相同の構成で、それら
の間に組付けられた両軸型のスタータモータ5の回転軸
の各端にクランクシャフトが連結されている。
【0032】各クランクシャフトにはクランクケース1
3,24内においてクランクシャフトの回転運動を往復
直線運動に変換するコンロッド30の大径端が枢着され
ている。各コンロッド30の小径端は、クランクケース
13,24の上部側に形成された筒部に摺動可能に組込
まれたクロスヘッドにピンにより連結され、クランクシ
ャフトの一回転により、クロスヘッドが筒部内を上下に
一往復動する。各クロスヘッドの上部と高温側ディスプ
レーサー10及び低温側ディスプレーサー21の下端と
はロッドシール部14,25を貫いて設けた連結ロッド
31,32によりそれぞれ連結され、高温側ディスプレ
ーサー10と低温側ディスプレーサー21はそれらに連
結されたクロスヘッドと同期してそれぞれ高温側シリン
ダ9内と低温側シリンダ20内の上死点と下死点の間を
往復直線動する。各ロッドシール部14,25を貫く連
結ロッド31,32は、ロッドシール部14,25の摺
動面を気密状態で上下動する。
【0033】続いて上記した基本構成の熱駆動型ヒート
ポンプ装置の動作について説明する。燃焼装置18の運
転により燃焼装置18が燃焼を開始すると、燃焼室19
にある各ヒータ管15は通常400℃〜800℃に加熱
され、高温側中温部熱交換器17と低温側中温部熱交換
器28とはそれぞれ35℃〜80℃になり、スタータモ
ータ5の駆動により起動する。スタータモータ5の駆動
とともに各クランク機構部3,4により、高温側ディス
プレーサー10は高温側シリンダ9内を、低温側ディス
プレーサー21は低温側シリンダ20内をそれぞれ90
°の位相差をもって往復動を始める。
【0034】作動ガスは、第1のガス作動装置1では高
温側ディスプレーサー10の動きにより高温空間11か
らヒータ管15、蓄熱再生器16、高温側中温部熱交換
器17を経て高温側中温空間12に至る順の移動と、こ
の逆順での移動を交互に繰り返し、第2のガス作動装置
2では低温側ディスプレーサー21の動きにより低温空
間22から低温側熱交換器26、再生器27、低温側中
温部熱交換器28を経て低温側中温空間23に至る順の
移動と、この逆順での移動を交互に繰り返す。この間、
作動ガスの作動空間の体積は一定であり、作動ガスの温
度と圧力とが変化する。作動ガスの圧力の変化は、第1
のガス作動装置1と第2のガス作動装置2とは外部連通
管29で連通しているため瞬時に伝わり、圧力は全作動
空間において一様になる。
【0035】第1のガス作動装置1の高温側ディスプレ
ーサー10が上死点にある時、蓄熱再生器16は高温の
作動ガスの通過により加熱され蓄熱されている。高温空
間11は容積がない状態であり、高温側中温空間12に
移動した作動ガスは低温側シリンダ20の作用を受けて
圧力が上がり発熱し、高温側中温部熱交換器17により
放熱される。この状態は熱的プロセスとしては等温圧縮
である。この時、第2のガス作動装置2の低温側ディス
プレーサー21は、シリンダヘッド側への移動途中にあ
り、作動ガスは低温空間22から低温側中温空間23へ
移動している。再生器27は低温空間22からの低温ガ
スに熱を奪われその蓄熱量が減少していく。再生器27
からの受熱により加熱されて低温側中温空間23へ移動
する作動ガスにより、低温側シリンダ20内の作動ガス
の平均温度が上昇し、圧力が上昇する。この状態は熱的
プロセスとしては等容加熱(体積一定の状態変化)であ
る。
【0036】第1のガス作動装置1の高温側ディスプレ
ーサー10が上死点から下降途中になると、作動ガスは
高温側中温空間12から高温空間11へ移動する。蓄熱
再生器16は高温側中温空間12からの作動ガスに熱を
奪われその蓄熱量が減少していく。蓄熱再生器16から
の受熱により加熱されて高温空間11へ移動する作動ガ
スにより、高温側シリンダ9内の作動ガスの平均温度が
上昇し、圧力が上昇する。この状態は熱的プロセスとし
ては等容加熱である。この時、第2のガス作動装置2の
低温側ディスプレーサー21は上死点になり、再生器2
7は低温の作動ガスの通過により冷却され蓄冷されてい
る。低温空間22は容積がない状態であり、低温側中温
空間23に移動した作動ガスは高温側シリンダ9の作用
を受けて圧力が上がり発熱し、低温側中温部熱交換器2
8により放熱される。この状態は熱的プロセスとしては
等温圧縮である。
【0037】第1のガス作動装置1の高温側ディスプレ
ーサー10が下死点になると、作動ガスは高温側中温空
間12から高温空間11へ移動する。蓄熱再生器16は
高温側中温空間12からの作動ガスに熱を奪われその蓄
熱量はほぼ無くなっている。高温空間11の容積は最大
の状態にあり、蓄熱再生器16からの受熱により加熱さ
れ高温空間11に移動した作動ガスは低温側シリンダ2
0の作用を受けて圧力が下がり膨張して放熱するが、ヒ
ータ管15を通じて燃焼装置18から吸熱するので、熱
的プロセスとしては等温膨張となる。この時、第2のガ
ス作動装置2の低温側ディスプレーサー21は上死点か
ら下降途中になっていて、作動ガスは低温側中温空間2
3から低温空間22へ再生器27により冷却されて移動
していく。再生器27により冷却されて低温空間22へ
移動する作動ガスにより、低温側シリンダ20内の作動
ガスの平均温度が上昇し、圧力が上昇する。この状態は
熱的プロセスとしては等容冷却である。
【0038】第1のガス作動装置1の高温側ディスプレ
ーサー10が下死点からシリンダヘッド側への移動途中
になると、作動ガスは高温空間11から高温側中温空間
12へ移動している。蓄熱再生器16は高温空間11か
らの高温の作動ガスによりその蓄熱量を増加させてい
く。蓄熱再生器16により冷却されて高温側中温空間1
2へ移動する作動ガスにより、高温側シリンダ9内の作
動ガスの平均温度が下降し、圧力が減少する。この状態
は熱的プロセスとしては等容冷却である。この時、第2
のガス作動装置2の低温側ディスプレーサー21は下降
していき下死点になる。低温側ディスプレーサー21が
下死点になると、作動ガスは低温側中温空間23から低
温空間22へ再生器27に冷却されて移動している。低
温空間22の容積は最大の状態にあり、再生器27によ
り冷却され低温空間22に移動した作動ガスは高温側シ
リンダ9の作用を受けて圧力が下がり膨張して放熱する
が、低温側熱交換器26により吸熱されるので熱的プロ
セスとしては等温膨張となる。
【0039】上記したサイクルが繰り返されて、高温側
中温部熱交換器17と低温側中温部熱交換器28とから
暖房出力が、低温側熱交換器26から冷房出力がそれぞ
れ得られる。上記サイクルは、初期運転をスタータモー
タ5により起こせば、その後はスタータモータ5の動力
を必要とすることなく自律的な運転が可能である。
【0040】この実施例の熱駆動型ヒートポンプ装置の
特徴は、冷暖房出力を取り出すための熱輸送媒体の流路
系の構成にある。その回路構成を示した図2により以下
においてその説明をする。暖房用には第1と第2の流路
系33,34があり、そのうちの第1の流路系33は、
高温側中温部熱交換器17、第1の四方切換弁35、室
内に設置される室内側熱交換器36、第2の四方切換弁
37、低温側中温部熱交換器28を経て高温側中温部熱
交換器17に戻る一連の回路として構成され、低温側中
温部熱交換器28の前段に水(不凍液)等の熱輸送媒体
を循環させるポンプ38が設けられている。第2の流路
系34は、低温側熱交換器26、第1の四方切換弁3
5、室外に設置される室外側熱交換器39、第2の四方
切換弁37を経て低温側熱交換器26に戻る一連の回路
として構成され、低温側熱交換器26の後段に水等の熱
輸送媒体を循環させるポンプ40が設けられている。
【0041】ポンプ38,40の吸込側にはそれぞれ分
岐管41,42を介して膨張タンク43,44が接続さ
れている。各膨張タンク43,44は非圧縮性流体であ
る熱輸送媒体の体積の変化を圧縮性流体である気体の体
積変化に置換するもので、第1の流路系33や第2の流
路系34の何処に接続してもよいが、ポンプ38,40
の吸込側に接続するほうが、封入する気体の設定圧力を
低くでき一般的な汎用の膨張タンク43,44をそのま
ま利用でき都合がよい。
【0042】冷房用には、第3と第4の流路系45,4
6があり、そのうちの第3の流路系45は、高温側中温
部熱交換器17、第1の四方切換弁35、室外側熱交換
器39、第2の四方切換弁37、低温側中温部熱交換器
28を経て高温側中温部熱交換器17に戻る一連の回路
として構成されている。第4の流路系46は、低温側熱
交換器26、第1の四方切換弁35、室内側熱交換器3
6、第2の四方切換弁37を経て低温側熱交換器26に
戻る一連の回路として構成されている。第3の流路系4
5は第1の流路系33のポンプ38により、また第4の
流路系46は第2の流路系34のポンプ40によりそれ
ぞれ熱輸送媒体が循環する構成である。
【0043】この実施例のものは、第1の四方切換弁3
5と第2の四方切換弁37とを切り換え、第1の流路系
33と第2の流路系34に図2に実線の矢印で示す熱輸
送媒体の流れを形成することにより、高温側中温部熱交
換器17と低温側中温部熱交換器28からの熱による暖
房が室内側熱交換器36により行なわれる。この時、第
2の流路系34は室外側熱交換器39により外気の熱を
汲み上げるヒートポンプ動作を行なっている。
【0044】冷房は、第3の流路系45と第4の流路系
46に図2に破線の矢印で示す熱輸送媒体の流れを形成
することにより行なわれる。第1から第4の流路系3
3,34,45,46はいずれも大気に対して閉ざされ
た密閉系となっているので、温度変化により系内の熱輸
送媒体が体積膨張又は体積収縮すると、その体積変化分
が力となってポンプ38,40や四方切換弁35,37
並びに室内側熱交換器36や室外側熱交換器39などの
当該流路系の構成要素に加わり、これらの損傷や破損を
招くことになるが、この実施例のものでは流路系33,
34,45,46の熱輸送媒体の体積が温度変化により
変化すると、当該流路系33,34,45,46に分岐
管41,42で連絡した膨張タンク43,44により体
積の変化分が吸収され、流路系33,34,45,46
の構成要素の損傷や破損が未然に防止される。従って、
流路系33,34,45,46の構成要素を安価なもの
にすることもでき、コストの低減も可能になる。
【0045】実施例2.この実施例2は上述した実施例
1の膨張タンクをそれぞれ大気開放式のタンクに置き換
えた構成で、それ以外の構成は実施例1で示したものと
同じである。従って、実施例1のものと同じ部分は実施
例1のものと同じ符号を用い、その説明は省略する。
【0046】この実施例2の熱駆動型ヒートポンプ装置
は、図3に示すように実施例1により示した膨張タンク
43,44を大気開放式のタンク47,48にそれぞれ
置き換えた構成で、流路系33,34,45,46の熱
輸送媒体の体積が温度変化により変化した場合には、当
該流路系33,34,45,46に設けられたタンク4
7,48により体積の変化分が解消され、流路系33,
34,45,46の構成要素の損傷や破損が未然に防止
される。また、タンク47,48は気液分離器としても
機能することになる。これ以外の機能は実施例1のもの
と同じであり、その説明は省略する。
【0047】実施例3.この実施例3は、図4に示すよ
うに上述した実施例1で示した第1の流路系33と第4
の流路系46について、室内側熱交換器36については
第5の流路系49を構成して切り離し、第1の四方切換
弁35と第2の四方切換弁37とを断熱構造の熱媒体タ
ンク50を介して接続した構成である。これ以外の構成
及び機能は実施例1で示したものと同じである。従っ
て、実施例1のものと同じ部分は同じ符号を用い、その
説明は省略する。
【0048】この実施例3の熱駆動型ヒートポンプ装置
では、図4に示すように暖房用の第1の流路系33は、
高温側中温部熱交換器17、第1の四方切換弁35、大
気開放式の熱媒体タンク50、第2の四方切換弁37、
低温側中温部熱交換器28を経て高温側中温部熱交換器
17に戻る一連の回路として構成され、低温側中温部熱
交換器28の前段に水(不凍液)等の熱輸送媒体を循環
させるポンプ38が設けられている。第2の流路系34
は実施例1のものと同じ構成である。冷房用の第3の流
路系45は実施例1のものと同じであるが、第4の流路
系46は低温側熱交換器26、第1の四方切換弁35、
熱媒体タンク50、第2の四方切換弁37を経て低温側
熱交換器26に戻る一連の回路として構成されている。
【0049】第5の流路系49は、熱媒体タンク50内
の熱輸送媒体を室内側熱交換器36にポンプ51によっ
て循環させる構成で、第1の流路系33や第4の流路系
46とは実質上切り離されている。図例では第5の流路
系49は一系統のみであるが、実際の適用では並列的に
複数の第5の流路系49が構成されることが多い。即
ち、第5の流路系49は室内側熱交換器36に付随した
流路として構成され、熱媒体タンク50に接続すること
により複数の室内側熱交換器36や機種の異る室内側熱
交換器36をヒートポンプ装置本体に接続することがで
きる。
【0050】この実施例3のものにおいては、熱媒体タ
ンク50に暖房時には温度の高い熱輸送媒体が貯溜さ
れ、冷房時には温度の低い熱輸送媒体が貯溜されること
になるとともに、第1の流路系33又は第4の流路系4
6の熱輸送媒体の体積が温度変化により変化すると、熱
媒体タンク50により体積の変化分が熱媒体タンク50
の液面の変化に置換されることになる。そして、必要に
応じて第5の流路系49に熱媒体タンク50の熱輸送媒
体を循環させることにより冷暖房が室内側熱交換器36
により行なわれる。
【0051】第5の流路系49を除く他の流路系33,
34,45,46の流路抵抗は変化しないので、ポンプ
38,40の能力を大きく設定しておかなくてもほぼ所
定の流量を確保でき、性能の低下を抑えることができる
とともに、ポンプの消費電力も低減することができる。
また、蓄熱タンクとして働く熱媒体タンク50に貯溜さ
れた熱輸送媒体により冷暖房を行なうものであるため、
暖房時の立ち上がり時に室内側熱交換器36から不快な
冷風が吹き出されるようなこともなくなり、暖房時の立
ち上がりを改善することができる。これ以外の機能は実
施例1のものと同じであり、その説明は省略する。
【0052】実施例4.この実施例4は、図5に示すよ
うに上述した実施例3で示した第1の流路系33のポン
プ38の吸込側と、第2の流路系34のポンプ40の吸
込側とのいずれかに切換弁52により連通する膨張タン
ク53を設けたもので、これ以外の構成及び機能は実施
例3で示したものと同じである。従って、実施例3のも
のと同じ部分は同じ符号を用い、その説明は省略する。
【0053】実施例3のものでは第1の流路系33と第
4の流路系46については熱媒体タンク50が熱輸送媒
体の体積変化を解消するが、第2の流路系34と第3の
流路系45については熱輸送媒体の体積変化を解消する
ことはできない。この実施例4では切換弁52の切り換
えにより膨張タンク53を第2の流路系34又は第3の
流路系45のいずれかに連絡させることができ、熱輸送
媒体の体積変化がおおきい方と、膨張タンク53とを切
換弁52により連絡させることにより、当該流路系3
4,45の熱輸送媒体の体積の変化分を単一の膨張タン
ク53により吸収させ、当該流路系34,45の構成要
素の損傷や破損を未然に防止することができる。これ以
外の機能は実施例1や実施例3のものと同じであり、そ
の説明は省略する。
【0054】実施例5.この実施例5は、図6に示すよ
うに上述した実施例3で示したものに熱媒体タンク50
の熱輸送媒体の温度を検出して第5の流路系49のポン
プ51及び室内側熱交換器36の送風機54を制御する
制御系を備えたもので、これ以外の構成及び機能は実施
例3のものと同じである。従って、実施例3のものと同
じ部分は同じ符号を用い、その説明は省略する。
【0055】制御系は、熱媒体タンク50の熱輸送媒体
の温度を検出する温度センサ55と、この温度センサ5
5の出力を入力し、予め設定された制御プログラムによ
り処理して第5の流路系49のポンプ51及び室内側熱
交換器36の送風機54の制御回路56に制御出力を出
力する制御装置57とにより構成されている。これによ
り、熱輸送媒体の循環量と送風量の制御により室内が設
定温度になるように第5の流路系49を制御することが
でき、また、暖房に際し冷風が出るような熱輸送媒体の
温度の時には、第5の流路系49を停止させておくこと
もできる。即ち、冷暖房性能及び冷暖房能力が調整でき
るようになる。これ以外の機能は実施例3のものと同じ
でありその説明は省略する。
【0056】実施例6.この実施例6は、図7に示すよ
うに上述した実施例1で示したものの第1の流路系33
と第2の流路系34に圧力逃がし手段を設けたものであ
る。これ以外の構成及び機能は実施例1のものと同じで
ある。従って、実施例1のものと同じ部分は同じ符号を
用い、その説明は省略する。
【0057】圧力逃がし手段は、当該流路系33,3
4,45,46内に作動ガスなどが漏れ込んで内圧が上
昇し所定値を越えると降圧すべく開放動作するもので、
圧力逃がし弁58のみで構成してもよいし、圧力検知手
段59とこれにより動作する動作手段60とにより構成
しても、これらの組み合わせにより構成してもよい。圧
力逃がし弁58だけで構成する場合には第1の流路系3
3の第1のガス作動装置1の高温側中温部熱交換器17
の直後の箇所と、第2の流路系34の低温側熱交換器2
6の直後の箇所に配設する。圧力検知手段59による場
合には上記圧力逃がし弁58の位置に圧力検知手段59
を設け、外部連通管29に圧力を逃がす動作手段60を
設ければよい。これにより、各流路系33,34,4
5,46への作動ガスの漏れが起き、流路系33,3
4,45,46の内圧が漏れた作動ガスにより高まると
圧力逃がし手段により降圧されるので、当該流路系3
3,34,45,46の構成要素の損傷や破損を未然に
防ぐことができる。これ以外の機能は実施例1のものと
同じであるのでその説明は省略する。
【0058】
【発明の効果】以上実施例による説明からも明らかなよ
うに請求項1の発明によれば、冷暖房出力を取り出すた
めの流路系の熱輸送媒体の体積が温度変化により変化し
ても、当該流路系に分岐管で連絡した膨張タンクにより
体積の変化分が吸収されるので、流路系の構成要素の損
傷や破損を未然に防ぐことができ、流路系を安価に構成
することも可能になる。
【0059】請求項2の発明によれば、冷暖房出力を取
り出すための流路系の熱輸送媒体の体積が温度変化によ
り変化しても、当該流路系に設けられた大気開放式のタ
ンクにより体積の変化分がタンクの液面の変化に置換さ
れるので、流路系の構成要素の損傷や破損を未然に防ぐ
ことができ、流路系を安価に構成することも可能にな
る。
【0060】請求項3の発明によれば、熱媒体タンクに
暖房時には温度の高い熱輸送媒体が貯溜され、冷房時に
は温度の低い熱輸送媒体が貯溜されることになるととも
に、流路系の熱輸送媒体の体積が温度変化により変化す
ると、熱媒体タンクにより体積の変化分がタンクの液面
の変化に置換されることになり、流路系の構成要素の損
傷や破損を未然に防ぐことができる。また、必要に応じ
て第5の流路系に熱媒体タンクの熱輸送媒体を循環させ
ることにより冷暖房が室内側熱交換器により行なわれる
ことになり、ポンプの消費電力を抑制しながら流路系に
おける熱輸送媒体の流量を確保でき、暖房時の立ち上が
り時の冷風感を解消することもできる。
【0061】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
の効果とともに熱媒体タンクを経ない流路系の熱輸送媒
体の体積変化がおおきい方と、膨張タンクとを切換弁に
より連絡させることにより、当該流路系の熱輸送媒体の
体積の変化分を吸収することができ、熱媒体タンクを経
ない流路系の構成要素の損傷や破損をも簡素な構成によ
り未然に防ぐことができる。
【0062】請求項5の発明によれば、請求項3の発明
の効果とともに熱媒体タンクの熱輸送媒体の温度を検出
して第5の流路系のポンプ及び室内側熱交換器の送風機
を制御することにより、冷暖房性能及び冷暖房能力が調
整できるようになる。
【0063】請求項6の発明によれば、請求項1の発明
の効果とともに熱輸送媒体を循環させる流路系内に作動
ガスなどが漏れ込んで内圧が上昇しても、圧力逃がし手
段により流路系内が降圧されるので、流路系の構成要素
の損傷や破損を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す熱駆動型ヒートポンプ
装置の断面図である。
【図2】この発明の実施例1の熱駆動型ヒートポンプ装
置の流路系の回路構成を示す構成図である。
【図3】この発明の実施例2の熱駆動型ヒートポンプ装
置の流路系の回路構成を示す構成図である。
【図4】この発明の実施例3の熱駆動型ヒートポンプ装
置の流路系の回路構成を示す構成図である。
【図5】この発明の実施例4の熱駆動型ヒートポンプ装
置の流路系の回路構成を示す構成図である。
【図6】この発明の実施例5の熱駆動型ヒートポンプ装
置の流路系の回路構成を示す構成図である。
【図7】この発明の実施例6の熱駆動型ヒートポンプ装
置の流路系の回路構成を示す構成図である。
【図8】従来の熱駆動型ヒートポンプ装置における流路
系の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1 第1のガス作動装置 2 第2のガス作動装置 3 クランク機構部 4 クランク機構部 5 スタータモータ 8 ベース 9 高温側シリンダ 10 高温側ディスプレーサー 11 高温空間 12 高温側中温空間 13 クランクケース 15 ヒータ管 16 蓄熱再生器 17 高温側中温部熱交換器 20 低温側シリンダ 21 低温側ディスプレーサー 22 低温空間 23 低温側中温空間 24 クランクケース 26 低温側熱交換器 27 再生器 28 低温側中温部熱交換器 29 外部連通管 33 第1の流路系 34 第2の流路系 35 第1の四方切換弁 36 室内側熱交換器 37 第2の四方切換弁 38 ポンプ 39 室外側熱交換器 40 ポンプ 41 分岐管 43 膨張タンク 44 膨張タンク 45 第3の流路系 46 第4の流路系 47 タンク 48 タンク 49 第5の流路系 50 熱媒体タンク 51 ポンプ 52 切換弁 53 膨張タンク 54 送風機 55 温度センサ 57 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥羽 正裕 岐阜県中津川市駒場町1番3号 三菱電機 株式会社中津川製作所内 (72)発明者 野沢 栄治 岐阜県中津川市駒場町1番3号 三菱電機 株式会社中津川製作所内 (72)発明者 菅波 拓也 岐阜県中津川市駒場町1番3号 三菱電機 株式会社中津川製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 往復動するディスプレーサーにより作動
    ガスで満たされた内部が高温空間と中温空間とに区画さ
    れたシリンダの上記高温空間と中温空間とを、上記高温
    空間側から中温空間側に順に連設したヒータ管と蓄熱再
    生器と熱交換器とによるガス流路により連通させた第1
    のガス作動装置と、往復動するディスプレーサーにより
    作動ガスで満たされた内部が低温空間と中温空間とに区
    画されたシリンダの上記低温空間と中温空間とを、上記
    低温空間側から中温空間側に順に連設した低温側熱交換
    器と再生器と熱交換器とによるガス流路により連通させ
    た第2のガス作動装置と、上記第1と第2のガス作動装
    置の各ガス流路を、それらの中温空間側において相互に
    連通させる連通部と、上記各ディスプレーサーをある位
    相差をもって往復動させるクランク機構部とを備えたヒ
    ートポンプ装置本体と、このヒートポンプ装置本体から
    冷暖房出力を取り出すための熱輸送媒体の流路系とを備
    え、上記流路系は、上記第1のガス作動装置の上記熱交
    換器、室内に設置される室内側熱交換器、上記第2のガ
    ス作動装置の上記熱交換器を巡り、上記第1のガス作動
    装置の上記熱交換器に戻るポンプを含む第1の流路系
    と、上記第2のガス作動装置の上記低温側熱交換器、室
    外に設置される室外側熱交換器を巡り、上記第2のガス
    作動装置の上記低温側熱交換器に戻るポンプを含む第2
    の流路系と、上記第1のガス作動装置の上記熱交換器、
    上記室外側熱交換器を巡り、上記第2のガス作動装置の
    上記熱交換器を経て上記第1のガス作動装置の上記熱交
    換器に戻る、上記第1の流路系に対して切換弁により切
    り換えられる第3の流路系と、上記第2のガス作動装置
    の上記低温側熱交換器、上記室内側熱交換器を巡り、上
    記第2のガス作動装置の上記低温側熱交換器に戻る、上
    記第2の流路系に対して切換弁により切り換えられる第
    4の流路系とからなり、上記第1の流路系と上記第2の
    流路系の各ポンプの吸込側に分岐管を介して膨張タンク
    を接続したことを特徴とする熱駆動型ヒートポンプ装
    置。
  2. 【請求項2】 往復動するディスプレーサーにより作動
    ガスで満たされた内部が高温空間と中温空間とに区画さ
    れたシリンダの上記高温空間と中温空間とを、上記高温
    空間側から中温空間側に順に連設したヒータ管と蓄熱再
    生器と熱交換器とによるガス流路により連通させた第1
    のガス作動装置と、往復動するディスプレーサーにより
    作動ガスで満たされた内部が低温空間と中温空間とに区
    画されたシリンダの上記低温空間と中温空間とを、上記
    低温空間側から中温空間側に順に連設した低温側熱交換
    器と再生器と熱交換器とによるガス流路により連通させ
    た第2のガス作動装置と、上記第1と第2のガス作動装
    置の各ガス流路を、それらの中温空間側において相互に
    連通させる連通部と、上記各ディスプレーサーをある位
    相差をもって往復動させるクランク機構部とを備えたヒ
    ートポンプ装置本体と、このヒートポンプ装置本体から
    冷暖房出力を取り出すための熱輸送媒体の流路系とを備
    え、上記流路系は、上記第1のガス作動装置の上記熱交
    換器、室内に設置される室内側熱交換器、上記第2のガ
    ス作動装置の上記熱交換器を巡り、上記第1のガス作動
    装置の上記熱交換器に戻るポンプを含む第1の流路系
    と、上記第2のガス作動装置の上記低温側熱交換器、室
    外に設置される室外側熱交換器を巡り、上記第2のガス
    作動装置の上記低温側熱交換器に戻るポンプを含む第2
    の流路系と、上記第1のガス作動装置の上記熱交換器、
    上記室外側熱交換器を巡り、上記第2のガス作動装置の
    上記熱交換器を経て上記第1のガス作動装置の上記熱交
    換器に戻る、上記第1の流路系に対して切換弁により切
    り換えられる第3の流路系と、上記第2のガス作動装置
    の上記低温側熱交換器、上記室内側熱交換器を巡り、上
    記第2のガス作動装置の上記低温側熱交換器に戻る、上
    記第2の流路系に対して切換弁により切り換えられる第
    4の流路系とからなり、上記第1の流路系と上記第2の
    流路系の各ポンプの吸込側に大気開放式のタンクを設け
    たことを特徴とする熱駆動型ヒートポンプ装置。
  3. 【請求項3】 往復動するディスプレーサーにより作動
    ガスで満たされた内部が高温空間と中温空間とに区画さ
    れたシリンダの上記高温空間と中温空間とを、上記高温
    空間側から中温空間側に順に連設したヒータ管と蓄熱再
    生器と熱交換器とによるガス流路により連通させた第1
    のガス作動装置と、往復動するディスプレーサーにより
    作動ガスで満たされた内部が低温空間と中温空間とに区
    画されたシリンダの上記低温空間と中温空間とを、上記
    低温空間側から中温空間側に順に連設した低温側熱交換
    器と再生器と熱交換器とによるガス流路により連通させ
    た第2のガス作動装置と、上記第1と第2のガス作動装
    置の各ガス流路を、それらの中温空間側において相互に
    連通させる連通部と、上記各ディスプレーサーをある位
    相差をもって往復動させるクランク機構部とを備えたヒ
    ートポンプ装置本体と、このヒートポンプ装置本体から
    冷暖房出力を取り出すための熱輸送媒体の流路系とを備
    え、上記流路系は、上記第1のガス作動装置の上記熱交
    換器、第1の切換弁、大気開放式の熱媒体タンク、第2
    の切換弁、上記第2のガス作動装置の上記熱交換器を巡
    り、上記第1のガス作動装置の上記熱交換器に戻るポン
    プを含む第1の流路系と、上記第2のガス作動装置の上
    記低温側熱交換器、上記第1の切換弁、室外に設置され
    る室外側熱交換器を巡り、上記第2の切換弁を経て上記
    第2のガス作動装置の上記低温側熱交換器に戻るポンプ
    を含む第2の流路系と、上記第1のガス作動装置の上記
    熱交換器、上記第1の切換弁から上記室外側熱交換器を
    巡り、上記第2の切換弁を経て上記第2のガス作動装置
    の上記熱交換器から上記第1のガス作動装置の上記熱交
    換器に戻る、上記第1の流路系に対して切り換えられる
    第3の流路系と、上記第2のガス作動装置の上記低温側
    熱交換器、上記第1の切換弁から上記熱媒体タンク、上
    記第2の切換弁を経て上記第2のガス作動装置の上記低
    温側熱交換器に戻る、上記第2の流路系に対して切り換
    えられる第4の流路系と、上記熱媒体タンクからポンプ
    を経て室内に設置される室内側熱交換器を経て上記熱媒
    体タンクに戻る第5の流路系とから構成されていること
    を特徴とする熱駆動型ヒートポンプ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の熱駆動型ヒートポンプ
    装置であって、第1の流路系のポンプの吸込側と、第2
    の流路系のポンプの吸込側とのいずれかに切換弁により
    連通する膨張タンクを設けたことを特徴とする熱駆動型
    ヒートポンプ装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の熱駆動型ヒートポンプ
    装置であって、熱媒体タンクの熱輸送媒体の温度を検出
    して第5の流路系のポンプ及び室内側熱交換器の送風機
    を制御する制御系を備えたことを特徴とする熱駆動型ヒ
    ートポンプ装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の熱駆動型ヒートポンプ
    装置であって、第1の流路系と第2の流路系に内圧が所
    定値を越えると圧力を外部へ逃がす圧力逃がし手段を備
    えたことを特徴とする熱駆動型ヒートポンプ装置。
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