JPH0875077A - 配管の補修工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 配管を傷付けることがなく、管内流体の流通
を確実に遮断して補修作業が簡単に行なえる配管の補修
工法を提供する。 【構成】 破損箇所に接近した配管Ｐ1 の上流側と下流
側に不断水継手１を接続し、それぞれの不断水継手１に
カッター２３を挿入して管壁に貫通孔Ｈを穿設すると共
に該貫通孔Ｈに雌ねじを設ける。次に、前記不断水継手
１，１同志をバイパス配管Ｐ2 で接続し、配管Ｐ1 内に
挿入したエアーバッグ３を膨らませて管内を閉塞する。
そこで、配管Ｐ1 の破損箇所を所定長さに亘って切除
し、該切除した部分に短管Ｐ3 を介在させて該短管Ｐ3
と配管Ｐ1 とを管継手５を用いて接続する。最後に中栓
７を貫通孔Ｈに螺合し、配管Ｐ1 の外周面に融着接合し
たサドル部材８で中栓７を気密に覆う。 【効果】 配管を傷付けることがなく、管内流体の流れ
を確実に遮断して補修作業が簡単に行なえる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガス等の配管ラインの
一部分が破損したとき、管内流体の流れを遮断すること
なく破損箇所を修理できる配管の補修工法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来からポリエチレン等からなるガス用
の配管ラインでは、配管の一カ所が破損して管内流体の
漏洩事故が発生したとき、管内流体の流れを遮断するこ
となく破損箇所を補修することが行なわれている。この
補修工法を図６〜図９に基づいて簡単に説明すると、次
の通りである。

【０００３】まず、図６に示した如く配管Ｐ1 の破損箇
所Ａにテープ等を巻回し、ガス等の管内流体の噴出を一
時的に遮断する。そこで、図７に示した如く破損箇所Ａ
に接近した配管Ｐ1 の上流側と下流側に不断水継手ａを
接続し、それぞれの不断水継手ａにカッターを挿入して
管壁に貫通孔を穿設してからバイパス配管Ｐ2 でそれぞ
れの不断水継手ａ，ａ同志を接続する。

【０００４】次に、図８に示した如く配管Ｐ1 の上流側
と下流側をスクイズｃして管内流体の流れを遮断し、破
損箇所Ａを所定長さに亘って切除してからこの切除した
部分に短管Ｐ3 を介在させる。そこで、図９に示した如
く、短管Ｐ3 と配管Ｐ1 の切除した端部とを管継手ｄを
介して接続し、スクイズｃを解いてバイパス配管Ｐ2を
除去してから不断水継手ａの開口端をキャップｅで閉塞
していた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来工法の場合には、ポリエチレン等からなる配管の径サ
イズが大きくなると破損箇所の近傍をスクイズするのに
手間がかかり、また管内流体の流れを完全に遮断できな
いことがあった。即ち、配管の径サイズが大きくなると
必然的に管壁が肉厚となるため、管を上下から挟み込ん
で偏平状に押し潰しただけでは管内流体の流れを完全に
遮断できないことがあった。そして、長期に亘る使用の
間に、このスクイズした部分に亀裂が生じて管が破損す
るという危険性もあった。本発明はかかる課題を解決し
たものであって、配管を傷付けることがなく、管内流体
の流れを確実に遮断して補修作業が簡単に行なえる配管
の補修工法を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は配管ラインの破
損箇所を補修するにあたり、まず破損箇所に接近した配
管の上流側と下流側に不断水継手を接続し、それぞれの
不断水継手にカッターを挿入して管壁に貫通孔を穿設す
ると共に、該貫通孔に雌ねじを設ける。次いで、前記不
断水継手にバイパス継手部とエアーバッグ挿入口とを備
えた補助継手を接続し、バイパス継手部にバイパス配管
を接続してそれぞれの不断水継手同志を接続すると共
に、エアーバッグ挿入口から配管内に挿入したエアーバ
ッグを膨らませて破損箇所に近い側の管内を閉塞する。
そこで、配管の破損箇所を所定長さに亘って切除し、該
切除した部分に短管を介在させて該短管と配管とを管継
手を用いて接続する。最後に前記補助継手を不断水継手
から取外し、次に不断水継手に回転軸棒を挿入して該軸
棒の先端部に装着した中栓を前記貫通孔に螺合させる。
そして、不断水継手を取外してから配管の外周面に融着
接合したサドル部材で前記中栓を気密に覆うことを特徴
とする。

【０００７】

【作用】上記の構成からなるので、配管内にエアーバッ
グを挿入してから膨らませると、該エアーバッグで破損
箇所に近い側の管内が閉塞される。そして、配管の破損
箇所を切除して短管を介在させ、該短管と配管の切除し
た端部とを管継手を用いて接続すると、破損箇所が修復
される。最後に、配管に穿設した貫通孔に中栓を螺合さ
せて閉塞し、サドル部材を管外周面に融着接合して前記
中栓を覆うと、貫通孔は中栓とサドル部材で気密に閉塞
される。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面にて詳細に説明
する。図１は配管に貫通孔を穿孔する工程の半断面正面
図、図２は配管内に挿入したエアーバッグで管内を閉塞
する工程の半断面正面図、図３は配管と短管とを接続す
る工程の正面図、図４は配管に穿設した貫通孔を中栓で
閉塞する工程の半断面正面図、図５は貫通孔を中栓とサ
ドル部材で気密に閉塞した状態の半断面正面図であっ
て、図中の符号１は不断水継手、２はカッター装置、３
は補助継手、４はエアーバッグ、５は管継手、６は回転
工具、７は中栓、８はサドル部材である。また、Ｐ1 は
配管、Ｐ2 はバイパス配管、Ｐ3 は短管であって、これ
らの管はポリエチレン、ポリブテン等の合成樹脂からな
っている。

【０００９】本発明の補修工法は、配管に貫通孔を穿設
する工程と、バイパス配管を接続すると共に管内を閉塞
する工程と、破損箇所を切除して介在させた短管と配管
とを接続する工程と、中栓とサドル部材で貫通孔を気密
に閉塞する工程からなっており、これらの補修作業を行
なう前に従来工法で説明したと同様に予め配管Ｐ1 の破
損箇所にテープ等を巻回して仮補修を行なっておく（図
６を参照）。

【００１０】そこで、図１に示した如く破損箇所に接近
した配管Ｐ1 の上流側と下流側に不断水継手１を接続す
る。不断水継手１はサドル継手１１の分岐部１２にボー
ルバルブ１３を内蔵した継手１４を接続したものであっ
て、前記サドル継手１１と半割状のサドル１７とで配管
Ｐ1 を上下から挾持すると共に、それぞれの端縁に設け
たフランジにボルトを挿通して配管Ｐ1 の外周面に固定
する。

【００１１】次に、不断水継手１にカッター装置２を取
付ける。カッター装置２はキャップ２１に軸棒２２を気
密に嵌挿したものであって、該軸棒２２の下端部にはカ
ッター２３が設けられている。このカッター装置２のキ
ャップ２１を継手１４の上端に螺合し、軸棒２２を開口
したボールバルブ１３に挿通して垂下させる。そこで、
軸棒２２を回転させてその下端部に設けたカッター２３
で配管Ｐ1 の管壁に貫通孔Ｈを穿設し、ねじ切り部２３
１で貫通孔Ｈに雌ねじを設ける。この様にして配管Ｐ1
に貫通孔Ｈと雌ねじを設けてから軸棒２２を上方に引き
上げ、カッター２３がボールバルブ１３より上方にきた
とき、ボールバルブ１３を閉じる。

【００１２】前記カッター装置２を不断水継手１の上端
から取外してから、図２に示した如く不断水継手１の継
手１４の上端に補助継手３を接続する。補助継手３はバ
イパス継手部３１とエアーバッグ挿入口３２とを備えて
おり、前記バイパス継手部３１にバイパス配管Ｐ2 を接
続してそれぞれの不断水継手１，１同志を接続する。そ
して、エアーバッグ挿入口３２から配管Ｐ1 内にエアー
バッグ４を挿入し、導管４１から圧力流体を吹込んでエ
アーバッグ４を膨らませて破損箇所に近い側の管内を閉
塞する。

【００１３】破損箇所に近い側の管内がエアーバッグ４
で閉塞されると、配管Ｐ1 内のガス等の管内流体はバイ
パス配管Ｐ2 を流れる。そこで、図３に示した如く配管
Ｐ1の破損箇所を所定長さに亘って切除し、該切除した
部分に短管Ｐ3 を介在させて該短管Ｐ3 と配管Ｐ1 の切
除した端部とを管継手５を用いて接続する。

【００１４】破損箇所の補修が完了してから前記補助継
手３を不断水継手１の上端から取外し、該不断水継手１
に回転工具６を取付ける。図４に示した如く、回転工具
６はキャップ６１に軸棒６２を気密に嵌挿したものであ
って、該軸棒６２を開口したボールバルブ１３に挿通し
て垂下させると共にその下端部に装着した中栓７を配管
Ｐ1 に穿設した貫通孔Ｈに螺合させる。この様にして貫
通孔Ｈを中栓７で閉塞してから軸棒６２を引き上げ、不
断水継手１を配管Ｐ1 の外周面から取外してからサドル
部材８を配管Ｐ1 の外周面に融着接合して中栓７を気密
に覆う。

【００１５】前記サドル部材８は、ポリエチレン、ポリ
ブテン等の合成樹脂からなるサドルの下面を配管Ｐ1 の
外周面とほぼ等しい曲率に湾曲成形すると共に、ニクロ
ム線等の電熱線を所定間隔に埋設したものであって、そ
れぞれの電熱線の両端部がサドルの上面に突出した端子
ピンと接続している。このサドル部材８を配管Ｐ1 の外
周面にあてがい、それぞれの端子ピンに電源を接続して
電熱線を発熱させる。すると、サドル面と配管Ｐ1 の外
周面とが同時に溶融して一体的に融着接合し、貫通孔Ｈ
が中栓７とサドル部材８とで気密に閉塞されて補修工事
が終了する。

【００１６】

【発明の効果】以上詳述した如く、本発明は、配管内に
挿入したエアーバッグを膨らませて管内が閉塞するの
で、配管を傷付けることがなく、管内流体の流れを確実
に遮断することができる。そして、配管の破損箇所を短
管と管継手を用いて補修してから貫通孔に中栓を螺合さ
せ、サドル部材を配管の外周面に融着接合して中栓を覆
うので、貫通孔は中栓とサドル部材で気密に閉塞され
る。このため、本発明によると現場での補修作業が簡単
に行なえると共に、補修箇所から管内流体が漏洩する虞
れは全くない。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は配管に貫通孔を穿孔する工程を示す本発
明の半断面正面図である。

【図２】図２は配管内に挿入したエアーバッグで管内を
閉塞する工程を示す本発明の半断面正面図である。

【図３】図３は配管と短管とを接続する工程を示す本発
明の正面図である。

【図４】図４は貫通孔を中栓で閉塞する工程を示す本発
明の半断面正面図である。

【図５】図５は貫通孔を中栓とサドル部材とで気密に閉
塞した状態を示す本発明の半断面正面図である。

【図６】図６は配管の破損箇所を仮補修した状態を示す
従来例の正面図である。

【図７】図７は配管の上流側と下流側に接続した不断水
継手同志をバイパス配管で接続した状態を示す従来例の
正面図である。

【図８】図８は破損箇所に介在させた短管と配管の端部
とを管継手を介して接続する工程を示す従来例の正面図
である。

【図９】図９は不断水継手の開口端をキャップで閉塞し
た状態を示す従来例の正面図である。

【符号の説明】

１ 不断水継手 ２ カッター装置 ３ 補助継手 ４ エアーバッグ ５ 管継手 ６ 回転工具 ７ 中栓 ８ サドル部材 Ｐ1 配管 Ｐ2 バイパス配管 Ｐ3 短管

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 配管ラインの破損箇所を補修するにあた
   り、次の〜の各工程からなることを特徴とする配管
   の補修工法。 破損箇所に接近した配管の上流側と下流側に不断水継
   手を接続し、それぞれの不断水継手にカッターを挿入し
   て管壁に貫通孔を穿設すると共に、該貫通孔に雌ねじを
   設ける工程と、 前記不断水継手にバイパス継手部とエアーバッグ挿入
   口とを備えた補助継手を接続し、バイパス継手部にバイ
   パス配管を接続して不断水継手同志を接続すると共に、
   エアーバッグ挿入口から配管内に挿入したエアーバッグ
   を膨らませて破損箇所に近い側の管内を閉塞する工程
   と、 配管の破損箇所を所定長さに亘って切除し、該切除し
   た部分に短管を介在させて該短管と配管とを管継手を用
   いて接続する工程と、 前記補助継手を不断水継手から取外し、次に不断水継
   手に回転軸棒を挿入して該軸棒の先端部に装着した中栓
   を前記貫通孔に螺合させてから不断水継手を取外し、配
   管の外周面に融着接合したサドル部材で前記中栓を気密
   に覆う工程からなること、