JPH087491Y2 - コイン貸出機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、コイン通路へ挿入してコインの落下を遮
断するためのコイン通路用シャッタ機構を備えたコイン
貸出機に関する。

〈従来の技術〉 コイン貸出機は、ケース内部にコイン送出機構が設け
られ、遊戯者が貨幣を投入すると、投入金額に応じた枚
数のコインが送出される構造のものである。このコイン
送出機構は多数枚のコインを収容するホッパーを備えて
おり、このホッパーに対し補助ホッパーを介してコイン
補給口を連通させて、適時コインの補給を行うようにし
ている。

前記ケースは、通常、その内部が複数の室にに区画さ
れ、各区画室毎に所定の機構を組み込んで、その前面開
口を取り外しが可能なパネルで塞いである。前記コイン
送出機構はいずれか区画室に挿脱可能に収納配備してあ
り、コイン詰まりなどのトラブル発生に際して、容易に
ケース外へ引き出せるようになっている。

しかしながらコイン送出機構を引き出すに際し、もし
ホッパー内に補助ホッパーに達する程の多量のコインが
充填されていると、この充填コインが障害となり、コイ
ン送出機構をケース外へ引き出すのが困難となる。

そこで出願人は先般、補助ホッパーの下端部に第９図
〜第12図に示す構成のシャッター機構50を設けることを
提案した。

すなわち補助ホッパー51の前面にシャッタ挿入溝52を
開口し、その内面両側にレール部材54を取り付けてスラ
イド溝53,53を形成し、シャッタ挿入溝52よりシャッタ
板55を挿入してスライド溝53,53に沿って押し込むと、
補助ホッパー51の内部に充填されたコインがこのシャッ
タ板55により分断されて支えられるものである。

シャッタ板55は、第12図に示す如く、矩形状の金属板
の一端に屈曲形状の摘み片56を備えたもので、差し込み
時、この摘み片56は補助ホッパー51の前面に位置する。

このシャッタ板55は、コイン送出機構の引出時にのみ
用いられるもので、平時は、第11図に示す如く、摘み片
57を備えた塞ぎ板58でシャッタ挿入溝52を塞いで、ビス
59にて止着しておく。

しかしてコイン送出機構をケースの外側へ引き出す必
要が生じたとき、ビス59を外して塞ぎ板58をシャッタ挿
入溝52より取り除いた後、このシャッタ挿入溝52へシャ
ッタ板55を挿入してスライド溝53,53に沿って押し込む
と、補助ホッパー51の内部に充填されたコインがこのシ
ャッタ板55により補助ホッパー51の下部位置で上下に分
断され、上側のコインがシャッタ板55にて支えられる。
これにより充填コインによる障害を除去でき、コイン送
出機構を円滑に引き出すことができる。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながら上記構成のシャッタ機構50を設けた場
合、補助ホッパー51の内面両側にそれぞれレール部材54
が存在するため、これらレール部材54がコイン通路へ突
出してコインの円滑な流れを阻害する。また一部のコイ
ンがレール部材54上に停滞して他のコインとブリッジを
形成し、これがためコイン詰まりを引き起こすという問
題がある。

この考案は、上記問題に着目してなされたもので、コ
イン通路におけるコインの円滑な流れを阻害せず、また
コイン詰まりを生じさせる虞がないコイン通路用シャッ
タ機構を備えたコイン貸出機を提供することを目的とす
る。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案のコイン貸出機は、ケースの内部に、コイン
を収容するためのホッパーを備えたコイン送出機構がケ
ースに対して出し入れ可能に配備されると共に、前記ホ
ッパー上には補助ホッパーを位置させて内部のコイン通
路を連通させたもので、前記補助ホッパーの下端開口部
には、前記コイン送出機構の引出時に、補助ホッパー内
のコイン通路と直交させてシャッタ板を挿入することが
可能なシャッタ挿入溝が形成されると共に、前記補助ホ
ッパーの下端縁には、両側部を外側へ屈曲して成る案内
片が形成されており、前記シャッタ板には、両側縁に各
案内片と摺動可能に係合する係合片が設けられている。

〈作用〉 補助ホッパーの下端縁の両側部を外側へ屈曲させて、
シャッタ板を摺動させる案内片を構成しているので、コ
イン通路にシャッタ機構の構成部材が突出せず、コイン
通路におけるコインの円滑な流れが阻害されることがな
い。またコインの停滞が生じないので、ブリッジの発生
がなく、コイン詰まりを引き起こす虞もない。その上、
シャッタ挿入溝へシャッタ板を挿入すると、補助ホッパ
ーの下端縁の案内片とシャッタ板の両側縁の係合片とを
係合させるから、コインの荷重は前記案内片と係合片と
の係合箇所により、しっかりと支持される。

〈実施例〉 第１図は、この考案の一実施例にかかるコイン貸出機
を示すもので、縦長形状をなす箱状ケース１の前面に、
コイン補給口2,硬貨投入口3,3個の表示ランプ4,5,6,コ
イン放出口7,コイン放出枚数表示器8,紙幣投入口９など
が設けられている。

コイン補給口２は、ケース１内のホッパーへコインを
補給するための部分であり、このコイン補給口２には錠
10を備えた蓋板11が開閉自由に取り付けてある。硬貨投
入口３や紙幣投入口９はコインの貸出を受けるに必要な
金額の貨幣を投入するための部分であり、コイン放出口
７は投入貨幣の金額に応じた枚数のコインを放出するた
めの部分である。コイン放出枚数表示器８はコイン放出
口７へ放出されたコインの枚数を数字で表示する。

３個の表示ランプ4,5,6は、例えば発光ダイオードに
より構成され、第１の表示ランプ４はコインの貸出が停
止状態にあるときに点灯し、また第２の表示ランプ５は
コインの貸出を行っているときに点灯する。さらに第３
の表示ランプ６はコイン不足の状態に至ってコインの補
給時期がきたときに自動点灯する。

このコインの補給はコイン補給口２から行われ、この
コイン補給口２は、第２図に示す如く、ケース内部の補
助ホッパー12を経てコイン送出機構13のホッパー14に連
通している。補助ホッパー12およびホッパー14は多数枚
のコインの収容が可能であり、コイン送出機構13が作動
するとき、ホッパー14内のコインが一枚ずつ送り出され
てコイン放出口７へ放出される。

ケース１の内部は、第１図に示す如く、下段の区画室
Ａと上段の区画室Ｂとに区画され、各区画室A,B毎に所
定の機構を組み込んで、その前面開口を取り外しが可能
なパネル1A,1Bで塞いである。

前記コイン送出機構13は、第３図に示す如く、上段の
区画室Ｂ内に挿脱可能に収納配備されるもので、収納時
は仕切板30上にビス止め固定し、保守や点検時はビスを
外して室外へ引き出すことができるようになっている。

このコイン送出機構13は、支持基板31上にフレーム3
2,32を縦設し、フレーム32,32上に取付基板15を取り付
けて、この取付基板15上へ、第４図に示す如く、ホッパ
ー14内のコインを取り込んで順次送り出すコイン送り機
構部16と、送り出された各コインを取付基板15に開口し
たコイン送出口18へ順次導くコイン導出機構部17と、各
機構部16,17を作動させるモータ駆動部19とを配備した
ものである。

コイン送り機構部16は、第１の回転板20に複数の円形
孔21,21を円陣に設けて、各円形孔21にホッパー14内の
コイン22を取り込む構造のものである。各円形孔21の通
過路には、円形孔21に嵌まったコイン22をコイン導出機
構部17の方向へ送り出すためのガイド部材23,24が配備
してあり、コイン送り機構部16を脱出したコイン22はコ
イン導出機構部17へ取り込まれる。なお回転板20はガイ
ド部材23,24の存在によりその回転が阻害されることが
ないようその下面の構造が工夫されていることは勿論で
ある。

コイン導出機構部17は、第２の回転板25の周面に回転
方向ａへ曲がる複数の爪片26を突設して、隣合う爪片2
6,26間に１枚のコイン22を受け容れるための複数の開口
部27を形成した構造のものである。この第２の回転板25
と第１の回転板20とはモータ駆動部19により同期回転せ
られ、第１の回転板20よりコイン22が送り出されたと
き、第２の回転板25の爪片26がそのコイン22を開口部27
内に引き込んで支持するようにタイミングの設定がなさ
れている。開口部27内のコイン22は、爪片26先端の鉤状
部にて係止され、回転方向ａに半周してコイン送出口18
へ導かれる。

この回転板25は、各開口部27がコイン送出口18の上方
位置を通過するよう位置決めされており、従って開口部
27内のコイン22は取付基板15上に支持されて半周移動
し、コイン送出口18に至って、下方へ転落する。

このコイン送出口18の直下にはコイン放出口７が連通
させてあり、落下したコインはこのコイン放出口７へ放
出されて収容される。

前記第２の回転板25の近傍には、放出コインの枚数を
検出するためのマイクロスイッチ28が配備してあり、開
口部27内のコイン22がレバー29の先端を押して揺動させ
たとき、そのレバー29の基端がマイクロスイッチ28をオ
ンして、計数のための信号が生成される。

上記コイン送出機構13のホッパー14上には、ケース１
の内部に固定された補助ホッパー12が位置し、補助ホッ
パー12の下端開口部をホッパー14の上面開口部に接近さ
せた状態で内部のコイン通路を連通させてある。従って
ホッパー14および補助ホッパー12がコインで満たされた
状態では、このコインが障害となって、保守や点検時に
コイン送出機構13をケース外へ引き出すのが困難とな
る。

このような状態下でのコイン送出機構13の引出を可能
となすため、補助ホッパー12の下端部に第５図〜第８図
に示す構成のシャッタ機構33が設けてある。

このシャッタ機構33は、補助ホッパー12の下端開口部
とホッパー14の上端開口部との間の間隙をシャッタ挿入
溝34となし、このシャッタ挿入溝34に対しシャッタ板35
を挿脱可能に配備して成る。補助ホッパー12の下端縁に
は両側部を外側へ直角に屈曲することにより案内片36,3
6が形成され、この案内片36,36にシャッタ板35の両側縁
を係合させてシャッタ板35を補助ホッパー12内のコイン
通路と直交させた状態でシャッタ挿入溝34へ押し込む
と、内部に充填されたコインがこのシャッタ板35により
分断されて支持される。

シャッタ板35は、第７図に示す如く、矩形状の金属板
の基端部に摘み片37が屈曲形成され、両側縁は対向する
方向へ折り返して前記案内片36,36と摺動可能に係合す
る係合片38,38が形成されたものである。

このシャッタ板35は、コイン送出機構13の引出時にの
み用いられるもので、平時は、第８図に示す構造の塞ぎ
板40でシャッタ挿入溝34を塞いでおく。この塞ぎ板40
は、前記と同様の構成の摘み片41と係合片42,42とを備
え、板面には補助ホッパー12の下端開口とほぼ一致する
形状のコイン通過孔43が開設されたものである。なお図
中、45はビス止め孔である。

しかしてコイン送出機構13をケース１の外側へ引き出
す必要が生じたとき、塞ぎ板40をシャッタ挿入溝34より
抜き取った後、このシャッタ挿入溝34へシャッタ板35を
挿入して補助ホッパー12の下端開口を塞ぐものである。
シャッタ板35が挿入されると、補助ホッパー12の内部に
充填されたコインがこのシャッタ板35により上下に分断
され、上側のコインがシャッタ板35の板面にて支えられ
る。これにより充填コインによる障害を除去でき、コイ
ン送出機構13を円滑に引き出すことができる。また、こ
のとき、補助ホッパー12の下端縁の案内片36,36とシャ
ッタ板35の両側縁の係合片38,38とが係合するので、補
助ホッパー12内に多数のコインが収納されていても、シ
ャッタ板35は上側のコインの荷重に耐えることができ
る。

平時は補助ホッパー12の内部にシャッタ機構33の構成
部材が突出していないので、補助ホッパー12内のコイン
の円滑な流れは阻害されず、またコインが停滞してブリ
ッジを発生させることもない。

なお上記は、この考案にかかるシャッタ機構33をコイ
ン貸出機の補助ホッパーに実施した例を示すが、この考
案はこれに限らず、コイン貸出機の補助ホッパー以外の
コイン通路にも適用できることを勿論である。

〈考案の効果〉 この考案のコイン貸出機は上記の如く、補助ホッパー
の下端開口部に、コイン送出機構の引出時に補助ホッパ
ー内のコイン通路と直交させてシャッタ板を挿入するこ
とが可能なシャッタ挿入溝を形成すると共に、補助ホッ
パーの下端縁に、両側部を外側へ屈曲して成る案内片を
形成し、シャッタ板の両側縁に、各案内片と摺動可能に
係合する係合片を設けるから、コイン通路にシャッタ機
構の構成部材が突出せず、コイン通路におけるコインの
円滑な流れが阻害されることがない。またコインの停滞
が生じないので、ブリッジの発生がなく、コイン詰まり
を引き起こす虞もない。さらに、シャッタ板をシャッタ
挿入溝に挿入すると、補助ホッパーの下端縁の案内片と
シャッタ板の両側縁の係合片とが係合するから、たとえ
補助ホッパー内に多数のコインが収納されていても、コ
インの荷重は案内片と係合片との係合箇所にしっかりと
支持され、シャッタ板は上側のコインの荷重に耐えるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はコイン貸出機の正面図、第２図はコイン貸出機
の内部構造を示す側面図、第３図はコイン貸出機のパネ
ル開放状態を示す正面図、第４図はコイン送出機構の平
面図、第５図および第６図はシャッタ機構におけるシャ
ッタ板の挿入状態を示す断面図、第７図はシャッタ板を
示す斜面図、第８図は塞ぎ板を示す斜面図、第９図およ
び第10図は従来のシャッタ機構におけるシャッタ板の挿
入状態を示す断面図、第11図は従来のシャッタ機構にお
ける塞ぎ板の取付状態を示す断面図、第12図は従来のシ
ャッタ板を示す斜面図である。 33……シャッタ機構 35……シャッタ板 36……案内片、38……係合片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケースの内部に、コインを収容するための
   ホッパーを備えたコイン送出機構がケースに対して出し
   入れ可能に配備されると共に、前記ホッパー上には補助
   ホッパーを位置させて内部のコイン通路を連通させたコ
   イン貸出機において、 前記補助ホッパーの下端開口部には、前記コイン送出機
   構の引出時に、補助ホッパー内のコイン通路と直交させ
   てシャッタ板を挿入することが可能なシャッタ挿入溝が
   形成されると共に、前記補助ホッパーの下端縁には、両
   側部を外側へ屈曲して成る案内片が形成されており、 前記シャッタ板には、両側縁に各案内片と摺動可能に係
   合する係合片が設けられて成るコイン貸出機。