JPH0631568Y2 - コイン送出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は、例えばコイン貸出機などに実施されるコイ
ン送出装置に関する。

〈従来の技術〉 例えばスロットマシンなどが設置してある遊戯場では、
その適所にコイン貸出機が配備してある。このコイン貸
出機は、ケース内部にコイン送出機構が設けられ、遊戯
者が貨幣を投入すると、投入金額に応じて枚数のコイン
が送出される。このコイン送出機構は多数枚のコインを
収容するホッパーを備えており、このホッパーに対し補
助ホッパーを介してコイン補給口を連通させて、適時コ
インの補給を行うようにしている。

前記ケースは、通常、その内部が複数の室にに区画さ
れ、各区画室毎に所定の機構を組み込んで、その前面開
口を取り外しが可能なパネルで塞いである。前記コイン
送出機構はいずれか区画室に挿脱可能に収納配備してあ
り、コイン詰まりなどのトラブル発生に際して、容易に
ケース外へ引き出せるようになっている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかしながらコイン送出機構を引き出すに際し、もしホ
ッパー内に補助ホッパーに達する程の多量のコインが充
填されていると、この充填コインが障害となり、コイン
送出機構をケース外へ引き出すのが困難となる。

この考案は、上記問題に着目してなされたもので、コイ
ン送出機構のホッパーまたは補助ホッパーに簡単な構成
を付加することにより、コイン送出機構の挿脱を容易に
したコイン送出装置を提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 この考案のコイン送出装置は、前面開口の区画室を備え
たケースと、前記前面開口を塞ぐ取外し可能なパネル
と、前記ケースの区画室の仕切板上に支持され全体の大
きさが仕切板に沿ってケース外へ引き出せるよう前記前
面開口より小さい大きさに形成されたコイン送出機構
と、ケース内部のコイン送出機構の上方位置に取付け固
定された多数枚のコインを収容する補助ホッパーとを有
するものであって、前記コイン送出機構は、前記仕切板
上に支持される支持基板上に、多数枚のコインを収容す
るホッパーと、このホッパー内のコインを外部へ送り出
す機構部と、機構部を駆動するモータとを一体に配備し
て成り、前記補助ホッパーは、前記コイン送出機構のホ
ッパーの真上に位置し、下端の開口部を前記ホッパーの
上端の開口部に接近した状態で臨ませて前記ホッパーと
連通させてある。

請求項１の考案では、前記ホッパーまたは補助ホッパー
の前面のケースの前面開口に対応する位置に、ホッパー
または補助ホッパーの内部に連通するコインより大きな
開口面を有する開口部を設けられると共に、前記開口部
にその開口面を塞ぐ蓋板が取外し可能に取り付けてあ
る。

請求項２の考案では、補助ホッパーの下端部前面のケー
スの前面開口に対応する位置に、その位置の補助ホッパ
ーの幅に相応するシャッタ挿入溝を開口し、そのシャッ
タ挿入溝の内側の両側面にスライド溝が形成してあり、
前記シャッタ挿入溝に対し、そのシャッタ挿入溝を塞ぐ
塞ぎ板と、シャッタ挿入溝の開口面に適合する幅および
厚みを有しかつ前記補助ホッパーの奥行きに相当する長
さを有するシャッタ板とを選択的に配備するようにして
いる。

〈作用〉 コイン送出機構をケース外へ引き出す必要が生じたと
き、請求項１に記載されたコイン送出装置では、蓋板を
除いて開口部を開放し、その開口部より内部のコインを
掻き出す。このコイン掻き出しは補助ホッパー内が殆ど
空になるまで行うもので、これにより充填コインによる
障害を除去でき、コイン送出機構を円滑に引き出すこと
ができる。

請求項２に記載されたコイン送出装置では、シャッタ板
をシャッタ挿入溝へ挿入して補助ホッパー内部のコイン
を分断して支えるもので、これにより充填コインによる
障害を同様に除去でき、コイン送出機構を円滑に引き出
すことができる。

〈実施例〉 第１図は、この考案の一実施例であるコイン貸出機を示
すもので、縦長形状をなす箱状ケース１の前面に、コイ
ン補給口２，硬貨投入口３，３個の表示ランプ４，５，
６，コイン放出口７，コイン放出枚数表示器８，紙幣投
入口９などが設けられている。

コイン補給口２は、ケース１内の後述するホッパー１４
および補助ホッパー１２へコインを補給するための部分
であり、このコイン補給口２には錠１０を備えた扉１１
が開閉自由に取り付けてある。硬貨投入口３や紙幣投入
口９はコインの貸出を受けるに必要な金額の貨幣を投入
するための部分であり、コイン放出口７は投入貨幣の金
額に応じて枚数のコインを放出するための部分である。
コイン放出枚数表示器８はコイン放出口７へ放出された
コインの枚数を数字で表示する。

３個の表示ランプ４，５，６は、例えば発光ダイオード
により構成され、第１の表示ランプ４はコインの貸出が
停止状態にあるときに点灯し、また第２の表示ランプ５
はコインの貸出を行っているときに点灯する。さらに第
３の表示ランプ６はコイン不足の状態に至ってコインの
補給時期がきたときに自動点灯する。

このコインの補給はコイン補給口２から行われ、このコ
イン補給口２は、第２図に示す如く、ケース内部の補助
ホッパー１２を経てコイン送出機構１３のホッパー１４
に連通している。補助ホッパー１２およびホッパー１４
は多数枚のコインの収容が可能であり、コイン送出機構
１３が作動するとき、ホッパー１４内のコインが一枚ず
つ送り出れてコイン放出口７へ放出される。

ケース１の内部は、第１図に示す如く、下段の区画室Ａ
と上段の区画室Ｂとに区画され、各区画室Ａ，Ｂ毎に所
定の機構を組み込んで、その前面開口を取り外しが可能
なパネル１Ａ，１Ｂで塞いである。

前記コイン送出機構１３は、区画室Ｂの前面開口より小
さな大きさのものであって、第３図に示す如く、上段の
区画室Ｂ内に挿脱可能に収納配備される。収納時は仕切
板３０上にビス止め固定し、保守や点検時はビスを外し
て室外へ引き出すことができる。

このコイン送出機構１３は、支持基板３１上にフレーム
３２，３２を縦設し、フレーム３２，３２上に取付基板
１５を取り付けて、この取付基板１５上へ、第４図に示
すような、ホッパー１４内のコインを取り込んで順次送
り出すコイン送り機構部１６と、送り出された各コイン
を取付基板１５に開口したコイン送出口１８へ順次導く
コイン導出機構部１７と、各機構部１６，１７を作動さ
せるモータ駆動部１９とを、一体に配備したものであ
る。

コイン送り機構１６は、第１の回転板２０に複数の円形
孔２１，２１を円陣に設けて、各円形孔２１にホッパー
１４内のコイン２２を取り込む構造のものである。各円
形孔２１の通過路には、円形孔２１に嵌まったコイン２
２をコイン導出機構部１７の方向へ送り出すためのガイ
ド部材２３，２４が配備してあり、コイン送り機構部１
６を脱出したコイン２２はコイン導出機構部１７へ取り
込まれる。なお回転板２０はガイド部材２３，２４の存
在によりその回転が阻害されることがないようその下面
の構造が工夫されていることは勿論である。

コイン導出機構部１７は、第２の回転板２５の周面に回
転方向ａと同方向へ曲がる複数の爪片２６を突設して、
隣合う爪片２６，２６間に１枚のコイン２２を受け容れ
るための複数の開口部２７を形成した構造のものであ
る。この第２の回転板２５と第１の回転板２０とはモー
タ駆動部１９により同期回転せられ、第１の回転板２０
よりコイン２２が送り出されたとき、第２の回転板２５
の爪片２６がそのコイン２２を開口部２７内に引き込ん
で支持するようにタイミングの設定がなされている。開
口部２７内のコイン２２は、爪片２６先端の鉤状部にて
係止され、回転方向ａに半周してコイン送出口１８へ導
かれる。

この回転板２５は、各開口部２７がコイン送出口１８の
上方位置を通過するよう位置決めされており、従って開
口部２７内のコイン２２は取付基板１５上に支持されて
半周移動し、コイン送出口１８に至って、下方へ転落す
る。

このコイン送出口１８の直下にはコイン放出口７が連通
させてあり、落下したコインはこのコイン放出口７へ放
出されて収容される。

前記第２の回転板２５の近傍には放出コインの枚数を検
出するためのマイクロスイッチ２８が配備してあり、開
口部２７内のコイン２２がレバー２９の先端を押して揺
動させたとき、そのレバー２９の基端がマイクロスイッ
チ２８をオンして、計数のための信号が生成される。

上記コイン送出機構１３のホッパー１４上には、ケース
１の内部に固定された補助ホッパー１２が位置し、補助
ホッパー１２の下端開口部をホッパー１４の上面開口部
に接近させた状態で臨ませて前記ホッパー１４と連通さ
せてある。従ってホッパー１４および補助ホッパー１２
がコインで満たされた状態では、このコインが障害とな
って、保守や点検時にコイン送出機構１３をケース外へ
引き出すのが困難となる。

この考案は、このような状態下でのコイン送出機構１３
の引出を可能となすため、第１の実施例では、補助ホッ
パー１２の前面の区画室Ｂの前面開口に対する位置に、
第３図，第５図および第６図に示す如く、補助ホッパー
１２の内部に連通するコイン掻出し用の開口部３３を設
けている。この開口部３３は、平時は蓋板３４で塞ぎ、
蓋板３４の適所をビス３５にて止着してある。

なおこの開口部３３はコイン送出機構１３のホッパー１
４に設けてもよく、またホッパー１４および補助ホッパ
ー１２の両方に設けてもよい。

また蓋板３４は、その一端をヒンジ機構により補助ホッ
パー１２またはホッパー１４に枢支し、他端にビス止め
部を設けて扉状に開閉するような構成としてもよい。

第７図〜第１２図は、この考案の他の実施例を示し、補
助ホッパー１２の下端部にシャッタ機構３６を配備した
構造のものである。

すなわち補助ホッパー１２の前面の前記区画室Ｂの前面
開口に対応する位置に、その位置の補助ホッパー１２の
幅に相当するシャッタ挿入溝３７を開口し、その内側の
両側面にスライド溝３８，３８を形成し、シャッタ挿入
溝３７よりシャッタ板３９を挿入してスライド溝３８，
３８に沿って押し込むようにしてある。前記シャッタ板
３９は、シャッタ挿入溝３７の開口面に適合する幅およ
び厚みを有しかつ補助ホッパー１２の奥行きに相当する
長さを有するものであって、内部に充填されたコインが
このシャッタ板３９により分断されて支えられる。

シャッタ板３９は、第１０図に示す如く、金属板の一端
に屈曲形状の摘み片４０を備えたもので、差し込み時、
この摘み片４０は補助ホッパー１２の前面に位置する。

このシャッタ板３９は、コイン送出機構１３の引出時に
のみ用いられるもので、平時は、第１１図および第１２
図に示す如く、摘み片４１を備えた塞ぎ板４２でシャッ
タ挿入溝３７を塞いで、ビス４３に止着しておく。

しかしてコイン送出機構１３をケース１の外側へ引き出
す必要が生じたとき、第１実施例では、ビス３５を外し
て蓋板３４を除き、これにより補助ホッパー１２の開口
部３３を開放する。しかる後、この開口部３３より補助
ホッパー１２内に指先を挿入し、内部の充填コインを外
部へ掻き出す。このコインの掻き出しは補助ホッパー１
２内が殆ど空になるまで行うもので、これにより充填コ
インによる障害を除去でき、コイン送出機構１３を円滑
にケース外へ引き出すことができる。

第２実施例では、ビス４３を外して塞ぎ板４２をシャッ
タ挿入溝３７より取り除いた後、このシャッタ挿入溝３
７へシャッタ板３９を挿入してスライド溝３８，３８に
沿って押し込むと、補助ホッパー１２の内部に充填され
たコインがこのシャッタ板３９により補助ホッパー１２
の下部位置で上下に分断され、上側のコインがシャッタ
板３９にて支えられる。これにより充填コインによる障
害を同様に除去でき、コイン送出機構１３を円滑に引き
出すことができる。

〈考案の効果〉 この考案は上記の如く、ホッパーまたは補助ホッパーの
前面に、内部のコインを掻き出すための開口部を設ける
か、または補助ホッパーの下端部に、内部のコインを支
えるためのシャッタ板を挿入可能としたから、コイン送
出機構を引き出すに際し、仮にホッパー内に補助ホッパ
ーに達する程の多量のコインが充填されていても、この
充填コインによる障害を除去でき、コイン送出機構をケ
ース外へ円滑に引き出すことが可能となるなど、考案目
的を達成した実用上の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はコイン貸出機の正面図、第２図はコイン貸出機
の内部構造を示す側面図、第３図はパネルを開放した状
態の第１実施例を示す正面図、第４図はコイン送出機構
の平面図、第５図は開口部を塞いだ状態を示す補助ホッ
パーの断面図、第６図は開口部を開放した状態を示す補
助ホッパーの断面図、第７図はパネルを開放した状態の
第２実施例を示す正面図、第８図および第９図はシャッ
タ板を挿入した状態を示す補助ホッパーの断面図、第１
０図はシャッタ板を示す斜面図、第１１図は塞ぎ板でシ
ャッタ挿入溝を塞いだ状態を示す補助ホッパーの断面
図、第１２図は塞ぎ板の斜面図である。 １……ケース、12……補助ホッパー 13……コイン送出機構 14……ホッパー、33……開口部 34……蓋板、37……シャッタ挿入溝 38……スライド溝、39……シャッタ板 42……塞ぎ板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前面開口の区画室を備えたケースと、前記
   前面開口を塞ぐ取外し可能なパネルと、前記ケースの区
   画室の仕切板上に支持され全体の大きさが仕切板に沿っ
   てケース外へ引き出せるよう前記前面開口より小さい大
   きさに形成されたコイン送出機構と、ケース内部のコイ
   ン送出機構の上方位置に取付け固定された多数枚のコイ
   ンを収容する補助ホッパーとを有するコイン送出装置で
   あって、 前記コイン送出機構は、前記仕切板上に支持される支持
   基板上に、多数枚のコインを収容するホッパーと、この
   ホッパー内のコインを外部へ送り出す機構部と、機構部
   を駆動するモータとを一体に配備して成り、 前記補助ホッパーは、前記コイン送出機構のホッパーの
   真上に位置し、下端の開口部を前記ホッパーの上端の開
   口部に接近した状態で臨ませて前記ホッパーと連通させ
   ており、 前記ホッパーまたは補助ホッパーの前面には、ケースの
   前面開口に対応する位置に、ホッパーまたは補助ホッパ
   ーの内部に連通するコインより大きな開口面を有する開
   口部が設けられると共に、前記開口部にその開口面を塞
   ぐ蓋板が取外し可能に取り付けられて成るコイン送出装
   置。
2. 【請求項２】前面開口の区画室を備えたケースと、前記
   前面開口を塞ぐ取外し可能なパネルと、前記ケースの区
   画室の仕切板上に支持され全体の大きさが仕切板に沿っ
   てケース外へ引き出せるよう前記前面開口より小さい大
   きさに形成されたコイン送出機構と、ケース内部のコイ
   ン送出機構の上方位置に取付け固定された多数枚のコイ
   ンを収容するホッパーとを有するコイン送出装置であっ
   て、 前記コイン送出機構は、前記仕切板上に支持される支持
   基板上に、多数枚のコインを収容するホッパーと、この
   ホッパー内のコインを外部へ送り出す機構部と、この機
   構部を駆動するモータとを一体に配備して成り、 前記補助ホッパーは、前記コイン送出機構のホッパーの
   真上に位置し、下端の開口部を前記ホッパーの上端の開
   口部に接近した状態で臨ませて前記ホッパーと連通させ
   ると共に、下端部前面のケースの前面開口に対応する位
   置には、その位置の補助ホッパーの幅に相応するシャッ
   タ挿入溝を開口し、そのシャッタ挿入溝の内側の両側面
   にスライド溝を形成しており、 前記シャッタ挿入溝に対し、そのシャッタ挿入溝を塞ぐ
   塞ぎ板と、シャッタ挿入溝の開口面に適合する幅および
   厚みを有しかつ前記補助ホッパーの奥行きに相当する長
   さを有するシャッタ板とを選択的に配備するようにした
   コイン送出装置。