JPH0873713A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

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JPH0873713A
JPH0873713A JP7566195A JP7566195A JPH0873713A JP H0873713 A JPH0873713 A JP H0873713A JP 7566195 A JP7566195 A JP 7566195A JP 7566195 A JP7566195 A JP 7566195A JP H0873713 A JPH0873713 A JP H0873713A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエステル樹脂100重量部に成分
(A):リン酸エステル系難燃剤1〜40重量部、成分
(B):シアヌル酸メラミン1〜40重量部、成分
(C):分子内に3以上の水酸基を有し、水酸基濃度が
1.0×10-3当量/g以上である化合物0.1〜5重
量部を含有してなるポリエステル樹脂組成物。 【効果】 成形加工時の腐食性ガスの発生や、燃焼時の
刺激性ガス、腐食性ガス、黒煙の発生が飛躍的に抑制さ
れ、さらに、成形時や長期使用時に昇華物や分解生成物
が生じないので、電気・電子部品の接点特性の低下や、
接点特性の低下もなく、難燃性、低発煙性及び機械的性
質に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル樹脂組成物
に関するものである。詳しくは難燃性、低発煙性、及び
機械的性質にすぐれたポリエステル樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車部品、家庭電器用部品、事
務用部品、工業用部品、繊維製品、建築資材、雑貨類等
にポリエステル樹脂が幅広く使用されているが、上記用
途において機械的性質は勿論のこと、難燃性を有する材
料が要求されるようになってきている。
【0003】難燃剤としては種々の無機系難燃剤および
有機系難燃剤が知られており、ポリエステル樹脂の難燃
化には従来、ハロゲン系の有機難燃剤が広く用いられて
いる。しかし、ハロゲン系有機難燃剤を用いたポリエス
テル樹脂は、熱分解によって発生するハロゲン化水素等
で成形加工時に金型等を腐食させたり、火災発生時に多
量の黒煙や有毒なハロゲン含有ガスを発生し、避難に支
障をきたすという欠点を有している。しかも最近、ハロ
ゲン化合物の熱分解生成物としてダイオキシン発生の危
険性を指摘した報告があり、ハロゲン化合物の使用を抑
制する方向に向かいつつある。
【0004】非ハロゲン難燃剤として水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム等の含水無機化合物が用いられ
るが、樹脂に対して多量に添加する必要があり、そのた
めに機械的性質が著しく低下する欠点を有している。ま
た、これら含水無機化合物とは別にリン酸エステル系難
燃剤を用いる方法(特開昭48−90349号公報、特
公昭51−19858号公報、特公昭51−39271
号公報等)も知られているが、いずれも難燃性が低く、
難燃化のみに主たる力点をおくと、ポリマーの結晶性低
下に伴う機械的強度の低下や、難燃剤のブリードアウト
に伴う電気的物性の低下がおこり、使用上の大きな問題
となっている。一方、メラミン(特開昭53−1866
0号公報)や、シアヌル酸(特公昭58−5939号公
報)等の含窒素化合物を難燃剤として用いる方法も知ら
れているが、これらの難燃剤は難燃作用が低いのみなら
ず、成形加工時に熱分解や昇華を起こし、金型表面に難
燃剤に由来する白粉や、ペースト状の物質が付着する
(プレートアウト)現象を引き起こすという欠点を有し
ている。このような熱分解や昇華を防ぐ目的でシアヌル
酸メラミンを用いる方法(特公昭60−33850号公
報)も提案されているが、難燃性は必らずしも十分でな
いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成形
加工時の腐食性ガスの発生を抑制し、燃焼時の刺激性ガ
ス、腐食性ガス、黒煙の発生を飛躍的に抑制し、しかも
従来の難燃剤より少ない添加量で難燃効果に優れ、成形
加工時に分解や昇華がなく、機械的性質に優れた難燃性
ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の問題を
解決するためになされたものであり、その要旨は、ポリ
エステル樹脂100重量部に 成分(A):リン酸エステル系難燃剤 1〜40重量部 成分(B):シアヌル酸メラミン 1〜40重量部 成分(C):分子内に3以上の水酸基を有し、水酸基濃度が1.0×10-3当 量/g以上である化合物 0.1〜5重量部 を含有してなることを特徴とするポリエステル樹脂組成
物に存する。
【0007】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明におけるポリエステル樹脂としては、少なくとも1種
の2官能性カルボン酸成分と少なくとも1種のグリコー
ル成分またはオキシカルボン酸の重縮合により得られる
少なくとも固有粘度0.40以上の熱可塑性ポリエステ
ルである。2官能性カルボン酸成分の具体例としてはテ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、P,P’−
ジフェニルジカルボン酸、P,P’−ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン2
酸、スベリン酸、アゼライン酸、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸またはこれらのエステル形成性誘導体など
を挙げることができ、中でも芳香族ジカルボン酸、また
はこれらのエステル形成性誘導体が好ましく、特には、
テレフタル酸または、テレフタル酸ジエステルが好まし
い。
【0008】グリコール成分の具体例としては一般式、
HO(CH2 n OH(nは2〜20のいずれかの整
数)で表されるα,ω−アルキレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール
A、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシテトラ
メチレングリコール、またはこれらのエステル形成性誘
導体等を挙げることができ、中でもエチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール等のα,ω−アルキレング
リコールが好ましい。
【0009】オキシカルボン酸の具体例としては、オキ
シ安息香酸、4−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香
酸、またはこれらのエステル形成性誘導体などを挙げる
ことができる。またこのようなポリエステルを形成する
全酸成分または全ジオール成分の70mol%以上が単
一成分であれば任意の共重合体であってもよい。さらに
このようなポリエステル60重量%以上と他の熱可塑性
重合物40重量%以下との混合物であっても本発明に適
用することができる。
【0010】本発明における、成分(A)リン酸エステ
ル系難燃剤としてはリン酸エステル構造、ポリリン酸エ
ステル構造を有する難燃剤またはこれらの成分を含む混
合物または化合物であって、具体例としては、トリメチ
ルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチル
ホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキ
シエチルホスフェート等の脂肪族リン酸エステル、ある
いはトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニ
ルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ト
リ(p−ヒドロキシ)フェニルホスフェート、トリ(p
−メトキシ)フェニルホスフェート等の芳香族リン酸エ
ステルが挙げられるが、中でも芳香族リン酸エステルが
好ましく、特に好ましくは下記一般式(V)で表される
化合物である。また、成形品のブリードアウトを防止す
るためには融点が100℃以上のものがより好ましい。
【0011】
【化6】
【0012】式(V)中、R8 、R9 、R10、R11、R
12、R13はそれぞれ水素原子、水酸基、炭素数4以下の
アルキル基、アルコキシ基のいずれかを示し、好ましく
は水素原子またはアルキル基、特にはメチル基、R
14は、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基の
いずれかを示し、好ましくはフェニル基を示し、R14
結合位置はパラまたはメタ位が好ましく、より好ましく
はパラ位であり、具体的には1,3−フェニレン基、
1,4−フェニレン基、4,4′−ビフェニレン基、
1,4−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基等が挙げ
られる。
【0013】リン酸エステル系難燃剤の添加量はポリエ
ステル樹脂100重量部に対して1〜40重量部であ
り、好ましくは3〜25重量部、更に好ましくは5〜2
0重量部、特に好ましくは8〜20重量部である。リン
酸エステル系難燃剤の添加量が1重量部より少ないと難
燃性が不十分になり、40重量部より多いとポリマーの
物性が著しく低下する。本発明における成分(B)シア
ヌル酸メラミンとしては、シアヌル酸とメラミンの等モ
ル反応物であって、例えばシアヌル酸の水溶液とメラミ
ンの水溶液とを混合し、90〜100℃の温度で撹拌下
反応させ、生成した沈殿を濾過することによって得るこ
とができる。シアヌル酸メラミンのアミノ基は次式で示
される基
【0014】
【化7】
【0015】で置き替えられていてもよく、水酸基は−
O−R17で示される基で置き替えられていてもよい。式
中、R15,R16,R17はそれぞれ水素原子、置換基を有
していてもよい炭素数1〜20の、アルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基を示し、該置換基としてはアミ
ノ基、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、スルホン酸
基が挙げられる。成分(B)としては、R15〜R17がい
ずれも水素原子であるシアヌル酸メラミンが好適に用い
られる。シアヌル酸メラミンの添加量はポリエステル樹
脂100重量部に対して1〜40重量部であり、好まし
くは3〜25重量部、更に好ましくは5〜20重量部、
特に好ましくは8〜20重量部である。シアヌル酸メラ
ミンの添加量が1重量部より少ないと難燃性が不十分に
なり、40重量部より多いとポリマーの物性が著しく低
下する。
【0016】また、リン酸エステル系難燃剤とシアヌル
酸メラミンの合計量がポリエステル樹脂100重量部に
対して15重量部以上の場合、難燃性が十分となり好適
である。リン酸エステル系難燃剤とシアヌル酸メラミン
の比率は、特に限定されるものではないが、通常1対1
0から10対1、中でも5対10から10対5が好まし
い。成分(C)としては、分子内に3以上の水酸基を有
し、水酸基濃度が1.0×10-3当量/g以上である化
合物であり、好ましくは分子内に3以上の水酸基を有
し、水酸基濃度が1.0×10-3当量/g以上であり、
1以上の下記一般式(I)で表されるα,β−ジオール
構造
【0017】
【化8】
【0018】を有する化合物、さらには、分子内に3以
上の水酸基を有し水酸基濃度が1.0×10-3当量/g
以上である下記一般式(II)で表される化合物であるこ
とが好ましい。
【0019】
【化9】
【0020】式(II)中、R1 、R2 はそれぞれ水素原
子または炭素数3以下のアルキル基を示す。R3 は1以
上の水酸基を有する、アルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を示
し、好ましくは水酸基で置換されたアルキル基を示す。
4 は水素原子、または置換基を有していてもよい、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ
基若しくはアリールオキシ基を示す。置換基としては水
酸基、エーテル基、エポキシ基、カルボキシル基、カル
ボニル基、エステル基、アミノ基等が挙げられる。R4
は、水素原子または置換基を有するアルキル基であるこ
とが好ましく、更に好ましくは水酸基またはエポキシ基
で置換されたアルキル基である。またR3 とR4 は互い
に結合し、任意の位置に水酸基を有する環を形成してい
てもよい。
【0021】このような式(II)で示される化合物とし
ては、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、
1,2,4−ブタントリオール、エリスリトール、リビ
トール、キシリトール、ズルシトール、ソルビトール等
の直鎖状多価アルコール、1,2,3−シクロヘキサン
トリオール、イノシトール等の環状多価アルコール、グ
ルコース、ガラクトース、マンノース、ガラツロン酸、
キシロース、グルコサミン、ガラクトサミン等の糖類な
とが挙げられ、中でも直鎖状多価アルコールが好まし
く、特には炭素数4以上の直鎖状多価アルコールが好適
に用いられる。また、化合物(C)としては、下記一般
式(III)、(IV)で表される構造を有する化合物を好適
に用いることができる。
【0022】
【化10】
【0023】式(III)中、R5 は水酸基を有する炭素
数30以下の、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基、アルコキシ基またはアリールオキシ基を示し、好
ましくはアルキル基である。R6 は置換基を有していて
もよい炭素数30以下の、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基
を示す。置換基としては水酸基、エーテル基、エポキシ
基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アミ
ノ基等が挙げられる。R6 は水素原子、または置換基を
有するアルキル基であることが好ましく、更には水酸基
またはエポキシ基で置換されたアルキル基が好適であ
る。
【0024】
【化11】 式(IV)中、R7 は水酸基を有する炭素数30以下の、
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキ
シ基またはアリールオキシ基を示し、アルキル基が好ま
しい。
【0025】式(III)で表される化合物としては、1,
1,2,2−テトラメチロールシクロヘキサン、1,
1,1−トリメチロールプロパン、1,1,2−トリメ
チロールプロパン、1,1,1−トリメチロールブタ
ン、1,1,2−トリメチロールブタン、1,1,1−
トリメチロールペンタン、1,1,2−トリメチロール
ペンタン、1,2,2−トリメチロールペンタン、トリ
メチロールペンタン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール等が挙げられ、中でも1,1,1−トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトールが好ましく、特にはペンタエリスリトー
ルが好ましい。
【0026】式(IV)で表される化合物としては、1,
1,3,3−テトラヒドロキシプロパン、1,1,5,
5−テトラヒドロキシペンタン、2,2,6,6−テト
ラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2,2,
6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサ
ノール等が挙げられる。水酸基含有高分子化合物として
は、水酸基濃度が1.0×10-3当量/g以上であれば
よく、例えば多糖類、ポリビニルアルコール、ポリ(エ
チレン−co−ビニルアルコール)等が用いられる。多
糖類としては上記糖類の重合体が使用され、セルロー
ス、アミロース、アミロペクチン、キシラン、カードラ
ン等が挙げられ、特にはセルロース等のグルコース重合
体が好ましい。
【0027】本発明における成分(C)の水酸基濃度と
は、成分(C)1分子中に含まれる水酸基の総数Nを成
分(C)の分子量Wで除した数値で、以下の式で表され
る。
【0028】
【数1】水酸基濃度=N/W(当量/g)
【0029】成分(C)中の該濃度は1.0×10-3
量/g以上、好ましくは5.0×10-3当量/g以上、
特に好ましくは10.0×10-3である。水酸基濃度が
1.0×10-3当量/gより少ないと難燃効果が小さく
なる。(C)の添加量はポリエステル樹脂100重量部
に対し、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜3重量
部である。添加量が0.1重量部未満では顕著な難燃性
向上効果が得られず、5重量部より多いとポリマーの物
性が低下する。
【0030】本発明の組成物は、他の慣用の成分、例え
ば熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯
電防止剤、防腐剤、接着促進剤、着色剤、結晶化促進
剤、充填剤、ガラス繊維、炭素繊維、発泡剤、滑剤、殺
菌剤、可塑剤、離型剤、増粘剤、防滴剤、衝撃性改良
剤、発煙抑制剤などを含み得る。本発明による組成物は
公知の方法により得ることができ、例えばブレンダーや
ミキサーなどを用いてドライブレンドする方法、押出機
を用いて溶融混合する方法などが挙げられるが、通常ス
クリュー押出機を用い溶融混合してストランドに押し出
し、ペレット化するのがよい。本発明のポリエステル樹
脂組成物は、射出成形、押出成形、圧縮成形などの種々
の成形法で容易に成形でき、難燃性が高く機械的性質に
優れているので利用価値が大きい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施
例に限定されるものではない。なお、実施例中「部」は
「重量部」を示す。また、難燃性についてはアンダーラ
イターズラボラトリーズ(Underwriter’s
Laboratories Inc.)のUL−94
規格垂直燃焼試験、または限界酸素指数(LOI:AS
TM D−2863,JIS K7201)を測定する
ことにより評価した。
【0032】ポリマーの凝固点(Tc)は、デュポン社
製DSC(TA−2000)を用いて、窒素雰囲気下、
サンプル約10mgを16℃/minで260℃まで昇
温、その状態で5分間保持した後、降温速度16℃/m
inで30℃まで降温して測定した。プレートアウトの
状態は目視で調べた。
【0033】〔実施例1〜3〕固有粘度0.85のポリ
ブチレンテレフタレート(三菱化成(株)製、商品名ノ
バドゥール)と構造式(A)で表されるリン酸エステル
化合物、シアヌル酸メラミン、エリスリトールを表−1
に示す割合でブレンドし、これを30mmのベントタイ
プ2軸押出機を用いて250℃で混練してストランドに
押し出し、ペレット化した。このペレットを射出成形機
(日本製鋼所(株)製、J28SA型)と、UL94燃
焼試験片用および限界酸素指数用金型を用い、成形温度
250℃、金型温度85℃で成形を行った。評価結果を
表−1に示す。
【0034】
【化12】
【0035】〔実施例4〕実施例2においてエリスリト
ールの代わりにイノシトールを用いた以外は実施例2と
全く同様の方法により成形物を得た。
【0036】〔実施例5〕実施例2においてエリスリト
ールの代わりにセルロースを用いた以外は実施例2と全
く同様の方法により成形物を得た。
【0037】〔実施例6〕実施例2においてエリスリト
ールの代わりにペンタエリスリトールを用いた以外は実
施例2と全く同様の方法により成形物を得た。
【0038】〔実施例7〕実施例2においてエリスリト
ールの代わりに1,1,1−トリメチロールプロパンを
用いた以外は実施例2と全く同様の方法により成形物を
得た。
【0039】〔実施例8〕実施例2においてエリスリト
ールの代わりに下式で表される2,2,6,6−テトラ
キス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール(THM
CH)を用いた以外は実施例2と全く同様の方法により
成形物を得た。
【0040】
【化13】
【0041】〔実施例9〕実施例2においてリン酸エス
テル系難燃剤として下記構造式(B)で表される化合物
を用いた他は、実施例2と全く同様の方法により成形物
を得た。
【0042】
【化14】
【0043】〔実施例10〕実施例2においてリン酸エ
ステル系難燃剤として下記構造式(C)で表される化合
物を用いた他は、実施例2と全く同様の方法により成形
物を得た。
【0044】
【化15】
【0045】〔比較例1〜3〕固有粘度0.85のポリ
ブチレンテレフタレート(三菱化成(株)製、商品名ノ
バドゥール)と前記構造式(A)で表されるリン酸エス
テル化合物、シアヌル酸メラミンを表1に示す割合でブ
レンドし、これを30mmのベントタイプ2軸押出機を
用いて250℃で混練してストランドに押し出し、ペレ
ット化した。
【0046】〔比較例4〕比較例1において、リン酸エ
ステル化合物とシアヌル酸メラミンとを用いる代わり
に、難燃剤としてシアヌル酸メラミンを25.0部用い
る以外は比較例1と同様の方法によりペレット化及び成
形をした。
【0047】〔比較例5〕比較例1において、リン酸エ
ステル化合物とシアヌル酸メラミンを用いる代わりに、
難燃剤としてメラミンを25.0部用いる以外は比較例
1と同様の方法によりペレット化及び成形をした。
【0048】〔比較例6〕比較例1において、リン酸エ
ステル化合物とシアヌル酸メラミンを用いる代わりに、
難燃剤としてシアヌル酸を25.0部用いる以外は比較
例1と同様の方法によりペレット化及び成形をした。
【0049】〔比較例7〕比較例6においてシアヌル酸
を25.0部用いる代わりに難燃剤としてシアヌル酸1
2.5部とメラミン12.5部とを用い、比較例6と同
様の方法によりペレット化及び成形をした。
【0050】〔比較例8〕比較例1において、難燃剤と
して構造式(A)で表されるリン酸エステル化合物を2
5.0部用い、シアヌル酸メラミンを用いなかった以外
は比較例1と全く同様の方法によりペレット化し成形物
を得た。
【0051】〔比較例9〕比較例8において、構造式
(A)で表されるリン酸エステル化合物の代わりに難燃
剤として構造式(B)で表されるリン酸エステル化合物
を用いる以外は比較例8と全く同様の方法によりペレッ
ト化し成形物を得た。
【0052】〔比較例10〕比較例8において、構造式
(A)で表されるリン酸エステル化合物の代わりに難燃
剤として構造式(C)で表されるリン酸エステル化合物
を用いる以外は比較例8と全く同様の方法によりペレッ
ト化し成形物を得た。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物は、成
形加工時の腐食性ガスの発生や、燃焼時の刺激性ガス、
腐食性ガス、黒煙の発生が飛躍的に抑制され、さらに、
成形時や長期使用時に昇華物や分解生成物が生じないの
で、電気・電子部品の接点特性の低下や、接点特性の低
下もなく、難燃性、低発煙性及び機械的性質に優れると
いう利点を有する。また、本発明の電気または電子部品
は、難燃性、低発煙性及び機械的性質に優れ、電気また
は電子製品の部品として有用である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル樹脂100重量部に 成分(A):リン酸エステル系難燃剤 1〜40重量部 成分(B):シアヌル酸メラミン 1〜40重量部 成分(C):分子内に3以上の水酸基を有し、水酸基濃度が1.0×10-3当 量/g以上である化合物 0.1〜5重量部 を含有してなることを特徴とするポリエステル樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 成分(C)の分子内に3以上の水酸基を
    有し、水酸基濃度が1.0×10-3当量/g以上である
    化合物が、分子内に3以上の水酸基を有し、水酸基濃度
    が1.0×10-3当量/g以上であり、分子内に1以上
    の下記一般式(I)で表されるα,β−ジオール構造 【化1】 を有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の
    ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(C)の分子内に3以上の水酸基を
    有し、水酸基濃度が1.0×10-3当量/g以上である
    化合物が、下記一般式(II)で表される化合物であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載のポリエステル樹脂組成
    物。 【化2】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ水素原子または炭素数3
    以下のアルキル基を示し、R3 は1以上の水酸基を有す
    る、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
    コキシ基またはアリールオキシ基を示し、R4 は水素原
    子または置換基を有していてもよい、アルキル基、シク
    ロアルキル基、アリール基、アルコキシ基若しくはアリ
    ールオキシ基を示し、R3 とR4 は互いに結合し、任意
    の位置に水酸基を有する環を形成していてもよい。)
  4. 【請求項4】 (C)成分の分子内に3以上の水酸基を
    有し、水酸基濃度が1.0×10-3当量/g以上である
    化合物が、水酸基含有高分子化合物であることを特徴と
    する請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 水酸基含有高分子化合物が、多糖類であ
    ることを特徴とする請求項4に記載のポリエステル樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 成分(C)の分子内に3以上の水酸基を
    有し、水酸基濃度が1.0×10-3当量/g以上である
    化合物が、下記一般式(III)で表される化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリエステル樹脂組成
    物。 【化3】 (式中、R5 は1以上の水酸基を有する炭素数30以下
    の、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アル
    コキシ基またはアリールオキシ基を示し、R6 は置換基
    を有していてもよい炭素数30以下の、アルキル基、シ
    クロアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリ
    ールオキシ基を示す。)
  7. 【請求項7】 成分(C)の分子内に3以上の水酸基を
    有し、水酸基濃度が1.0×10-3当量/g以上である
    化合物が、下記一般式(IV)で表される化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリエステル樹脂組成
    物。 【化4】 (式中、R7 は水酸基を有する炭素数30以下の、アル
    キル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基
    またはアリールオキシ基を示す。)
  8. 【請求項8】 成分(A)のリン酸エステル系難燃剤
    が、下記一般式(V)で表される化合物であることを特
    徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のポリエス
    テル樹脂組成物。 【化5】 (式中、R8 、R9 、R10、R11、R12、R13はそれぞ
    れ水素原子、水酸基、炭素数4以下のアルキル基、アル
    コキシ基のいずれかを示し、R14はフェニレン基、ビフ
    ェニレン基またはナフチレン基を示す。)
  9. 【請求項9】 ポリエステル樹脂が、ポリアルキレンテ
    レフタレートであることを特徴とする請求項1ないし8
    のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか記載のポ
    リエステル樹脂組成物を成形してなることを特徴とする
    電気または電子部品。
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