JP2000290479A - 難燃性ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる成形品 - Google Patents
難燃性ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる成形品Info
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Abstract
リエステル樹脂を得る。 【解決手段】(A)熱可塑性ポリエルテル樹脂100重
量部に対し、(B)特定のリン酸エステル系化合物5〜
30重量部と(C)シアヌル酸及び/またはその誘導体
あるいはテトラゾール系化合物5〜70重量部、及び
(D)ホウ素系化合物1〜50重量部を混ぜ合わせて得
られた難燃性樹脂組成物。
Description
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン2,6ナフタレートなどに代表される
熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及び、それを成形して
なる成形品に関し、具体的にはモーターのカバーなどの
ケース部材、トランス部材、コネクター、スイッチ、リ
レー、コイルボビンなどの電気、電子機器部品、自動車
部品、機械部品などの成形品として好適である。
可燃性であるため、工業用材料として使用するためには
一般の化学的・物理的特性のバランスがとれていること
が必要である。すなわち、安全性、特に難燃性が要求さ
れる場合が多い。一般的に熱可塑性ポリエステル樹脂を
難燃化する方法として、ハロゲン系化合物を難燃剤とし
て、さらにはアンチモン化合物を難燃助剤として配合す
る方法がある。
モン化合物を用いる組成物は、燃焼時の発煙が非常に多
い。また、加工時、ハロゲン化水素ガスを発生し、金型
を腐食させるなどの問題がある。特に最近では、環境保
護の観点から、ハロゲン系化合物の使用を抑制する方向
に向かいつつある。
が要求されてきている。非ハロゲン難燃ポリエステルと
して、リン酸エステルやシアヌル酸メラミンを用いたも
のが提案されている(特開平3−281652号、特開
平5−70671号、特開平6−157880号、特開
平7−304959号公報)。しかしながら、これらの
方法では、燃焼時に生じる滴下(ドリップ)により延焼
が起こるため難燃性は不十分であり、機械特性について
も問題があった。
ップによる延焼を抑えた非ハロゲン難燃ポリエステル樹
脂を得ることである。
塑性ポリエルテル樹脂100重量部に対して、(B)特
定のリン酸エステル系化合物5〜30重量部と(C)シ
アヌル酸及び/またはその誘導体あるいはテトラゾール
系化合物5〜70重量部及び(D)ホウ素系化合物1〜
50重量部を混ぜ合わせて得られた難燃性樹脂組成物、
あるいはこの組成物を射出成形などによって加工した成
形品を用いることによって達成される。
ル樹脂としては、ジオール(あるいはそのエステル形成
性誘導体)とジカルボン酸(あるいはそのエステル形成
性誘導体)とのポリエステル樹脂でジオール成分、ジカ
ルボン酸成分ともに、下記化合物をおのおの単独あるい
は混合して使用しても良い。
ステル樹脂のジオール成分としては、エチレングリコー
ル、プロピレン1,2−グリコール、プロピレン1,3
−グリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタ
ンジオール、ヘキサン1,6−ジオール、オクタン1,
8−ジオール、ネオペンチルグリコール、デカン1,1
0−ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコールなどの脂肪族ジオールが挙げられる。好適な脂
肪族ジオールとしてはエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオールが用いられる。
クロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げら
れる。これらの脂環族ジオールはシスまたはトランス立
体配置のいずれか、または両者の混合物として使用でき
る
ン、ハイドロキノン、ナフタレンジオールなどの芳香族
2価フェノール類、分子量400〜6000のポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコールやテトラメ
チレングリコールなどのポリグリコール類、ビスフェノ
ールAなども挙げられる。また、上述したジオール成分
は、ジ酢酸エステルやジプロピオン酸エステルなどのジ
エステルであっても良い。
酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、2,2’−ビフェ
ニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン
酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルエーテルジカルボン酸、1,5−ナフタレンジ
カルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸や1,2−ジ(4−カルボキ
シフェニル)エタンなどの芳香族ジカルボン酸類、アジ
ピン酸、琥珀酸、蓚酸、マロン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸などの脂肪族および脂環族ジカルボン
酸類などが挙げられる。また、上記成分はエステル誘導
体であっても良く、例えば、メチルやエチルなどのアル
キルエステルやフェノールやクレゾールなどのアリール
エステルなどが挙げられる。好適なジカルボン酸にはテ
レフタル酸やナフタレンジカルボン酸が用いられる。
しては、カプロラクトンのように1分子中に水酸基とカ
ルボキシル基を有する化合物を用いても良い。また、2
種類以上ジオールあるいはジカルボン酸を組み合わせて
も良い。得られたポリエステル樹脂は単独で使用して
も、組み合わせても良い。具体例としては、ブチレンテ
レフタレートとダイマー酸の共重合ポリエステル樹脂が
挙げられる。
脂、ブチレンテレフタレートにダイマー酸などを共重合
させた共重合ポリエステル樹脂、さらにポリブチレンテ
レフタレートと共重合ポリエステル樹脂の混合物が特に
好ましい。
は、[化2]で表される化合物である。
を示す。)
しては、[化3]、[化4]で表される化合物が例示さ
れる。このうち好適な(B)リン酸エステル系化合物は
[化3]で表される化合物である。
は、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対
して5〜30重量部、好ましくは5〜20重量部であ
る。配合量が5重量部未満では十分な難燃性を付与する
ことができなく、30重量部を超えると成形品の引張強
度が著しく低下するばかりでなく、リン酸エステル系化
合物が成形品表面にブリードアウトし、成形品の商品価
値を下げる。特に5〜20重量部の配合量が難燃性と引
張強度のバランスが良くなり好適である。
たはその誘導体としては、シアヌル酸、イソシアヌル
酸、トリメチルシアヌレート、トリスメチルイソシアヌ
レート、トリエチルシアヌレート、トリエチルイソシア
ヌレート、トリ(n−プロピル)シアヌレート、トリ
(n−プロピル)イソシアヌレート、ジエチルシアヌレ
ート、N,N’−ジエチルイソシアヌレート、メチルシ
アヌレート、メチルイソシアヌレートなどがあり、これ
らとメラミン、尿素などとの付加物も含まれる。このう
ち、難燃効果の点から、好適にはメラミンシアヌレート
が用いられる。
の具体例としては、5,5’−ビステトラゾール2−ア
ンモニウム、5,5’−ビステトラゾール2−アミノグ
アニジン、5,5’−ビステトラゾールピペラジンが例
示される。
あるいはテトラゾール系化合物の配合量は、熱可塑性ポ
リエステル樹脂100重量部に対して、5〜70重量
部、好ましくは5〜50重量部である。配合量が5重量
部未満では、これらの化合物の配合による難燃効果が十
分ではなく、70重量部を超えると成形品の機械特性を
低下させるため好ましくない。特に5〜50重量部の配
合量が難燃性と機械特性のバランスが最も良くなるので
好ましい。
体例としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、
酸化ホウ素、ホウ酸塩、ホウ酸エステル、フェニルホウ
酸、またはボロキシンなどである。このうち、難燃効果
と低発煙効果の点から好適にはホウ酸亜鉛が用いられ
る。
熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、1〜
50重量部、好ましくは1〜30重量部である。配合量
が1重量部未満では難燃効果が不十分であり、50重量
部を超えると成形品の機械特性を低下させてしまうばか
りでなく、反って延焼を助長するため、難燃性を低下さ
せてしまう。特に1〜30重量部の配合量が難燃性と機
械特性のバランスが最も良くなるので好ましい。
は、本発明の目的を損なわない範囲で、ガラス繊維、ガ
ラスビーズ等の強化充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、各
種エラストマーなどの衝撃改良剤、核剤、可塑剤、離型
剤、酸化チタンやカーボンブラック等の顔料、染料等の
通常使用される添加剤をさらに添加しても良い。
製造方法は、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂、リン
酸エステル、シアヌル酸系化合物、ホウ素系化合物など
を各種フィーダーや液添装置等によって、エクストルー
ダーに供給、溶融混練する方法が挙げられる。
は、射出成形、押出成形等で成形することができる。
用いた成形品としては、電気・電子部品などがあり、例
えばスイッチ、コネクター、プラグ、モーター部品、ハ
ウジングなどが適している。
用いる事無く優れた難燃性と機械特性を有する難燃性ポ
リエステル樹脂組成物、及びその成形品を得ることがで
きる。
は単なる例示であり、本発明はこれに限定されるもので
はない。なお、実施例中「部」とは「重量部」を示す。
各特性の測定方法は以下の通りである。
638に従い引張伸度を、アイゾット衝撃試験片(1/
4インチ)についてはASTM−D256に従い衝撃強
度を測定した。
ンチ)についてUnderwriters Labor
atories社の安全標準UL94によって定められ
ている難燃性を評価した。難燃性レベルはV−0>V−
1>V−2>HBの順に低下する。また、このいずれに
も属さない結果については「規格外」とした。
ブチレンテレフタレート樹脂(カネボウ合繊(株)製
PBT124)100重量部に対して、表1に示すよう
に各種のリン酸エステル系化合物、シアヌル酸及び/ま
たはその誘導体あるいはテトラゾール系化合物およびホ
ウ素系化合物をエクストルーダーを使用して220〜2
50℃で混練し、ストランドを押出してカッターにより
チップ化した。
燥後、シリンダー温度235〜245℃、金型温度80
℃の条件で、ASTM−D638に規定されている引張
試験片、ASTM−D256に規定されているアイゾッ
ト衝撃試験片およびUL94に基づく燃焼試験片を射出
成形により作製した。
定結果は[表1]にまとめて示す。
フタレート樹脂(カネボウ合繊(株)製)、P0212
0とはダイマー酸共重合ポリエステル樹脂(カネボウ合
繊(株)製)、リン酸エステル1とは[化5]で表され
る縮合リン酸エステル(旭電化(株)製;アデカスタブ
PFR)、リン酸エステル2とは[化6]で表される縮
合リン酸エステル(大八化学(株)製;PX200)で
ある。またシアヌル酸化合物としてメラミンシアヌレー
ト(OMV chemie社製)、ホウ素系化合物とし
てホウ酸亜鉛(冨田製薬(株)製 2335)を用い
た。
レフタレート樹脂を[表1]に示すように種類および配
合を変化させ、実施例1と同様にしてチップ化した。
ポリエステル樹脂を本発明におけるリン酸エステル系化
合物、シアヌル酸塩またはテトラゾール系化合物、ホウ
素系化合物を配合することで、燃焼試験の結果でUL9
4 V−0に相当する高い難燃性を示した。また、発煙
量も少なくなった。さらに、絶縁耐久性である耐トラッ
キング性にも優れていた。
配合量が多いと引張伸度、衝撃強度とも実施例1に著し
く劣る。また、比較例2より、配合量が少ないと難燃性
はV−2相当に低下する。
ないと難燃性能が十分でない。また、比較例4より、シ
アヌル酸塩の配合量が多いと引張伸度、衝撃強度ともに
実施例に比べ明らかに劣る。
多いと燃焼時間が長くなるために、UL94の規格外へ
難燃性レベルを低下させた。また、比較例6より、ホウ
素系化合物の配合量が少ないと難燃性はUL94のV−
2相当となり、実施例に比べ劣る。
Claims (4)
- 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂100
重量部に対して、(B)化学式[化1]で表されるリン
酸エステル系化合物5〜30重量部と(C)シアヌル酸
及び/またはその誘導体あるいはテトラゾール系化合物
5〜70重量部及び(D)ホウ素系化合物1〜50重量
部を配合した難燃性樹脂組成物。 【化1】 (式中、Xは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基
を示す。) - 【請求項2】 前記成分の(C)がメラミンシアヌレー
トである請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記成分の(D)がホウ酸亜鉛である請
求項1又は請求項2に記載の難燃樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組
成物からなる成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11101101A JP2000290479A (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | 難燃性ポリエステル樹脂組成物及びそれからなる成形品 |
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Publications (1)
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ID=14291706
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2000290479A (ja) |
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---|---|---|---|---|
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US11401416B2 (en) | 2017-10-17 | 2022-08-02 | Celanese Sales Germany Gmbh | Flame retardant polyamide composition |
-
1999
- 1999-04-08 JP JP11101101A patent/JP2000290479A/ja active Pending
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