JP2002284974A - 難燃性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
難燃性ポリエステル樹脂組成物Info
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Abstract
配合した際の機械物性の低下を抑制しつつ、耐加水分解
性を向上させた難燃性ポリエステル樹脂組成物を得る。 【解決手段】(A)熱可塑性ポリエルテル樹脂100重
量部に対して、(B)特定のリン酸エステル系化合物5
〜30重量部と(C)カルボジイミド化合物0.5〜5
重量部を配合して得られた難燃性樹脂組成物。 【化1】
Description
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどに代表さ
れる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物に関する。
可燃性であるため、工業用材料として使用するためには
一般の化学的・物理的特性のバランスがとれていること
が必要である。すなわち、安全性、特に難燃性を要求さ
れる場合が多い。一般的に熱可塑性ポリエステル樹脂を
難燃化する方法として、ハロゲン系化合物を難燃剤とし
て、さらにはアンチモン化合物を難燃助剤として配合す
る方法がある。
スを発生し、金型を腐食させるなどの問題がある。ま
た、ハロゲン系化合物やアンチモン化合物を用いる組成
物は、燃焼時の発煙が非常に多い上、不完全燃焼した場
合、発ガン性を有する猛毒のダイオキシンおよびフラン
類が発生することが分かっている。最近では、環境保護
の観点から、ハロゲン系化合物の使用を抑制する方向に
向かいつつある。
が要求されてきている。非ハロゲン系難燃ポリエステル
として、リン酸エステルやシアヌル酸メラミンを用いた
ものが提案されている(特開平3−281652号、特
開平5−70671号、特開平6−157880号、特
開平7−304959号公報)。しかしながら、これら
の方法では、リン酸エステルが可塑剤として働くため機
械特性が低下する問題があった。また、ポリエステルは
加水分解し易い上、リン酸エステルについてもポリエス
テル以上に加水分解速度が速く、両者の混合物は実用に
耐えられなかった。
ロゲン系難燃剤を熱可塑性ポリエステルに配合した際の
機械特性の低下を抑制しつつ、耐加水分解性を向上させ
た難燃性ポリエステル樹脂組成物を得ることである。
塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、(B)特
定のリン酸エステル系化合物5〜30重量部と(C)カ
ルボジイミド化合物0.5〜5重量部を配合して得られ
た難燃性ポリエステル樹脂組成物によって達成される。
ル樹脂は、ジオール(あるいはそのエステル形成性誘導
体)とジカルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導
体)とのポリエステル樹脂である。ジオール成分、ジカ
ルボン酸成分としては、下記化合物をおのおの単独ある
いは混合物で使用するが出来る。
ステル樹脂のジオール成分としては、エチレングリコー
ル、プロピレン−1,2−グリコール、プロピレン−
1,3−グリコール、1,4−ブタンジオール、2,3
−ブタンジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、オク
タン−1,8−ジオール、ネオペンチルグリコール、デ
カン−1,10−ジオール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコールなどの脂肪族ジオールが挙げられ
る。好適な脂肪族ジオールとしてエチレングリコール、
1,4−ブタンジオールが用いられる。
1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールな
どが挙げられる。これらの脂環族ジオールはシスまたは
トランス立体配置のいずれか、または両者の混合物とし
て使用できる
ゾルシン、ハイドロキノン、ナフタレンジオールなどの
芳香族2価フェノール類、分子量400〜6000のポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコールやテ
トラメチレングリコールなどのポリグリコール類、ビス
フェノールAなども挙げられる。
酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸や1,2−ジ(4−カルボキシフェニル)
エタンなどの芳香族ジカルボン酸類、アジピン酸、琥珀
酸、蓚酸、マロン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸などの脂肪族および脂環族ジカルボン酸類、その他
ダイマー酸などが挙げられる。また、上記成分はエステ
ル誘導体であっても良く、例えば、メチルやエチルなど
のアルキルエステルやフェノールやクレゾールなどのア
リールエステルなどが挙げられる。好適なジカルボン酸
にはテレフタル酸やナフタレンジカルボン酸が用いられ
る。
しては、2種類以上のジオールあるいはジカルボン酸を
組み合わせても良い。得られたポリエステル樹脂は単独
で使用しても、組み合わせても良い。具体例としては、
ブチレンテレフタレートとダイマー酸の共重合ポリエス
テル樹脂が挙げられる。
脂、ブチレンテレフタレートにダイマー酸などを共重合
させた共重合ポリエステル樹脂、さらにポリブチレンテ
レフタレートと共重合ポリエステル樹脂の混合物が特に
好ましい。
は、化学式2で表される化合物である。
を示す。)
しては、化学式3、化学式4で表される化合物が例示さ
れる。このうち好適な(B)リン酸エステル系化合物は
化学式3で表される化合物である。
を示す。)
を示す。)
は、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対
して5〜30重量部、好ましくは5〜20重量部であ
る。配合量が5重量部未満では十分な難燃性を付与する
ことができなく、30重量部を超えると成形品の引張強
度が著しく低下するばかりではなく、加水分解試験後の
引張強度も大きく低下する。特に5〜20重量部の配合
量が難燃性と機械強度のバランスが良くなり好適であ
る。
物とは、分子内に(−N=C=N−)で表される官能基
を有する化合物であり、好ましい具体例としては日清紡
(株)製のカルボジライトHMV−8CAが挙げられ
る。
熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.
5〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。配
合量が0.5重量部未満では、これらの化合物の配合に
よる機械特性改善効果や耐加水分解性向上の効果が充分
ではない。また、5重量部を超えると成形時、可塑化装
置内で滞留する熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の熔融
粘度が急激に上昇してゲル化し、成形不能となる。特に
0.5〜3重量部の配合量が機械強度と加水分解性双方
の改善のバランスが最も良くなるので好ましい。
は、本発明の目的を損なわない範囲で、ガラス繊維、ガ
ラスビーズ等の強化充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、各
種エラストマーなどの衝撃改良剤、核剤、可塑剤、離型
剤、酸化チタンやカーボンブラック等の顔料、染料等の
通常使用される添加剤をさらに添加しても良い。
製造方法は、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂、リン
酸エステル、カルボジイミド化合物などを各種フィーダ
ーや液添装置等によって、エクストルーダーに供給、溶
融混練する方法が挙げられる。
は、射出成形、押出成形等で成形することができる。
用いる事無く、難燃性を示し、さらに機械特性の低下が
わずかで、耐加水分解性が改善された難燃性ポリエステ
ル樹脂組成物を得ることが出来る。
は単なる例示であり、本発明はこれに限定されるもので
はない。なお、実施例中「部」とは「重量部」を示す。
各特性の測定方法は以下の通りである。
638に従い引張強度を測定した。
4mm)についてUnderwriters Labo
ratories社の安全標準UL94によって定めら
れているとおり難燃性を評価した。難燃性レベルはV−
0>V−1>V−2>HBの順に低下する。また、この
いずれにも属さない結果については「規格外」とした。
いて、100%加圧下120℃、24時間試験を行い自
然冷却後引張強度を測定した。
製 ;PBT124)100重量部に対して、表1に示
すように各種のリン酸エステル系化合物、カルボジイミ
ド化合物(日清紡(株)製 ;HMV−8CA)をエク
ストルーダーを使用して220〜240℃で混練し、ス
トランドを押出してカッターによりチップ化した。
燥後、シリンダー温度235〜245℃、金型温度80
℃の条件で、ASTM−D638に規定されている引張
試験片、UL94に基づく燃焼試験片を射出成形により
作製した。
定結果は表1にまとめて示す。
フタレート樹脂(カネボウ合繊(株)製)、リン酸エス
テル1とは化学式5で表される縮合リン酸エステル(大
八化学(株)製 ;PX200)、リン酸エステル2と
は化学式6で表される縮合リン酸エステル(旭電化
(株)製 ;アデカスタブPFR)である。
類および配合を変化させ、実施例1と同様にしてチップ
化した。
ステル樹脂を本発明におけるリン酸エステル系化合物、
カルボジイミド化合物を配合することで、燃焼試験の結
果でUL94 V−2に相当する難燃性を示した。ま
た、加水分解試験後の引張強度についても、初期とほぼ
同等の引張強度を維持することができた。また、発煙量
も少なくなった。
物の配合量が多いと引張強度は初期、加水分解試験後と
もに実施例1に比べ著しく劣り、逆に少ない場合、難燃
性は規格外に低下した。
の配合量が少ないと加水分解試験後の引張強度は試験前
と比べ著しく低下した。また、カルボジイミド化合物の
配合量が多いと難燃性は規格外へ低下した。
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリエステル樹脂100
重量部に対して、(B)化学式1で表されるリン酸エス
テル系化合物5〜30重量部と(C)カルボジイミド化
合物0.5〜5重量部を配合した難燃性ポリエステル樹
脂組成物。 【化1】 (式中、Xは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基
を示す。)
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---|---|---|---|
JP2001091817A JP2002284974A (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001091817A JP2002284974A (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002284974A true JP2002284974A (ja) | 2002-10-03 |
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ID=18946379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001091817A Pending JP2002284974A (ja) | 2001-03-28 | 2001-03-28 | 難燃性ポリエステル樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002284974A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003091344A1 (fr) * | 2002-04-24 | 2003-11-06 | Sony Corporation | Composition ignifugeante biodegradable et son procede de production |
JP2006063211A (ja) * | 2004-08-27 | 2006-03-09 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | 難燃延伸ポリエステルフィルム |
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WO2021177488A1 (ko) * | 2020-03-05 | 2021-09-10 | 주식회사 삼양사 | 난연성 및 내가수분해성이 우수한 폴리부틸렌테레프탈레이트 수지 조성물 및 그로부터 제조되는 성형품 |
-
2001
- 2001-03-28 JP JP2001091817A patent/JP2002284974A/ja active Pending
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