JPH087355Y2 - アーク炉用出鋼樋一体物構造体 - Google Patents

アーク炉用出鋼樋一体物構造体

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JPH087355Y2
JPH087355Y2 JP15031889U JP15031889U JPH087355Y2 JP H087355 Y2 JPH087355 Y2 JP H087355Y2 JP 15031889 U JP15031889 U JP 15031889U JP 15031889 U JP15031889 U JP 15031889U JP H087355 Y2 JPH087355 Y2 JP H087355Y2
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gutter
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alumina
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steel
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JP15031889U
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龍介 泉
浩一 秋久
暎 湊
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株式会社ヨータイ
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Description

【考案の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本考案はアーク炉用の出鋼樋に関するものである。
【従来の技術】
アーク炉の出鋼樋の耐火物は、出鋼の度に、溶鋼の熱
によって膨張と収縮を繰返して亀裂を生じたり、溶鋼と
スラグによって溶損・摩耗損傷を受けるので、定期的に
取り替えなければならない。従来のアーク炉用出鋼樋の
補修あるいは交換の方法を大別すると次のように分類で
きる。 炉前での直接施工によるもの。 −1.キャスタブルとかスタンプ材等の不定形耐火物
を施工する方式。 −2.煉瓦を施工する方式。 一体物構造体による方式 −1.流し込み成形もしくは振動成形によるプレキャ
ストブロック。 −2.ラミングにより成形したのち乾燥処理を施した
もの。 −3.定形煉瓦を使用して出鋼樋の形に組み立てたも
の。 出鋼樋の交換は高熱のため、作業環境が悪い。炉前で
の直接施工によるの方式は、古い耐火材の取りこわ
し、樋枠内壁面の清掃、樋枠内への不定形耐火物の施工
と乾燥あるいは新しい煉瓦のセットに長時間を要し効率
が悪いため、最近では余り行われていない。 出鋼樋の補修作業を簡略化できるので、一体物構造体
が多く採用されている。一体物構造体の大きさは電気炉
の容量に応じて変化し、長さは800〜4000m/m、重さは80
0〜4000kg程度となっている。出鋼樋一体物構造体は運
搬と施工の便および補強のため、通常第2図に示すよう
な補強金物6を備えている。補強金物は支持部7,吊部8,
締付部9を具備している。 −1のプレキャストブロックおよび−2のラミン
グ材によるブロックは、いずれも単一の構造体であるた
め、目地から溶鋼やスラグが滲透して損傷するという問
題がなく、主として耐食性の大小によって優劣がつけら
れていた。 −3の定形煉瓦を組み立てる方式についても、でき
るだけ個別の煉瓦のサイズを大きくして目地を少なくす
る努力が払われた。目地部分は別として、それぞれの個
別の煉瓦そのものは機械プレスにより高圧で成形されて
いるため緻密であり、前述の耐火材料のうち最も耐食性
に秀れている。 というわけで、出鋼樋は一時期、−1もしくは−
2の一体物ブロックが主流であった。なかでもプレキャ
ストブロックが大勢を占めた時期がある。ラミング成形
によるものは、製造時にラミネーションを生成して不均
一な組織となって耐用が安定しなかったのに対し、鋳込
成形によるプレキャストブロックは均一な施工体となり
耐用が安定していたからである。
【考案が解決しようとする課題】
ところが最近、電気炉の操業法に進展があり、出鋼温
度が上昇したり、オーバーチャージのため第3図に示す
ように鋼浴面10が高くなって、精錬時にも樋11が鋼浴に
さらされるようになった。また、シングルスラグ操業が
行われるようになると、溶解から精錬をへて出鋼するま
でスラグを掻き出さないので、出鋼までにスラグ量がど
んどん増えて行き、スラグライン12が出鋼樋11の中央を
越えるまでになり、樋の耐用が低下するようになった。
すなわち樋のうち出鋼口13側の溶損が大きくなった。 本考案者は上記従来の問題を解決するために種々検討
を重ねた結果、まずマグネシア・カーボン質不焼成煉瓦
が溶鋼とスラグに対して耐食性に優れていることを見出
した。 ところが、マグネシア・カーボン質不焼成煉瓦のみで
出鋼樋一体構造物をつくって実用テストを行なったとこ
ろ、出鋼口13側の耐食性に何ら問題はなかったが、樋先
部14の目地開きと地金付きのため、耐用の延長が期待し
た程ではなかった。 ついで、先端部をアルミナ・炭化珪素・黒鉛系低セメ
ントキャスタブルによるプレキャストブロックとし、炉
体側をマグネシア・カーボン質不焼成れんがとして実用
テストを行なったところ、樋先部14の目地開きの問題は
解消したものの相変わらず、先端に地金とスラグが付着
する問題が残った。地金とスラグをバールによって落と
す作業を行っているうちに先端が欠落して早期に廃却す
るに至ることになった。樋先部は他と違って二面加熱と
なるため、酸化が激しく、炭化珪素と黒鉛の働きが阻害
されたためと考えられる。 樋先端部にスラグとか地金が付着すると、溶鋼の流れ
が散らばりながら取鍋内に注入され、酸化による鋼品質
の低下をきたす上、溶鋼が取鍋縁部に落下付着し、あと
で清掃しなければならなくなる。また、取鍋の側壁部が
溶鋼流にさらされるため、側壁耐火物の寿命を低下させ
る問題もある。そこで出鋼の合間にこれ等を除去するわ
けであるが、この時、樋先端部を破損することがよくあ
る。 そこで本考案は、特に樋の先端部にスラグや地金が付
着することがなく、しかも樋の出鋼口側の溶損を抑える
ことができ、全体として耐用が安定したアーク炉用出鋼
樋一体物構造体を提供することを目的としてなされたも
のである。
【課題を解決するための手段・作用】
すなわち本考案のアーク炉用出鋼樋一体物構造体は、
その実施態様を示す第1図を参照して説明すると、樋先
が一つのプレキャストブロック1であり、炉体側が複数
の定形煉瓦2で形成されているアーク炉用出鋼樋一体物
構造体において、前記プレキャストブロック1が、アル
ミナ・ジルコン・窒化珪素系低セメントキャスタブルか
らなる湯離れのよい先端部分3と耐蝕性のよい炉体側部
分4とからなるように、異種材料を同時成形してなるプ
レキャストブロックであることを特徴とするものであ
る。 本考案におけるプレキャストブロック1の炉体側部分
4はアルミナ・炭化珪素・黒鉛系低セメントキャスタブ
ルが好ましい。炉体側の煉瓦部分2はマグネシア・カー
ボン質不焼成煉瓦を使用するのが好ましい。 アルミナ・ジルコン・窒化珪素系低セメントキャスタ
ブルからなる先端部分3とアルミナ・炭化珪素・黒鉛系
低セメントキャスタブルからなる炉体側部分4とは同時
に一体成形されているので目地に相当する継目がない特
長がある。5はプレキャストブロック1と煉瓦部分2の
境界である。この境界は出鋼樋の中央に近いので目地開
きの原因になりにくい。出鋼樋は片持ち状態で炉体に固
定されているので、樋の先に近い継ぎ目程、開いて地金
差しの原因になりやすい。また、この目地開きを防止す
るために使用する補強金物は樋の先に近い程、取鍋に移
した溶鋼の熱によって酸化し、その働きを途中で失いや
すい。 樋先のプレキャストブロック1をアルミナ・ジルコン
・窒化珪素系低セメントキャスタブルのみで造ったもの
は、炉体側の部分が、第3図に示したように電気炉15内
から溢れ出た溶鋼とスラグによって侵食されるため耐用
が短くなる。一般に、アルミナ・ジルコン・窒化珪素系
低セメントキャスタブルはアルミナ・炭化珪素・黒鉛系
低セメントキャスタブルにくらべて耐火度が低いので、
長時間にわたって溶鋼に曝すことができないのである。 次に、本考案で使用する耐火材の組成について詳述す
る。 先端部分3に使用するアルミナ・ジルコン・窒化珪素
系低セメントキャスタブルは、重量%で窒化珪素を5〜
20%含有し、アルミナを30〜60%含有するものが好まし
い。アルミナは全量もしくは一部分を炭化珪素と置換し
てもよい。アルミナと炭化珪素の合量が30〜60%の範囲
にあれば特性を発揮できる。アルミナは電融アルミナ、
焼結アルミナいずれも使用可能である。ジルコンはジル
コン含量が約95%のジルコンクリンカーがよい。アルミ
ナおよび/または炭化珪素の含量が30%以下では、樋先
が熱衝撃で割れやすい。60%以上では湯離れが悪くな
る。窒化珪素含量は5%以下では湯離れが悪く、20%以
上では耐摩耗性が低下する。 これ等のアルミナ,ジルコンおよび窒化珪素原料に対
して、通常の低セメントキャスタブルと同様に、アルミ
ナセメントを0.3〜6%,超微粉としてシリカフラワー
または粘土を2〜10%,更に分散剤としてヘキサメタ燐
酸ナトリウム,ピロ燐酸ナトリウム等を0.01〜0.3%加
えたものである。これ等は一例を示したもので他のもの
との置換も可能である。 炉体側部分4に使用するアルミナ・炭化珪素・黒鉛系
低セメントキャスタブルのアルミナ質骨材は、ボーキサ
イト,焼成バン土頁岩,合成ムライト等いずれも使用可
能であるが、耐食性の面で電融アルミナが最もよい。炭
化珪素の含量については特に制限なく,10〜20%のもの
がよく使用される。黒鉛の添加量は3〜10%が好まし
い。3%以下では湯離れが悪く、10%以上では強度が低
いため、溶鋼流による摩耗が大きくなる。アルミナセメ
ント、超微粉および分散剤については、前述のジルコン
・窒化珪素系低セメントキャスタブルの場合と同じであ
る。 炉体側の煉瓦部分2に使用するマグネシア・カーボン
煉瓦は、カーボン含量が10〜20%のものがよい。骨材の
マグネシアクリンカーは操業条件に応じて電融マグネシ
アクリンカー,海水マグネシアクリンカー、天然マグネ
シアクリンカーの中から適宜選ぶことができる。バイン
ダーは通常一般に使用されるフェノールレジンがよい。 次に各ゾーンの寸法比率を決める基準について述べ
る。マグネシアカーボン煉瓦部分2の長さは、電気炉で
鋼を溶解・精錬する時、鋼とスラグが溢出する位置付近
までとする。ブレキャストブロック1部分の長さは先端
での力学的安定性を考えて800m/m以上が好ましい。先端
部分3のアルミナ・ジルコン・窒化珪素質低セメントキ
ャスタブルのゾーンは、溶解・精錬中の溶鋼およびスラ
グとの接触をさけるため、600m/m以下が好ましい。また
最低100m/m以上なければ特長が発揮できない。 次に本考案の出鋼樋一体物構造体の製作方法について
述べる。 プレキャストブロックの製作 プレキャストブロックは前記2種類の低セメントキャ
スタブル調合物を所定型状の型に入れて、振動を与えな
がら成形を行う。振動を与える方法は、テーブルバイブ
レーターでもよいし、棒状バイブレーターでもよい。2
層のボカシ構造とする方法は2種類ある。一つは型枠を
立てて成形する方法である。すなわち、一方の調合物に
所定量の水を加えて混練し型枠に投入し振動を与える。
ついで、他方の調合物を投入して振動を与える。硬化後
に脱型して所定の熱処理を行う。あと一つの方法は型枠
を横に寝かせて成形するものである。この場合、2種類
の材質の境界部に仕切板を立てて、仕切板の両側にそれ
ぞれの混練物を投入し、振動を与えながら仕切板を抜く
のである。 マグネシア・カーボン煉瓦の製作 前記調合物を通常の方法で混練、成形、熱処理を行う
ことによって得たものでよい。 出鋼樋一体物構造体の組立 プレキャストブロックを第2図に示す補強金物6の端
に固定する。ついでマグネシア・カーボン煉瓦をプレキ
ャストブロックの側から積んでゆく。最後に締付部9で
繰めて固定する。 次に本考案の実施例を示す。
【実施例】
第1表に示す配合と特性の低セメントキャスタブルを
使用して長さが1200m/mで重さが1200kgのプレキャスト
ブロックをつくった。これを第2表に示す特性を有する
マグネシア・カーボン煉瓦と共に組立てて全長3300m/
m、総重量3000kgの一体物出鋼樋とした。この出鋼樋に
ついて40ton電気炉で実用テストを行った。 19チャージ/日の操業で2週間,チャージ数にして24
6回の耐用があった。この間、樋先の地金落としの作業
を必要としなかった。樋は炉体側から樋先までほぼ均等
に溶損され、使用期間中に溶鋼流の乱れがなかった。な
お出鋼温度は1650℃で、スラグの塩基度c/sは1.6であっ
た。
【考案の効果】
以上述べてきた如く、本考案のアーク炉用出鋼樋一体
物構造体は、出鋼口側から樋先まで均一に溶損されるた
め溶鋼流の乱れがなく、また樋先に地金が付着しないの
で製鋼作業の改善に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案のアーク炉用出鋼樋一体物構造体の実施
例を示す斜視図である。第2図は第1図の出鋼樋の運搬
と補強のために使用する補強金物の斜視図である。第3
図は出鋼樋の使用状態を示す縦断面図である。 1…プレキャストブロック、2…定形煉瓦、3…プレキ
ャストブロックの先端部分、4…プレキャストブロック
の炉体側部分。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】樋先が一つのプレキャストブロックであ
    り、炉体側が複数の定形煉瓦で形成されているアーク炉
    用出鋼樋一体物構造体において、前記プレキャストブロ
    ックが、アルミナ・ジルコン・窒化珪素系低セメントキ
    ャスタブルからなる湯離れのよい先端部分と耐蝕性のよ
    い炉体側部分とからなるように、異種材料を同時成形し
    てなるプレキャストブロックであることを特徴とするア
    ーク炉用出鋼樋一体物構造体。
  2. 【請求項2】同時成形された前記プレキャストブロック
    の炉体側部分がアルミナ・炭化珪素・黒鉛系低セメント
    キャスタブルであり、炉体側の前記定形煉瓦がマグネシ
    ア・カーボン質不焼成煉瓦である請求項1記載のアーク
    炉用出鋼樋一体物構造体。
JP15031889U 1989-12-27 1989-12-27 アーク炉用出鋼樋一体物構造体 Expired - Lifetime JPH087355Y2 (ja)

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