JPH0873389A - 不飽和アルコールの製造方法 - Google Patents

不飽和アルコールの製造方法

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JPH0873389A
JPH0873389A JP7157891A JP15789195A JPH0873389A JP H0873389 A JPH0873389 A JP H0873389A JP 7157891 A JP7157891 A JP 7157891A JP 15789195 A JP15789195 A JP 15789195A JP H0873389 A JPH0873389 A JP H0873389A
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啓一 佐藤
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巌 中嶋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 共役アルカジエンと水との反応による不飽和
アルコールの製造方法及びその新規な触媒系を提供す
る。又、該方法で得られる新規な6−ビニル−2,8,
13−テトラデカトリエン−1−オールを提供する。 【構成】 パラジウム化合物及び1つ以上の3価リン−
酸素単結合を有するリン化合物を触媒として用い、二酸
化炭素の存在下に共役アルカジエンと水とを反応させ
て、共役アルカジエンの多量化によって得られた骨格を
有する不飽和アルコールを製造する方法。また、新規な
ホスホナイト化合物、及びビス(ホスホナイト)パラジ
ウム錯体並びに新規な6−ビニル−2,8,13−テト
ラデカトリエン−1−オール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不飽和アルコールの製
造方法に関する。詳しくは本発明は、共役アルカジエン
と水とを反応させて、共役アルカジエンの水和偶数量化
物である不飽和アルコールを製造する方法に関する。更
に本発明は、新規なパラジウム錯体、ホスホナイト化合
物、ならびに上記不飽和アルコールを水素化して、飽和
アルコールを得る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不飽和アルコール類、特にオクタ−2,
7−ジエン−1−オールをはじめとするオクタジエノー
ル類は、n−オクタノール或いはそのエステル類を製造
するための中間体として、工業的に重要な化合物であ
る。かかる不飽和アルコール類を製造する方法として、
従来、パラジウム化合物及びホスフィン化合物を触媒と
して用い、二酸化炭素の存在下に、共役アルカジエンと
水とを反応させて、水和2量化物であるアルカジエノー
ル類を製造する方法が知られている(例えば、Chem
ical Communications330(19
71)、及び特公昭50−10565号等)。この場
合、パラジウム触媒の配位子として用いられるホスフィ
ン化合物としては、トリアリールホスフィンが有利であ
ることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来方法は優れた
方法ではあるが、得られるアルカジエノール類の収率な
らびに所望のオクタ−2,7−ジエン−1−オールへの
選択性の点で更に改良が望まれている。錯体触媒反応
は、触媒として用いる金属成分が重要な役割を示すが、
それと共に使用される配位子の種類の選定が、触媒反応
の活性および選択性に重大な影響を及ぼす。本発明者等
は、パラジウム化合物及びリン化合物を触媒として用い
る共役アルカジエンと水との反応において、所望の不飽
和アルコールを高収率、高選択率で得ることが出来る工
業的に有利な不飽和アルコール類の製造方法を提供する
べく鋭意検討を行った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は新規な触媒系を
使用し、共役アルカジエンと水とを反応させて共役ジエ
ンの多量化によって得られた骨格を有する不飽和アルコ
ールを製造する方法を提供するものである。本発明者ら
は、従来、触媒として用いることの知られている、パラ
ジウム化合物及びホスフィン化合物の組み合わせの代わ
りに、パラジウム化合物と3価リン原子−酸素原子間単
結合を有するリン化合物とを組み合わせた触媒を用い
て、二酸化炭素の存在下に、共役アルカジエンと水とを
反応させることにより、低いパラジウム濃度でも触媒成
分が有効に、かつ効率よく利用され、共役ジエンの多量
化によって得られた骨格を有する不飽和アルコール、具
体的には、共役アルカジエンとして1,3−ブタジエン
を使用する場合にはオクタ−2,7−ジエン−1−オー
ル、が高収率、かつ高選択的に得られることを見いだし
た。また、かかる原料を用いて反応を行った場合には、
有機化学反応の合成原料として有用な新規な6−ビニル
−2,8,13−テトラデカトリエン−1−オールをも
合成し得ることを見いだした。
【0005】即ち、本発明の第1の要旨は、パラジウム
化合物、及び、1つ以上の3価リン−酸素単結合を有す
るリン化合物を触媒として用い、二酸化炭素の存在下に
共役アルカジエンと水とを反応させて、共役ジエンの多
量化によって得られた骨格を有する不飽和アルコールを
製造することを特徴とする不飽和アルコールの製造方
法、に存する。また、本発明の第2の要旨は、下記一般
式(1)または(2)で表わされるホスホナイト化合物
とパラジウムとからなるビス(ホスホナイト)パラジウ
ム錯体、に存する。
【0006】
【化9】
【0007】
【化10】
【0008】(式(1)及び(2)中、A1 ,A4 は独
立に、置換されていてもよいアリール基またはアルキル
基を表し、A5 及びA6 は独立に、置換されていてもよ
いアリール基を表し、A2 及びA3 は独立に、置換され
ていてもよいアリーレン基を表し、x及びyは独立に0
または1の整数を表し、Qは−CR1 2 −,−O−,
−S−,−SO2 −,−NR3 −,−SiR4 5 −,
又は−CO−で表される2価の架橋基を表し、R1 及び
2 は独立に水素、炭素数1〜12のアルキル基、フェ
ニル基、トリル基、又はアニシル基を表し、R3 ,R4
及びR5 は独立に水素又はメチル基を表し、nは0また
は1の整数を表す。)
【0009】また、本発明の第3の要旨は、上記ビス
(ホスホナイト)パラジウム錯体を触媒として用い、二
酸化炭素の存在下に共役アルカジエンと水とを反応させ
て、共役アルカジエンの多量化によって得られた骨格を
有する不飽和アルコールを製造することを特徴とする不
飽和アルコールの製造方法、に存する。また、本発明の
第4の要旨は、下記一般式(7)で表わされる新規なホ
スホナイト化合物、に存する。
【0010】
【化11】
【0011】(式(7)中、A31は、置換されていても
よいアリール基またはアルキル基を表し、該アルキル基
はβ位に分岐がなく、A32,A33は、アルキル置換基を
もつアリーレン基を表し、かつ、A32とA33は同一では
なく、x2 ,y2 は独立に0または1の整数を表し、Q
2 は−CR4142−,−O−,−S−,−SO2 −,−
NR43−,−SiR4445−,又は−CO−で表される
2価の架橋基を表し、R 41及びR42は独立に水素、炭素
数1〜12のアルキル基、フェニル基、トリル基、又は
アニシル基を表し、R43,R44,R45は独立に水素又は
メチル基を表し、nは0または1の整数を表す。) また、本発明の第5の要旨は、下記一般式(8)で表わ
される新規なホスホナイト化合物、に存する。
【0012】
【化12】
【0013】(式(8)中、A34は、β位に分岐のある
アルキル基又はアラルキル基を表し、A35,A36は独立
に、置換されていても良いアリーレン基を表し、x3
3 は独立に0または1の整数を表し、Q2 は−CR46
47−,−O−,−S−,−SO2 −,−NR48−,−
SiR4950−,又は−CO−で表される2価の架橋基
を表し、R46,R47は独立に水素、炭素数1〜12のア
ルキル基、フェニル基、トリル基、又はアニシル基を表
し、R48,R49,R50は独立に水素またはメチル基を表
し、nは0又は1の整数を表す。)
【0014】また、本発明の第6の要旨は、パラジウム
化合物、及び、1つ以上の3価リン−酸素単結合を有す
るリン化合物を触媒として用い、二酸化炭素の存在下に
共役アルカジエンと水とを反応させて、共役アルカジエ
ンの多量化によって得られた骨格を有する不飽和アルコ
ールを得、次いでこの不飽和アルコールを水素化して対
応する飽和アルコールを得ることを特徴とする飽和アル
コールの製造方法、に存する。また、本発明の第7の要
旨は、新規化合物である6−ビニル−2,8,13−テ
トラデカトリエン−1−オール、に存する。
【0015】以下本発明を詳細に説明する。本発明方法
により不飽和アルコール類を製造するための原料である
共役アルカジエンとしては、例えば1,3−ブタジエ
ン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチ
ル−1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエン、クロロプレン、1,3−オクタジエン、等が挙
げられる。原料が1,3−ブタジエンである場合、通常
入手可能のものとして、精製1,3−ブタジエン及びい
わゆるBB留分(BBP)、すなわちナフサ分解生成物
中のC4留分混合物等が挙げられる。
【0016】主に経済性を考慮してBBPを原料とする
場合においては、原料BBP中に含有されるアセチレン
類およびアレン類を予め分離除去しておくことが望まし
い。アセチレン類およびアレン類を低減化するための方
法は特に限定されず、公知の諸方法が適宜採用可能であ
る。1,3−ブタジエンの水和偶数量化反応(例えば、
水和2量化、水和4量化)によりオクタジエノール類あ
るいはヘキサデカエトラエノール類を製造する場合に
は、BBP中のアセチレン類およびアレン類を除去ある
いは低減した後の、1,3−ブタジエン原料中のアセチ
レン類およびアレン類の総濃度は、可能な限り低いこと
が望ましいが、通常1,3−ブタジエンに対して1.0
重量%以下程度が望ましい。
【0017】一方、他の原料である水としては、水和偶
数量化反応に影響を与えない程度の純度の水が適宜使用
される。水の使用量については特に限定的ではないが、
共役アルカジエン1モルに対して、通常0.5〜10モ
ル、好ましくは1〜5モルの範囲から選択される。
【0018】本発明においては、主触媒としてパラジウ
ム化合物を使用する。使用されるパラジウム化合物の形
態およびその原子価状態については限定的ではなく、0
価または2価のいずれのパラジウム化合物も使用するこ
とが出来る。具体的には、硝酸パラジウム等のパラジウ
ム無機酸塩;酢酸パラジウム等のパラジウム有機酸塩;
ビス(アセチルアセトナト)パラジウム、ビス(トリブ
チルホスフィン)パラジウム酢酸塩等の2価パラジウム
錯体や、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム、トリス(ジペンジリデンアセトン)二パラジウ
ム、(1,5−シクロオクタジエン)(無水マレイン
酸)パラジウム等の0価パラジウム錯体が挙げられる
が、最も好ましいのは、共触媒として使用する、1つ以
上の3価リン−酸素単結合を有するリン化合物のみを配
位子としてもつパラジウム錯体である。上記のリン化合
物以外の配位子をもつパラジウム化合物を使用した場合
には、原料の共役アルカジエンと配位子との反応によ
り、有用ではない副生成物が生成する上、原料の共役ア
ルカジエンが無駄に消費されるが、1つ以上の3価リン
−酸素単結合を有するリン化合物のみを配位子としても
つパラジウム錯体を使用した場合には、そのような現象
がおこらないため、原料の共役アルカジエンを効率よく
消費することが出来る。このような化合物の例として
は、ビス(ホスフィナイト)パラジウム錯体、トリス
(ホスフィナイト)パラジウム錯体、テトラキス(ホス
フィナイト)パラジウム錯体、ビス(ホスホナイト)パ
ラジウム錯体、トリス(ホスホナイト)パラジウム錯
体、テトラキス(ホスホナイト)パラジウム錯体、ビス
(ホスファイト)パラジウム錯体、トリス(ホスファイ
ト)パラジウム錯体、テトラキス(ホスファイト)パラ
ジウム錯体等が挙げられる。
【0019】これらのパラジウ化合物の使用量は広範囲
に変化させ得るが、通常、共役アルカジエン1モルにつ
いてパラジウムとして0.000002〜1モル、好ま
しくは0.00002〜0.1モルの範囲内で選択され
る。本発明では共触媒として、1つ以上の3価リン−酸
素単結合を有するリン化合物を使用することを特徴とす
る。
【0020】1つ以上の3価リン−酸素単結合を有する
リン化合物は、3価リン原子−酸素原子間単結合の数に
より、ホスフィナイト(リン原子に1つの酸素原子と2
つの炭素原子がいずれも単結合で結合した構造を有する
リン化合物)、ホスホナイト(リン原子に2つの酸素原
子と1つの炭素原子がいずれも単結合で結合した構造を
有するリン化合物)、及びホスファイト(リン原子に3
つの酸素原子がいずれも単結合で結合した構造を有する
リン化合物)の3種類に分類出来る。本発明において共
触媒として用いられるホスホナイト化合物として、より
具体的には下記一般式(1),(2),(3)または
(4)で表されるホスホナイト化合物が使用される。
【0021】
【化13】
【0022】
【化14】
【0023】
【化15】
【0024】
【化16】
【0025】(式(1)〜(4)中、A1 ,A4 は独立
に、置換されていてもよいアリール基またはアルキル基
を表し、A5 ,A6 ,A13,A14,A15及びA16は独立
に、置換されていてもよいアリール基を表し、A2 ,A
3 ,A8 ,A9 ,A10及びA11は独立に、置換されてい
てもよいアリーレン基を表し、A7 及びA12は独立に、
置換されていてもよい2価の炭化水素基を表し、x,x
1 ,y,y1 ,z及びlは独立に0または1の整数を表
し、Q,Q1 及びTは独立に−CR1 2 −,−O−,
−S−,−SO2 −,−NR3 −,−SiR4 5 −,
又は−CO−で表される2価の架橋基を表し、R1 及び
2 は独立に水素、炭素数1〜12のアルキル基、フェ
ニル基、トリル基、又はアニシル基を表し、R3 ,R4
及びR5 は独立に水素又はメチル基を表し、n,m及び
kは0または1の整数を表す。)
【0026】上記式(1)〜(4)中、A1 及びA4
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
オクチル基等のアルキル基、ベンジル基等のアリール置
換アルキル基等の炭素数6〜30のアルキル基が挙げら
れ、これらのアルキル基はメトキシ基、エトキシ基、ヘ
キシルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜20の
アルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジオクチルアミノ基
等の炭素数2〜30のジアルキルアミノ基、−SO3
a,−COONa,−COOCH3 等の基等により置換
されていてもよい。A1 ,A4 ,A5 ,A6 ,A13,A
14,A15及びA 16におけるアリール基としては、フェニ
ル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、アルキル置
換ナフチル基等の炭素数6〜30のアリール基が挙げら
れ、これらのアリール基はメトキシ基、エトキシ基、ヘ
キシルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜20の
アルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジオクチルアミノ基
等の炭素数2〜30のジアルキルアミノ基、−SO3
a,−COONa,−COOCH3 等の基により置換さ
れていてもよい。A2 ,A3 ,A8 ,A9 ,A10及びA
11におけるアリーレン基としては、フェニレン基、アル
キル置換フェニレン基、アリール置換フェニレン基、ナ
フチレン基、アルキル置換ナフチレン基、アリール置換
ナフチレン基等の炭素数6〜30のアリーレン基が挙げ
られ、これらのアリーレン基はメトキシ基、エトキシ
基、ヘキシルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜
20のアルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジオクチルア
ミノ基等の炭素数2〜30のジアルキルアミノ基、−S
3 Na,−COONa,−COOCH3 等の基により
置換されていてもよい。A7 及びA12における2価の炭
化水素基としては、フェニレン基、アルキル置換フェニ
レン基、アリール置換フェニレン基、ナフチレン基、ア
ルキル置換ナフチレン基、アリール置換ナフチレン基等
の炭素数6〜30のアリーレン基、メチレン基、エチレ
ン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基、アリール置換ブ
チレン基等の炭素数6〜30のアルキレン基、ならび
に、上記アルキレン基とアリーレン基の直列に接合した
基であり、これらの基はメトキシ基、エトキシ基、ヘキ
シルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜20のア
ルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジオクチルアミノ基等
の炭素数2〜30のジアルキルアミノ基、−SO3
a,−COONa,−COOCH3等の基により置換さ
れていてもよい。R1 及びR2 で表される炭素数1〜1
2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ
る。かかるホスホナイト化合物の例としては、次のよう
な化合物が例示される。
【0027】
【化17】
【0028】
【化18】
【0029】
【化19】
【0030】
【化20】
【0031】
【化21】
【0032】
【化22】
【0033】
【化23】
【0034】
【化24】
【0035】
【化25】
【0036】
【化26】
【0037】
【化27】
【0038】
【化28】
【0039】
【化29】
【0040】前記式(1)及び(3)で示されるホスホ
ナイト化合物の中でも、A1 はアルキル基、アリール
基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、−SO3 Na
で示される基で置換されていてもよい炭素数6〜30の
アリール基が好ましい。又、Qとしては−CR1 2
あって、R1 及びR2 は独立に水素原子または炭素数1
〜6のアルキル基であるのが好ましい。A2 ,A3 ,A
8 ,A9 ,A10及びA11で示されるアリーレン基は、置
換されていてもよい1,2−アリーレン基であるのが好
ましく、特に6位に炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数1〜20のアルコキシ基等の置換基を有し、3位、4
位、及び5位の1カ所以上に炭素数1〜20のアルキル
基等の置換基を有していてもよい1,2−フェニレン基
であるのが好ましい。但し、ここで1,2−フェニレン
基の1位はリン原子と結合する酸素原子と結合するもの
とする。
【0041】一方、前記式(2)及び(4)で示される
ホスホナイト化合物の中でも、A5,A6 ,A13
14,A15及びA16は、o−位に炭素数1〜20のアル
キル基を有し、ベンゼン環上に他の置換基を有してもよ
いフェニル基が好ましい。A4 はアルキル基、アリール
基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、−SO3 Na
で示される基で置換されていてもよい炭素数6〜30の
アリール基が好ましい。本発明において共触媒として用
いられるホスフィナイト化合物として、より具体的には
下記一般式(5)で表されるホスフィナイト化合物が使
用される。
【0042】
【化30】
【0043】(式(5)中、A23,A24及びA25は独立
に、置換されていてもよいアリール基を表す。) かかるホスフィナイト化合物の具体例としては、次のよ
うな化合物が例示される。
【0044】
【化31】
【0045】
【化32】
【0046】
【化33】
【0047】
【化34】
【0048】前記一般式(5)で示されるホスフィナイ
ト化合物の中でも、A23,A24はアルキル基、アリール
基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、−SO3 Na
で示される基で置換されても良いC6 〜C30のアリール
基が好ましい。A25は、置換されていてもよいアリール
基であるのが好ましく、特にo−位に炭素数1〜20の
アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基等の置換基
を有し、m−位、またはp−位の1つ以上に炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、−
SO3 Naで示される基等の置換基を有してもよいフェ
ニル基またはナフチル基であるのが好ましい。本発明に
おいて、共触媒として用いられるホスファイト化合物と
して、より具体的には下記一般式(6)で表されるホス
ファイト化合物が使用される。
【0049】
【化35】
【0050】(式(6)中、A26,A27及びA28は独立
に、置換されていてもよいアリール基を表す。) かかるホスファイト化合物の具体例としては、次のよう
な化合物が例示される。
【0051】
【化36】
【0052】
【化37】
【0053】
【化38】
【0054】前記一般式(6)で示されるホスファイト
化合物の中でも、A26,A27及びA 28はそれぞれ独立
に、置換されていてもよいアリール基であるのが好まし
く、特に少なくとも1つのo−位に、炭素数1〜20の
アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基等の置換基
を有し、m−位、またはp−位の1つ以上に炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、−
SO3 Naで示される基等の置換基を有していてもよい
フェニル基またはナフチル基であるのが好ましい。
【0055】前記した1つ以上の3価リン−酸素単結合
を有するリン化合物の中でも、リン−酸素単結合とリン
−炭素単結合の両方を有する3価リンを有するもの、例
えば、ホスホナイト化合物やホスフィナイト化合物等を
用いることが好ましい。これらの1つ以上の3価リン−
酸素単結合を有するリン化合物のうち、配位子の塩基性
の強さが最適となるものは、ホスホナイト化合物であ
り、ホスホナイト化合物を用いたときに、最も高い反応
速度および目的化合物の高い選択性が得られる。
【0056】前記した1つ以上の3価リン−酸素単結合
を有するリン化合物の使用量は、通常パラジウム1モル
に対して0.1〜250モル(リン原子換算)程度から
選択されるが、好ましくは2モル〜150モル、更に好
ましくは、2モル〜100モル程度であり、上記範囲の
中で反応の条件下で反応液中に溶解する範囲内が望まし
い。
【0057】本発明方法の共役アルカジエンと水との反
応は、パラジウム化合物、1つ以上の3価リン−酸素単
結合を有するリン化合物、ならびに二酸化炭素の存在下
に行われる。本発明で使用される二酸化炭素は、反応系
で二酸化炭素として存在するものであればよく、特にそ
の供給形態は問わない。例えば、分子状の二酸化炭素、
炭酸、炭酸塩、重炭酸塩、あるいは二酸化炭素または炭
酸とアミンとの付加物が挙げられる。二酸化炭素の使用
量の上限は経済的理由により決定されるものであり、過
剰に使用しても特に反応を阻害することはない。通常二
酸化炭素はパラジウム1モルに対して1モル以上、好ま
しくは10モル以上使用される。
【0058】本発明方法においては、反応液中のパラジ
ウム化合物又はリン化合物を安定化させる、或いは、二
酸化炭素の溶解性を高め、所望の不飽和アルコール化合
物への反応性や選択性を高める等の目的で、反応液中に
塩基性化合物を存在させることもできる。塩基性化合物
としては、アミン化合物、ピリジン誘導体、アミド類等
が挙げられる。これらのうち、特にアミン化合物が好ま
しく、使用するアミン化合物は特に限定されないが、2
級以下のアミン化合物を用いた場合には共役アルカジエ
ンとの反応副生成物を与えることがあるので、3級アミ
ン化合物が最も好ましい。具体的なアミン化合物の例と
しては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン
などで代表されるトリアルキルアミン類、1−(N,N
−ジメチルアミノ)−2−プロパノール、1−(N,N
−ジメチルアミノ)−3−ブタノールなどのアミノアル
コール類、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン等のヘ
テロ芳香族アミン、およびN,N−ジメチル−2−メト
キシエチルアミン、N,N−ジメチル−3−エトキシプ
ロルアミン等のアルコキシアルキルアミン類、N−メチ
ルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモル
ホリン、N,N’−ジメチルピペラジン等の環状アミン
類、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタ
ンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサ
メチレンジアミン等のアルキレンジアミン類などが挙げ
られる。これらのうち反応成績、沸点、溶解性、価格な
どの諸点を考慮すると、トリエチルアミンが特に好まし
い。このようなアミン化合物の使用量としては、通常、
共役アルカジエンに対して、0.01〜20重量部、好
ましくは、0.1〜5重量部の範囲から任意に選択され
る。
【0059】上記共役アルカジエンと水との反応を行う
にあたって、反応をより円滑に行うためには溶媒を使用
するのが好適である。使用できる溶媒としては、ジエチ
ルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピル
ケトン、エチル−n−ブチルケトン等のケトン類、アセ
トニトリル、プロピオニトリル、ペンゾニトリル等のニ
トリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン等のアルカン類、ヘキセン、オクテン等のアルケン
類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、スルホ
ラン等のスルホン類、ニトロベンゼン、ニトロメタン等
のニトロ化合物、ピリジン、α−ピコリン等のピリジン
誘導体、アセトアミド、プロピオンアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノー
ル、n−アルカノール等のアルコール類、蟻酸、酢酸、
プロピオン酸、酪酸等のカルボン酸類などが例示され
る。かかる溶媒を使用する場合には、これらを単独で、
または混合溶媒としてのいずれでも差し支えない。これ
らのうち、特に低級アルコールを使用する場合には、ア
ルコキシアルカジエン等の副生成物の生成を伴い、低級
カルボン酸を使用する場合には、アシルオキシアルカジ
エン等の副生成物の生成を伴い、反応系を複雑にする可
能性があるので共に注意を要する。
【0060】溶媒を使用する場合の使用量は必ずしも限
定的ではないが、通常共役アルカジエン1重量部に対し
て0.1〜50重量部、好ましくは1〜10重量部の範
囲から任意に選択される。共役アルカジエンと水とを反
応させるための反応温度は、室温から180℃程度の範
囲から選択することができるが、50〜130℃程度の
温度範囲を選ぶのがより一般的であり、好ましくは、7
5〜110℃の温度範囲がより望ましい。反応圧力は常
圧から200kg/cm2 程度の範囲から選択される。
この際、二酸化炭素の他に窒素、ヘリウム、アルゴン等
の反応に不活性な気体を共存させることも可能である。
【0061】本発明においては、上記の反応原料、反応
条件にて共役アルカジエンと水とを反応させて共役アル
カジエンの多量化によって得られた骨格を有する不飽和
アルコール類を生成させる。なお、本発明の方法は、連
続式、半連続式、および回分式操作を含む周知の技術を
用いて実施し得る。この反応により得られる反応生成液
中には、触媒、主生成物である不飽和アルコール、副生
成物の不飽和炭化水素類、不飽和エーテル類、有機カル
ボン酸およびエステル類、ならびに溶媒、未反応の共役
アルカジエンや水等が含有されている。原料共役アルカ
ジエンが、1,3−ブタジエンの場合、1,3−ブタジ
エンの偶数量化によって得られた骨格を有する不飽和ア
ルコールとしては、オクタ−2,7−ジエン−1−オー
ル、オクタ−1,7−ジエン−3−オール、6−ビニル
−2,8,13−テトラデカトリエン−1−オールが、
副生成物としては、オクタトリエン類、ヘキサデカテト
ラエン類、ジオクタジエニルエーテル類、有機カルボン
酸およびエステル類が挙げられる。
【0062】本発明の方法によれば、パラジウム化合
物、及び、1つ以上の3価リン−酸素単結合を有するリ
ン化合物を触媒として用いることにより、触媒成分が有
効に作用するため、1,3−ブタジエンと水との反応に
おいて、従来公知の不飽和アルコールであるオクタ−
2,7−ジエン−1−オール、及び、オクタ−1,7−
ジエン−3−オールを高収率で取得することが可能であ
り、しかも1−オクタノールの原料となるオクタ−2,
7−ジエン−1−オールを高選択率で取得することがで
きる。更に、本発明の方法によれば、1,3−ブタジエ
ンの水和4量化物である6−ビニル−2,8,13−テ
トラデカトリエン−1−オールを取得することが可能で
ある。また、得られる不飽和アルコールを水素化するこ
とにより対応する飽和アルコールに転換することが出来
る。
【0063】なお、本発明の不飽和アルコールの製造方
法においては、所望の不飽和アルコールの種類に応じ
て、前記の反応条件内で適宜条件を選定すればよいが、
オクタ−2,7−ジエン−1−オールを高収率、高選択
率で取得するためには特に塩基性化合物の存在下で反応
を行うのが好ましい。一方、6−ビニル−2,8,13
−テトラデカトリエン−1−オールを高収率で取得する
ためには特に塩基性化合物の非存在下で反応を行うのが
好ましい。
【0064】反応後、不飽和アルコール類は、所望によ
り例えば特開昭54−144306号公報に記載された
ような蒸留法、特開昭57−134427号公報に記載
されたような抽出法などを適用することにより分離され
る。また、1,3−ブタジエンの水和偶数量化反応生成
物から、本発明の6−ビニル−2,8,13−テトラデ
カトリエン−1−オールを分離する場合には、例えば、
上記反応の溶媒としてテトラヒドロフラン、アセトン、
ジメチルホルムアミドのような親水親油両性を持つ溶媒
を使用する場合には、反応生成液を減圧蒸留することに
より溶媒を留去した後、ナトリウムジフェニルホスフィ
ノベンゼン−m−スルホネートのようなパラジウムに対
して配位子として作用する水溶性化合物、水、及びヘキ
サンを添加、攪拌して触媒パラジウムを水相に、生成物
をヘキサン相に分離後、ヘキサン相を減圧蒸留すること
により、取得することが可能である。
【0065】かくして得られる6−ビニル−2,8,1
3−テトラデカトリエン−1−オールは、種々の化学工
業における原料、例えば香料、化粧品、可塑剤、接着
剤、界面活性剤、および医薬中間体等の原料として有用
である。たとえば6−ビニル−2,8,13−テトラデ
カトリエン−1−オールを水添して得られる高級アルコ
ールは、更にエステル化することにより可塑剤、接着剤
として、あるいは硫酸エステルにすることにより界面活
性剤としての用途が期待される。
【0066】また、本発明において、前記一般式(1)
または(2)で示されるホスホナイト化合物とパラジウ
ムとからなるビス(ホスホナイト)パラジウム錯体は、
新規なパラジウム錯体であり、配位子としてホスホナイ
ト以外の余分な配位性化合物を含まないため、高活性を
示し、また、反応の種類によっては初期に誘導期が出現
しなくなる、という利点がある。また、本発明方法の反
応において、リン化合物以外の配位子をもつパラジウム
化合物を使用する場合には、原料の共役アルカジエンと
配位子との反応により、有用ではない副生成物が生成す
る上、原料のアルカジエンが無駄に消費されるが、ビス
(ホスホナイト)パラジウム錯体を用いることにより、
そのような不利益を回避することができる。上記のビス
(ホスホナイト)パラジウム錯体は本発明における共役
アルカジエンの多量化の触媒調製の過程で形成される
が、一般にその製法を示せば次の通りである。
【0067】酢酸パラジウム等のパラジウム化合物1モ
ルに対して2モル以上のホスホナイトを用いて、例えば
ブタジエンとメタノールとのような、共役アルカジエン
と活性水素化合物とのテロメリゼーション反応を行い、
反応終了後に析出した粗パラジウム錯体を濾別し、ヘキ
サン等の溶媒で再結晶を行うことで、目的のビス(ホス
ホナイト)パラジウム錯体を得ることが出来る。また、
この方法の他にも、一般的に知られている0価パラジウ
ムのホスフィン錯体の合成法と同様に、ホスホナイト配
位子の存在下、2価パラジウム化合物にヒドラジン等の
還元剤を作用させる方法で合成することも可能である。
また、本発明において、下記一般式(7)及び(8)で
示されるホスホナイト化合物は新規なホスホナイト化合
物である。
【0068】
【化39】
【0069】(式(7)中、A31は、置換されていても
よいアリール基またはアルキル基を表し、該アルキル基
はβ位に分岐がなく、A32,A33は、アルキル置換基を
もつアリーレン基を表し、かつ、A32とA33は同一では
なく、x2 ,y2 は独立に0または1の整数を表し、Q
2 は−CR4142−,−O−,−S−,−SO2 −,−
NR43−,−SiR4445−,又は−CO−で表される
2価の架橋基を表し、R 41及びR42は独立に水素、炭素
数1〜12のアルキル基、フェニル基、トリル基、又は
アニシル基を表し、R43,R44,R45は独立に水素又は
メチル基を表し、nは0または1の整数を表す。)
【0070】
【化40】
【0071】(式(8)中、A34は、β位に分岐のある
アルキル基又はアラルキル基を表し、A35,A36は独立
に、置換されていても良いアリーレン基を表し、x3
3 は独立に0または1の整数を表し、Q2 は−CR46
47−,−O−,−S−,−SO2 −,−NR48−,−
SiR4950−,又は−CO−で表される2価の架橋基
を表し、R46,R47は独立に水素、炭素数1〜12のア
ルキル基、フェニル基、トリル基、又はアニシル基を表
し、R48,R49,R50は独立に水素またはメチル基を表
し、nは0又は1の整数を表す。)
【0072】一般式(7)で示されるホスホナイト化合
物のように、ビスフェノール部分が非対称である場合に
は、対称なものに比べてより高い反応速度が得られ、ま
た一般式(8)のようなβ位に分岐のあるアルキル基で
置換されたホスホナイトは、分岐のないアルキル基で置
換されたホスホナイトに比べて、より高い反応速度およ
び目的化合物の高い選択性が得られる。
【0073】上記ホスホナイト化合物は次のような方法
で製造することが出来る。一般式(7)のホスホナイト
化合物の非対称ビスフェノール部分は、少なくとも片方
のo−位が無置換のフェノールに、当量のアルデヒド化
合物を水酸化ナトリウムのような塩基触媒で付加させ
て、o−位にメチロール基をもつフェノールを合成し、
しかるのちに、もう1分子の、少なくとも片方のo−位
が無置換のフェノールを同様に反応させて、合成するこ
とが出来る。
【0074】次に、一般式(7),(8)共に、ホスホ
ナイトの合成経路は基本的に共通であるが、これらの合
成経路は2通りあり、P−C結合を先に形成させたのち
にP−O結合を形成させる場合とその逆の順序の場合の
どちらでも可能である。P−C結合は、アリールブロミ
ド、あるいは、アルキルブロミドを原料にグリニャール
化合物をつくり、3塩化リン、または、ビスフェノキシ
ホスフィンクロリドと反応させて形成する。P−O結合
は、ビスフェノールと、3塩化リン、あるいはアリール
ホスフィンジクロリド、あるいはアルキルホスフィンジ
クロリドを、3級アミン化合物等の塩基性化合物を用い
て反応させ、形成する。
【0075】
【実施例】次に実施例により本発明の具体的態様をさら
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り
以下の実施例によって限定されるものではない。 実施例1 内容積200mlのステンレス製オートクレーブに、窒
素ガス雰囲気下で0.093ミリモルの酢酸パラジウ
ム、0.38ミリモルのフェニル(2,2′−メチレン
ビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノキシ))ホス
フィン、70mlのアセトン、10mlの水及びガスク
ロマトグラフィ分析のための内部標準物質として2.0
mlのo−キシレンを仕込み、更に20.2gの1,3
−ブタジエンと8gの二酸化炭素を導入した。反応混合
液を800rpmの速度で攪拌しながら20分かけて内
温が90℃になるまで加温した。90℃で3時間反応を
継続したのち、ガスクロマトグラフィで反応液を分析し
た結果、仕込1,3−ブタジエン当りの収率として、5
1.7%の2,7−オクタジエン−1−オール(以下、
1−HODと記載する)、3.7%の1,7−オクタジ
エン−3−オール(以下、3−HODと記載する)、1
3.0%の高沸点化合物(1−HOD及び3−HODよ
り高沸点を有する未同定化合物)が得られた。該高沸点
化合物を次の方法により分離し、同定を行なった。上記
反応液を25℃で減圧蒸留することにより、アセトンを
留去し、ナトリウムジフェニルホスフィノベンゼン−m
−スルホネート1g、n−ヘキサン20ml及び水20
mlを加えて攪拌ののち相分離させた。得られたヘキサ
ン相を減圧蒸留した結果、約2mmHg、50〜60℃
の条件で1−HODと3−HODを合計で10.73
g、約2mmHg、115〜145℃の条件で後留成分
2.7gを得た。後留成分を再度減圧蒸留精製し、約2
mmHg、110〜120℃の条件で初留0.93gと
後留1.29gを得た。該後留成分のガスクロマトグラ
フィでの純度は85%であった。この後留成分につきN
MR分析(溶媒:CDCl3 ;Varian社製UNI
TY300)を行なった。図1に 1H−NMRスペクト
ル(300MHz)を、図2に13C−NMRスペクトル
(75.429MHz)を、図3に、COSY(Cor
relation Spectroscopy)スペク
トル(299.949MHz)を、図4にDEPT(D
istortionless Enhancement
by Polarization Transfer)
スペクトル(75.43MHz)を示す。また図5〜図
9にINADEQUATE(Incredible N
atural Abundance Double E
QUAntumTransfer Experime
nt)スペクトル(75.429MHz)を示すが、図
5はjcc60.0Hzにおける全スペクトル、図6は
図5における56〜80ppmの拡大図、図7は図5に
おける140〜180ppmの拡大図、図8はjcc8
0.0Hzにおける全スペクトル、図9は図8における
140〜180ppmの拡大図を示す。これらを解析し
た結果、上記高沸点化合物が1,3−ブタジエンの水和
四量化物である6−ビニル−2,8,13−テトラデカ
トリエン−1−オール(以下、1−HHDTと記載す
る)であることが確認された。
【0076】実施例2 内容積200mlのステンレス製オートクレーブに、窒
素ガス雰囲気下で0.061ミリモルの酢酸パラジウ
ム、0.20ミリモルのフェニル(2,2′−メチレン
ビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノキシ))ホス
フィン、47mlのアセトン、6.7mlの水及びガス
クロマトグラフィ分析のための内部標準物質として1.
5mlのo−キシレンを仕込み、更に13.9gの1,
3−ブタジエンと8gの二酸化炭素を導入した。反応混
合液を800rpmの速度で攪拌しながら20分かけて
内温が90℃になるまで加温した。90℃で4時間反応
を継続したのち、ガスクロマトグラフィで反応液を分析
した。結果を表−1に示す。
【0077】実施例3 実施例2において、ホスホナイトの使用量を2.0ミリ
モルとし、反応時間を3時間とした他は同様に反応を行
った。結果を表−1に示す。
【0078】実施例4 実施例2において、酢酸パラジウムの使用量を0.5ミ
リモル、ホスホナイトの使用量を2.0ミリモルとし、
反応時間を30分とした他は同様に反応を行った。結果
を表−1に示す。
【0079】実施例5 実施例2において、ホスホナイトの使用量を0.26ミ
リモルとし、溶媒として、アセトンの代わりにジメチル
ホルムアミド47mlを用い、反応時間を2時間とした
他は同様に反応を行った。結果を表−1に示す。
【0080】実施例6 実施例2において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチルフェ
ノキシ))ホスフィン0.25ミリモルに変え、反応溶
媒のアセトンの他に更にトリエチルアミン11mlを使
用し、反応時間を2時間とした他は同様に反応を行っ
た。結果を表−1に示す。
【0081】実施例7 実施例2において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−t−ブチル
フェノキシ))ホスフィン0.25ミリモルに変え、反
応溶媒のアセトンの他に更にトリエチルアミン11ml
を使用し、反応時間を3時間とした他は同様に反応を行
った。結果を表−1に示す。
【0082】実施例8 実施例2において、ホスホナイトを、フェニルビス
(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)ホスフィン2.
7ミリモルに変えた他は同様に反応を行った。結果を表
−1に示す。
【0083】実施例9 実施例2において、ホスホナイトを、フェニルビス
(2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノキシ)ホス
フィン2.0ミリモルに変えた他は同様に反応を行っ
た。結果を表−1に示す。
【0084】実施例10 実施例2において、ホスホナイトを、o−トリルビス
(2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノキシ)ホス
フィン1.6ミリモルに変えた他は同様に反応を行っ
た。結果を表−1に示す。
【0085】比較例1 実施例1〜12は、ホスホナイトを使用した結果であっ
たが、ホスホナイトではなく、ホスフィンを用いた結果
を示す。実施例2において、ホスホナイトに代えてトリ
フェニルホスフィンを2.0ミリモル使用した他は同様
に反応を行った。結果を表−1に示す。
【0086】比較例2及び3 比較例1において、反応時間を、30分(比較例2)、
1時間(比較例3)とした他は同様に反応を行った。結
果を表−1に示す。
【0087】
【表1】 *1:仕込み1,3−ブタジエン基準の、1−HODと3−HOD合計収率 (%) *2:1−HODと3−HODの合計収量に対する1−HOD収量(%) *3:仕込み1,3−ブタジエン基準の、1−HHDT収率(%)
【0088】実施例11 実施例2において、酢酸パラジウムの使用量を0.12
8ミリモルとし、ホスホナイトを、フェニルビス(2,
4−ジメチル−6−t−ブチルフェノキシ)ホスフィン
に変え、その使用量を2.0ミルモルとし、反応溶媒の
アセトンの他にトリエチルアミン1mlを使用し、反応
時間を2時間とした他は同様に反応を行った。結果を表
−2に示す。
【0089】実施例12 実施例2において、酢酸パラジウムの使用量を0.13
4ミリモルとし、ホスホナイトを、m−トリル(2,
2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェ
ノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を2.0ミリ
モルとし、反応時間を3時間、反応温度を75℃とした
他は同様に反応を行った。結果を表−2に示す。
【0090】実施例13 実施例2において、酢酸パラジウムの使用量を0.12
4ミリモルとし、ホスホナイトを、m−トリル(2,
2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェ
ノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を2.0ミリ
モルとし、反応溶媒のアセトンの他にトリエチルアミン
3mlを使用し、反応時間を3時間、反応温度を75℃
とした他は同様に反応を行った。結果を表−2に示す。
【0091】実施例14 実施例2において、酢酸パラジウムの使用量を0.12
9ミリモルとし、ホスホナイトを、p−トリル(2,
2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェ
ノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を2.0ミリ
モルとし、反応時間を3時間、反応温度を75℃とした
他は同様に反応を行った。結果を表−2に示す。
【0092】実施例15 実施例2において、酢酸パラジウムの使用量を0.12
9ミリモルとし、ホスホナイトを、p−トリル(2,
2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェ
ノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を2.0ミリ
モルとし、反応溶媒のアセトンの他にトリエチルアミン
3mlを使用し、反応時間を3時間、反応温度を75℃
とした他は同様に反応を行った。結果を表−2に示す。
【0093】実施例16 内容積300mlのステンレス製オートクレーブに、窒
素ガス雰囲気下で0.192ミリモルの酢酸パラジウ
ム、3.1ミリモルのフェニルビス(2,4−ジメチル
−6−(1,1,2−トリメチルプロピル)フェノキ
シ)ホスフィン、70mlのアセトン、10mlの水を
仕込み、更に20.3gの1,3−ブタジエンと8gの
二酸化炭素を導入した。反応混合液を800rpmの速
度で攪拌しながら20分かけて内温が75℃になるまで
加温した。75℃で4時間反応を継続したのち、ガスク
ロマトグラフィで反応液を分析した結果の反応成績を表
−2に示す。
【0094】実施例17 実施例16において、反応溶媒のアセトンの他にトリエ
チルアミン1.35mlを使用した他は同様に反応を行
った。結果を表−2に示す。
【0095】実施例18 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(6−(1,1,2−トリメチルプ
ロピル)−4−メチルフェノキシ))ホスフィンに変
え、その使用量を1.9ミリモルとし、反応溶媒のアセ
トンの他にトリエチルアミン0.67mlを使用した他
は同様に反応を行った。結果を表−2に示す。
【0096】実施例19 実施例16において、ホスホナイトを、下記式で表わさ
れるフェニル(2,2′−メチレンビス(6−t−ブチ
ル−4−t−オクチルフェノキシ))ホスフィンに変
え、その使用量を1.54ミリモルとした他は同様に反
応を行った。結果を表−2に示す。
【0097】
【化41】
【0098】実施例20 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−t−オクチ
ルフェノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を1.
55ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他にトリエチ
ルアミン0.67mlを使用した他は同様に反応を行っ
た。結果を表−2に示す。
【0099】実施例21 実施例16において、ホスホナイトを、下記式で表わさ
れるフェニル(2,2′−メチレンビス(6−t−ブチ
ル−4−メトキシフェノキシ))ホスフィンに変え、そ
の使用量を1.54ミリモルとした他は同様に反応を行
った。結果を表−2に示す。
【0100】
【化42】
【0101】実施例22 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メトキシフ
ェノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を1.54
ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他にトリエチルア
ミン1.35mlを使用し、反応時間を3時間とした他
は、同様に反応を行った。結果を表−2に示す。
【0102】実施例23 実施例16において、ホスホナイトを、下記式で表わさ
れるフェニル(2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ
−t−ブチルフェノキシ))ホスフィンに変え、その使
用量を1.54ミリモルとした他は同様に反応を行っ
た。結果を表−2に示す。
【0103】
【化43】
【0104】実施例24 実施例16において、ホスホナイトを、下記式で表わさ
れるフェニル(2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ
−t−ブチルフェノキシ))ホスフィンに変え、その使
用量を1.54ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他
にトリエチルアミン1.35mlを使用した他は、同様
に反応を行った。結果を表−2に示す。
【0105】
【化44】
【0106】実施例25 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(3−メチル−4,6−ジ−t−ブ
チルフェノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を
1.54ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他にトリ
エチルアミン1.35mlを使用した他は、同様に反応
を行った。結果を表−2に示す。
【0107】実施例26 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(6−イソプロピルフェノキシ))
ホスフィンに変え、その使用量を1.54ミリモルと
し、反応溶媒のアセトンの他にトリエチルアミン2.6
5mlを使用し、反応時間を5時間とした他は、同様に
反応を行った。結果を表−2に示す。
【0108】実施例27 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(6−フェニルフェノキシ))ホス
フィンに変え、その使用量を1.55ミリモルとし、反
応溶媒のアセトンの他にトリエチルアミン2.65ml
を使用し、反応時間を3時間とした他は、同様に反応を
行った。結果を表−2に示す。
【0109】実施例28−1 実施例16において、ホスホナイトを、下記式で表わさ
れる4,4′−ビス((2,2′−メチレンビス(4−
メチル−6−t−ブチルフェノキシ))ホスフィノ)ビ
フェニルに変え、その使用量を0.78ミリモルとし、
反応溶媒のアセトンの他にトリエチルアミン1.35m
lを使用し、反応時間を5時間とした他は、同様に反応
を行った。結果を表−2に示す。
【0110】
【化45】
【0111】実施例28−2 実施例16において、ホスホナイトを、下記式で表わさ
れる4,4′−ビス(ビス(2,4−ジメチル−6−t
−ブチルフェノキシ)ホスフィノ)ビフェニルに変え、
その使用量を0.78ミリモルとし、反応温度を90℃
とした他は、同様に反応を行った。結果を表−2に示
す。
【0112】
【化46】
【0113】実施例29 実施例16において、ホスホナイトを、下記式で表わさ
れるフェニル(5,3′,5′−トリメチル−3−t−
ブチルジフェニルメタン−2,2′−ジオキシ)ホスフ
ィンに変え、その使用量を1.56ミリモルとし、反応
溶媒のアセトンの他にトリエチルアミン2.65mlを
使用した他は、同様に反応を行った。結果を表−2に示
す。
【0114】
【化47】
【0115】実施例30 実施例2において、酢酸パラジウムの使用量を0.12
3ミリモルにし、ホスホナイトを、フェニル(5,
3′,5′−トリメチル−3−t−ブチルジフェニルメ
タン−2,2′−ジオキシ)ホスフィンに変え、その使
用量を1.0ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他に
トリエチルアミン1.8mlを使用し、反応時間を2時
間にした他は、同様に反応を行った。結果を表−2に示
す。
【0116】実施例31 実施例2において、酢酸パラジウムの使用量を0.12
8ミリモルにし、ホスホナイトの使用量を2.00ミリ
モルとし、反応溶媒のアセトンの他にトリエチルアミン
3mlを使用し、反応温度を60℃にし、反応時間を5
時間にした他は、同様に反応を行った。結果を表−2に
示す。
【0117】
【表2】
【0118】実施例32 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−ジ−t−ブチル
フェノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を3.0
7ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他にN,N−ジ
メチルピペラジン5mlを使用した他は、同様に反応を
行った。結果を表−3に示す。
【0119】実施例33 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−ジ−t−ブチル
フェノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を3.0
8ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他に2,6−ル
チジン5.8mlを使用した他は、同様に反応を行っ
た。結果を表−3に示す。
【0120】実施例34 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−ジ−t−ブチル
フェノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を3.0
7ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他にN−メチル
モルホリン8.3mlを使用した他は、同様に反応を行
った。結果を表−3に示す。
【0121】実施例35 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−ジ−t−ブチル
フェノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を3.0
8ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他にN−エチル
ピペリジン10.3mlを使用し、反応時間を2時間と
した他は、同様に反応を行った。結果を表−3に示す。
【0122】実施例36 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−ジ−t−ブチル
フェノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を3.0
7ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他にN、N,
N′,N′−テトラメチルヘキサンジアミン8.0ml
を使用し、反応時間を2時間とした他は、同様に反応を
行った。結果を表−3に示す。
【0123】実施例37 実施例2において、酢酸パラジウムの使用量を0.13
9ミリモルにし、ホスホナイトを、フェニル(2,2′
−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノキ
シ))ホスフィンに変え、その使用量を2.0ミリモル
とし、反応溶媒のアセトンの他にピリジン3mlを使用
し、反応温度を75℃にした他は、同様に反応を行っ
た。結果を表−3に示す。
【0124】実施例38 実施例2において、酢酸パラジウムの使用量を0.12
3ミリモルにし、ホスホナイトを、n−ブチル(2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノキシ))ホスフィンに変え、反応溶媒のアセトンの他
にトリエチルアミン3mlを使用し、反応時間を0.5
時間にした他は、同様に反応を行った。結果を表−3に
示す。
【0125】実施例39 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−ジ−t−ブチル
フェノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を3.0
8ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他にN−メチル
イミダゾール0.03mlを使用した他は、同様に反応
を行った。結果を表−3に示す。
【0126】実施例40 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−ジ−t−ブチル
フェノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を3.0
8ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他に1,10−
フェナントロリン0.2ミリモルを使用し、6時間反応
を行った他は、同様に反応を行った。結果を表−3に示
す。
【0127】実施例41 実施例16において、ホスホナイトを、フェニル(2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−ジ−t−ブチル
フェノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を3.0
8ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他に2,2′−
ビピリジン0.19ミリモルを使用した他は、同様に反
応を行った。結果を表−3に示す。
【0128】
【表3】 *1:仕込み1,3−ブタジエン基準の、1−HODと3−HOD合計収率( %) *2:1−HODと3−HODの合計収量に対する1−HOD収量(%) *3:仕込み1,3−ブタジエン基準の、1−HHDT収率(%)
【0129】実施例42 ここでは、反応系にアミンを添加することで、反応生成
液をリサイクルさせた場合でもホスホナイト化合物が分
解せず安定に維持されることを示す。内容積200ml
のステンレス製オートクレーブに、窒素ガス雰囲気下で
0.127ミリモルの酢酸パラジウム、2.03ミリモ
ルのフェニル(2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−
t−ブチルフェノキシ))ホスフィン、47mlのアセ
トン、6.7mlの水、7mlのトリエチルアミン、3
mlのトリオクチルアミンを仕込み、更に13.8gの
1,3−ブタジエンと8gの二酸化炭素を導入した。反
応混合液を800rpmの速度で攪拌しながら20分か
けて内温が75℃になるまで加温した。75℃で2時間
反応を継続したのち、ガスクロマトグラフィで反応液を
分析した結果、仕込1,3−ブタジエン当りの収率とし
て、64.3%の1−HOD、3.9%の3−HOD、
0.3%の1−HHDTが得られた。この反応液を25
℃で減圧蒸留により、アセトン、トリエチルアミン、水
を留去し、続いて、約2mmHg、バス温90℃で、減
圧蒸留してHODを留去し、蒸留残査3.93gを得
た。蒸留残査を31P−NMRにより分析したところ、リ
ン酸基準で164.3ppmにホスホナイトの、12.
5ppmにホスホナイトオキサイドのシグナルが検出さ
れた。前記オートクレーブに、この蒸留残査全量と、4
7mlのアセトン、6.7mlの水、7mlのトリエチ
ルアミンを仕込み、更に13.5gの1,3−ブタジエ
ンと8gの二酸化炭素を導入し、1回目と同様に反応さ
せ、ガスクロマトグラフィで2回目の反応液を分析した
結果、仕込1,3−ブタジエン当たりの収率として、7
4.6%の1−HOD、4.3%の3−HOD、0.4
%の1−HHDTが得られた。2回目の反応液を31P−
NMRにより分析したところ、リン酸基準で164.1
ppmにホスホナイトの、12.4ppmにホスホナイ
トオキサイドのシグナルが検出された。この反応液を2
5℃で減圧蒸留により、アセトン、トリエチルアミン、
水を留去し、続いて、約2mmHg、バス温90℃で、
減圧蒸留してHODを留去し、蒸留残査4.09gを得
た。2回目の蒸留残査を31P−NMRにより分析したと
ころ、リン酸基準で164.3ppmにホスホナイト
の、12.5ppmにホスホナイトオキサイドのシグナ
ルが検出された。前記オートクレーブに、この2回目の
蒸留残査全量と、47mlのアセトン、6.7mlの
水、7mlのトリエチルアミンを仕込み、更に13.5
gの1,3−ブタジエンと8gの二酸化炭素を導入し、
1回目、2回目と同様に反応させ、ガスクロマトグラフ
ィで3回目の反応液を分析した結果、仕込1,3−ブタ
ジエン当りの収率として、62.7%の1−HOD、
3.8%の3−HOD、0.2%の1−HHDTが得ら
れた。3回目の反応液を 31P−NMRにより分析したと
ころ、リン酸基準で164.1ppmにホスホナイト
の、12.4ppmにホスホナイトオキサイドのシグナ
ルが検出された。このように、3回の繰り返し反応によ
り、ホスホナイトの分解は観測されなかった。
【0130】実施例43 内容積200mlのステンレス製オートクレーブに、窒
素ガス雰囲気下で0.065ミリモルの酢酸パラジウ
ム、0.51ミリモルのフェニル(2,2′−メチレン
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ))ホス
フィン、47mlのアセトン、6.7mlの水を仕込
み、更に13.5gの1,3−ブタジエンと8gの二酸
化炭素を導入した。反応混合液を800rpmの速度で
攪拌しながら20分かけて内温が90℃になるまで加温
した。90℃で3時間反応を継続したのち、ガスクロマ
トグラフィで反応液を分析した結果、仕込1,3−ブタ
ジエン当りの収率として、47.5%の1−HOD、
3.6%の3−HOD、8.9%の1−HHDTが得ら
れた。この反応液を25℃で減圧蒸留により、アセト
ン、水を留去し、続いて、約2mmHg、バス温130
℃で、減圧蒸留してHOD、HHDTを留去し、蒸留残
査5.49gを得た。前記オートクレーブに、この蒸留
残査全量と、47mlのアセトン、6.7mlの水を仕
込み、更に13.6gの1,3−ブタジエンと8gの二
酸化炭素を導入し、1回目と同様に反応させ、ガスクロ
マトグラフィで2回目の反応液を分析した結果、仕込
1,3−ブタジエン当りの収率として、39.0%の1
−HOD、2.6%の3−HOD、6.4%の1−HH
DTが得られた。この反応液を25℃で減圧蒸留によ
り、アセトン、水を留去し、続いて、約2mmHg、バ
ス温130℃で、減圧蒸留してHOD、HHDTを留去
し、蒸留残査6.09gを得た。前記オートクレーブ
に、この2回目の蒸留残査全量と、47mlのアセト
ン、6.7mlの水を仕込み、更に13.8gの1,3
−ブタジエンと8gの二酸化炭素を導入し、1回目、2
回目と同様に反応させ、ガスクロマトグラフィで3回目
の反応液を分析した結果、仕込み1,3−ブタジエン当
りの収率として、28.4%の1−HOD、1.8%の
3−HOD、3.8%の1−HHDTが得られた。3回
目の反応液を31P−NMRにより分析したところ、リン
酸基準で、12.4ppmにホスホナイトオキサイドの
シグナル、44.7ppmにホスホナイトの分解物のシ
グナルが検出され、元のホスホナイトは検出されなかっ
た。
【0131】実施例44 パラジウムビス(ホスホナイ
ト)錯体の合成 内容積70mlのステンレス製ミクロオートクレーブ
に、窒素ガス雰囲気下で1.01ミリモルの酢酸パラジ
ウム、5.01ミリモルのフェニル(2,2′−メチレ
ンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ))ホ
スフィン、10mlのメタノール、2mlのトリエチル
アミンを仕込み、更に3.3gの1,3−ブタジエンを
導入した。反応混合液を磁気攪拌子で攪拌しながら、8
0℃の電気炉中で1.5時間反応を行った。反応液を取
り出し、生成していた灰色の沈澱を濾過により取得し
た。窒素気流下、得られた灰色沈澱に脱気したヘキサン
15mlを加え攪拌し、不溶成分を濾別し黄色のヘキサ
ン溶液を得、約1/3に濃縮したところ黄色の結晶が析
出し、この結晶を濾別し乾燥して目的のパラジウムビス
(ホスホナイト)錯体を得た。元素分析の結果、リン原
子/パラジウム原子比は1.99であり、アセトン−d
6 溶媒中での31P−NMR、 1H−NMRを測定したと
ころ、表−4に示すデータが得られ、得られた黄色結晶
はビス(2,10−ジメチル−4,8−ビス(1,1−
ジメチルエチル)−6−フェニル−12H−ジベンゾ
[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン)パラジ
ウムと確認された。
【0132】
【表4】
【0133】実施例45−1 実施例2において、酢酸パラジウムの代わりに、実施例
44で合成したパラジウム錯体を1.1ミリモル、反応
溶媒のアセトンの他にトリエチルアミン3mlを使用
し、反応温度を75℃にした他は、同様に反応を行っ
た。結果は、HODの収率が81.5%、1−HODの
選択率が83.4%、1−HHDTの収率が0.5%で
あった。
【0134】実施例45−2 実施例45−1において、反応溶媒のアセトンの他にト
リエチルアミン3mlを使用し、反応温度を75℃に
し、反応時間30分、1時間において、反応器から少量
の反応液を抜き出し、分析した。結果を表−5に示す。
【0135】
【表5】 *1:仕込み1,3−ブタジエン基準の、1−HODと3−HOD合計収率( %) *2:1−HODと3−HODの合計収量に対する1−HOD収量(%) *3:仕込み1,3−ブタジエン基準の、1−HHDT収率(%)
【0136】実施例45−3 実施例2において、酢酸パラジウムの使用量を0.13
2ミリモルにし、ホスホナイトの使用量を1.99ミリ
モル、反応溶媒のアセトンの他にトリエチルアミン3m
lを使用し、反応温度を75℃にし、反応時間30分、
1時間において、反応器から少量の反応液を抜き出し、
分析した。結果を表−6に示す。
【0137】
【表6】 *1:仕込み1,3−ブタジエン基準の、1−HODと3−HOD合計収率( %) *2:1−HODと3−HODの合計収量に対する1−HOD収量(%) *3:仕込み1,3−ブタジエン基準の、1−HHDT収率(%)
【0138】実施例46 実施例16において、ホスホナイトの代わりにホスファ
イトを用いた。酢酸パラジウムの使用量を0.098ミ
リモル、ホスファイトとして、トリス(3,6−ジ−t
−ブチル−2−ナフチル)ホスファイトを1.51ミリ
モルとし、反応溶媒のアセトンの他にトリエチルアミン
1.35mlを使用し、反応温度を90℃とし、反応時
間を30分とした他は、同様に反応を行った。結果を表
−7に示す。
【0139】実施例47 実施例16において、ホスホナイトの代わりにホスファ
イトを用いた。酢酸パラジウムの使用量を0.098ミ
リモル、ホスファイトとして、トリス(3,6−ジ−t
−ブチル−2−ナフチル)ホスファイトを0.38ミリ
モルとし、反応溶媒のアセトンの他にトリエチルアミン
1.35mlを使用し、反応温度を90℃とし、反応時
間を1時間とした他は、同様に反応を行った。結果を表
−7に示す。
【0140】実施例48 実施例2において、ホスホナイトの代わりにホスフィナ
イトを用いた。酢酸パラジウムの使用量を0.062ミ
リモル、ホスフィナイトとして、ジフェニル(2,6−
ジ−t−ブチルフェノキシ)ホスフィンを2.02ミリ
モルとし、反応温度を90℃とし、反応時間を1時間と
した他は、同様に反応を行った。結果を表−7に示す。
【0141】実施例49 実施例2において、酢酸パラジウムの使用量を0.12
7ミリモルとし、ホスホナイトを、ベンジル(2,2′
−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキ
シ))ホスフィンに変え、その使用量を2.01ミリモ
ルとし、反応溶媒のアセトンの他にトリエチルアミン3
mlを使用し、6時間反応を行った他は、同様に反応を
行った。結果を表−7に示す。
【0142】実施例50 実施例2において、酢酸パラジウムの使用量を0.12
7ミリモルとし、ホスホナイトを、シクロヘキシルメチ
ル(2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノキシ))ホスフィンに変え、その使用量を
2.00ミリモルとし、反応溶媒のアセトンの他にトリ
エチルアミン3mlを使用した他は、同様に反応を行っ
た。結果を表−7に示す。
【0143】
【表7】 *1:仕込み1,3−ブタジエン基準の、1−HODと3−HOD合計収率( %) *2:1−HODと3−HODの合計収量に対する1−HOD収量(%) *3:仕込み1,3−ブタジエン基準の、1−HHDT収率(%)
【0144】実施例51 実施例1を、内容積1Lのステンレス製オートクレーブ
を用い、スケールを5倍にして同様に反応ならびに反応
液の蒸留を行い、1−HODを103g合成し、得られ
た1−HODを用いて水添反応を行った。振盪式の内容
積100mlのミクロオートクレーブにニッケル13.
7%、クロム1.9%をケイソウ土に担持した触媒を
3.9g、1−HODを26.0g仕込み、水素圧力を
40kg/cm2 とし、反応温度120℃で2時間水添
反応を行った。反応液をガスクロマトグラフィで分析し
た結果、水添反応はほぼ定量的に進行し、n−オクタノ
ール収率は99%以上、痕跡量の2−オクテン−1−オ
ール、n−オクチルアルデヒドが検出された。
【0145】実施例52 実施例51において、水添反応条件を、水素圧力20k
g/cm2 とし、3.5時間水添反応を行った。反応液
をガスクロマトグラフィで分析した結果、n−オクタノ
ール収率は66.7%、2−オクテン−1−オール収率
は26.4%、n−オクチルアルデヒド収率は5.0%
であった。
【0146】参考例1 (2,2′−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノキシ))ホスフィノク
ロリドの合成 内容積1Lの2口フラスコに、窒素雰囲気下、3塩化リ
ン14.76g(107.5ミリモル)、トルエン10
0mlを仕込み、磁気攪拌子で攪拌をおこない、そこ
へ、窒素雰囲気下、2,2′−メチレンビス(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)36.6g(107.
5ミリモル)とトリエチルアミン25mlをトルエン1
80mlに溶解させた溶液を、15分で滴下した。添加
終了後、反応混合物を60℃に加熱し、この温度で1時
間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、析出した無機
塩をろ別し、得られたろ液から溶媒を留去し、減圧下乾
燥し、43.07g(106.3ミリモル)の白色粉末
を得た。NMRにより目的物であることを確認した。
【0147】31P−NMR(CDCl3 、リン酸トリフ
ェニル:−18ppm基準) δ 154.6ppm1 H−NMR(CDCl3 ,(CH3 4 Si基準) δ/ppm 1.39(s,18H,−C(CH3 3 ) 2.30(s,6H,−CH3 ) 3.71(d,J=12.0Hz,1H,ArCH2
r) 3.99(d,J=12.0Hz,1H,ArCH2
r) 7.03(s,2H,−OArH) 7.09(s,2H,−OArH)
【0148】実施例53 分岐アルキルホスホナイト
(ベンジル(2,2′−メチレンビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノキシ))ホスフィン)の合成 内容積200mlの2口フラスコに、窒素雰囲気下、削
状マグネシウム0.385g(15.8ミリモル)、テ
トラヒドロフラン(THF)20mlを仕込み、磁気攪
拌子で攪拌をおこない、そこへ、窒素雰囲気下、α−ブ
ロモトルエン2.68g(15.7ミリモル)をTHF
20mlに溶解させた溶液を30分で滴下した。添加終
了後、反応混合物を加熱還流条件下で、1時間攪拌し、
グリニヤール試薬を調製した。この溶液を冷却後、氷浴
中で冷却しながら、参考例1で合成した(2,2′−メ
チレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキ
シ))ホスフィノクロリド6.33g(15.6ミリモ
ル)を30mlのTHFに溶解させたものを、20分で
滴下した。添加終了後、反応混合物を加熱還流条件下
で、1時間攪拌したのち、常圧下、溶媒のTHFを留去
し、残査をトルエン100mlに溶かし、不溶無機塩を
濾過して取り除いた。このトルエン溶液を減圧下トルエ
ンを留去し、粗ホスホナイトを得た。アセトニトリルで
再結晶を行い、白色粉末3.77gを得た。NMRによ
り目的物であることを確認した。
【0149】31P−NMR(CDCl3 、リン酸トリフ
ェニル:−18ppm基準) δ 182.4ppm1 H−NMR(CDCl3 ,(CH3 4 Si基準) δ/ppm 1.24(s,18H,−C(CH3 3 ) 2.25(s,6H,−CH3 ) 3.26(dd,J=12.6,4.2Hz,1H,A
rCH2 Ar) 3.57(m,2H,ArCH2 P) 4.22(d,J=12.6Hz,1H,ArCH2
r) 6.94(s,2H,−OArH) 7.08(s,2H,−OArH) 7.2−7.4(m,5H,−ArH)
【0150】実施例54 分岐アルキルホスホナイト
(シクロヘキシルメチル(2,2′−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノキシ))ホスフィン)
の合成 内容量200mlの2口フラスコに、窒素雰囲気下、削
状マグネシウム0.488g(20.1ミリモル)、T
HF25mlを仕込み、磁気攪拌子で攪拌をおこない、
そこへ、窒素雰囲気下、シクロヘキシルメチルブロミド
3.56g(20.1ミリモル)をTHF25mlに溶
解させた溶液を30分で滴下した。添加終了後、反応混
合物を加熱還流条件下で、1時間攪拌し、グリニヤール
試薬を調製した。この溶液を冷却後、氷浴中で冷却しな
がら、参考例1で合成した(2,2′−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ))ホスフィ
ノクロリド8.09g(20.0ミリモル)を30ml
のTHFに溶解させたものを、20分で滴下した。添加
終了後、反応混合物を加熱還流条件下で、1時間攪拌し
たのち、常圧下、溶媒のTHFを留去し、残査をトルエ
ン120mlに溶かし、不溶無機塩を濾過して取り除い
た。このトルエン溶液を減圧下トルエンを留去し、粗ホ
スホナイトを得た。アセトニトリルで再結晶を行い、白
色粉末4.97gを得た。NMRにより目的物であるこ
とを確認した。
【0151】31P−NMR(CDCl3 ,リン酸トリフ
ェニル:−18ppm基準) δ 192.9ppm1 H−NMR(CDCl3 ,(CH3 4 Si基準) δ/ppm 1.0−2.3(13H,−CH2 6 11) 1.33(s,18H,−C(CH3 3 ) 2.23(s,6H,−CH3 ) 3.27(d,J=12.6Hz,1H,ArCH2
r) 4.28(d,J=12.6Hz,1H,ArCH2
r) 6.93(s,2H,−OArH) 7.07(s,2H,−OArH)
【0152】参考例2 (2−ヒドロキシ−3−t−ブ
チル−5−メチルフェニル)(2−ヒロキシ−4−t−
ブチルフェニル)メタンの合成 ジムロート冷却管を備えた300mlナス型フラスコ中
で、3−t−ブチルフェノール33.6g(0.22m
ol)を水30mlに懸濁させ、この懸濁液に水酸化ナ
トリウム12.6g(0.32mol)を水30mlに
溶解させた水溶液を添加し、さらに、37%ホルムアル
デヒド水溶液35ml(ホルムアルデヒド0.47mo
l)を添加し、磁気攪拌子で攪拌した。この混合物を8
0℃に加熱し、この温度で8時間攪拌した。反応混合物
を室温まで冷却したのち、濃塩酸で酸性にし、酢酸エチ
ルで抽出した。得られた酢酸エチル溶液を水で洗浄した
のち、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。無水硫酸
マグネシウムを除去した溶液から、酢酸エチルを留去
し、得られた残査をn−ヘキサンで懸洗することによ
り、中間体である2−ヒドロキシメチル−5−t−ブチ
ルフェノールを白色粉末として、20.9g(0.12
mol,収率51.7%)得た。 1H−NMRにより目
的物であることを確認した。
【0153】1 H−NMR(CDCl3 ,(CH3 4 Si基準) δ/ppm 1.29(s,9H,−C(CH3 3 ) 2.33(br.s,1H,−CH2 OH) 4.82(s,2H,−CH2 OH) 6.88(dd,J=7.8,1.8Hz,1H,Ar
H OHのp−位) 6.93(d,J=1.5Hz,1H,ArH OHの
m−位) 6.96(d,J=7.8Hz,1H,ArH OHの
o−位) 7.23(br.s,1H,ArOH)
【0154】ジムロート冷却管を備えた300mlナス
型フラスコ中で、中間体の2−ヒドロキシメチル−5−
t−ブチルフェノール10.3g(0.057mol)
と2−t−ブチル−4−メチルフェノール10.2g
(0.062mol)を水60mlに懸濁させ、この懸
濁液に水酸化ナトリウム10.2g(0.26mol)
を水50mlに溶解させた水溶液を添加し、磁気攪拌子
で攪拌した。この混合物を100〜110℃に加熱し、
この温度で17.5時間攪拌した。反応混合物を室温ま
で冷却したのち、濃塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出
した。得られた酢酸エチル溶液を水で洗浄したのち、無
水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。無水硫酸マグネシ
ウムを除去した溶液から酢酸エチルを留去し、得られた
残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィで粗分離し
た。得られた褐色高粘性オイルにn−ヘキサンを添加
し、静置することにより、(2−ヒドロキシ−3−t−
ブチル−5−メチルフェニル)(2−ヒドロキシ−4−
t−ブチルフェニル)メタンを白色固体として、6.7
g(0.021mol,収率36.0%)得た。 1H−
NMRにより目的物であることを確認した。
【0155】1 H−NMR(CDCl3 ,(CH3 4 Si基準) δ/ppm 1.25(s,9H,−C(CH3 3 ) 1.39(s,9H,−C(CH3 3 ) 2.24(s,3H,−CH3 ) 3.86(S,2H,ArCH2 Ar) 5.65(s,1H,−OH) 6.42(s,1H,−OH) 6.77(d,J=1.8Hz,1H,ArH) 6.92(dd,J=8.1,1.8Hz,1H,Ar
H) 6.95(d,J=2.4Hz,2H,ArH) 7.20(d,J=8.1Hz,1H,ArH)
【0156】実施例55 フェニル(5−メチル−3,
5′−ジ−t−ブチルジフェニルメタン−2,2′−ジ
オキシ)ホスフィンの合成 ジムロート冷却管および50ml滴下ロータオを備えた
200ml4口フラスコ中、窒素雰囲気下、参考例2で
得られた(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチ
ルフェニル)(2−ヒドロキシ−4−t−ブチルフェニ
ル)メタン3.05g(9.4ミリモル)とトリエチル
アミン3.1mlをトルエン30mlに溶解させ、磁気
攪拌子で攪拌下、室温で、この溶液にジクロロフェニル
ホスフィン1.27ml(9.4ミリモル)をトルエン
20mlに溶解させた溶液を25分間かけて滴下ロート
より添加した。添加終了後、反応混合物を60℃に加熱
し、この温度で1時間攪拌した。反応混合物を室温に冷
却し、析出した無機塩をろ別し、得られたろ液から溶媒
を留去した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマト
グラフィにより分離し、溶媒を留去することにより白色
粉末として1.97g(4.6ミリモル,収率48.8
%)得た。31P−NMRおよび 1H−NMRにより目的
物であることを確認した。
【0157】31P−NMR(CDCl3 ,リン酸トリフ
ェニル:−18ppm基準) δ 164.5ppm1 H−NMR(CDCl3 ,(CH3 4 Si基準) δ/ppm 1.25(s,9H,−C(CH3 3 ) 1.27(s,9H,−C(CH3 3 ) 2.29(s,3H,−CH3 ) 3.45(d,J=12.9Hz,1H,ArCH2
r) 4.50(dd,J=12.6,3.3Hz,1H,A
rCH2 Ar) 7.01(s,2H,−OArH) 7.06−7.14(m,3H,−OArH) 7.5−7.6(m,3H,PArH m,p−位) 8.0−8.12(m,2H,PArH o−位)
【0158】参考例3 (2−ヒドロキシ−3−t−ブ
チル−5−メチルフェニル)(2−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)メタンの合成 ジムロート冷却管を備えた300mlナス型フラスコ中
で、2,4−ジメチルフェノール25.0g(0.20
mol)を水50mlに懸濁させ、この懸濁液に水酸化
ナトリウム10.0g(0.25mol)を水50ml
に溶解させた水溶液を添加し、さらに、37%ホルムア
ルデヒド水溶液46ml(ホルムアルデヒド0.61m
ol)を添加し、磁気攪拌子で攪拌した。この混合物を
70℃に加熱し、この温度で2時間攪拌した。反応混合
物を室温まで冷却したのち、濃塩酸で酸性にし、酢酸エ
チルで抽出した。得られた酢酸エチル溶液を水で洗浄し
たのち、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。無水硫
酸マグネシウムを除去した溶液から、酢酸エチルを留去
した。得られた残査をシリカゲルクロマトグラフィによ
り分離し、溶媒を留去したのちn−ヘキサンで懸洗する
ことにより、中間体である6−ヒドロキシメチル−2,
4−ジメチルフェノールを白色粉末として、20.5g
(0.13mol,収率65.9%)得た。 1H−NM
Rにより目的物であることを確認した。
【0159】1 H−NMR(CDCl3 ,(CH3 4 Si基準) δ/ppm 2.20(s,3H,−CH3 ) 2.21(s,3H,−CH3 ) 2.50(br.s,1H,−CH2 OH) 4.74(s,2H,−CH2 OH) 6.64(s,1H,ArH) 6.88(s,1H,ArH) 7.17(s,1H,ArOH)
【0160】ジムロート冷却管を備えた300mlナス
型フラスコ中で、中間体6−ヒドロキシメチル−2,4
−ジメチルフェノール10.4g(0.068mol)
と2−t−ブチル−4−メチルフェノール11.6g
(0.071mol)を水50mlに懸濁させ、この懸
濁液に水酸化ナトリウム10.3g(0.26mol)
を水50mlに溶解させた水溶液を添加し、磁気攪拌子
で攪拌した。この混合物を100℃に加熱し、この温度
で12時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却したの
ち、濃塩酸で酸性にし、トルエンで抽出した。得られた
トルエン溶液を水で洗浄したのち、無水硫酸マグネシウ
ム上で乾燥させた。無水硫酸マグネシウムを除去した溶
液からトルエンを留去し、得られた残査をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィで分離することにより、(2−ヒ
ドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)(2
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタンを褐
色高粘性液体として、10.6g(0.036mol,
収率51.9%)得た。 1H−NMRにより目的物であ
ることを確認した。
【0161】1 H−NMR(CDCl3 ,(CH3 4 Si基準) δ/ppm 1.39(s,9H,−C(CH3 3 ) 2.20(s,3H,−CH3 ) 2.22(s,3H,−CH3 ) 2.25(s,3H,−CH3 ) 3.85(s,2H,ArCH2 Ar) 5.36(s,1H,−OH) 6.34(s,1H,−OH) 6.80(s,1H,ArH) 6.95(s,3H,ArH)
【0162】実施例56 フェニル(5,3′,5′−
トリメチル−3−t−ブチルジフェニルメタン−2,
2′−ジオキシ)ホスフィンの合成 ジムロート冷却管および50ml滴下ロートを備えた2
00ml4口フラスコ中、窒素雰囲気下、参考例で得ら
れた(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフ
ェニル)(2−ヒドロキシ−2,4−ジメチルフェニ
ル)メタン10.4g(35.0ミリモル)とトリエチ
ルアミン11.5mlをトルエン40mlに溶解させ、
磁気攪拌子で攪拌下、室温で、この溶液にジクロロフェ
ニルホスフィン4.75ml(35.0ミリモル)をト
ルエン40mlに溶解させた溶液を滴下ロートより30
分間かけて添加した。添加終了後、反応混合物を60℃
に加熱し、この温度で1時間攪拌した。反応混合物を室
温に冷却し、析出した無機塩をろ別し、得られたろ液か
ら溶媒を留去した。得られた残査をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィにより分離し、溶媒を留去することによ
り白色粉末として10.3g(25.5ミリモル,収率
73.0%)得た。31P−NMRおよび 1H−NMRに
より目的物であることを確認した。
【0163】31P−NMR(CDCl3 ,リン酸トリフ
ェニル:−18ppm基準) δ 163.1ppm1 H−NMR(CDCl3 ,(CH3 4 Si基準) δ/ppm 1.28(s,9H,−C(CH3 3 ) 2.17(s,3H,−CH3 ) 2.27(s,3H,−CH3 ) 2.29(s,3H,−CH3 ) 3.39(d,J=12.6Hz,1H,ArCH2
r) 4.50(dd,J=12.6,3.6Hz,1H,A
rCH2 Ar) 6.85(s,1H,−OArH) 7.00(d,J=2.1Hz,1H,−OArH) 7.08(d,J=1.5Hz,1H,−OArH) 7.11(d,J=1.8Hz,1H,−OArH) 7.50−7.62(m,3H,PArH m,p−
位) 7.98−8.12(m,2H,PArH o−位)
【0164】実施例57 実施例16において、酢酸パラジウムの使用量を0.1
92ミリモルとし、ホスホナイトをフェニル(5−メチ
ル−3,5′−ジ−t−ブチルジフェニルメタン−2,
2′−ジオキシ)ホスフィン(実施例55で合成)に変
え、その使用量を1.54ミリモルとし、反応溶媒のア
セトンの他にトリエチルアミン2.65mlを使用し、
反応時間を30分とした他は、同様に反応を行った。結
果を表−8に示す。
【0165】
【表8】 *1:仕込み1,3−ブタジエン基準の、1−HODと3−HOD合計収率( %) *2:1−HODと3−HODの合計収量に対する1−HOD収量(%) *3:仕込み1,3−ブタジエン基準の、1−HHDT収率(%)
【0166】
【発明の効果】本発明によれば、共役アルカジエンと水
とを反応させることにより共役アルカジエンの多量化に
よって得られた骨格を有する不飽和アルコールを製造す
ることが可能である。特に、共役アルカジエンの二量化
水和物を高収率で取得することが可能であり、かつ末端
に水酸基を有する直鎖の不飽和アルコール、具体的には
共役アルカジエンが1,3−ブタジエンの場合には、
2,7−オクタジエン−1−オールを高収率、高選択率
で取得することが可能である。また、本発明によれば、
1,3−ブタジエンの水和四量化物であり、化学工業原
料として有用な新規な6−ビニル−2,8,13−テト
ラデカトリエン−1−オールを取得することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた高沸点化合物の 1H−NM
Rスペクトル図である。
【図2】実施例1で得られた高沸点化合物の13C−NM
Rスペクトル図である。
【図3】実施例1で得られた高沸点化合物のCOSYス
ペクトル図である。
【図4】実施例1で得られた高沸点化合物のDEPTス
ペクトル図である。
【図5】実施例1で得られた高沸点化合物のjcc6
0.0Hzに於けるINADEQUATEスペクトルの
全図である。
【図6】図5に示したスペクトル図の56〜80ppm
の拡大図である。
【図7】図5に示したスペクトル図の140〜180p
pmの拡大図である。
【図8】実施例1で得られた高沸点化合物のjcc8
0.0Hzに於けるINADEQUATEスペクトルの
全図である。
【図9】図8に示したスペクトル図の140〜180p
pmの拡大図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 29/46 C07F 9/48 9155−4H 9/6574 Z 9155−4H // C07B 61/00 300

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラジウム化合物、及び、1つ以上の3
    価リン−酸素単結合を有するリン化合物を触媒として用
    い、二酸化炭素の存在下に共役アルカジエンと水とを反
    応させて、共役アルカジエンの多量化によって得られた
    骨格を有する不飽和アルコールを製造することを特徴と
    する不飽和アルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 1つ以上の3価リン−酸素単結合を有す
    るリン化合物が、ホスホナイト、ホスフィナイト及びホ
    スファイトからなる群から選ばれるものである請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】 1つ以上の3価リン−酸素単結合を有す
    るリン化合物が、リン−酸素単結合及びリン−炭素単結
    合の両者を有する3価リンを有するものである請求項1
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 リン化合物がホスホナイト化合物である
    請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 1つ以上の3価リン−酸素単結合を有す
    るリン化合物として下記一般式(1),(2),(3)
    または、(4)で表されるホスホナイト化合物を用いる
    請求項1に記載の方法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (式(1)〜(4)中、A1 ,A4 は独立に、置換され
    ていてもよいアリール基またはアルキル基を表し、
    5 ,A6 ,A13,A14,A15及びA16は独立に、置換
    されていてもよいアリール基を表し、A2 ,A3
    8 ,A9 ,A10及びA11は独立に、置換されていても
    よいアリーレン基を表し、A7 及びA12は独立に、置換
    されていてもよい2価の炭化水素基を表し、x,x1
    y,y1 ,z及びlは独立に、0または1の整数を表
    し、Q,Q1 及びTは独立に、−CR1 2 −,−O
    −,−S−,−SO2 −,−NR3 −,−SiR4 5
    −,又は−CO−で表される2価の架橋基を表し、R1
    及びR2 は独立に、水素、炭素数1〜12のアルキル
    基、フェニル基、トリル基、又はアニシル基を表し、R
    3 ,R4 及びR5 は独立に、水素又はメチル基を表し、
    n,m及びkは0または1の整数を表す。)
  6. 【請求項6】 塩基性化合物の存在下に反応を行う請求
    項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 下記一般式(1)または(2)で表され
    るホスホナイト化合物とパラジウムとからなるビス(ホ
    スホナイト)パラジウム錯体。 【化5】 【化6】 (式(1)及び(2)中、A1 ,A4 は独立に、置換さ
    れていてもよいアリール基またはアルキル基を表し、A
    5 及びA6 は独立に、置換されていてもよいアリール基
    を表し、A2 及びA3 は独立に、置換されていてもよい
    アリーレン基を表し、x及びyは独立に、0または1の
    整数を表し、Qは独立に、−CR1 2 −,−O−,−
    S−,−SO2 −,−NR3 −,−SiR4 5 −,又
    は−CO−で表される2価の架橋基を表し、R1 及びR
    2 は独立に、水素、炭素数1〜12のアルキル基、フェ
    ニル基、トリル基、又はアニシル基を表し、R3 ,R4
    及びR5 は独立に、水素又はメチル基を表し、nは0ま
    たは1の整数を表す。)
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のビス(ホスホナイト)
    パラジウム錯体を触媒として用い、二酸化炭素の存在下
    に共役アルカジエンと水とを反応させて、共役アルカジ
    エンの多量化によって得られた骨格を有する不飽和アル
    コールを製造することを特徴とする不飽和アルコールの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 下記一般式(7)で表わされるホスホナ
    イト化合物。 【化7】 (式(7)中、A31は、置換されていてもよいアリール
    基またはアルキル基を表し、該アルキル基はβ位に分岐
    がなく、A32,A33は、アルキル置換基をもつアリーレ
    ン基を表し、かつ、A32とA33は同一ではなく、x2
    2 は独立に、0または1の整数を表し、Q2 は−CR
    4142−,−O−,−S−,−SO2 −,−NR43−,
    −SiR4445−,又は−CO−で表される2価の架橋
    基を表し、R41及びR42は独立に、水素、炭素数1〜1
    2のアルキル基、フェニル基、トリル基、又はアニシル
    基を表し、R43,R44,R45は独立に、水素又はメチル
    基を表し、nは0または1の整数を表す。)
  10. 【請求項10】 下記一般式(8)で表されるホスホナ
    イト化合物。 【化8】 (式(8)中、A34は、β位に分岐のあるアルキル基又
    はアラルキル基を表し、A35,A36は独立に、置換され
    ていても良いアリーレン基を表し、x3 ,y3 は独立
    に、0または1の整数を表し、Q2 は−CR4647−,
    −O−,−S−,−SO2 −,−NR48−,−SiR49
    50−,又は−CO−で表される2価の架橋基を表し、
    46,R47は独立に水素、炭素数1〜12のアルキル
    基、フェニル基、トリル基、又はアニシル基を表し、R
    48,R49,R50は独立に水素またはメチル基を表し、n
    は0又は1の整数を表す。)
  11. 【請求項11】 パラジウム化合物、及び、1つ以上の
    3価リン−酸素単結合を有するリン化合物を触媒として
    用い、二酸化炭素の存在下に共役アルカジエンと水とを
    反応させて、共役アルカジエンの多量化によって得られ
    た骨格を有する不飽和アルコールを得、次いでこの不飽
    和アルコールを水素化して対応する飽和アルコールを得
    ることを特徴とする飽和アルコールの製造方法。
  12. 【請求項12】 6−ビニル−2,8,13−テトラデ
    カトリエン−1−オール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998043935A1 (fr) * 1997-03-27 1998-10-08 Mitsubishi Chemical Corporation Procede de preparation d'aldehydes
JP2011507955A (ja) * 2007-12-26 2011-03-10 イーストマン ケミカル カンパニー ヒドロホルミル化方法のためのホスホナイト含有触媒
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